JP2005273104A - 扁平断面糸使い高密度織物 - Google Patents

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Abstract

【課題】扁平断面糸使い高密度織物を提供する。
【解決手段】単繊維断面の扁平度が2.0〜4.0、単繊維繊度が0.55〜2.2デシテックス、トータル繊度が60〜135デシテックス、かつ交絡数が1〜200個/mよりなるポリエステルマルチフィラメントを少なくとも経糸に用いた織物であり、撥水度が3級以上、かつ織物の耐水圧が9.0kPa以上であることを特徴とする高密度織物。
【選択図】なし

Description

本発明はノンコーティングタイプで洗濯耐久性に優れた高い防水性能とソフトな風合いを有するポリエステル高密度織物に関し、更に詳しくはスポーツ用の衣料などとして広く使用できるポリエステル高密度織物に関するものである。
防水性に優れた織物として、ポリウレタンなどの樹脂をコーティングまたはラミネートした織物等がスポーツ衣料用等で広く使用されている。しかし、コーティング品などは防水性には非常に優れているがソフト感に乏しい。
そこで、ノンコーティングタイプのソフトな高密度織物として、構成繊維糸条の単糸繊度を細くし、高密度に製織するなどの検討がなされている。
例えば、特許文献1(特開平2−269871号公報)には、単繊維繊度が1.2デニール(1.3デシテックス)以下の極細繊維を用いて高密度に製織し、撥水剤を織物内部に浸透させるため、繰り返し撥水処理することが開示されているが、実用上の必要耐水圧(8.0kPa以上)が満足していない。
また、特許文献2(特開平10−245741号公報)には単繊維繊度が0.6デニール(0.66デシテックス)以下、トータル繊度が60〜120デニール(66〜133デシテックス)の範囲よりなるポリエステル長繊維糸条を用いた高密度織物であって、経糸が捲縮加工糸からなる高密度織物で、経糸・緯糸それぞれの繊度および、カバーファクターを規定した織物が開示されているが織物が粗硬になるために適する繊度範囲が狭く、より高密度化し防水性能をより強化することは出来ない。
さらに特許文献3(特開平11−286848号公報)には扁平度が2〜4および単繊維繊度が0.5〜2デニール(0.55〜2.2デシテックス)であり、糸繊度が30〜90デニール(33〜100デシテックス)よりなるポリエステルマルチフィラメントを用いた高密度織物が開示されているが、レンガ積み形態により優れた耐水圧が得られるとともにソフトな風合いとノイズレス性を発現させられるものの、製織性と防水性に影響を与える交絡数については請求されていない。
すなわち、従来、優れた耐水圧とソフトな風合いで、実用上問題ない織物特性を有し、かつ安定した製織性を示す優れたノンコーティングタイプの織物は得ることができなかった。
特開平2−269871号公報 特開平10−245741号公報 特開平11−286848号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、優れた耐水圧とその洗濯耐久性、かつ実用上問題ないレベルの引裂強力およびソフト性を有する高密度織物を安定した製織性のもとに提供することにある。
上記の目的を達成する本発明の構成の主旨は以下の通りである。すなわち、
「単繊維断面の扁平度が2.0〜4.0、単繊維繊度が0.55〜2.2デシテックス、トータル繊度が60〜135デシテックス、かつ交絡数が20〜200個/mよりなるポリエステルマルチフィラメントを少なくとも経糸に用いた織物であり、撥水度が3級以上、かつ織物の耐水圧が9.0kPa以上であることを特徴とする高密度織物。」、さらには、
「経糸密度、緯糸密度、経糸のカバーファクター(WCF)および緯糸のカバーファクター(FCF)が下記(1)式および(2)式を同時に満足することを特徴とする前記の高密度織物。
1.0≦経糸密度/緯糸密度≦1.9 ・・・(1)
2200<WCF+FCF<3300 ・・・(2)」、
