JP2005272327A - N−トリフルオロアセチルグルタミン酸無水物の製造法 - Google Patents

N−トリフルオロアセチルグルタミン酸無水物の製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】 医薬品等の中間原料として有用なN-トリフルオロアセチルグルタミン酸無水物の、好収率、安価、大量製造可能な製造法を提供する。
【解決手段】 式(1)
【化1】
Figure 2005272327

で表されるグルタミン酸に、式(2)
【化2】
Figure 2005272327

(式中、Rは、C1−4アルキル基を意味する。)で表されるトリフルオロ酢酸エステルをメタノール中又はメタノールを含有する混合有機溶媒中で作用させることを特徴とする式(3)
【化3】
Figure 2005272327

で表されるN−トリフルオロアセチルグルタミン酸の製造方法及び製造した式(3)で表されるN−トリフルオロアセチルグルタミン酸を脱水環化させることを特徴とする式(4)
【化4】
Figure 2005272327

で表されるN−トリフルオロアセチルグルタミン酸無水物の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、N-トリフルオロアセチルグルタミン酸無水物の製造法に関するものであり、本発明で得られる化合物は医薬品等の中間原料として利用される有用な化合物である。
従来よりN-保護グルタミン酸無水物誘導体は、テアニンの製造原料(例えば特許公報1参照。)他、医薬品中間体として有用に用いられてきた。アミノ基の保護は、後の製造工程の使用条件によって適宜選択されるが、広く用いられているものにはターシャリブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、トリフルオロアセチル基がある。中でもトリフルオロアセチル基は酸性、還元性条件下での安定性に特徴をもち有用である。
これまでN-トリフルオロアセチルグルタミン酸無水物の製造法は、グルタミン酸とトリフルオロ酢酸無水物を作用させるものが知られていた(例えば非特許文献1及び2参照。)。
特開2001-278848号公報 Chemische Berichte, 88, p.26,1955 Chemische Berichte, 87, p.248,1954
しかしながら上記の方法は下記の3つの問題を抱えていた。(1)副反応としてピログルタミン酸が生成するため、収率が低い。(2)高価なトリフルオロ酢酸無水物を量論量以上に使用する必要がある。(3)激しい発熱反応であり、大量製造を行おうとした場合、制御が極めて困難である。
そのため、従来法よりも高収率、安価、大量製造可能であるN-トリフルオロアセチルグルタミン酸無水物の製造法が待たれていた。
本発明者らは、上記の課題を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、トリフルオロ酢酸エステルでグルタミン酸を容易にトリフルオロアセチル化できること、又、生成したN-トリフルオロアセチルグルタミン酸が容易に脱水環化できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、
1. 式(1)
Figure 2005272327
で表されるグルタミン酸に、式(2)
Figure 2005272327
(式中、Rは、C1-4アルキル基を意味する。)で表されるトリフルオロ酢酸エステルをメタノール中又はメタノールを含有する混合有機溶媒中で作用させることを特徴とする式(3)
Figure 2005272327
で表されるN−トリフルオロアセチルグルタミン酸の製造方法。
2. 式(1)で表されるグルタミン酸に、トリフルオロ酢酸メチルを作用させることを特徴とする式(3)で表されるN−トリフルオロアセチルグルタミン酸の製造方法。
3. 式(3)で表されるN−トリフルオロアセチルグルタミン酸を脱水環化させることを特徴とする式(4)
Figure 2005272327
で表されるN−トリフルオロアセチルグルタミン酸無水物の製造方法。
4. 1.又は2.で製造した式(3)で表されるN−トリフルオロアセチルグルタミン酸を脱水環化させることを特徴とする式(4)で表されるN−トリフルオロアセチルグルタミン酸無水物の製造方法。
に関するものである。
以下、更に詳細に本発明を説明する。
尚、本明細書中「n」はノルマルを「i」はイソを「s」はセカンダリーを「t」はターシャリーを「c」はシクロを意味する。
本明細書中に記載する各置換基を説明する。
RのC1-4アルキル基としては、直鎖、分岐のC1-4アルキル基又はC3-4シクロアルキル基であってよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、c−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル及びc−ブチル等が挙げられ、好ましくは、メチル及びエチルが挙げられる。
本発明のN−トリフルオロアセチルグルタミン酸無水物の製造方法について説明する。
Figure 2005272327
即ち、式(1)で表されるグルタミン酸に、式(2)(式中、Rは、C1-4アルキル基を意味する。)で表されるトリフルオロ酢酸エステルを塩基の存在下メタノール中又はメタノールを含有する混合有機溶媒中で作用させ、式(3)で表されるN−トリフルオロアセチルグルタミン酸の塩とした後、脱水剤の存在下、脱水環化させることにより、式(4)で表されるN−トリフルオロアセチルグルタミン酸無水物を製造することができる。
