JP2005280344A - 多孔質インクジェット記録用紙の製造方法 - Google Patents

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伸一 鈴木
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Abstract

【課題】 非吸水性支持体上に多孔質インク吸収層を塗布する際に、塗膜が乾燥過程での塗膜収縮に起因するレチ状の筋故障を軽減し多孔質インクジェット記録用紙の製造方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも無機微粒子とポリビニルアルコールを含有し、実質的にゼラチンを含有しない水系塗布組成物を非吸水性支持体上に塗布乾燥して多孔質インクジェット記録用紙の製造方法において、該水系塗布組成物の湿潤膜厚をH(μm)、乾燥膜厚をD(μm)としたとき、H/D=3.5〜4.2であり、該水系塗布組成物中の無機微粒子の濃度が12質量%以上で、40℃における粘度が0.050〜1.000Pa・sであることを特徴とする多孔質インクジェット記録用紙の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は多孔質インク吸収層を有するインクジェット記録用紙の製造方法に関し、特に塗膜の均一性と生産適性が改善された多孔質インクジェット記録用紙の製造方法に関する。
近年、インクジェット記録は急速に画質が向上してきており、写真画質に迫りつつある。このような画質をインクジェット記録で達成するために、記録用紙の面からも技術開発が進んでおり、高平滑性の支持体上に微小な空隙を有する多孔質インク吸収層を設けた記録用紙は、高インク吸収性や高乾燥性であることから最も写真画質に近いもののひとつになりつつある。
ところで、高平滑性支持体として一般的に用いられるのは、ポリエステルフィルムやポリオレフィンフィルム、あるいはポリオレフィンで被覆した紙支持体などのインクを吸収しない非吸水性支持体である。このような非吸水性支持体にインク吸収性の空隙層を設けるに当たっては、十分な量のインクを吸収するに足る膜厚の空隙層を設ける必要がある。通常、こうした非インク吸収性支持体上に空隙層を塗布する場合、乾燥膜厚として30〜50μmの膜厚で塗布される。
このような厚い乾燥膜厚を得るためにはそれに応じた高い湿潤膜厚で塗布することとなる。水系塗布液を支持体上に塗布する場合の問題点として、乾燥に時間がかかること及び、乾燥時の液ヨリによるムラを起こしやすい欠点がある。
水溶液の主な溶媒である水は沸点が高いために、単に加熱処理だけで乾燥させる際には著しく長い乾燥時間を要し、塗布速度を高めるためには膨大な長さの乾燥ゾーンを必要とする。
一方、このような長い時間をかけて乾燥している間、塗布された液は種々の原因で液が局所的に動き、いわゆる液ヨリを起こして不均一な塗布膜面になる。液ヨリが発生すると、塗膜面が不均一になるだけでなく、厚くなった部分は乾燥不良を起こし、巻き取られる時に重大な製造上のトラブルを起こしかねない。
水系塗布液を厚い湿潤膜厚で塗布する例としては、ゼラチンを親水性バインダーとするハロゲン化銀写真乳剤の塗布が挙げられる。ゼラチン水溶液は一般に約30℃以上では水溶液状態であるが、20〜25℃以下ではゲル化する特性がある。この性質を利用して、ゼラチンを含有する水溶液を支持体上に塗布し、冷却ゲル化させた後、比較的低温(約20〜80℃)の強い風を吹き付けて乾燥することができる。
従って、ゼラチンを使用できる用途の場合には、乾燥時間に伴う問題は発生しないが、空隙型インクジェット記録用紙作製に用いる塗布液の場合には、ゼラチンを主要な親水性バインダーとして使用すると、インクジェット記録の際にインクがゼラチンを膨潤させて空隙を即座に塞いでしまうために空隙としての特徴を活かすことができず、ゼラチンを使用することができない。
ゼラチンを実質的に含有しない水系塗布液を用いて空隙型インクジェット記録用紙を作製するには、塗布液の粘度を調整することによってある程度の上記課題は改善されるが、塗布液粘度の観点からのみでは、微小なクラック等の皮膜の欠陥が発生しやすい等の新たな課題が発生する。
この様な観点で、40℃の粘度が0.01〜0.1Pa・sであり、15℃の粘度が40℃の粘度の20倍以上ある塗布液を塗布する記録用紙が記載されて(例えば、特許文献1参照。)いる。
この技術により塗布時の液ヨリや微少クラックは大幅に改善することが出来た。しかし、近年のインクジェットプリントの高画質化に伴い従来ではそれほど大きな問題とならなかった塗膜品質が画質上の問題点として浮上しつつある。そのひとつが多孔質インク吸収層表面にレチ状に現れる微少の筋がある。
本発明者はこの点について鋭意検討した結果、塗布液の条件がこのレチ状の微少筋に影響していることを見出し本発明をなすに到った。
すなわち、多孔質インク吸収層の乾燥過程では多孔質層を形成する塗布液は、表面から徐々に水分を放出して塗膜は収縮しながら乾燥されるが、この過程で塗工された液の粘度は徐々に上昇する。この場合、乾燥初期の粘度上昇は比較的小さく、膜厚が乾燥膜厚の約2.5倍以下になると非常に強いゲルを形成する。このゲルが形成されるということは無機微粒子間での相互作用に基づくものでこれが多孔質膜を形成することとなる。
