JP2005272816A - ポリマーおよびその製造方法、絶縁膜形成用組成物、ならびに絶縁膜およびその形成方法 - Google Patents

ポリマーおよびその製造方法、絶縁膜形成用組成物、ならびに絶縁膜およびその形成方法 Download PDF

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Masahiro Akiyama
将宏 秋山
Takahiko Kurosawa
孝彦 黒澤
Yasushi Nakagawa
恭志 中川
Atsushi Shioda
淳 塩田
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Abstract

【課題】低比誘電率であり、薬液耐性などにも優れ、半導体素子などにおいて好適に用いることができるポリマーの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のポリマーの製造方法は、(A)ポリシロキサン化合物と、(B)ポリカルボシラン化合物とを、触媒、水および有機溶媒の存在下で混合し、加熱することを含む。(A)成分は、加水分解性基を有するシラン化合物を加水分解縮合することにより得られ、(A)成分の完全加水分解縮合物に換算した100重量部に対して、前記(B)成分が1〜1000重量部である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリマーの製造方法に関し、さらに詳しくは、半導体素子における層間絶縁膜などに好適に用いることができるポリマーおよびその製造方法、絶縁膜形成用組成物、ならびに絶縁膜およびその形成方法に関する。
従来、半導体素子などにおける層間絶縁膜として、CVD法などの真空プロセスにより形成されたシリカ(SiO)膜が多用されている。そして、近年、より均一な膜厚を有する層間絶縁膜を形成することを目的として、SOG(Spin on Glass)膜と呼ばれるテトラアルコキシランの加水分解生成物を主成分とする塗布型の絶縁膜も使用されるようになっている。また、半導体素子などの高集積化に伴い、有機SOGと呼ばれるポリオルガノシロキサンを主成分とする低比誘電率の層間絶縁膜の開発も行なわれている。
しかしながら、半導体素子などのさらなる高集積化や多層化に伴い、より優れた導体間の電気絶縁性が要求されており、したがって、保存安定性が良好でより低比誘電率でリーク電流特性に優れる層間絶縁膜が求められるようになっている。
特許文献1には、また、ポリカルボシラン溶液とポリシロキサン溶液とを混合することにより塗布液を調製し、この塗布液を用いて低誘電率絶縁膜を形成する方法が提案されている。しかしながら、この方法ではカルボシランのドメインとシロキサンのドメインとが不均一な状態で塗膜中にそれぞれ分散してしまうという問題があった。また、半導体装置の製造過程では、絶縁層を平坦化するためのCMP(Chemical Mechanical Planarization)工程や、各種洗浄工程が行われる。そのため、半導体装置の層間絶縁膜や保護膜などに適用するためには、誘電率特性の他に、機械的強度や薬液による侵食に耐えられる程度の薬液耐性を有することも求められている。
特開2001−127152号公報
本発明の目的は、高集積化および多層化が望まれている半導体素子などにおいて好適に用いることができ、低比誘電率であり、薬液耐性などにも優れた絶縁膜を形成することができるポリマーおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記本発明のポリマーを用いた絶縁膜形成用組成物、絶縁膜の形成方法および絶縁膜を提供することにある。
本発明のポリマーの製造方法は、(A)ポリシロキサン化合物と、(B)ポリカルボシラン化合物とを、触媒、水および有機溶媒の存在下で混合し、加熱することを含む。
本発明のポリマーの製造方法において、前記(B)ポリカルボシラン化合物は、下記一般式(1)で表される構造を有するポリカルボシラン化合物であることができる。
Figure 2005272816
・・・・・(1)
(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシロキシ基、スルホン基、メタンスルホン基、トリフルオロメタンスルホン基、アルキル基、アルケニル基、およびアリール基からなる群より選ばれる基を示し、Rはハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシロキシ基、スルホン基、メタンスルホン基、トリフルオロメタンスルホン基、アルキル基、アルケニル基、およびアリール基からなる群より選ばれる基を示し、R10,R11は同一または異なり、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシロキシ基、スルホン基、メタンスルホン基、トリフルオロメタンスルホン基、炭素数2〜6のアルキル基、アルケニル基、およびアリール基からなる群より選ばれる基を示し、R12〜R14は同一または異なり、置換または非置換のメチレン基、アルキレン基、アルケニレン基、およびアリーレン基を示し、x,y,zは、それぞれ0〜10,000の数を示し、5<x+y+z<10,000の条件を満たす。ただし、x=0の場合には、R、R10、R11のいずれかひとつは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシロキシ基、スルホン基、メタンスルホン基、トリフルオロメタンスルホン基である。)
本発明のポリマーの製造方法において、前記(A)成分は、加水分解性基を有するシラン化合物を加水分解縮合することにより得られ、前記(A)成分を(A)成分の完全加水分解縮合物に換算した100重量部に対して、前記(B)成分が1〜1000重量部であることができる。
本発明のポリマーの製造方法において、前記(B)成分のポリスチレン換算重量平均分子量が400〜50,000であることができる。
本発明のポリマーの製造方法において、前記触媒は酸触媒、塩基触媒、または金属触媒であることができる。
本発明のポリマーの製造方法において、前記触媒の使用量が、前記(A)成分および前記(B)成分の合計100重量部に対して、0.001〜100重量部であることができる。
本発明のポリマーの製造方法において、前記水の使用量が、前記(A)成分および前記(B)成分の合計100重量部に対して、0.1〜100重量部であることができる。
本発明に係るポリマーの製造方法よれば、(A)ポリシロキサン化合物と、(B)ポリカルボシラン化合物とを、触媒、水および有機溶媒の存在下で混合し、加熱することにより、ポリシロキサンとポリカルボシランとが反応したポリマーを得ることができる。このポリマーは、ポリシロキサン溶液とポリカルボシラン溶液とをブレンドした場合のように、膜中に相分離を発生することがない。このような特定のポリマーを含有する絶縁膜形成用組成物を用いることにより、比誘電率が小さく、薬液耐性に優れたポリマー膜を得ることができる。
本発明に係るポリマーは、上述した本発明に係る製造方法によって得られる。
本発明に係るポリマー膜形成用組成物は、本発明に係るポリマーと有機溶剤とを含有する。
本発明に係るポリマー膜の形成方法は、本発明に係る絶縁膜形成用組成物を基板に塗布し、30〜500℃に加熱することを含むことができる。
本発明の絶縁膜は、本発明に係る絶縁膜の形成方法により得られる。
本発明の絶縁膜は、上述したように、低比誘電率であり、薬液耐性に優れているため、たとえば、半導体素子の層間絶縁膜として好適に用いることができる。
以下に、本発明のポリマーおよびその製造方法、絶縁膜形成用組成物、ならびに絶縁膜およびその形成方法についてさらに詳細に説明する。
1.ポリマーの製造方法
本発明のポリマーの製造方法は、(A)ポリシロキサン化合物(本発明において「(A)成分」ともいう)と、(B)ポリカルボシラン化合物(本発明において「(B)成分」ともいう)とを、触媒、水および有機溶媒の存在下で混合し、加熱することを含む。
本発明のポリマーの製造方法によれば、(A)ポリシロキサン化合物および(B)ポリカルボシラン化合物がともにSi−OH基を有する場合、(A)ポリシロキサン化合物と(B)ポリカルボシラン化合物とを、触媒、水および有機溶媒の存在下で混合し、加熱することにより、(B)ポリカルボシラン化合物中のSi−OH基と(A)ポリシロキサン化合物中のSi−OH基とが縮合して、ポリシロキサンとポリカルボシランとの複合化が進行する。これにより、相分離がないポリマーを得ることができる。
