JP2005275352A - ハロゲン化銀カラー感光材料及び面積階調画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境条件による潜像変動安定性に優れ、安定で優れた色再現性を有するハロゲン化銀カラー感光材料、面積階調画像形成方法を提供する。
【解決手段】イエローカプラー含有層、マゼンタカプラー含有層、シアンカプラー含有層を有し、各層が塩化銀が95モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含み、カプラーが下記一般式(1)等で表され、ハロゲン化銀乳剤がIr錯体とIr以外の周期律表5〜10族の金属原子を中心金属とし、ニトロシル配位子またはチオニトロシル配位子を有する金属錯体を含み、金カルコゲン増感されているハロゲン化銀カラー感光材料。
Figure 2005275352

【選択図】なし

Description

本発明は、ハロゲン化銀カラー感光材料を用いたプルーフ画像(面積階調画像)形成において、安定した色再現が可能なハロゲン化銀カラー感光材料及びこれを用いた面積階調画像形成方法に関するものであり、詳しくは、画像形成の際に、環境条件等により、主に潜像変動による濃度バランスの変動が改良されたハロゲン化銀カラー感光材料と、この能力を最大限に活用可能な面積階調画像形成方法に関するものである。
ハロゲン化銀カラー感光材料は、高感度であること、色再現性に優れていること、連続処理適性を有している等から今日盛んに用いられている。従来より広く使われている一般撮影用ハロゲン化銀カラー感光材料では、例えば、カラーネガフィルムで撮影し、現像処理を介して得られた色画像を、光学系を用いて焼き付ける方式では、予めプリント条件を設定しておけば、カラーネガフィルムの濃度を測定した結果から簡単にプリント条件が決定、調整され、カラープリント感光材料(カラー印画紙)上に、1回の露光でフルカラーの優れた画質のカラープリント画像を連続的に得ることが可能であり、極めて高い生産性を有しているシステムである。また、このカラー印画紙は、最近では、デジタルカメラ等で撮影された画像データにより、レーザー、LED等の露光光源の光量を変調し、カラー画像を形成するデジタル画像形成方法にも使われている。デジタル画像露光においても、通常であれば変調されたB、G、Rの3色の光を混合し、1回の走査によってカラー画像が形成され、従来と同様の高い生産性を示していた。
また、ハロゲン化銀カラー感光材料を用いた記録材料は、特に低濃度においてノイズが少ないことが知られており、非常に滑らかな階調再現が可能である特徴を有していることから、露光装置が十分な階調再現容量を有する場合には、特に、ハイライトの描写性に優れるという特徴を有していた。こうした特徴から、ハロゲン化銀カラー感光材料は、写真の分野のみではなく、印刷の分野でも、印刷の途中の段階で仕上がりの印刷物の状態をチェックするためのいわゆるカラープルーフの分野で広く用いられるようになってきている。
プルーフの分野では、コンピュータ上で編集された色画像を印刷用フィルムに出力し、現像処理済みのフィルムを適宜交換しつつ分解露光することによって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色画像を形成させ、最終印刷物の画像をカラー印画紙上に形成させることにより、最終印刷物のレイアウトや色の適否を判断することが行われていた。
最近では、コンピュータ上で編集された画像を直接印刷版に出力する方式が徐々に普及してきており、このような場合には、コンピュータ上のデータからフィルムを介することなく直接カラー画像を得ることが望まれていた。
このような目的には、昇華型・溶融熱転写方式、電子写真方式、インクジェット方式等種々の方式の応用が試みられてきたが、高画質な画像が得られる方式では費用がかかり、生産性が劣るという欠点を有しており、また、費用が少なく、生産性に優れた方式では画質が劣るという欠点があった。
ハロゲン化銀カラー感光材料を用いたシステムでは、優れた鮮鋭性等から、正確な網点画像が形成できるなど高画質な画像形成が可能であり、一方、上述したように連続した現像処理が可能であることや、複数の色画像形成ユニットに対し同時に画像を書き込むことができる等の観点から、高い生産性を実現することが可能であった。
近年、印刷の分野で、いわゆるデジタル化が進み、コンピュータ内のデータから直接画像を得る要求が強まっているが、前記したような理由により、ハロゲン化銀感光材料がこの分野で有利に使われ始めている。
ハロゲン化銀カラー感光材料をプルーフ画像形成に用いる場合、大きな欠点の1つは、その色材の分光吸収特性が印刷インクと異なっている点と、画像が屈折率の高いゼラチン中に形成されることにより、ハイライト部が暗く再現されがちな点である。本発明に係る3種類のカプラーはカラープルーフとしての色再現に優れるという大きな長所を有しているが、反面、露光時の環境条件、現像処理時の諸条件等による変動で、カラーバランスをくずしやすいという欠点を有していた。
ハロゲン化銀カラー感光材料は、露光した後現像処理までの時間に応じて、特性、特に感度や階調性が変動してしまう現象があり、これは潜像変動として知られている。
本発明者らの研究によれば、前記の各変動要因の中でも、とりわけ問題となるのは上述の潜像変動であり、特に潜像変動の挙動が露光時の環境条件により変動することが判明した。この潜像変動を回避するには、露光後3分程度の時間をおいて現像を開始することが有効である。これは、潜像変動が比較的短時間に起こり、その後緩やかに変化する挙動を示すことが多いことによる。潜像変動は、露光後放置される環境によっても変動し、一般的には温度が高いほど変動は大きく、また潜像変動速度も早くなる傾向がある。しかし、潜像変動に起因した濃度変動は、用いる現像処理液の特性によっても大きな影響を受ける。一般の写真分野で用いられている特性曲線の脚部に見られる潜像退行の場合、現像処理液の活性が高いと、潜像退行前の特性として脚部が軟調化するため、見かけ上潜像退行が大きくなったように認識されることがある。特定のメルカプト化合物を用いることにより、特性曲線脚部の退行現像をある程度抑制するため、見かけ上は潜像退行が小さくなったように見えることがある。
本発明者らの研究によれば、こうした挙動はハロゲン化銀乳剤層で用いるカプラーの種類によっても影響を受けることが判明した。その原因は未だ解明されていないが、前記のような退行現象が、現像液中で起こる潜像漂白にも影響しているためと推測される。これは、カプラーの反応活性により現像処理液中の発色現像主薬酸化体の濃度が変化し、この変化が潜像漂白としての影響に差を生じているものと思われる。従来、本発明に係る各カプラーの組み合わせでは、潜像変動に与えるカプラーの影響がカプラー種により異なり、その結果、各ハロゲン化銀乳剤層間の特性を合わせることが非常に困難であった。
上記課題に対し、特定のイエローカプラーを面積変調カラープルーフに適用する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1の段落番号〔0121〕〜同〔0141〕には、特定の構造を有するマゼンタカプラーが開示されており、この開示されているマゼンタカプラーには、本発明に係る一般式(II)の化合物を包含しているが、同時に用いるシアンカプラーに関しては段落番号〔0170〕に一般的なシアンカプラーが記載されるだけで、本発明に係る一般式(III)で表されるシアンカプラーについては、具体的な記載は一切ない。
また、特定のイエローカプラーとアニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を含有するハロゲン化銀カラー写真感光材料により、発色性、色再現に優れ、かつ画像保存性が改良されることが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2の段落番号〔0262〕には本発明に係る一般式(II)で表される化合物が開示されている。また、特許文献2の段落番号〔0208〕〜同〔0212〕に使用可能なシアンカプラーとして、本発明に係る一般式(III)で表される化合物が記載されている。しかしながら、本発明に係るカプラーの組み合わせにおける潜像変動という重大な課題に関しては一切の記載はなく、もちろんその解決方法に関する示唆もしていない。
一方、ハロゲン化銀乳剤の潜像安定性に影響を与える数多くの要因が知られているが、その中でもイリジウム化合物の影響が大きいことが知られている。
特開平6−235994号の特許請求の範囲には、第VIII族金属錯体をdoping剤として含有し、第V〜X族金属錯体を表面改質剤として含有するハロゲン化銀乳剤により、高感度で硬調な特性が得られることが開示されている。また、特開平7−128829号の特許請求の範囲には、塩化銀含有率が95%以上で粒子表面近傍に第V〜X族の金属元素を中心金属とし、6個の単座配位子のうち4回回転軸上の配位子の少なくとも一つが他と異なった配位子である錯体を含有するハロゲン化銀乳剤を含有するハロゲン化銀感光材料を低補充処理液条件で処理する方法が開示しており、低補充条件下でも硬調で高い最高濃度を有する画像を形成できる方法を開示している。
また、ハロゲン化銀粒子中に異なる電子徐放時間をもつ遷移金属錯体を3種以上含有し、該3種の遷移金属錯体が100秒以上、1/10〜100秒、1/1000〜1/10秒、1/1000秒以下のいずれかであるハロゲン化銀乳剤により、高感度、硬調で高照度不軌に優れる特性が得られる方法が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかし、これらの公報にはカプラー種類の相違に基づく潜像変動挙動の調整に対し、イリジウム以外の周期律表第5族〜10族の金属原子を中心金属とし、ニトロシルまたはチオニトロシル配位子を有する金属錯体を含有させることが有用な手段であることは開示されておらず、示唆もされていなかった。
前記特許文献2には、段落番号〔0188〕にイリジウム錯体及びその他の錯体についての記載があり、ルテニウム、オスミウムを中心金属原子としてニトロシル、チオニトロシル錯体の記載がある、また、同段落番号〔0236〕には、ハロゲン化銀乳剤の調製方法が記載されており、シアノ配位子を有する錯体、アコ化イリジウム、ハロゲン化イリジウム錯体を用いることが記載されているが、本発明のカプラーの組み合わせにおける潜像変動という特性については記載していないし、示唆もしていない。
一方、チオスルホン酸、スルフィン酸、ジスルフィド、無機イオウの少なくとも1種の存在下で金増感が施された塩化銀含有率が90モル%以上のハロゲン化銀乳剤を有してなるハロゲン化銀感光材料を、露光系デバイスに依存する露光用デジタルデータに変換された面積変調用デジタル画像データに基づいて露光される画像形成方法に用いることにより、潜像安定性に起因した面内濃度変動を改良した方法が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。この開示されている方法では、本発明に係る一般式(IV)または一般式(V)で表される化合物または無機イオウを包含するものであるが、カプラーの影響及び特定の金属錯体によりそれ差を調整する方法に関しては何ら開示されていないし、示唆もされていない。
また、特定の温度依存性を有するハロゲン化銀感光材料を、露光ドラムに固定した後デジタルデータに基づいて走査露光することにより像様露光する機能、及び露光ドラムに固定された該ハロゲン化銀感光材料の表面温度を直接、または露光装置内の温度や露光ドラム表面温度から間接的に検知し、該表面温度情報に基づき露光量を制御する機能を有する露光装置を用いて露光を施した後、現像処理を行う面積階調画像の形成方法が開示されている(例えば、特許文献5参照。)。この方法によって温湿度変化による濃度変動が感光材料の保存条件に影響されない、均一で安定した面積階調画像が得られることを開示しているが、それに用いるハロゲン化銀感光材料の潜像法存性改良手段に関しては一切の言及がなされていない。
特開2003−307822号公報 特開2003−307821号公報 特開2002−214733号公報 特開2003−43604号公報 特開2002−221774号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、ハロゲン化銀カラー感光材料を用いたカラープルーフ画像形成において、画像形成の際の環境条件による潜像変動(濃度バランス変動)を改良することにより、安定で優れた色再現性を有するカラープルーフを得ることのできるハロゲン化銀カラー感光材料及びこれを用いた面積階調画像形成方法を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
支持体上に、それぞれ少なくとも1層のイエローカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層、マゼンタカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層及びシアンカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層を有し、該ハロゲン化銀乳剤層の全てが塩化銀含有率が95モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含むハロゲン化銀カラー感光材料において、
該イエローカプラーが下記一般式(1)で表される化合物であり、該マゼンタカプラーが下記一般式(II)で表される化合物であり、該シアンカプラーが下記一般式(III)で表される化合物であり、
該ハロゲン化銀乳剤の少なくとも1種が、イリジウム錯体とイリジウム以外の周期律表第5族〜10族の金属原子を中心金属とし、ニトロシル配位子またはチオニトロシル配位子を有する金属錯体を含有し、下記一般式(IV)で表される化合物、下記一般式(V)で表される化合物及び無機イオウから選ばれる少なくとも1種を含有し、かつ金カルコゲン増感が施されていることを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
Figure 2005275352
〔式中、Rはアルキル基、アリール基または水素原子を表し、R1、R2、R3はそれぞれ水素原子または置換基を表す。また、R、R1、R2、R3のいずれか二つが互いに結合して環を形成してもよい。R4、R5はそれぞれ置換基を表し、m1は0〜4の整数を表す。L1は現像主薬酸化体とのカップリング反応において脱離可能な基を表す。〕
Figure 2005275352
〔式中、R11、R12は各々置換基を表し、Y1は水素原子または発色現像主薬酸化体とカップリングする時に脱離しうる基を表す。〕
Figure 2005275352
〔式中、R1は水素原子または置換基を表し、R2は置換基を表す。mは置換基R2の数を示す。mが0の時、R1はハメットの置換基定数σpが0.20以上の電子吸引性基を表し、mが1または2以上の時、R1及びR2の少なくとも一つはハメットの置換基定数σpが0.20以上の電子吸引性基を表す。Z1はベンゼン環等が縮合していてもよい含窒素複素5員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。X1は、各々水素原子または発色現像主薬の酸化体とカップリング反応により離脱する基を表す。〕
一般式(IV)
11−(S)m−R12
〔式中、R11及びR12は、各々脂肪族基、芳香族基またはヘテロ環基を表す。また、R11またはR12はSと結合して環を形成することができる原子群を表す。mは2〜6の整数を表す。〕
一般式(V)
21−SO2S−M21
〔式中、R21は脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。M21は水素原子または一価の陽イオンを表す。〕
(請求項2)
支持体上に、それぞれ少なくとも1層のイエローカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層、マゼンタカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層及びシアンカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層を有し、該ハロゲン化銀乳剤層の全てが塩化銀含有率が95モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含むハロゲン化銀カラー感光材料において、
該イエローカプラーが下記一般式(2)で表される化合物であり、該マゼンタカプラーが前記一般式(II)で表される化合物であり、該シアンカプラーが前記一般式(III)で表される化合物であり、
該ハロゲン化銀乳剤の少なくとも1種が、イリジウム錯体とイリジウム以外の周期律表第5族〜10族の金属原子を中心金属とし、ニトロシル配位子またはチオニトロシル配位子を有する金属錯体を含有し、前記一般式(IV)で表される化合物、前記一般式(V)で表される化合物及び無機イオウから選ばれる少なくとも1種を含有し、かつ金カルコゲン増感が施されていることを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
Figure 2005275352
〔式中、R7は置換基を表し、R8はアルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表す。R9、R10はそれぞれ置換基を表す。n2は0〜5の整数を表し、m2は0〜4の整数を表す。L2は現像主薬酸化体とのカップリング反応において脱離可能な基を表す。〕
(請求項3)
支持体上に、それぞれ少なくとも1層のイエローカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層、マゼンタカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層及びシアンカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層を有し、該ハロゲン化銀乳剤層の全てが塩化銀含有率が95モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含むハロゲン化銀カラー感光材料において、
該イエローカプラーが下記一般式(3a)または(3b)で表される化合物であり、該マゼンタカプラーが前記一般式(II)で表される化合物であり、該シアンカプラーが前記一般式(III)で表される化合物であり、
該ハロゲン化銀乳剤の少なくとも1種が、イリジウム錯体とイリジウム以外の周期律表第5族〜10族の金属原子を中心金属とし、ニトロシル配位子またはチオニトロシル配位子を有する金属錯体を含有し、前記一般式(IV)で表される化合物、前記一般式(V)で表される化合物及び無機イオウから選ばれる少なくとも1種を含有し、かつ金カルコゲン増感が施されていることを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
Figure 2005275352
〔一般式(3a)中、R11はアルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、L3は水素原子または環内に窒素原子を2つ以上持つ芳香族複素環基を表す。
一般式(3b)中、R12はアルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、R13はアルキル基、アルコキシ基または水素原子を表す。L4は現像主薬酸化体とのカップリング反応において脱離可能な基を表す。〕
(請求項4)
請求項1〜3のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料に露光を施した後、現像処理により面積階調画像を形成する面積階調画像形成方法において、発色現像液が、発色現像主薬として芳香族1級アミン化合物と、ヒドロキシルアミン誘導体とを含有し、亜硫酸塩を実質的に含有せず、かつ該現像処理で用いる処理液の少なくとも1液が、下記一般式(VI)または一般式(VII)で表される化合物を含有することを特徴とする面積階調画像形成方法。
Figure 2005275352
〔式中、R11、R12はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R13、R14はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、またはアリール基を表し、R15、R16はそれぞれ独立に下記一般式(VI−A)で表される基を表し、Rwは水素原子、下記一般式(VI−A)で表される基、または−CH2CH2SO3Mを表し、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基またはピリジニウム基を表す。R13とR15、R14とR16は互いに結合して環を形成してもよい。〕
Figure 2005275352
〔式中、Aは水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基または1−ヒドロキシプロピル基を表し、Aは同一でも異なっていてもよい。f、h及びjはそれぞれ1または2を表し、g、i及びkはそれぞれ0または1を表す。〕
