JP2005278132A - 原稿照明装置、画像読み取り装置、カラー原稿読み取り装置、画像形成装置、フィルムスキャナ、およびデジタルラボ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】LED光源1から出射した光束は、長尺レンズ2を経て、被照明面3に至る。光源1は長尺レンズ2の焦点位置にあり、副走査断面上の被照明面に対して光束が平行光になる。副走査断面に対し所定角度θfをもって出射する光束は副走査断面上の被照明面位置から所定の距離離れた位置において収束光になる。角度θf方向に角度が増すほど放射エネルギーが小さくなるにも拘わらず、主走査方向の照度分布はほぼ均一になる。
【選択図】 図8
Description
同図において符号100は画像形成部、200は画像読み取り部をそれぞれ示す。その他の符号は説明中で直接引用する。
画像形成部100は、ドラム状の潜像担持体111を有し、その周囲に帯電手段としての帯電ローラ112、現像装置113、転写ローラ114、クリーニング装置115が配備されている。帯電手段としては「コロナチャージャ」を用いることもできる。更に、画像読み取り部等、外部からの原稿情報を受けてレーザビームLBにより光走査を行う光走査装置117が設けられ、帯電ローラ112と現像装置113との間で「光書込による露光」を行うようになっている。
通常、画像読み取り装置に用いられる原稿照明装置は、原稿を照らすために、原稿幅とほぼ同じ長さが必要とされるため、原稿照明装置としてのLEDの使用方法としては、LED素子を多数個並べ、アレイ状にして用いる。
ただし、LEDは上述したような優れた特性を有しているものの、画像読み取り装置の照明装置として用いるには、素子1個1個の絶対的な明るさが足りないため、低速読み取り機器や、コンパクト性重視の機器を中心に用いられており、高速読み取り機器や、大型機器には、主に冷陰極蛍光ランプが用いられている。
光利用効率向上を目的とした、LEDアレイと長尺レンズを組み合わせた原稿照明装置の例がある(例えば、特許文献1、特許文献2 参照。)。これらの装置では、LEDの光を、各LEDの副走査断面上で収束させることで効率を上げようとしていた。
LEDの出射光のうち、副走査断面に対し角度を持って出射される光のほとんどを無駄にするため、LEDを多数配列しなければ、主走査方向の照度ムラが発生する。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の原稿照明装置において、前記被照明面上で収束すべき光束の前記副走査断面に対する収束角は、前記発光素子の配光分布における半値角以内に設定されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の原稿照明装置において、前記複数の発光素子の配置間隔は、最も中央部に近い発光素子間の間隔をP0とし、n≧1とし、最も端に近い発光素子までの任意の発光素子間の間隔をPnとしたとき、
Pn−1≧Pn
0.2≦Pn/P0≦1
の関係を同時に満たすことを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の原稿照明装置において、前記発光素子は、蛍光体を用いた1チップ型白色発光ダイオードであることを特徴とする。
請求項7に記載の発明では、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の原稿照明装置において、前記長尺レンズは、シリンダレンズであることを特徴とする。
請求項8に記載の発明では、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の原稿照明装置において、前記長尺レンズは、主走査断面と副走査断面で曲率が異なるレンズであることを特徴とする。
請求項9に記載の発明では、請求項7または8のいずれか1つに記載の原稿照明装置において、前記長尺レンズは、主走査断面および副走査断面の光入射面および光出射面の少なくとも一面は断面が非円であることを特徴とする。
請求項11に記載の発明では、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の原稿照明装置を用いたカラー原稿読み取り装置を特徴とする。