乾燥過程で塗膜が収縮する際に、塗膜のゲル強度が小さいとレチ状の筋故障を起こしやすくなることが判明し、特に初期のゲル強度が小さい時間が長いほどこの様なレチ状の筋が発生しやすい傾向が判明した。
特開2000−218927号公報(特許請求の範囲、実施例)
本発明の目的は、微少のレチ状の筋の発生を軽減した多孔質インクジェット記録用紙の製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
(請求項1)
少なくとも無機微粒子とポリビニルアルコールを含有し、実質的にゼラチンを含有しない水系塗布組成物を非吸水性支持体上に塗布乾燥して多孔質インクジェット記録用紙の製造方法において、該水系塗布組成物の湿潤膜厚をH(μm)、乾燥膜厚をD(μm)としたとき、H/D=3.5〜4.2であり、該水系塗布組成物中の無機微粒子の濃度が12質量%以上で、40℃における粘度が0.050〜1.000Pa・sであることを特徴とする多孔質インクジェット記録用紙の製造方法。
(請求項2)
少なくとも無機微粒子とポリビニルアルコールを含有し、ゼラチンを実質的に含有しない2種以上の水系塗布組成物を非吸水性支持体上に同時塗布する多孔質インクジェット記録用紙の製造方法において、該水系塗布組成物の少なくとも1種は、全湿潤膜厚をH(μm)、全乾燥膜厚をD(μm)としたとき、H/D=3.5〜4.2であり、かつ、その水系塗布組成物中の無機微粒子の濃度が12質量%以上で、40℃における粘度が0.050〜1.000Pa・sであることを特徴とする多孔質インクジェット記録用紙の製造方法。
(請求項3)
前記水系塗布組成物の15℃における粘度が40℃における粘度の少なくとも20倍以上あって、該水系塗布組成物の温度が35〜50℃の範囲で支持体上に塗布することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多孔質インクジェット記録用紙の製造方法。
(請求項4)
前記水系塗布組成物を非吸水性支持体上に塗布後、塗膜面温度を20℃以下に冷却して増粘させた後に温風を吹き付けて乾燥することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質インクジェット記録用紙の製造方法。
(請求項5)
前記水系塗布組成物を非吸水性支持体上に塗布乾燥して得られた層が多孔質インク吸収層であり、かつ該多孔質インク吸収層の空隙率が60〜70%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔質インクジェット記録用紙の製造方法。
本発明により、高インク吸収性、高乾燥性であり、液ヨリ及びムラの無い平滑性に優れた、写真画質に近い画像を得ることのできる記録用紙を製造することができる。
本発明を更に詳しく説明する。本発明に関わる水系塗布組成物は、無機微粒子とポリビニルアルコールを含有し、ゼラチンを実質的に含有しない水系塗布組成物である。
無機微粒子としては、例えば軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。
そのような無機微粒子は、一次粒子のまま用いてもよいし、また、2次凝集粒子を形成した状態で使用することもできる。本発明にかかる好ましい粘度を示す水系塗布組成物が比較的容易に得やすいという観点において、無機微粒子としてはシリカが好ましく、特に気相法により合成された微粒子シリカを用いることが最も好ましい。
気相法により合成された微粒子シリカは通常、四塩化珪素を水素及び酸素と共に高温で燃焼して得られる平均一次粒子径が5〜500nmのシリカ粉末であり、本発明では特に50nm以下の平均一次粒子径を有するものが光沢性の点で好ましい。
上記の気相法により合成されたシリカは、その表面をカチオン変性されたものであってもよいし、また、Al、Ca、Mg及びBa等で処理されたものであってもよいし、表面の一部を疎水化したものであってもよい。
上記無機微粒子の粒径はいかなるものも用いることもできるが、本発明に示したような好ましい粘度、すなわち塗布液の温度変化に対して大きく粘度が変化する塗布液を得やすいという観点において平均粒径は0.3μm以下が好ましく、0.1μm以下が特に好ましい。
粒径の下限は特に限定されないが粒子の製造上の観点から概ね3nm以上、特に6nm以上が好ましい。
上記において無機微粒子の平均粒径は、多孔質インク吸収層の断面や表面を電子顕微鏡で観察し、100個の任意の粒子の粒径を求めてその単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒径はその投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。
上記無機微粒子の水系塗布組成物中の含有量は、12質量%以上が必要である。12質量%未満ではH/Dが3.5〜4.2の範囲内にした場合であっても、塗布時のレチ状の筋が発生しやすい。特に好ましい無機微粒子の濃度は13質量%以上である。上限は塗布組成物の粘度に依存するが、塗布組成物の粘度は40℃において0.050〜1.000Pa・sにするために概ね17質量%以下、好ましくは16質量%以下である。
