JP2005272539A - 難燃剤、難燃性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 難燃性を高めつつ、長期保存性も向上させる。
【解決手段】 被難燃樹脂に、水分が5重量%未満のスルホン化剤でスルホン化処理することでスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基が0.01モル%〜14.9モル%の範囲で導入された芳香族ポリマーを含有させる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、樹脂組成物に対して難燃性を付与する難燃剤、この難燃剤を含有する難燃性樹脂組成物に関する。
近年、樹脂組成物に対して難燃性を付与する樹脂用難燃剤としては、例えば金属水酸化物系(水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム)難燃剤、珪素系(シリコーン、シリカ)難燃剤、ハロゲン(臭素)系難燃剤、リン系(燐酸エステル、赤燐等)難燃剤、等を挙げることができる。
そして、金属水酸化物系難燃剤は、樹脂中に添加量が多くなるため樹脂の機械的特性を損ねるといった不具合や、珪素系難燃剤は、適用可能な樹脂組成物が限られるといった不具合等がある。また、ハロゲン系難燃剤は、動物や母乳から検出されたり、燃焼時に臭素系ダイオキシン等が発生したりする等といった不具合が生じる虞があることから使用量が減少傾向にある。
そこで、これらの難燃剤の代替として現在注目されているのがリン系難燃剤である。しかしながら、このリン系難燃剤は、樹脂組成物を射出成形する時にガスを発生させたり、樹脂組成物の耐熱性を低下させたりする等といった問題を有している。
また、例えば樹脂組成物としてポリカーボネート樹脂を用いた場合については、金属塩タイプの難燃剤であるポリスチレンスルホン酸塩型の樹脂用難燃剤が提案されている(特許文献1、特許文献2及び特許文献3を参照。)。
しかしながら、これらの提案では、適用可能な樹脂組成物がポリカーボネート樹脂に限定されることや、難燃効果が不十分であることや、樹脂組成物に略均一に分散されない、いわゆる相溶性に乏しい等といった問題があり、さらに難燃効果に優れる樹脂用難燃剤が望まれている。
特に、特許文献3で提案されている樹脂用難燃剤は、水を吸着し易いアミド基やカルボキシル基等を有しており、含有された樹脂組成物を長時間保存すると変色して外観を損なわせたり、樹脂自体が脆くなる、いわゆる機械的強度が低下したりするといった問題が生じる虞がある。
特開2001−181342号公報 特開2001−181444号公報 特開2001−2941号公報
本発明は、樹脂組成物に対する相溶性に優れ、含有された樹脂組成物を長期保存しても外観不良や機械的強度の低下が起こることを抑制できる難燃剤、難燃性樹脂組成物を提供するものである。
上述した問題を解決するために、発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、所定量の芳香族ポリマーに、所定量のスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基が導入されているものが樹脂用難燃剤として優れていることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る難燃剤は、樹脂組成物に含有させることで当該樹脂組成物に難燃性を付与し、芳香族骨格を有するモノマー単位を1モル%〜100モル%の範囲で含有する芳香族ポリマーを有し、この芳香族ポリマーにスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基が0.01モル%〜14.9モル%の範囲で導入されていることを特徴としている。
また、本発明に係る難燃性樹脂組成物は、樹脂組成物に難燃剤が含有されることで難燃性が付与され、難燃剤が、芳香族骨格を有するモノマー単位を1モル%〜100モル%の範囲で含有する芳香族ポリマーを有し、この芳香族ポリマーにスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基が0.01モル%〜14.9モル%の範囲で導入されていることを特徴としている。
本発明によれば、スルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基が所定量導入された芳香族ポリマーを難燃剤として用いることで、難燃性を適切に付与することが可能な樹脂組成物の種類を多くでき、樹脂組成物に難燃剤を略均一に分散させることが可能になる。
また、本発明によれば、水分が3重量%未満のスルホン化剤でスルホン化処理することでスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基が導入された芳香族ポリマーを難燃剤として樹脂組成物に含有させることで、長期保存したときに外観不良や機械的強度の低下が起こることのない優れた難燃性樹脂組成物を得ることができる。
以下、本発明を適用した難燃剤、難燃性樹脂組成物について詳細に説明する。
本発明を適用した難燃性樹脂組成物は、例えば家電製品や自動車製品、事務機器、文具、雑貨、建材、繊維等に用いられる樹脂材料であり、被難燃樹脂である樹脂組成物に難燃剤が含有されることで難燃性が付与されたものである。
難燃性樹脂組成物に含有される難燃剤は、芳香族骨格を有するモノマー単位を1モル%〜100モル%の範囲で含有する芳香族ポリマーに、所定量のスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基が導入されたものである。そして、難燃剤に含有される芳香族ポリマーは、芳香族骨格を側鎖に有していても、主鎖に有していてもどちらでも良い。
具体的に、側鎖に芳香族骨格を有する芳香族ポリマーとしては、例えばポリスチレン(PS)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS:スチレン−ブタジエン共重合体)、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル-塩素化ポリエチレン-スチレン樹脂(ACS)、アクリロニトリル-スチレン-アクリレート共重合体(ASA)、アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴム-スチレン共重合体(AES)、アクリロニトリル-エチレン-プロピレン-ジエン-スチレン樹脂(AEPDMS)等を挙げることができ、これらのうち何れか一種若しくは複数種を混合して用いることができる。
そして、上述した側鎖に芳香族骨格を有する芳香族ポリマーの重量平均分子量は、10,000〜10,000,000の範囲であり、好ましくは50,000〜1,000,000の範囲であり、さらに好ましくは10,000〜500,000の範囲である。
