JP2005268275A - 窒化物系半導体発光ダイオード素子 - Google Patents

窒化物系半導体発光ダイオード素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2005268275A
JP2005268275A JP2004074293A JP2004074293A JP2005268275A JP 2005268275 A JP2005268275 A JP 2005268275A JP 2004074293 A JP2004074293 A JP 2004074293A JP 2004074293 A JP2004074293 A JP 2004074293A JP 2005268275 A JP2005268275 A JP 2005268275A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
ohmic electrode
based semiconductor
nitride
type gan
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004074293A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoshi Ota
潔 太田
Tatsuya Kunisato
竜也 國里
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP2004074293A priority Critical patent/JP2005268275A/ja
Publication of JP2005268275A publication Critical patent/JP2005268275A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】光出力特性を向上させることが可能な窒化物系半導体発光ダイオード素子を提供する。
【解決手段】この窒化物系半導体発光ダイオード素子は、p型GaN層4に接触するように形成され、約1.0nmの厚みを有するAl膜6aと、Al膜6a上に形成されたAg膜6bとを含むp側オーミック電極6を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物系半導体発光ダイオード素子に関し、特に、p型の窒化物系半導体層を有する窒化物系半導体発光ダイオード素子に関する。
従来、p型の窒化物系半導体層上に、積層された複数の金属層からなるオーミック電極が形成された窒化物系半導体発光ダイオード素子が知られている(たとえば、特許文献1参照)。上記した従来の窒化物系半導体発光ダイオード素子のオーミック電極において、p型の窒化物系半導体層と接触するように形成される金属層としては、たとえば、Ni膜、Pd膜およびAg膜などがある。
図28は、従来の窒化物系半導体発光ダイオード素子の構造を示した断面図である。なお、図28に示す従来の窒化物系半導体発光ダイオード素子は、400nm領域の光を出射する。図28を参照して、従来の窒化物系半導体発光ダイオード素子では、サファイア基板101上に、約2.5μmの厚みを有するn型GaN層102が形成されている。n型GaN層102上には、約100nmの厚みを有する多重量子井戸(MQW)構造の活性層103が形成されている。この活性層103は、InGaNからなる複数の井戸層(図示せず)とGaNからなる複数の障壁層(図示せず)とが交互に積層されたMQW構造を有する。活性層103上には、約300nmの厚みを有するp型GaN層104が形成されている。
また、p型GaN層104の上面からn型GaN層102の途中の深さまでの所定領域が除去されることにより、n型GaN層102の表面の一部が露出されている。そして、p型GaN層104およびn型GaN層102の上面と、p型GaN層104およびn型GaN層102の間に位置するp型GaN層104、活性層103およびn型GaN層102の側面とを覆うように、約300nmの厚みを有するSiO膜からなる絶縁膜105が形成されている。この絶縁膜105は、p型GaN層104上の所定領域に位置する開口部105aと、n型GaN層102の露出した表面上の所定領域に位置する開口部105bとを有する。
また、p型GaN層104上の開口部105aに対応する領域には、p型GaN層104側から順に、約100nmの厚みを有するPd膜106aおよび約300nmの厚みを有するAu膜106bが形成されている。そして、Pd膜106aおよびAu膜106bによって、p側オーミック電極106が構成されている。また、n型GaN層102の露出した表面上の開口部105bに対応する領域には、n型GaN層102側から順に、約10nmの厚みを有するAl膜107a、約20nmの厚みを有するPd膜107bおよび約300nmの厚みを有するAu膜107cが形成されている。そして、Al膜107a、Pd膜107bおよびAu膜107cによって、n側オーミック電極107が構成されている。