本発明にかかる水系塗布組成物はバインダーとしてポリビニルアルコールを含有する。
本発明で用いることのできるポリビニルアルコールのうち、酢酸ビニルを加水分解して得られるものの場合は平均重合度が300以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1000〜5000のものが好ましく用いられる。ケン化度は70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
また、本発明で用いることのできるポリビニルアルコール誘導体には、酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
カチオン性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖又は側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミド−2−メチルプロピル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−メチルブチル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(3−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等があげられる。
カチオン性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
アニオン変性ポリビニルアルコールは例えば、特開平1−206088号に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号、及び特開平3−307979号に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体、及び特開平7−285265号に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールがあげられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号に記載された疎水性基を有するビニル化合物とポリビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。
ポリビニルアルコール及びその誘導体は重合度や変性の種類違いなど2種類以上を併用することもできる。
無機微粒子のポリビニルアルコールに対する比率は、本発明で好ましい液粘度の範囲に調整しやすいという点において3〜10が好ましく、特に4〜8が最も好ましい。
なお、本発明において、ゼラチンを実質的に含有しないということは当該組成物の主たる構成成分としてゼラチンを含有しないことをいうが、具体的にはゼラチンをまったく含有しない組成物であってもよいし、また、本発明の空隙型記録層の空隙を塞ぐ作用を殆ど示さない程度含む組成物であってもよい。一般にはポリビニルアルコールに対して概ね20質量%以下、好ましくは10質量%以下である。
本発明にかかる水系塗布組成物はポリビニルアルコールを主たるバインダーとして含有するものであるが、本発明の液粘度の範囲内であれば、ゼラチン以外に他の親水性バインダーも併用できる。
そのような親水性バインダーとしては、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキストラン、デキストリン、カラギーナン、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
好ましくはそれらの親水性バインダーはポリビニルアルコールに対して概ね20質量%以下、特に10質量%以下であることが好ましい。
本発明で用いられる塗布組成物を支持体上に塗布するときの湿潤膜厚H(μm)と乾燥膜厚D(μm)は、H/D比を3.5〜4.2の範囲にする必要がある。
H/Dが3.5未満で塗布組成物の40℃の粘度が0.050〜1.000Pa・sの範囲に入る場合には、この様な塗布組成物中での無機微粒子同士の相互作用が低すぎて空隙率が低下しやすくなる。この場合、空隙率が低下すると必要とする空隙容量を維持するためにはより高い湿潤膜厚で高い固形分付き量で塗布を行う必要があり、コスト的に不利となるだけでなく、記録用紙のカールが大きく劣化しやすい。
無機微粒子同士の相互作用を充分な空隙を保ったままでH/Dを3.5未満を達成する場合には塗布組成物の粘度が極端に上昇し安定な塗布が困難になり、ボケ状の筋が発生したり塗布の幅手方向での膜厚のばらつきが大きくなりやすい。特にボケ状筋が発生するとその周辺に塗膜の厚さ変化に起因するひび割れ故障が多発する傾向が増大しやすい。
一方、H/Dが4.2を越えると塗布乾燥時のレチ状の筋が目立ちやすくなる。特に5を超えると、幅手で液がサイドによりやすくなり、結果として幅手方向での塗膜均一性が悪化しやすい。