Figure 2005275352
〔式中、R21〜R24はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R21〜R24のうち少なくとも一つは、前記一般式(VI−A)で表される基を表す。R21とR22、R23とR24はそれぞれ互いに結合して環を形成しても良い。Lは2価の連結基を表し、nは1以上の整数を表す。〕
(請求項5)
請求項1〜3のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料に露光を施した後、現像処理により面積階調画像を形成する面積階調画像形成方法において、該露光に用いる露光機が、該ハロゲン化銀カラー感光材料の温度に応じて露光条件を調整する機能を有することを特徴とする面積階調画像形成方法。
本発明によれば、ハロゲン化銀カラー感光材料を用いたカラープルーフ画像形成において、画像形成の際の環境条件による潜像変動(濃度バランス変動)を改良することにより、安定で優れた色再現性を有するカラープルーフを得ることのできるハロゲン化銀カラー感光材料及びこれを用いた面積階調画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、支持体上に、それぞれ少なくとも1層のイエローカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層、マゼンタカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層及びシアンカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層を有し、該ハロゲン化銀乳剤層の全てが塩化銀含有率が95モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含むハロゲン化銀カラー感光材料において、イエローカプラーとして前記一般式(1)、(2)、(3a)、(3b)で表される特定の構造を有する化合物を用い、マゼンタカプラーとして前記一般式(II)で表される特定の構造を有する化合物を用い、またシアンカプラーとして前記一般式(III)で表される特定の構造を有する化合物用い、更にハロゲン化銀乳剤層で用いるハロゲン化銀乳剤の少なくとも1種が、イリジウム錯体とイリジウム以外の周期律表第5族〜10族の金属原子を中心金属とし、ニトロシル配位子またはチオニトロシル配位子を有する金属錯体を含有し、かつ前記一般式(IV)で表される化合物、前記一般式(V)で表される化合物及び無機イオウから選ばれる少なくとも1種を含有し、かつ金カルコゲン増感が施されている構成をとるハロゲン化銀カラー感光材料により、画像形成の際の環境条件による潜像変動(濃度バランス変動)を改良でき、安定で優れた色再現性を有する面積階調画像が得られることを見出し、本発明に至った次第である。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料(以下、単に感光材料ともいう)では、支持体上に、少なくとも1層の塩化銀含有率が95モル%以上のハロゲン化銀乳剤とイエローカプラーを含むイエロー画像形成機能を有するハロゲン化銀乳剤層(以下、イエロー画像形成層ともいう)と、塩化銀含有率が95モル%以上のハロゲン化銀乳剤とマゼンタカプラーを含むマゼンタ画像形成機能を有するハロゲン化銀乳剤層(以下、マゼンタ画像形成層ともいう)と、塩化銀含有率が95モル%以上のハロゲン化銀乳剤とシアンカプラーを含むシアン画像形成機能を有するハロゲン化銀乳剤層(以下、シアン画像形成層ともいう)とから構成されているおり、それぞれのハロゲン化銀乳剤層において、本発明に係る特定の構造からなるカプラーを組み合わせて用いることにより、例えば、露光時の温湿度環境や現像処理時の現像の活性度等の変化に対し、各ハロゲン化銀乳剤層の変動挙動を一定の条件内に合わせることが可能となり、各ハロゲン化銀乳剤層間でのカラーバランスの崩れを極めて効率的に防止することができる。
一方、高濃度に塩化銀を含有するハロゲン化銀乳剤の化学増感において、高感度化とともに、高照度短時間露光での軟調化を防止する目的で、金化合物を用いた金増感が用いられるが、この方法では特性曲線脚部の潜像変動を大きくする欠点があった。本発明においては、本発明に係る一般式(IV)、一般式(V)で表される化合物または無機イオウを用いることにより、上記潜像変動を防止することができる。こう様な効果が得られる理由は、現時点では未だ明確にはなっていないが、高濃度に塩化銀を含有するハロゲン化銀乳剤は、その調製段階などで還元作用を受けやすく、その結果、カブリが生じやすいことが知られている。一般に、高濃度に塩化銀を含有するハロゲン化銀乳剤に還元増感を施すと著しい増感効果が得られ、極僅かに還元増感処理した場合でも金増感法との組み合わせで著しい増感効果が得られる。しかしながら、この方法では、露光時の環境条件等の影響を受けやすく安定してその効果を得ることが難しかった。本発明に係る一般式(IV)、一般式(V)で表される化合物及び無機イオウは、ハロゲン化銀乳剤表面に生成する銀核を酸化する作用が知られており、こうした作用によって潜像変動を小さくしているのではないかと推察される。
以下、本発明の詳細について説明する。
はじめに、イエローカプラーを含むイエロー画像形成機能を有するハロゲン化銀乳剤層に用いる前記一般式(1)、(2)、(3a)、(3b)で表されるイエローカプラーについて、その詳細を説明する。
前記一般式(1)において、Rで表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、(t)ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、Rで表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等、ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
Rで表されるアルキル基、アリール基は、更に置換基を有することができる。該置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、(t)ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ドデシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、ヘテロ環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スルホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、ヘテロ環オキシ基(例えば、ピリジルオキシ基、ピリジルオキシ基、トリアジニルオキシ基、テトラヒドロピラニルオキシ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、ヘキシルスルホニルアミノ基、シクロヘキシルスルホニルアミノ基、オクチルスルホニルアミノ基、ドデシルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、アシルアミノ基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等が挙げられ、これらの基は、更に上記の置換基によって置換されていてもよい。
1、R2、R3で表される置換基としては、上記のRが有することができる置換基として記載したにものを挙げることができる。また、R、R1、R2、R3のいずれか2つが互いに結合して環を形成してもよく、R1とR2とが互いに結合して環を形成することが好ましく、R1とR2が互いに結合してベンゼン環を形成する場合がより好ましい
4、R5で表される置換基としては、上記のRが有することができる置換基として記載したものを挙げることができ、その中でも、R4として好ましいのはアルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子である。
1は、現像主薬酸化体とのカップリング反応において脱離可能な基としては、例えば、窒素原子で離脱する基、酸素原子で離脱する基、イオウ原子で離脱する基、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)などが挙げられる。窒素原子で離脱する基としては、ヘテロ環基(好ましくは5〜7員の置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、芳香族(本明細書では4n+2個の環状共役電子を有するものを意味する)もしくは非芳香族、単環もしくは縮合環のヘテロ環基であり、より好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有する5もしくは6員のヘテロ環基であり、例えば、スクシンイミド、マレインイミド、フタルイミド、ジグリコールイミド、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、インドール、ベンゾピラゾール、ベンツイミダゾール、ベンゾトリアゾール、イミダゾリン−2,4−ジオン、オキサゾリジン−2,4−ジオン、チアゾリジン−2−オン、ベンツイミダゾリン−2−オン、ベンゾオキサゾリン−2−オン、ベンゾチアゾリン−2−オン、2−ピロリン−5−オン、2−イミダゾリン−5−オン、インドリン−2,3−ジオン、2,6−ジオキシプリン、パラバン酸、1,2,4−トリアゾリジン−3,5−ジオン、2−ピリドン、4−ピリドン、2−ピリミドン、6−ピリダゾン、2−ピラゾン、2−アミノ−1,3,4−チアゾリジン−4−オン)、カルボナミド基(例えば、アセタミド、トリフルオロアセタミド)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド)、アリールアゾ基(例えば、フェニルアゾ、ナフチルアゾ)、カルバモイルアミノ基(例えば、N−メチルカルバモイルアミノ)などが挙げられる。
窒素原子で離脱する基のうち、好ましいものはヘテロ環基であり、さらに好ましいものは、環構成原子として窒素原子を1、2、3または4個有する芳香族ヘテロ環基、または下記一般式(A)で表されるヘテロ環基である。
Figure 2005275352
上記一般式(A)において、Lは−NC(=O)−と共に5〜6員環の含窒素ヘテロ環を形成する残基を表す。これらの例示は上記ヘテロ環基の説明の中で挙げており、これらが更に好ましい。なかでも、Lは5員環の含窒素ヘテロ環を形成する残基が好ましい。
酸素原子で離脱する基としては、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ等)、ヘテロ環オキシ基(例えば、ピリジルオキシ、ピラゾリルオキシ等)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、ベンゾイルオキシ等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、ドデシルオキシ等)、カルバモイルオキシ基(例えば、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルバモイルオキシ等)、アリールオキシカルボニルオキシ基(例えば、フェノキシカルボニルオキシ等)、アルコキシカルボニルオキシ基(例えば、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ等)、アルキルスルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ等)、アリールスルホニルオキシ基(例えば、ベンゼンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ等)などが挙げられる。酸素原子で離脱する基のうち、好ましいものはアリールオキシ基、アシルオキシ基、ヘテロ環オキシ基である。
イオウ原子で離脱する基としては、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ等)、ヘテロ環チオ基(例えば、テトラゾリルチオ、1,3,4−チアジアゾリルチオ、1,3,4−オキサゾリルチオ、ベンツイミダゾリルチオ等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、ヘキサデシルチオ等)、アルキルスルフィニル基(例えば、メタンスルフィニル等)、アリールスルフィニル基(例えば、ベンゼンスルフィニル等)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル等)、アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル等)などが挙げられる。イオウ原子で離脱する基のうち、好ましいものはアリールチオ基、ヘテロ環チオ基であり、ヘテロ環チオ基がより好ましい。
なお、L1は置換基により置換されていてもよく、このような置換基の例としては前述のRの置換基の例として挙げたものが挙げられる。L1は、好ましくは窒素原子で離脱する基、酸素原子で離脱する基であり、より好ましくは窒素原子で離脱する基であり、更に好ましくは、窒素原子で離脱する基で述べた好ましい基の順に好ましい。L1は更に好ましくは置換基を有してもよいピラゾール−1−イル基、置換基を有してもよいイミダゾール−1−イル基、置換基を有してもよいピロール−1−イル基または前記一般式(A)で表されるヘテロ環基である。より好ましくは置換基を有してもよいピラゾール−1−イル基、置換基を有してもよいイミダゾール−1−イル基、または置換基を有してもよいピロール−1−イル基であり、最も好ましくは置換基を有してもよいイミダゾール−1−イル基、または置換基を有してもよいピロール−1−イル基である。
1は、現像主薬酸化体との反応によって離脱した後、実質的に現像抑制剤となる基でないことが好ましい。このような現像抑制剤となる基としては、ベンゾトリアゾール−1−イルまたは−2−イル基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基等が挙げられる。またL1は、現像主薬酸化体とのカップリング反応によって離脱した後、マゼンタカプラーとなる基でないことが好ましい。L1がマゼンタカプラーとなる基の場合、処理後にマゼンタ色素とイエロー色素が混在し、色純度が落ちるという問題がある。離脱した後、マゼンタカプラーとなる基としては、ピラゾロ[5,1−c][1,2,4]トリアゾール−1−イル基、ピラゾロ[1,5−b][1,2,4]トリアゾール−1−イル基、インダゾロン−1−イル基、ピラゾロ[1,5−a]ベンツイミダゾール−4−イル基等が挙げられ、これらの基に置換基を有するものも含まれる。
次いで、一般式(2)で表されるイエローカプラーについて説明する。
7は置換基を表し、R7で表される置換基としては、前記一般式(1)におけるRが有することができる置換基と同様のものを挙げることができる。
8で表されるアルキル基としては、前記一般式(1)におけるRで表されるアルキル基と同様のものを挙げることができる。R9で表される置換基は、前記一般式(1)におけるR4で表される置換基と同義である。R10で表される置換基は、前記一般式(1)におけるR5で表される置換基と同義である。L2は、前記一般式1におけるL1と同義である。
次いで、一般式(3a)で表されるイエローカプラーについて説明する。
11で表されるアルコキシ基、アリールオキシ基としては、前記一般式(1)におけるRが有することができるアルコキシ基、アリールオキシ基と同様のものを挙げることができる。
3は、水素原子または環内に窒素原子を2つ以上持つ芳香族複素環基を表し、L3で表される芳香族複素環基としては、例えば、ピラゾール、イミダソール、トリアゾール、ベンズイミダゾール、インダゾール、ベンズトリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール等の各基が挙げられ、これらの含窒素複素環はさらに電子吸引性基を有することが好ましい。好ましい電子吸引性基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボニル基、スルホニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基等が挙げられる。
次いで、一般式(3b)で表されるイエローカプラーについて説明する。
12で表されるアルコキシ基、アリールオキシ基は、上記一般式(3a)におけるR11と同義である。R13で表されるアルキル基は、一般式(1)におけるRで表されるアルキル基と同様のものを挙げることができる。R13で表されるアルコキシ基は、R12で表されるアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。L4は、前記一般式(1)におけるL1と同義である。
以下に、一般式(1)、(2)、(3a)及び(3b)で表されるイエローカプラーの具体的化合物を列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure 2005275352
Figure 2005275352
Figure 2005275352
Figure 2005275352
Figure 2005275352
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Figure 2005275352
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本発明に係る一般式(1)、(2)、(3a)及び(3b)で表されるイエローカプラーは、当業者公知の方法に従って合成して得ることができる。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料において、形成されるイエロー画像の分光吸収のλmaxは425nm以上であることが好ましく、λL0.2は515nm以下であることが好ましい。
本発明でいうイエロー画像の分光吸収のλL0.2とは、特開平6−95283号公報の21ページ右欄1行〜24行に記載の内容で定義される値であり、イエロー色素画像の分光吸収特性で長波側の不要吸収の大きさを表す。
本発明において、本発明に係る一般式(1)、(2)、(3a)及び(3b)で表される化合物を含むイエローカプラーは、通常、イエロー画像形成層において、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-3〜1モル、好ましくは1×10-2〜8×10-1モルの範囲で用いることができる。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には、本発明の効果を損なわない範囲において、本発明に係る前記一般式(1)、(2)、(3a)及び(3b)で表される化合物の他に、公知のイエローカプラーを適宜選択して用いてもよいが、前記一般式(1)、(2)、(3a)及び(3b)で表される化合物が、総イエローカプラー量の50モル%以上がであることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
次いで、マゼンタ画像形成機能を有するハロゲン化銀乳剤層に用いる前記一般式(II)で表されるマゼンタカプラーについて、その詳細を説明する。
前記一般式(II)において、R11で表される置換基としては、特に制限はないが、アルキル基(例えば、メチル基、イソプロピル基、(t)ブチル基、シクロヘキシル基、ドデシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、ヘテロ環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、セレナゾリル基、スルホラニル基、ピペリジニル基、テトラゾリル基等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、フッ素原子等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、ヘテロ環オキシ基(例えば、ピリジルオキシ基、テトラヒドロピラニルオキシ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、エチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、シクロヘキシルスルホニルアミノ基、ドデシルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基等)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、アシルアミノ基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基(例えば、エチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基、フェニルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、2−ピリジルアミノ基等)、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等が挙げられ、これらの基は、更に上記の置換基によって置換されていてもよい。