請求項12に記載の発明では、請求項10に記載の画像読み取り装置を用いた画像形成装置を特徴とする。
請求項13に記載の発明では、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の原稿照明装置において、前記原稿はシート状もしくはブック状の反射原稿であることを特徴とする。
請求項14に記載の発明では、請求項13に記載の原稿照明装置を用いた画像読み取り装置を特徴とする。
請求項15に記載の発明では、請求項13に記載の原稿照明装置を用いたカラー原稿読み取り装置を特徴とする。
請求項16に記載の発明では、請求項14に記載の画像読み取り装置を用いた画像形成装置を特徴とする。
請求項17に記載の発明では、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の原稿照明装置において、前記原稿はフィルム状の透過原稿であることを特徴とする。
請求項18に記載の発明では、請求項17に記載の原稿照明装置において、該装置は、前記原稿の不要部分を透過すべき不要光を遮断するためのフレアカット手段を有することを特徴とする。
請求項19に記載の発明では、請求項18に記載の原稿照明装置において、前記フレアカット手段は、前記長尺レンズの後面に配置したことを特徴とする。
請求項20に記載の発明では、請求項17ないし19のいずれか1つに記載の原稿照明装置を用いたフィルムスキャナ装置を特徴とする。
請求項21に記載の発明では、請求項17に記載の原稿照明装置と、前記フィルムの前面に配置された第1のフィールドレンズと、前記フィルムの後面に配置された第2のフィールドレンズと、CCDラインセンサ等からなる撮像素子と、前記フィルムの像を前記撮像素子上に結像させる撮像光学系とを有し、前記第1のフィールドレンズを透過した光束は前記フィルム面に垂直な平行光束となるフィルムスキャナ装置を特徴とする。
請求項22に記載の発明では、請求項21に記載のフィルムスキャナ装置において、該装置は、前記原稿の不要部分を透過すべき、もしくは透過した不要光を遮断するためのフレアカット手段を有することを特徴とする。
請求項23に記載の発明では、請求項22に記載のフィルムスキャナ装置において、前記フレアカット手段は、前記長尺レンズ後面、および前記第1のフィールドレンズ、前記フィルム、前記第2のフィールドレンズのいずれかの前面もしくは後面、の少なくともいずれか1つに配置されたことを特徴とする。
請求項24に記載の発明では、請求項23に記載のフィルムスキャナ装置において、前記フレアカット手段を前記長尺レンズ後面、前記第1のフィールドレンズの前面もしくは後面、前記第2のフィールドレンズの前面もしくは後面のいずれかに配置する場合は、前記フレアカット手段は、板状部材で構成することを特徴とする。
請求項25に記載の発明では、請求項23に記載のフィルムスキャナ装置において、前記フレアカット手段を前記長尺レンズ後面、前記第1のフィールドレンズの前面もしくは後面、前記第2のフィールドレンズの前面もしくは後面のいずれかに配置する場合は、前記フレアカット手段は、遮光部材を前記レンズ面に貼り付けて構成することを特徴とする。
請求項26に記載の発明では、請求項23に記載のフィルムスキャナ装置において、前記フレアカット手段を前記長尺レンズ後面、前記第1のフィールドレンズの前面もしくは後面、前記第2のフィールドレンズの前面もしくは後面のいずれかに配置する場合は、前記フレアカット手段は、遮光性の塗料を前記レンズ面に塗装して構成することを特徴とする。
請求項27に記載の発明では、請求項23に記載のフィルムスキャナ装置において、前記フレアカット手段を前記フィルムの前面もしくは後面に配置する場合は、前記フィルムを保持するための保持枠をフレアカット手段と兼用にしたことを特徴とする。
請求項28に記載の発明では、請求項20ないし27のいずれか1つに記載のフィルムスキャナ装置を用いたデジタルラボを特徴とする。
図2は本発明の照明装置の基本概念を示す平面図である。
両図において符号1は点光源、2は長尺レンズ、3は被照明面前面に置かれたコンタクトガラスをそれぞれ示す。
