JP2005273480A - 可変容量型圧縮機 - Google Patents

可変容量型圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP2005273480A
JP2005273480A JP2004084924A JP2004084924A JP2005273480A JP 2005273480 A JP2005273480 A JP 2005273480A JP 2004084924 A JP2004084924 A JP 2004084924A JP 2004084924 A JP2004084924 A JP 2004084924A JP 2005273480 A JP2005273480 A JP 2005273480A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
chamber
compressor
passage
sensitive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004084924A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichi Yamamoto
清一 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanden Corp
Original Assignee
Sanden Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanden Corp filed Critical Sanden Corp
Priority to JP2004084924A priority Critical patent/JP2005273480A/ja
Publication of JP2005273480A publication Critical patent/JP2005273480A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)

Abstract

【課題】 圧縮機による最小吐出容量状態からの起動性の悪化を解消することができるとともに、圧縮機の改修作業の容易化をも図ることができる可変容量型圧縮機を提供する。
【解決手段】 冷媒回路の吸入圧力領域(20)から吸入した冷媒を圧縮し、中間圧力領域(15)の圧力調整によって吐出容量を変更して圧縮冷媒ガスを吐出圧力領域(25)に吐出する可変容量型圧縮機(2)であって、圧縮機は、吐出圧力領域と中間圧力領域との間を外部からの制御(40)に応じて連通可能な第1通路(26、30、31)と、中間圧力領域と吸入圧力領域との間を絞り(24)によって常時連通する第2通路(22)と、圧縮機による最小吐出容量状態からの起動時に、中間圧力領域と吸入圧力領域との間を内部の圧力変動(60)に応じて連通可能な第3通路(34、35、38)とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、可変容量型圧縮機に係り、詳しくは、車両用空調装置の冷媒回路を構成する圧縮機に用いられて好適な可変容量型圧縮機に関する。
この種の圧縮機は冷凍回路を構成し、例えば自動車ではエンジンルーム内に配置される。より具体的には、この圧縮機はエンジンルームと車室との間を区画するインストルメントパネル内に配置された蒸発器に循環経路の復路を介して接続され、この回路の往路には凝縮器及び膨張弁が介挿されている。そして、圧縮機は冷媒を上記循環経路の復路から吸い込んで圧縮し、この圧縮した冷媒ガスを凝縮器に向けて吐出する。
この圧縮機としては、上記復路の吸入圧力領域から吸入した冷媒を自動車のエンジンからの動力に基づいて圧縮し、この圧縮機内部の中間圧力領域の圧力調整によって吐出容量を変更し、圧縮された冷媒ガスを上記往路の吐出圧力領域に吐出する可変容量型圧縮機が用いられる。
そして、上記エンジンからの動力伝達は電磁クラッチ機構を介して行われているが、この機構によるONとOFFとの動作は自動車の走行フィーリングの悪化を招くことに鑑み、この電磁クラッチ機構を備えない可変容量型圧縮機(特許文献1)も知られている。