11で表される置換基として好ましくは、アルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基などが挙げられ、特に好ましくはアルキル基である。アルキル基として好ましくは、メチル基、エチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、t−オクチル基、ドデシル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基などが挙げられる。R11として特に好ましくは、メチル基、エチル基、ペンチル基などが挙げられる。これらの置換基は更に置換基を有していても良い。
前記一般式(II)において、R12で表される置換基としては、前記R11と同様のものを挙げることができる。R12で表される置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基であり、特に好ましくはアルキル基である。好ましいアルキル基は置換基を有することが好ましく、該置換基としては、R11で表される基と同様の基を挙げることができる。
前記一般式(II)において、R12で表される置換基としては、本発明に係る一般式(II)で表される化合物を感光材料に添加して現像処理した際に、処理液中へ流出することがないような耐拡散性を有することが必要であり、R11で表される置換基及びR12で表される置換基を含めた置換基から選択することができる。
前記一般式(II)で表される化合物において、Y1で表される基は、水素原子または発色現像主薬の酸化体とカップリングする時に脱離しうる基を表す。発色現像主薬の酸化体とカップリングする時に脱離しうる基としては、特に制限はないが、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カルボニルオキシ基、シアノ基等が挙げられる。Y1で表される基として、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アリールオキシ基が挙げられ、より好ましくはハロゲン原子である。ハロゲン原子として好ましくは、塩素原子、フッ素原子などが挙げられる。
以下、一般式(II)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2005275352
Figure 2005275352
Figure 2005275352
Figure 2005275352
本発明の感光材料においては、本発明に係る一般式(II)で表されるマゼンタカプラーと共に、本発明の目的効果を損なわない範囲で、公知のマゼンタカプラーを併用することもできるが、好ましくは総マゼンタカプラーに対する本発明に係る一般式(II)で表されるマゼンタカプラーの比率が50モル%以上であることが好ましく、通常、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-3〜1モル、好ましくは1×10-2〜8×10-1モルの範囲で用いることができる。
本発明の感光材料において、形成されるマゼンタ画像の分光吸収のλmaxは530〜560nmであることが好ましく、またλL0.2は、580〜635nmであることが好ましい。
本発明の感光材料のマゼンタ画像形成層には、マゼンタカプラーに加えてイエローカプラーを含有することが好ましい。これらのカプラーのpKaの差は2以内であることが好ましく、更に好ましくは1.5以内である。本発明に係るマゼンタ画像形成性層に含有させる好ましいイエローカプラーは、本発明に係る前記一般式(1)、(2)、(3a)及び(3b)で表されるイエローカプラーの他に、特開平6−95283号の12ページ右欄に記載の一般記載一般式[Y−Ia]で表されるカプラーである。同公報の一般式[Y−1]で表されるカプラーのうち、特に好ましいものは、一般式[M−1]で表されるマゼンタカプラーと組み合わせる場合、一般式[M−1]で表されるカプラーのpKa値より、3以上低くないpKa値を有するカプラーである。
イエローカプラーとして具体的な化合物例は、特開平6−95283号の12〜13ページ記載の化合物Y−1及びY−2の他、特開平2−139542号の13〜17ページに記載の化合物(Y−1)〜(Y−58)を好ましく使用することができるがもちろんこれらに限定されることはない。
次いで、シアン画像形成機能を有するハロゲン化銀乳剤層に用いる前記一般式(III)で表されるシアンカプラーについて、その詳細を説明する。
前記一般式(III)において、R1で表されるHammettによって定義された置換基定数σpが0.20以上の置換基は、具体的には、スルホニル、スルフィニル、スルホニルオキシ、スルファモイル、ホスホリル、カルバモイル、アシル、アシルオキシ、オキシカルボニル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン置換アルコキシ、ハロゲン置換アリールオキシ、ピロリル、テトラゾリル等の各基及びハロゲン原子等が挙げられる。
スルホニル基としては、例えば、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ハロゲン置換アルキルスルホニル、ハロゲン置換アリールスルホニル等;スルフィニル基としては、例えば、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル等;スルホニルオキシ基としては、例えば、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ等;スルファモイル基としては、例えば、N,N−ジアルキルスルファモイル、N,N−ジアリールスルファモイル、N−アルキル−N−アリールスルファモイル等;ホスホリル基としては、例えば、アルコキシホスホリル、アリールオキシホスホリル、アルキルホスホリル、アリールホスホリル等;カルバモイル基としては、例えば、N,N−ジアルキルカルバモイル、N,N−ジアリールカルバモイル、N−アルキル−N−アリールカルバモイル等;アシル基としては、例えば、アルキルカルボニル、アリールカルボニル等;アシルオキシ基としては、例えば、アルキルカルボニルオキシ等;オキシカルボニル基としては、例えば、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル等;ハロゲン置換アルコキシ基としては、例えば、α−ハロゲン置換アルコキシ等;ハロゲン置換アリールオキシ基としては、例えば、テトラフルオロアリールオキシ、ペンタフルオロアリールオキシ等;ピロリル基としては、例えば、1−ピロリル等;テトラゾリル基としては、例えば、1−テトラゾリル等の各基が挙げられる。
上記置換基の他に、トリフルオロメチル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ノニルフルオロ−t−ブチル基や、テトラフルオロアリール基、ペンタフルオロアリール基なども好ましく用いられる。
一般式(III)において、R1またはR2が表す置換基のうち、電子吸引性基以外の置換基としては、種々のものが挙げられ、特に制限はないが、代表的なものとして、アルキル、アリール、アニリノ、アシルアミノ、スルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキニル、複素環、アルコキシ、アリールオキシ、複素環オキシ、シロキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミド、ウレイド、スルファモイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、複素環チオ、チオウレイド、ヒドロキシル及びメルカプトの各基、並びにスピロ化合物残基、有橋炭化水素化合物残基等が挙げられる。
上記アルキル基としては炭素数1〜32のものが好ましく、直鎖でも分岐でもよい。アリール基としては、フェニル基が好ましい。アシルアミノ基としては、例えば、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基;スルホンアミド基としては、例えば、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基;アルキルチオ基、アリールチオ基におけるアルキル成分、アリール成分としては、例えば、上記のアルキル基、アリール基が挙げられる。
アルケニル基としては炭素数2〜32のもの、シクロアルキル基としては炭素数3〜12、特に5〜7のものが好ましく、アルケニル基は直鎖でも分岐でもよい。シクロアルケニル基としては炭素数3〜12、特に5〜7のものが好ましい。
ウレイド基としては、アルキルウレイド基、アリールウレイド基等;スルファモイルアミノ基としては、アルキルスルファモイルアミノ基、アリールスルファモイルアミノ基等;複素環基としては、5〜7員のものが好ましく、具体的には、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等;複素環オキシ基としては5〜7員の複素環を有するものが好ましく、例えば、3,4,5,6−テトラヒドロピラニル−2−オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基等;複素環チオ基としては5〜7員の複素環チオ基が好ましく、例えば、2−ピリジルチオ基、2−ベンゾチアゾリルチオ基、2,4−ジフェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ基等;シロキシ基としては、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基、ジメチルブチルシロキシ基等;イミド基としては、琥珀酸イミド基、3−ヘプタデシル琥珀酸イミド基、フタルイミド基、グルタルイミド基等;スピロ化合物残基としては、スピロ[3.3]ヘプタン−1−イル等;有橋炭化水素化合物残基としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル、トリシクロ[3.3.1.13.7]デカン−1−イル、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル等が挙げられる。
これらの基は、更に長鎖炭化水素基やポリマー残基等の耐拡散性基などの置換基を含んでいてもよい。
一般式(III)において、X1の表す発色現像主薬の酸化体との反応により離脱しうる基としては、例えば、ハロゲン原子(塩酸、臭素、弗素等)、アルコキシ、アリールオキシ、複素環オキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニル、アルキルオキザリルオキシ、アルコキシオキザリルオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、複素環チオ、アルコキシチオカルボニルチオ、アシルアミノ、スルホンアミド、N原子で結合した含窒素複素環、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、カルボキシル等の各基が挙げられるが、これらのうち好ましいものは、水素原子及びアルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、N原子で結合した含窒素複素環基である。
一般式(III)において、Z1により形成される含窒素5員複素環としては、ピラゾール環、イミダゾール環、ベンズイミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環等が挙げられる。
以下、一般式(III)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2005275352
Figure 2005275352
本発明の感光材料においては、シアンカプラーは通常ハロゲン化銀乳剤層において、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-3〜1モル、好ましくは1×10-2〜8×10-1モルの範囲で用いることができる。
本発明の感光材料には、本発明の効果を損なわない範囲において、前記一般式(III)で表される化合物以外に、公知のシアンカプラーを用いてもよいが、前記一般式(III)で表される化合物が、総シアンカプラー量の50モル%以上がであることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
前記マゼンタ、シアン、イエローの各カプラーには、形成された色素画像の光、熱、湿度等による褪色を防止するため褪色防止剤を併用することができる。好ましい化合物としては、特開平2−66541号3ページ記載の一般式IおよびIIで示されるフェニルエーテル系化合物、特開平3−174150号記載の一般式IIIBで示されるフェノール系化合物、特開昭64−90445号記載の一般式Aで示されるアミン系化合物、特開昭62−182741号記載の一般式XII、XIII、XIV、XVで示される金属錯体が、特に、マゼンタカプラー用として好ましい。また、特開平1−196049号記載の一般式I′で示される化合物及び特開平5−11417号記載の一般式IIで示される化合物が、特にイエロー、シアン色素用として好ましい。
本発明の感光材料に、上記説明した本発明に係る各カプラーを添加する方法として、水中油滴型乳化分散法を用いる場合には、通常、沸点150℃以上の水不溶性高沸点有機溶媒に、必要に応じて低沸点有機溶媒及び/または水溶性有機溶媒を併用して溶解し、ゼラチン水溶液などの親水性バインダー中に界面活性剤を用いて乳化分散する。分散手段としては、撹拌機、ホモジナイザー、コロイドミル、フロージェットミキサー、超音波分散機等を用いることができる。分散後、または、分散と同時に低沸点有機溶媒を除去する工程を入れてもよい。
本発明に係る各カプラーの分散に好ましく用いられる高沸点有機溶媒の例として、下記一般式(VIII−A)〜一般式(XIII)で表される化合物を挙げることができる。
一般式(VIII−A)
RaOOC(CH2mCOORb
上記一般式(VIII−A)において、Ra及びRbは、各々炭素数4〜10の直鎖または分岐のアルキル基を表す。mは、2〜10の整数を表す。
一般式(VIII−B)
RcOOC(Cn2n-2)COORd
上記一般式(VIII−B)において、Rc及びRdは、各々炭素数4〜10の直鎖または分岐のアルキル基を表す。nは、2〜10の整数を表す。
一般式(VIII−C)
ReCOO(CH2pOOCRf
上記一般式(VIII−C)において、Re及びRfは各々、炭素数3〜24の直鎖または分岐のアルキル基を表す。pは2〜10の整数を表す。
一般式(VIII−D)
X−〔(CH2qOOCRj〕r
上記一般式(VIII−D)において、Xは5〜7員環の飽和炭化水素を表し、Rjは炭素数4〜16の直鎖または分岐のアルキル基を表す。qは0〜2の整数を表し、rは1〜3の整数を表す。
Figure 2005275352
上記一般式(IX)において、Rkは脂肪族基または芳香族基を表し、Rmは水素原子または脂肪族基を表す。Rk、Rmの各基は置換基によって置換されていてもよいが、Rmの脂肪族基は水酸基で置換されることはない。
一般式(X−A)
1OOC−R2−COO(−R3−OOC−R2−COO)s4
上記一般式(X−A)において、R1及びR4は各々、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基を表し、R2及びR3は各々、アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基またはこれらの組合せからなる2価の基を表す。sは1〜20の整数を表す。
一般式(X−B)
5O−R6−(OOC−R7−COO−R6−)tOR8
上記一般式(X−B)において、R6及びR7は各々、アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基またはこれらの組合せからなる2価の基を表し、R5及びR8は各々、アシル基またはホスホニル基を表す。tは1〜20の整数を表す。
一般式(XI)
C(Rg)(Rh)(Ri)OH
上記一般式(XI)において、Rgはアルキル基またはアルケニル基を表し、Rh及びRiは各々、水素原子またはRgで表される基を表す。ただし、Rg、Rh、Riで各々表される基の総炭素数は少なくとも10以上である。
一般式(XII)
11−NHSO2−R12
上記一般式(XII)において、R11及びR12は各々置換基を表す。R11として好ましくは、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基であり、特に好ましくはアリール基である。R11として好ましいアリール基は、更に置換基を有していてもよい。R11として好ましいアリール基としては、例えば、4−アルキル置換フェニル基、4−アミノ置換フェニル基、2−ハロゲン置換フェニル基、2−アルコキシ置換フェニル基等である。R12として好ましくは、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基であり、特に好ましくはアリール基である。R12として好ましいアリール基は、更に置換基を有していてもよい。R12として好ましいアリール基としては例えば、4−アルキル置換フェニル基、4−アルコキシ置換フェニル基等である。
Figure 2005275352
上記一般式(XIII)において、R21、R22及びR23は各々脂肪族基または芳香族基を表し、p、q及びrは各々0または1を表す。
上記一般式(VIII−A)〜(VIII−D)、一般式(XI)で表される化合物の具体例としては、特開2000−284431号公報の段落番号〔0034〕に記載された化合物を挙げることができる。また、上記一般式(X−A)、(X−B)で表される化合物の具体例としては、同公報の段落番号〔0058〕、同〔0059〕に記載された化合物を挙げることができる。一般式(IX)で表される化合物の具体例としては、特開平9−114061号公報の段落番号〔0025〕〜同〔0027〕に記載された化合物を挙げることができる。
一般式(XII)で表される化合物の具体例としては、特開2003−322938号公報の段落番号〔0173〕〜同〔0187〕に記載された化合物を挙げることができる。また、一般式(XIII)で表される化合物の具体例としては、同公報の段落番号〔0154〕〜同〔0163〕に記載された化合物を挙げることができる。
なお、上記記載の各高沸点有機溶媒は、単独で用いても併用してもよい。
次いで、本発明のハロゲン化銀カラー感光材料に用いるハロゲン化銀乳剤について、説明する。
本発明の感光材料における特徴の1つは、ハロゲン化銀乳剤層に上記説明した各カプラーと共に、塩化銀含有率が95モル%以上のハロゲン化銀乳剤を用いることにある。この要件を満たす限りにおいて、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、塩沃化銀等任意のハロゲン組成を有するものが用いられるが、中でも、塩化銀を95モル%以上含有する塩臭化銀、中でも臭化銀を高濃度に含有する部分を有するハロゲン化銀乳剤が好ましく用いられ、また、表面近傍に沃化銀を0.05〜0.5モル%含有する塩沃化銀も好ましく用いられる。臭化銀を高濃度に含有する部分を有するハロゲン化銀乳剤の、高濃度に臭化銀を含有する部分は、いわゆるコア・シェル乳剤であってもよいし、完全な層を形成せず単に部分的に組成の異なる領域が存在するだけのいわゆるエピタキシー接合した領域を形成していてもよい。臭化銀が高濃度に存在する部分は、ハロゲン化銀粒子の表面の結晶粒子の頂点に形成される事が特に好ましい。また、組成は連続的に変化してもよいし不連続に変化してもよい。
本発明の感光材料においては、本発明に係るハロゲン化銀乳剤にイリジウム錯体を含有することにある。これによっていわゆる相反則不軌が改良され、高照度露光での減感が防止されたり、低露光側での軟調化が防止される。
本発明に用いられるイリジウム化合物としては、下記一般式(XIV)、一般式(XV)、一般式(XVI)で表される化合物を好ましく用いることができる。
一般式(XIV)
[IrXn6-nm
ここで、X、Yは各々互いに異なるハロゲン化物イオンを表し、mは−2または−3を表す。nは0〜5の整数を表す。
代表的な化合物としては、
XIV−1:K3[IrCl6
XIV−2:K2[IrCl6
XIV−3:K3[IrBr6
XIV−4:K2[IrBr6
XIV−5:K3[IrBr42
XIV−6:K3[IrI6
XIV−7:(NH42[IrF6
XIV−8:K2[IrBrCl5
等を挙げることができる。
一般式(XV)
[Ir(H2O)np6-n-pm
ここで、X、Yは互いに異なるハロゲン化物イオンを表す。mは−2〜0の整数、pは0〜(6−n)の整数、nは1または2を表す。
代表的な化合物としては、
XV−1:Cs2[IrBr5(H2O)]
XV−2:K2[IrBr4Cl(H2O)]
XV−3:K2[IrBr4Cl(H2O)]
