JPWO2004103979A1 - N−(2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)ホルムアミドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
(a)化合物(I)若しくはその塩またはそれらの水和物を、化合物(II)および塩素化剤と反応させて、化合物(III)を製造する工程;(b)化合物(III)をpH3以下で反応させて、化合物(IV)を製造する工程;および、(c)化合物(IV)をpH3.5より高く、pH5以下で反応させる工程を含む本発明の製造方法は、抗ウイルス剤の有用な合成中間体である化合物(V)〔N−(2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)ホルムアミド〕またはその塩を、簡便かつ収率よく、工業的に有利に製造できる方法である。
Description
本発明は、抗ウィルス剤の合成中間体として有用な、N−(2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)ホルムアミドの製造方法に関する。
式(VI):
で表される化合物〔以下、化合物(VI)ともいう〕に代表される一連のプリンヌクレオシド誘導体は、抗ウィルス剤として有用であることが知られている(Nucleosides,Nucleotides & Nucleic Acids,2000年,第19巻(1&2),p.297−327参照)。これらプリンヌクレオシド誘導体の有用な合成中間体として、式(V):
で表されるN−(2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)ホルムアミドが知られている(特許文献1および2参照)。
N−(2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)ホルムアミドの製造方法として、特表平9−508412号公報では下図スキームに示すように、式(I)で表される化合物を式(VII)で表されるビルスマイヤー試薬と反応させて式(IIIa)で表される化合物を製造し、式(IIIa)で表される化合物を塩酸で加水分解し、式(IVa)で表される化合物を製造した後、これをリン酸で加水分解して、N−(2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)ホルムアミドを製造する方法が開示されている。
(式中、R1aおよびR2aは、同一であるか、または異なっていてもよく、C1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、および置換されていてもよいアリールから選択される)
しかしながら、この方法では、式(I)で表される化合物から3工程を要するため工程数が長くなるという問題があり、また、収率も式(I)で表される化合物から50%程度であり、満足できるものではなかった。
また、特開平7−300466号公報では下図スキームに示すように、式(I)で表される化合物を式(IIa)で表されるアミドの存在下において塩素化剤を用いて塩素化し、式(IVb)で表される化合物を製造し、これをプロピオン酸などの式(VIII)で表される脂肪族カルボン酸と反応させて、N−(2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)ホルムアミドを製造する方法が開示されている。
〔式中、R2bは5員または6員環のヘテロシクロアルキル基であって、場合によってはヘテロ原子上に置換基を有するものを表すか、または−NR3R4(R3およびR4は同一または異なるものであって、それぞれC1〜C6アルキル基またはベンジル基である。)を表し、R6はC1〜C6アルキル基であって分岐したものまたは分岐していないものを表すか、またはC3〜C6シクロアルキル基を表す。〕
この方法においても、式(I)で表される化合物から2工程を要し、総収率も55%と低い。さらには式(VIII)で表される脂肪族カルボン酸を多量に使用しているためコスト高になり、工業的に有利な方法とはいえなかった。
で表される化合物〔以下、化合物(VI)ともいう〕に代表される一連のプリンヌクレオシド誘導体は、抗ウィルス剤として有用であることが知られている(Nucleosides,Nucleotides & Nucleic Acids,2000年,第19巻(1&2),p.297−327参照)。これらプリンヌクレオシド誘導体の有用な合成中間体として、式(V):
で表されるN−(2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)ホルムアミドが知られている(特許文献1および2参照)。
N−(2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)ホルムアミドの製造方法として、特表平9−508412号公報では下図スキームに示すように、式(I)で表される化合物を式(VII)で表されるビルスマイヤー試薬と反応させて式(IIIa)で表される化合物を製造し、式(IIIa)で表される化合物を塩酸で加水分解し、式(IVa)で表される化合物を製造した後、これをリン酸で加水分解して、N−(2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)ホルムアミドを製造する方法が開示されている。
(式中、R1aおよびR2aは、同一であるか、または異なっていてもよく、C1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、および置換されていてもよいアリールから選択される)
しかしながら、この方法では、式(I)で表される化合物から3工程を要するため工程数が長くなるという問題があり、また、収率も式(I)で表される化合物から50%程度であり、満足できるものではなかった。
また、特開平7−300466号公報では下図スキームに示すように、式(I)で表される化合物を式(IIa)で表されるアミドの存在下において塩素化剤を用いて塩素化し、式(IVb)で表される化合物を製造し、これをプロピオン酸などの式(VIII)で表される脂肪族カルボン酸と反応させて、N−(2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)ホルムアミドを製造する方法が開示されている。
〔式中、R2bは5員または6員環のヘテロシクロアルキル基であって、場合によってはヘテロ原子上に置換基を有するものを表すか、または−NR3R4(R3およびR4は同一または異なるものであって、それぞれC1〜C6アルキル基またはベンジル基である。)を表し、R6はC1〜C6アルキル基であって分岐したものまたは分岐していないものを表すか、またはC3〜C6シクロアルキル基を表す。〕