特開平7−127569号公報
ところで、上記冷媒については、地球環境を考慮する観点からHFC−134aの代替冷媒として、HFC−152aを初めとする各種の可燃性冷媒の検討がなされている。例えば、このHFC−152aでは地球温暖化係数(GWP)がHFC−134aよりも特に低く、環境負荷の低減に貢献する。
しかしながら、上記各種の可燃性冷媒の中には、現行冷媒HFC−134aに比して大きな比容積を有するものがある。そして、当該大きな比容積を有する液冷媒が上記中間圧力領域に入り込むと、この液冷媒が蒸発して膨張し、この中間圧力領域内の圧力の上昇を招いてしまうとの問題がある。
この点につき、斜板式の可変容量型圧縮機を例に挙げて具体的に述べれば、この中間圧力領域たるクランク室内の圧力が上昇すると、圧縮機による最小吐出容量状態からの起動時にクランク室内の圧力低下を速やかに行えないことから、圧縮機の斜板が最大傾斜角に移行せずに不安定になるか、或いは圧縮機の起動自体が困難になることが懸念される。換言すれば、圧縮機の吐出容量を速やかに増加できず、圧縮機の起動性の悪化によって乗員の快適性が損なわれるとの問題が生ずる。
また、この問題を解決する際には、可変容量型圧縮機の改修作業の点にも留意しなければならない。可変容量型圧縮機の改修作業に多くの手間を必要とする場合には、製造コストの増加の他、代替冷媒への迅速な移行に悪影響を及ぼすからである。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、圧縮機による最小吐出容量状態からの起動性の悪化を解消することができるとともに、圧縮機の改修作業の容易化をも図ることができる可変容量型圧縮機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく、請求項1記載の可変容量型圧縮機は、冷媒回路の吸入圧力領域から吸入した冷媒を圧縮し、中間圧力領域の圧力調整によって吐出容量を変更して圧縮冷媒ガスを吐出圧力領域に吐出する可変容量型圧縮機であって、圧縮機は、吐出圧力領域と中間圧力領域との間を外部からの制御に応じて連通可能な第1通路と、中間圧力領域と吸入圧力領域との間を絞りによって常時連通する第2通路と、圧縮機による最小吐出容量状態からの起動時に、中間圧力領域と吸入圧力領域との間を内部の圧力変動に応じて連通可能な第3通路とを備えることを特徴としている。
また、請求項2記載の発明では、第3通路には感圧制御弁が配設され、感圧制御弁は、中間圧力領域からの圧力を受容して閉弁される弁体を有する弁室と、弁室と吸入圧力領域との間を繋ぐ連絡室と、連絡室内の圧力変動に応じて変位する感圧部材を有し、感圧部材を介して連絡室に対峙する感圧室とを備え、感圧部材は、起動時には弁体を開弁させる方向に変位することを特徴としている。
更に、請求項3記載の発明では、感圧室は起動時に弁体を開弁させる方向に付勢するばねを有することを特徴としている。
更にまた、請求項4記載の発明では、感圧制御弁は感圧室と連絡室との間を絞りによって常時連通する第4通路を備えることを特徴としている。
また、請求項5記載の発明では、圧縮機にはHFC−152aの冷媒が用いられることを特徴としている。
更に、請求項6記載の発明では、圧縮機はクラッチレスタイプの圧縮機であることを特徴としている。
更にまた、請求項7記載の発明では、第3通路には電磁制御弁が配設され、電磁制御弁は中間圧力領域の圧力を速やかに低下させるべく通電されることを特徴としている。
従って、請求項1記載の本発明の可変容量型圧縮機によれば、圧縮機による最小吐出容量状態からの起動時には、絞りによって常時連通する第2通路と、内部の圧力変動に応じて連通可能な第3通路との2ルートが中間圧力領域と吸入圧力領域との間を繋いでいる。よって、この時点の中間圧力領域内の圧力は速やかに低下し、この圧力の上昇に伴う圧縮機の起動性の悪化を解消することができ、乗員の快適性を維持できる。
しかも、この圧縮機の改修作業は、外部からの制御に応じて連通可能にする圧縮機の構成に対して、内部の圧力変動に応じて連通可能にする構成を追加すれば済むことになる。この結果、圧縮機の改修作業が容易になる。