H/Dを上記の範囲に調整するには種々の方法があり適宜選択して用いられる。具体的には、無機微粒子の種類(特にシリカ・アルミナ系等の組成、平均粒子径、粒子径分布、粒子表面修飾、無機微粒子の形状など)、ポリビニルアルコールと無機微粒子の比率、塗布組成物のpH、塗布組成物の無機塩の含有量、ポリビニルアルコールの架橋剤(ホウ酸類やエポキシ系化合物など)の量、カチオン性ポリマーやその他の親水性ポリマーの量、更には界面活性剤や水混和性有機溶媒(メタノールやアセトンなど)の濃度などを適宜調整して目的とするH/D値を達成することが出来る。
本発明にかかる水系塗布組成物は、40℃において0.050〜1.000Pa・sの粘度を有するものであるが、均一な塗布膜面を得る観点から概ね0.100〜0.500Pa・sとするのが好ましい。また、このときの15℃における粘度はその20倍以上であることが好ましく、特には15℃における粘度は40℃における粘度の50倍以上、更に好ましくは100倍以上である。ここにおいて粘度はB型粘度計で測定した値を示す。
上記のような粘度特性を、本発明にあるような特定のH/D比や無機微粒子の12質量%の濃度を維持したまま達成するためには、上記の種々の因子を最適化することで得られるが、特に、
a)ホウ酸類又はその塩を含有する
b)ポリビニルアルコールの平均重合度として2000〜4000のものを使用する
c)無機微粒子としてポリビニルアルコールに対して質量比で4〜6倍のシリカを無機微粒子として使用する
d)塗布組成物中に界面活性剤を0.01〜1質量%添加する
e)塗布組成物中に1〜5質量%の水混和性有機溶媒を使用する
f)塗布組成物中にポリマーラテックスを添加する
g)塗布組成物中に光架橋性ポリビニルアルコールを添加し、塗布後に紫外線などの光を照射して塗布液の粘度を上げる
等の方法は特に好ましい。
上記において、界面活性剤としては水系塗布組成物がカチオン性である場合にはカチオン界面活性剤、両性界面活性剤又はノニオン界面活性剤が、水系塗布組成物がアニオン性である場合には、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤又はアニオン界面活性剤が好ましく用いられる。
水混和性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のポリオール類等が挙げられる。
ポリマーラテックスはシリコンオイル、酢ビ系ラテックス、アクリル系ラテックス、ウレタン系ラテックス等種々のラテックスを使用することができる。
本発明にかかる水系塗布組成物には上記以外の各種の添加剤を添加することができる、中でもカチオン媒染剤は印字後の耐水性や対湿性を改良するために好ましい。カチオン媒染剤としては第1、2、3級アミノ基あるいは第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が用いられるが、経時での変色や耐光性の劣化が少ないこと、染料の媒染能が十分高いことなどから、第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好ましい。
好ましいポリマー媒染剤は上記第4級アンモニウム塩基を有するモノマーの単独重合体やその他のモノマーとの共重合体又は縮重合体として得られる。
上記以外に、例えば特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている褪色防止剤、アニオン、カチオン又は非イオンの各種界面活性剤、特開昭59−42933号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることができる。
本発明に関わる多孔質インクジェット記録用紙は非吸水性支持体上に少なくとも1層の多孔質インク吸収層を有するものであるが、多孔質インク吸収層は1層であっても2層以上であっても良い。
多孔質インク吸収層が1層である場合には単一の多孔質インク吸収層のHとDの比が3.5〜4.2の範囲にあれば良い。
また、多層である場合には、少なくとも1層は上記の条件を有する塗布組成物であればよいが、全湿潤膜の70%以上、特に好ましくは90%以上が上記の条件を満足する塗布組成物であることが好ましい。最も好ましくは全ての層を形成する塗布組成物が上記の条件を満足する場合である。
また、多層構成の場合、全ての多孔質インク吸収層を同時塗布することが高生産性で安価に製造する観点から必要である。
本発明の記録用紙に用いられる非吸水性支持体は、公知のいかなるものも使用することができ、例えば、ポリエステル系フィルム、ジアセテート系フィルム、トリアセテート系フィルム、アクリレート系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリイミド系フィルム、セロハン、セルロイド等の材料からなる透明フィルム、或いは基紙の少なくとも一方に白色顔料を添加したポリオレフィン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(いわゆるRCペーパー)、ポリエチレンテレフタレートに酸化チタンや硫酸バリウム等の白色顔料を添加してなるいわゆるホワイトペット等の半透明もしくは不透支持体がある。