この方法においても、式(I)で表される化合物から2工程を要し、総収率も55%と低い。さらには式(VIII)で表される脂肪族カルボン酸を多量に使用しているためコスト高になり、工業的に有利な方法とはいえなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、抗ウィルス剤の有用な合成中間体であるN−(2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)ホルムアミドを簡便かつ収率よく、工業的に有利に製造できる方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った。その結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)(a)式(I):
で表される化合物〔以下、化合物(I)ともいう〕若しくはその塩またはそれらの水和物を、式(II):
(式中、R1およびR2は、同一または異なって、置換されてもよい低級アルキル基、置換されてもよい低級シクロアルキル基、置換されてもよいアリール基または置換されてもよいアラルキル基を示すか、あるいはR1およびR2が結合する窒素原子と一緒になって、置換されてもよい脂肪族ヘテロ環を形成してもよい。)で表される化合物〔以下、化合物(II)ともいう〕および塩素化剤と反応させて、式(III):
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物〔以下、化合物(III)ともいう〕を製造する工程〔以下、工程(a)ともいう〕;
(b)化合物(III)をpH3以下で反応させて、式(IV):
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物〔以下、化合物(IV)ともいう〕を製造する工程〔以下、工程(b)ともいう〕;および、
(c)化合物(IV)をpH3.5より高く、pH5以下で反応させる工程〔以下、工程(c)ともいう〕を含む、式(V):
で表される化合物〔以下、化合物(V)ともいう〕またはその塩の製造方法。
(2)工程(b)において、工程(a)の反応混合物と水を混合することによりpH3以下として、反応させることを特徴とする、上記(1)記載の製造方法。
(3)工程(b)において、さらに塩基を添加することによりpHを調整することを特徴とする、上記(2)記載の製造方法。
(4)工程(b)において添加される塩基が、アンモニア水、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの塩基である、上記(3)記載の製造方法。
(5)工程(c)において、工程(b)の反応混合物に塩基を添加することによりpH3.5より高く、pH5以下に調整することを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)工程(c)において添加される塩基が、アンモニア水、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの塩基である、上記(5)記載の製造方法。
(7)工程(a)と工程(b)、および/または工程(b)と工程(c)を、ワンポット反応で行うことを特徴とする、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
本発明の製造方法は、中間生成物を取り出すことなく、原料の化合物(I)(2,5−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン)からワンポット反応で化合物(V)まで製造できるため、工程数を短縮することができ、簡便である。また、収率も従来より飛躍的に向上する。
さらには、リン酸や脂肪族カルボン酸等を用いる必要がないため、経済的に有利である。
発明の詳細な説明
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本明細書で使用している各記号の定義を行う。
R1およびR2で示される「置換されてもよい低級アルキル基」の「低級アルキル基」としては、炭素数1〜8の直鎖状または分枝鎖状のアルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等が挙げられ、好ましくはメチルまたはエチル等が挙げられる。
R1およびR2で示される「置換されてもよい低級シクロアルキル基」の「低級シクロアルキル基」としては、炭素数3〜8のシクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられ、好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。
R1およびR2で示される「置換されてもよいアリール基」の「アリール基」としては、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等が挙げられ、好ましくはフェニル等が挙げられる。
R1およびR2で示される「置換されてもよいアラルキル基」の「アラルキル基」としては、アルキル部分が上記で定義された「低級アルキル基」であり、アリール部分が上記で例示された「アリール基」であるアラルキル基が挙げられ、例えばベンジル、1−フェネチル、2−フェネチル、3−フェニルプロピル、1−ナフチルメチル等が挙げられ、好ましくはベンジル等が挙げられる。
R1およびR2が結合する窒素原子と一緒になって形成してもよい「脂肪族ヘテロ環」としては、例えば炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1〜2個含む5または6員の脂肪族ヘテロ環、例えばピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン等が挙げられ、好ましくはピペリジン等が挙げられる。
上記の「低級アルキル基」、「低級シクロアルキル基」、「アリール基」、「アラルキル基」および「脂肪族ヘテロ環」に置換してもよい置換基としては、例えば低級アルキル基(上記で定義されたものと同様のものが例示される。但し、低級アルキル基の置換基とはならない。)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等が挙げられ、好ましくはメチル、エチル、塩素原子等が挙げられる。該置換基の数は特に限定はなく、1〜3個が好ましく、同一または異なっていてもよい。
R1およびR2の好ましい例としては、メチル、エチル、フェニル、ベンジル、ピペリジン等が挙げられ、特にメチルが好ましい。
化合物(I)および化合物(V)は、塩の形態であってもよい。そのような塩としては、例えば、鉱酸類(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等)、有機酸類(例えば、酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸、テレフタル酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸等)との塩が挙げられる。また、化合物(I)またはその塩は、水和物であってもよい。
本発明の製造方法は、以下のスキームに示される。
(式中、各記号は前記と同義を示す。)