はじめに、式(3)で表されるN−トリフルオロアセチルグルタミン酸の製造法について説明する。
式(1)で表されるグルタミン酸としては、市販のものを用いることができ、L型、D型及びラセミ体の何れも使用することができる。
但し、市販のグルタミン酸で結晶水を含むものは、反応収率が低下するため、結晶水を含まないものが好ましい。
式(2)で表されるトリフルオロ酢酸エステルも市販のものを使用することができる。
経済性の観点からは、トリフルオロ酢酸メチル又はトリフルオロ酢酸エチルが好ましく、又、トリフルオロ酢酸エチルが好ましい。
トリフルオロ酢酸エステルの使用量は、グルタミン酸の使用量に対して0.1〜5モル当量の範囲であり、操作効率及び経済性の観点から0.8〜1.2モル等量の範囲が好ましい。
塩基としてはジエチルアミン,トリエチルアミン,ジイソプロピルエチルアミン,トリ−n−プロピルアミン,トリ−n−ブチルアミン,DBN(ジアザビシクロノナン),DBU(ジアザビシクロウンデセン),N−メチルモルホリン,N,N−ジメチルアニリン等のアミン類、ピリジン,メチルエチルピリジン,ルチジン,4−N,N−ジメチルアミノピリジン等のピリジン類、イミダゾール、ピラゾール類、水酸化リチウム,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化バリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸セシウム,炭酸マグネシウム,炭酸カルシウム,炭酸バリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩、ナトリウムメトキシド,ナトリウムエトキシド,t−ブトキシカリウム等の金属アルコキシド等を用いることが出来るが、トリエチルアミンが好ましい。
塩基の使用量は、グルタミン酸の使用量に対して1〜10モル当量加えることができるが、操作効率及び経済性の観点から1.6〜2.4モル当量の範囲が好ましい。
溶媒としてはメタノール又はメタノールを含有する混合有機溶媒を使用するが、使用するメタノールは、無水メタノールが好ましい。
メタノールと混合する有機溶媒としては当該反応条件下において安定であり、かつ、目的とする反応を妨げないものであれば特に制限はなく、アルコール類(例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール等)、セロソルブ類(例えばメトキシエタノール、エトキシエタノール等)、非プロトン性極性有機溶媒類(例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、テトラメチルウレア、スルホラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等)、エーテル類(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、脂肪族炭化水素類(例えばペンタン、ヘキサン、c−ヘキサン、オクタン、デカン、デカリン、石油エーテル等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えばクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、低級脂肪族酸エステル(例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等)、アルコキシアルカン類(例えばジメトキシエタン、ジエトキシエタン等)、ニトリル類(例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等)等を使用することが出来る。
メタノール又はメタノールを含有する混合有機溶媒の使用量は、グルタミン酸の使用量に対して、通常1〜100質量倍(W/W)の範囲で行うことができるが、操作効率及び経済性の観点から1〜10質量倍(W/W)、又、2〜4質量倍(W/W)の範囲が好ましい。
メタノールを含有する混合有機溶媒のメタノールの含量は、グルタミン酸の使用量に対して、通常1〜100質量倍(W/W)の範囲で行うことができるが、操作効率及び経済性の観点から1〜10質量倍(W/W)、又、2〜4質量倍(W/W)の範囲が好ましい。
反応操作としては、メタノール又はメタノールを含有する混合有機溶媒にグルタミン酸及び塩基を加えておき、この混合溶液にトリフルオロ酢酸エステルを加えるのが好ましく、又、トリフルオロ酢酸エステルを加える場合、滴下で加えるのが好ましい。
本反応は、反応系中に水が存在すると収率が低下するため、なるべく無水の条件で行うことが好ましい。
又、上記の理由より、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスの雰囲気下で反応を行うのが好ましい。
反応温度は-30〜80℃であり、好ましくは0〜70℃であり、より好ましくは20〜60℃である。
反応時間は、反応温度によって変動するため、一概には決定できないが、例えば、反応温度が21℃であれば1〜8時間反応させれば十分である。
反応終了後は、減圧濃縮を行うことによってN-トリフルオロアセチルグルタミン酸を、塩として回収することができる。
回収したN-トリフルオロアセチルグルタミン酸の塩を酸で処理することにより、フリーのN-トリフルオロアセチルグルタミン酸とすることができる。
但し、フリーのN-トリフルオロアセチルグルタミン酸は、あまり安定ではなく、そのままでは徐々に分解が進行するため、塩として以降の反応に使用するのが好ましい。