側鎖に芳香族骨格を有する芳香族ポリマーにおいては、重量平均分子量が10,000〜10,000,000の範囲から外れる場合、被難燃樹脂に略均一に難燃剤を分散させることが困難、すなわち相溶性が低下し、難燃性樹脂組成物に対して適切に難燃性を付与することができなくなる。
また、主鎖に芳香族骨格を有する芳香族ポリマーとしては、例えばポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリスルホン(PSF)等を挙げることができ、これらのうち何れか一種若しくは複数種を混合して用いることができる。また、これらの主鎖に芳香族骨格を有する芳香族ポリマーは、他の樹脂等を混合した混合物(アロイ)として用いてよい。具体的に、他の樹脂とのアロイとしては、例えばABS/PCアロイ、PS/PCアロイ、AS/PCアロイ、HIPS/PCアロイ、PET/PCアロイ、PBT/PCアロイ、PVC/PCアロイ、PLA(ポリ乳酸)/PCアロイ、PPO/PCアロイ、PS/PPOアロイ、HIPS/PPOアロイ、ABS/PETアロイ、PET/PBTアロイ等の少なくとも1種類以上を挙げることができる。
芳香族ポリマーにおいて、芳香族骨格を有するモノマー単位の含有量は、1モル%〜100モル%の範囲であり、好ましくは30モル%〜100モル%の範囲であり、さらに好ましくは40モル%〜100モル%である。
芳香族骨格を有するモノマー単位が1モル%より少ないと、被難燃樹脂に難燃剤を略均一に分散させることが困難になったり、芳香族ポリマーに対するスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基の導入率が低くなったりすることから、難燃性樹脂組成物に対して適切に難燃性を付与することができなくなる。
芳香族ポリマーを構成する芳香族骨格としては、例えば芳香族炭化水素、芳香族エステル、芳香族エーテル(フェノール類)、芳香族チオエーテル(チオフェノール類)、芳香族アミド、芳香族イミド、芳香族アミドイミド、芳香族エーテルイミド、芳香族サルホン、芳香族エーテルサルホンが代表的で、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、コロネン等の環状構造を有するものが挙げられる。そして、これら芳香族骨格の中では、ベンゼン環やアルキルベンゼン環構造が最も一般的である。
芳香族ポリマーに含有される芳香族骨格以外のモノマー単位としては、特に限定はないが、例えばアクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、シクロペンタジエン、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、塩化ビニル、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、フマール酸、エチレングリコール等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を用いる。
また、芳香族ポリマーには、例えば使用済みとなった回収材や工場内で排出された端材を用いることもできる。すなわち、回収材を原料として使用することで、低コスト化を図ることができる。
上述した芳香族ポリマーにスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基を所定量導入することで、被難燃樹脂に含有させた際に高い難燃性を付与できる難燃剤が得られる。そして、芳香族ポリマーにスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基を導入する方法としては、例えば芳香族ポリマーを所定量のスルホン化剤でスルホン化処理する方法がある。
この場合に芳香族ポリマーをスルホン化処理するのに用いるスルホン化剤としては、例えば含有する水分が3重量%未満のものが望ましい。具体的に、スルホン化剤としては、例えば無水硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、ポリアルキルベンゼンスルホン酸類等を挙げることができ、これらのうち何れか一種若しくは複数種を混合して用いる。また、スルホン化剤としては、例えばアルキル燐酸エステルやジオキサン等のルイス塩基との錯体物も用いることができる。
スルホン化剤として96重量%の濃硫酸等を用いた場合、芳香族ポリマーをスルホン化させて難燃剤を製造する際に、ポリマー中のシアノ基が加水分解されて吸水効果の高いアミド基やカルボキシル基に転換され、これらアミド基やカルボキシル基を含有する難燃剤が生成される。このようなアミド基やカルボキシル基等を多量に含んだ難燃剤を用いると、難燃性樹脂組成物に対して高い難燃性を付与することはできるものの、時間経過とともに外部から水分を吸収して、難燃性樹脂組成物が変色して外観を損なわせたり、樹脂の機械的強度を劣化させたりするといった不具合の原因になる虞がある。具体的に、特開2001−2941号公報等で提案されているスルホン酸塩型の難燃剤はこの類である。
以上のことを考慮すると、芳香族ポリマーにスルホン化処理を施す方法としては、例えば芳香族ポリマーを有機溶剤(塩素系溶剤)に溶解した状態の溶液に、所定のスルホン化剤を所定量添加して反応させる方法がある。この他にも、例えば有機溶媒中に粉末状の芳香族ポリマーを分散させた状態(非溶解状態)の分散溶液に、所定のスルホン化剤を所定量添加して反応させる方法がある。さらには、例えば芳香族ポリマーをスルホン化剤に直接投入して反応させる方法や、粉末状の芳香族ポリマーにスルホン化ガス、具体的には無水硫酸(SO)ガスを直接吹きかけて反応させる方法等もある。これらの方法の中でも、有機溶剤を使用しない粉末状の芳香族ポリマーにスルホン化ガスを直接吹き付けて反応させる方法がより好ましい。
そして、芳香族ポリマーには、例えばスルホン酸基(−SOH)の状態、スルホン酸塩基の状態、アンモニアやアミン化合物で中和された状態で導入される。具体的に、スルホン酸塩基としては、例えば、スルホン酸Na塩基、スルホン酸K塩基、スルホン酸Li塩基、スルホン酸Ca塩基、スルホン酸Mg塩基、スルホン酸Al塩基、スルホン酸Zn塩基、スルホン酸Sb塩基、スルホン酸Sn塩基等を上げることができる。
なお、難燃剤においては、芳香族ポリマーに、スルホン酸基よりスルホン酸塩基で導入された方が、難燃性樹脂組成物に対してより高い難燃性を付与することができる。これらの中でも、スルホン酸Na塩、スルホン酸K塩、スルホン酸Ca塩等が好適である。
また、芳香族ポリマーに対するスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基の導入率は、スルホン化剤の添加量や、スルホン化剤を反応させる時間や、反応温度や、ルイス塩基の種類や量等で調整することができる。これらの方法の中でも、スルホン化剤の添加量、スルホン化剤と反応させる時間、反応温度等で調整することがより好ましい。