上記支持体を用いて本発明の製造方法を実施するに当たっては、当該支持体の表面と塗布層との間の接着強度を大きくする等の目的で、支持体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことが好ましい。更に本発明によって製造された記録用紙は必ずしも無色である必要はないので、着色された支持体を用いることもできる。
本発明の実施に当たり好ましく用いられる支持体は透明ポリエステルフィルム、不透明ポリエステルフィルム、不透明ポリオレフィン樹脂フィルム及び原紙支持体の両面をポリエチレンで被覆した紙支持体である。
特に好ましいのはポリエチレンで両面を被覆した紙支持体であり、これについて以下に詳しく説明する。
紙支持体に用いられる原紙は木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレン等の合成パルプ或いはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしてはLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いる事ができるが短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。但し、LBSP及び/又はLDPの比率は10質量%以上、70質量%以下が好ましい。
上記パルプは不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸パルプ)が好ましく用いられ、又漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。
原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することができる。
抄紙に使用するパルプの濾水度はCSFの規定で200〜500mlが好ましく、又叩解後の繊維長がJIS−P−8207に規定される24メッシュ残分質量%と42メッシュ残分の質量%との和が30〜70%が好ましい。尚、4メッシュ残分の質量%は20質量%以下であることが好ましい。
原紙の秤量は30〜250gが好ましく、特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さは40〜250μmが好ましい。
原紙は抄紙段階又は抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることもできる。原紙密度は0.7〜1.2g/cm3(JIS−P−8118)が一般的である。更に原紙剛度はJIS−P−8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
原紙表面には表面サイズ剤を塗布してもよく、表面サイズ剤としては前記原紙中添加できるサイズ剤と同様のサイズ剤を使用できる。
原紙のpHはJIS−P−8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。
原紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/又は高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。
特に塗布層側のポリエチレン層は写真用印画紙で広く行われているようにルチル又はアナターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量はポリエチレンに対して概ね2〜20質量%、好ましくは3〜13質量%である。
ポリエチレン被覆紙は光沢紙として用いることも、又ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出してコーティングする際にいわゆる型付け処理を行って通常の写真用印画紙で得られる様なマット面や絹目面を形成したものも本発明で使用できる。
原紙の表裏のポリエチレンの使用量は水系塗布組成物の膜厚やバック層を設けた後での低湿及び高湿下でのカールを最適化するように選択されるが、本発明の水系塗布組成物を塗布する側のポリエチレン層が20〜40μm、バック層側が20〜50μmの範囲である。
更に上記ポリエチレン被覆紙支持体は以下の特性を有していることが好ましい。
1)引っ張り強さ:JIS−P−8113で規定される強度で縦方向が2〜30kg、横方向が1〜20kgが好ましい。
2)引き裂き強度:JIS−P−8116による規定方法で縦方向が10〜200g、横方向が20〜200gが好ましい。
3)圧縮弾性率≧1.01×105Pa
4)表面ベック平滑度:JIS−P−8119に規定される条件で20秒以上が光沢面としては好ましいが、いわゆる型付け品ではこれ以下であってもよい。裏面のベック平滑度は特に限定されないが概ね20〜500秒が好ましい。
5)不透明度:直線光入射/拡散光透過条件の測定条件で可視域の光線での透過率が20%以下、特に15%以下が好ましい。
次に本発明の水系塗布組成物を同時塗布する方法について説明する。