すなわち本発明の製造方法は、化合物(I)を化合物(II)および塩素化剤と反応させて、化合物(III)を製造する工程(a);化合物(III)をpH3以下で反応させて、化合物(IV)を製造する工程(b);および、化合物(IV)をpH3.5より高く、pH5以下で反応させる工程(c)を含む、化合物(V)の製造方法である。
本発明の製造方法においては、工程(a)と工程(b)および/または工程(b)と工程(c)をワンポット反応で行うことができ、工程数の短縮が図れるため、簡便に行えるという利点がある。ここでワンポット反応とは、連続する複数の化学反応を、中間体を単離することなく、同一の反応容器で行う反応をいう。
さらには、工程(b)および工程(c)において段階的に反応のpHを調整して反応することによって、化合物(III)から化合物(V)に、収率よく導くことができるという利点がある。その理由として、本発明者等は以下のように考えている。
本発明者等は鋭意研究した結果、化合物(III)のピリミジン環の2位の式(IX):−N=CHNR1R2(IX)(式中、R1およびR2は前記と同義を示す。)で表される置換基〔以下、置換基(IX)ともいう〕のアミノ基への脱保護反応と5位の置換基(IX)のホルミルアミノ基への脱保護反応の至適pHに相違があるという結論に達した。
すなわち、化合物(III)の脱保護反応において、pH3以下で反応を行うと、2位の置換基(IX)の脱保護は速やかに進行するが、5位の置換基(IX)の脱保護はほとんど進行せず、反応温度を高くするとピリミジン環のクロル基の加水分解等が進行し、化合物(V)はほとんど得られない。
一方、最初からpHが3.5より高く5以下の範囲で反応を行うと、5位の置換基(IX)の脱保護は進行するようになるが、2位の置換基(IX)の脱保護が上記の場合(pH3以下)に比べ遅くなるため、副生成物が多くなって化合物(V)の収率が悪くなる。
したがって、本発明の方法では、工程(b)においてpH3以下で反応することにより、化合物(III)の2位の置換基(IX)の脱保護が速やかに進行し、化合物(III)は化合物(IV)に移行し、その後工程(c)において、pHが3.5より高く5以下の範囲に調整して反応することにより、化合物(IV)の5位の置換基(IX)の脱保護反応が進行し、化合物(V)を高収率で製造することができると考えられる。
以下、工程(a)〜(c)を詳細に説明する。
1.工程(a)
工程(a)は、例えば、溶媒中、化合物(I)を化合物(II)及び塩素化剤と反応させて、化合物(III)を製造する工程である。
工程(a)において、試薬の添加の順序は特に限定はなく、例えば、溶媒中に予め仕込んだ化合物(I)と塩素化剤との混合物に、化合物(II)を添加する;溶媒中に予め仕込んだ化合物(I)と化合物(II)との混合物に、塩素化剤を添加する;または、溶媒中で化合物(II)と塩素化剤を反応させ、ビルスマイヤー試薬を調製後、溶媒中に仕込んた化合物(I)に添加する等でもよい。
工程(a)に使用される化合物(II)としては、上記R1およびR2で定義され得るホルムアミド類であれば特に限定はなく、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−N−フェニルホルムアミド、N−ホルミルピペリジン等が挙げられ、N,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
工程(a)において、化合物(II)の使用量は、化合物(I)1モルに対して2モル〜10モルが好ましく、2モル〜5モルがより好ましい。化合物(II)の使用量がこの範囲より少ないと、反応効率が低下する傾向があり、この範囲を越えて使用しても、更なる効果は得られず、経済的に不利となる傾向があるため好ましくない。
工程(a)に使用される塩素化剤としては特に限定はなく、例えば、オキシ塩化リン、塩化チオニル、塩化スルフリル、三塩化リン、五塩化リン等が挙げられ、好ましくはオキシ塩化リンが挙げられる。
工程(a)において、塩素化剤の使用量は、化合物(I)1モルに対して2モル〜10モルが好ましく、4モル〜5.5モルがより好ましい。塩素化剤の使用量がこの範囲より少ないと反応効率が低下する傾向があり、この範囲を越えて使用しても更なる効果は得られず、経済的に不利となる傾向があるため好ましくない。
工程(a)に使用される溶媒としては、当該反応を阻害しないものであればよく、例えばテトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘプタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類等、ジクロロメタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類を単独または混合して使用することができる。混合溶媒とする場合には、任意の割合で混合すればよい。
溶媒の使用量としては、化合物(I)1kgに対して通常1L〜20Lであり、より好ましくは5L〜10Lである。
工程(a)の反応温度は、通常50℃〜120℃、好ましくは80℃〜100℃の範囲で行われる。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常5時間〜15時間で終了する。
工程(a)で製造される化合物(III)は常法により単離、精製することができるが、工程短縮のため、通常単離することなく、工程(a)終了後の化合物(III)を含む反応混合物を直接、工程(b)に付して、いわゆるワンポット反応で行う。
2.工程(b)
工程(b)は、化合物(III)をpH3以下で反応させて、化合物(IV)を製造する工程である。
工程(b)において反応液をpH3以下にする方法は特に限定はなく、例えば、化合物(III)をpH3以下に調整した酸性水溶液(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、カルボン酸類等)と反応させる方法等が挙げられるが、ワンポット反応で行えることから、化合物(III)を含む工程(a)の反応混合物と水を混合して塩素化剤が分解することによりpH0程度の強酸性となった混合物に、必要に応じて塩基を添加し、反応液をpH3以下に調整する方法が好ましい。
工程(a)の反応混合物と水を混合する場合には、工程(a)の反応終了後、塩素化剤が激しく分解し過ぎないように、水を反応混合物に15℃〜40℃で滴下するか、または、反応混合物を水に15℃〜40℃で滴下するのが好ましい。また、塩素化剤を充分に分解するため、混合後、15℃〜35℃の温度で、0.5時間〜2時間程度攪拌するのが好ましい。
混合する水の量は特に限定はないが、工程(a)で使用した塩素化剤1モルに対し、200mL〜400mLの範囲が好ましい。
工程(b)においては、化合物(III)のピリミジン環に存在するクロル基の加水分解を抑制するために、適量の塩基を添加することにより反応中のpHを調整するのが好ましい。そのような塩基としては、例えばアンモニア水、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の少なくとも1つが挙げられ、良好な収率が得られることから、炭酸アンモニウムまたはアンモニア水が好ましい。