である。
本発明によれば、ノンコーティングタイプで優れた耐水圧とソフトな風合いで、実用上問題ないレベルの引裂強力を有し、かつ洗濯耐久性にも優れたポリエステルマルチフィラメントからなる高密度織物を安定した製織性のもと提供することができ、スポーツ用の衣料などとして広く使用できるという効果を有するものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明はポリエステルマルチフィラメントを少なくとも経糸に用いた高密度織物であり、織物を構成する該ポリエステルマルチフィラメントの単繊維断面の扁平度は2.0〜4.0、好ましくは2.0〜3.0であり、さらに好ましくは2.0〜2.5である。単糸断面の扁平度が2.0未満では扁平断面糸特有のフィラメントの重なり構造が得られず、また扁平度4.0を越えると糸製造の段階で安定した製糸性が得られない。なお、ここでいう扁平度とは、図1に示すように、単糸断面に外接する長方形を描き、この長方形の長辺Aを短辺Bで割った値、つまりは扁平度=A/Bの式で与えられる値をいう。
また、ポリエステルマルチフィラメントの単繊維繊度は0.55〜2.2デシテックス、好ましくは0.55〜1.8デシテックス、トータル繊度が60〜135デシテックス、好ましくは60〜84デシテックスの範囲内がよい。単繊維繊度が0.55デシテックス未満では扁平断面による効果が緩和されて、扁平断面糸特有のフィラメントの重なり構造が得られず、また2.2デシテックスを越えると織物の単糸間の空隙が大きくなり緻密度が低下して、高耐水圧が得られず、風合いも硬くなり、防水性の要求される用途には適さない。
さらに、ポリエステルマルチフィラメントのトータル繊度が60デシテックス未満では高密度織物のため、織物の引裂強力が実用上問題ないレベルを保つことができなくなり、高密度織物用としては適さなくなる。一方、135デシテックスを越えると織物の緻密性が低下して耐水圧が低下するとともに風合いが硬くなり、地薄感が増大する。
上記ポリエステルマルチフィラメントに用いるポリエステルは特に制限されるものではなく、例えば主たる酸成分がテレフタル酸またはそのエステル誘導体、主たるグリコール成分がエチレングリコールからなるポリエチレンテレフタレートを挙げることができる。またエチレングリコールの代わりにプロピレングリコールを用いたポリプロピレンテレフタレート(PPT)でも良い。ポリプロピレンテレフタレート繊維は、伸長弾性回復率に優れていることからストレッチ性を有し、初期引張抵抗度が低いことにより、高密度の製織しても優れたソフト性感を付与することができるのである。さらにはブチレングリコールを用いたポリブチレンテレフタレート(PBT)、あるいはポリ乳酸などに代表されるグリコール酸を主たる繰り返し単位とするポリグリコール酸などのポリエステルでも良い。その中で、融点が高く耐熱性に優れる点や、加工性に優れることなどから、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好適に用いられる。
本発明においては上記ポリエステルマルチフィラメントの交絡数を20〜200個/mとする必要がある。糸交絡があるほど製織性は安定する。しかしながら交絡数が多いと、織物にしたときに織物交錯点で交絡ねじれ部分が重なり構造を崩す。つまりは織物交錯点に空隙をつくってしまい、耐水圧が低下することより、交絡数は高密度にする目的の一つである耐水圧に影響する。交絡数が200個/mを越えると、製織性は安定するが十分な耐水圧が得られない。糸交絡数は20〜200個/m、好ましくは50〜180個/mの範囲内がよい。また製織および染色過程を経た織物の分解糸での交絡数では10〜150個/m、より好ましくは30〜120個/mの範囲内とすることで9.0kPa以上の耐水圧が得られる。