トリフルオロ酢酸エステルとしてトリフルオロ酢酸メチルを用いる場合には、メタノール又はメタノールを含有する混合有機溶媒以外の溶媒を用いることができる。
溶媒としては、当該反応条件下において安定であり、かつ、目的とする反応を妨げないものであれば特に制限はなく、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール等)、セロソルブ類(例えばメトキシエタノール、エトキシエタノール等)、非プロトン性極性有機溶媒類(例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、テトラメチルウレア、スルホラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等)、エーテル類(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、脂肪族炭化水素類(例えばペンタン、ヘキサン、c−ヘキサン、オクタン、デカン、デカリン、石油エーテル等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えばクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、低級脂肪族酸エステル(例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等)、アルコキシアルカン類(例えばジメトキシエタン、ジエトキシエタン等)、ニトリル類(例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等)等を使用することが出来る。
トリフルオロ酢酸メチルを用いた場合のそれ以外の反応条件は、他のトリフルオロ酢酸エステルを用いた場合と同様である。
次に、式(4)で表されるN−トリフルオロアセチルグルタミン酸無水物の製造法について説明する。
使用するN−トリフルオロアセチルグルタミン酸としては、上述の反応で製造したN−トリフルオロアセチルグルタミン酸の塩を用いることができる。
フリーのN−トリフルオロアセチルグルタミン酸を用いる場合には、事前に塩基を用いて塩としておくか、又は、塩基の存在下で反応を行うことができる。
使用する塩基としては、上述の塩基を使用することができ、使用量としては、N−トリフルオロアセチルグルタミン酸の使用量に対して、0.1〜5モル当量の範囲であり、好ましくは0.8〜1.2モル等量の範囲である。
本反応は、無溶媒でも行うことができるが、通常溶媒を用いて反応を行うのが好ましい。
本反応に用いることができる溶媒としては、当該反応条件下において安定であり、かつ、不活性で目的とする反応を妨げないものであれば特に制限はなく、非プロトン性極性有機溶媒類(例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、テトラメチルウレア、スルホラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等)、エーテル類(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、脂肪族炭化水素類(例えばペンタン、ヘキサン、c−ヘキサン、オクタン、デカン、デカリン、石油エーテル等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えばクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、低級脂肪族酸エステル(例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等)、アルコキシアルカン類(例えばジメトキシエタン、ジエトキシエタン等)、ニトリル類(例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等)等を使用することが出来るが、好ましくは、芳香族炭化水素類が挙げられ、又、トルエンが挙げられる。
溶媒の使用量は、グルタミン酸の使用量に対して、通常1〜100質量倍(W/W)の範囲で行うことができるが、操作効率及び経済性の観点から1〜10質量倍(W/W)、又、2〜5質量倍(W/W)の範囲が好ましい。
脱水剤としては、カルボン酸ハライド(好ましくはカルボン酸クロリド、例としては例えば、アセチルクロリド、トリクロロアセチルクロリド、トリフルオロアセチルクロリド、ピバロイルクロリド、ベンゾイルクロリド、p−ニトロベンゾイルクロリド、塩化オキザリル)、カルボン酸無水物(例えば、無水酢酸、トリフルオロ酢酸無水物、無水プロピオン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸)、クロロ炭酸エステル(例えば、クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸フェニル、クロロ炭酸p−ニトロフェニル)、スルホン酸ハライド(好ましくはスルホン酸クロリド。