JP2005281126A - タブレット一体型ガラス管及びその製造方法 - Google Patents

タブレット一体型ガラス管及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】平面画像表示管等の排気操作を行う際にガラス管やタブレットの破損やリーク、さらに平面画像表示管内の汚染等を防止し、安定した封止形状を実現することのできるタブレット一体型ガラス管とその製造方法を提示することを課題とする。
【解決手段】
本発明のガラスのタブレット一体型ガラス管10ガラス管20の先端部に、環状の封着ガラスタブレット30が加熱融着されており、ガラス管20と封着ガラスタブレット界面33の結晶析出量に対して、それに対向するタブレット31表面の結晶析出量が少ないものである。また、本発明のタブレット一体型ガラス管の製造方法は、ガラス管20の先端に環状の封着ガラスタブレット30を加熱封着するタブレット一体型ガラス管10の製造方法であって、ガラス管20に融着されたタブレット表面33の結晶析出量に対し、それに対向するタブレット表面31の結晶析出量を少なくなるようにガラス管20に加熱融着するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、フラットパネルディスプレイ製造における排気管として使用されるタブレット一体型ガラス管とその製造方法に関する。
フラットパネルディスプレイ(FDP)等に代表される平面画像表示管は、その機能実現のために表示管の内部を真空状態(または減圧)とするか、あるいは排気後にパージガスの導入を目的とし、一般に排気管(排出管と呼ばれることもある)と呼ばれるガラス管が配設されて利用されている。この排気管は、例えば平面画像表示管であれば、その表示部裏面等に設けられた排気孔位置と排気管の開口部の位置を合致する様に封着して利用される。
このガラス管よりなる排気管の封着にあたっては、排気系を構成する排気装置への接続工程等を容易なものとするような各種の工夫を行い、しかも平面画像表示管の機能を経時的に低下させるようなことのないよう、排気管の平面画像表示管への封着箇所の気密性を充分高い状態に維持できるような注意が要求される。さらに、この排気管の封着部位の機械的な強度についても後工程等において、支障のないような安定した強度を有するものとなるような管理を行う必要がある。
排気管の平面画像表示管への配設方法にも種々の方法があるが、代表的な方法の一つとして、低融点ガラス粉末を所定形状に成形した封着ガラスタブレットを使用する方法がある。この方法を採用する場合に使用される封着ガラスタブレットの形状は、ガラス管を中央に挿入できるような挿入孔が貫通していて、封止した時に充分な強度を有する状態となるだけの厚みのある封止面積が確保できるような環形状である。そして、その封着ガラスタブレットの挿入孔と平面画像表示管の排気孔の位置を合わせた後に挿入孔にガラス管先端部を挿入して所定の位置で固定し、その後にこの状態で保持しつつ封着ガラスタブレットをその軟化点以上の温度まで加熱することによって軟化変形させ、平面画像表示管とガラス管の双方に加熱封止することによって、ガラス製排気管を平面画像表示管に配設するものである。
このような配設方法を採用する場合、ガラス製排気管、封着ガラスタブレット、平面画像表示管の各パーツの位置決めを同時に行う工程が必要である。そしてそのためには、それぞれのパーツ寸法や固定位置等に高い精度が要求され、また封着温度についても精密な管理が必要となる。そこで、特許文献1に開示された様に、予め封着ガラスタブレットをガラス製排気管に取り付けて一体としたものが採用されて利用されるようになった。そして、この封着ガラスタブレット一体型ガラス管(あるいはガラスタブレット付きガラス管)について、特許文献2や特許文献3には封着後の工程でガラス管が破損、あるいは傾くのを防ぐためにガラス管と封着ガラスタブレットの位置関係やその寸法についての発明が行われた。また、特許文献4では、封着ガラスタブレットとして低融点と高融点の2種類の材質を採用することによって、封着後の封着ガラスタブレットの融着形状を改善する構成が開示された。さらに特許文献5では、逆さ封着や横方向への封着において封着ガラスタブレットの形状の乱れを防止する発明が行われ、特許文献6では、特許文献4の技術の延長としてガラス管内に封着ガラスが入り込むことによってガラス管が閉塞されて排気の妨げになるのを防止する発明が開示されている。
また特許文献7では、封着ガラスの封着性改善を目的として非晶質の低融点ガラスに代えて結晶質の低融点ガラス粉末を使用することが示された。さらに、特許文献8では、排気管の位置のずれ等に起因する破損を防止するために排気管の配設位置を正確なものにするように排気管と封着ガラスの間に接続リングを介する方法も開示されている。
特開2001−253724号公報 特開2001−84892号公報 特開2002−293580号公報 特開2002−308653号公報 特開2003−306355号公報 特開2003−335557号公報 特開2000−82410号公報 特開平9−245649号公報
しかし、これまでに開示されたものだけでは、高い安定性のある封着を実現し、平面画像表示管の製造等において発生する封着部の強度低下等の問題を回避して、タブレット一体型ガラス管を使用して良質な排気管を製造するには十分なものではない。