また、本発明の高密度織物は撥水度3級以上の性能を有する必要がある。ここで、撥水度が3級未満になると耐水圧が低下し、十分な防水性が得られない。撥水度が3級以上の撥水性を有する高密度織物は、例えば高密度織物に撥水処理を施すことにより得られる。撥水処理の際に用いられる撥水剤は、シリコン系化合物、フッ素系化合物等の公知の撥水剤を使用すればよいが、ポリエステル系合成繊維の撥水性の洗濯の耐久性の面から見て、フッ素系撥水剤がよい。さらに撥水性の洗濯耐久性を高めるために、メラミン系、イミン系、イソシアネート系等の架橋剤を併用してもよい。撥水加工法については、撥水剤溶液をパッド法、コーティング法、スプレー法などの方法により均一に付与した後に乾燥、熱処理する従来の方法で行う。撥水剤の付着量、乾燥条件、熱処理条件は、使用する撥水剤や製品用途などにより適宜決定すればよく本発明では特に限定しない。
また、本発明の高密度織物は、耐水圧は9.0kPa以上の性能を満たす必要がある。ここで耐水圧が9.0kPa未満であると実用上必要である防水性が得られない。9.0kPa以上の耐水圧は、前述した扁平断面糸を用いることにより満たされる。扁平断面糸を用いることにより、織物の中で扁平な糸が重なりあって充填され、耐水性の向上につながる。さらに、扁平断面糸は際立った曲げ柔軟性を有しているため、織物中で扁平断面糸と直交する糸に対して屈曲し易く、該扁平断面糸の屈曲によるクリンプの伸びが有効に利用されて、ソフトな風合いの織物となり、さらにはノイズレス性を発現させることができる。
上述の通り、本発明の高密度織物は、単繊維断面の扁平度が2.0〜4.0、単繊維繊度が0.55〜2.2デシテックス、トータル繊度が60〜135デシテックス、かつ交絡数が0〜200個/mよりなるポリエステルマルチフィラメントを少なくとも経糸に用いることが必要であるが、緯糸は他のフィラメントであってもかまわない。緯糸に使用できるポリエステルマルチフィラメントも特に制限されるものではなく、例えば主たる酸成分がテレフタル酸またはそのエステル誘導体、主たるグリコース成分がエチレングリコールからなるポリエチレンテレフタレートを挙げることができる。またエチレングリコールの代わりにプロピレングリコールを用いたポリプロピレンテレフタレート(PPT)でも良い。さらにはブチレングリコールを用いたポリブチレンテレフタレート(PBT)、あるいはポリ乳酸に代表されるポリグリコール酸などのポリエステルでも良い。また、断面形状についても特に制限されるものではなく、丸型、三角、T型、W型、X型、中空型、八葉型、多葉型や不定形なものでも良い。
さらに、本発明においては、織物における経糸密度、緯糸密度、経糸のカバーファクター(WCF)および緯糸のカバーファクター(FCF)が下記(1)式および(2)式を同時に満足することが好ましい。
1.0≦経糸密度/緯糸密度≦1.9 ・・・(1)
2200<WCF+FCF<3300 ・・・(2)
ここで、カバーファクター(CF)とは織物の経糸または緯糸直交する方向の幅2.54cm当たりにその経糸または緯糸が並ぶ本数をそれぞれの糸密度とするとき、
WCF=経糸密度×(経糸デシテックス)1/2
FCF=緯糸密度×(緯糸デシテックス)1/2
の式で与えられる値をいう。
上記(1)式における経糸密度と緯糸密度の比が、経糸密度と緯糸密度の比(経糸密度/緯糸密度)が1.0未満では、緯糸密度を経糸密度より密にするということになる。通常の織物でも、特に高密度織物については緯糸密度を経糸密度より密にすることは現状の織機を用いては困難であり、さらにもし製織することができたとしても、製織コストの点で1.0以上とすることが好ましい。また、経糸密度と緯糸密度の比(経糸密度/緯糸密度)が1.9以下であれば、フィラメントの重なり構造の充填度が適度に保たれ、織物の拘束力が高くなりすぎず、引裂強力は十分な値を有する。
上記(2)式におけるWCF+FCFは2200〜3300、より好ましくは2450〜3300の範囲内とされる。WCF+FCFが2200を超えればさらに良好な耐水圧が得られ、3300未満とすればソフトな風合いが得られ、引裂強力も十分な値を有する。