また、(B)ポリカルボシラン化合物がSi−OH基を有していない場合であっても、(B)ポリカルボシラン化合物中がSi−H基を含むか、あるいは加水分解によりSi−OH基を生成する官能基を有しており、(A)ポリシロキサン化合物と(B)ポリカルボシラン化合物とを、触媒、水および有機溶媒の存在下で混合し、加熱することにより、(B)ポリカルボシラン化合物中へSi−OH基を導入することができる。これにより、(B)ポリカルボシラン化合物中のSi−OH基と(A)ポリシロキサン化合物中のSi−OH基とが縮合することにより、ポリシロキサンとポリカルボシランとの複合化を進行させることができる。
1.1.(A)ポリシロキサン化合物
本発明のポリマーの製造方法において、(A)ポリシロキサン化合物は、加水分解性基を有するシラン化合物を加水分解縮合することにより得られるものであってもよい。ここで、「加水分解性基」とは、加水分解されうる基をいう。加水分解性基の具体例としては、特に限定されないが、例えば、シリコン原子に結合した水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシロキシ基、スルホン基、メタンスルホン基、およびトリフルオロメタンスルホン基が挙げられる。
(A)ポリシロキサン化合物としては、例えば、下記一般式(2)で表される化合物(以下、「化合物2」という)、下記一般式(3)で表される化合物(以下、「化合物3」という)および下記一般式(4)で表される化合物(以下、「化合物4」という)の群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物を加水分解縮合して得られるポリシロキサン化合物を用いることができる。
Si(OR4−a ・・・・・(2)
(式中、Rは水素原子、フッ素原子または1価の有機基、Rは1価の有機基、aは1〜3の整数を示す。)
Si(OR ・・・・・(3)
(式中、Rは1価の有機基を示す。)
(RO)3−bSi−(R−Si(OR3−c ・・・(4)
(式中、R〜Rは同一または異なり、それぞれ1価の有機基、bおよびcは同一または異なり、0〜2の数を示し、Rは酸素原子、フェニレン基または−(CH−で表される基(ここで、mは1〜6の整数である)、dは0または1を示す。)
1.1.1.化合物2
前記一般式(2)において、R,Rで表される1価の有機基としては、アルキル基、アルケニル基、およびアリール基などを挙げることができる。なかでも、一般式(2)において、Rの1価の有機基は、特にアルキル基、アルケニル基、またはフェニル基であることが好ましい。ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、好ましくは炭素数1〜5であり、これらのアルキル基は鎖状でも、分岐していてもよく、さらに水素原子がフッ素原子などに置換されていてもよい。前記一般式(2)において、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基などが挙げられる。前記一般式(2)において、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基などを挙げることができる。
化合物2の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−sec−ブトキシシラン、メチルトリ−tert−ブトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−sec−ブトキシシラン、エチルトリ−tert−ブトキシシラン、エチルトリフェノキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−sec−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、n−プロピルトリフェノキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリ−n−プロポキシシラン、イソプロピルトリイソプロポキシシラン、イソプロピルトリ−n−ブトキシシラン、イソプロピルトリ−sec−ブトキシシラン、イソプロピルトリ−tert−ブトキシシラン、イソプロピルトリフェノキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、n−ブチルトリイソプロポキシシラン、n−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、n−ブチルトリフェノキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチルイソトリエトキシシラン、sec−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、sec−ブチルトリイソプロポキシシラン、sec−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、sec−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、sec−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、sec−ブチルトリフェノキシシラン、tert−ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチルトリエトキシシラン、tert−ブチルト−n−プロポキシシラン、tert−ブチルトリイソプロポキシシラン、tert−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、tert−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、tert−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、tert−ブチルトリフェノキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−sec−ブトキシシラン、フェニルトリ−tert−ブトキシシラン、フェニルトリフェノキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−プロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリ−sec−ブトキシシラン、ビニルトリ−tert−ブトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメチルジ−sec−ブトキシシラン、ジメチルジ−tert−ブトキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジ−n−プロポキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジ−sec−ブトキシシラン、ジエチルジ−tert−ブトキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−プロピルジイソプロポキシシラン、ジ−n−プロピルジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−フェノキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジ−n−プロポキシシラン、ジイソプロピルジイソプロポキシシラン、ジイソプロピルジ−n−ブトキシシラン、ジイソプロピルジ−sec−ブトキシシラン、ジイソプロピルジ−tert−ブトキシシラン、ジイソプロピルジフェノキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−ブチルジイソプロポキシシラン、ジ−n−ブチルジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−フェノキシシラン、ジ−sec−ブチルジメトキシシラン、ジ−sec−ブチルジエトキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチルジイソプロポキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−n−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−フェノキシシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチルジイソプロポキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−n−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−フェノキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジ−エトキシシラン、ジフェニルジ−n−プロポキシシラン、ジフェニルジイソプロポキシシラン、ジフェニルジ−n−ブトキシシラン、ジフェニルジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニルジ−tert−ブトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、ジビニルトリメトキシシランが挙げられる。これらは、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