封着ガラスタブレット付きガラス管を平面画像表示管等に封止するために両方のパーツの位置決めを行うが、タブレット一体型ガラス管と平面画像表示管等に設けられた通気孔の位置を正確に設定し、しかも封着ガラスタブレットの軟化融着の間にその相対位置に狂いが生じないようにすることが困難なものとなることが多い。前記した特許文献8の方法は、正確な位置決めを行うには好適であるが、部品点数を増加させるものであり、封着に関わる粉末ガラスについては、その形状等に留意するものではないため、大きな改善効果が期待できない。
また、封着ガラスタブレットは、タブレット成形時の加熱工程、管ガラスとの融着時の加熱工程そして平面画像表示管等の被接着物との封止時の加熱工程と計3回の加熱処理工程を行うことによって排気管に封止された状態で利用されるものであるが、被接着物との封止時の加熱工程においてタブレットと被接着物との接着界面にそれまでの2回の加熱工程によって結晶等が析出している場合、あるいは接着表面の表面形状等に問題がある場合に、タブレットの加熱によるガラスの流動性が阻害されることになる。そしてこのような場合には、封止後の接合部について充分に高い封着強度を実現することができず、その結果排気管の利用される排気工程等で接合部の破損する危険性が大きくなるという問題もあった。また、封着表面が2回目の加熱によってR面状に加熱変形し、その結果として封着位置や傾きのずれ等が発生するといった問題も指摘されている。
本発明者らは、かかる状況に鑑み平面画像表示管等の排気操作を行う際にガラス管やタブレットの破損、あるいはガラス管とタブレットの接合部の破損やリーク、さらに平面画像表示管内への汚染等を防止し、安定した封止形状を実現することのできるタブレット一体型ガラス管とその製造方法を提示することを課題とする。
すなわち、本発明のタブレット一体型ガラス管は、ガラス管の先端部に、環状の封着ガラスタブレットが加熱融着されており、ガラス管と封着ガラスタブレット界面の結晶析出量に対して、それに対向するタブレット表面の結晶析出量が少ないことを特徴とする。
ここで、ガラス管の先端部に、環状の封着ガラスタブレットが加熱融着されており、ガラス管と封着ガラスタブレット界面の結晶析出量に対して、それに対向するタブレット表面の結晶析出量が少ないとは、リング形状の封着ガラスタブレットとガラス管が加熱接着されることによって形成された界面部に析出した結晶量が、封着ガラスタブレットとガラス管の加熱接着されることによって形成された界面部以外のタブレットの自由表面であって、排気を行う被接着物との封着に共されるタブレット表面の析出結晶量より多いことを意味している。
そして、ガラスタブレットとガラス管との接着界面の結晶析出量と比較して接着界面に対向するタブレットの自由表面部の結晶析出量が相対的に少ないことによって、ガラス管とタブレット間の接着強度を充分高い状態に維持することが可能となり、一方排気を行う被接着物との封着に供されるタブレット表面が3回目の加熱を行われた際、タブレット表面がスムーズに流動することになり、被接着物との接着強度に支障のない状態とし易くなる。よって、排気を行う被接着物との封着に共される表面の析出結晶量は少ない方が好ましい。そしてこのタブレットの自由表面にはまったく析出結晶が存在せず、ガラス管と封着ガラスタブレット界面には結晶が析出し強固な接着強度が実現されたタブレット一体型ガラス管が理想的なものである。
ここでの結晶析出量の比較は、ガラスタブレットの単位質量当たりの結晶析出量を比較するものであって、結晶種の違いを限定するものではなく、タブレット表面から100μmまでの深さについて、その結晶量に関する質量%での比較をおこなうことを意味するものである。そしてこのような結晶析出量についての比較は、具体的には微小領域X線回折装置や薄膜X線回折装置等を使用して、ガラス管とタブレットの接着界面とタブレットの自由表面についての相対的な回折強度ピークの比較を行うことによって評価することが可能である。また、通常のX線ディフラクトメーターであっても、X線強度を意図的に上げる等の工夫を行うことによって、X線計測管が検出する単位秒当たりのカウント数の比較を行うことによって両方の表面における結晶析出量を比較するものであってもよい。
また、この析出結晶については、その析出結晶の種類について限定するものではなく、複数の結晶種が同時に析出する場合については、それぞれの量の総和について比較するものである。さらに結晶析出量は、ガラス中に予め意図的に含有させたフィラー等に起因するものを含むものではなく、加熱操作中に発生した結晶についてその析出量を規定するものである。
また、本発明のタブレット一体型ガラス管は、上記に加えてガラス管の先端部が拡径されていることが好適である。
ここで、ガラス管の先端部が拡径されていることとは、粉末ガラスを加熱融着した部分のガラス管の直径がガラス管の伸張方向の中央部に比較して大きくなっていることであって、具体的に例示すれば、ガラス管先端部がフレア形状あるいはフランジ形状であるような形状となっていることを意味している。
ガラス管の先端部がフレア形状あるいはフランジ形状であるとは、ガラス管のタブレットを加熱接着する側の管端形状が略放射状あるいは略円錐状であるか、あるいはガラス管の伸張方向に対して直角方向に伸びたリング状の突起あるいは鍔(つば)形状を有するものである。このフランジ形状部は、ガラス管の直径が管端に向かうにつれて連続的に増加するようなものであっても、断続的にその増加率が変化するものであってもよい。またフランジ形状部についても、ガラス管の管壁の厚みが、管端近傍部にて局所的に増加するものであるが、この場合についても断続的なものであってもよい。