工程(b)において塩基を添加して反応中のpHを調整する場合は、反応中のpHの範囲としては、通常pH3以下であり、pH2以下が好ましい。工程(b)における反応中のpHが、pH3より高い場合、化合物(III)におけるピリミジン環の2位の置換基(IX)の脱保護が遅くなり、副生成物が増えて収率が低下する傾向があるため好ましくない。pHの下限は特に限定されないが、pH0.5以上が好ましく、pH1.0以上がより好ましい。pH0.5より低い場合、化合物(III)のピリミジン環に存在するクロル基が加水分解される等の副反応が進行しやすくなるため好ましくない。
工程(b)の反応温度は、通常20℃〜100℃、好ましくは40℃〜60℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等にも依存するが、通常0.5時間〜3時間である。
工程(b)により製造される化合物(IV)は常法により単離、精製することができるが、工程短縮のため、通常単離することなく、工程(b)終了後の化合物(IV)を含む反応混合物を直接、工程(c)に付して、いわゆるワンポット反応で行う。
3.工程(c)
工程(c)は、例えば、工程(b)の後、化合物(IV)をpH3.5より高く、pH5以下で反応させることにより、化合物(V)を製造する工程である。
工程(c)において、反応中のpHをpH3.5より高く、pH5以下とする方法としては特に限定はなく、例えば、化合物(IV)をpH3.5より高く、pH5以下に調整した酸性水溶液(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、カルボン酸類等)と反応させる方法等が挙げられるが、ワンポット反応で行えることから、化合物(IV)を含む工程(b)の反応混合物に適量の塩基を添加することによりpHを調整する方法が好ましい。
工程(c)において使用する塩基としては、工程(b)において例示された塩基と同じものが挙げられ、良好な収率が得られることから、炭酸アンモニウムまたはアンモニア水が好ましい。なお、工程(c)において使用する塩基は、工程(b)において使用する塩基と同じ塩基を用いてもよいし、異なる塩基を用いてもよい。
工程(c)における反応中のpHの下限としては、pH3.5より高いのが好ましく、pH3.8以上がより好ましい。また、上限としては、pH5以下が好ましく、pH4.2以下がより好ましい。工程(c)における反応中のpHが、pH3.5以下であると5位の置換基(IX)の脱保護反応が進行しにくくなると共に、ピリミジン環に存在するクロル基が加水分解される等の副反応がおこりやすくなり収率が低下する傾向があるため好ましくない。またpH5を越える場合、ピリミジン環に存在するクロル基と、脱保護反応で副生するR1R2NH(式中、各記号は前記と同義を示す)で表されるアミンとの置換反応等の副反応が進行しやすくなり収率が低下する傾向があるため好ましくない。
工程(c)の反応温度は、通常50℃〜100℃、好ましくは70℃〜90℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等にも依存するが、通常5時間〜10時間で終了する。
工程(c)で製造される化合物(V)は、常法によって単離、精製することができ、特に限定はないが、以下の方法によって行うことが好ましい。
すなわち、反応終了後、必要により冷却することによって析出する沈殿をろ過し、水等で洗浄することにより、沈殿物を得ることができる。該沈殿物は、化合物(V)の酸付加塩であると考えられる。
次いで、該沈殿物をアルカリ性水溶液(例えば、アンモニア水、炭酸カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸アンモニウム水溶液等)に懸濁させ、攪拌後、ろ過、水等で洗浄することにより、化合物(V)を単離、精製することができる。
また、反応液に塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等)または上記アルカリ性水溶液を加え、反応液を塩基性とした後、ろ過、水等で洗浄することにより、化合物(V)を単離、精製してもよい。
本発明の製造方法の原料である化合物(I)は、公知の方法、例えば、上記特許文献2記載の方法の方法に従って製造したものを用いることができ、また市販のものを用いることもできる。
化合物(V)は、例えば上記非特許文献1記載の方法に従って、抗ウィルス剤として有用な化合物(VI)に誘導することができる。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った。その結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)(a)式(I):
で表される化合物〔以下、化合物(I)ともいう〕若しくはその塩またはそれらの水和物を、式(II):
(式中、R1およびR2は、同一または異なって、置換されてもよい低級アルキル基、置換されてもよい低級シクロアルキル基、置換されてもよいアリール基または置換されてもよいアラルキル基を示すか、あるいはR1およびR2が結合する窒素原子と一緒になって、置換されてもよい脂肪族ヘテロ環を形成してもよい。)で表される化合物〔以下、化合物(II)ともいう〕および塩素化剤と反応させて、式(III):
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物〔以下、化合物(III)ともいう〕を製造する工程〔以下、工程(a)ともいう〕;
(b)化合物(III)をpH3以下で反応させて、式(IV):
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物〔以下、化合物(IV)ともいう〕を製造する工程〔以下、工程(b)ともいう〕;および、
(c)化合物(IV)をpH3.5より高く、pH5以下で反応させる工程〔以下、工程(c)ともいう〕を含む、式(V):
で表される化合物〔以下、化合物(V)ともいう〕またはその塩の製造方法。
(2)工程(b)において、工程(a)の反応混合物と水を混合することによりpH3以下として、反応させることを特徴とする、上記(1)記載の製造方法。
(3)工程(b)において、さらに塩基を添加することによりpHを調整することを特徴とする、上記(2)記載の製造方法。
(4)工程(b)において添加される塩基が、アンモニア水、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの塩基である、上記(3)記載の製造方法。
(5)工程(c)において、工程(b)の反応混合物に塩基を添加することによりpH3.5より高く、pH5以下に調整することを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)工程(c)において添加される塩基が、アンモニア水、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの塩基である、上記(5)記載の製造方法。