具体的には、芳香族ポリマーに対するスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基の導入率は0.01モル%〜14.9モル%の範囲であり、好ましくは0.05モル%〜12モル%の範囲であり、さらに好ましくは1モル%〜10モル%の範囲である。
芳香族ポリマーに対するスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基の導入率が0.01モル%より低いと、難燃性樹脂組成物に対して難燃性を付与することが困難になる。一方、芳香族ポリマーに対するスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基の導入率が14.9モル%より多いと、樹脂組成物との相溶性が低下したり、時間経過と共に難燃性樹脂組成物の機械的強度が劣化したりする虞がある。
芳香族ポリマーに対するスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基の導入率は、例えばスルホン化処理された芳香族ポリマー中に含有される硫黄(S)成分を燃焼フラスコ法等によって定量分析することで容易に求めることができる。そして、芳香族ポリマーに導入されるスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基の導入率を芳香族ポリマー中に含有される硫黄成分を目安にした場合、芳香族ポリマー中に含有される硫黄成分は、芳香族ポリマーの種類等によっても異なるが、通常、0.001重量%〜4.1重量%の範囲であり、好ましくは0.005重量%〜2.5重量%の範囲である。
以上で説明した難燃剤が含有されることで難燃性が付与される樹脂組成物、すなわち難燃性樹脂組成物の原料となる被難燃樹脂としては、例えばポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンブチレート(PBT)、ポリスルホン(PSF)、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリブタジエン(PB)、ポリイソプレン(PI)、ニトリルゴム(アクリロニトリル-ブタジエンラバー)、ナイロン、ポリ乳酸(PLA)等を挙げることができ、これらのうち何れか一種類以上を5重量%以上含有している樹脂組成物を用いる。すなわち、これらの被難燃樹脂は、一種類で用いてもよいし、複数種を混合した混合物(アロイ)として用いてよい。
上述した難燃剤が含有されることで特に効果的に難燃性が付与される被難燃樹脂としては、例えばPC、ABS、(HI)PS、AS、PPO、PBT、PET、PVC、PLA、ABS/PCアロイ、PS/PCアロイ、AS/PCアロイ、HIPS/PCアロイ、PET/PCアロイ、PBT/PCアロイ、PVC/PCアロイ、PLA(ポリ乳酸)/PCアロイ、PPO/PCアロイ、PS/PPOアロイ、HIPS/PPOアロイ、ABS/PETアロイ、PET/PBTアロイ等の少なくとも1種類以上の樹脂を挙げることができる。
このように、芳香族ポリマーにスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基が0.01モル%〜14.9モル%の範囲で導入されたものを難燃剤として用いることで、難燃性を付与できる被難燃性樹脂の種類を多く出来る。
そして、被難燃樹脂には、上述した難燃剤と同様、例えば使用済みとなった回収材や工場内で排出された端材を用いることもできる。すなわち、回収樹脂を原料として使用することで低コスト化を図ることができる。
以上のような構成の難燃性樹脂組成物においては、スルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基が0.01モル%〜14.9モル%の範囲で導入された芳香族ポリマーを難燃剤として用いることから、被難燃樹脂に対する難燃剤の相溶性が高められ、難燃性を適切に付与することができる。
また、この難燃性樹脂組成物においては、含有される難燃剤が、芳香族ポリマーを水分量3重量%未満のスルホン化剤でスルホン化処理されることで得られたものであり、難燃剤中に吸水効果の高いアミド基やカルボキシル基が導入されることが抑えられることから、長期保存中に大気中の水分を吸って変色して外観を損ねたり、機械的強度が低下したりするといった不具合を抑制できる。
さらにまた、難燃性樹脂組成物においては、被難燃樹脂に対して難燃剤の含有量は0.001重量%〜10重量%の範囲であり、好ましくは0.005重量%〜5重量%の範囲であり、さらに好ましくは0.01重量%〜3重量%の範囲である。
被難燃樹脂に対する難燃剤の含有量が0.001重量%より少なくなると、難燃性樹脂組成物に対して難燃性を効果的に付与することが困難になる。一方、被難燃樹脂に対する難燃剤の含有量が10重量%より多くなると、被難燃性樹脂組成物が逆に燃焼し易くなる。
すなわち、この難燃剤は、被難燃樹脂に少量加えることで難燃性が効果的に付与された難燃性樹脂組成物を得ることができるものである。
以上で説明した難燃性樹脂組成物においては、上述した難燃剤の他に、さらに難燃性を高める目的で、例えば従来公知の難燃剤等を添加させることもできる。
従来公知の難燃剤としては、例えば有機リン酸エステル系難燃剤、ハロゲン化リン酸エステル系難燃剤、無機リン系難燃剤、ハロゲン化ビスフェノール系難燃剤、ハロゲン化合物系難燃剤、アンチモン系難燃剤、窒素系難燃剤、ほう素系難燃剤、金属塩系難燃剤、無機系難燃剤、珪素系難燃剤等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。
具体的に、有機リン酸エステル系難燃剤としては、例えばトリフェニルフォスフェート、メチルネオベンジルフォスフェート、ペンタエリスリトールジエチルジフォスフェート、メチルネオペンチルフォスフェート、フェニルネオペンチルフォスフェート、ペンタエリスリトールジフェニルジフォスフェート、ジシクロペンチルハイポジフォスフェート、ジネオペンチルハイポフォスファイト、フェニルピロカテコールフォスファイト、エチルピロカテコールフォスフェート、ジピロカテコールハイポジフォスフェート等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。
ハロゲン化リン酸エステル系難燃剤としては、例えばトリス(βークロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(βーブロモエチル)ホスフェート、トリス(ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、縮合型ポリホスフェート、縮合型ポリホフホネート等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。