また、請求項2記載の発明によれば、圧縮機による最小吐出容量状態からの起動時には感圧制御弁の弁室及び連絡室の圧力が下がり、この連絡室と感圧室との間には圧力差が生じるので、弁室内の弁体が開弁される。これにより、中間圧力領域内の圧力を速やかに低下させるための2ルートを確実に確保することができる。
また、この第3通路に配設される感圧制御弁は、ECU等を用いる電気的な構成ではなく、機械的な構成であることから、制御の容易化が図られるとともに、圧縮機の耐久性向上にも繋がる。
更に、請求項3記載の発明によれば、ばねによっても弁室内の弁体を開弁させることから、上記2ルートがより一層確実に確保可能となる。
更にまた、請求項4記載の発明によれば、連絡室と感圧室との間に生ずる圧力差を最小吐出容量状態の起動時からの一定期間にのみ行わせることが可能となり、この最小吐出容量状態の起動時における第3通路がよりスムーズに確保できる。
また、請求項5記載の発明によれば、HFC−134aよりも大きな比容積を有するHFC−152aの冷媒を用いた場合にも、中間圧力領域内の圧力を速やかに低下させることができる。しかも、地球温暖化係数の低い冷媒を用いれば環境負荷の低減にも貢献できる。
更に、請求項6記載の発明によれば、圧縮機側のショックが少なくなり、運転フィーリングの悪化を防止できる。
更にまた、請求項7記載の発明によれば、上述の圧縮機の最大吐出容量運転が選択されている場合の他、圧縮機の吸入過熱度の状況に応じた通電も可能となり、より緻密な吐出容量制御が可能となる。
以下、図面により本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の可変容量型圧縮機はHFC−152aの冷媒を用いた斜板式の可変容量型圧縮機2に適用される。
当該圧縮機2は車両用空調装置の冷媒回路を構成し、この圧縮機2はハウジング3を備え、このハウジング3の後方側にはシリンダヘッド5が接合される。
ハウジング3はシリンダヘッド5に向けて大径となる筒形状をなし、それぞれ開口した両端を有する。ハウジング3内にはクランク室(中間圧力領域)15が形成されている。そして、クランク室15内にはシャフト6が配置されている。このシャフト6は段付き形状なし、一端側の第1軸部7と、他端側の第2軸部8とを有する。第1軸部7はハウジング3から突出し、その突出端には駆動ディスク85がナット86を介して取り付けられている。この駆動ディスク85は電磁クラッチ87を介して駆動プーリ9に連結されており、駆動プーリ9はハウジング3に回転自在に支持されている。
そして、電磁クラッチ87がON作動されたときには、電磁クラッチ87は駆動プーリ9と駆動ディスク85とを一体的に連結し、駆動ディスク85、すなわち、シャフト6を駆動プーリ9とともに一方向に回転させる。これに対し、電磁クラッチ87がOFF作動されたときには、電磁クラッチ87は駆動プーリ9と駆動ディスク85との間の連結を解除し、駆動プーリ9からシャフト6の動力の伝達を断つ。
第2軸部8は軸受12、32を介してハウジング3に回転自在に支持されている。また、第2軸部8にはシャフト6の回転を斜板10に伝達するアーム19が固定されている。更に、第2軸部8にはスリーブ28が外側から摺動自在に嵌合され、このスリーブ28にはアーム19との間にスプリング29が介在されている。このスプリング29はシャフト6の軸線方向にてスリーブ28をシリンダヘッド5側に押圧付勢している。
アーム19と斜板10とはピン係合孔17及びピン18を介して連結されている。また、斜板10にはスリーブ係合孔11が設けられており、このスリーブ係合孔11は斜板10の傾動を所定の傾斜角範囲に亘って許容すべく、その形状が設定されている。このように、斜板10はシャフト6の回転軸線に直交する仮想面に対して傾斜可能に構成され、斜板10はスリーブ28の外側で揺動する。
ハウジング3にはシャフト6を中心とした周方向に所定間隔を存して複数のシリンダボア14が配設される。各シリンダボア14内にはピストン13がそれぞれ収容されている。ピストン13はシリンダボア14から突出したテールを有し、このテールに斜板10の外周縁を挟む一対のシュー16が保持されている。斜板10はその回転時にシュー16の内面に摺接される。このシュー16の外面は半球面に形成されているとともに、前記テールには半球状の凹面が形成され、この凹面にシュー16の半球面が嵌合されることで、玉継手が構成されている。