点光源1の光出射面の近傍に長尺レンズ2の光入射面2aを配置し、同レンズの光出射面2bから所定距離離れた位置に被照明面を配置する。被照明面はコンタクトガラス3の、点光源とは反対の側の面3b(以後裏面と呼ぶ)に一致させてある。
点光源1は、例えばLEDのように発光点が非常に小さくて、被照明面としてA4サイズ等を考えた場合、その紙幅に比べて発光点の大きさが点とみなし得るものを指している。
このような照明装置はデジタル複写機やイメージスキャナに用いられるが、その場合、原稿の一方向を長尺レンズ2の長手方向に一致させてコンタクトガラス3の裏面3bに密着させる。照明光は上記長手方向に沿ったライン状に集光するので、原稿面全部を同時に読み取ることはできない。したがって、原稿面と照明装置を相対的に原稿の他方向に沿って移動させなければならない。ここで、照明光のライン状方向を主走査方向、上記相対的な移動方向を副走査方向と呼んでいる。図1は副走査断面を表していることになる。単に副走査断面というと無限に存在することになるが、本発明では、光源を含む副走査断面のことを言うことにする。
このように本構成によれば、点光源から出射される光束全てが原稿面に対して略平行になるのではなく、原稿面で収束する光束が存在する。点光源から出射される斜行光束の角度θが大きくなるにつれて、当初無限遠だった点光源との共役長が徐々に短くなり、ついにはθfで原稿面に収束する。θが収束角θfより大きくなれば、収束点はコンタクトガラスの中に入ってくる。
図4は均等分布の点光源による主走査方向の照度を示す図である。
点光源から180°の範囲のすべての立体角の方向に対して均等な光エネルギーを放射する分布Q1を均等分布と呼ぶ。
LEDから出射される光は、角度θが大きくなるにつれて、言い換えれば、被照明面上LEDの正面から長手方向に離れるにつれて、徐々に収束光に変化する。LEDの配光分布が、図3に示すように、全方位一様と仮定した場合、主走査方向の端に行くにつれて徐々に原稿面上照度は高くなり、図4に示すように、収束角θf近傍で角のような2本のピークを形成する。この照度分布では、中央部付近の平坦部が狭く、照明装置として使用できる原稿幅があまり大きくできない。ただし、実用的なLEDでこのような配光分布Q1は得られない。
図6はランバート分布の点光源による主走査方向の照度を示す図である。
点光源から放射される光エネルギーの強度分布が球状Q2になっている場合ランバート分布と呼んでいる。この分布の場合、光源の面に対する法線方向に最大のエネルギー放射が行われる。最大エネルギーの放射方向をθ=0°として、θが大きくなるにつれ、その角度方向に放射される光束の光エネルギーは減少し、θh=60°において最大値が2分の1(半値)、エネルギーは4分の1に減少する。θh=60°をこの分布の半値角と呼ぶ。
このような配光分布Q2をもった点光源を用いると、配光分布特性による光強度減少と、レンズの収束作用による光強度増大が打ち消し合い、図4に比べると、ピーク部の照度が下がる。
この照度分布では、中央部付近の平坦部がさらに広くなり、LEDの出射光を、主走査方向に広く、有効に利用することができる。
このようなLEDを複数個配列すると、上述したように各LEDの有効照明範囲が主走査方向に広いため、少ないLED個数でも主走査方向にムラの少ない照明が可能となる。
さらにこの時、各LEDの主走査方向両端近傍の2個のピークが相互に連接して、結果として主走査方向のどの位置においても副走査方向に収束性の高い照度分布を形成することができる。
本発明の構成を用いるその他の利点として、本発明の構成は、上述したように副走査断面上に収束作用を持たせない。このため、収束作用を持たせるレンズに比べて曲率が緩く、したがってNAを大きく設定できるので、LEDから取り込める光量を必然的に多くできる。
図8は実施例1の構成を示す変則的平面図である。
図9は実施例1の構成による被照明面の主走査方向の照度分布を示す図である。
本実施例の仕様を示す。
長尺レンズ_A断面形状
(副走査断面半径を入射面2a側:R1、出射面2b側:R2とする)
R1=10
R2=−2.887(楕円面で、円錐乗数K=−0.837)
中心厚:7.2(mm)
主走査方向の幅:50(mm)
材料:nd=1.491、νd=57.2
LED_A