カレンダー処理は、該撥水剤処理加工後の織物をプレス加工することにより、織物面を平滑にし、かつ繊維間隙を少なくして、耐水性をより向上させるとともに、風合いをより柔軟化する効果がある。本発明では一般のカレンダー加工機を用い、処理条件についても公知である従来の方法で行う。
本発明における織物では、着用快適性と引裂強力を保持するために、経糸方向および緯糸方向の剪断剛性を0.5〜18.0cN/cm・degとすることが好ましい。より好ましくは0.5〜12.0、さらに好ましくは0.5〜10.0である。剪断剛性が0.5cN/cm・deg以上であれば、織物のハリ・コシがあって身体にまとわりつきにくい織物となり、また剪断剛性が18.0cN/cm・deg以下であれば、十分な引裂強力が保たれる。
高密度織物では、経糸と緯糸の拘束力が高くなり、糸のズレが起こりにくいため、織物引裂強力は通常密度の織物よりむしろ弱くなり、織物の引裂強力は重要な要素となる。経糸および緯糸方向の引裂強力は8.0N以上であることが好ましい。より好ましくは9.0N以上、さら好ましくは10.0N以上がよい。フィラメントの重なり構造の充填度が増加すると、織物の拘束力が高くなり、引裂強力は低下する。したがって織物の引裂強力向上のためには、経糸・緯糸の密度バランスとカバーファクターを適切にコントロールすることが重要である。
本発明におけるポリエステルマルチフィラメントの重なり構造は洗濯を重ねても、その構造はほとんど変化することなく、十分な耐水圧を保つことができる。本発明では20回洗濯後の耐水圧が8.0kPa以上であることが好ましい。より好ましくは9.0kPa以上、さらに好ましくは10.0kPa以上である。
また本発明では十分な耐水圧を得るために、ポリエステルマルチフィラメントの扁平度のバラツキ(標準偏差)が0.1〜1.0、より好ましくは0.2〜0.8、さらに好ましくは0.3〜0.7の範囲内がよい。扁平度のバラツキは仮撚り加工によって制御され、扁平度のバラツキが0.1未満であると各単糸の扁平度が揃ってしまい、織物表面にグリッター感が生じ、織物品位が低下する。また扁平度のバラツキが1.0を越えると、各単糸の扁平度に大きな差が生じ、フィラメントの重なり構造が得られにくい。ここで扁平度のバラツキとは、任意の断面におけるマルチフィラメントすべての扁平度を求め、これらの値に対する標準偏差をとっている。
具体的には扁平度のバラツキとは、マルチフィラメントの標準偏差であり、任意の断面におけるマルチフィラメントすべての扁平度を求め、下記の(1)式および(2)式に代入することにより求めた。
平方和:S=Σxi 2−(Σxi2/n・・・(1)
標準偏差:s={S/(n−1)}1/2・・・(2)
(なお、ここでiは1〜nであり、xiは各フィラメントの扁平度、nは総フィラメント数である。)
本発明の高密度織物は、上述のマルチフィラメントを公知の織機を用いて製織することにより製造することができるが、織機としては、特にエアジェットルームまたはウォータージェットルームがコストの面から好ましい。
本発明における高密度織物を用いた用途としてはスポーツウェア、カジュアルウェア、ユニフォーム、防塵衣、裏地等の衣料に限定されるものではなく、例えば、カーテン等のインテリア用途、テープ等の装飾用途、傘地、鞄地、家具用布地等の資材用途など、高い防水性能とソフトな風合いが要求されるあらゆる用途に用いることもできる。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何等制限されるものではない。なお、本発明における各種測定法は下記の通りである。
(1)扁平度
扁平度は、図1に示すように、単糸断面に外接する長方形を描き、この長方形の長辺Aを短辺Bで割った値、つまりは次式で与えられる値をいう。
扁平度=A/B
フィラメントをパラフィンで包埋し、ミクロトームでフィラメントの断面切片を切り出し、当該切片を光学顕微鏡にて200倍で観察し、フィラメント断面写真を撮影し、3倍に引き延ばして測定した。測定は単糸断面に外接する長方形を描き、この長方形の長辺を短辺で割った値とし、マルチフィラメント中の全てのフィラメントの扁平度を求め、平均値を扁平度とした。また、これをもとに扁平度のバラツキ(標準偏差)も併せて求めた。