そして、駆動プーリ9の回転がシャフト6に伝達されると、シャフト6はアーム19を介して斜板10を回転させる。斜板10の回転運動は、シュー16を介してピストン13の往復動に変換される。
一方、斜板10の傾斜角が変更されると、ピストン13のストローク量が変更され、ひいては圧縮機2の吐出容量が調整される。また、斜板10の傾斜角が変更されると、この変更に伴い、シャフト6の軸線方向でみてスリーブ28の軸方向が変更される。
シリンダヘッド5はハウジング3に向けて開口したカップ形状をなし、その開口端がバルブプレートを介してハウジング3に気密に連結されている。シリンダヘッド5内には冷媒の吸入室(吸入圧力領域)20と吐出室(吐出圧力領域)25とが形成され、吸入室20は吐出室25の周囲に配置されている。吸入室20は、バルブプレートの吸入孔21を介してシリンダボア14にそれぞれ連通することができ、吸入孔21は吸入リード弁(図示しない)により開閉される。なお、吸入リード弁はシリンダボア14側から開閉される。また、吸入室20はハウジング3内に設けられた連通路(第2通路)22を介してクランク室15に常時連通している。この連通路22はその途中に固定絞り(絞り)24を有し、クランク室15内の圧力を吸入室20側に徐々に逃がすことができる。
一方、吐出室25はバルブプレートの吐出孔23を介してシリンダボア14にそれぞれ連通し、この吐出孔23は吐出リード弁39により吐出室25側から開閉される。この吐出リード弁39は弁押さえ27とともに取り付けられている。また、吐出室25はハウジング3内に設けられた接続通路(第1通路)26を介してクランク室15にも連通し、この接続通路26の途中に電磁制御弁40が介挿されている。なお、図示されていないが、シリンダヘッド5の周壁には吸入室20及び吐出室25にそれぞれ連通する吸込口及び吐出口が形成されており、吸込口は循環経路の復路に接続され、吐出口は循環経路の往路に接続されている。
電磁制御弁40はシリンダヘッド5内に配置されており、圧縮機2の総合的な制御を行う電子コントロールユニット(制御ECU)90による外部からの出力信号によって作動する。この電磁制御弁40は、その開閉作動に応じて吐出室25内の冷媒をクランク室15に供給する。より具体的には、この電磁制御弁40は、吐出室25内の冷媒を連通路(第1通路)30から取り入れ、接続通路(第1通路)31及び上記接続通路26を介してクランク室15に供給している。また、電磁制御弁40は連通路36を介して吸入室20にも接続されている。
この吸入室20はハウジング3内に設けられた接続通路(第3通路)34を介してクランク室15にも連通し、この接続通路34の途中に感圧制御弁60が介挿されている。
感圧制御弁60はシリンダヘッド5内に配置されており、その内部の圧力変動に応じて作動する。この感圧制御弁60は、その開閉作動に応じてクランク室15内の冷媒を吸入室20に供給する。より具体的には、この感圧制御弁60は、クランク室15内の冷媒を上記接続通路34、接続通路(第3通路)35及び接続通路(第3通路)38を介して吸入室20に供給している。
上記電磁制御弁40及び感圧制御弁60の詳細は図2に示される。
電磁制御弁40はソレノイド励磁部41、制御弁本体42及び感圧部43を備え、制御弁本体42の弁室50内にはソレノイド励磁部41におけるソレノイド44の励磁及び消磁によって作動するボール弁体49がガイドを介して配置されている。
より具体的には、ソレノイド励磁部41はその内部に可動子47を備え、可動子47はソレノイド44への励磁によってロッド45の軸線と同軸上にて制御弁本体42に向かう方向に移動する。なお、可動子47の内部にはスプリング48が備えられ、このスプリング48は感圧部43内の圧力との均衡を図るべく付勢する。
制御弁本体42のボール弁体49は可動子47とともに移動し、制御弁本体42内の弁口53を開閉する。より詳しくは、制御弁本体42内には弁口53を挟んで吐出ポート51、クランクポート52が形成され、吐出ポート51は連通路30を介して吐出室25に連通する一方、クランクポート52は接続通路31を介して接続通路26に連通している。