配光分布:ランバート分布(Q2)
発光面上強度分布:一様
発光面サイズ:1(mm)×1(mm)
数量:1(個)
発光効率:1(W)
コンタクトガラス
中心厚:3.2(mm)
材料:nd=1.517 νd=64.2
位置関係
LED−長尺レンズ2a面間隔:1(mm)
長尺レンズ2b面−コンタクトガラス:10(mm)
長尺レンズの光軸のコンタクトガラス面法線に対する傾き:30度
被照明面(原稿面):コンタクトガラス裏面とする
図8は長尺レンズ2と光束に関しては光軸に垂直な方向から見た図を示し、コンタクトガラス3に関しては被照明面3bに垂直な方向から見た図を示す。
図7(b)において、斜行光束は1点から1点へ収束する図になっているが、実際のLEDは仕様でも示したように1mm角の大きさをもっている。また同図からも推測できるが、被照明面における結像倍率は等倍より大きい倍率がかかっているので、被照明面における収束光の副走査方向の幅は1mmよりは大きくなっている。
図8において、θf=45°に出射した斜行光束は、被照明面上で中心位置から16.5mmの位置に収束した。被照明面における副走査方向1mm幅の領域を読み取り領域Sとしたとき、この領域における照度分布を求めると図9に示すグラフのようになる。同グラフは上記1mmの幅に関して副走査方向に積分した結果を示している。縦軸の照度と表現した部分の単位はエネルギー単位mW/m2で代用している。主走査方向は、50mm長さの長尺レンズに対して45mmの長さ分プロットしてある。LEDの出射光を、主走査方向で無駄に拡散させずに利用できていることがわかる。
この例では長尺レンズに対する光束入射角が実質45°付近までの斜行光束を用いていることになるが、一般に入射角が大きいほど表面反射による光量損失が大きくなる。それを補うために反射防止膜をつけることも可能ではあるが、コスト高は避けられない。しかも、半値角θhより外側の角度の放射エネルギーは急激に小さくなるので、半値角θhより外側の角度を収束角θfに選ぶのは得策ではない。
図11は実施例2の構成による被照明面の主走査方向の照度分布を示す図である。
図12は実施例2の構成による被照明面の副走査方向の照度分布を示す図である。
本実施例は、長尺レンズの主走査方向幅を100(mm)にし、光源個数を増やした以外は実施例1と同じ構成である。LED_Aの個数をを15個とし、5mmピッチで配列した。したがって光源の両端の中心間距離は70mmになり、主走査方向45mm幅の外側からも照明する構成になっている。
主走査方向の照度分布は全幅に亘ってほぼ平坦であり、そのまま読み取り幅として使えそうである。
図12の照度分布は、主走査方向45mm幅の中心を副走査方向に30mmプロットしたものである。副走査方向の読み取り領域1mmは、図12のピーク位置であり、光がよく集められていることがわかる。
図14はコサイン2乗分布の点光源による主走査方向の照度分布を示す図である。
本実施例は配光分布がランバート分布Q2のLED_Aからコサイン2乗分布Q3のLED_Bに代わった他は実施例1と同じ諸元で構成される。
コサイン2乗分布Q3は発光面の法線に対して角度θ傾いた方向に出射する光エネルギーが法線方向のそれに対し、cos2θの比率で減少していく分布である。この分布の場合、θh=45°における光エネルギーは法線方向のそれの2分の1(半値)になる。したがって、この実施例では、収束角θfが半値角θhと一致している。
LED_Bのような中心の光強度が強いLEDを用いても、収束作用とLED_Bの配光分布をマッチングさせることによって、出射光を有効に利用できていることがわかる。
図16は実施例4の構成による被照明面の副走査方向の照度分布を示す図である。
本実施例は、実施例2と同じ構成で、配列するLEDに、LED_Bを用いたものである。
図16の照度分布は、主走査方向45mm幅の中心を副走査方向に30mmプロットしたものである。副走査方向の読み取り位置1mmは、図16のピーク位置であり、光がよく集められていることがわかる。
図18は実施例5に用いる長尺レンズの平面図である。
図19は実施例5の構成による被照明面の主走査方向の照度分布を示す図である。
図20は実施例5の構成による被照明面の副走査方向の照度分布を示す図である。