ガラス管のタブレットと加熱融着する側の管の先端をこのような形状とすることによって、ガラス管と平面画像表示管等の被封着体との接触面積を大きくすることが可能となり、また接合の際に傾き等が発生しにくいものであって、排気管の接合強度を充分に強い状態とすることが可能となり、リーク等の問題を少なくするためにも好適なものとなる。さらに、排気管の取り付け方法にも依存するものであるが、必要に応じてこのフレア形状部やフランジ形状部を利用することによって、排気管を押圧状態で配設することも可能となる。
また、本発明のタブレット一体型ガラス管は、上記に加えて画像出力装置の排気管として使用されることが好適である。
ここで、画像出力装置の排気管として使用されるとは、動画や静止画等の画像出力装置として利用される電子機器について、その電子機器の保護あるいは必要となる機能を実現するために減圧あるいは真空に脱気することが必要となるような装置に使用される排気管として好適であることを意味するものである。このような画像入力装置や画像出力装置の具体例としては、テレビ(TV)、フラットパネルディスプレイ(FPD)等の静止画・動画表示装置、プロジェクター等の投射管等がある。
また、本発明のタブレット一体型ガラス管は、上記に加え平面画像表示管の排気管として用いられることが好適である。
ここで、平面画像表示管の排気管として用いられるとは、前記の各種画像入出力装置の内でも、特にフラットパネルディスプレイ(FPD)のような平面画像表示管に採用される排気管として使用するのに好適なものであることを表している。
また、本発明のタブレット一体型ガラス管は、上記に加え平面画像表示管が、プラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、プラズマアドレスリキッドクリスタルディスプレイ(PALC)、または蛍光表示管(VFD)であることが好適である。
すなわち、平面画像表示管について、特に限定されるものではないが、具体的に例示すればプラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、プラズマアドレスリキッドクリスタルディスプレイ(PALC)、または蛍光表示管(VFD)といった画像表示管について使用するものであるならば、平面表示管の製造品位を安定したものとすることができるため好ましい。
また、本発明のタブレット一体型ガラス管は、ガラス管の先端部に、環状の封着ガラスタブレットが加熱融着されており、タブレットの被接着面の表面粗さがRa1.0μm以上を有することが好適である。
ここで、ガラス管の先端部に、環状の封着ガラスタブレットが加熱融着されており、タブレットの被接着面の表面粗さがRa1.0μm以上を有するとは、粉末ガラスを固結したリング形状を呈するガラスタブレットがガラス管の先端部に加熱融着されており、ガラスタブレットの被接着物と接触して封止される用に供する被接着面の性状がRa1.0μm以上の表面粗さであることを意味している。
このタブレットの被接着面についての表面粗さが、Ra1.0μm以上であることによって、外部から供給される熱エネルギーをタブレットが効率良く吸収することで好適な封止形状を実現することができガラスタブレットの封着時の形状が好ましいものとなる。また、このような表面粗さとすることによって、タブレットに残留しているバインダ等の有機成分が加熱時に封着界面部から外部へ逃げやすくなる。そして封止部に有機成分が泡等として残留しにくくなるため、接着面の封止強度を高い状態で安定化させるためにも好適なものとなる。以上のような点から環状ガラスタブレットについて、その被接着面の表面粗さは、Ra1.0μm以上であることが好ましい。ちなみに、このRaは、JIS B0601−1994に規定されている表面粗さを規定する尺度の一つであって、この値を計測するためには、触針式の表面粗さ計やレーザー式の表面粗さ計を使用すればよい。
また、本発明のタブレット一体型ガラス管のタブレットについては、排気を行う被接着物との封着に供される表面が平坦であることが好適である。
ここで、排気を行う被接着物との封着に供される表面が平坦であるとは、表面形状がR面になっておらず、また局所的な凹凸部がない状態であることを意味するものであって、排気を行う被接着物の表面にタブレット一体型ガラス管のタブレット表面を下方に向けて置いた時に保持治具等を使用せずにガラス管部の被接着物に対する傾斜角度が85°〜95°の範囲内に固定できるものであることを意味している。
このような状態であることによって、タブレット一体型ガラス管を封着のためにクリップ等の固定治具を使用することで固定する操作をおこなう際に、タブレット一体型ガラス管が転倒したりする危険がなく保持することができることによって、効率よく固定作業をおこなうことが可能となるものである。
また本発明のタブレット一体型ガラス管は、環状の封着ガラスタブレットが加熱融着されており、ガラス管先端に融着された環状のガラスタブレットの外周端表面とその被接着面とのなす角部の曲率半径が、タブレット厚みの4分の1以下の寸法であることが好適である。