無機リン系難燃剤としては、例えば赤燐、無機系リン酸塩等が挙げられ、これらのうちの一種若しくは両方を混合して用いることが可能である。
ハロゲン化ビスフェノール系難燃剤としては、例えばテトラブロモビスフェノールA及びこのオリゴマー、ビス(ブロモエチルエーテル)テトラブロモビスフェノールA等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。
ハロゲン化合物系難燃剤としては、デカブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモベンゼン、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモ無水フタル酸、(テトラブロビスモフェノール)エポキシオリゴマー、ヘキサブロモビフェニルエーテル、トリブロモフェノール、ジブロモクレジルグリシジルエーテル、デカブロモジフェニルオキシド、ハロゲン化ポリカーボネート、ハロゲン化ポリカーボネート共重合体、ハロゲン化ポリスチレン、ハロゲン化ポリオレフィン、塩素化パラフィン、パークロロシクロデカン等を挙げられ、これらのうち何れか一種類若しくは複数種を混合して用いることが可能である。
アンチモン系難燃剤としては、例えば三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。
窒素系難燃剤としては、例えばメラミン、アルキル基又は芳香族置換メラミン、メラミンシアヌレート、イソシアヌレート、メラミンフォスフェート、トリアジン、グアニジン化合物、尿素、各種シアヌール酸誘導体、フォスファゼン化合物等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。
ほう素系難燃剤としては、例えばほう素酸亜鉛、メタほう素酸亜鉛、メタほう酸バリウム等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。
金属塩系難燃剤としては、例えばパーフルオロアルカンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、ハロゲン化アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。
無機系難燃剤としては、例えば水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、塩基性炭酸マグネシウム、水素化ジルコニウム、酸化スズの水和物等の無機金属化合物の水和物、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化スズ、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等の金属酸化物、アルミニウム、鉄、銅、ニッケル、チタン、マンガン、スズ、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、タングステン、アンチモン等の金属粉、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。
そして、無機系難燃剤の中でも、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、マグネシウムの含水ケイ酸塩であるタルク、塩基性炭酸マグネシウム、マイカ、ハイドロサルサイト、アルミ等が難燃性や経済性の観点から好適である。なお、使用済みとなった回収材や工場内で排出された端材等を無機系難燃剤として用いることができる。
珪素系難燃剤としては、例えばポリオルガノシロキサン樹脂(シリコーン、有機シリケート等)、シリカ等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。そして、ポリオルガノシロキサン樹脂としては、例えばポリメチルエチルシロキサン樹脂、ポリジメチルシロキサン樹脂、ポリメチルフェニルシロキサン樹脂、ポリジフェニルシロキサン樹脂、ポリジエチルシロキサン樹脂、ポリエチルフェニルシロキサン樹脂やこれら混合物等を挙げることができる。
これらポリオルガノシロキサン樹脂のアルキル基部分には、例えばアルキル基、アルコキシ基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シラノール基、メルカプト基、エポキシ基、ビニル基、アリールオキシ基、ポリオキシアルキレン基、水素基、ハロゲン等の官能基が含有されていても良く、特にアルキル基、アルコキシ基、水酸基、ビニル基等が含有されることが好ましい。
そして、ポリオルガノシロキサン樹脂としては、その平均分子量が100以上、好ましくは500〜5000000の範囲であり、その形態については、例えばオイル状、ワニス状、ガム状、粉末状、ペレット状のいずれであっても良い。また、シリカについては、炭化水素系化合物のシランカップリング剤で表面処理されたものが好適である。
以上で説明した従来公知の難燃剤は、その種類や必要とされる難燃性のレベルや被難燃樹脂の種類によって異なるが、その含有量は、通常、被難燃樹脂に対して0.001重量%〜50重量%の範囲であり、好ましくは0.01重量%〜30重量%の範囲であり、さらに好ましくは0.1重量%〜10重量%の範囲である。
また、難燃性樹脂組成物においては、上述した難燃剤の他に、機械的強度の向上や、さらなる難燃性の向上を図る目的で、例えば従来公知の無機充填剤等を添加させることもできる。
従来公知の無機充填剤としては、例えば結晶性シリカ、溶融シリカ、アルミナ、マグネシア、タルク、マイカ、カオリン、クレー、珪藻土、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、ガラス繊維、弗化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、燐酸カルシウム、炭素繊維、カーボンナノチューブ、チタン酸カリウム繊維等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。これらの無機充填剤の中でも、タルク、マイカ、カーボン、ガラス、カーボンナノチューブを用いることが好ましい。
無機充填剤は、難燃性樹脂組成物に対して0.1重量%〜90重量%の範囲、好ましくは0.5重量%〜50重量%の範囲、さらに好ましくは1重量%〜30重量%の範囲で含有されている。
無機充填剤の含有量が0.1重量%より少なくなると、難燃性樹脂組成物の剛性や難燃性の改善効果が低くなる。一方、無機充填剤の含有量が90重量%より多くなると、難燃性樹脂組成物を射出成形する際に溶融した難燃性樹脂組成物の流動性が低下したり、機械的強度が低下したりするといった不具合が起こる虞がある。
さらに、難燃性樹脂組成物においては、上述した難燃剤の他に、燃焼時のドリップ現象を抑制する目的で、例えばフルオロオレフィン樹脂等を添加させることもできる。