(3)交絡数測定
フィラメントの交絡数は、自動交絡度試験機(ENTANGLEMENT TESTER ET−500、東レエンジニアリング(株)製)をもちいて交絡間距離を50回測定し、交絡数(個/m)を求めた。
さらに製織および染色過程を経た織物を分解して同様に経糸、緯糸の交絡数を求めた。まず、試料の一端を適切な性能を持つ垂下装置の上部つかみに取り付け、下端に0.11(g/デシテックス)の荷重をかけて試料を垂直に垂らす。試料の上部つかみから1cm下部の点に糸束を2分割するように直径が0.5〜1.0mmの針状のフックを挿入する。約2cm/sの速度でフックを下降させる。フックが糸の絡みによって停止した点までのフックの下降距離を求め、この作業を50回繰り返し、平均値から、交絡数(個/m)求めた。
(4)製織性評価
製織操業性は、製織中の糸切れ回数から判断し、優:○○(糸切れ3回/日未満)、普通:○(糸切れ3〜5回/日未満)、不良:×(糸切れ5回/日以上)の3段階で評価した。
(5)撥水度測定
JIS L 1092に規定されているスプレー法により測定した。測定条件は下記の通りである。
試験試料:20×20cm・・・3枚
水温:20℃
スプレーノズル能力:約250ml/30sec
(6)耐水圧測定
JIS L 1092 Aに規定されている低水圧法により測定した。測定条件は下記の通り。
試験試料:15×15cm・・・5枚
水温:20℃
水準装置水位上昇速度:約60cm/min
なお、洗濯20回後の織物も同様に耐水圧を測定した。20回洗濯は下記の通りである。約45×45cmの試験試料を2枚採取する。自動反転渦巻き式電気洗濯機の洗濯槽に40℃±25℃の水25リットルを入れ、さらに弱アルカリ性合成洗剤(JIS K 3371弱アルカリ性・第1種)を入れ、あらかじめ準備した試験試料と追加布を合わせて840gになるように調整する。
(i)洗濯機の強条件で試験試料と追加布を5分間洗濯する。
(ii)試験試料と追加布を洗濯機付属の遠心脱水機で約30秒間脱水する。
(iii)常温水を浸した洗濯機の洗濯槽に試験試料と追加布を移し、水をオーバーフローさせながら2分間すすぎを行う。
(iv)(ii)および(iii)を再度繰り返す。
(v)(i)から(iv)を20回繰り返す。
(vi)試験試料を取り出し、風乾を行う。
(7)剪断剛性測定方法
剪断剛性とは、KES−FB計測システム(Kawabata's Evaluation System for Fabric)によって測定される値のことである。剪断剛性は、カトーテック(株)製、KES−FB1(引張・剪断試験機)を用いて、下記測定条件にて測定することによって得られる。
剪断剛性測定条件:最大剪断角度:±8°
剪断ずり速度:5mm/12sec
強制荷重:9.8cN/cm
試験試料:20×20cm
(8)引裂強力測定方法
JIS L 1096に規定されている引裂強さ(ペンジュラム法)を採用し、本発明では経糸を引き裂いた値を経引裂強力、緯糸を引き裂いた値を緯引裂強力とした。エレメンドルフ形引裂試験機を用いて、6.3×10cmの試験片中央で直角に2cmの切れ目を入れ、残りの4.3cmを経方向および緯方向に引き裂いたときに示す荷重強さ(引裂強さ)を測定することによって得られる。
(9)織物風合い評価
織物の風合い(ソフト感、ハリ・コシ感等)について、熟練者4人により官能評価した。ソフト感について、○○:優良(全員がソフトであると判断)、○:良好(過半数がソフトであると判断)、×:不良(ソフトであると判断した者が過半数に満たない場合)、の3段階基準とした。
(10)グリッター感評価
織物表面のグリッター感(鏡面のような表面反射)について、熟練者4人により官能評価した。有(一人でもグリッター感があると判断した場合)、無(全員グリッター感なしと判断した場合)、の2段階基準とした。
<実施例1>