ここで、環状の封着ガラスタブレットが加熱融着されており、ガラス管先端に融着された環状のガラスタブレットの外周端表面とその被接着面とのなす角部の曲率半径が、タブレット厚みの4分の1以下の寸法であるとは、リング形状のタブレットが平面画像表示管等の被封着物表面と加熱封着される表面の形状について、タブレットの外周端面とタブレットの被接着面との間に形成される角部の曲率半径について、垂直破断面方向で観察してその値を計測すると、タブレット厚みの1/4以下となることを意味するものである。
角部の曲率半径の計測装置としては、例えば投影機等の寸法計測装置を使用することによって、測定することが可能である。ただ、その評価に際しては、測定検体の大きさが小さいため、少なくとも5検体以上の計測を行うことで、測定精度を確保することが肝要である。
また、前記のタブレット厚みは、タブレットの被接着面から垂直方向のタブレットの最大寸法を意味するものである。よって環状タブレットの被接着面が、段付き形状であるような場合には、最も寸法の大きい箇所の計測値に基づくものである。
いずれにせよ、外周端表面とタブレットの被接着面とがなす角部の曲率半径が、タブレット厚みの1/4以下であることによって、タブレットを被接着物に配設する際に、タブレットの位置を正確に調整し易くなり、また被接着物上でのタブレット一体型ガラス管の座りがよくなり、加熱後に良好な封着形状とすることができるものである。
そして、本発明のタブレット一体型ガラス管は、ガラス管やタブレットのガラス材質について、所望の機能を実現することができるものであれば、特に限定されるものではない。すなわち、ガラス管としては、珪酸塩ガラスや硼珪酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス等を適宜選択して使用することができるものである。
具体的にガラス管の材質を例示するなら、例えば硼珪酸ガラスを使用する場合には、SiO2−Al23−B23系ガラスであって、含有するホウ素をB23として換算し、含有するR(RはLi、NaおよびKから選ばれる1種以上)をR2Oとして換算した時の質量比(B23/R2O)が0.50〜5.0であるのが好適である。質量比(B23/R2O)が0.50よりも小さいと、熱膨張係数が大きくなる傾向があり、基板ガラスやタブレットとの熱膨張係数の差に起因する応力が生じやすくなるため封着部で破損またはリークする危険性があり、加熱封止時の条件を強くすると熱衝撃や封止部近傍の残留応力よって破損する等の虞があり、封止時間を短縮できない。一方、5.0よりも大きいと、加熱時におけるホウ酸起因の揮発物、蒸発物が増加する傾向となるため、均一なガラスが得られず、ガラス管の厚みや管径が不均一となる傾向がある。また、熱膨張係数は小さくなる傾向があり、基板ガラスの熱膨張係数と整合できず封着部で破損またはリークするおそれがある。質量比(B23/R2O)のさらに好ましい範囲は0.60〜4.5である。また例えば鉛ガラスを使用する場合には、SiO2−PbO−Na2O系ガラスであって、SiO2の含有量が質量百分率で25%〜65%の範囲内であることが好適である。SiO2の含有量が25質量%未満であると耐水性が低くなり問題の発生する危険があるため好ましくない。また65質量%を超えると、膨張係数が低くなりすぎるため好ましくない。
また、ガラス管の線膨張係数は、30〜380℃において、55〜100×10-7/℃であると、基板ガラスとの間で熱膨張係数の差を適宜選択でき、封着部の応力を小さくできるため好ましい。よって、このような膨張範囲とすることで封着部で破損またはリークが発生しにくいものとすることができる。また、加熱封止時に受ける熱衝撃や封止部近傍の残留応力が小さくなるため、短時間で加熱封止することができる。さらに好ましい熱膨張係数の範囲は58〜98×10-7/℃である。
また、タブレットのガラス材質については、結晶質ガラスの粉末成形体であっても非晶質ガラスの粉末成形体であってもよく、フィラー等のタブレットの性状を調整するための添加材料も使用することができる。また粉末の粒度や粒度分布、さらに粉末の形状等についても特に限定されるものではない。また、タブレットは1種類のタブレットである必要性はなく複数のタブレットを組み合わせた構成とするものであってもよい。例えば軟化点の高いタブレットと軟化点の低いタブレットを組み合わせた構成や膨張係数の異なるタブレットを組み合わせて採用する構成等を適宜選択することができるものである。
また、本件のタブレット一体型ガラス管に使用されるタブレット材質としては、いわゆる結晶性粉末ガラスに属するガラスを採用するのが好ましいが、結晶性粉末ガラスを採用せずとも、共存させるフィラー材料を適宜選択することによって、加熱時に結晶化し易い性質を付与することも可能である。
また、本発明のタブレット一体型ガラス管を構成するガラス管の寸法は、全長が30mmから400mm、直径が3mmから50mmまでのガラス管である。そして、タブレットの寸法については、外直径が4mmから50mm、内直径が3mmから15mm、厚みが0.2mmから5mmである。
本発明のタブレット一体型ガラス管の製造方法は、ガラス管先端に環状の封着ガラスタブレットを加熱融着するタブレット一体型ガラス管の製造方法であって、ガラス管に融着されたタブレット界面の結晶析出量に対し、それに対向するタブレット表面の結晶析出量を少なくなるようにガラス管に加熱融着することを特徴とする。