化合物2として特に好ましい化合物は、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどである。
1.1.2.化合物3
一般式(3)において、Rの1価の有機基としては、前記一般式(2)において例示したものと同様の基を挙げることができる。
化合物3の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラフェノキシシランなどを挙げることができ、特に好ましい化合物としてはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが挙げられる。これらは、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
1.1.3.化合物4
一般式(4)において、R〜Rの1価の有機基としては、前記一般式(2)において例示したものと同様の基を挙げることができる。
一般式(4)において、d=0の化合物としては、ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシラン、ヘキサフェノキシジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタフェノキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−エチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−エチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタフェノキシ−2−エチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−フェニルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−フェニルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタフェノキシ−2−フェニルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラフェノキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジエチルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジエチルジシラン、1,1,2,2−テトラフェノキシ−1,2−ジエチルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2,2−テトラフェノキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリフェノキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリエチルジシラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリエチルジシラン、1,1,2−トリフェノキシ−1,2,2−トリエチルジシラン、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、1,1,2−トリフェノキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラエチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラエチルジシラン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラエチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシランなどを挙げることができる。
これらのうち、ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシランなどを、好ましい例として挙げることができる。
さらに、一般式(4)において、Rが−(CH−で表される基の化合物としては、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリ−n−プロポキシシリル)メタン、ビス(トリ−iso−プロポキシシリル)メタン、ビス(トリ−n−ブトキシシリル)メタン、ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)メタン、ビス(トリ−tert−ブトキシシリル)メタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−iso−プロポキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−tert−ブトキシシリル)エタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−1−(トリメトキシシリル)メタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−1−(トリエトキシシリル)メタン、1−(ジ−n−プロポキシメチルシリル)−1−(トリ−n−プロポキシシリル)メタン、1−(ジ−iso−プロポキシメチルシリル)−1−(トリ−iso−プロポキシシリル)メタン、1−(ジ−n−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−n−ブトキシシリル)メタン、1−(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−sec−ブトキシシリル)メタン、1−(ジ−tert−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−tert−ブトキシシリル)メタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−2−(トリメトキシシリル)エタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−2−(トリエトキシシリル)エタン、1−(ジ−n−プロポキシメチルシリル)−2−(トリ−n−プロポキシシリル)エタン、1−(ジ−iso−プロポキシメチルシリル)−2−(トリ−iso−プロポキシシリル)エタン、1−(ジ−n−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−n−ブトキシシリル)エタン、1−(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−sec−ブトキシシリル)エタン、1−(ジ−tert−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−tert−ブトキシシリル)エタン、ビス(ジメトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−n−プロポキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−iso−プロポキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−n−ブトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−tert−ブトキシメチルシリル)メタン、1,2−ビス(ジメトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジエトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