そして、図28に示した従来の窒化物系半導体発光ダイオード素子では、活性層103で生成された光は、サファイア基板101側から矢印A方向に出射される。なお、矢印A方向とは反対方向に進む光は、p側オーミック電極106で反射された後、サファイア基板101側から矢印A方向に出射される。
特開2000−294837号公報
しかしながら、p型GaN層104に接触するように形成されるPd膜106aを含むp側オーミック電極106を用いた従来の窒化物系半導体発光ダイオード素子では、ダイボンディングなどの組立工程時に約250℃〜約320℃の温度で加熱された場合、オーミック性が劣化するという不都合があった。また、p側オーミック電極106を構成するPd膜106aは、p型GaN層104に対する付着力が弱いので、p型GaN層104からp側オーミック電極106の一部が剥離する場合がある。この場合、p型GaN層104とp側オーミック電極106との接触面積が小さくなるので、接触抵抗の増加に起因するオーミック性の劣化が生じるという不都合があった。また、p側オーミック電極106を構成するPd膜106aは、400nm領域の光に対する反射率が約60%と低いので、p側オーミック電極106での光吸収が増大するという不都合もあった。
そこで、p型GaN層104に対するp側オーミック電極の付着性を改善するとともに、熱に起因するオーミック性の劣化を抑制するために、Pd膜106aに代えて、付着性が良好で、かつ、組立工程後に約400℃の温度で熱処理することによりオーミック性を回復させることが可能なNi膜を含むp側オーミック電極を用いることも考えられる。しかしながら、Ni膜の反射率(約35%)は、400nm領域の光に対して、Pd膜の反射率(約60%)よりも低いので、p側オーミック電極での光吸収がより増大するという不都合がある。
また、p側オーミック電極として、400nm領域の光に対する反射率を向上させて光吸収の増大を抑制するために、Pd膜106aに代えて、400nm領域の光に対して高い反射率を有するAg膜を用いることも考えられる。しかしながら、Ag膜は、Pd膜106aと同様、p型GaN層104に対する付着力が弱いので、p型GaN層104からp側オーミック電極の一部が剥離することにより、オーミック性が劣化するという不都合がある。
上記したように、従来では、p型GaN層104に接触するp側オーミック電極を構成する層として、Pd膜106a、Ni膜またはAg膜を用いると、オーミック性の劣化や光吸収の増大が発生するので、光出力特性が低下するという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、光出力特性を向上させることが可能な窒化物系半導体発光ダイオード素子を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による窒化物系半導体発光ダイオード素子は、p型の窒化物系半導体層に接触するように形成され、1.0nm以下の厚みを有するAlおよびAlSi合金のいずれか一方からなる第1金属層と、第1金属層上に形成されたAgからなる第2金属層とを含むオーミック電極を備えている。
この一の局面による窒化物系半導体発光ダイオード素子では、上記のように、AlおよびAlSi合金のいずれか一方からなる第1金属層の厚みを、1.0nm以下に設定することによって、p型の窒化物系半導体層と第1金属層との接触をオーミック接触に近づけることができる。これにより、AlまたはAlSi合金からなる第1金属層を含むオーミック電極において、第1金属層をp型の窒化物系半導体層に接触するように形成したとしても、p型の窒化物系半導体層に対するオーミック電極として十分に機能させることができる。この場合、第1金属層の構成材料であるAlまたはAlSi合金は、p型の窒化物系半導体層との付着力が強いので、p型の窒化物系半導体層からオーミック電極の一部が剥離するのを抑制することができる。これにより、p型の窒化物系半導体層とオーミック電極との接触面積が小さくなるのを抑制することができるので、接触抵抗の増加に起因するオーミック性の劣化を抑制することができる。また、p型の窒化物系半導体層に接触するように形成されるAlまたはAlSi合金からなる第1金属層を含むオーミック電極を用いる場合、組立工程時に加熱されたとしても、オーミック性が劣化することがない。また、第1金属層の構成材料であるAlやAlSi合金は、400nm領域の光に対する反射率が高いので、オーミック電極での光吸収の増大を抑制することができる。また、第1金属層上に形成される第2金属層の構成材料であるAgは、400nm領域の光に対して非常に高い反射率を有するので、光が第1金属層を通過して第2金属層に入射したとしても、オーミック電極での光吸収の増大を抑制することができる。このように、一の局面による窒化物系半導体発光ダイオード素子では、オーミック性の劣化や光吸収の増大を抑制することができるので、光出力特性を向上させることができる。