本実施例は、LEDの個数を増やさずに、原稿面端部の照度を上げようとするものである。基本構成は実施例2と同じ構成にし、長尺レンズの光出射面2bを、主走査方向に500mmの曲率をつけ、主走査方向断面が凹レンズ形状となるようにし、副走査方向の断面は同一曲率の凸レンズとする長尺レンズ_Bを用いた。
実施例2、実施例4で得られた主走査方向の照度分布図(図11、図15)では、45mmの被照明面幅に対して70mmに広がった複数の光源で照明しているにも拘わらず、幅の両端において若干の照度低下が見られる。これは、配列のピッチを変更したり、電気的に補正することで改善することができる。本実施例はその改善の1つの方法として示したものである。すなわち、長尺レンズの光出射面の長手方向に、図18に示すような曲率をつけることによって、照度低下部を外側に押しやることができ、所望の原稿幅(この例では45mm)の全範囲に亘ってほぼ一定の照度分布を得ることができる。
上記改善の他の方法として、主走査方向、副走査方向いずれか必要な方向(両方でも良い)の光入射面ないし光出射面の曲面を、それぞれの方向における断面が円以外の2次曲線(例えば、楕円、放物線等)となるよう構成しても良い。高度な設計、製作が可能な場合は4次曲線等、さらに高次の偶数次曲線にすることも可能である。このような曲線を便宜上非円曲線と呼ぶ。
図22は実施例6の構成による被照明面の副走査方向の照度分布を示す図である。
本実施例の構成は長尺レンズ以外すべて実施例1と同じである。本実施例に用いる長尺レンズ_Cの仕様を示す。
R1=20(mm)
R2=−3.8(mm)(楕円面で、円錐乗数K=−0.484)
中心厚:10(mm)
主走査方向の幅:50(mm)
材料:nd=1.491、νd=57.2
である。
図22において2つの曲線の内、中央部付近に窪みを持つ曲線G1は、図21の主走査方向中央部における副走査方向の照度分布を示す。中央部付近にピークを持つ曲線G2は、図21の2個のピークの内、右側のピーク位置における副走査方向の照度分布を示す。
図24は実施例7の構成による被照明面の副走査方向の照度分布を示す図である。
本実施例は実施例6に示した長尺レンズ_Cを図2の構成に適用したものである。
光源が1個の時は図21に示すように、両端近くにそれぞれ中央部の1.5倍くらいのピーク値が現れていたが、光源を複数にしたことによって、図23に示すように、いわば複数のピーク値が連接して全体として平坦になっている。
同図において符号Pは発光素子間隔を示す。
複数の発光素子の配置間隔は、最も中央部に近い発光素子間の間隔をP0とし、n≧1とし、最も端に近い発光素子までの任意の発光素子間の間隔をPnとしたとき、
Pn−1≧Pn
0.2≦Pn/P0≦1
の関係を同時に満たすように構成する。
図23に示す照度分布でも、主走査方向両端において若干照度低下が見られる。これは、被照明面の主走査方向端部がその位置より中心側からの光束しか受けてないためであると考えられる。この問題を解消するために上記のような構成にする。
これまでの実施例では、被照明面の照度を均一にすることを目標としていたが、読み取り光学系の特性によっては、いわゆるシェーディングと呼ばれる周辺光量不足を生ずることがある。本構成はシェーディング補正を考慮した照明装置を得ることにも利用できる。上記のように、主走査方向の端に行くほど発光素子の配置密度を上げることにより、周辺の光量を中心部より大きくし、結果的に読み取り光学系を経た光量が均一になるようにする。
発光素子の総数を15個とし、最も中心に近い光源の配置間隔P0を6.2mmとする。
次の発光素子から端へ向かって、2個目までは各0.3mmずつ間隔を減少させ、それより外側は順次0.4mmずつ狭くしている。したがって、一番外側(7個目)とそのすぐ内側の発光素子間隔は4mmとなり、最外側の発光素子の中心間距離は72.2mmとなり被照明面の長さ(45mm)より長くなっている。これによって、被照明面の主走査方向端部は、配置密度の高い光源からの光束を受けると共に、中心側からだけでなくその位置より外側からの光束も受けることによって、周辺照度低下が解消される。
以上の説明では、被照明面の長さを45mmとして論じてきたが、実際に読み取り装置等に適用するに当たっては、所望の原稿幅に対応するように、発光素子の個数を増加するなどの措置を講ずる。