XV−4:K2[IrCl5(H2O)]
XV−5:K[IrCl4(H2O)2
XV−6:K[IrBr4(H2O)2
XV−7:(NH42[IrCl5(H2O)]
を挙げることができる。
一般式(XVI)
[IrLnp6-n-pm
ここで、Lは有機配位子を表し、X、Yは互いに異なるハロゲン化物イオンを表す。mは−2〜0の整数、pは0〜(6−n)の整数、nは1または2を表す。
XVI−1:K2[Ir(thiazole)Cl5
XVI−2:K2[Ir(5−methylthiazole)Cl5
XVI−3:K[Ir(thiazole)2Cl4
XVI−4:K[Ir(5−methylthiazole)2Cl4
XVI−5:K2[Ir(thiazole)Br5
XVI−6:K[Ir(thiazole)2Br4
XVI−7:K2[IrBr5(1,2,4−triazole)]
XVI−8:K2[IrBr5([1,3,4]−thiadiazole)]
XVI−9:K2[IrBr5(2,5−dichrolo−[1,3,4]−thiadiazole)]
を挙げることができる。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤に、これらのイリジウム化合物を含有させるためには、該イリジウム化合物をハロゲン化銀粒子の形成前、ハロゲン化銀粒子の形成中、ハロゲン化銀粒子の形成後の物理熟成中の各工程の任意の場所で添加すればよい。前述の条件を満たすハロゲン化銀乳剤を得るには、イリジウム化合物をハロゲン化物塩と一緒に溶解して粒子形成工程の全体或いは一部にわたって連続的に添加する事ができる。また、あらかじめこれらのイリジウム化合物を含有するハロゲン化銀微粒子を形成しておいて、これを添加することによって調製する事もできる。前記イリジウム化合物をハロゲン化銀乳剤中に添加するときの量は、ハロゲン化銀1モル当り1×10-10モル以上、1×10-5モル以下がより好ましく、特に1×10-9モル以上、1×10-7モル以下が好ましい。
本発明の特徴の一つは、ハロゲン化銀乳剤にイリジウム以外の周期律表第5族〜10族の金属原子を中心金属としニトロシルまたはチオニトロシル配位子を有する金属錯体を含有することにある。中心金属原子としては、ルテニウム、オスミウムが好ましく用いられる。ニトロシルまたはチオニトロシル配位子を有する金属錯体として好ましく用いることのできる化合物として下記の化合物を挙げることができる。
dopt−1:Cs2[Os(NO)Cl5
dopt−2:K2[Ru(NO)Cl5
dopt−3:K2[Fe(NO)(CN)5
dopt−4:K2[Ru(NO)Br5
dopt−5:K2[Ru(NO)I5
dopt−6:K2[Re(NO)(CN)5
dopt−7:K2[Re(NO)Cl5
dopt−8:K[Ir(NO)Cl5
dopt−9:K2[Ru(NS)Cl5
dopt−10:K2[Os(NS)Br5
dopt−11:K2[Ru(NS)(CN)5
dopt−12:K2[Ru(NS)(SCN)5
ハロゲン化銀乳剤に、上記金属錯体を含有させるためには、該金属錯体をハロゲン化銀粒子の形成前、ハロゲン化銀粒子の形成中、ハロゲン化銀粒子の形成後の物理熟成中の各工程の任意の場所で添加すればよい。前述の条件を満たすハロゲン化銀乳剤を得るには、金属錯体をハロゲン化物塩と一緒に溶解して粒子形成工程の全体或いは一部にわたって連続的に添加することができる。また、あらかじめこれらの金属錯体を含有するハロゲン化銀微粒子を形成しておいて、これを添加することによって調製することもできる。前記金属錯体をハロゲン化銀乳剤中に添加するときの量は、ハロゲン化銀1モル当り5×10-11モル以上、5×10-6モル以下が好ましく、特に5×10-10モル以上、5×10-8モル以下が好ましい。
色調バランスを調整する上においてニトロシルまたはチオニトロシル配位子を有する錯体の効果が大きいが、特に低濃度側での変動を抑える効果が大きい。イリジウム化合物の種類によってその影響は異なるため、イリジウム化合物を併用し、その使用量の比率を変化することでより微妙な調整が可能となる。
本発明に用いられる粒子の形状は任意のものを用いることができる。好ましい一つの例は、(100)面を結晶表面として有する立方体である。また、米国特許第4,183,756号、同第4,225,666号、特開昭55−26589号、特公昭55−42737号や、ザ・ジャーナル・オブ・フォトグラフィック・サイエンス(J.Photogr.Sci.)21号、39ページ(1973)等の文献に記載された方法等により、八面体、十四面体、十二面体等の形状を有する粒子をつくり、これを用いることもできる。更に、双晶面を有する粒子を用いてもよい。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、単一の形状からなる粒子が好ましく用いられるが、単分散のハロゲン化銀乳剤を二種以上同一層に添加することが特に好ましい。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の粒径は、特に制限はないが、迅速処理性及び感度などの他の写真性能などを考慮すると好ましくは、0.1〜1.2μm、更に好ましくは、0.2〜1.0μmの範囲である。
この粒径は、粒子の投影面積か直径近似値を使って測定することができる。ハロゲン化銀粒子が実質的に均一形状である場合は、粒径分布は直径か投影面積としてかなり正確にこれを表すことができる。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の粒径の分布は、好ましくは変動係数が0.22以下、更に好ましくは0.15以下の単分散ハロゲン化銀粒子であり、特に好ましくは変動係数0.15以下の単分散乳剤を2種以上同一層に添加することである。ここで変動係数は、粒径分布の広さを表す係数であり、次式によって定義される。
変動係数=S/R
(ここに、Sは粒径分布の標準偏差、Rは平均粒径を表す。)
ハロゲン化銀乳剤の調製装置、調製方法としては、当業界において公知の種々の方法を用いることができる。
本発明に用いられる乳剤は、酸性法、中性法、アンモニア法の何れで得られたものであってもよい。該粒子は一時に成長させたものであってもよいし、種粒子を作った後で成長させてもよい。種粒子を作る方法と成長させる方法は同じであっても、異なってもよい。
また、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化物塩を反応させる形式としては、順混合法、逆混合法、同時混合法、それらの組合せなど、いずれでもよいが、同時混合法で得られたものが好ましい。更に同時混合法の一形式として特開昭54−48521号等に記載されているpAgコントロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。
また、特開昭57−92523号、同57−92524号等に記載の反応母液中に配置された添加装置から水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を供給する装置、ドイツ公開特許第2,921,164号等に記載された水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を連続的に濃度変化して添加する装置、特公昭56−501776号等に記載の反応器外に反応母液を取り出し、限外濾過法で濃縮することによりハロゲン化銀粒子間の距離を一定に保ちながら粒子形成を行なう装置などを用いてもよい。
更に必要で有ればチオエーテル等のハロゲン化銀溶剤を用いてもよい。また、メルカプト基を有する化合物、含窒素ヘテロ環化合物または増感色素のような化合物をハロゲン化銀粒子の形成時、または、粒子形成終了の後に添加して用いてもよい。
ハロゲン化銀粒子の形成後に副生した可溶性塩類を除去する方法としては、従来、沈殿剤と多価金属イオンを用いたり、修飾ゼラチンを用いて凝集させた後、デカンテーションする方法が多く用いられてきた。一方、電気透析、限外濾過などの膜による分離方法も公知であり、例えば日本化学会編「第4版実験化学講座29,高分子材料」99〜117頁,丸善(1993)等の成書に説明される如く、写真業界において限外濾過を脱塩工程に用いる例も多く知られている。これらの例としては、例えば、特開平9−146212号の特許請求の範囲や実施例などに記載がある。修飾ゼラチンを用いて凝集させる方法や、電気透析、限外濾過などの膜による分離方法を用いたハロゲン化銀乳剤は、本発明の効果が高く、好ましく用いることができる。
本発明の特徴の一つは、ハロゲン化銀乳剤が金カルコゲン増感されていることにある。
金増感剤としては、塩化金酸、硫化金等の他各種の金錯体として添加することができる。用いられる配位子化合物としては、ジメチルローダニン、チオシアン酸、メルカプトテトラゾール、メルカプトトリアゾール等を挙げることができる。金化合物の使用量は、ハロゲン化銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条件などによって一様ではないが、通常はハロゲン化銀1モル当たり1×10-4〜1×10-8モルであることが好ましい。更に好ましくは1×10-5〜1×10-8モルである。
カルコゲン増感剤としては、イオウ増感剤、セレン増感剤、テルル増感剤などを用いることができるが、セレン増感剤が好ましい。セレン増感剤としては、例えば、米国特許第1,574,944号、同第1,602,592号、同第1,623,499号、特開昭60−150046号、特開平4−25832号、同4−109240号、同4−147250号等に記載されている化合物を挙げることができる。
有用なセレン増感剤としては、コロイドセレン金属、イソセレノシアネート類(例えば、アリルイソセレノシアネート等)、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメチルセレノ尿素、N,N,N′−トリエチルセレノ尿素、N,N,N′−トリメチルーN′−ヘプタフルオロセレノ尿素、N,N,N′−トリメチル−N′−ヘプタフルオロプロピルカルボニルセレノ尿素、N,N,N′−トリメチル−N′−(4−ニトロフェニル)カルボニルセレノ尿素等)、セレノケトン類(例えば、セレノアセトン、セレノアセトフェノン等)、セレノアミド類(例えば、セレノアセトアミド、N,N−ジメチルセレノベンズアミド等)、セレノカルボン酸類及びセレノエステル類(例えば、2−セレノプロピオン酸、メチル−3−セレノブチレート等)、セレノフォスフェート類(例えば、トリ−p−トリセレノフォスフェート等)、セレナイド類(ジエチルセレナイド、ジエチルジセレナイド等)が挙げられる。
これらのセレン増感剤の使用技術の具体例は、例えば、米国特許第1,574,944号、同第1,602,592号、同第1,623,499号、同第3,297,446号、同第3,297,447号、同第3,320,069号、同第3,408,196号、同第3,408,197号、同第3,442,653号、同第3,420,670号、同第3,591,385号、フランス特許第2,693,038号、同第2,093,209号、特公昭52−34491号、同52−34492号、同53−295号、同57−22090号、特開昭59−180536号、同59−185330号、同59−181337号、同59−187338号、同59−192241号、同60−150046号、同60−151637号、同61−246738号、特開平3−4221号、同3−24537号、同3−111838号、同3−116132号、同3−148648号、同3−237450号、同4−16838号、同4−25832号、同4−32831号、同4−96059号、同4−109240号、同140738号、同4−140739号、同4−147250号、同4−149437号、同4−184331号、同4−190225号、同4−191729号、同4−195035号、英国特許255846号、同861984号。なお、H.E.スペンサー等著、ジャーナル・オブ・フォトグラフィックサイエンス誌、31巻158〜169ページ(1983)等の化学文献にも開示されている。
セレン増感剤の使用量は、使用するセレン化合物、ハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等により変わるが、一般にハロゲン化銀1モル当たり1×10-8〜1×10-4モル程度を用いる。また、添加方法は、使用するセレン化合物の性質に応じて、水またはメタノール、エタノール等の有機溶媒の単独または混合溶媒に溶解して添加する方法でも、特開平4−140739号に開示されている方法、すなわち、有機溶媒可溶性の重合体との混合溶液の乳化分散物の形態で添加する方法でもよい。
セレン増感剤を用いる化学熟成の温度は、40〜90℃の範囲が好ましい。より好ましくは、45℃以上80℃以下である。また、pHは4〜9、pAgは6〜9.5の範囲が好ましい。
イオウ増感剤の添加量としては、適用されるハロゲン化銀乳剤の種類や期待する効果の大きさなどにより変える事が好ましいが、ハロゲン化銀1モル当たり5×10-10〜5×10-5モルの範囲、好ましくは5×10-8〜3×10-5モルの範囲が好ましい。
以下に好ましく用いられるセレン増感剤の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2005275352
イオウ増感剤としては、チオ硫酸塩、トリエチルチオ尿素、アリルチオカルバミドチオ尿素、アリルイソチアシアネート、シスチン、p−トルエンチオスルホン酸塩、ローダニン、無機イオウ等が挙げられる。
イオウ増感剤の添加量としては、適用されるハロゲン化銀乳剤の種類や期待する効果の大きさなどにより変える事が好ましいが、ハロゲン化銀1モル当たり5×10-10〜5×10-5モルの範囲、好ましくは5×10-8〜3×10-5モルの範囲である。
本発明の特徴の一つは、前記ハロゲン化銀乳剤中に前記一般式(IV)、一般式(V)で表される化合物または無機イオウの少なくと1種を含有することにある。
本発明に係る一般式(IV)で表される化合物において、R11及びR12で表される脂肪族基としては、炭素数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖または分岐したアルキル、アルケニル、アルキニルまたはシクロアルキル基が挙げられる。具体的には、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、デシル、ドデシル、イソプロピル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、アリル、2−ブテニル、7−オクテニル、プロパルギル、2−ブチニル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロドデシル等の基が挙げられる。R11、R12で表される芳香族基としては炭素数6〜20のものがあげられ、具体的には、例えば、フェニル、ナフチル、アントラニル等の各基がげられる。R11、R12で表されるヘテロ環基としては、単環でも縮合環でもよく、O、S及びN原子の少なくとも1種を環内に有する5〜6員のヘテロ環基が挙げられる。具体的には、例えば、ピロリジン、ピペリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒロロピラン、オキシラン、モルホリン、チオモルホリン、チオピラン、テトラヒドロチオフェン、ピロール、ピリジン、フラン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール及びこれらのベンゼローグ類から導かれる基が挙げられる。R11及びR12で環を形成するものとしては4員環から7員環をあげることができる。これらR11、R12で表される脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基は更に置換されていてもよく、置換基としてはハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ヒドロキシエチル基、メトキシエチル基、トリフルオロメチル基、t−ブチル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、2−フェネチル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、p−トリル基、p−クロロフェニル基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基等)、シアノ基、アシルアミノ基、(例えば、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基等)、アルキルチオ基(例えば、フェニルチオ基、p−トリルチオ基等)、スルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基等)、ウレイド基(例えば、3−メチルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基、1,3−ジメチルウレイド基)、スルファモイルアミノ基(例えば、ジメチルスルファモイルアミノ基、ジエチルスルファモイルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基等)、スルファモイル基(例えば、エチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基、p−クロロフェノキシカルボニル基等)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基等)、アミノ基(例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基等)、ヒドロキシ基、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、ニトロソ基、アミンオキシド基(例えば、ピリジンオキシド基等)、イミド基(例えば、フタルイミド基等)、ジスルフィド基(例えば、ベンゼンジスルフィド基、ベンゾチアゾリル−2−ジスルフィド基等)、ヘテロ環基(例えば、ピリジル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、ベンズオキサゾリル基等)が挙げられる。特に好ましくは、電子吸引性の置換基を有する基またはカルボキシル基、スルホ基である。
11及びR12は、これらの置換基の中から単独または複数の置換基を有することができる。また、それぞれの置換基は、更に上記の置換基で置換されていてもよい。mは2〜6の整数で、好ましくは2〜3である。
本発明に係る一般式(IV)で表される化合物を化学増感前に添加する場合には、R11及びR12としては芳香族基及びヘテロ環基が好ましい。中でも好ましいのは、ヘテロ芳香族基である。
また、本発明に係る一般式(IV)で表される化合物を化学増感後に添加する場合には、R11及びR12の好ましい基としては芳香族炭化水素であり、更に好ましくは電子吸引性基(例えば、フッ素原子、塩素原子、トリフロロメチル基、シアノ基等)が直接または間接に置換している基、またはカルボキシル基、スルホニル基が直接または間接に置換した芳香族炭化水素基である。
本発明に係る一般式(V)で表されるチオスルホン酸化合物は、遊離の酸及びその塩のいずれであってもよい。
21で表される脂肪族基としては、炭素原子数1〜22のアルキル基、または炭素原子数2〜22のアルケニル基またはアルキニル基が好ましい。更に好ましくは、炭素原子数1〜8のアルキル基、または炭素原子数3〜5のアルケニル基もしくはアルキニル基が好ましい。これらの基は置換基を有していてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、シクロヘキシル基等を挙げる事ができる。アルケニル基の例としては、アリル基、ブテニル基を挙げることができる。アルキニル基としてはプロパルギル基、ブチニル基を挙げることができる。
21で表される芳香族基としては、好ましくは炭素原子数6〜20の芳香族基であり、炭素原子数6〜10の芳香族基がより好ましい。これらの基は置換基を有していてもよく、具体例としてはフェニル基、p−トリル基、ナフチル基を挙げることができる。
21で表される複素環基としては、3〜15員環が好ましく、窒素原子を含む5〜6員環がより好ましい。具体例としては、ピロリジン環、ピペリジン環、ピリジン環、テトラヒドロフラン環、チオフェン環、オキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾチアゾール環、テルラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環等を挙げることができる。
21で表される基としては炭素原子数6〜10の置換された芳香族環が最も好ましい。置換基の例としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、ペンチル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、ブチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基等)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基等)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、フェニルスルホニル等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基等の各基)、スルホニルアミノ基、アシルオキシ基、カルボキシ基、シアノ基、スルホ基、アミノ基等が挙げられる。