本発明の製造方法は、本発明の水系塗布組成物を、非吸水性支持体上に塗布するものであるが、この方法としては好ましくはカーテンコート法あるいは米国特許第2,681,294号記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられる。
塗布時の塗布組成物の温度は35〜50℃が好ましい。35℃未満の場合には塗布時に液の一部が急速に増粘して安定な塗膜が得にくくなったり、また、50℃を超えると、スライド面や塗布後の塗膜表面で急速な水の蒸発が起きて塗膜中で対流が生じて不均一なムラを生じやすくなったりする。好ましい塗布温度は37〜45℃の範囲である。
塗布直後には乾燥時には膜面温度が20℃以下になるように冷却すると急速に塗膜面がゲル化し、その後の乾燥過程で液のヨリや吹かれなどによる塗膜故障が軽減されるため好ましい。冷却する時間は特に制限されないが概ね1〜60秒、好ましくは2〜10秒である。
その後の乾燥は塗膜が再溶解しない状態までの条件で加熱することが生産性の観点から好ましい。
乾燥風は概ね20℃以上80℃以下の風で行うことが好ましい。乾燥風の相対湿度は一般に60%以下、好ましくは40%以下、特に好ましくは20%以下である。
また、乾燥が進行するのにしたがって吹き付ける風の温度は徐々に上げるのが好ましい。乾燥時間は湿潤膜厚にもよるが概ね10分以内、特に5分以内にするのが好ましく、最も好ましくは3分以内である。乾燥時間が長くなるに従ってレチ状筋が起き易くなり、特に、塗膜の膜厚が乾燥膜厚の2倍になるまでに要する時間が短いほど好ましく、その時間は3分以内が好ましく特に2分以内が好ましい。
塗布する湿潤膜厚は目的とする乾燥膜厚によってかわるが概ね80〜180μm、好ましくは90〜150μmであり、塗布速度は湿潤膜厚や乾燥能力に大きく依存するが概ね20〜500m/分、好ましくは50〜400m/分である。
この様にして得られた多孔質インク吸収層の空隙率は60〜70%が好ましく、空隙容量は記録用紙1m2あたり20〜30mlであることが好ましい。ここで空隙容量とは、乾燥膜厚−固形分容量を示し、実施例に記載した方法で実験的には求めることが出来る。
本発明にかかる水系塗布組成物を塗布する側と反対側にはカール防止や印字直後に重ね合わせた際のくっつきを防止、インク転写を更に向上させたりするために種々の種類のバック層を設けることが好ましい。
バック層の構成は支持体の種類や厚み、表側の構成や厚みによってもかわるが一般には親水性バインダーや疎水性バインダーが用いられる。バック層の厚みは通常は0.1〜10μmの範囲である。
また、バック層には他の記録用紙とのくっつき防止、筆記性改良、さらにはインクジェット記録装置内での搬送性改良のために表面を粗面化できる。この目的で好ましく用いられるのは粒径が2〜20μmの有機又は無機の微粒子である。
これらのバック層は予め設けてもよく、本発明にかかる水系塗布組成物を塗布した後で設けてもよい。
以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。尚、実施例中で%は特に断りのない限り絶乾質量%を示す。
実施例1
〔シリカ分散水aの作製〕
一次粒子の平均粒径が約0.012μmの気相法シリカ180kgを、三田村理研工業株式会社製のジェットストリーム・インダクターミキサーTDSを用いて、pHを2.0に硝酸で調整した520lの純水中に室温で吸引分散した後、純水を加えて全量を620lに仕上げた(pH≒2.0)。
〔シリカ分散液Aの作製〕
シリカ分散水aの490lを、カチオン性ポリマーP−1を25質量%、nープロパノール10質量%、及びエタノールを15質量%含有する水溶液B(pH=2.0、サンノブコ株式会社製消泡剤SN381を2g含有)70lに、25〜30℃の温度範囲で撹拌しながら添加した。次に、ほう酸4質量%水溶液とほう砂4質量%水溶液を2:1で混合したものC液25lを、前記シリカ分散水aと水溶液Bの混合物に、撹拌しながら徐々に添加した。
Figure 2005280344
次いで、三和工業株式会社製の高圧ホモジナイザーを使用して300kg/cm2の圧力で分散し、純水で全量590lに仕上げ、これをアドバンテック東洋株式会社製TCP−30タイプのフィルタ(濾過精度30μm)を用いて濾過し、ほぼ透明なシリカ分散液Aを得た。シリカ分散液のpHは3.4であった。
〔水系塗布組成物の調製〕
上記シリカ分散液Aを使用して多孔質インク吸収層を有するインクジェット記録用紙(単に記録用紙ともいう)を作製するために、下記の水系塗布組成物(1)を調製した(値はいずれも水系塗布組成物1l当たりの量で示した。また、各々記載した順に添加していった)。
水系塗布組成物(1)
シリカ分散液A 650ml
ポリビニルアルコール(クラレ株式会社製PVA235)10%水溶液 270ml
純水(全量を1000mlに仕上げる)
得られた水系塗布組成物を前記の高圧ホモジナイザーで200kg/cm2の圧力で分散して水系塗布組成物(1)を得た。(シリカ濃度=15.7%)
得られた水系塗布組成物(1)の40℃及び15℃における粘度を測定し、表1に示す値(記録用紙1欄に示す)を得た。次に、水系塗布組成物(1)を純水で下記の通り順次希釈し、水系塗布組成物(2)〜(5)を作製した。それぞれの40℃及び15℃における粘度を測定し、表1の記録用紙該当欄に示す値を得た。