ここで、ガラス管先端に環状の封着ガラスタブレットを加熱融着するタブレット一体型ガラス管の製造方法であって、ガラス管に融着されたタブレット界面の結晶析出量に対し、それに対向するタブレット表面の結晶析出量を少なくなるようにガラス管に加熱融着することとは、ガラス管へのタブレットの加熱融着工程において、タブレットのガラス管との接着界面部に発生する結晶析出量とガラス管の接着界面とはならず、被排気物(例えば平面画像表示管等)との封着に供するタブレット表面についての結晶析出量とを比較すると、後者の被排気物(例えば平面画像表示管等)との封着に供するタブレット表面についての結晶析出量を少なくするように加熱融着することを意味するものである。
そして、前記したようにその結晶量の比較は、結晶種に依存するものではなく、タブレットの単位質量当たりの結晶量を規定するものであって、融着のために加熱する以前よりガラスタブレット中に添加されていた結晶に関しては、それを考慮するものではない。
また、結晶析出量を減少させるための具体的な手段として、加熱雰囲気として複数の気体、すなわち酸素、水素、窒素、アルゴン、ヘリウム、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気等の含有率、濃度を予め調整した気体を使用することによって表面エネルギーを調整し、結晶析出速度を調整する等し、加熱によって発生する析出結晶量を低減することも可能であって、それに加えて加熱温度や加熱速度等についても適宜最適な条件を選択することが可能である。
また、本発明のタブレット一体型ガラス管の製造方法は、複数のガラス管を同時に加熱するものであっても、一本ずつ加熱する方式を採用するものであっても支障はない。また封止に際しては、複数の治具を使用することによって、ガラス管と封着ガラスの位置を決めて固定し、その位置で加熱を行うものである。
ここで、加熱源としてはどのようなものを使用してもよく、加熱源に対してガラスタブレットの位置を決める方法についても特に限定されるものではない。いずれにせよガラス管表面にガラスタブレットを加熱融着する際に、ガラスタブレットの形状を予め成形された形態を維持しつつ、一方ガラス管表面とタブレット表面の融着については融着不足となることのないような加熱源と固定方法を採用した方法によって行うことができるならば支障はないものである。また加熱源によって融着されるのは、タブレットを構成する粉末ガラスであって、粉末ガラス以外の有機バインダ、接着剤等の加熱融着反応を利用するものではない。
また、本発明で採用される製造方法として、具体的なものを例示すれば、予めガラス管を所定温度まで加熱した後にガラス管表面をタブレット表面に押圧固定することによってガラス管と接触しているタブレット表面の温度のみを急激に上昇させ、さらに軟化温度まで加熱することによってガラス管と融着させる方法、あるいは赤外線等の電磁波を使用することによって、ガラスタブレットの対向する二面の内の一方側の表面のみを加熱することによって軟化させた後にガラス管と接触させることで効率的な融着を実現する方法、さらに電磁誘導加熱源やレーザー加熱源によってガラス管とタブレットを接触させた状態でガラス管とタブレットの接触部のみを局所的に加熱することによって融着する方法等がある。
そして、より確実に析出結晶量を調整し、ガラス管の融着界面とはならず、被排気物(例えば平面画像表示管等)との封着に供するタブレット表面についての結晶析出量を抑制するためには、この表面について、結晶を構成する原子を拡散させるためのエネルギーの供給を抑制すればよい。具体的にはガラスタブレットの互いに対向する二面の内、ガラス管に接触する一面側の表面のみを加熱することで他面に対して高温となる状態とし、一方結晶の析出を抑制する面については極力加熱されない状態とすることによって、ガラス管と接触した面のみを融着することが好ましい。また、このような加熱方法を採用することによって、ガラスタブレットの外周端面についても、その厚み等の変化がない状態になるため、被排気物との封着時に排気管が傾いたりすることなく封着が行えるものとなる。
また、本発明のタブレット一体型ガラス管の製造方法は、上記に加え環状のガラスタブレットの外周端表面がタブレットの被接着面に対して80°〜110°の角度範囲となるように封着ガラスタブレットをガラス管の先端部に接合することを特徴とする。
ここで、環状のガラスタブレットの外周端表面がタブレットの被接着面に対して80°〜110°の角度範囲となるように封着ガラスタブレットをガラス管の先端部に接合することとは、リング形状のガラスタブレットのタブレット接着面をガラス管の先端部に接合する工程において、タブレット外周端表面とタブレット接着面との角度が80°から110°の範囲内となるように固定しつつ加熱源による加熱操作を行い、ガラスタブレットを軟化させることによってガラス管との融着を行うことを意味している。
タブレット外周端表面のタブレット被接着面に対する傾斜角度が80°より少ない場合には、被封着物(例えば平面画像表示管等)とタブレット一体型ガラス管を封止する工程等においてタブレットの先端部が破損することによる欠損、あるいは加熱封着操作における封着形状不良等の問題を発生する危険性がある。このような危険性は、タブレット一体型ガラス管を扱う手順や方法等にも依存するものであるが、さらにこの危険性を低くするためには、83°以上の傾斜角とする方がよく、さらに好ましくは85°以上とすることである。また、タブレット外周端表面のタブレット接着面に対する傾斜角度が110°より大きい場合には、被封着物に対しての封着後のガラスタブレットの形状が、いわゆるリエントランス形状となりやすく、リエントランス形状となった状態で封止された場合には、封止後にリエントランス箇所が応力の集中等に伴う強度低下原因となりやすく、封止後に排気操作を行う際に重大な欠陥を発生させる危険性が高くなる。以上のような観点からタブレット一体型ガラス管についてより安定した状態とするためには、タブレット外周端表面のタブレット接着面に対する傾斜角度を105°以下とする方がよく、さらに好ましくは100°以下とする方がよく、一層好ましくは95°以下とする方がよい。