無機イオウはいくつかの同素体を有することが知られているが、そのいずれの同素体を用いてもよい。前記同素体のうち、室温において安定なものは斜方晶系に属するα−イオウであり、α−イオウを用いることが好ましい。無機イオウはエチルアルコールに少量溶解すのでこれの溶液として添加しても良いし、これを貧溶媒である水に開け込み分散物として添加しても良い。
以下に本発明に用いることのできる一般式(IV)または一般式(V)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2005275352
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本発明に用いることのできる一般式(IV)または一般式(V)で表される化合物は、その目的に応じて、ハロゲン化銀乳剤粒子の調製工程、化学増感工程、化学増感工程の終了時、塗布液調製工程などの工程で添加される。これらの化合物の存在下に化学増感を行う場合には、好ましくはハロゲン化銀1モル当り1×10-6〜1×10-3モル、より好ましくは1×10-5〜5×10-4モル程度の量で好ましく用いられる。化学増感終了時に添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-6〜1×10-2モル程度の量が好ましく、1×10-5〜5×10-3モルがより好ましい。塗布液調製工程において、ハロゲン化銀乳剤層に添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-6〜1×10-1モル程度の量が好ましく、1×10-5〜1×10-2モルがより好ましい。またハロゲン化銀乳剤層以外の層に添加する場合には、塗布被膜中の量が1m2あたり、1×10-9〜1×10-3モル程度の量が好ましい。
本発明の感光材料には、400〜900nmの波長域の特定領域に分光増感されたハロゲン化銀乳剤を含む層を有する。該ハロゲン化銀乳剤は一種または、二種以上の増感色素を組み合わせて含有する。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤に用いる分光増感色素としては、公知の化合物をいずれも用いることができるが、青感光性増感色素としては、特開平3−251840号28ページに記載のBS−1〜8を単独でまたは組み合わせて好ましく用いることができる。緑感光性増感色素としては、同公報28ページに記載のGS−1〜5が好ましく用いられる。赤感光性増感色素としては同公報29ページに記載のRS−1〜8が好ましく用いられる。
これらの増感色素の添加時期としては、ハロゲン化銀粒子形成から化学増感終了までの任意の時期でよい。また、これらの色素の添加方法としては、水またはメタノール、エタノール、フッ素化アルコール、アセトン、ジメチルホルムアミド等の水と混和性の有機溶媒に溶解して溶液として添加してもよいし、増感色素を密度が1.0g/mlより大きい、水混和性溶媒の溶液または、乳化物、懸濁液として添加してもよい。
増感色素の分散方法としては、高速撹拌型分散機を用いて水系中に機械的に1μm以下の微粒子に粉砕・分散する方法以外に、特開昭58−105141号に記載のようにpH6〜8、60〜80℃の条件下で水系中において機械的に1μm以下の微粒子に粉砕・分散する方法、特公昭60−6496号に記載の表面張力を3.8×10-2N/m以下に抑える界面活性剤の存在下に分散する方法、特開昭50−80826号に記載の実質的に水を含まず、pKaが5を上回らない酸に溶解し、該溶解液を水性液に添加分散し、この分散物をハロゲン化銀乳剤に添加する方法等を用いることができる。
分散に用いる分散媒としては水が好ましいが、少量の有機溶媒を含ませて溶解性を調整したり、ゼラチン等の親水性コロイドを添加して分散液の安定性を高めることもできる。
分散液を調製するのに用いることのできる分散装置としては、例えば、特開平4−125631号公報第1図に記載の高速撹拌型分散機の他、ボールミル、サンドミル、超音波分散機等を挙げることができる。
また、これらの分散装置を用いるに当たって、特開平4−125632号に記載のように、あらかじめ乾式粉砕などの前処理を施した後、湿式分散を行う等の方法をとってもよい。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は一種または、二種以上の増感色素を組み合わせて含有してもよい。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤には、ハロゲン化銀感光材料の調製工程中に生じるカブリを防止したり、保存中の性能変動を小さくしたり、現像時に生じるカブリを防止する目的で公知のカブリ防止剤、安定剤を用いることができる。こうした目的に用いることのできる好ましい化合物の例として、特開平2−146036号7ページ下欄に記載された一般式(II)で表される化合物を挙げることができ、更に好ましい具体的な化合物としては、同公報の8ページに記載の(IIa−1)〜(IIa−8)、(IIb−1)〜(IIb−7)の化合物や、特開2000−267235号の8ページ右欄32〜36行目に記載の化合物、特開平9−152674号の一般式(I)で表されるメルカプトピリミジン化合物、一般式(II)で表されるハロゲン化銀への吸着促進基と置換、未置換のヒドロキシル基またはアミノ基を有する化合物、具体的には、(I−1)、(I−2)、(I−7)、(I−9)、(II−1)、(II−3)で表される化合物を挙げることができる。
これらの化合物は、その目的に応じて、ハロゲン化銀乳剤粒子の調製工程、化学増感工程、化学増感工程の終了時、塗布液調製工程などの工程で添加される。これらの化合物の存在下に化学増感を行う場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-5〜5×10-4モル程度の量で好ましく用いられる。化学増感終了時に添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-6〜1×10-2モル程度の量が好ましく、1×10-5〜5×10-3モルがより好ましい。塗布液調製工程において、ハロゲン化銀乳剤層に添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-6〜1×10-1モル程度の量が好ましく、1×10-5〜1×10-2モルがより好ましい。またハロゲン化銀乳剤層以外の層に添加する場合には、塗布被膜中の量が、1m2当り1×10-9〜1×10-3モル程度の量が好ましい。
本発明の感光材料には、イラジエーション防止やハレーション防止の目的で種々の波長域に吸収を有する染料を用いることができる。この目的で、公知の化合物をいずれも用いることができるが、特に、可視域に吸収を有する染料としては、特開平3−251840号308ページに記載のAI−1〜11の染料および特開平6−3770号記載の染料が好ましく用いられる。
本発明の感光材料は、ハロゲン化銀乳剤層のうち最も支持体に近いハロゲン化銀乳剤層より支持体に近い側に少なくとも1層の耐拡散性化合物で着色された親水性コロイド層を有することが好ましい。着色物質としては染料またはそれ以外の有機、無機の着色物質を用いることができる。
本発明の感光材料は、ハロゲン化銀乳剤層のうち最も支持体に近いハロゲン化銀乳剤層より支持体に近い側に少なくとも1層の着色された親水性コロイド層を有することが好ましく、該層に白色顔料を含有していてもよい。例えばルチル型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタン、硫酸バリウム、ステアリン酸バリウム、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、カオリン等を用いることができるが、種々の理由から、中でも二酸化チタンが好ましい。白色顔料は処理液が浸透できるような例えばゼラチン等の親水性コロイドの水溶液バインダー中に分散される。白色顔料の塗布付量は好ましくは0.1g/m2〜50g/m2の範囲であり、更に好ましくは0.2g/m2〜5g/m2の範囲である。
支持体と、支持体から最も近いハロゲン化銀乳剤層との間には、白色顔料含有層の他に必要に応じて下塗り層、あるいは任意の位置に中間層等の非感光性親水性コロイド層を設けることができる。
本発明の感光材料中には、蛍光増白剤を添加することで白地性をより改良でき好ましい。蛍光増白剤は、紫外線を吸収して可視光の蛍光を発することのできる化合物であれば特に制限はないが、分子中に少なくとも1個以上のスルホン酸基を有するジアミノスチルベン系化合物であり、これらの化合物には増感色素の感光材料外への溶出を促進する効果もあり好ましい。他の好ましい一つの形態は、蛍光増白効果を有する固体微粒子化合物である。
本発明の感光材料において、ハロゲン化銀乳剤層は支持体上に積層塗布されるが支持体からの順番はどのような順番でもよい。この他に必要に応じ中間層、フィルター層、保護層等を配置することができる。
本発明の感光材料には、現像主薬酸化体と反応する化合物を感光層と感光層の間の層に添加して色濁りを防止したりまたハロゲン化銀乳剤層に添加してカブリ等を改良することが好ましい。このための化合物としてはハイドロキノン誘導体が好ましく、更に好ましくは2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノンのようなジアルキルハイドロキノンである。特に好ましい化合物は特開平4−133056号記載の一般式IIで示される化合物であり、同号13〜14ページ記載の化合物II−1〜II−14および17ページ記載の化合物1が挙げられる。
本発明の感光材料中には、紫外線吸収剤を添加してスタチックカブリを防止したり色素画像の耐光性を改良することが好ましい。好ましい紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール類が挙げられ、特に好ましい化合物としては特開平1−250944号記載の一般式III−3で示される化合物、特開昭64−66646号記載の一般式IIIで示される化合物、特開昭63−187240号記載のUV−1L〜UV−27L、特開平4−1633号記載の一般式Iで示される化合物、特開平5−165144号記載の一般式(I)、(II)で示される化合物が挙げられる。
本発明の感光材料には、油溶性染料や顔料を含有すると白地性が改良され好ましい。油溶性染料の代表的具体例は、特開平2−842号8ページ〜9ページに記載の化合物1〜27が挙げられる。
本発明のハロゲン化銀感光材料に用いられるステイン防止剤やその他の有機化合物を添加するのに水中油滴型乳化分散法を用いる場合には、通常、沸点150℃以上の水不溶性高沸点有機溶媒に、必要に応じて低沸点及び/または水溶性有機溶媒を併用して溶解し、ゼラチン水溶液などの親水性バインダー中に界面活性剤を用いて乳化分散する。分散手段としては、撹拌機、ホモジナイザー、コロイドミル、フロージェットミキサー、超音波分散機等を用いることができる。分散後、または、分散と同時に低沸点有機溶媒を除去する工程を入れてもよい。ステイン防止剤等を溶解して分散するために用いることのできる高沸点有機溶媒としては、トリクレジルホスフェート、トリオクチルホスフェート等のリン酸エステル類、トリオクチルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類が好ましく用いられる。また、高沸点有機溶媒の誘電率としては3.5〜7.0であることが好ましい。また二種以上の高沸点有機溶媒を併用することもできる。
本発明の感光材料に用いられる写真用添加剤の分散や塗布時の表面張力調整のため用いられる界面活性剤として好ましい化合物としては、1分子中に炭素数8〜30の疎水性基とスルホン酸基またはその塩を含有するものが挙げられる。具体的には特開昭64−26854号記載のA−1〜A−11が挙げられる。またアルキル基に弗素原子を置換した界面活性剤も好ましく用いられる。これらの分散液は通常ハロゲン化銀乳剤を含有する塗布液に添加されるが、分散後塗布液に添加されるまでの時間、および塗布液に添加後塗布までの時間は短いほうがよく各々10時間以内が好ましく、3時間以内、20分以内がより好ましい。
本発明の感光材料には、バインダーとしてゼラチンを用いることが有利であるが、必要に応じて他のゼラチン、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー、ゼラチン以外のタンパク質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一あるいは共重合体のごとき合成親水性高分子物質等の親水性コロイドも用いることができる。
これらバインダーの硬膜剤としては、ビニルスルホン型硬膜剤やクロロトリアジン型硬膜剤を単独または併用して使用することが好ましい。特開昭61−249054号、同61−245153号記載の化合物を使用することが好ましい。また写真性能や画像保存性に悪影響するカビや細菌の繁殖を防ぐためコロイド層中に特開平3−157646号記載のような防腐剤および抗カビ剤を添加することが好ましい。また感光材料または処理後の試料の表面の物性を改良するため保護層に特開平6−118543号や特開平2−73250号記載の滑り剤やマット剤を添加することが好ましい。
本発明の感光材料に用いる支持体としては、どのような材質を用いてもよく、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートで被覆した紙、天然パルプや合成パルプからなる紙支持体、塩化ビニルシート、白色顔料を含有してもよいポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート支持体、バライタ紙などを用いることができる。なかでも、原紙の両面に耐水性樹脂被覆層を有する支持体が好ましい。耐水性樹脂としてはポリエチレンやポリエチレンテレフタレートまたはそれらのコポリマーが好ましい。
紙の表面に耐水性樹脂被覆層を有する支持体は、通常、50〜300g/m2の質量を有する表面の平滑なものが用いられるが、プルーフ画像を得る目的に対しては、取り扱いの感覚を印刷用紙に近づけるため、130g/m2以下の原紙が好ましく用いられ、更に70〜120g/m2の原紙が好ましく用いられる。
本発明に用いられる支持体としては、ランダムな凹凸を有するものであっても平滑なものであっても好ましく用いることができる。
支持体に用いられる白色顔料としては、無機及び/または有機の白色顔料を用いることができ、好ましくは無機の白色顔料が用いられる。例えば硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等が挙げられる。白色顔料は好ましくは硫酸バリウム、酸化チタンである。
支持体の表面の耐水性樹脂層中に含有される白色顔料の量は、鮮鋭性を改良するうえで13質量%以上が好ましく、更には15質量%が好ましい。
本発明に係る紙支持体の耐水性樹脂層中の白色顔料の分散度は、特開平2−28640号に記載の方法で測定することができる。この方法で測定したときに、白色顔料の分散度が前記公報に記載の変動係数として0.20以下であることが好ましく、0.15以下であることがより好ましい。
本発明に用いられる両面に耐水性樹脂層を有する紙支持体の樹脂層は、1層であってもよいし、複数層からなってもよい。複数層とし、乳剤層と接する方に白色顔料を高濃度で含有させると鮮鋭性の向上が大きく、プルーフ用画像を形成するのに好ましい。
また支持体の中心面平均粗さ(SRa)の値が0.15μm以下、更には0.12μm以下であるほうが光沢性がよいという効果が得られより好ましい。
本発明の感光材料は、必要に応じて支持体表面にコロナ放電、紫外線照射、火炎処理等を施した後、直接または下塗層(支持体表面の接着性、帯電防止性、寸度安定性、耐摩擦性、硬さ、ハレーション防止性、摩擦特性及び/またはその他の特性を向上するための1または2以上の下塗層)を介して塗布されていてもよい。
ハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料の塗布に際して、塗布性を向上させるために増粘剤を用いてもよい。塗布法としては2種以上の層を同時に塗布することのできるエクストルージョンコーティング及びカーテンコーティングが特に有用である。
感光材料の幅としては、用途に応じて任意の幅の物を用いることができるが、プルーフの用途では400mm以上の幅が好ましく用いられる。800mmあるいはそれ以上の幅の感光材料も好ましく用いられる。
本発明の面積階調画像形成方法においては、現像処理液のいずれか1液に前記一般式(VI)または一般式(VII)で表される化合物を添加することが特徴である。
以下、一般式(VI)で表される化合物について説明する。
一般式(VI)で表される化合物において、R11、R12で表される置換基としては、特に制限はないが、代表例としては、例えば、アルキル、アリール、アニリノ、アシルアミノ、スルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニル、シクロアルキル等の各基が挙げられるが、この他にハロゲン原子、シクロアルケニル、アルキニル、複素環、スルホニル、スルフィニル、ホスホニル、アシル、カルバモイル、スルファモイル、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、複素環オキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、カルバモイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミド、ウレイド、スルファモイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、複素環チオ、チオウレイド、カルボキシル、ヒドロキシル、メルカプト、ニトロ、スルホ等の各基、スピロ化合物残基、有橋炭化水素化合物残基等が挙げられる。これらの基は更に置換基を有していてもよい。R11、R12として好ましくはアリール基、アルキル基であり、好ましくはアルキル基である。好ましいアルキル基としては炭素数1〜16、更に好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜4の置換もしくは無置換のアルキル基であり、置換基としてはアルコキシ基、スルホン酸基、エチレンオキシ基などが挙げられる。R11、R12で表されるアルキル基としては、具体的にはメチル基、プロピル基、iso−プロピル基、オクチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−スルホエチル基、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基等が挙げられる。R11、R12として特に好ましくは水素原子、2−ヒドロキシエチル基、2−スルホエチル基などである。
一般式(VI)で表される化合物において、R13、R14で表される置換もしくは無置換のアルキル基としては、R11、R12と同様のものを好ましく用いることができる。
一般式(VI)で表される化合物におけるR15、R16で表される置換基は、前記一般式(VI−A)で表され、一般式(VI−A)中のAは、水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、または1−ヒドロキシプロピル基を表し、4つのAは同一でも異なっていてもよい。R15及びR16で表される基としては、ヒドロキシル基を少なくとも一つ含有することが好ましい。
一般式(VI)で表される化合物におけるRwで表される基は、前記一般式(VI−A)で表される基、または−CH2CH2SO3Mである。Rwで表される基として、好ましくは−CH2CH2SO3Mである。
一般式(VI)で表される化合物において、Mで表されるアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子の中で、特に好ましいのはNa及びKである。アンモニウム基としてはテトラアルキルアンモニウム基が好ましく、例えば、テトラブチルアンモニウムが挙げられる。一般式(VI)で表される化合物におけるMとして、最も好ましくはNa及びKである。
次に、本発明に係る一般式(VI)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない
Figure 2005275352
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Figure 2005275352
次に、一般式(VII)で表される化合物について説明する。