更に、ボール弁体49には感圧ロッド54の一端側が当接されている。この感圧ロッド54は弁口53内に突出し、感圧ロッド54の他端側は感圧部43内に突出している。
感圧部43はその内部にベローズ56を備え、そのベローズ56の上下端はガイド58に支持されている。上側のガイド58は感圧ロッド54の他端側に当接され、これらガイド58の間にはスプリング57が配設されている。感圧部43はその下端に設けられた吸入ポート59にて連通路36に接続され、吸入室20に連通している。そして、ベローズ56は吸入室20内の圧力上昇に伴ってスプリング57の付勢力に抗して収縮し、一方、吸入室20内の圧力下降に伴ってスプリング57とともに拡張する。このベローズ56の動作は感圧ロッド54を介してボール弁体49に伝達され、これにより、吸入室20内の圧力保持が行われる。
一方、感圧制御弁60は弁本体61及び感圧部62を備え、弁本体61内にはクランク室15からの圧力を受容して閉弁作動するボール弁体(弁体)64が弁室63内にガイド67を介して配置されている。
より具体的には、弁本体61は弁口65を介して弁室63と連絡室68とを備えており、弁室63は接続通路35に接続されるクランクポート75を備え、ボール弁体64はクランク室15の圧力をクランクポート75から受容し、スプリング66の付勢力を受けて弁口65を閉弁する方向に移動する。
連絡室68内のロッド70はその一端側でボール弁体64に当接され、ロッド70は、ボール弁体64とともに移動し、ロッド支持部69内を挿通する。また、連絡室68は接続通路38に接続される吸入ポート76を介して吸入室20に連通している。
ロッド70の他端側はベロフラム(感圧部材)72に当接され、連絡室68と感圧室71とはベロフラム72を介して対峙している。このベロフラム72は連絡室68内の圧力と感圧室71内の圧力との圧力差を認知すると、ボール弁体64を開弁させる方向に変位する。
感圧室71内には開弁付勢スプリング(ばね)74が収容され、開弁付勢スプリング74の一端側はガイド73に支持され、このガイド73がベロフラム72に当接されている。そして、開弁付勢スプリング74はボール弁体64を開弁させる方向に付勢している。
更に、感圧室71は、感圧部62及び弁本体61に設けられた連通路(第4通路)77を介して連絡室68に常時連通している。この連通路77はその途中に絞りを有し、感圧室71内の圧力を連絡室68側に徐々に逃がすことができる。
このように、感圧制御弁60は感圧室71と連絡室68との間の圧力変動に応じてボール弁64の開度を調整することができる自律調整可能な弁であり、この感圧制御弁60がクランク室15と吸入室20とを繋ぐ可変調整式の連通路として機能する。
そして、図2に示されるように、エアコンOFF時には制御ECU90からの駆動信号が駆動回路92に出力されず、電磁制御弁40ではソレノイド44が消磁され、可動子47は制御弁本体42から離間する方向に位置する。この際、ボール弁体49も制御弁本体42から離間する方向に位置して弁口53を開く。つまり、吐出室25内の圧力が連通路30及び接続通路31を介してクランク室15に供給される。
よって、クランク室15内の圧力は上昇し、ピストン13に加わる背圧が増加する。そして、この背圧とスプリング29の付勢力により、スリーブ28はシリンダヘッド5に向かう方向に移動する。これにより、斜板10の傾斜角が小さくなる。そして、圧縮機2に最小吐出容量運転が要求される場合には、斜板10は最小傾斜角を持って回転する。
なお、このクランク室15内の圧力は、連通路22中の絞りを介して吸入室20に供給されている。つまり、エアコンOFF時には、クランク室15内の圧力と吸入室20内の圧力とがほぼ等しくなり、感圧制御弁60では、連絡室68内の圧力Ps1と感圧室71内の圧力Ps2との間に圧力差がないことから、弁室63内のボール弁体64はスプリング66の付勢力によって連絡室68側に移動し、弁口65を遮断する。換言すれば、感圧制御弁60が作動せず、クランク室15内の圧力は吸入室20に供給されない。