ドリップ現象を抑制できるフルオロオレフィン樹脂としては、例えばジフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン-エチレン系モノマーとの共重合体等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。
これらのフルオロオレフィン樹脂の中でも、特にテトラフルオロエチレン重合体等を用いることが好ましく、その平均分子量は50000以上であり、好ましくは100000〜20000000の範囲である。なお、フルオロオレフィン樹脂としては、フィブリル形成能を有するものがより好ましい。
フルオロオレフィン樹脂は、難燃性樹脂組成物に対して0.001重量%〜5重量%の範囲、好ましくは0.005重量%〜2重量%の範囲、さらに好ましくは0.01重量%〜0.5重量%の範囲で含有されている。
フルオロオレフィン樹脂の含有量が0.001重量%より少なくなると、ドリップ現象を抑制させることが困難になる。一方、フルオロオレフィン樹脂の含有量が5重量%より多くなると、ドリップ現象を抑制できる効果が飽和し、コスト高になったり、機械的強度が低下したりするといった不具合が起こる虞がある。
さらにまた、難燃性樹脂組成物においては、上述した難燃剤の他に、射出成形性、耐衝撃性、外観、耐熱性、耐候性、剛性等の改善を目的で、例えば酸化防止剤(フェノール系、リン系、硫黄系)、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、可塑剤、相溶化剤、着色剤(顔料、染料)、抗菌剤、加水分解防止剤、表面処理剤等を添加させることもできる。
そして、以上で説明した難燃性樹脂組成物は、難燃剤、被難燃樹脂、及びその他の添加剤等を、例えばタンブラー、リブレンダー、ミキサー、押出機、コニーダ等といった混練装置にて略均一に分散させた後に、射出成形、射出圧縮成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、プレス成形、発泡成形、超臨界成形等といった成形法により所定の形状に成形された状態で得られる。
そして、難燃性樹脂組成物からなる成形品は、例えば家電製品、自動車、情報機器、事務機器、電話機、文房具、家具、繊維等の各種製品の難燃性が付与された筐体や部品材として、種々の分野で用いられる。
以下、上述した本発明を実証するための実施例、及び実施例に対して比較するための比較例について説明する。
先ず、実施例及び比較例に含有される難燃剤として実施サンプル及び比較サンプルを作製した。
〈実施サンプル1〉
実施サンプル1を作製する際は、先ず、芳香族ポリマーとしてスチレンホモポリマー(重量平均分子量:28万)2.6gを、1,2−ジクロロエタン23.4gを注入した丸底フラスコに投入して溶解させ、ポリマー溶液を調製した。次に、96%硫酸0.25gと無水酢酸0.3gとの混合液をポリマー溶液に10分かけて滴下し、滴下後4時間熟成することで芳香族ポリマーに対してスルホン化処理を行った。次に、沸騰した純水に反応液を注入して溶剤分を取り除き、得られた固体を温純水で3回洗浄した後に、減圧乾燥を行い乾燥した固体を得た。
このとき、得られた固体について、燃焼フラスコ法による元素分析を行ったところ、得られた難燃剤中に含まれる硫黄成分からスルホン酸基導入率は8モル%であった。
次に、乾燥した固体を水酸化カリウムで中和した後に、再び乾燥することで、難燃剤を作製した。すなわち、難燃剤としてスルホン酸基が導入された芳香族ポリマーが得られた。
〈実施サンプル2〉
実施サンプル2を作製する際は、先ず、芳香族ポリマーとして使用済み扇風機の羽根を粉砕し、83メッシュパスの粉末状となったアクリロニトリル-スチレン共重合樹脂(アクリロニトリル単位:44モル%、スチレン単位:56モル%)3gを丸底フラスコに投入し、そのまま攪拌した状態で発煙硫酸4gから発生するSOガスを室温下で4時間かけて吹き込むことで芳香族ポリマーに対してスルホン化処理を行った。次に、フラスコ中にエアーを送り込むことで丸底フラスコラから残留SOガスを取り除き、固体は3回水洗した後に乾燥した。
このとき、得られた固体について、燃焼フラスコ法による元素分析を行ったところ、スルホン酸基導入率は7.2モル%であった。
次に、乾燥した固体を水酸化カリウムで中和した後に、再び乾燥することで、淡黄色固体からなる難燃剤を作製した。すなわち、実施サンプル2も、スルホン酸基が導入された芳香族ポリマーである。
〈実施サンプル3〉
実施サンプル3では、芳香族ポリマーとして使用済み8mmカセットを粉砕し、83メッシュパスの粉末状となったのアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂(アクリロニトリル単位:38モル%、スチレン単位:50モル%、ブタジエン単位:12モル%、黒色)を用い、スルホン化処理を行った時間を10分としたこと以外は、上述した実施サンプル2と同様にして難燃剤を得た。すなわち、実施サンプル3も、スルホン酸基が導入された芳香族ポリマーである。そして、得られた難燃剤を上述した実施サンプル1と同様にして、燃焼フラスコ法による元素分析を行ったところ、スルホン酸基導入率は0.10モル%であった。
〈実施サンプル4〉
実施サンプル4では、芳香族ポリマーとしてポリエチレンテレフタレートを用いたこと以外は、上述した実施サンプル2と同様にして白色固体からなる難燃剤を得た。すなわち、実施サンプル4も、スルホン酸基が導入された芳香族ポリマーである。そして、得られた難燃剤を上述した実施サンプル1と同様にして、燃焼フラスコ法による元素分析を行ったところ、スルホン酸基導入率は0.12モル%であった。
〈実施サンプル5〉
実施サンプル5では、芳香族ポリマーとして工場で排出された透明光学ディスクを粉砕し、83メッシュパスの粉末状となったポリカーボネートを用いたこと以外は、上述した実施サンプル2と同様にして白色固体からなる難燃剤を得た。すなわち、実施サンプル5も、スルホン酸基が導入された芳香族ポリマーである。そして、得られた難燃剤を上述した実施サンプル1と同様にして、燃焼フラスコ法による元素分析を行ったところ、スルホン酸基導入率は2モル%であった。
〈実施サンプル6〉
実施サンプル6では、芳香族ポリマーとしてパウダー状のポリ(2,6−ジメチル−p−フェニレンオキシド)を用いたこと以外は、上述した実施サンプル2と同様にして茶色固体からなる難燃剤を得た。すなわち、実施サンプル6も、スルホン酸基が導入された芳香族ポリマーである。そして、得られた難燃剤を上述した実施サンプル1と同様にして、燃焼フラスコ法による元素分析を行ったところ、スルホン酸基導入率は7.5モル%であった。
〈比較サンプル1〉