例としては例えば、メタンスルホン酸クロリド、ベンゼンスルホン酸クロリド、p−トルエンスルホン酸クロリド)、カルボジイミド類(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド)イソシアネート類(例えば、メチルイソシアネート、フェニルイソシアネート)、カルバミン酸クロリド類(例えば、ジメチルカルバミン酸クロリド、ジエチルカルバミン酸クロリド)、五酸化二リン、五塩化リン、三塩化リン、三臭化リン、オキシ塩化リン、ポリリン酸、亜リン酸トリエステル類(例えば、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリフェニル)、ホスゲン、塩化シアヌル、塩化チオニル、ジアゾカルボン酸ジエステルとトリフェニルホスフィンの組み合わせ、四塩化炭素とトリフェニルホスフィンの組み合わせ、N−クロロスクシンイミドとトリフェニルホスフィンの組み合わせ、N−ブロモスクシンイミドとトリフェニルホスフィンの組み合わせ、オルトエステル類(例えば、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル)、1,1−カルボニルビス−1H−イミダゾール、イミダゾリニウム塩類(例えば、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム クロリド)、ジシクロヘキシルカルボジイミド、EDC、WSC等が挙げられ、好ましくは、カルボン酸ハライド、五酸化リン及び塩化チオニル等が挙げられ、又、塩化オキザリル及び塩化チオニル等が挙げられる。
脱水剤の使用量としてはグルタミン酸の使用量に対して0.8〜5モル当量の範囲であるが、1モル等量より過剰に加えると反応終了後に未反応の脱水剤を除去することが困難となり、逆に1モル当量以下しか加えなければ反応が完結しないため、0.8〜1.2モル等量の範囲が好ましく、0.9〜1.1モル等量の範囲がより好ましい。
本反応は、反応系中に水が存在すると収率が低下するため、なるべく無水の条件で行うことが好ましい。
又、上記の理由より、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスの雰囲気下で反応を行うのが好ましい。
反応温度は-30〜80℃であり、好ましくは0〜70℃であり、より好ましくは20〜60℃である。
反応時間は、反応温度によって変動するため、一概には決定できないが、例えば、反応温度が21℃であれば1〜8時間反応させれば十分である。
反応終了後は、減圧濃縮することにより、目的とする式(4)で表されるN−トリフルオロアセチルグルタミン酸無水物を得ることができる。
又、得られた式(4)で表されるN−トリフルオロアセチルグルタミン酸無水物を非極性有機溶媒から再結晶を行うこにより、純度の高いN−トリフルオロアセチルグルタミン酸無水物を無色結晶として得ることができる。
非極性有機溶媒としてはエーテル類(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、脂肪族炭化水素類(例えばペンタン、ヘキサン、c−ヘキサン、オクタン、デカン、デカリン、石油エーテル等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えばクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等)を用いることができるが、エーテル類が好ましく、さらに好適にはジエチルエーテルまたはジイソプロピルエーテルが挙げられる。
次に実施例を挙げ本発明の内容を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、式(3)で表されるN−トリフルオロアセチルグルタミン酸の収率は、逆相系高速液体クロマトグラフィを用い、ピバリン酸を内部標準物質とする定量分析を行うことにより決定した。
分析条件を以下に示す。
カラム:L-column ODS250mm
展開溶媒:H2O/MeCN/trifluoroacetic acid=75/25/0.5
オーブン温度:40℃,
UV波長:210nm
式(4)で表されるN−トリフルオロアセチルグルタミン酸無水物は、上記と同じ逆相系高速液体クロマトグラフィの分析条件で測定でき、その純度は得られた液クロチャートの面積百分率にて決定した。
実施例1
窒素置換したガラス製反応容器に市販のL-グルタミン酸(和光純薬社製)を3.0 g量りとり、無水メタノール30 gを加え研濁させた。次にトリエチルアミン2.2等量分を加え、21℃に調節した。続いてトリフルオロ酢酸エチルを1.0当量分加え、2時間攪拌した。反応液を逆相HPLCにより分析し、内部標準定量法により収率100%でN-トリフルオロアセチルグルタミン酸が生成していることを確認した。
実施例2
窒素置換したガラス製反応容器に市販のL-グルタミン酸(和光純薬社製)を200 mg量りとり、無水メタノール1 gを加え研濁させた。次にトリエチルアミン2.0等量分を加え、21℃に調節した。続いてトリフルオロ酢酸メチルを1.0当量分加え、2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、無水トルエン5 mLを加え、21℃に調節した。反応液を逆相HPLCにより分析し、内部標準定量法により収率100%でN-トリフルオロアセチルグルタミン酸が生成していることを確認した。
実施例3−6
トリフルオロ酢酸エステルの種類、その使用量、溶媒の種類、その使用量及び反応温度を変えた以外は実施例1と同様の条件で反応を行った。
結果を表1に示した。
尚、表中の溶媒に使用した記号は以下の意味を表す。
A:メタノール
B:エタノール
C:メタノール:オルトジクロロベンゼン=2:3
Figure 2005272327
表1
────────────────────────────────
実施例 R 使用量 溶媒 使用量 反応温度 収率
No. (モル当量) (質量倍) (℃) (%)