(1)以上の様に、本発明のタブレット一体型ガラス管は、ガラス管の先端部に、環状の封着ガラスタブレットが加熱融着されており、ガラス管と封着ガラスタブレット界面の結晶析出量に対して、それに対向するタブレット表面の結晶析出量が少ないものであるため、平面画像表示管等の被排気物への封着時にタブレットの軟化変形状態に支障の発生することがなく、封止部の強度を損なうことのない安定した製品を製造することのできるものである。
(2)また、本発明のタブレット一体型ガラス管は、ガラス管の先端部が拡径されているものであるならば、ガラス管とタブレットの融着界面の面積を大きくとることを可能とするものであり、同時に封着時にガラス管を固定し易い構造であって、封着強度を充分に確保することを可能とするような形状となっている。
(3)さらに、本発明のタブレット一体型ガラス管は、画像出力装置の排気管として使用されるものであるならば、各種の画像出力装置の排気工程での不具合等の発生率を低減し、機能の高い画像出力装置の安定した製造に大きく寄与するものである。
(4)また、本発明のタブレット一体型ガラス管は、平面画像表示管の排気管として用いられるものであるならば、平面画像装置の組み立て工程での歩留まりを向上させ、効率的な生産を可能とするものであって、高機能な平面画像表示装置の品質向上を実現することができるものである。
(5)さらに、本発明のタブレット一体型ガラス管は、平面画像表示管が、プラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、プラズマアドレスリキッドクリスタルディスプレイ(PALC)、または蛍光表示管(VFD)であるならば、排気工程等で発生する排気管封着部の破損等による不良発生率を減少させ、高い気密性を確保する必要のある装置の製造原価を低減するものである。
(6)本発明のタブレット一体型ガラス管の製造方法は、ガラス管先端に環状の封着ガラスタブレットを加熱融着するタブレット一体型ガラス管の製造方法であって、ガラス管に封着されたタブレット界面の結晶析出量に対し、それに対向するタブレット表面の結晶析出量を少なくなるようにガラス管に加熱融着するものであるため、タブレットの封止時にタブレットの加熱流動性を損なうことなくガラス管に封止することを可能とするものであって、高い封止性能を有するタブレット一体型ガラス管を作成することが可能となるものである。
以下に本発明のタブレット一体型ガラス管とその製造方法について、実施例に基づいて具体的に説明する。
図1に本発明のタブレット一体型ガラス管10についてその断面図を示す。図1(A)図には、その全体図を示し、図1(B)には、ガラス管とタブレットの融着界面33の拡大図を例示している。タブレット一体型ガラス管10は一方のガラス管20の先端にフランジ形状部21を設けたガラス管20とフランジ形状部21に加熱融着されたガラスタブレット30より構成されている。ガラス管10の寸法は、その全長が100mm、外径6mm、内径4mmであり、フランジ形状部21の寸法は、その外径が12mm、内径が8mmである。またタブレット30の寸法は、外径10mm、内径9mm、高さ(厚み)が3.1mmである。またガラス管は、硬質硼珪酸ガラスであって、タブレットは質量百分率で50%以上のPbOを含有する鉛含有低融点ガラスを主成分として結晶性複合粉末ガラスよりなるものである。
そして、ガラス管20とタブレット30の融着界面33にはPb−Zn−B−O系の微結晶が析出しており、排気を行う被接着物との封着に共される表面の析出結晶量との比較を行うために、実施例2で記載する製造方法を採用して同じ条件で作成した50件体のタブレット一体型ガラス管のタブレット30を使用した。このタブレット30について、ガラス管20との界面部33とタブレットの自由表面部31を機械的に20μmだけ研磨加工することによってX線回折用の粉末ガラスを作成した。そしてこの粉末をX線回折装置のガラス製試料ホルダーに充填して、X線源としてCuKα線を使用し、この結晶の主ピークである2θ=31.0°でのメインピークの回折強度の比較を行ったところ、ガラス管20との界面部33における析出結晶のX線回折角の強度値(cps)を100とするとタブレットの自由表面部31における回折強度の値の比率は10以下の値を示し、ガラス管20とタブレット30の自由表面部(すなわち被接着面)31における結晶析出量は、明らかにガラス管20との界面部33における結晶析出量より少ない状態にあることを確認することができた。
このガラスタブレット30の平面表示管と加熱封止する表面(すなわち被接着面)31については、その表面粗さを東京精密(株)製触針式表面粗さ計Surfcomを使用して3回に亘り計測したところ、その表面粗さを表すRa値が、1.48μmであって、1.0μm以上となるものである。また、融着角度は投影機等を使用することで計測することができ、ガラス管20とガラス管20に対する封着ガラスタブレット30の融着角度は65°であり、環状のガラスタブレット30について、その外周端面32に対するガラスタブレット30の被接着面31のなす角度θは90°±2°である。