本発明においては、光源は発光ダイオード(LED)が最も適している。中でも、あらゆる原稿の読み取りに対応できるようにするため、白色LEDを用いるのがよい。
白色LEDには幾つかのタイプがある。その1つは蛍光体を用いた1チップ型白色LEDである。チップと称する発光部が、YAG蛍光体を混入した透明な封入部材に封じられている。チップはInGaNからなる青色発光を行う。それによって、チップが青色発光したとき、同時に蛍光体が励起されて黄色の蛍光を発光する。青色と黄色は互いに補色関係にあるため、両者が一緒に外部へ出ると白色光として認識される。
他のタイプとして、蛍光体を使わず、それぞれの発光する色が異なる2つ以上のチップを用い、混色により白色発光させる白色発光ダイオードがある。複数のチップは同一面に配置され、全部の発光色が混合されると白色として認識される組み合わせになっている。
たとえば、2個のチップの場合、前記と同様それぞれ青色と黄色の発光をするチップを用いる。3個のチップの場合であれば、いわゆる3原色に相当するそれぞれ赤、緑、青を発光するチップを用いる。
同図において符号5は撮像光学系、6は撮像素子としてのCCDラインセンサ、7、7’は第1および第2のフィールドレンズ、8はフレアカット板をそれぞれ示す。
これまでの説明では、図26に示した画像形成装置を例にとって来たが、技術分野の説明の項で示したように、本発明はデジタルラボにも適用できる技術である。
一般に画像形成装置においては、原稿として、シート状の原稿、もしくはブック状の原稿が用いられ、反射式で読み取られるのが普通である。場合によっては、OHP用の透明原稿を複写することもあるが、その場合も、原稿の背面に白色の反射板を重ねて反射式で読み取るのが普通である。
これに対してデジタルラボでは、通常、透明フィルム状の原稿を透過式で読み取る。
図27は主走査方向における断面を示している。同図において、LED1からの光束は長尺レンズ2を通過して、原稿面としてのフィルム3に至る。フィルム3は、例えばネガカラーフィルムのような、主として写真フィルムが用いられ、透過光としてカラー画像が得られる形式の原稿である。
画像を正確に読み取るために、通常はフィルム3の手前にフィールドレンズと呼ばれる主走査方向、副走査方向共に同一の正のパワーを持ったレンズが置かれる。フィールドレンズは主走査方向の長さをカバーできればよいので、副走査方向に関しては、光軸を含んでいれば、読取幅をカバーする程度の大きさがあればよい。
第1のフィールドレンズ7に至った光束は、該フィールドレンズ7によってフィルム3の面に垂直な平行光束になるような作用を受ける。
フィルム3を透過した平行光束は、第2のフィールドレンズ7’に入射する。この平行光束は該フィールドレンズ7’によって、撮像光学系5の入射瞳の中心に収束するような作用を受ける。撮像光学系を透過した光束は発散光となり、CCDラインセンサ6に入射し、主走査方向の読取が行われる。
フィールドレンズ7と7’のパワーは互いに等しくなるように設計することもできるが、基本的には同一である必要はない。
通常は、2つのフィールドレンズ7、7’と、撮像光学系5の光軸は一致させてある。そして、LED1はその光軸上に配置してある。また、CCDラインセンサ6の中心部も同じ光軸上にほぼ一致させてある。
図示しないが、フィルム3には照明したい部分(仮に有効部分と呼ぶ)、と照明したくない部分(仮に不要部分と呼ぶ)がある。一般にネガフィルムの場合不要部分の透過光量が大きいので、これをそのままフィールドレンズ7、7’や、撮像光学系5に入射させてしまうと、迷光(いわゆるフレア光)となって、所望の画像に重なることがある。この問題を避けるため、不要部分に行くはずの光束(不要光束と呼ぶ)を遮断するためのフレアカット手段8を長尺レンズ2の出射面に設ける。すなわち、長尺レンズ2の長手方向(主走査方向)両端部近傍に、設置誤差等が生じても有効部分の光束(有効光束と呼ぶ)を遮断しない範囲で、不要光束をできるだけ大きく遮断するようにフレアカット手段8を設置する。
それぞれの位置において、配置位置は前記同様、設置誤差等が生じても有効光束を遮断しない範囲で、不要光束をできるだけ大きく遮断するように配置する。