前記一般式(VII)において、R21〜R24で表される置換基としては、特に制限はないが、一般式(VI)におけるR11もしくはR12で表される置換基と同様のものを挙げることができる。R21〜R24として好ましくはアリール基、アルキル基であり、好ましくはアルキル基である。好ましいアルキル基としては炭素数1〜16、更に好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜4の置換もしくは無置換のアルキル基であり、置換基としてはアルコキシ基、スルホン酸基、エチレンオキシ基などが挙げられる。R21〜R24で表されるアルキル基としては、具体的にはメチル基、プロピル基、iso−プロピル基、オクチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−スルホエチル基、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基等が挙げられる。R21〜R24として特に好ましくは水素原子、2−ヒドロキシエチル基、2−スルホエチル基などである。R21〜R24のうち少なくとも一つは、前記一般式(VI−A)で表される基である。また、R21〜R24のうち、前記一般式(VI−A)で表される基以外の基のうち少なくとも1つは、−CH2CH2SO3Mである。Mは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基、またはピリジニウム基を表し、Mで表されるアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子の中で、特に好ましいのはNa及びKである。アンモニウム基としてはテトラアルキルアンモニウム基が好ましく、例えば、テトラブチルアンモニウムが挙げられる。
Lで表される2価の連結基としては、特に制限はないが、アルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基、複素環基などが挙げられる。アルキレン基としては例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、1,4−シクロヘキサンジイル基、などが挙げられ、これらは更に置換基を有していても良い。フェニレン基としては例えば、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基などが挙げられ、これらは更に置換基を有していても良い。ナフチレン基としては、例えば、1,5−ナフチレン基、1,8−ナフチレン基などが挙げられ、これらは更に置換基を有していても良い。複素環基としては例えば、2,6−ピリジンジイル基、2,6−ピリミジンジイル基、3,6−ピリダジンジイル基、1,4−フタラジンジイル基、3,5−イソチアゾールジイル基、3,5−(1,2,4−トリアゾール)ジイル基などが挙げられる。
Lで表される置換基として好ましくは、フェニレン基、ナフチレン基、複素環基である。特に好ましくはフェニレン基、ナフチレン基である。nは1以上の整数を表し、好ましくは1である。
次に、一般式(VII)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005275352
Figure 2005275352
Figure 2005275352
本発明において用いられる芳香族一級アミン現像主薬としては、公知の化合物を用いることができる。これらの化合物の例として下記の化合物を挙げることができる。
CD−1)N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン
CD−2)2−アミノ−5−ジエチルアミノトルエン
CD−3)2−アミノ−5−(N−エチル−N−ラウリルアミノ)トルエン
CD−4)4−(N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ)アニリン
CD−5)2−メチル−4−(N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ)アニリン
CD−6)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−(メタンスルホンアミド)エチル)−アニリン
CD−7)N−(2−アミノ−5−ジエチルアミノフェニルエチル)メタンスルホンアミド
CD−8)N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン
CD−9)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−メトキシエチルアニリン
CD−10)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−エトキシエチル)アニリン
CD−11)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(γ−ヒドロキシプロピル)アニリン
本発明の面積階調画像形成方法においては、発色現像液がヒドロキシルアミン誘導体を含有することにあるが、これは一般に保恒剤として知られている化合物を用いることができる。ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミンの塩は少量存在していてもよいが、ここでいうヒドロキシルアミン誘導体には含まない。これらは、臭化物イオンが少ない条件下では、高塩化物ハロゲン化銀乳剤を現像してしまい発色反応を著しく阻害するためである。
本発明に用いられるヒドロキシルアミン誘導体としては、下記一般式(XVII)で表される化合物が好ましい。
Figure 2005275352
本発明に用いられるヒドロキシルアミン誘導体の具体例を以下に示すが本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2005275352
Figure 2005275352
Figure 2005275352
Figure 2005275352
Figure 2005275352
本発明においては、上記発色現像液を任意のpH域で使用できるが、迅速処理の観点からpH9.5〜13.0であることが好ましく、より好ましくはpH9.8〜12.0の範囲で用いられる。
本発明に係る発色現像の処理温度は、35℃以上、70℃以下が好ましい。温度が高いほど短時間の処理が可能であり好ましいが、処理液の安定性からはあまり高くない方が好ましく、37℃以上60℃以下で処理することが好ましい。
発色現像時間は、従来一般には3分30秒程度で行われているが、本発明では40秒以内が好ましく、更に25秒以内の範囲で行うことが更に好ましい。
発色現像液には、前記の発色現像主薬に加えて、既知の現像液成分化合物を添加することができる。通常、pH緩衝作用を有するアルカリ剤、塩化物イオン、臭化物イオン、ベンゾトリアゾール、メルカプトテトラゾール、テトラザインデン類等の現像抑制剤、キレート剤、亜硫酸塩、シトラジン酸等の色濁り防止剤などが用いられる。現像液の経時での性能変化を防止する意味から、亜硫酸塩を実質的に含有しないことが特徴の一つである。
本発明の感光材料は、発色現像後、漂白処理及び定着処理を施される。漂白処理は定着処理と同時に行なってもよい。定着処理の後は、通常は水洗処理が行なわれる。また、水洗処理の代替として、安定化処理を行なってもよい。
本発明の感光材料の現像処理に用いる現像処理装置としては、処理槽に配置されたローラーに感光材料をはさんで搬送するローラートランスポートタイプであっても、ベルトに感光材料を固定して搬送するエンドレスベルト方式であってもよいが、処理槽をスリット状に形成して、この処理槽に処理液を供給するとともに感光材料を搬送する方式や処理液を噴霧状にするスプレー方式、処理液を含浸させた担体との接触によるウエッブ方式、粘性処理液による方式なども用いることができる。大量に処理する場合には、自動現像機を用いてランニング処理されるのが、通常だがこの際、補充液の補充量は少ない程好ましく、環境適性等より最も好ましい処理形態は、補充方法として錠剤の形態で処理剤を添加することであり、公開技報94−16935に記載の方法が最も好ましい。
通常、面積階調露光であれば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、墨の発色をさせることで目的を達することもできる。より好ましくは、墨に加えてM、C等の単色が発色したことを識別するには、3値以上の露光量を使い分けて露光することが好ましい。印刷においては、特別な色の版を用いることがあるが、これを再現するためには、4値以上の露光量を使い分けて露光することが好ましい。このように露光量を変化させて低濃度の色を再現しようとするとき濃度の変動が目立ちやすくなり、本発明の効果をより有用に用いることができる。
本発明に用いられる露光装置について具体的に説明する。
本発明に用いられる露光装置の露光光源は、公知のものをいずれも好ましく用いることができるが、レーザーまたは発光ダイオード(以下LEDと表す)がより好ましく用いられる。
レーザーとしては半導体レーザー(以下、LDと表す)がコンパクトであること、光源の寿命が長いことから好ましく用いられる。また、LDはDVD、音楽用CDの光ピックアップ、POSシステム用バーコードスキャナ等の用途や光通信等の用途に用いられており、安価であり、かつ比較的高出力のものが得られるという長所を有している。LDの具体的な例としては、アルミニウム・ガリウム・インジウム・ヒ素(650nm)、インジウム・ガリウム・リン(〜700nm)、ガリウム・ヒ素・リン(610〜900nm)、ガリウム・アルミニウム・ヒ素(760〜850nm)等を挙げることができる。最近では、青光を発振するレーザーも開発されているが、現状では、610nmよりも長波の光源としてLDを用いるのが有利である。
SHG素子を有するレーザー光源としては、LD、YAGレーザーから発振される光をSHG素子により半分の波長の光に変換して放出させるものであり、可視光が得られることから適当な光源がない緑〜青の領域の光源として用いられる。この種の光源の例としては、YAGレーザーにSHG素子を組み合わせたもの(532nm)等がある。
ガスレーザーとしては、ヘリウム・カドミウムレーザー(約442nm)、アルゴンイオンレーザー(約514nm)、ヘリウムネオンレーザー(約544nm、633nm)等が挙げられる。
LEDとしては、LDと同様の組成をもつものが知られているが、青〜赤外まで種々のものが実用化されている。特開2002−72367号に記載のような微小面積発光ダイオードの1種である端面発光型ダイオードを、好ましく用いることができる。
本発明に用いられる露光光源としては、各レーザーを単独で用いてもよいし、これらを組合せ、同時に複数のチャネルの画像を書き込むマルチチャネルとしてもよい。マルチチャネルにすることによって早い画像の書き込みが可能となるが、濃度の変動が見えやすくなる傾向があり、本発明の効果がより有用に用いられる。LDの場合には、例えば10個のLDを並べることにより10本の光束からなるビームが得られる。一方、ヘリウムネオンレーザーのような場合、レーザーから発した光をビームセパレーターで例えば10本の光束に分割する。LEDの場合には素子を副走査方向に並べればよい。
露光用光源の強度変化は、LD、LEDのような場合には、個々の素子に流れる電流値を変化させる直接変調を行うことができる。直接変調の場合には、電流値の調整により発光光量を変化させてもよいし、パルス状に発光させ、パルスの幅(発光時間)を変化させるパルス幅変調方式を用いてもよいし、パルス数を変化させるパルス数変調方式をとってもよい。LDの場合には、AOM(音響光学変調子)のような素子を用いて強度を変化させてもよい。ガスレーザーの場合には、AOM、EOM(電気光学変調子)等のデバイスを用いるのが一般である。
光源にLEDを用いる場合には、光量が弱ければ、複数の素子で同一の画素を重複して露光する方法を用いてもよい。
光源の発光波長は、感光材料が十分な感度を有している波長領域であればいずれも好ましく用いることができるが、色濁りを防止する意味で他のハロゲン化銀乳剤層と十分な感度差を有する波長領域を用いることが好ましい。感光材料のコントラストにも依存するが露光量の常用対数として0.6以上、好ましくは1.0以上の感度差があることが好ましい。この他に、光源の置かれた環境条件、動作条件などにより発光波長が変動するような場合には、分光感度のピーク波長に合わせることが理論上好ましく、これに関わってくる着色物質の分光吸収との関係も考慮して波長を選択することが好ましい。そのような例としては、特開平6−75342号、特開2001−83663号などに記載の方法が挙げられる。また、発光波長だけでなく発光強度が変動する場合にも、分光感度との関係で発光波長を選択することが好ましく、その例としては、特開2002−72367号及び日経ニューマテリアル1987年9月14日号54ページ等に記載されている。
レーザー光源の場合には、ビーム径は25μm以下であることが好ましく、6〜22μmがより好ましい。6μmより小さいと画質的には好ましいが、調整が困難であったり、処理速度が低下したりする。一方、25μmより大きいとムラが大きくなり、画像の鮮鋭性も劣化する。ビーム径を最適化することによってムラのない高精細の画像の書き込みを高速で行うことができる。
このような光で画像を描くには、感光材料上を光束が走査する必要があるが、感光材料を円筒状のドラムに巻き付けこれを高速に回転しながら回転方向に直角な方向に光束を動かす円筒外面走査方式をとってもよく、円筒状の窪みに感光材料を密着させて露光する円筒内面走査方式も好ましく用いることができる。多面体ミラーを高速で回転させこれによって搬送される感光材料を搬送方向に対して直角に光束を移動して露光する平面走査方式をとってもよい。高画質であり、かつ大きな画像を得るには円筒外面走査方式がより好ましく用いられる。
円筒外面走査方式での露光を行うには、感光材料は正確に円筒状のドラムに密着されなければならない。これが的確に行われるためには、正確に位置合わせされて搬送される必要がある。本発明に用いられる感光材料は露光する側の面が外側に巻かれたものがより的確に位置合わせでき、好ましく用いることができる。同様な観点から、本発明の感光材料に用いられる支持体は適正な剛度があり、テーバー剛度で0.8〜4.0が好ましい。
ドラム径は、露光するハロゲン化銀感光材料の大きさに適合させて任意に設定することができる。ドラムの回転数も任意に設定できるがレーザー光のビーム径、エネルギー強度、書き込みパターンや感光材料の感度などにより適当な回転数を選択することができる。生産性の観点からは、より高速な回転で走査露光できる方が好ましいが、具体的には1分間に200〜3000回転が好ましく用いられる。
ドラムへの感光材料の固定方法は、機械的な手段によって固定させてもよいし、ドラム表面に吸引できる微小な穴を感光材料の大きさに応じて多数設けておき、感光材料を吸引して密着させることもできる。感光材料をドラムにできるだけ密着させることが画像ムラ等のトラブルを防ぐには重要である。
画像形成に用いる装置としては、複数の感光材料を予めセットしておき、適宜感光材料を選択して使用する方式を好ましく用いることができる。この場合、2種類の感光材料は、例えば幅の違う感光材料であったり、面質(支持体の凹凸)が異なる感光材料であったりすることができる。感光材料の選択は、画像形成装置のスイッチなどで設定する方式であっても、画像データとともに設定情報を送信し、それに基づいて選択されるのでもよい。また画像データのサイズに応じて最適な感光材料のサイズを自動的に選択することも有利に用いることができる。特別な場合には、同じ種類の感光材料を装填しておき、一方の感光材料が使い終わったとき、自動的に他方の感光材料を使うようにすることもでき、連続無人運転が可能となり有利に用いることができる。
本発明の特徴の一つは、露光機がハロゲン化銀カラー感光材料の温度に応じて露光条件を調整する機能を有することにある。これは露光ドラムに固定されたハロゲン化銀感光材料の表面温度を直接、または露光装置内の温度や露光ドラム表面温度から間接的に検知し、該表面温度情報に基づき露光量を制御する機能を有する露光装置を用いて露光を施すことを意味する。こうした機能を持たせることによって画像の均一性が高くなるだけでなく目標となる印刷物に対する近似性が高くなり好ましい。
本発明において、感光材料の表面温度を検知する手段として、その適用する方法に特に制限はなく、例えば、直接感光材料の表面温度を測定しても良く、あるいは露光装置内の雰囲気温度を測定したり、露光ドラム表面の温度を検知し、これらのデータから適正に感光材料の温度を想定して、露光条件を制御しても良い。露光装置内の雰囲気温度やドラムの表面温度の測定の方法としては、例えば、日本化学会編、「新実験化学講座1 基本操作I」84〜97ページ(1975)、丸善等に記載の室温領域で有効な温度測定手段を好ましく用いることができる。中でも、白金抵抗温度計、サーミスター、光温度計等が特に好ましく用いることができる。
本発明において、更に露光雰囲気の湿度を測定し露光量を調節する機能を持つことが好ましい。この場合、露光量を調整する時点での湿度センサーの出力に応じて露光量を調節してもよいし、装置の立ち上げ時の温湿度条件から露光量調整時には温度のみ測定し、これから湿り空気線図等から予測した湿度に応じて露光量調整を行うような簡略化した方法を用いてもよい。この場合、装置立ち上げ時の温湿度をデータとして入力するようにしてもよい。あるいは、露光雰囲気の湿度を調整する機能を有することが好ましい。
以下、本発明の好ましい実施態様を記載するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(1)支持体上に、それぞれ少なくとも1層のイエローカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層、マゼンタカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層及びシアンカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層を有し、該ハロゲン化銀乳剤層の全てが塩化銀含有率が95モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含むハロゲン化銀カラー感光材料において、該イエローカプラーが前記一般式(1)、(2)、(3a)及び(3b)で表される化合物であり、該マゼンタカプラーが前記一般式(II)で表される化合物であり、該シアンカプラーが前記一般式(III)で表される化合物であり、該ハロゲン化銀乳剤の少なくとも1種が、イリジウム錯体とイリジウム以外の周期律表第5族〜10族の金属原子を中心金属とし、ニトロシル配位子またはチオニトロシル配位子を有する金属錯体を含有し、前記一般式(IV)で表される化合物、前記一般式(V)で表される化合物及び無機イオウから選ばれる少なくとも1種を含有し、かつ金カルコゲン増感が施されていることを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
(1A)前記一般式(1)、(2)、(3a)及び(3b)で表されるイエローカプラーを含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
(1B)前記一般式(1)、(2)、(3a)及び(3b)で表されるイエローカプラーが、前記一般式(XII)で表される高沸点有機溶媒の少なくとも1種とともに分散されていることを特徴とする1Aに記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
(1C)前記一般式(1)、(2)、(3a)及び(3b)で表されるイエローカプラーが、前記一般式(XIII)で表される高沸点有機溶媒の少なくとも1種とともに分散されていることを特徴とする1Aに記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
(1D)前記一般式(II)で表されるマゼンタカプラーにおけるR12が1位で分岐したアルキル基であることを特徴とする(1A)〜(1C)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
(1E)前記一般式(II)で表されるマゼンタカプラーが、前記一般式(XIII)で表される高沸点有機溶媒の少なくとも1種とともに分散されていることを特徴とする(1D)に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
(1F)前記一般式(II)で表されるマゼンタカプラーが、前記一般式(XI)で表される高沸点有機溶媒の少なくとも1種とともに分散されていることを特徴とする(1D)に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
(1G)前記一般式(III)で表されるシアンカプラーが、前記一般式(XII)で表される高沸点有機溶媒の少なくとも1種とともに分散されていることを特徴とする(1A)〜(1F)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
(1H)前記ハロゲン化銀乳剤が、前記一般式(IV)で表される化合物または無機イオウを含有することを特徴とする(1A)〜(1G)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