表1に示す扁平度2.5になるように設計された扁平断面口金を用い、主たる酸成分がテレフタル酸またはそのエステル誘導体、主たるグリコール成分がエチレングリコールからなるポリエチレンテレフタレートをおよそ290℃で溶融紡糸し、84デシテックスの72フィラメントの扁平断面ポリエステルマルチフィラメントを製造した。同ポリエステルマルチフィラメントを仮撚り加工し、得られたポリエステルマルチフィラメントを経糸および緯糸としてエアジェットルーム(津田駒社製ZA209)により表1に示す密度比、カバーファクター規格にて平組織で製織した。得られた生機に常法により、精練、プレセットし、液流染色機で染色、乾燥した。乾燥後、下記A成分を含む液中に浸し、乾燥、さらに下記B成分を含む液中に浸して撥水加工を施した。
A マックスガードEC−400(京絹化成(株)製) 60g/L
スーパーフレッシュJB−7200(京絹化成(株)製) 5g/L
スーパーフレッシュJB−7300(京絹化成(株)製) 5g/L
スミテックスレンジMK(住友化学工業(株)製) 5g/L
B アサヒガードAG−620(明成化学工業(株)製) 30g/L
スミテックスレンジM−3(住友化学工業(株)製) 5g/L
過硫酸アンモニウム(三菱ガス化学(株)製) 1g/L
さらに30トンカレンダー機を用いて150℃の熱カレンダー処理を施した。得られた織物のカバーファクターは2500であり、また耐水圧は13.5kPaであった。性能評価を結果を表2に示した。
<実施例2>
扁平度2、84デシテックスの48フィラメントとした以外は実施例1と同様の方法で扁平断面ポリエステルマルチフィラメントを製造した。実施例1と同様の方法で仮撚りし、得られたポリエステルマルチフィラメントを経糸および緯糸として表1に示す密度比、カバーファクターになるように製織した。さらに実施例1と同様に精練、プレセット、染色、乾燥、撥水処理、乾燥および熱カレンダー処理を施した。得られた織物のカバーファクターは2600であり、耐水圧は12.0kPaであった。性能評価結果を表2に示した。
<実施例3>
実施例1と同様の扁平断面ポリエステルマルチフィラメントを用い、仮撚り加工を施した。得られたポリエステルマルチフィラメントを経糸および緯糸として表1に示す密度比、カバーファクターになるように製織した。さらに実施例1と同様に精練、プレセット、染色、乾燥、撥水処理、乾燥および熱カレンダー処理を施した。得られた織物のカバーファクターは2400であり、耐水圧は11.4kPa、緯引裂強力は10.2Nであった。性能評価結果を表2に示した。
<実施例4>
経糸に扁平度3,84デシテックスの48フィラメントの扁平断面ポリエステルマルチフィラメント、緯糸に丸断面の84デシテックスの72フィラメントのポリエステルマルチフィラメントを使用した以外は、実施例1と同様の方法で織物を製造した。さらに実施例1と同様に精練、プレセット、染色、乾燥、撥水処理、乾燥および熱カレンダー処理を施した。得られた織物の耐水圧は10.2kPaであった。性能評価結果を表2に示した。
<実施例5>
実施例1と同様の扁平断面ポリエステルマルチフィラメントを用い、仮撚り加工を施した。得られたポリエステルマルチフィラメントを経糸および緯糸として表1に示す密度比、カバーファクターになるように製織した。さらに実施例1と同様に精練、プレセット、染色、乾燥、撥水処理、乾燥および熱カレンダー処理を施した。得られた織物のカバーファクターは2100であり、耐水圧は9.3kPa、緯引裂強力は9.3Nであった。性能評価結果を表2に示した。
<比較例1>
84デシテックスの36フィラメントとした以外は実施例1と同様の方法で扁平断面ポリエステルマルチフィラメントを製造した。得られたポリエステルマルチフィラメントを仮撚りし、得られたポリエステルマルチフィラメントを経糸、丸断面の84デシテックスの72フィラメントを緯糸として表1に示す密度比、カバーファクターになるように製織した。さらに実施例1と同様に精練、プレセット、染色、乾燥、撥水処理、乾燥および熱カレンダー処理を施した。得られた織物は耐水圧7.2kPaと低く、また風合いソフト感に劣るものであった。性能評価結果を表2に示した。