フィルム3の位置に設置する場合は、例えば、フィルム3を保持するための、図示しない保持枠(同図の一点鎖線)にいわゆるマスクの役割を兼用させ、不要光束を遮蔽する構成にするのがよい。
撮像光学系の前後面、あるいはラインセンサの直前にフレアカット手段を設置するのはあまり好ましくない。なぜなら、光束の大きさが小さいことと、フィールドレンズ等でフレがすでに発生した後になるからである。第2のフィールドレンズの後面に置く場合もフレがすでに発生した後になるのであまり好ましくない。
長尺レンズ
R1=10mm
R2=−2.88(楕円面で、円錐乗数K=−0.837)
中心厚:7.2mm
主走査方向の幅:15mm
材料:nd=1.491 νd=57.2
LED
配光分布:ランバート分布
発光面上強度分布:一様
発光面サイズ:1mm×1mm
数量:1個
効率:1W
コンタクトガラス
中心厚:3.2mm
材料:nd=1.517 νd=64.2
位置関係
LED−長尺レンズR1面間隔:1mm
長尺レンズR2面−フィルム面:13mm
被照明面(フィルム面)サイズ
24mm(主走査方向)×36mm(副走査方向)
上記構成に対して、フレアカット板8は被照明面上で24mmより外側の光束をカットするように大きさを定めた。
これらの照度の求め方は、被照明面の有効範囲を主走査方向、副走査方向とも1mmのメッシュに細分し、100万本の光線追跡をして、各メッシュに入射する光線の本数をもって照度としたものである。図9は光源を含む副走査断面における副走査方向の照度分布を示し、図10は図9におけるグラフのピーク値を通る主走査断面における照度分布を示している。主走査方向にほとんど照度ムラのないことが分かる。
2 長尺レンズ
3 コンタクトガラス(フィルム)
5 撮像光学系
6 CCDラインセンサ
7,7’ フィールドレンズ
8 フレアカット手段
Claims (28)
- 長さと幅を有する被照明面と、前記長さ方向を主走査方向とし、前記幅方向を副走査方向としたとき、前記主走査方向に複数の発光素子が列設された光源ユニットと、前記被照明面と前記光源ユニットの間に配置され、前記主走査方向に長手方向を一致させた長尺レンズを有する原稿照明装置において、前記各発光素子は、前記長尺レンズの副走査方向断面上の焦点近傍に配置されており、前記副走査断面に含まれる前記被照明面上の位置から前記主走査方向に所定距離離れた位置において収束点を有することを特徴とする原稿照明装置。
- 請求項1に記載の原稿照明装置において、前記被照明面上で収束すべき光束の前記副走査断面に対する収束角は、前記発光素子の配光分布における半値角以内に設定されていることを特徴とする原稿照明装置。
- 請求項1または2に記載の原稿照明装置において、前記光源ユニットの両端の発光素子の中心間距離は前記被照明面の長さよりも大きいことを特徴とする原稿照明装置。
- 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の原稿照明装置において、前記複数の発光素子の配置間隔は、最も中央部に近い発光素子間の間隔をP0とし、n≧1とし、最も端に近い発光素子までの任意の発光素子間の間隔をPnとしたとき、
Pn−1≧Pn
0.2≦Pn/P0≦1
の関係を同時に満たすことを特徴とする原稿照明装置。 - 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の原稿照明装置において、前記発光素子は、蛍光体を用いた1チップ型白色発光ダイオードであることを特徴とする原稿照明装置。
- 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の原稿照明装置において、前記発光素子は、それぞれの発光する色が異なる2つ以上のチップを用い、混色により白色発光させる白色発光ダイオードであることを特徴とする原稿照明装置。
- 請求項1ないし6のいずれか1つに記載の原稿照明装置において、前記長尺レンズは、シリンダレンズであることを特徴とする原稿照明装置。
- 請求項1ないし6のいずれか1つに記載の原稿照明装置において、前記長尺レンズは、主走査断面と副走査断面で曲率が異なるレンズであることを特徴とする原稿照明装置。