比較サンプル1を作製する際は、先ず、芳香族ポリマーとして実施サンプル1で使用したスチレンホモポリマー2gを、1,2−ジクロロエタン18gを注入した丸底フラスコに投入して溶解させ、ポリマー溶液を調製した。次に、1,2−ジクロロエタン15gと、トリエチルホスフェート0.6gと、発煙硫酸2.3gとの混合液をポリマー溶液に1.5時間かけて滴下し、滴下後2時間熟成することで芳香族ポリマーに対してスルホン化処理を行った。次に、析出物を取り出し、メタノールに溶解させた後に、ジエチルエーテルにて再沈を行った後に、沈殿物を乾燥して固体を得た。
このとき、得られた固体について、上述した実施サンプル1と同様にして、燃焼フラスコ法による元素分析を行ったところ、難燃剤中に含有されるスルホン酸基導入率は65モル%であった。
次に、乾燥した固体を水酸化カリウムで中和した後に、再び乾燥することで、白色固体からなる難燃剤を作製した。すなわち、難燃剤としてスルホン酸基が65モル%導入された芳香族ポリマーが得られた。
〈比較サンプル2〉
比較サンプル2では、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(重量平均分子量:1.8万)を難燃剤として用いる。そして、この難燃剤を上述した実施サンプル1と同様にして、燃焼フラスコ法による元素分析を行ったところ、スルホン酸基導入率は99モル%であった。
〈比較サンプル3〉
比較サンプル3では、スルホン化処理に用いるスルホン化剤として90重量%の濃硫酸を用い、スルホン化処理を80℃雰囲気下で1時間行ったこと以外は、上述した実施サンプル3と同様にして黒色固体からなる難燃剤を得た。そして、得られた難燃剤を上述した実施サンプル1と同様にして、燃焼フラスコ法による元素分析を行ったところ、スルホン酸基導入率は36モル%であった。難燃剤としてスルホン酸基が36モル%導入された芳香族ポリマーが得られた。
次に、以上のようにして得られた実施サンプル及び比較サンプル、すなわち難燃剤を所定の被難燃樹脂に含有させて実施例及び比較例を作製した。
〈実施例1〉
実施例1では、被難燃樹脂としてポリカーボネート樹脂(ビスフェノールA型)(以下、PCと記す。)を99.8重量部と、難燃剤として実施サンプル1を0.1重量部と、ドリップ抑制剤としてポリテトラフルオロエチレン(フィブリル形成性)(以下、PTFEと記す。)を0.1重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製し、この難燃性樹脂前駆体を押出機に供給して所定の温度で混練し、ペレット化した後、このペレットを射出成形機に投入して所定の温度で射出形成して厚みが1.5mmの難燃性樹脂組成物からなる短冊状の試験片を形成した。
〈実施例2〉
実施例2では、被難燃樹脂としてPCを99.85重量部と、難燃剤として実施サンプル2を0.05重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.1重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈実施例3〉
実施例3では、被難燃樹脂としてPCを99.85重量部と、難燃剤として実施サンプル5を0.05重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.1重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈実施例4〉
実施例4では、被難燃樹脂としてPC83.8重量部及びアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂(アクリロニトリル/ポリブタジエン/スチレン=24/20/56:重量比)(以下、ABS樹脂と記す。)15重量部と、難燃剤として実施サンプル3を0.5重量部と、その他の難燃剤である珪素系難燃剤としてポリメチルフェニルシロキサン(以下、SIと記す。)を0.5重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.2重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈実施例5〉
実施例5では、被難燃樹脂としてPC89.5重量部及びゴム変性ポリスチレン(ポリブタジエン/ポリスチレン=10/90:重量比)(以下、HIPS樹脂と記す。)10重量部と、難燃剤として実施サンプル2を0.1重量部と、その他の難燃剤としてSIを0.2重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.2重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈実施例6〉
実施例6では、被難燃樹脂としてPC89.4重量部及びアクリロニトリル-スチレン共重合樹脂(アクリロニトリル/スチレン=25/75:重量比)(以下、AS樹脂と記す。)10重量部と、難燃剤として実施サンプル1を0.2重量部と、その他の難燃剤であるSIを0.2重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.2重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈実施例7〉
実施例7では、被難燃樹脂としてPC84重量部及びポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記す。)15重量部と、難燃剤として実施サンプル4を0.3重量部と、その他の難燃剤であるSIを0.4重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.3重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈実施例8〉
実施例8では、被難燃樹脂としてPC49重量部及びポリ乳酸(以下、PLAと記す。)50重量部と、難燃剤として実施サンプル5を0.2重量部と、その他の難燃剤であるSIを0.5重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.3重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈実施例9〉
実施例9では、被難燃樹脂としてABS99重量部と、難燃剤として実施サンプル2を0.5重量部と、その他の難燃剤であるSIを0.2重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.3重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈実施例10〉
実施例10では、被難燃樹脂としてPET99重量部と、難燃剤として実施サンプル4を0.5重量部と、その他の難燃剤であるSIを0.2重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.3重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈実施例11〉