また、このタブレット一体型ガラス管10の被接着物と接着をおこなうタブレット表面(すなわち被接着面)31について、その平坦度を調べるため、予め水平状態にあることを確認した投射機上にタブレット一体型ガラス管10をタブレット30の表面を下方に向けた状態で乗せて、タブレット一体型ガラス管10のガラス管20の水平面からの傾斜角度を計測したところ、20件体についての角度計測値は、91°〜89°の範囲内であって、測定機の平面上でガタつくこともなく安定した座り状態であることが確認でき、タブレットの被接着面31について高い平坦性を有するものであることが確認できた。また、ガラスタブレット被接着面31と外周端表面32とが形成する角部の曲率半径Rは、0.47mmから0.49mmであって、タブレット厚みHの5分の1以下であってタブレット30の厚みの4分の1以下の寸法になっている。この計測は、曲率半径Rの計測は、株式会社ミツトヨ製投影機を使用し、計測用としてその断面を切断研磨加工した10検体のタブレット一体型ガラス管10について調査したものである。
次いで、本発明のタブレット一体型ガラス管10の製造方法について、具体的に示す。
まず、所定のガラス成分構成となるように調整され、均質化された溶融ガラスを溶融炉に備え付けられた管ガラス成形装置、例えばダンナー法、ダウンドロー法、アップドロー方等の各種公知の成形装置を使用することによって管状に成形し、所定条件で冷却する。こうして成形されたガラス管の先端部を所定寸法で切断した後にバーナー加熱や研磨等の冷間加工方法等によって成形加工することで整える。またこの後、適宜バーナー等の加熱源によってガラス管20の先端部を加熱してフレア形状22やフランジ形状21等に拡径加工をおこない、所望の直径を有する形状に熱間加工する。
一方、粉末ガラスから成形するタブレット30については、予め所定の溶融、粉砕加工工程等によって得られた所望粒径を有するガラス粉末を準備する。そして必要に応じてフィラー等を所定比率となるように混合して得られた粉末ガラスに有機バインダ等を添加して、造粒し、その後に金型などを使用して所定条件で乾式プレス成形を行った後に、軟化点より低温で仮焼することによって環形状を有するガラスタブレット30を得る。
このようにして得られたガラス管20とガラスタブレット30をカーボン治具等を使用することで所定位置に固定した状態で加熱を行い、ガラスタブレット30とガラス管20とを融着する。この時に、タブレット30が高温になりすぎてしまい、その結果タブレット30の形状が加熱前の形状から著しく変形することで損なわれることのないように、大気雰囲気中でガラス管20に融着するガラスタブレット30の表面のみを局所的に加熱することによって、融着面33の温度を少なくとも30℃以上高温にすることによって融着温度まで上昇させることで、ガラス管20とタブレット30の融着界面33に結晶を析出させ、必要に応じて機械的な押力をガラス管20とタブレット30の両方に印加することで、封止をおこなう。このような温度差を意図的に設けることによって、ガラス管20とタブレット30の界面部33に対向するタブレット30の自由表面部には結晶がほとんど析出しない状態にすることが可能となる。ここで採用した条件で融着されたタブレット一体型ガラス管10について、そのタブレット30とガラス管20の融着界面33近傍部とタブレット表面部(すなわち被接着面)31との比較を前記した実施例1同様の方法によって行ったところ、界面部33には結晶が認められるが、タブレット表面部31にはまったく結晶の析出が認められないことが判明した。ちなみに、ここでは赤外線による加熱方式を採用することによって、ガラス管20とガラスタブレット30との接触面のみを集中的に加熱して両方の封止を行い、タブレット一体型ガラス管10が得られている。
次いで、本発明のタブレット一体型ガラス管10に関し、前記以外の他の形態について説明する。
図2に他のタブレット一体型ガラス管10について、部分断面図を示す。まず図2(A)は、最も単純な構成とした場合であって、ガラス管20に拡径加工を行わずに採用し、ストレート形状のガラス管20をガラスタブレット30に挿入した状態で固定して、加熱することによって得ることのできるものであり、加熱方法としてはガラス管20をガラスタブレット30に挿入した状態でガラス管20内面より加熱を行うことによって融着したものである。ガラスタブレット30としては、推奨封着温度450℃のPb−Zn−B−O系成分より構成され、B(硼素)成分を質量百分率で2%以上含有する日本電気硝子製の結晶性複合ガラスを用い、ガラス管20としては、やはりSi(硅素)成分を50質量%以上含有する日本電気硝子製の珪酸塩硬質ガラスを使用したものである。
タブレット30とガラス管20の界面33の析出結晶量に対して、タブレット表面部の析出結晶量の比較を実施例1と同様の方法によって行ったところ、タブレット表面部(すなわち被接着面)31の析出結晶の量は、界面部33の結晶析出量の20分の1以下であることが判明した。また、水平面に保持した状態での実施例1同様の評価を行うと、ガラス管20の水平面に対しての角度は90°±2°の範囲内であって、タブレット30の表面(すなわち被接着面)31の平坦度についても、申し分ないものであることが判明した。