−n−プロポキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−iso−プロポキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−n−ブトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−tert−ブトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−iso−プロポキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−tert−ブトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−iso−プロポキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−tert−ブトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−iso−プロポキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−tert−ブトキシシリル)ベンゼンなど挙げることができる。
これらのうち、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−1−(トリメトキシシリル)メタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−1−(トリエトキシシリル)メタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−2−(トリメトキシシリル)エタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−2−(トリエトキシシリル)エタン、ビス(ジメトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)メタン、1,2−ビス(ジメトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジエトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼンなどを好ましい例として挙げることができる。
前記の化合物2〜4は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
化合物2〜4で表される化合物を加水分解、部分縮合させる際に、一般式(2)〜(4)においてRO−、RO−、RO−およびRO−で表される基1モル当たり、0.3〜10モルの水を用いることが好ましい。また、化合物1〜3で表される化合物を加水分解縮合させる際には、これらの化合物を有機溶媒に溶解したものを用いることができる。かかる有機溶媒としては、後述する1.3.の有機溶媒を用いることができる。
本発明において、ポリシロキサン化合物は、ポリスチレン換算重量平均分子量で100〜100,000、好ましくは1000〜100,000であることが好ましい。なお、本発明において完全加水分解縮合物とは、シロキサン化合物成分中RO−、RO−、RO−およびRO−で表される基が100%加水分解してOH基となり、完全に縮合したものを示す。
1.1.4.触媒
本発明のポリマーの製造方法において、ポリシロキサン化合物の製造時に、必要に応じて触媒が含有されていてもよい。この触媒としては、有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基、金属キレートなどを挙げることができる。
有機酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、ミキミ酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸等を挙げることができる。
無機酸としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸等を挙げることができる。無機塩基としては、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウムなどを挙げることができる。
有機塩基としては、例えば、メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミ、ブタノールアミン、N−メチルメタノールアミン、N−エチルメタノールアミン、N−プロピルメタノールアミン、N−ブチルメタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−プロピルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−メチルプロパノールアミン、N−エチルプロパノールアミン、N−プロピルプロパノールアミン、N−ブチルプロパノールアミン、N−メチルブタノールアミン、N−エチルブタノールアミン、N−プロピルブタノールアミン、N−ブチルブタノールアミン、N,N−ジメチルメタノールアミン、N,N−ジエチルメタノールアミン、N,N−ジプロピルメタノールアミン、N,N−ジブチルメタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジプロピルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N,N−ジメチルプロパノールアミン、N,N−ジエチルプロパノールアミン、N,N−ジプロピルプロパノールアミン、N,N−ジブチルプロパノールアミン、N,N−ジメチルブタノールアミン、N,N−ジエチルブタノールアミン、N,N−ジプロピルブタノールアミン、N,N−ジブチルブタノールアミン、N−メチルジメタノールアミン、N−エチルジメタノールアミン、N−プロピルジメタノールアミン、N−ブチルジメタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−プロピルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン、N−エチルジプロパノールアミン、N−プロピルジプロパノールアミン、N−ブチルジプロパノールアミン、N−メチルジブタノールアミン、N−エチルジブタノールアミン、N−プロピルジブタノールアミン、N−ブチルジブタノールアミン、N−(アミノメチル)メタノールアミン、N−(アミノメチル)エタノールアミン、N−(アミノメチル)プロパノールアミン、N−(アミノメチル)ブタノールアミン、N−(アミノエチル)メタノールアミン、N−(アミノエチル)エタノールアミン、N−(アミノエチル)プロパノールアミン、N−(アミノエチル)ブタノールアミン、N−(アミノプロピル)メタノールアミン、N−(アミノプロピル)エタノールアミン、N−(アミノプロピル)プロパノールアミン、N−(アミノプロピル)ブタノールアミン、N−(アミノブチル)メタノールアミン、N−(アミノブチル)エタノールアミン、N−(アミノブチル)プロパノールアミン、N−(アミノブチル)ブタノールアミン、メトキシメチルアミン、メトキシエチルアミン、メトキシプロピルアミン、メトキシブチルアミン、エトキシメチルアミン、エトキシエチルアミン、エトキシプロピルアミン、エトキシブチルアミン、プロポキシメチルアミン、プロポキシエチルアミン、プロポキシプロピルアミン、プロポキシブチルアミン、ブトキシメチルアミン、ブトキシエチルアミン、ブトキシプロピルアミン、ブトキシブチルアミン、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、N,N−ジプロピルアミン、N,N−ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラメチルエチレンジアミン、テトラエチルエチレンジアミン、テトラプロピルエチレンジアミン、テトラブチルエチレンジアミン、メチルアミノメチルアミン、メチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミン、メチルアミノブチルアミン、エチルアミノメチルアミン、エチルアミノエチルアミン、エチルアミノプロピルアミン、エチルアミノブチルアミン、プロピルアミノメチルアミン、プロピルアミノエチルアミン、プロピルアミノプロピルアミン、プロピルアミノブチルアミン、ブチルアミノメチルアミン、ブチルアミノエチルアミン、ブチルアミノプロピルアミン、ブチルアミノブチルアミン、ピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、モルホリン、メチルモルホリン、ジアザビシクロオクラン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセンなどを挙げることができる。