(7)工程(a)と工程(b)、および/または工程(b)と工程(c)を、ワンポット反応で行うことを特徴とする、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
本発明の製造方法は、中間生成物を取り出すことなく、原料の化合物(I)(2,5−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン)からワンポット反応で化合物(V)まで製造できるため、工程数を短縮することができ、簡便である。また、収率も従来より飛躍的に向上する。
さらには、リン酸や脂肪族カルボン酸等を用いる必要がないため、経済的に有利である。
発明の詳細な説明
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本明細書で使用している各記号の定義を行う。
R1およびR2で示される「置換されてもよい低級アルキル基」の「低級アルキル基」としては、炭素数1〜8の直鎖状または分枝鎖状のアルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等が挙げられ、好ましくはメチルまたはエチル等が挙げられる。
R1およびR2で示される「置換されてもよい低級シクロアルキル基」の「低級シクロアルキル基」としては、炭素数3〜8のシクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられ、好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。
R1およびR2で示される「置換されてもよいアリール基」の「アリール基」としては、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等が挙げられ、好ましくはフェニル等が挙げられる。
R1およびR2で示される「置換されてもよいアラルキル基」の「アラルキル基」としては、アルキル部分が上記で定義された「低級アルキル基」であり、アリール部分が上記で例示された「アリール基」であるアラルキル基が挙げられ、例えばベンジル、1−フェネチル、2−フェネチル、3−フェニルプロピル、1−ナフチルメチル等が挙げられ、好ましくはベンジル等が挙げられる。
R1およびR2が結合する窒素原子と一緒になって形成してもよい「脂肪族ヘテロ環」としては、例えば炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1〜2個含む5または6員の脂肪族ヘテロ環、例えばピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン等が挙げられ、好ましくはピペリジン等が挙げられる。
上記の「低級アルキル基」、「低級シクロアルキル基」、「アリール基」、「アラルキル基」および「脂肪族ヘテロ環」に置換してもよい置換基としては、例えば低級アルキル基(上記で定義されたものと同様のものが例示される。但し、低級アルキル基の置換基とはならない。)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等が挙げられ、好ましくはメチル、エチル、塩素原子等が挙げられる。該置換基の数は特に限定はなく、1〜3個が好ましく、同一または異なっていてもよい。
R1およびR2の好ましい例としては、メチル、エチル、フェニル、ベンジル、ピペリジン等が挙げられ、特にメチルが好ましい。
化合物(I)および化合物(V)は、塩の形態であってもよい。そのような塩としては、例えば、鉱酸類(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等)、有機酸類(例えば、酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸、テレフタル酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸等)との塩が挙げられる。また、化合物(I)またはその塩は、水和物であってもよい。
本発明の製造方法は、以下のスキームに示される。
(式中、各記号は前記と同義を示す。)
すなわち本発明の製造方法は、化合物(I)を化合物(II)および塩素化剤と反応させて、化合物(III)を製造する工程(a);化合物(III)をpH3以下で反応させて、化合物(IV)を製造する工程(b);および、化合物(IV)をpH3.5より高く、pH5以下で反応させる工程(c)を含む、化合物(V)の製造方法である。
本発明の製造方法においては、工程(a)と工程(b)および/または工程(b)と工程(c)をワンポット反応で行うことができ、工程数の短縮が図れるため、簡便に行えるという利点がある。ここでワンポット反応とは、連続する複数の化学反応を、中間体を単離することなく、同一の反応容器で行う反応をいう。
さらには、工程(b)および工程(c)において段階的に反応のpHを調整して反応することによって、化合物(III)から化合物(V)に、収率よく導くことができるという利点がある。その理由として、本発明者等は以下のように考えている。
本発明者等は鋭意研究した結果、化合物(III)のピリミジン環の2位の式(IX):−N=CHNR1R2(IX)(式中、R1およびR2は前記と同義を示す。)で表される置換基〔以下、置換基(IX)ともいう〕のアミノ基への脱保護反応と5位の置換基(IX)のホルミルアミノ基への脱保護反応の至適pHに相違があるという結論に達した。
すなわち、化合物(III)の脱保護反応において、pH3以下で反応を行うと、2位の置換基(IX)の脱保護は速やかに進行するが、5位の置換基(IX)の脱保護はほとんど進行せず、反応温度を高くするとピリミジン環のクロル基の加水分解等が進行し、化合物(V)はほとんど得られない。
一方、最初からpHが3.5より高く5以下の範囲で反応を行うと、5位の置換基(IX)の脱保護は進行するようになるが、2位の置換基(IX)の脱保護が上記の場合(pH3以下)に比べ遅くなるため、副生成物が多くなって化合物(V)の収率が悪くなる。
したがって、本発明の方法では、工程(b)においてpH3以下で反応することにより、化合物(III)の2位の置換基(IX)の脱保護が速やかに進行し、化合物(III)は化合物(IV)に移行し、その後工程(c)において、pHが3.5より高く5以下の範囲に調整して反応することにより、化合物(IV)の5位の置換基(IX)の脱保護反応が進行し、化合物(V)を高収率で製造することができると考えられる。
以下、工程(a)〜(c)を詳細に説明する。
1.工程(a)
工程(a)は、例えば、溶媒中、化合物(I)を化合物(II)及び塩素化剤と反応させて、化合物(III)を製造する工程である。
工程(a)において、試薬の添加の順序は特に限定はなく、例えば、溶媒中に予め仕込んだ化合物(I)と塩素化剤との混合物に、化合物(II)を添加する;溶媒中に予め仕込んだ化合物(I)と化合物(II)との混合物に、塩素化剤を添加する;または、溶媒中で化合物(II)と塩素化剤を反応させ、ビルスマイヤー試薬を調製後、溶媒中に仕込んた化合物(I)に添加する等でもよい。