- 請求項7または8のいずれか1つに記載の原稿照明装置において、前記長尺レンズは、主走査断面および副走査断面の光入射面および光出射面の少なくとも一面は断面が非円であることを特徴とする原稿照明装置。
- 請求項1ないし9のいずれか1つに記載の原稿照明装置を用いたことを特徴とする画像読み取り装置。
- 請求項1ないし9のいずれか1つに記載の原稿照明装置を用いたことを特徴とするカラー原稿読み取り装置。
- 請求項10に記載の画像読み取り装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1ないし9のいずれか1つに記載の原稿照明装置において、前記原稿はシート状もしくはブック状の反射原稿であることを特徴とする原稿照明装置。
- 請求項13に記載の原稿照明装置を用いたことを特徴とする画像読み取り装置。
- 請求項13に記載の原稿照明装置を用いたことを特徴とするカラー原稿読み取り装置。
- 請求項14に記載の画像読み取り装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1ないし9のいずれか1つに記載の原稿照明装置において、前記原稿はフィルム状の透過原稿であることを特徴とする原稿照明装置。
- 請求項17に記載の原稿照明装置において、該装置は、前記原稿の不要部分を透過すべき不要光を遮断するためのフレアカット手段を有することを特徴とする原稿照明装置。
- 請求項18に記載の原稿照明装置において、前記フレアカット手段は、前記長尺レンズの後面に配置したことを特徴とする原稿照明装置。
- 請求項17ないし19のいずれか1つに記載の原稿照明装置を用いたことを特徴とするフィルムスキャナ装置。
- 請求項17に記載の原稿照明装置と、前記フィルムの前面に配置された第1のフィールドレンズと、前記フィルムの後面に配置された第2のフィールドレンズと、CCDラインセンサ等からなる撮像素子と、前記フィルムの像を前記撮像素子上に結像させる撮像光学系とを有し、前記第1のフィールドレンズを透過した光束は前記フィルム面に垂直な平行光束となることを特徴とするフィルムスキャナ装置。
- 請求項21に記載のフィルムスキャナ装置において、該装置は、前記原稿の不要部分を透過すべき、もしくは透過した不要光を遮断するためのフレアカット手段を有することを特徴とするフィルムスキャナ装置。
- 請求項22に記載のフィルムスキャナ装置において、前記フレアカット手段は、前記長尺レンズ後面、および、前記第1のフィールドレンズ、前記フィルム、前記第2のフィールドレンズのいずれかの前面もしくは後面、の少なくともいずれか1つに配置されたことを特徴とするフィルムスキャナ装置。
- 請求項23に記載のフィルムスキャナ装置において、前記フレアカット手段を前記長尺レンズ後面、前記第1のフィールドレンズの前面もしくは後面、前記第2のフィールドレンズの前面もしくは後面のいずれかに配置する場合は、前記フレアカット手段は、板状部材で構成することを特徴とするフィルムスキャナ装置。
- 請求項23に記載のフィルムスキャナ装置において、前記フレアカット手段を前記長尺レンズ後面、前記第1のフィールドレンズの前面もしくは後面、前記第2のフィールドレンズの前面もしくは後面のいずれかに配置する場合は、前記フレアカット手段は、遮光部材を前記レンズ面に貼り付けて構成することを特徴とするフィルムスキャナ装置。
- 請求項23に記載のフィルムスキャナ装置において、前記フレアカット手段を前記長尺レンズ後面、前記第1のフィールドレンズの前面もしくは後面、前記第2のフィールドレンズの前面もしくは後面のいずれかに配置する場合は、前記フレアカット手段は、遮光性の塗料を前記レンズ面に塗装して構成することを特徴とするフィルムスキャナ装置。
- 請求項23に記載のフィルムスキャナ装置において、前記フレアカット手段を前記フィルムの前面もしくは後面に配置する場合は、前記フィルムを保持するための保持枠をフレアカット手段と兼用にしたことを特徴とするフィルムスキャナ装置。
- 請求項20ないし27のいずれか1つに記載のフィルムスキャナ装置を用いたことを特徴とするデジタルラボ。
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