水系塗布組成物(2)
水系塗布組成物(1)1000ml+純水100ml (シリカ濃度:14.2%)
水系塗布組成物(3)
水系塗布組成物(1)1000ml+純水200ml (シリカ濃度:13.1%)
水系塗布組成物(4)
水系塗布組成物(1)1000ml+純水400ml (シリカ濃度:11.2%)
水系塗布組成物(5)
水系塗布組成物(1)1000ml+純水600ml (シリカ濃度:9.8%)
〈記録用紙の作製〉
両面をポリエチレンで被覆した紙支持体(含水率が7.5質量%の170g/m2の紙の多孔質インク吸収層面をアナターゼ型酸化チタン7質量%含有するポリエチレン25g/m2で被覆し、反対側を34g/m2のポリエチレンで被覆した支持体。インク吸収側のポリエチレン表面はコロナ放電処理後、約50mg/m2のゼラチンを下引層として塗設する。裏面側にはコロナ放電後にスチレンマレイン酸ラテックスとシリカ系マット剤を塗布。)上に、前記で作製した各水系塗布組成物を42℃で、表1に示す湿潤膜厚で塗布した。塗布方式は表1に示す。表中、押し出しは押し出し塗布方式、CTはカーテン塗布方式、SHはスライドホッパー塗布を示す。
記録用紙1(水系塗布組成物(1)を使用)では、塗布幅が1300mm、塗布速度が150m/分で行い、塗布直後に4℃に保たれた冷却ゾーンで20秒間冷却した後、30℃の風(相対湿度15%)で30秒間、60℃の風(相対湿度が10%以下)で30秒間、70℃の風(相対湿度:10%以下)で60秒間、50℃の風(相対湿度:約10%)で60秒間順次乾燥後、20〜25℃、相対湿度が40〜60%の雰囲気下で2分間調湿して試料を巻き取って記録用紙1を作製した。
記録用紙2〜5(各々水系塗布組成物(2)〜(5)に対応)は湿潤膜厚の増加に応じて、記録用紙1と同等の乾燥条件になるように塗布速度を低下させて行った。
記録用紙の多孔質インク吸収層の断面を電子顕微鏡で観察した結果、いずれも記録用紙において、シリカ微粒子の粒子径は約50nmであった。
ついで各々の試料を50℃で24時間保存した。
〈評価〉
記録用紙1〜5について、空隙容量および塗布膜面の評価(幅手均一性、ボケ状筋、レチ状筋、ひび割れ数)を目視で行い結果を表1に示す結果を得た。
(空隙容量)
記録用紙を100cm2裁断し、この質量を測定する(W1)。23℃の純水中に30秒間浸漬し、表裏に付着した水をろ紙を用いて除いた後速やかに質量を測定する(W2)。
空隙容量=(W2−W1)×100
で計算し、同じ測定をN=3で行ってその平均を空隙容量とした。
(幅手均一性)
塗布試料を幅手方向に付き、シリカ付き量を5cm間隔で測定し、シリカ付き量のばらつきの標準偏差を求めた(g/m2)。
(ボケ状筋)
○:筋の発生なし
△:弱い筋が部分的に認められるが実用上問題になるレベルでない
×:明らかなムラがあり。
(レチ状筋)
○:微小筋発生なし
△:微小筋が極僅かに発生するが実用上問題なし
×:明らかな筋の発生ある。
(ひび割れ数)
記録用紙1m2あたりの約0.5mmサイズ以上ひび割れ故障の発生数。
Figure 2005280344
表1に示す結果から、本発明の記録用紙2および3は、幅手均一性に優れ、ボケ状の筋やレチ状の筋の発生がないか軽微で良好な塗膜面を有することがわかる。
これに対して、記録用紙1は、H/Dが3.3であり、高い空隙率を有しているが、塗膜面の幅手均一性が悪く強度のボケ状筋の発生が認められ、しかも、この筋の周辺にひび割れ故障が多い。
また、H/Dが4.2を超える記録用紙4および5では、レチ状の筋故障は発生する。
実施例2
実施例1で使用した水系塗布組成物(1)の調製時にエタノールを水系塗布組成物1Lあたり50ml添加した以外は実施例1と同様にして水系塗布組成物(1)A〜(5)Aを作製し、記録用紙1〜5と同様にして記録用紙11〜15を作製した。実施例1と同様に評価して表2に示す結果を得た。
Figure 2005280344
表2の結果から、シリカ濃度が12質量%以上で40℃の水系塗布組成物粘度が0.050〜1.000Pa・sであり、H/D比が3.5〜4.2の範囲にある記録用紙11および12はいずれも良好な幅手塗布均一性を有し、ボケ状筋・レチ状筋・ひび割れが少ない良好な塗膜面を有していることがわかる。
実施例3
実施例1で使用した水系塗布組成物(1)の調製時に界面活性剤(S−1)の5%溶液を水系塗布組成物1Lあたり20ml添加した以外は実施例1と同様にして水系塗布組成物(1)B〜(5)Bを作製し、記録用紙1〜5と同様にして記録用紙21〜25を作製した。
Figure 2005280344
実施例1と同様に評価して表3に示す結果を得た。
Figure 2005280344
表3の結果から、シリカ濃度が12質量%以上で40℃の水系塗布組成物粘度が0.050〜1.000Pa・sであり、H/D比が3.5〜4.2の範囲にある記録用紙22および23はいずれも良好な幅手塗布均一性を有し、ボケ状筋・レチ状筋・ひび割れが少ない良好な塗膜面を有していることがわかる。
実施例4
実施例1で使用した水系塗布組成物(1)の調製時にポリビニルアルコールの量を270mlから220mlに減量し、かつ、下記のラテックスを水系塗布組成物1Lあたり30ml添加した以外は実施例1と同様にして水系塗布組成物(1)C〜(5)Cを作製し、記録用紙1〜5と同様にして記録用紙31〜35を作製した。