上記一の局面による窒化物系半導体発光ダイオード素子において、好ましくは、オーミック電極は、反射電極として機能するとともに、オーミック電極で反射された光は、オーミック電極とは反対側から出射される。このように構成すれば、オーミック電極で光を反射させるとともに、その反射された光をオーミック電極とは反対側から出射させる窒化物系半導体発光ダイオード素子において、容易に、オーミック性の劣化や光吸収の増大を抑制することができる。
この場合、好ましくは、基板と、基板上に形成されたn型の窒化物系半導体層と、n型の窒化物系半導体層上に形成された発光層とをさらに備え、p型の窒化物系半導体層は、発光層上に形成され、オーミック電極により反射された光は、基板側から出射される。このように構成すれば、基板上にn型の窒化物系半導体層、発光層、p型の窒化物系半導体層およびオーミック電極が順次形成されるとともに、発光層で生成された光を基板側から出射させる窒化物系半導体発光ダイオード素子において、容易に、オーミック性の劣化や光吸収の増大を抑制することができる。
上記一の局面による窒化物系半導体発光ダイオード素子において、好ましくは、第2金属層は、100nm以上の厚みを有する。このように構成すれば、400nm領域の光に対する第2金属層の反射率を高くすることができるので、光吸収が増大するのをより抑制することができる。
上記一の局面による窒化物系半導体発光ダイオード素子において、好ましくは、オーミック電極は、第2金属層上に形成され、TiAg合金およびTiのいずれか一方からなる第3金属層をさらに含む。このように構成すれば、TiAg合金またはTiからなる第3金属層により、たとえば、フォトリソグラフィ工程において、Agからなる第2金属層がアルカリ性の現像液と反応して表面の状態が劣化するのを抑制することができる。これにより、TiAg合金またはTiからなる第3金属層により、オーミック電極の耐薬品性を向上させることができる。この場合、第3金属層の構成材料としてTiAg合金を用いれば、TiAg合金は、第2金属層の構成材料であるAgを含むので、第2金属層との付着力を向上させながら、第2金属層との反応を抑制することができる。
この場合、好ましくは、オーミック電極上に形成されたパッド電極をさらに備え、パッド電極は、オーミック電極を構成する第3金属層に接触するように形成されたTiからなる第4金属層を含む。このように構成すれば、第4金属層が第3金属層と同じTiを含むので、オーミック電極に対するパッド電極の付着力を向上させることができる。このため、TiAg合金またはTiからなる第3金属層を含むようにオーミック電極を構成したとしても、オーミック電極からパッド電極が剥離するのを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の構造を示した断面図である。図1を参照して、まず、第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の構造について説明する。なお、第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子は、400nm領域の光を出射する。
第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子では、図1に示すように、サファイア基板1上に、約2.5μmの厚みを有するn型GaN層2が形成されている。n型GaN層2上には、約100nmの厚みを有するMQW構造の活性層3が形成されている。この活性層3は、InGaNからなる複数の井戸層(図示せず)とGaNからなる複数の障壁層(図示せず)とが交互に積層されたMQW構造を有する。活性層3上には、約300nmの厚みを有するp型GaN層4が形成されている。なお、サファイア基板1は、本発明の「基板」の一例である。また、n型GaN層2、活性層3およびp型GaN層4は、それぞれ、本発明の「n型の窒化物系半導体層」、「発光層」および「p型の窒化物系半導体層」の一例である。
また、p型GaN層4の上面からn型GaN層2の途中の深さまでの所定領域が除去されることにより、n型GaN層2の表面の一部が露出されている。そして、p型GaN層4およびn型GaN層2の上面と、p型GaN層4およびn型GaN層2の間に位置するp型GaN層4、活性層3およびn型GaN層2の側面とを覆うように、約300nmの厚みを有するSiO膜からなる絶縁膜5が形成されている。この絶縁膜5は、p型GaN層4上の所定領域に位置する開口部5aと、n型GaN層2の露出した表面上の所定領域に位置する開口部5bとを有する。