工程(a)に使用される化合物(II)としては、上記R1およびR2で定義され得るホルムアミド類であれば特に限定はなく、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−N−フェニルホルムアミド、N−ホルミルピペリジン等が挙げられ、N,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
工程(a)において、化合物(II)の使用量は、化合物(I)1モルに対して2モル〜10モルが好ましく、2モル〜5モルがより好ましい。化合物(II)の使用量がこの範囲より少ないと、反応効率が低下する傾向があり、この範囲を越えて使用しても、更なる効果は得られず、経済的に不利となる傾向があるため好ましくない。
工程(a)に使用される塩素化剤としては特に限定はなく、例えば、オキシ塩化リン、塩化チオニル、塩化スルフリル、三塩化リン、五塩化リン等が挙げられ、好ましくはオキシ塩化リンが挙げられる。
工程(a)において、塩素化剤の使用量は、化合物(I)1モルに対して2モル〜10モルが好ましく、4モル〜5.5モルがより好ましい。塩素化剤の使用量がこの範囲より少ないと反応効率が低下する傾向があり、この範囲を越えて使用しても更なる効果は得られず、経済的に不利となる傾向があるため好ましくない。
工程(a)に使用される溶媒としては、当該反応を阻害しないものであればよく、例えばテトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘプタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類等、ジクロロメタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類を単独または混合して使用することができる。混合溶媒とする場合には、任意の割合で混合すればよい。
溶媒の使用量としては、化合物(I)1kgに対して通常1L〜20Lであり、より好ましくは5L〜10Lである。
工程(a)の反応温度は、通常50℃〜120℃、好ましくは80℃〜100℃の範囲で行われる。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常5時間〜15時間で終了する。
工程(a)で製造される化合物(III)は常法により単離、精製することができるが、工程短縮のため、通常単離することなく、工程(a)終了後の化合物(III)を含む反応混合物を直接、工程(b)に付して、いわゆるワンポット反応で行う。
2.工程(b)
工程(b)は、化合物(III)をpH3以下で反応させて、化合物(IV)を製造する工程である。
工程(b)において反応液をpH3以下にする方法は特に限定はなく、例えば、化合物(III)をpH3以下に調整した酸性水溶液(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、カルボン酸類等)と反応させる方法等が挙げられるが、ワンポット反応で行えることから、化合物(III)を含む工程(a)の反応混合物と水を混合して塩素化剤が分解することによりpH0程度の強酸性となった混合物に、必要に応じて塩基を添加し、反応液をpH3以下に調整する方法が好ましい。
工程(a)の反応混合物と水を混合する場合には、工程(a)の反応終了後、塩素化剤が激しく分解し過ぎないように、水を反応混合物に15℃〜40℃で滴下するか、または、反応混合物を水に15℃〜40℃で滴下するのが好ましい。また、塩素化剤を充分に分解するため、混合後、15℃〜35℃の温度で、0.5時間〜2時間程度攪拌するのが好ましい。
混合する水の量は特に限定はないが、工程(a)で使用した塩素化剤1モルに対し、200mL〜400mLの範囲が好ましい。
工程(b)においては、化合物(III)のピリミジン環に存在するクロル基の加水分解を抑制するために、適量の塩基を添加することにより反応中のpHを調整するのが好ましい。そのような塩基としては、例えばアンモニア水、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の少なくとも1つが挙げられ、良好な収率が得られることから、炭酸アンモニウムまたはアンモニア水が好ましい。
工程(b)において塩基を添加して反応中のpHを調整する場合は、反応中のpHの範囲としては、通常pH3以下であり、pH2以下が好ましい。工程(b)における反応中のpHが、pH3より高い場合、化合物(III)におけるピリミジン環の2位の置換基(IX)の脱保護が遅くなり、副生成物が増えて収率が低下する傾向があるため好ましくない。pHの下限は特に限定されないが、pH0.5以上が好ましく、pH1.0以上がより好ましい。pH0.5より低い場合、化合物(III)のピリミジン環に存在するクロル基が加水分解される等の副反応が進行しやすくなるため好ましくない。
工程(b)の反応温度は、通常20℃〜100℃、好ましくは40℃〜60℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等にも依存するが、通常0.5時間〜3時間である。
工程(b)により製造される化合物(IV)は常法により単離、精製することができるが、工程短縮のため、通常単離することなく、工程(b)終了後の化合物(IV)を含む反応混合物を直接、工程(c)に付して、いわゆるワンポット反応で行う。
3.工程(c)
工程(c)は、例えば、工程(b)の後、化合物(IV)をpH3.5より高く、pH5以下で反応させることにより、化合物(V)を製造する工程である。
工程(c)において、反応中のpHをpH3.5より高く、pH5以下とする方法としては特に限定はなく、例えば、化合物(IV)をpH3.5より高く、pH5以下に調整した酸性水溶液(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、カルボン酸類等)と反応させる方法等が挙げられるが、ワンポット反応で行えることから、化合物(IV)を含む工程(b)の反応混合物に適量の塩基を添加することによりpHを調整する方法が好ましい。
工程(c)において使用する塩基としては、工程(b)において例示された塩基と同じものが挙げられ、良好な収率が得られることから、炭酸アンモニウムまたはアンモニア水が好ましい。なお、工程(c)において使用する塩基は、工程(b)において使用する塩基と同じ塩基を用いてもよいし、異なる塩基を用いてもよい。
工程(c)における反応中のpHの下限としては、pH3.5より高いのが好ましく、pH3.8以上がより好ましい。また、上限としては、pH5以下が好ましく、pH4.2以下がより好ましい。工程(c)における反応中のpHが、pH3.5以下であると5位の置換基(IX)の脱保護反応が進行しにくくなると共に、ピリミジン環に存在するクロル基が加水分解される等の副反応がおこりやすくなり収率が低下する傾向があるため好ましくない。またpH5を越える場合、ピリミジン環に存在するクロル基と、脱保護反応で副生するR1R2NH(式中、各記号は前記と同義を示す)で表されるアミンとの置換反応等の副反応が進行しやすくなり収率が低下する傾向があるため好ましくない。