金属キレートとしては、例えばトリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、テトラキス(アセチルアセトナート)チタン、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)チタン、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)チタン、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)チタン、等のチタンキレート化合物;
トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、等のジルコニウムキレート化合物;
トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム等のアルミニウムキレート化合物;などを挙げることができる。
これらの触媒の使用量は、化合物(2)〜(4)の総量1モルに対して通常0.0001〜1モル、好ましくは0.001〜0.1モルである。
1.2.(B)ポリカルボシラン化合物
本発明のポリマーの製造方法において、(B)ポリカルボシラン化合物としては、下記一般式(1)で表される構造を有するポリカルボシラン化合物(以下、「化合物1」という)を用いることができる。
Figure 2005272816
・・・・・(1)
前記一般式(1)において、Rは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシロキシ基、スルホン基、メタンスルホン基、トリフルオロメタンスルホン基、アルキル基、アルケニル基、およびアリール基からなる群より選ばれる基を示し、Rはハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシロキシ基、スルホン基、メタンスルホン基、トリフルオロメタンスルホン基、アルキル基、アルケニル基、およびアリール基からなる群より選ばれる基を示し、R10,R11は同一または異なり、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシロキシ基、スルホン基、メタンスルホン基、トリフルオロメタンスルホン基、炭素数2〜6のアルキル基、アルケニル基、およびアリール基からなる群より選ばれる基を示す。なお、R〜R11は、同一の基でも異なる基であってもよい。
また、前記一般式(1)において、R12〜R14は、同一または異なり、置換または非置換のメチレン基、アルキレン基、アルケニレン基、およびアリーレン基を示す。ここで、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、へキシレン基、デシレン基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜6であり、これらのアルキレン基は鎖状でも分岐していても、さらに環を形成していてもよく、水素原子がフッ素原子などに置換されていてもよい。ここで、アルケニレン基としては、エテニレン基、プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基等が挙げられ、ジエニルであってもよく、好ましくは炭素数1〜4であり、水素原子がフッ素原子などに置換されていても良い。アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基等を挙げることができ、水素原子がフッ素原子などに置換されていてもよい。
また、前記一般式(1)において、x,y,zは、0〜10,000の数で、5<x+y+z<10,000である。x+y+z<5の場合には、絶縁膜形成用組成物の保存安定性が劣る場合があり、一方、10,000<x+y+zの場合には、(A)成分と層分離を起こし、均一な膜を形成しないことがある。好ましくは、x,y,zはそれぞれ、0≦x≦800、0≦y≦500、0≦z≦1,000であり、より好ましくは、0≦x≦500、0≦y≦300、0≦z≦500であり、さらに好ましくは、0≦x≦100、0≦y≦50、0≦z≦100である。
また、前記一般式(1)において、5<x+y+z<1000であるのが好ましく、5<x+y+z<500であるのがより好ましく、5<x+y+z<250であるのがさらに好ましく、5<x+y+z<100であるのが最も好ましい。
さらに、x=0の場合には、R、R10、R11のいずれかひとつは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシロキシ基、スルホン基、メタンスルホン基、トリフルオロメタンスルホン基である。これにより、(B)成分は、Si−OH基、あるいは加水分解反応によるSi−OH基を生成する官能基を有することになり、このSi−OH基または前記官能基が(A)成分中のSi−OH基と縮合することにより、複合化を進行させることができる。
本発明の絶縁膜形成用組成物において、(B)成分のポリスチレン換算重量平均分子量が400〜50,000であることができる。
本発明の絶縁膜形成用組成物において、(A)成分が、加水分解性基を有するシラン化合物を加水分解縮合することにより得られたものである場合、(A)成分を(A)成分の完全加水分解縮合物に換算した100重量部に対して、(B)成分が1〜1000重量部であることができる。
(B)ポリカルボシラン化合物は例えば、以下の構造単位(5)〜(7)をさらに有することができる。
Figure 2005272816
・・・・・(5)
Figure 2005272816
・・・・・(6)
(式中、R15は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシロキシ基、スルホン基、メタンスルホン基、およびトリフルオロメタンスルホン基からなる群より選ばれる基を示す。)
Figure 2005272816
・・・・・(7)
(式中、R16〜R18は、同一または異なり、R15と同様の基を示す。)
(B)成分が上記構造単位(5)〜(7)を有する場合、(B)成分の分子中において、好ましくは下記一般式(5)で表される構造単位が5〜20モル%であり(より好ましくは10〜15モル%)、好ましくは下記一般式(6)で表される構造単位が1〜15モル%であり(より好ましくは5〜10モル%)、好ましくは下記一般式(7)で表される構造単位が30〜50モル%である(より好ましくは35〜45モル%)。
また、(B)成分中のケイ素原子の数は5〜200であることが好ましく、5〜50であることがより好ましく、5〜15であることがさらに好ましい。
(B)成分中の上記各構造単位の存在比およびケイ素原子数は、例えば29Si−NMRスペクトル解析結果およびポリスチレン換算重量平均分子量から推定することができる。
1.3.有機溶媒
本発明のポリマーの製造方法においては、1.1.で述べた(A)ポリシロキサン化合物および1.2.で述べた(B)ポリカルボシラン化合物は、有機溶媒に溶解もしくは分散されて用いられる。有機溶媒中における(A)成分および(B)成分の合計量の濃度は1〜30重量%であることが好ましい。
本発明のポリマーの製造方法で用いることができる有機溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒および含ハロゲン溶媒の群から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコールなどのモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコールなどの多価アルコール系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルなどの多価アルコール部分エーテル系溶媒;などを挙げることができる。
これらのアルコール系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、2−ヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョンなどのケトン系溶媒を挙げることができる。
これらのケトン系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