一方、このクランク室15内の圧力の上昇によって斜板10が最小傾斜角をなす時点(図2)から、エアコンON時になると、図3に示されるように、制御ECU90はセンサ91の信号に基づいて駆動信号を駆動回路92に出力する。そして、電磁制御弁40ではソレノイド44が励磁され、可動子47は制御弁本体42に向かう方向に移動する。この際、ボール弁体49も可動子47とともに制御弁本体42に向かう方向に移動して弁口53を遮断する。すなわち、吐出室25内の圧力がクランク室15に供給されない。
このとき、クランク室15内の圧力は、連通路22中の絞りの他、感圧制御弁60の開弁作動との計2ルートを介して吸入室20に供給されて下降する。つまり、このクランク室15内の圧力は、連通路22中の絞りを介して吸入室20に供給されて下降するが、更に、上述のエアコンON作動の直後には、クランク室15及び吸入室20内の圧力がほぼ同時に下がり始め、連絡室68内の圧力Ps1が感圧室71内の圧力Ps2よりも低くなって圧力差が生ずる。この結果、弁室63内のボール弁体64は、ベロフラム72及び開弁付勢スプリング74の付勢力によって連絡室68側から離間し、弁口65を開く。換言すれば、感圧制御弁60が内部の圧力変動に応じて作動し、クランク室15内の圧力は吸入室20に供給される。
このように、クランク室15内の圧力は、連通路22中の絞りの他、感圧制御弁60の開弁作動との計2ルートを介して吸入室20に供給されて下降する。このとき、ピストン13に加わる背圧が速やかに減少する。そして、スリーブ28は、スプリング29の付勢力に抗してシリンダヘッド5から離間する方向に移動し、斜板10の傾斜角が大きくなる。そして、このように圧縮機2に最大吐出容量運転が要求される場合には、斜板10は最大傾斜角を持って回転可能となる。
ここで、感圧制御弁60では、上記エアコンON作動の直後には連絡室68内の圧力Ps1と感圧室71内の圧力Ps2との圧力差により、ボール弁体64が弁口65を開く。しかしながら、感圧室71内の圧力は、連通路77中の絞りを介して連絡室68に徐々に逃がすように供給されている。よって、エアコンON時から数分間経過すると、連絡室68内の圧力Ps1と感圧室71内の圧力Ps2との間に圧力差がなくなり、図4に示されるように、弁室63内のボール弁体64はスプリング66の付勢力によって連絡室68側に向けて移動し、弁口65を遮断する。この結果、クランク室15内の圧力は吸入室20に供給されなくなる。つまり、感圧制御弁60は、圧縮機2による最小吐出容量状態からの起動時にのみ機能するように構成される。
以上のように、本実施形態における圧縮機2は、現行冷媒HFC−134aよりも環境負荷の低減にも貢献する一方、この現行冷媒の比容積よりも大きな比容積を有する代替冷媒HFC−152aの液冷媒が、圧縮機2による最小吐出容量状態からの起動時にクランク室15に混入した場合には、この液冷媒の膨張によって圧縮機2の吐出容量を速やかに増加できないことに着目したものである
この問題を解決すべく、上記圧縮機2の起動時には、固定絞り24によって常時連通する接続通路22と、感圧制御弁60を介挿させた接続通路34、35、38との計2つの通路がクランク室15と吸入室20との間を繋ぐように構成させている。
従って、本実施形態の圧縮機2によれば、この起動時点のクランク室15内の圧力は速やかに低下し、この圧力の上昇に伴う圧縮機の起動性の悪化を解消することができ、乗員の快適性を維持できる。
しかも、この圧縮機2によれば、シリンダヘッド2に電磁制御弁40を備えるとの一般的な圧縮機の構成に、感圧制御弁60を介挿させた接続通路34、35、38の構成の追加で済み、圧縮機に対する大きな改良が不要になって圧縮機2の改修作業が容易になる。この結果、代替冷媒HFC−152aへの迅速な移行も図られる。
また、上記構成によって、上記圧縮機2の起動時には感圧制御弁60の弁室63内及び連絡室68内の圧力が下がり、この連絡室68と感圧室71との間には圧力差が生じてボール弁体64が弁口65を開くことから、クランク室15内の圧力を速やかに低下させるための2ルートが確実に確保される。更に、開弁付勢スプリング74が弁室63内のボール弁体64の開弁を促進させ、上記2ルートがより一層確実に確保される。