ラテックス:固形分濃度30%
5%ポリビニルアルコール(クラレ製PVA117)水溶液中で乳化重合して得られたアクリル系分散液。実施例1と同様に評価して表4に示す結果を得た。
Figure 2005280344
表4の結果から、シリカ濃度が12質量%以上で40℃の水系塗布組成物粘度が0.050〜1.000Pa・sであり、H/D比が3.5〜4.2の範囲にある記録用紙32および33はいずれも良好な幅手塗布均一性を有し、ボケ状筋・レチ状筋・ひび割れが少ない良好な塗膜面を有していることがわかる。
実施例5
実施例1で使用した水系塗布組成物(1)の調製後に高圧ホモジナイザーで分散することをしなかった以外は実施例1と同様にして水系塗布組成物(1)D〜(5)Dを作製し、記録用紙1〜5と同様にして記録用紙41〜45を作製した。実施例1と同様に評価して表5に示す結果を得た。
Figure 2005280344
表5の結果から、シリカ濃度が12質量%以上で40℃の水系塗布組成物粘度が0.050〜1.000Pa・sであり、H/D比が3.5〜4.2の範囲にある記録用紙43は良好な幅手塗布均一性を有し、ボケ状筋・レチ状筋・ひび割れが少ない良好な塗膜面を有していることがわかる。
実施例6
実施例3で使用したシリカ分散液を下記のものに変更した以外は実施例3と同様にして水系塗布組成物(1)E〜(5)Eを作製し、記録用紙1〜5と同様にして記録用紙51〜55を作製した。
(シリカ分散液Bの作製)
平均1次粒子径が約15nmの湿式法で製造されたシリカ180kgを、pHを2.0に硝酸で調整したカチオン性ポリマーP−1、n−プロパノール、エタノール、消泡剤、ほう酸およびほう砂を含有する水溶液660L(シリカに対する各添加剤の比率は分散液Aと同じ)に混合し、混練後、サンドミル分散機で分散し、更に前記の高圧ホモジナイザーで分散し全量を746Lに純水で仕上げ分散液Aと同様にろ過して分散液Bを作製した。実施例1と同様に評価して表6に示す結果を得た。
Figure 2005280344
表6の結果から、シリカ濃度が12質量%以上で40℃の水系塗布組成物粘度が0.050〜1.000Pa・sであり、H/D比が3.5〜4.2の範囲にある記録用紙52および53は良好な幅手塗布均一性を有し、ボケ状筋・レチ状筋・ひび割れが少ない良好な塗膜面を有していることがわかる。
実施例7
実施例1〜6で作製した水系塗布組成物(1)E、(2)A、(3)、(3)C、(3)D、(4)C、(4)D、(4)Eを下記表7に示す上層、下層の構成で重層塗布して記録用紙61〜68を作製した。
Figure 2005280344
実施例1と同様に評価して表8に示す結果を得た。
Figure 2005280344
本発明の水系塗布組成物を1層でも使用していると、良好な塗布面を有していることが判る。

Claims (5)

  1. 少なくとも無機微粒子とポリビニルアルコールを含有し、実質的にゼラチンを含有しない水系塗布組成物を非吸水性支持体上に塗布乾燥して多孔質インクジェット記録用紙の製造方法において、該水系塗布組成物の湿潤膜厚をH(μm)、乾燥膜厚をD(μm)としたとき、H/D=3.5〜4.2であり、該水系塗布組成物中の無機微粒子の濃度が12質量%以上で、40℃における粘度が0.050〜1.000Pa・sであることを特徴とする多孔質インクジェット記録用紙の製造方法。
  2. 少なくとも無機微粒子とポリビニルアルコールを含有し、ゼラチンを実質的に含有しない2種以上の水系塗布組成物を非吸水性支持体上に同時塗布する多孔質インクジェット記録用紙の製造方法において、該水系塗布組成物の少なくとも1種は、全湿潤膜厚をH(μm)、全乾燥膜厚をD(μm)としたとき、H/D=3.5〜4.2であり、かつ、その水系塗布組成物中の無機微粒子の濃度が12質量%以上で、40℃における粘度が0.050〜1.000Pa・sであることを特徴とする多孔質インクジェット記録用紙の製造方法。
  3. 前記水系塗布組成物の15℃における粘度が40℃における粘度の少なくとも20倍以上あって、該水系塗布組成物の温度が35〜50℃の範囲で支持体上に塗布することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多孔質インクジェット記録用紙の製造方法。
  4. 前記水系塗布組成物を非吸水性支持体上に塗布後、塗膜面温度を20℃以下に冷却して増粘させた後に温風を吹き付けて乾燥することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質インクジェット記録用紙の製造方法。
  5. 前記水系塗布組成物を非吸水性支持体上に塗布乾燥して得られた層が多孔質インク吸収層であり、かつ該多孔質インク吸収層の空隙率が60〜70%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔質インクジェット記録用紙の製造方法。
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