アミド系溶媒としては、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドンなどの含窒素系溶媒を挙げることができる。
これらのアミド系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
エーテル溶媒系としては、エチルエーテル、i−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、アニソールなどのエーテル系溶媒を挙げることができる。これらのエーテル系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
これらのエーテル系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
エステル系溶媒としては、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチルなどのエステル系溶媒を挙げることができる。
これらのエステル系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
脂肪族炭化水素系溶媒としては、n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶媒を挙げることができる。
これらの脂肪族炭化水素系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
芳香族炭化水素系溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、i−プロピルベンセン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒を挙げることができる。
これらの芳香族炭化水素系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
含ハロゲン溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、フロン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、などの含ハロゲン溶媒を挙げることができる。
本発明においては、沸点が250℃未満の有機溶媒を使用することが望ましく、有機溶媒の種類としては、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒が特に好ましく、さらにそれらを1種あるいは2種以上を同時に使用することが好ましい。
1.4.触媒
本発明のポリマーの製造方法においては、触媒を用いることができる。かかる触媒としては、1.1.4.で述べた、(A)ポリシロキサン化合物を製造する際に用いることができる触媒を例示できる。
本発明のポリマーの製造方法において、触媒の使用量は、(A)成分および(B)成分の合計100重量部に対して、0.001〜100重量部であることが好ましく、0.005〜50重量部であることがより好ましく、0.01〜10重量部であることがさらに好ましい。触媒の使用量が0.001重量部未満であると、(A)成分と(B)成分の複合化反応が十分に行われず、塗膜にした場合に相分離を起こす可能性があり、一方、100重量部を超えると、(A)成分と(B)成分の複合化反応が急激に進行し、ゲル化する恐れがある。
1.5.水
本発明のポリマーの製造方法において、水の使用量は、(A)成分および(B)成分の合計100重量部に対して、0.1〜100重量部であることが好ましく、0.1〜50重量部であることがより好ましく、1〜20重量部であることがさらに好ましい。水の使用量が0.1〜100重量部であると、低い比誘電率を保持しつつ、薬液耐性が向上した膜を得ることができる。
1.6.組成
本発明のポリマーの製造方法において、(A)成分に対する(B)成分の使用量は、(A)成分を(A)成分の完全加水分解縮合物に換算した100重量部に対して、(B)成分が1〜1,000重量部、より好ましくは5〜50重量部である。(A)成分に対する(B)成分の使用量がこの範囲であると、低い比誘電率を保持しつつ、薬液耐性が向上した膜を得ることができる。
2.絶縁膜形成用組成物
本発明の絶縁膜形成用組成物には、1.で述べた製造方法で得られた、有機溶媒にポリマーが溶解もしくは分散されてなる液状物に、さらに有機ポリマー、界面活性剤などの成分を添加してもよい。
上記液状物には、必要に応じてさらに有機溶剤を加えることができる。有機溶剤としては、1.3.で述べた有機溶媒を例示できる。添加する有機溶剤は、本発明のポリマーの製造に用いた有機溶媒と同じものであってもよいし、本発明のポリマーの製造が終了した後に、本発明のポリマーの製造に用いた有機溶媒を所望の有機溶剤に置換したり、あるいは所望の有機溶剤を添加したりすることもできる。
2.1.有機ポリマー
有機ポリマーとしては、例えば、糖鎖構造を有する重合体、ビニルアミド系重合体、(メタ)アクリル系重合体、芳香族ビニル化合物系重合体、デンドリマー、ポリイミド,ポリアミック酸、ポリアリーレン、ポリアミド、ポリキノキサリン、ポリオキサジアゾール、フッ素系重合体、ポリアルキレンオキサイド構造を有する重合体などを挙げることができる。
ポリアルキレンオキサイド構造を有する重合体としては、ポリメチレンオキサイド構造、ポリエチレンオキサイド構造、ポリプロピレンオキサイド構造、ポリテトラメチレンオキサイド構造、ポリブチレンオキシド構造などが挙げられる。
具体的には、ポリオキシメチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエテチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのエーテル型化合物、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩などのエーテルエステル型化合物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエーテルエステル型化合物などを挙げることができる。
ポリオキシチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーとしては、下記のようなブロック構造を有する化合物が挙げられる。
−(X′)−(Y′)
−(X′)−(Y′)−(X′)
(式中、X′は−CHCHO−で表される基を、Y′は−CHCH(CH)O−で表される基を示し、lは1〜90、mは10〜99、nは0〜90の数を示す。)
これらの中で、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、などのエーテル型化合物をより好ましい例として挙げることができる。
前述の有機ポリマーは、1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
2.2.界面活性剤
界面活性剤としては、たとえば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、さらには、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、ポリ(メタ)アクリレート系界面活性剤などを挙げることができ、好ましくはフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤を挙げることができる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、1,1,2,2−テトラフロロオクチル(1,1,2,2−テトラフロロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフロロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、パーフロロドデシルスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフロロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロデカン、N−[3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]−N,N′−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタイン、パーフルオロアルキルスルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル−N−エチルスルホニルグリシン塩、リン酸ビス(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−エチルアミノエチル)、モノパーフルオロアルキルエチルリン酸エステルなどの末端、主鎖および側鎖の少なくとも何れかの部位にフルオロアルキルまたはフルオロアルキレン基を有する化合物からなるフッ素系界面活性剤を挙げることができる。