実施例10では、被難燃樹脂としてPC99.8重量部と、難燃剤として実施サンプル6を0.1重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.1重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈比較例1〉
比較例1では、被難燃樹脂としてPC99.8重量部と、難燃剤として比較サンプル1を0.1重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.1重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈比較例2〉
比較例2では、被難燃樹脂としてPC99.8重量部と、難燃剤として比較サンプル2を0.1重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.1重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈比較例3〉
比較例3では、被難燃樹脂としてPC99.85重量部と、難燃剤として比較サンプル3を0.05重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.1重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈比較例4〉
比較例4では、被難燃樹脂としてPC83.8重量部及びABS樹脂15重量部と、難燃剤として比較サンプル3を0.5重量部と、その他の難燃剤であるSIを0.5重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.2重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈比較例5〉
比較例5では、被難燃樹脂としてPC89.5重量部及びHIPS樹脂10重量部と、難燃剤として比較サンプル1を0.1重量部と、その他の難燃剤としてSIを0.2重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.2重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈比較例6〉
比較例6では、被難燃樹脂としてPC89.4重量部及びAS樹脂10重量部と、難燃剤として比較サンプル2を0.2重量部と、その他の難燃剤であるSIを0.2重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.2重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈比較例7〉
比較例7では、被難燃樹脂としてPC84重量部及びPET15重量部と、難燃剤として比較サンプル3を0.3重量部と、その他の難燃剤であるSIを0.4重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.3重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈比較例8〉
比較例8では、被難燃樹脂としてPC49重量部及びPLA50重量部と、難燃剤として比較サンプル1を0.2重量部と、その他の難燃剤であるSIを0.5重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.3重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈比較例9〉
比較例9では、被難燃樹脂としてABS99重量部と、難燃剤として比較サンプル2を0.5重量部と、その他の難燃剤であるSIを0.2重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.3重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
〈比較例10〉
比較例10では、被難燃樹脂としてPET99重量部と、難燃剤として比較サンプル3を0.5重量部と、その他の難燃剤であるSIを0.2重量部と、ドリップ抑制剤としてPTFEを0.3重量部とを混合して難燃性樹脂前駆体を調製したこと以外は、上述した実施例1と同様にして短冊状の試験片を形成した。
次に、得られた各実施例及び各比較例について、燃焼性試験と外観検査とを行った。
ここでの燃焼性試験は、UL94(アンダーライターズラボラトリー・サブジェクト94)のV−0、V−1、V−2規格に従って垂直燃焼試験を行った。具体的には、各実施例及び各比較例の試験片を各5個ずつ用意し、略垂直状に指示した短冊状試験片に対して下側からバーナー炎をあてて10秒間保ち、その後、バーナー炎を短冊状試験片から離す。炎が消えれば直ちにバーナー炎をさらに10秒間あてた後、バーナー炎を離す。このとき、1回目と2回目の接炎終了後の有炎燃焼持続時間、2回目の接炎終了後の有炎燃焼持続時間及び無炎燃焼持続時間の合計、5本全ての試験片の有炎燃焼時間の合計、燃焼滴下物の有無で判定する。そして、V−0規格は、1回目、2回目ともに10秒以内に、V−1、V−2規格は、1回目、2回目ともに30秒以内に有炎燃焼を終えたときである。また、2回目の有炎燃焼持続時間と無炎燃焼持続時間との合計がV−0規格は30秒以内、V−1及びV−2規格は60秒以内である。さらに、5本の試験片の有炎燃焼時間の合計がV−0規格は50秒以内、V−1及びV−2規格は250秒以内である。さらにまた、燃焼落下物は、V−2規格のみに許容される。すなわち、UL燃焼試験法(UL94)においては、V−0、V−1、V−2規格の順で難燃性が高くなる。
また、外観検査は、各実施例及び各比較例の試料片を80℃雰囲気下、湿度80%の恒温恒湿槽内に30日間曝した後に、試験片の外観を目視で確認し、変色が無かった場合は○印で示し、変色が生じた場合は×印で示した。
以下、表1に、各実施例及び各比較例における燃焼性試験と外観検査について評価した結果を示す。
Figure 2005272539
表1に示す評価結果から、芳香族ポリマーに対するスルホン酸基の導入率が0.1モル%〜8モル%の範囲で難燃剤を含有する実施例1〜実施例3、及び実施例11は、芳香族ポリマーに対するスルホン酸基の導入率が36モル%〜95モル%の範囲で難燃剤を含有する比較例1〜比較例3に比べ、難燃性が高められていることがわかる。
比較例1〜比較例3では、燃え易いものと燃えにくいものとが発生し、結果として実施例1〜実施例3、及び実施例11より難燃性の劣ったものしか得られなかった。
また、表1に示す評価結果から、難燃剤として比較サンプル3を含有する比較例3、4、7、10では、高温高湿下に曝すことで難燃性樹脂組成物中に微小な吸湿物の斑点が発生し、外観不良となった。