工程(c)の反応温度は、通常50℃〜100℃、好ましくは70℃〜90℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度等にも依存するが、通常5時間〜10時間で終了する。
工程(c)で製造される化合物(V)は、常法によって単離、精製することができ、特に限定はないが、以下の方法によって行うことが好ましい。
すなわち、反応終了後、必要により冷却することによって析出する沈殿をろ過し、水等で洗浄することにより、沈殿物を得ることができる。該沈殿物は、化合物(V)の酸付加塩であると考えられる。
次いで、該沈殿物をアルカリ性水溶液(例えば、アンモニア水、炭酸カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸アンモニウム水溶液等)に懸濁させ、攪拌後、ろ過、水等で洗浄することにより、化合物(V)を単離、精製することができる。
また、反応液に塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等)または上記アルカリ性水溶液を加え、反応液を塩基性とした後、ろ過、水等で洗浄することにより、化合物(V)を単離、精製してもよい。
本発明の製造方法の原料である化合物(I)は、公知の方法、例えば、上記特許文献2記載の方法の方法に従って製造したものを用いることができ、また市販のものを用いることもできる。
化合物(V)は、例えば上記非特許文献1記載の方法に従って、抗ウィルス剤として有用な化合物(VI)に誘導することができる。
以下、本発明について、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
実施例1:N−(2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)ホルムアミドの製造
(a)1,2−ジクロロベンゼン(50ml)に2,5−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン塩酸塩1水和物(10.0g,0.051mol)とオキシ塩化リン(39.1g,0.255mol)を入れ攪拌した。70℃に昇温後、N,N−ジメチルホルムアミド(11.18g,0.153mol)を70〜80℃で滴下した。滴下終了後、温度を90〜95℃へ上げ、約6〜7時間反応を行った。反応終了後、反応液の一部をサンプリングし、LC/MSにより分析したところ、4,6−ジクロロ−2,5−ビス{[(ジメチルアミノ)メチレン]アミノ}ピリミジン〔化合物(III);R1,R2=Me〕が含まれていることを確認した。
LC/MS(+c,ESI)289,291,293(M+1)
(b)実施例1(a)の反応混合物を15〜20℃まで冷却し、水(100ml)を15〜40℃の間で滴下した。滴下後、0.5〜1時間、20〜25℃で攪拌し、静置分液を行った。28%アンモニア水(約30g)により水層のpHを約1へと調整し、50〜55℃へ昇温後、約3時間反応した。反応終了後、反応混合物の一部をサンプリングし、LC/MSにより分析したところ、2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−{[(ジメチルアミノ)メチレン]アミノ}ピリミジン〔化合物(IV);R1,R2=Me〕が含まれていることを確認した。
LC/MS(+c,ESI)234,236,283(M+1)
(c)実施例1(b)の反応混合物に28%アンモニア水(約10g)を添加することにより反応マスpHを約4〜4.5へと調整した。調整後、80〜85℃へと昇温し、昇温後約6〜7時間反応を行った。反応終了後、5〜15℃へと冷却し1時間攪拌した。攪拌終了後、濾過し、濾過残渣を28%アンモニア水(約17g)と水(約40ml)に懸濁し、20〜25℃で約0.5時間攪拌した。攪拌終了後、濾過し、水(100ml)で洗浄し、乾燥する事により、表題化合物(7.42g,収率70.5%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ9.78および9.44(sおよびd,J=11.4Hz,計1H),8.22および7.98(sおよびd,J=11.4Hz,計1H)、7.66および7.60(双方s,計2H).
実施例2:N−(2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)ホルムアミドの製造
2,5−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン塩酸塩1水和物(5.0g,0.0255mol)を用い、実施例1と同様な条件において反応を行った。反応終了後冷却し、濾過した。濾過残渣を10%炭酸カリウム水溶液へ懸濁し、20〜25℃で約0.5時間攪拌した。攪拌終了後、濾過し、水(50ml)で洗浄し乾燥する事により表題化合物(3.72g,収率70.7%)を得た。
実施例3:N−(2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)ホルムアミドの製造
実施例1と同様にして、反応を行った。反応終了後、5〜15℃へと冷却し、28%アンモニア水(約20g)により反応マスpHを約8〜9へと調整した。40〜45℃へと昇温し、1時間攪拌した。沈殿物を濾過後、水(120ml)で洗浄し、水浴70℃にて減圧乾燥することにより表題化合物(7.58g,収率70.7%)を得た。
実施例4:N−(2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)ホルムアミドの製造
2,5−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン塩酸塩1水和物を5.00g使用し、実施例1(a)および(b)と同様に行った。その後、50%KOH水溶液によりpH0.97に調整した。調整後、50〜55℃に昇温し約2時間反応した。反応終了後、冷却し反応マスを50%KOH水溶液によりpH4.02に調整した。調整後、80〜85℃で23時間反応し、反応終了後冷却し、濾過した。濾過残渣を10%炭酸カリウム水溶液へ懸濁し、20〜25℃で約1.5時間攪拌した。攪拌終了後、濾過し、水(50ml)で洗浄し乾燥する事により表題化合物(2.51g,収率47.7%)を得た。
実施例1:N−(2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)ホルムアミドの製造
(a)1,2−ジクロロベンゼン(50ml)に2,5−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン塩酸塩1水和物(10.0g,0.051mol)とオキシ塩化リン(39.1g,0.255mol)を入れ攪拌した。70℃に昇温後、N,N−ジメチルホルムアミド(11.18g,0.153mol)を70〜80℃で滴下した。滴下終了後、温度を90〜95℃へ上げ、約6〜7時間反応を行った。反応終了後、反応液の一部をサンプリングし、LC/MSにより分析したところ、4,6−ジクロロ−2,5−ビス{[(ジメチルアミノ)メチレン]アミノ}ピリミジン〔化合物(III);R1,R2=Me〕が含まれていることを確認した。