また、市販品としては、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183〔以上、大日本インキ化学工業(株)製〕、エフトップEF301、同303、同352〔新秋田化成(株)製〕、フロラードFC−430、同FC−431〔住友スリーエム(株)製〕、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106〔旭硝子(株)製〕、BM−1000、BM−1100〔裕商(株)製〕、NBX−15〔(株)ネオス〕などの名称で市販されているフッ素系界面活性剤を挙げることができる。これらの中でも、上記メガファックF172,BM−1000,BM−1100,NBX−15が特に好ましい。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、SH7PA、SH21PA、SH30PA、ST94PA〔いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製〕などを用いることが出来る。これらの中でも、上記SH28PA、SH30PAが特に好ましい。
界面活性剤の使用量は、(A),(B)成分からなる重合体100重量部に対して、通常、0.00001〜1重量部である。
これらは、1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
3.絶縁膜の形成方法
本発明の絶縁膜は、2.で述べた絶縁膜形成用組成物を塗布して塗膜を形成した後、塗膜を加熱および/または高エネルギー線照射することによって得ることができる。
本発明の絶縁膜形成組成物を、シリコンウエハ、SiOウエハ、SiNウエハなどの基材に塗布する際には、スピンコート、浸漬法、ロールコート法、スプレー法などの塗装手段が用いられる。
この際の膜厚は、乾燥膜厚として、1回塗りで厚さ0.05〜2.5μm程度、2回塗りでは厚さ0.1〜5.0μm程度の塗膜を形成することができる。その後、常温で乾燥するか、あるいは通常80〜600℃、好ましくは30〜500℃、より好ましくは60〜430℃の温度で、通常5〜240分程度、加熱して乾燥することにより、ガラス質または巨大高分子の塗膜を形成することができる。
この際の加熱方法としては、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用することが出来、加熱雰囲気としては、大気下、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空下、酸素濃度をコントロールした減圧下などで行うことができる。
また、前記塗膜の硬化速度を制御するため、必要に応じて、段階的に加熱したり、窒素、空気、酸素、減圧などの雰囲気を選択することができる。
本発明では、膜形成用組成物を基板に塗布し、高エネルギー線照射下で通常25〜500℃、好ましくは30〜450℃、より好ましくは60〜430℃に加熱することができる。
高エネルギー線としては、電子線、紫外線およびX線から選ばれる少なくとも1種の高エネルギー線であることができる。以下に、一例として電子線を使用した場合の照射条件を記す。
このように、高エネルギー線の照射によって、塗膜を硬化させる場合、熱硬化の場合と比して所要時間を短縮させることができる。そのため、たとえば半導体装置の層間絶縁膜の形成に適用する場合に、毎葉処理が行われるとしても、処理時間の短縮を図ることができる。
以下の説明では、高エネルギー線として、電子線を用いた場合の照射条件について説明する。
電子線を照射する場合のエネルギーは0.1〜50keV、好ましくは1〜30keV、電子線照射量は1〜1000μC/cm、好ましくは10〜500μC/cmである。電子線を照射する場合のエネルギーが0.1〜50keVである場合、電子線が膜を透過して下部の半導体素子へダメージを与えることがなく、塗膜内部にまで電子線を十分に進入させる事ができる。また、電子線照射量が1〜1000μC/cmである場合、塗膜全体を反応させ、かつ塗膜へのダメージを低減させることができる。
電子線照射時の基板温度は、好ましくは300〜500℃であり、より好ましくは350〜420℃である。基板温度が300℃以下では、塗膜の硬化が不十分であり、500℃以上では、塗膜が部分的に分解してしまう危険性がある。
また、塗膜に電子線を照射する前に基板を250〜500℃に熱した状態で塗膜をあらかじめ熱硬化させた後に電子線を照射する事もできる。この方法によると、電子線照射量の不均一性に依存する膜厚の不均一さを低減することができる。
また、電子線の照射は、酸素濃度が10,000ppm以下、好ましくは1,000ppmの雰囲気下で行うことが好ましい。酸素濃度が10,000ppmを越えると、電子線の照射が効果的に行われず、硬化が不十分になる恐れがある。
また、本発明において電子線の照射は不活性ガス雰囲気下で行うこともできる。ここで、使用される不活性ガスとはN、He、Ar、KrおよびXe、好ましくはHeおよびArなどを挙げることができる。電子線照射を不活性ガス雰囲気下で行うことにより膜が酸化されにくくなり、得られる塗膜の低誘電率を維持する事ができる。
この電子線照射は、減圧雰囲気で行っても良い。そのときの圧力は、1〜1000mTorrであり、より好ましくは1〜200mTorrの範囲である。
高エネルギー線の照射は、上述のように、電子線を用いて行う他に紫外線を用いて行うことができる。以下に、紫外線を用いる場合の条件について説明する。
紫外線の照射としては、好ましくは100〜260nm、より好ましくは150〜260nmの波長の紫外線により照射する。
また、紫外線の照射は、酸素存在下で行われることが好ましい。
本発明の絶縁膜は、膜構造中にケイ素−炭素結合を多く有するという特徴を有する。また、本発明のポリマーは、(A)ポリシロキサン化合物と、(B)ポリカルボシランとを共存させた状態で縮合することにより、ポリシロキサンとポリカルボシランとが複合化されたポリマーであるため、ポリシロキサン溶液とポリカルボシラン溶液とをブレンドした場合のように、膜中に相分離を発生することがなく、均質な膜を得ることができる。このポリマーを含有する膜形成用組成物を用いることにより、比誘電率が小さく、機械的強度、CMP耐性ならびに薬液耐性に優れた絶縁膜を得ることができる。
本発明の絶縁膜は、低比誘電率でかつ機械的強度、CMP耐性ならびに薬液耐性に優れることから、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAMなどの半導体素子用層間絶縁膜やエッチングストッパー膜、半導体素子の表面コート膜などの保護膜、多層レジストを用いた半導体作製工程の中間層、多層配線基板の層間絶縁膜、液晶表示素子用の保護膜や絶縁膜などの用途に有用である。
4.実施例
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の「部」および「%」は特記しない限り、それぞれ重量部および重量%であることを示している。
4.1.評価方法
各種の評価は、次のようにして行った。
4.1.1.比誘電率
得られたポリマー膜に対して蒸着法によりアルミニウム電極パターンを形成させ、比誘電率測定用サンプルを作成した。該サンプルを周波数100kHzの周波数で、横河・ヒューレットパッカード(株)製、HP16451B電極およびHP4284AプレシジョンLCRメータを用いて、CV法により室温における当該ポリマー膜の比誘電率を測定した。
4.1.2.薬液耐性
ポリマー膜が形成された8インチウエハを、室温で0.2%の希フッ酸水溶液中に1分間浸漬し、ポリマー膜の浸漬前後の膜厚変化を観察した。下記に定義する残膜率が99%以上であれば、薬液耐性が良好である(表1において「A」で表す)と判断し、前記残膜率が99%未満であれば、薬液耐性が良好でない(表1において「B」で表す)と判断した。
残膜率(%)=(浸漬後の膜厚)÷(浸漬前の膜厚)×100
4.2.合成例1