(1I)前記ハロゲン化銀乳剤が、前記一般式(V)で表される化合物を含有することを特徴とする(1A)〜(1G)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
(1J)前記ハロゲン化銀乳剤が、前記一般式(XIV)で表される化合物を含有することを特徴とする(1A)〜(1I)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
(1K)前記ハロゲン化銀乳剤が、前記一般式(XV)で表される化合物を含有することを特徴とする(1A)〜(1I)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
(1L)前記ハロゲン化銀乳剤が、前記一般式(XVI)で表される化合物を含有することを特徴とする(1A)〜(1I)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
(1M)前記ハロゲン化銀乳剤が、前記一般式(XIV)〜一般式(XVI)で表される化合物の各々少なくとも1種を含有することを特徴とする(1A)〜(1I)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
(1N)前記ハロゲン化銀乳剤が、セレン増感されていることを特徴とする(1A)〜(1M)に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
(1O)前記ハロゲン化銀乳剤が、電気透析処理及び/または限外濾過処理されていることを特徴とする(1A)〜(1N)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
(2A)前記(1A)〜(1O)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料を露光後現像するカラー画像形成方法において、発色現像液が、現像主薬として芳香族1級アミン化合物を含有し、かつヒドロキシルアミン誘導体を含有し亜硫酸塩を実質的に含有せず、処理液のいずれかに前記一般式(VI)または前記一般式(VII)で表される化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする面積階調画像形成方法。
(2B)前記発色現像液が、前記一般式(XVII)で表されるヒドロキシルアミン誘導体を含有することを特徴とする(2A)に記載の面積階調画像形成方法。
(2C)前記発色現像液が、ベンジルアルコールを含有することを特徴とする(2A)または(2B)に記載の面積階調画像形成方法。
(3A)前記(1A)〜(1O)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料を露光後現像するカラー画像形成方法において、露光機がハロゲン化銀カラー感光材料の温度に応じて露光条件を調整する機能を有することを特徴とする面積階調画像形成方法。
(3B)前記ハロゲン化銀カラー感光材料の幅が、400mm以上であることを特徴とする(3A)に記載の面積階調画像形成方法。
(3C)前記露光機の解像度が1000dpi(dpiとは2.54cmあたりのドット数を表す)以上であることを特徴とする(3A)または(3B)に記載の面積階調画像形成方法。
(3D)前記露光機が露光終了後現像までの時間を調整する機能を有することを特徴とする(3A)〜(3C)のいずれか1項に記載の面積階調画像形成方法。
(3E)前記露光機が3値以上の露光量を使い分けて露光する機能を有することを特徴とする(3A)〜(3D)のいずれか1項に記載の面積階調画像形成方法。
(3F)前記露光機が10チャンネル以上を同時に書き込むことが可能な機能を有することを特徴とする(3A)〜(3E)のいずれか1項に記載の面積階調画像形成方法。
(3G)前記露光機が光源としてLEDを用いたことを特徴とする(3A)〜(3F)のいずれか1項に記載の面積階調画像形成方法。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
《ハロゲン化銀カラー感光材料の作製》
〔試料101の作製〕
片面に高密度ポリエチレンを、もう一方の面にアナターゼ型酸化チタンを15質量%の含有量で分散して含む溶融ポリエチレンをラミネートした、平米当たりの質量が115gのポリエチレンラミネート紙反射支持体(テーバー剛度=3.5、PY値=2.7μm)上に、下記表1、表2に示す層構成の各層を酸化チタンを含有するポリエチレン層の側に塗設し、更に裏面側にはゼ ラチン6.00g/m2、シリカマット剤0.65g/m2を塗設した多層ハロゲン化銀カラー感光材料である試料101を作製した。
カプラーは、表1に記載の高沸点溶媒に溶解して超音波分散し、分散物として添加したが、この時、界面活性剤として(SU−1)を用いた。又、硬膜剤として(H−1)、(H−2)を添加した。塗布助剤としては、界面活性剤(SU−2)、(SU−3)を添加し、表面張力を調整した。また各層に(F−1)を全量が0.04g/m2となるように添加した。
Figure 2005275352
上記試料101の作製に用いた各添加剤の詳細は以下の通りである。
SU−1:トリ−i−プロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム
SU−2:スルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)・ナトリウム塩
SU−3:スルホ琥珀酸ジ(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)・ナトリウム塩
H−1:テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン
H−2:2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン・ナトリウム
HQ−1:2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン
HQ−2:2,5−ジ((1,1−ジメチル−4−ヘキシルオキシカルボニル)ブチル)ハイドロキノン
HQ−3:2,5−ジ−sec−ドデシルハイドロキノンと2,5−ジ−secテトラデシルハイドロキノンと2−sec−ドデシル−5−sec−テトラデシルハイドロキノンの質量比1:1:2の混合物
HQ−4:2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン
PVP:ポリビニルピロリドン
Figure 2005275352
Figure 2005275352
Figure 2005275352
また、上記試料101の作製に用いた各ハロゲン化銀乳剤は、下記の方法に従って調製した。
(青感光性ハロゲン化銀乳剤の調製)
40℃に保温した2%ゼラチン水溶液1リットル中に、下記(A液)及び(B液)をpAg=7.3、pH=3.0に制御しつつ同時添加し、更に下記(C液)及び(D液)をpAg=8.0、pH=5.5に制御しつつ同時添加した。この時、pAgの制御は特開昭59−45437号記載の方法により行い、pHの制御は硫酸または水酸化ナトリウム水溶液を用いて行った。
(A液)
塩化ナトリウム 3.42g
臭化カリウム 0.03g
水を加えて200mlに仕上げた
(B液)
硝酸銀 10g
水を加えて200mlに仕上げた
(C液)
塩化ナトリウム 102.7g
ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム 4×10-8モル
ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム 2×10-5モル
臭化カリウム 1.0g
水を加えて600mlに仕上げた
(D液)
硝酸銀 300g
水を加えて600mlに仕上げた
添加終了後、花王アトラス社製のデモールNの5%水溶液と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行った後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.71μm、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤であるEMP−101を得た。
上記EMP−101に対し、下記化合物を用いて60℃にて最適に化学増感を行い、青感性ハロゲン化銀乳剤であるEm−B101を得た。なお、下記に記載のAgXは、ハロゲン化銀を表す。
チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モルAgX
塩化金酸 0.5mg/モルAgX
安定剤:STAB−1 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−2 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−3 3×10-4モル/モルAgX
増感色素:BS−1 4×10-4モル/モルAgX
増感色素:BS−2 1×10-4モル/モルAgX
臭化カリウム 0.2g/モルAgX
次いで、上記EMP−101の調製において、(A液)と(B液)の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変更した以外は同様にして、平均粒径0.64μm、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤であるEMP−102を得た。
上記Em−B101の調製において、EMP−101に代えてEMP−10を用いた以外同様にしてEm−B102を調製し、Em−B101とEm−B102の1:1の混合物を青感光性ハロゲン化銀乳剤として使用した。
(緑感光性ハロゲン化銀乳剤の調製)
EMP−101の調製において、(A液)及び(B液)、(C液)及び(D液)の添加時間を変更した以外は同様にして、平均粒径0.40μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤であるEMP−103を得た。
上記EMP−103に対し、下記化合物を用い55℃にて最適に化学増感を行い、緑感性ハロゲン化銀乳剤であるEm−G101を得た。
チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モルAgX
塩化金酸 1.0mg/モルAgX
安定剤:STAB−1 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−2 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−3 3×10-4モル/モルAgX
増感色素:GS−1 1×10-4モル/モルAgX
増感色素:GS−2 1×10-4モル/モルAgX
増感色素:GS−3 2×10-4モル/モルAgX
塩化ナトリウム 0.5g/モルAgX
次いで、EMP−103の調製において、(A液)と(B液)の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変更した以外は同様にして、平均粒径0.50μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤であるEMP−104を得た。
上記Em−G101の調製において、EMP−103に代えてEMP−104を用いた以外同様にしてEm−G102を調製し、Em−G101とEm−G102の1:1の混合物を緑感光性ハロゲン化銀乳剤として使用した。
(赤感性ハロゲン化銀乳剤の調製)
前記EMP−103に対し、下記化合物を用い60℃にて最適に化学増感を行い、赤感光性ハロゲン化銀乳剤であるEm−R101を得た。
チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX
塩化金酸 2.0mg/モルAgX
安定剤:STAB−1 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−2 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−3 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−4 1×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−1 1×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−2 1×10-4モル/モルAgX
強色増感剤:SS−1 2×10-4モル/モルAgX
次いで、前記EMP−103に対し、下記化合物を用いて60℃にて最適に化学増感を行い、赤感光性ハロゲン化銀乳剤であるEm−R102を得た。
チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX
塩化金酸 2.0mg/モルAgX
安定剤:STAB−1 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−2 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−3 2×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−1 2×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−2 2×10-4モル/モルAgX
強色増感剤:SS−1 2×10-4モル/モルAgX
上記調製したEm−R101とEm−R102の1:1の混合物を、赤感光性ハロゲン化銀乳剤として使用した。
STAB−1:1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール
STAB−2:1−(4−エトキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
STAB−3:1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
Figure 2005275352
〔試料102の作製〕
上記試料101の作製において、第7層(青感光性層)及び第3層(赤感光性層)の構成を、下記表2のように変更した以外は同様にして、試料102を作製した。
Figure 2005275352
〔試料103の作製〕
試料102の作製において、Em−B101とEm−B102に代えて、それぞれ下記Em−B111とEm−B112を用い、Em−G101とEm−G102に代えて、それぞれ下記Em−G111とEm−G112を用い、Em−R101とEm−R102に代えて、それぞれ下記Em−R111とEm−R112を用いた以外同様にして、試料103を作製した。
(青感光性ハロゲン化銀乳剤の調製)
前記EMP−101、102の調製において、C液に例示化合物(dopt−2)を1×10-8モル添加した以外同様にして、EMP−111、112を調製した。
上記EMP−111、112に対し、下記化合物を用い60℃にて最適に化学増感を行い、青感光性ハロゲン化銀乳剤Em−B111、Em−B112を得た。
チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モルAgX
塩化金酸 0.5mg/モルAgX
安定剤:STAB−1 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−2 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−3 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:例示化合物(V−1) 1×10-4モル/モルAgX
増感色素:BS−1 4×10-4モル/モルAgX
増感色素:BS−2 1×10-4モル/モルAgX
臭化カリウム 0.2g/モルAgX
(緑感光性ハロゲン化銀乳剤の調製)
前記EMP−103、104の調製において、C液に例示化合物(dopt−1)を0.8×10-8モル添加した以外同様にして、EMP−113、114を調製した。
上記EMP−113、114に対し、下記化合物を用い55℃にて最適に化学増感を行い、緑感光性ハロゲン化銀乳剤であるEm−G111、G112を得た。
チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モルAgX
塩化金酸 1.0mg/モルAgX
安定剤:STAB−1 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−2 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−3 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:例示化合物(V−1) 1.3×10-4モル/モルAgX
増感色素:GS−1 1×10-4モル/モルAgX
増感色素:GS−2 1×10-4モル/モルAgX
増感色素:GS−3 2×10-4モル/モルAgX
塩化ナトリウム 0.5g/モルAgX
(赤感光性ハロゲン化銀乳剤の調製)
前記EMP−103の調製において、C液に例示化合物(dopt−1)を0.4×10-8モル添加した以外同様にして、EMP−115を調製した。
上記EMP−115に対し、下記化合物を用い60℃にて最適に化学増感を行い、赤感光性ハロゲン化銀乳剤であるEm−R111を得た。
チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX
塩化金酸 2.0mg/モルAgX
安定剤:STAB−1 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−2 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−3 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:例示化合物(V−1) 1.5×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−1 1×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−2 1×10-4モル/モルAgX
強色増感剤:SS−1 2×10-4モル/モルAgX
次いで、上記EMP−115に対し、下記化合物を用いて60℃にて最適に化学増感を行い、赤感光性ハロゲン化銀乳剤であるEm−R112を得た。
チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX
塩化金酸 2.0mg/モルAgX
安定剤:STAB−1 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−2 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−3 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:例示化合物(V−1) 1.3×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−1 2×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−2 2×10-4モル/モルAgX
強色増感剤:SS−1 2×10-4モル/モルAgX
〔試料104の作製〕
上記試料103の作製において、第7層(青感光性層)で用いたイエローカプラーを例示カプラー(1)−1に代えて、例示カプラー(2)−1を用いた以外は同様にして、試料104を作製した。
〔試料105の作製〕
上記試料103の作製において、第7層(青感光性層)で用いたイエローカプラーを例示カプラー(1)−1に代えて、例示カプラー3a−4を用いた以外は同様にして、試料105を作製した。
〔試料106の作製〕
上記試料103の作製において、第7層(青感光性層)で用いたイエローカプラーを例示カプラー(1)−1に代えて、例示カプラー3b−2を用いた以外は同様にして、試料106を作製した。
〔試料107の作製〕
上記試料103の作製において、第7層(青感光性層)で用いたイエローカプラーを例示カプラー(1)−1に代えて、例示カプラー(1)−14を用いた以外は同様にして、試料107を作製した。
〔試料108の作製〕
上記試料103の作製において、第7層(青感光性層)で用いたイエローカプラーを例示カプラー(1)−1に代えて、例示カプラー(1)−16を用いた以外は同様にして、試料108を作製した。
〔試料109の作製〕
上記試料103の作製において、第7層(青感光性層)で用いたイエローカプラーを例示カプラー(1)−1に代えて、例示カプラー(1)−17を用いた以外は同様にして、試料109を作製した。
〔試料110の作製〕