更にまた、感圧室71内の圧力は連通路77中の絞りを介して連絡室68に徐々に逃がすように供給されることから、上記圧縮機2の起動時と感圧室71内の圧力Ps2が連絡室68内の圧力Ps1に等しくなるまでとの間にはタイムラグがある。よって、ボール弁体64の開弁を上記起動時点からの一定期間だけ行わせ、上記2ルート、特に接続通路34、35、38の連通状態をよりスムーズに確保できる。
また、この感圧制御弁60は機械的に構成されているので、電気的に構成された場合に比して制御の容易化や圧縮機2の耐久性向上が図られる。
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、圧縮機のより緻密な制御を行う点のみを考慮すれば、上記実施形態の感圧制御弁60に代えて、接続通路(第3通路)34、35、38には電磁制御弁を介挿させても良い。この電磁制御弁の場合には、クランク室15内の圧力を速やかに低下させるべく通電すれば、上記起動時の他、圧縮機2の吸入過熱度の状況に応じた対応が可能となる。
また、上記実施形態では電磁クラッチ87を有する圧縮機が示されているが、この実施形態の他、電磁クラッチを有しないクラッチレスタイプの圧縮機にも適用可能である。この場合には、シャフト6が常時回転していても、上記起動時にはクランク室15内の圧力を速やかに低下させることができる。また、圧縮機側のショックが少なくなり、運転フィーリングの悪化が防止される。
更に、上記実施形態では斜板式の可変容量型圧縮機が示されているが、必ずしもこの構成に限定されるものではなく、他の可変容量型圧縮機であっても良い。
本発明の一実施形態に係る可変容量型圧縮機の構成図であり、最大吐出容量運転時を示す図である。 図1の電磁制御弁及び感圧制御弁の説明図であり、エアコンOFF時を示す図である。 図1の電磁制御弁及び感圧制御弁の説明図であり、エアコンON時を示す図である。 図3の感圧制御弁の説明図であり、エアコンON時点から所定期間経過後を示す図である。
符号の説明
2 可変容量型圧縮機(斜板式可変容量型圧縮機)
15 クランク室(中間圧力領域)
20 吸入室(吸入圧力領域)
22 連通路(第2通路)
24 固定絞り(絞り)
25 吐出室(吐出圧力領域)
26 接続通路(第1通路)
30 連通路(第1通路)
31 接続通路(第1通路)
34 接続通路(第3通路)
35 接続通路(第3通路)
38 接続通路(第3通路)
40 電磁制御弁
60 感圧制御弁
63 弁室
64 弁体
68 連絡室
71 感圧室
72 ベロフラム(感圧部材)
74 開弁付勢スプリング(ばね)
77 連通路(第4通路)

Claims (7)

  1. 冷媒回路の吸入圧力領域から吸入した冷媒を圧縮し、中間圧力領域の圧力調整によって吐出容量を変更して圧縮冷媒ガスを吐出圧力領域に吐出する可変容量型圧縮機であって、
    該圧縮機は、
    前記吐出圧力領域と前記中間圧力領域との間を外部からの制御に応じて連通可能な第1通路と、
    前記中間圧力領域と前記吸入圧力領域との間を絞りによって常時連通する第2通路と、
    前記圧縮機による最小吐出容量状態からの起動時に、前記中間圧力領域と前記吸入圧力領域との間を内部の圧力変動に応じて連通可能な第3通路と、
    を備えることを特徴とする可変容量型圧縮機。
  2. 前記第3通路には、感圧制御弁が配設され、
    該感圧制御弁は、前記中間圧力領域からの圧力を受容して閉弁される弁体を有する弁室と、該弁室と前記吸入圧力領域との間を繋ぐ連絡室と、該連絡室内の圧力変動に応じて変位する感圧部材を有し、該感圧部材を介して前記連絡室に対峙する感圧室とを備え、
    前記感圧部材は、前記起動時には前記弁体を開弁させる方向に変位することを特徴とする請求項1に記載の可変容量型圧縮機。
  3. 前記感圧室は、前記起動時に前記弁体を開弁させる方向に付勢するばねを有することを特徴とする請求項2に記載の可変容量型圧縮機。
  4. 前記感圧制御弁は、前記感圧室と前記連絡室との間を絞りによって常時連通する第4通路を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の可変容量型圧縮機。
  5. 前記圧縮機には、HFC−152aの冷媒が用いられることを特徴とする請求項1に記載の可変容量型圧縮機。