LC/MS(+c,ESI)289,291,293(M+1)
(b)実施例1(a)の反応混合物を15〜20℃まで冷却し、水(100ml)を15〜40℃の間で滴下した。滴下後、0.5〜1時間、20〜25℃で攪拌し、静置分液を行った。28%アンモニア水(約30g)により水層のpHを約1へと調整し、50〜55℃へ昇温後、約3時間反応した。反応終了後、反応混合物の一部をサンプリングし、LC/MSにより分析したところ、2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−{[(ジメチルアミノ)メチレン]アミノ}ピリミジン〔化合物(IV);R1,R2=Me〕が含まれていることを確認した。
LC/MS(+c,ESI)234,236,283(M+1)
(c)実施例1(b)の反応混合物に28%アンモニア水(約10g)を添加することにより反応マスpHを約4〜4.5へと調整した。調整後、80〜85℃へと昇温し、昇温後約6〜7時間反応を行った。反応終了後、5〜15℃へと冷却し1時間攪拌した。攪拌終了後、濾過し、濾過残渣を28%アンモニア水(約17g)と水(約40ml)に懸濁し、20〜25℃で約0.5時間攪拌した。攪拌終了後、濾過し、水(100ml)で洗浄し、乾燥する事により、表題化合物(7.42g,収率70.5%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ9.78および9.44(sおよびd,J=11.4Hz,計1H),8.22および7.98(sおよびd,J=11.4Hz,計1H)、7.66および7.60(双方s,計2H).
実施例2:N−(2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)ホルムアミドの製造
2,5−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン塩酸塩1水和物(5.0g,0.0255mol)を用い、実施例1と同様な条件において反応を行った。反応終了後冷却し、濾過した。濾過残渣を10%炭酸カリウム水溶液へ懸濁し、20〜25℃で約0.5時間攪拌した。攪拌終了後、濾過し、水(50ml)で洗浄し乾燥する事により表題化合物(3.72g,収率70.7%)を得た。
実施例3:N−(2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)ホルムアミドの製造
実施例1と同様にして、反応を行った。反応終了後、5〜15℃へと冷却し、28%アンモニア水(約20g)により反応マスpHを約8〜9へと調整した。40〜45℃へと昇温し、1時間攪拌した。沈殿物を濾過後、水(120ml)で洗浄し、水浴70℃にて減圧乾燥することにより表題化合物(7.58g,収率70.7%)を得た。
実施例4:N−(2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)ホルムアミドの製造
2,5−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン塩酸塩1水和物を5.00g使用し、実施例1(a)および(b)と同様に行った。その後、50%KOH水溶液によりpH0.97に調整した。調整後、50〜55℃に昇温し約2時間反応した。反応終了後、冷却し反応マスを50%KOH水溶液によりpH4.02に調整した。調整後、80〜85℃で23時間反応し、反応終了後冷却し、濾過した。濾過残渣を10%炭酸カリウム水溶液へ懸濁し、20〜25℃で約1.5時間攪拌した。攪拌終了後、濾過し、水(50ml)で洗浄し乾燥する事により表題化合物(2.51g,収率47.7%)を得た。
本発明の製造方法は、抗ウィルス剤の合成中間体であるN−(2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)ホルムアミド〔化合物(V)〕を、従来の方法より工業的に有利に製造できる方法である。
本出願は、日本で出願された特願2003−148358を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。
本出願は、日本で出願された特願2003−148358を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。
Claims (7)
- (a)式(I):
で表される化合物若しくはその塩またはそれらの水和物を、式(II):
(式中、R1およびR2は、同一または異なって、置換されてもよい低級アルキル基、置換されてもよい低級シクロアルキル基、置換されてもよいアリール基または置換されてもよいアラルキル基を示すか、あるいはR1およびR2が結合する窒素原子と一緒になって、置換されてもよい脂肪族ヘテロ環を形成してもよい。)で表される化合物および塩素化剤と反応させて、式(III):
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を製造する工程;
(b)式(III)で表される化合物をpH3以下で反応させて、式(IV):
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を製造する工程;および、
(c)式(IV)で表される化合物をpH3.5より高く、pH5以下で反応させる工程を含む、式(V):
で表される化合物またはその塩の製造方法。 - (b)に示される工程において、(a)に示される工程の反応混合物と水を混合することによりpH3以下として、反応させることを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
- (b)に示される工程において、さらに塩基を添加することによりpHを調整することを特徴とする、請求項2記載の製造方法。
- (b)に示される工程において添加される塩基が、アンモニア水、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの塩基である、請求項3記載の製造方法。
- (c)に示される工程において、(b)に示される工程の反応混合物に塩基を添加することによりpH3.5より高く、pH5以下に調整することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- (c)に示される工程において添加される塩基が、アンモニア水、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの塩基である、請求項5記載の製造方法。
- (a)に示される工程と(b)に示される工程、および/または(b)に示される工程と(c)に示される工程を、ワンポット反応で行うことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
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