また、図2(B)には、上記と同じ材質を使用してガラス管20の管端部にフレア形状22とフランジ形状21を組み合わせた状態としたものを採用し、フランジ形状部21の表面にタブレット30を融着した場合について例示する。ここで、ガラス管20は予めガスバーナーによって加熱しながら軟化させ、所定の治具を使用することによって成形したものである。ガラスタブレット30とガラス管20の融着については、上記したと同じ赤外線加熱による方法を採用し、ガラス管20と接触したガラスタブレット30表面を集中加熱することによって、軟化させてガラス管20フランジ形状部21に融着した後に冷却したものである。
タブレット30とガラス管20の界面33の析出結晶量に対して、タブレット表面部の析出結晶量の比較に関しては、前記と同様の方法によって行ったところ、タブレット表面部の析出結晶の量は、界面部の結晶析出量の10分の1以下であることが判明した。また、水平面に保持した状態での実施例1同様の評価を行うと、ガラス管20の水平面に対しての角度は90°±1°の範囲内であって、タブレット30の表面の平坦度についても、申し分ないものであることが判明した。
次いで、図2(C)には、ガラス管20の管端部に二段のフランジ形状21を採用した場合について示す。ここでも前記同様の材質を採用している。ここでは、ガラス管20とタブレット30の融着にはガラス管20のフランジ形状部21表面とタブレット30表面とを融着前に加熱した後、その直後に両方を押圧することによって融着することでタブレット一体型ガラス管10としたものである。
タブレット30とガラス管20の界面部33の析出結晶量に対するタブレット30の表面部の析出結晶量の相対比較について、前記と同様の方法で計測した。その結果、タブレット30表面部の析出結晶はまったく認められず、偏光顕微鏡による光学的な調査によっても結晶の存在を確認することができなかった。また、水平面に保持した状態での実施例1同様の評価を行うと、ガラス管20の水平面に対しての角度は90°±3°の範囲内であって、タブレット30の被接着面31の表面平坦度についても、問題のないものであることが判明した。
さらに、図2(D)には、ガラス管20先端部をフレア形状22とした場合について示す。この図からも明らかなように、ここではガラス管20の先端でその管厚を先端部程小さくする構造とし、予めガラス管20を加熱した後にガラスタブレット30の表面に押圧することで、ガラス管20をタブレット30中に埋入していき、その後少し引き上げることによって融着角度の調整をおこない、ガラス管20とガラスタブレット30の融着角度を90°以下としたものである。
タブレット30とガラス管20の界面33の析出結晶量に対するタブレット30表面部の析出結晶量の相対比較について、前記と同様の方法で計測した。その結果、タブレット30表面部の析出結晶は図2(C)と同様にまったく認められず、偏光顕微鏡による光学的な調査によっても結晶の存在を確認することができないことが判明した。また、水平面に保持した状態での実施例1同様の評価を行うと、ガラス管20の水平面に対しての角度は90°±2°の範囲内であって、タブレット30の表面の平坦度についても、問題のない状態であった。
本発明のタブレット一体型ガラス管の断面図。(A)は全体図を表し、(B)は要部拡大図を表す。 本発明の他のタブレット一体型ガラス管の部分断面図。(A)は請求項1に対応するタブレット一体型ガラス管。(B)(C)及び(D)は請求項2から請求項5に対応するタブレット一体型ガラス管。
符号の説明
10 タブレット一体型ガラス管
20 ガラス管
21 フランジ形状部
22 フレア形状部
30 タブレット
31 タブレット被接着面
32 タブレット外周端面
33 ガラス管とタブレットの融着界面

Claims (6)

  1. ガラス管の先端部に、環状の封着ガラスタブレットが加熱融着されており、ガラス管と封着ガラスタブレット界面の結晶析出量に対して、それに対向するタブレット表面の結晶析出量が少ないことを特徴とするタブレット一体型ガラス管。
  2. ガラス管の先端部が拡径されていることを特徴とする請求項1に記載のタブレット一体型ガラス管。
  3. 画像出力装置の排気管として使用されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のタブレット一体型ガラス管。
  4. 平面画像表示管の排気管として用いられることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のタブレット一体型ガラス管。
  5. 平面画像表示管が、プラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、プラズマアドレスリキッドクリスタルディスプレイ(PALC)、または蛍光表示管(VFD)であることを特徴とする請求項4に記載のタブレット一体型ガラス管。
  6. ガラス管先端に環状の封着ガラスタブレットを加熱融着するタブレット一体型ガラス管の製造方法であって、ガラス管に封着されたタブレット界面の結晶析出量に対し、それに対向するタブレット表面の結晶析出量を少なくなるようにガラス管に加熱融着することを特徴とするタブレット一体型ガラス管の製造方法。
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