25%アンモニア水溶液5g、超純水320gおよびエタノール600gの混合溶液中に、メチルトリメトキシシラン15g(完全加水分解縮合物換算7.4g)、テトラエトキシシラン20g(完全加水分解縮合物5.8g)、およびビス(ヘキサメトキシシリル)メタン15g(完全加水分解縮合物6.9g)を加えて、60℃で3時間反応させたのち、プロピレングリコールモノプロピルエーテル200gを加え、その後、減圧下で全溶液量が140gとなるまで濃縮した。その後、酢酸の10%プロピレングリコールモノプロピルエーテル溶液10gを添加し、固形分含有量13.0%の溶液(A−1)を得た。
4.3.実施例1
合成例1において合成した溶液(A−1)(ポリシロキサンの固形分濃度が13.0%であるプロピレングリコールモノプロピルエーテル溶液)150g、25%アンモニア水溶液5g、超純水320g、およびエタノール600gの混合溶液中に、重量平均分子量1,000の市販ポリカルボシラン(商品名「NIPUSI Type-S」,日本カーボン株式会社から入手可能であるポリジメチルシランのカルボシラン化ポリマー)1.5gを加え、60℃で5時間反応させた。これに、プロピレングリコールモノプロピルエーテル1000gを加え、減圧下で全溶液量が160gとなるまで濃縮した。その後、酢酸の10%プロピレングリコールモノプロピルエーテル溶液10gを添加し、固形分含有量12.3%の絶縁膜形成用組成物(A−2)を得た。
4.4.実施例2
合成例1において合成した溶液(A−1)(ポリシロキサンの固形分濃度が13.0%であるプロピレングリコールモノプロピルエーテル溶液)150g、25%アンモニア水溶液5g、超純水320g、およびイソプロピルアルコール600gの混合溶液中に、重量平均分子量5,000の市販ポリカルボシラン(商品名「NIPUSI Type-S」,日本カーボン株式会社から入手可能であるポリジメチルシランのカルボシラン化ポリマー)1.5gを加え、60℃で5時間反応させた。これに、プロピレングリコールモノプロピルエーテル1000gを加え、減圧下で全溶液量が160gとなるまで濃縮した。その後、酢酸の10%プロピレングリコールモノプロピルエーテル溶液10gを添加し、固形分含有量12.3%の絶縁膜形成用組成物(A−3)を得た。
4.5.実施例3
合成例1において合成した溶液(A−1)(ポリシロキサンの固形分濃度が13.0%であるプロピレングリコールモノプロピルエーテル溶液)150g、25%塩酸5g、超純水320g、およびエタノール600gの混合溶液中に、重量平均分子量1,000の市販ポリカルボシラン(商品名「NIPUSI Type-S」,日本カーボン株式会社から入手可能であるポリジメチルシランのカルボシラン化ポリマー)1.5gを加え、60℃で5時間反応させた。これに、プロピレングリコールモノプロピルエーテル1000gを加え、減圧下で全溶液量が160gとなるまで濃縮した。その後、酢酸の10%プロピレングリコールモノプロピルエーテル溶液10gを添加し、固形分含有量12.3%の絶縁膜形成用組成物(A−4)を得た。
4.6.試験例1
実施例1で得られた組成物(A−2)、実施例2で得られた組成物(A−3)、実施例3で得られた組成物(A−4)および合成例1で得られた溶液(A−1)を、それぞれ8インチシリコンウエハ上にスピンコート法により塗布し、大気中80℃で5分間、次いで窒素下200℃で5分間加熱したのち、さらに真空下で340℃、360℃、380℃の順でそれぞれ30分間ずつ加熱し、さらに真空下にて425℃で1時間加熱して、無色透明の塗膜を形成した。この塗膜について、4.1.で述べた評価方法によって、比誘電率および薬液耐性を測定した。その結果を表1に示す。
なお、表1において、実験例1〜3はそれぞれ、実施例1〜3で得られた溶液(A−2),(A−3),(A−4)を用いた時の結果であり、比較例1は、合成例1で得られた溶液(A−1)を用いた時の結果である。
4.7.試験例2
実施例1で得られた組成物(A−2)、実施例2で得られた組成物(A−3)、実施例3で得られた組成物(A−4)および合成例1で得られた溶液(A−1)を、それぞれ8インチシリコンウエハ上にスピンコート法を用いて塗布し、膜厚0.5μmの塗膜を得た。大気中において80℃で5分間、次いで窒素雰囲気下において200℃で5分間加熱したのち、得られた塗膜に加速電圧5keV、ホットプレート温度400℃、圧力1.33Pa、He雰囲気の条件下で電子線を照射することにより絶縁膜を形成した。この絶縁膜について、4.1.で述べた評価方法によって比誘電率および薬液耐性を測定した。その結果を表1に示す。
なお、表1において、実験例4〜6はそれぞれ、本試験例において実施例1〜3で得られた溶液(A−2),(A−3),(A−4)を用いた時の結果であり、比較例2は、本試験例において合成例1で得られた溶液(A−1)を用いた時の結果である。
Figure 2005272816
表1から明らかなように、実験例1〜6によれば、ポリシロキサンのみの組成物を用いた比較例1,2と比較して、より比誘電率が低く、かつ優れた薬液耐性を有する絶縁膜が得られたことが確認された。

Claims (11)

  1. (A)ポリシロキサン化合物と、(B)ポリカルボシラン化合物とを、触媒、水および有機溶媒の存在下で混合し、加熱することを含む、ポリマーの製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記(B)ポリカルボシラン化合物は、下記一般式(1)で表される構造を有するポリカルボシラン化合物である、ポリマーの製造方法。
    Figure 2005272816
    ・・・・・(1)
    (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシロキシ基、スルホン基、メタンスルホン基、トリフルオロメタンスルホン基、アルキル基、アルケニル基、およびアリール基からなる群より選ばれる基を示し、Rはハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシロキシ基、スルホン基、メタンスルホン基、トリフルオロメタンスルホン基、アルキル基、アルケニル基、およびアリール基からなる群より選ばれる基を示し、R10,R11は同一または異なり、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシロキシ基、スルホン基、メタンスルホン基、トリフルオロメタンスルホン基、炭素数2〜6のアルキル基、アルケニル基、アリール基からなる群より選ばれる基を示し、R12〜R14は同一または異なり、置換または非置換のメチレン基、アルキレン基、アルケニレン基、およびアリーレン基を示し、x,y,zは、それぞれ0〜10,000の数を示し、5<x+y+z<10,000の条件を満たす。ただし、x=0の場合には、R、R10、R11のいずれかひとつは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシロキシ基、スルホン基、メタンスルホン基、トリフルオロメタンスルホン基である。)
  3. 請求項1または2において、
    前記(A)成分は、加水分解性基を有するシラン化合物を加水分解縮合することにより得られ、
    前記(A)成分を(A)成分の完全加水分解縮合物に換算した100重量部に対して、前記(B)成分が1〜1000重量部である、ポリマーの製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記(B)成分のポリスチレン換算重量平均分子量が400〜50,000である、ポリマーの製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    前記触媒は酸触媒、塩基触媒、または金属触媒である、ポリマーの製造方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    前記触媒の使用量が、前記(A)成分および前記(B)成分の合計100重量部に対して、0.001〜100重量部である、ポリマーの製造方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    前記水の使用量が、前記(A)成分および前記(B)成分の合計100重量部に対して、0.1〜100重量部である、ポリマーの製造方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載のポリマーの製造方法によって得られたポリマー。
  9. 請求項8に記載のポリマーおよび有機溶剤を含有する、絶縁膜形成用組成物。
  10. 請求項9に記載の絶縁膜形成用組成物を基板に塗布し、30〜500℃に加熱することを含む、絶縁膜の形成方法。
  11. 請求項10に記載の絶縁膜の形成方法により得られた絶縁膜。
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