  6. 前記圧縮機は、クラッチレスタイプの圧縮機であることを特徴とする請求項1に記載の可変容量型圧縮機。
  7. 前記第3通路には、電磁制御弁が配設され、
    該電磁制御弁は、前記中間圧力領域の圧力を速やかに低下させるべく通電されることを特徴とする請求項1に記載の可変容量型圧縮機。
JP2004084924A 2004-03-23 2004-03-23 可変容量型圧縮機 Pending JP2005273480A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004084924A JP2005273480A (ja) 2004-03-23 2004-03-23 可変容量型圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004084924A JP2005273480A (ja) 2004-03-23 2004-03-23 可変容量型圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005273480A true JP2005273480A (ja) 2005-10-06

Family

ID=35173432

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004084924A Pending JP2005273480A (ja) 2004-03-23 2004-03-23 可変容量型圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005273480A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008202572A (ja) 可変容量型圧縮機における容量制御弁
JP2007247512A (ja) 可変容量型圧縮機における容量制御弁
JP2008157031A (ja) クラッチレス可変容量型圧縮機における電磁式容量制御弁
JP2000265949A (ja) 可変容量型圧縮機
JPH102284A (ja) 可変容量圧縮機及びその制御方法
KR100302820B1 (ko) 가변용량압축기용제어밸브및장착방법
US6250093B1 (en) Air conditioning system and compressor
JP4392631B2 (ja) 冷凍サイクルの可変容量制御装置
US7210911B2 (en) Controller for variable displacement compressor and control method for the same
JP2003239857A (ja) 容量可変型圧縮機の制御装置
EP1074738A2 (en) Clutchless variable-capacity type compressor
JP2001090667A (ja) 可変容量型圧縮機の制御装置
JP2005273480A (ja) 可変容量型圧縮機
JP2006017087A (ja) 電磁式制御弁および該電磁式制御弁を備えた可変容量圧縮機
JP4501112B2 (ja) 可変容量型圧縮機の制御装置
JP2009103336A (ja) 冷凍サイクル、可変容量圧縮機および吐出弁
JP2007064056A (ja) 可変容量型圧縮機の制御弁
JP3856281B2 (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JP3214354B2 (ja) クラッチレス可変容量圧縮機
WO1999006700A1 (fr) Soupape de regulation de compresseur a capacite variable
JP3952425B2 (ja) 可変容量圧縮機用制御弁、可変容量圧縮機、及び可変容量圧縮機用制御弁の組付方法
JP2000265948A (ja) 可変容量型圧縮機
JPH10103249A (ja) 制御弁
JPH10153171A (ja) 両頭ピストン式可変容量型圧縮機
JP2005188459A (ja) 可変容量型圧縮機の制御弁