<比較例2>
ポリエステルマルチフィラメントの交絡数を300個/mとした以外は実施例1と同様の方法で扁平度2.5、84デシテックスの72フィラメントの扁平断面ポリエステルマルチフィラメントを製造し、さらに実施例1と同様に精練、プレセット、染色、乾燥、撥水処理、乾燥および熱カレンダー処理を施した。得られた織物は耐水圧が7.5kPaと防水性に劣るものであった。性能評価結果を表2に示した。
<比較例3>
ポリエステルマルチフィラメントの交絡を0個/mとした以外は実施例1と同様の方法で扁平度2.5、84デシテックスの72フィラメントの扁平断面ポリエステルマルチフィラメントを製造し、さらに実施例1と同様に精練、プレセット、染色、乾燥、撥水処理、乾燥および熱カレンダー処理を施した。得られた織物は耐水圧が10.5kPaと優れた値を示したが、製織性が不良であった。性の評価結果を表2に示した。
<比較例4>
撥水処理および熱カレンダー処理は施さなかった以外は、実施例1と同様の方法で扁平度2.5、84デシテックスの72フィラメントの扁平断面ポリエステルマルチフィラメントを製造した。得られたポリエステルマルチフィラメントを仮撚りし、経糸、緯糸として表1に示す密度比、カバーファクターになるように製織した。さらに実施例1と同様に精練、プレセット、染色、乾燥した。得られた織物は耐水圧が5.2kPaと防水性に非常に劣るものであった。性能評価結果を表2に示した。
Figure 2005273104
Figure 2005273104
本発明のフィラメント断面の具体例と扁平度の求め方(外接長方形の長辺および短辺)を示す図面である。
符号の説明
1.マルチフィラメント
2.マルチフィラメント断面拡大図
3.単糸断面拡大図
4.断面外接長方形
A.長辺
B.短辺

Claims (8)

  1. 単繊維断面の扁平度が2.0〜4.0、単繊維繊度が0.55〜2.2デシテックス、トータル繊度が60〜135デシテックス、かつ交絡数が20〜200個/mよりなるポリエステルマルチフィラメントを少なくとも経糸に用いた織物であり、撥水度が3級以上、かつ織物の耐水圧が9.0kPa以上であることを特徴とする高密度織物。
  2. 経糸密度、緯糸密度、経糸のカバーファクター(WCF)および緯糸のカバーファクター(FCF)が下記(1)式および(2)式を同時に満足することを特徴とする請求項1に記載の高密度織物。
    1.0≦経糸密度/緯糸密度≦1.9 ・・・(1)
    2200<WCF+FCF<3300 ・・・(2)
  3. 前記ポリエステルがポリプロピレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1または2に記載の高密度織物。
  4. カレンダー処理が施されていることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の高密度織物。
  5. 織物の経糸方向および緯糸方向の剪断剛性が0.5〜18.0cN/cm・degであり、織物の経糸方向および緯糸方向の引裂強力が8.0N以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高密度織物。
  6. 20回洗濯後の耐水圧が8.0kPa以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高密度織物
  7. 前記ポリエステルマルチフィラメントの単繊維断面の扁平度のバラツキ(標準偏差)が0.1〜1.0の範囲にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の高密度織物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の高密度織物を用いたことを特徴とする衣料。
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