比較例3、4、7、10では、スルホン化剤として水分が90重量%の濃硫酸を用いた比較サンプル3にはスルホン酸基の他に、水分を吸収し易いアミド基やカルボキシル基等が導入されてしまい、このようなアミド基やカルボキシル基等が含有された比較サンプル3を難燃剤として使用したために、水分を吸収し易くなる。
さらに、表1に示す評価結果から、実施例4〜実施例11は、比較例4〜比較例10に比べ、難燃性が高められていることがわかる。
実施例4〜実施例11では、芳香族ポリマーに含有されるスルホン酸基の導入率を低くされた難燃剤を用いることで、難燃剤と被難燃樹脂との相溶性が向上されたことにより、難燃性が適切に付与された難燃性樹脂組成物となる。
さらにまた、表1に示す評価結果から、各実施例は、難燃剤を被難燃樹脂に少量加えることで難燃性が効果的に付与されていることがわかる。
以上ことから、難燃性樹脂組成物を作製するに際して、スルホン酸基が0.1モル%〜8モル%の範囲で導入された芳香族ポリマーを難燃剤として用いることは、難燃性が適切に付与され、長期保存されても外観不良が生じることのない優れた難燃性樹脂組成物を得る上で大変重要であることがわかる。

Claims (16)

  1. 樹脂組成物に含有させることで当該樹脂組成物に難燃性を付与する難燃剤において、
    芳香族骨格を有するモノマー単位を1モル%〜100モル%の範囲で含有する芳香族ポリマーを有し、この芳香族ポリマーにスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基が0.01モル%〜14.9モル%の範囲で導入されていることを特徴とする難燃剤。
  2. 上記芳香族ポリマーは、側鎖に芳香族骨格を有しており、少なくともポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体(ハイインパクトポリスチレン)、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、アクリロニトリル-塩素化ポリエチレン-スチレン樹脂、アクリロニトリル-スチレン-アクリレート共重合体、アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴム-スチレン共重合体、アクリロニトリル-エチレン-プロピレン-ジエン-スチレン樹脂のうちの何れか一種若しくは複数種を含有していることを特徴とする請求項1記載の難燃剤。
  3. 上記芳香族ポリマーは、重量平均分子量が10000〜10000000であることを特徴とする請求項2記載の難燃剤。
  4. 上記芳香族ポリマーは、主鎖に芳香族骨格を有しており、少なくともポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスルホンのうちの何れか一種若しくは複数種を含有していることを特徴とする請求項1記載の難燃剤。
  5. 上記芳香族ポリマーは、水分が3重量%未満のスルホン化剤でスルホン化処理されることにより、上記スルホン酸及び/又はスルホン酸塩基が導入されていることを特徴とする請求項1記載の難燃剤。
  6. 上記スルホン化剤は、無水硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、ポリアルキルベンゼンスルホン酸のうちの何れか一種以上であることを特徴とする請求項5記載の難燃剤。
  7. 上記芳香族ポリマーは、所定の目的で製造及び/又は使用された樹脂回収物であることを特徴とする請求項1記載の難燃剤。
  8. 樹脂組成物に難燃剤が含有されることで難燃性が付与された難燃性樹脂組成物において、
    上記難燃剤は、芳香族骨格を有するモノマー単位を1モル%〜100モル%の範囲で含有する芳香族ポリマーを有し、この芳香族ポリマーにスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基が0.01モル%〜14.9モル%の範囲で導入されていることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  9. 上記芳香族ポリマーは、側鎖に芳香族骨格を有しており、少なくともポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体(ハイインパクトポリスチレン)、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、アクリロニトリル-塩素化ポリエチレン-スチレン樹脂、アクリロニトリル-スチレン-アクリレート共重合体、アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴム-スチレン共重合体、アクリロニトリル-エチレン-プロピレン-ジエン-スチレン樹脂のうちの何れか一種若しくは複数種を含有していることを特徴とする請求項8記載の難燃性樹脂組成物。
  10. 上記芳香族ポリマーは、重量平均分子量が10000〜10000000であることを特徴とする請求項9記載の難燃性樹脂組成物。
  11. 上記芳香族ポリマーは、主鎖に芳香族骨格を有しており、少なくともポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスルホンのうちの何れか一種若しくは複数種を含有していることを特徴とする請求項7記載の難燃性樹脂組成物。
  12. 上記芳香族ポリマーは、水分が3重量%未満のスルホン化剤でスルホン化処理されることにより、上記スルホン酸及び/又はスルホン酸塩基が導入されていることを特徴とする請求項8記載の難燃性樹脂組成物。
  13. 上記スルホン化剤は、無水硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、ポリアルキルベンゼンスルホン酸のうちの何れか一種以上であることを特徴とする請求項12記載の難燃性樹脂素瀬物。
  14. 上記樹脂組成物は、ポリカーボネート、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンブチレート、ポリスルホン、熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン、ポリイソプレン、アクリロニトリル-ブタジエンラバー、ナイロンのうちの何れか1種類以上を5重量%以上含有していることを特徴とする請求項8記載の難燃性樹脂組成物。
  15. 上記樹脂組成物及び/又は上記芳香族ポリマーは、所定の目的で製造及び/又は使用された樹脂回収物であることを特徴とする請求項8記載の難燃性樹脂組成物。
  16. ドリップ抑制剤として、フルオロオレフィン樹脂が含有されていることを特徴とする請求項8記載の難燃性樹脂組成物。
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