────────────────────────────────
3 Et 1.0 C 5 50 97
4 Et 1.0 C 5 60 94
5 Et 1.1 A 1 60 76
6 Me 1.1 B 10 50 55
────────────────────────────────
実施例7
窒素置換したガラス製反応容器に市販のL-グルタミン酸(和光純薬社製)を3.0 g量りとり、無水メタノール30 gを加え研濁させた。次にトリエチルアミン2.0等量分を加え、21℃に調節した。続いてトリフルオロ酢酸エチルを1.0当量分加え、2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、無水トルエン30 mLを加え、21℃に調節した。次に塩化チオニルを1.0当量分加え攪拌した。1時間攪拌後、反応液を減圧濃縮した後、無水ジエチルエーテル50 mLを加え加熱溶解させた後、溶液を-10℃まで徐冷し、晶出した結晶を減圧濾過、減圧乾燥させることにより、目的のN-トリフルオロアセチルグルタミン酸無水物を無色結晶として15.0g得た。
実施例8−15
トリフルオロ酢酸エステルの種類、その使用量、塩基の量、溶媒の使用量、反応温度、脱水剤の種類及びその使用量を変えた以外は実施例7と同様の条件で反応を行った。
尚、脱水環化の反応温度は、トリフルオロアセチル化の反応温度と同じで行った。
結果を表2に示した。
尚、表中の脱水剤に使用した記号は以下の意味を表す。
D:塩化チオニル
E:塩化オキザリル
Figure 2005272327
表2
────────────────────────────────────────
実施例 CF 3 CO 2 R 塩基 溶媒 反応温度 脱水剤 収率 純度
No. R 使用量 使用量 使用量 (℃) 種類 使用量 (%) (%)
────────────────────────────────────────
8 Et 1.0 1.0 10 21 D 1.0 48 90
9 Et 1.0 2.0 2 21 D 1.0 79 90
10 Et 1.0 2.0 10 21 D 2.0 90 79
11 Et 1.0 2.0 10 21 E 1.0 95 99
12 Me 1.0 2.0 10 21 D 1.0 96 99
13 Et 2.0 2.0 10 21 D 1.0 98 99
14 Et 1.0 2.0 10 40 D 1.0 80 95
15 Et 1.1 2.2 3 50 D 1.2 78 95
────────────────────────────────────────
実施例16
窒素置換したガラス製反応容器に市販のL-グルタミン酸(和光純薬社製)を25.0 g量りとり、無水メタノール75 gを加え研濁させた。次にトリエチルアミン2.0等量分を加え、40℃に調節した。続いてトリフルオロ酢酸エチルを1.0当量分加え、2時間攪拌した。
反応液を減圧濃縮した後、塩化エチレン50 mLを加え、40℃に調節した。次に塩化チオニルを1.0当量分加え攪拌した。1時間攪拌後、反応液を減圧濃縮した後、無水ジエチルエーテル50 mLを加え加熱溶解させた後、溶液を-10℃まで徐冷し、晶出した結晶を減圧濾過、減圧乾燥させ、無色結晶を37g得た。
比較例1
トリフルオロ酢酸エチルをトリフルオロ酢酸に変えた以外は実施例7と同様に反応を行ったところ、目的のN-トリフルオロアセチルグルタミン酸無水物は、全く得られなかった。
比較例2
溶媒をエタノールに変えた以外は実施例7と同様に反応を行ったところ、目的のN-トリフルオロアセチルグルタミン酸無水物は、全く得られなかった。
比較例3
文献(ChemischeBerichte, 87, 248, 1954.)記載の方法従って、グルタミン酸に3.5モル等量のトリフルオロ酢酸無水物を作用させたところ、目的のN-トリフルオロアセチルグルタミン酸無水物が69%の収率(純度99%)で得られた。
逆相系高速液体クロマトグラフィによる分析の結果、ピログルタミン酸が生成しておりこの副生成物の生成により収率が低下していることがわかった。
本発明法は医薬品等の中間原料として有用なN-トリフルオロアセチルグルタミン酸無水物の、好収率、安価、大量製造可能な製造法を提供するものである。

Claims (4)

  1. 式(1)
    Figure 2005272327

    で表されるグルタミン酸に、式(2)
    Figure 2005272327

    (式中、Rは、C1−4アルキル基を意味する。)で表されるトリフルオロ酢酸エステルをメタノール中又はメタノールを含有する混合有機溶媒中で作用させることを特徴とする式(3)
    Figure 2005272327

    で表されるN−トリフルオロアセチルグルタミン酸の製造方法。
  2. 式(1)で表されるグルタミン酸に、トリフルオロ酢酸メチルを作用させることを特徴とする式(3)で表されるN−トリフルオロアセチルグルタミン酸の製造方法。
  3. 式(3)で表されるN−トリフルオロアセチルグルタミン酸を脱水環化させることを特徴とする式(4)
    Figure 2005272327

    で表されるN−トリフルオロアセチルグルタミン酸無水物の製造方法。
  4. 請求項1又は請求項2で製造した式(3)で表されるN−トリフルオロアセチルグルタミン酸を脱水環化させることを特徴とする式(4)で表されるN−トリフルオロアセチルグルタミン酸無水物の製造方法。
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