上記試料103の作製において、第7層(青感光性層)で用いたイエローカプラーを例示カプラー(1)−1に代えて、例示カプラー(1)−20を用いた以外は同様にして、試料110を作製した。
〔試料111の作製〕
上記試料103の作製において、第7層(青感光性層)で用いたイエローカプラーを例示カプラー(1)−1に代えて、例示カプラー(1)−22を用いた以外は同様にして、試料111を作製した。
〔試料112の作製〕
上記試料103の作製において、第7層(青感光性層)で用いたイエローカプラーを例示カプラー(1)−1に代えて、例示カプラー(2)−9を用いた以外は同様にして、試料112を作製した。
〔試料113の作製〕
上記試料103の作製において、第7層(青感光性層)で用いたイエローカプラーを例示カプラー(1)−1に代えて、例示カプラー3a−6を用いた以外は同様にして、試料113を作製した。
〔試料114の作製〕
上記試料103の作製において、第7層(青感光性層)で用いたイエローカプラーを例示カプラー(1)−1に代えて、例示カプラー3a−10を用いた以外は同様にして、試料114を作製した。
〔試料115の作製〕
上記試料103の作製において、第7層(青感光性層)で用いたイエローカプラーを例示カプラー(1)−1に代えて、例示カプラー3b−10を用いた以外は同様にして、試料115を作製した。
〔試料116の作製〕
上記試料103の作製において、第7層(青感光性層)で用いたイエローカプラーを例示カプラー(1)−1に代えて、例示カプラー(1)−18を用いた以外は同様にして、試料116を作製した。
以上の様にして作製した各試料を、35℃で10日間保管した後、600mm幅に切断した。
《露光及び現像処理》
光源として、BのLEDを主走査方向に10個並べ露光のタイミングを少しづつ遅延させることによって同じ場所を10個のLEDで露光できるように調整した。また、副走査方向にも10個のLEDを並べ隣接する10画素分の露光が1度にできる露光ヘッドを準備した。G、Rも同様にLEDを組み合わせて露光ヘッドを準備した。各ビームの径は約10μmで、この間隔でビームを配列し、副走査のピッチは約100μmとした。1画素当たりの露光時間は、約100ナノ秒であった。なお、この露光装置は、恒温恒湿室に設置し温湿度を変化させて露光できるようにした。
試料は、1mの長さに切断してドラムに巻き付け、吸引して密着した状態で1100rpmで回転させ、回転が安定したところでL*が30、a*が0、b*が0となる条件で露光を行った。露光時の環境条件は、20℃、50%RH、35℃、50%RHの2つの条件に設定し、上記露光を施した後、下記の現像処理A、Bを行った。補充量は、処理した各試料1m2当たりで示した。
得られた色素画像を、50mm間隔でコニカミノルタセンシング社製の分光測色計CM−2022を用い、照明と受光の幾何条件d−0、キセノンパルス光源を用いて測色し、2°視野補助標準の光D50で、L***の値を求めた。この測定値の中での最大の色差を評価値とした。
〔現像処理〕
(処理A)
〈処理工程〉 〈処理温度〉 〈処理時間〉 〈補充量〉
発色現像 33.0±0.3℃ 120秒 80ml
漂白定着 33.0±0.5℃ 90秒 120ml
安定化 30〜34℃ 60秒 150ml
乾燥 60〜80℃ 30秒
〈発色現像液タンク液及び補充液〉 タンク液 補充液
純水 800ml 800ml
トリエチレンジアミン 2g 3g
ジエチレングリコール 10g 10g
臭化カリウム 0.01g −
塩化カリウム 3.5g −
N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)−4−アミノアニリン硫酸塩
2.9g 4.8g
N,N−ジスルホエチルヒドロキシルアミン 20.4g 18.0g
トリエタノールアミン 10.0g 10.0g
ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム塩 2.0g 2.0g
炭酸カリウム 30g 30g
水を加えて全量を1リットルとし、タンク液はpH=10.0に、補充液はpH=10.6に調整した。
〈漂白定着液タンク液及び補充液〉
ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 65g
ジエチレントリアミン五酢酸 3g
チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100ml
2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール 2.0g
亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5ml
水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウムまたは氷酢酸でpH=5.0に調整した。
〈安定化液タンク液及び補充液〉
o−フェニルフェノール 1.0g
5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g
ジエチレングリコール 1.0g
蛍光増白剤(チノパールSFP) 0.3g
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 0.5g
硫酸亜鉛 0.5g
硫酸マグネシウム・7水塩 0.2g
PVP(ポリビニルピロリドン) 1.0g
アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.5g
ニトリロ三酢酸・三ナトリウム塩 1.5g
水を加えて全量を1リットルとし、硫酸またはアンモニア水でpH=7.5に調整した。
(処理B)
〈処理工程〉 〈処理温度〉 〈処理時間〉 〈補充量〉
発色現像 37.0±0.3℃ 120秒 80ml
漂白定着 37.0±0.5℃ 90秒 120ml
安定化 34〜38℃ 60秒 150ml
乾燥 60〜80℃ 30秒
処理液は、上記処理Aで用いた発色現像液タンク液及び補充液に、それぞれ臭化カリウムの量を0.2gとした以外同様にして、処理Bとした。
以上により得られた最大の色差を、表3に示す。
Figure 2005275352
表3に記載の結果より、露光温度が高い方が潜像変動の速度が速いものと思われ、最大色差自体は小さくなる。また、処理AとBでは、処理Aの方が変動が大きい。処理Bは現像抑制効果をもつ臭化カリウムの量が多く、温度を高めることによって同じ現像時間で画像が得られるようにしたものであるが、現像液処方によっても変動に差があらわれることが分かる。このように種々の条件によって潜像変動の挙動が変化してしまうことは仕上がりの画質が変動することであり、好ましくない。このような環境下において、本発明の試料103〜106では、いずれの条件においても最大色差が小さく、またその変動自体も少ないことがわかる。
このことは、本発明に係るカプラーの組み合わせは、色再現上は優れたものであるが、試料102の結果から分かるように変動要因があった場合に視覚的にそれが目立ちやすいという欠点を有している。これに対し、本発明の試料103〜106は、こうした欠点を補い、好ましい色再現が得られるという効果を最大限に発揮することができるものである。
実施例2
実施例1に記載の試料103の作製において、EMP−111、112の調製に用いたC液の例示化合物(dopt−2)を量をそれぞれ0.5×10-8モル、1.3×10-8モル、1.5×10-8モルに変更した以外同様にし、化学増感の時間を適宜変更して各ハロゲン化銀乳剤を調製し、これを用いた以外は同様にして試料201〜203を作製した。この試料201〜203について、実施例1と同様にして露光及び現像処理を行い、最大の色差を求め、得られた結果を表4に示す。
Figure 2005275352
表4に記載の結果より、例示化合物(dopt−2)の量を変化させることにより、潜像変動の程度を変えることができることが分かった。
実施例3
実施例1に記載の試料102、103の作製において、第7層のイエローカプラーを等モルの例示化合物(1)−3、(1)−9、(2)−3、(2)−5、3a−1、3a−2、3b−1、Y−1と3b−6の等モル混合物、(1)−14、(1)−16、(1)−18、(1)−22、(2)−10、3a−6、3a−10、3b−10、Y−1と3b−6の等モル混合物に置き換えて、更に実施例2で調製したハロゲン化銀乳剤とを表5に記載の組み合わせで用いた以外は同様にして試料211〜227を作製し、実施例1と同様にして露光及び現像処理を行い、最大の色差を求め、得られた結果を表5に示す。
Figure 2005275352
表5に記載の結果より、カプラーに応じて最適な例示化合物(dopt−2)の量を変える必要があるが、いずれもほぼ同程度の色差に調整することができた。カプラーの変更に伴う潜像変動特性の変化を修正するのに有力な手段となることが分かる。
実施例4
実施例1に記載の試料103の作製において、第3層の赤感光性ハロゲン化銀乳剤の調製に用いた例示化合物(dopt−1)の量を変化させ、かつ、第3層のマゼンタカプラー(II−2)を、等モルの例示化合物(II−19)、(II−23)に置き換えて、実施例1と同様にして露光及び現像処理を行い、最大の色差を求めた結果、実施例1に記載の試料103と同様の効果が得られることが分かった。
実施例5
実施例1に記載の試料102、103の作製において、青感光性ハロゲン化銀乳剤の調製の際のC液に添加した例示化合物(XIV−2)を、等モルの例示化合物(XIV−4)、(XV−4)、(XVI−1)に変更して同様の評価を行ったところ、例示化合物(dopt−2)の量を±20%の範囲内で調整することによって、本発明の効果を得ることができることを確認することができた。
また、試料103の作製において、化学増感に用いた例示化合物(V−1)を、αイオウの5×10-7モル、例示化合物(IV−19)の5×10-7モル、例示化合物(IV−14)の4×10-5モル、例示化合物(IV−6)の4×10-5モルにそれぞれ変更した以外は同様にして各試料を作製し、実施例1と同様にして露光及び現像処理を行い、最大の色差を求めた結果、いずれも本発明の効果が得られることが確かめられた。併せて、L*=20、a*=0、b*=0を目標として出力した場合について評価したところ、αイオウ、例示化合物(V−1)を用いた試料が、特にこの領域でも優れた効果を示すことが確認できた。
実施例6
JIS X9201−1995の高精細カラーディジタル標準画像に記載された自然画像(N1:ポートレート、N3:果物かご、N5:自転車)を組み合わせ、更に銀の特色を帯状に重ねたパターンを用意し、面積階調画像データを作成した。実施例1、2で作製した試料101〜103、211〜218を用いて環境条件、現像処理条件を変えてプルーフ画像を作成した結果、試料101に対し、いずれも色再現性に優れた画像を得ることができた。しかし、試料218は緑の再現がややくすんだ感じであり、黄色がやや赤味がかった再現であった。試料102は、銀の特色の部分で画面内で色調が変化していることが分かったが、その他の試料では気になるような変動は認められなかった。
次に、処理Aで用いた発色現像処理液において、例示化合物(VI−3)をタンク液に4g、補充液に7g、例示化合物(VII−3)をタンク液に3g、補充液に5g添加して、実施例1に記載の方法に従って最大の色差について評価を行った結果、本発明の効果が得られることを確かめた。これらの試料は、いずれも白地性に優れ、印刷用紙に近い高明度の白が再現されたため、ハイライトの描写性に優れたプルーフ画像を得ることができた。

Claims (5)

  1. 支持体上に、それぞれ少なくとも1層のイエローカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層、マゼンタカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層及びシアンカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層を有し、該ハロゲン化銀乳剤層の全てが塩化銀含有率が95モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含むハロゲン化銀カラー感光材料において、
    該イエローカプラーが下記一般式(1)で表される化合物であり、該マゼンタカプラーが下記一般式(II)で表される化合物であり、該シアンカプラーが下記一般式(III)で表される化合物であり、
    該ハロゲン化銀乳剤の少なくとも1種が、イリジウム錯体とイリジウム以外の周期律表第5族〜10族の金属原子を中心金属とし、ニトロシル配位子またはチオニトロシル配位子を有する金属錯体を含有し、下記一般式(IV)で表される化合物、下記一般式(V)で表される化合物及び無機イオウから選ばれる少なくとも1種を含有し、かつ金カルコゲン増感が施されていることを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
    Figure 2005275352
    〔式中、Rはアルキル基、アリール基または水素原子を表し、R1、R2、R3はそれぞれ水素原子または置換基を表す。また、R、R1、R2、R3のいずれか二つが互いに結合して環を形成してもよい。R4、R5はそれぞれ置換基を表し、m1は0〜4の整数を表す。L1は現像主薬酸化体とのカップリング反応において脱離可能な基を表す。〕
    Figure 2005275352
    〔式中、R11、R12は各々置換基を表し、Y1は水素原子または発色現像主薬酸化体とカップリングする時に脱離しうる基を表す。〕
    Figure 2005275352
    〔式中、R1は水素原子または置換基を表し、R2は置換基を表す。mは置換基R2の数を示す。mが0の時、R1はハメットの置換基定数σpが0.20以上の電子吸引性基を表し、mが1または2以上の時、R1及びR2の少なくとも一つはハメットの置換基定数σpが0.20以上の電子吸引性基を表す。Z1はベンゼン環等が縮合していてもよい含窒素複素5員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。X1は、各々水素原子または発色現像主薬の酸化体とカップリング反応により離脱する基を表す。〕
    一般式(IV)
    11−(S)m−R12
    〔式中、R11及びR12は、各々脂肪族基、芳香族基またはヘテロ環基を表す。また、R11またはR12はSと結合して環を形成することができる原子群を表す。mは2〜6の整数を表す。〕
    一般式(V)
    21−SO2S−M21
    〔式中、R21は脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。M21は水素原子または一価の陽イオンを表す。〕
  2. 支持体上に、それぞれ少なくとも1層のイエローカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層、マゼンタカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層及びシアンカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層を有し、該ハロゲン化銀乳剤層の全てが塩化銀含有率が95モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含むハロゲン化銀カラー感光材料において、
    該イエローカプラーが下記一般式(2)で表される化合物であり、該マゼンタカプラーが前記一般式(II)で表される化合物であり、該シアンカプラーが前記一般式(III)で表される化合物であり、
    該ハロゲン化銀乳剤の少なくとも1種が、イリジウム錯体とイリジウム以外の周期律表第5族〜10族の金属原子を中心金属とし、ニトロシル配位子またはチオニトロシル配位子を有する金属錯体を含有し、前記一般式(IV)で表される化合物、前記一般式(V)で表される化合物及び無機イオウから選ばれる少なくとも1種を含有し、かつ金カルコゲン増感が施されていることを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
    Figure 2005275352
    〔式中、R7は置換基を表し、R8はアルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表す。R9、R10はそれぞれ置換基を表す。n2は0〜5の整数を表し、m2は0〜4の整数を表す。L2は現像主薬酸化体とのカップリング反応において脱離可能な基を表す。〕
  3. 支持体上に、それぞれ少なくとも1層のイエローカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層、マゼンタカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層及びシアンカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層を有し、該ハロゲン化銀乳剤層の全てが塩化銀含有率が95モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含むハロゲン化銀カラー感光材料において、
    該イエローカプラーが下記一般式(3a)または(3b)で表される化合物であり、該マゼンタカプラーが前記一般式(II)で表される化合物であり、該シアンカプラーが前記一般式(III)で表される化合物であり、
    該ハロゲン化銀乳剤の少なくとも1種が、イリジウム錯体とイリジウム以外の周期律表第5族〜10族の金属原子を中心金属とし、ニトロシル配位子またはチオニトロシル配位子を有する金属錯体を含有し、前記一般式(IV)で表される化合物、前記一般式(V)で表される化合物及び無機イオウから選ばれる少なくとも1種を含有し、かつ金カルコゲン増感が施されていることを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
    Figure 2005275352
    〔一般式(3a)中、R11はアルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、L3は水素原子または環内に窒素原子を2つ以上持つ芳香族複素環基を表す。
    一般式(3b)中、R12はアルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、R13はアルキル基、アルコキシ基または水素原子を表す。L4は現像主薬酸化体とのカップリング反応において脱離可能な基を表す。〕
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料に露光を施した後、現像処理により面積階調画像を形成する面積階調画像形成方法において、発色現像液が、発色現像主薬として芳香族1級アミン化合物と、ヒドロキシルアミン誘導体とを含有し、亜硫酸塩を実質的に含有せず、かつ該現像処理で用いる処理液の少なくとも1液が、下記一般式(VI)または一般式(VII)で表される化合物を含有することを特徴とする面積階調画像形成方法。
    Figure 2005275352
    〔式中、R11、R12はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R13、R14はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、またはアリール基を表し、R15、R16はそれぞれ独立に下記一般式(VI−A)で表される基を表し、Rwは水素原子、下記一般式(VI−A)で表される基、または−CH2CH2SO3Mを表し、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基またはピリジニウム基を表す。R13とR15、R14とR16は互いに結合して環を形成してもよい。〕
    Figure 2005275352
    〔式中、Aは水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基または1−ヒドロキシプロピル基を表し、Aは同一でも異なっていてもよい。f、h及びjはそれぞれ1または2を表し、g、i及びkはそれぞれ0または1を表す。〕
    Figure 2005275352
    〔式中、R21〜R24はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R21〜R24のうち少なくとも一つは、前記一般式(VI−A)で表される基を表す。R21とR22、R23とR24はそれぞれ互いに結合して環を形成しても良い。Lは2価の連結基を表し、nは1以上の整数を表す。〕
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料に露光を施した後、現像処理により面積階調画像を形成する面積階調画像形成方法において、該露光に用いる露光機が、該ハロゲン化銀カラー感光材料の温度に応じて露光条件を調整する機能を有することを特徴とする面積階調画像形成方法。
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