ここで、第1実施形態では、開口部5a内に露出されたp型GaN層4上に、p型GaN層4側から順に、約1.0nmの厚みを有するAl膜6a、約100nmの厚みを有するAg膜6bおよび約10nmの厚みを有するTiAg合金膜6cが形成されている。なお、Al膜6aは、400nm領域の光に対して約90%の反射率を有するとともに、p型GaN層4上に島状(図示せず)に形成されている。また、Ag膜6bは、400nm領域の光に対して約92%の反射率を有する。また、TiAg合金膜6cのTiに対するAgの含有率は、約10%である。そして、Al膜6a、Ag膜6bおよびTiAg合金膜6cによって、反射電極としての機能を有するp側オーミック電極6が構成されている。なお、p側オーミック電極6は、本発明の「オーミック電極」の一例である。また、Al膜6a、Ag膜6bおよびTiAg合金膜6cは、それぞれ、本発明の「第1金属層」、「第2金属層」および「第3金属層」の一例である。
また、第1実施形態では、p側オーミック電極6上の所定領域に、p側オーミック電極6側から順に、約30nmの厚みを有するTi膜7a、約100nmの厚みを有するPt膜7bおよび約300nmの厚みを有するAu膜7cが形成されている。これらのTi膜7a、Pt膜7bおよびAu膜7cによって、p側パッド電極7が構成されている。なお、p側パッド電極7は、本発明の「パッド電極」の一例である。また、Ti膜7aは、本発明の「第4金属層」の一例である。
また、n型GaN層2の露出した表面上の開口部5bに対応する領域には、n型GaN層2側から順に、約10nmの厚みを有するAl膜8a、約50nmの厚みを有するPt膜8bおよび約300nmの厚みを有するAu膜8cが形成されている。そして、Al膜8a、Pt膜8bおよびAu膜8cによって、n側オーミック電極8が構成されている。
そして、図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子では、活性層3で生成された光は、サファイア基板1側から矢印A方向に出射される。なお、矢印A方向とは反対方向に進む光は、p側オーミック電極6のAl膜6aおよびAg膜6bにより反射された後、サファイア基板1側から矢印A方向に出射される。
図2は、p側オーミック電極を構成するAl膜の厚みを3段階(約0.3nm以下、約1.0nmおよび約1.5nm)に変化させた場合の電流−電圧特性を示した図である。次に、図2を参照して、第1実施形態の窒化物系半導体発光ダイオード素子のp側オーミック電極の構成において、Al膜の厚みを変化させて電流−電圧特性を測定した結果について説明する。なお、図2の電流−電圧特性は、半導体特性測定器の1つであるカーブトレーサを用いて測定した。
図2に示すように、Al膜の厚みが約0.3nm以下であれば、電流−電圧特性が実質的に線形(直線的)になることが判明した。その一方、Al膜の厚みが約1.0nmおよび約1.5nmの場合には、電流−電圧特性が非線形となることが判明した。ただし、Al膜の厚みが約1.0nmの場合の電流−電圧特性は、線形の電流−電圧特性に近い特性を有する。このため、p型GaN層に接触するように形成されるAl膜を含むp側オーミック電極において、Al膜の厚みを約1.0nm以下に設定すれば、p型GaN層に対するオーミック電極として十分に機能させることができると考えられる。
ここで、第1実施形態では、図1に示したように、p側オーミック電極6を構成するAl膜6aの厚みが約1.0nmであるので、p側オーミック電極6を、p型GaN層4に対するオーミック電極として十分に機能させることができると考えられる。
図3は、p側オーミック電極を構成するAg膜の厚みを6段階(約10nm、約20nm、約50nm、約100nm、約200nmおよび約400nm)に変化させた場合の400nm領域の光に対するAg膜の反射率を示したグラフである。次に、図3を参照して、Ag膜の厚みを変化させて400nm領域の光に対するAg膜の反射率を測定した結果について説明する。
図3に示すように、Ag膜の厚みが約100nm以上であれば、約92%以上の高い反射率を得ることができることが判明した。具体的には、Ag膜の厚みが約100nm、約200nmおよび約400nmの場合の反射率は、それぞれ、約92%、約97%および約97%であった。その一方、Ag膜の厚みが約10nm、約20および約50nmの場合の反射率は、それぞれ、約68%、約82%および約85%であった。この結果から、Ag膜を含むp側オーミック電極において、Ag膜の厚みを約100nm以上に設定すれば、Ag膜の約92%以上の高い反射率によりp側オーミック電極での光吸収の増大を抑制することができると考えられる。
ここで、第1実施形態では、図1に示したように、p側オーミック電極6を構成するAg膜6bの厚みが約100nmであるので、p側オーミック電極6での光吸収の増大を抑制することができると考えられる。
第1実施形態では、上記のように、p側オーミック電極6を構成するAl膜6aの厚みを、約1.0nmに設定することによって、p型GaN層4とAl膜6aとの接触をオーミック接触に近づけることができる。これにより、Al膜6aを含むp側オーミック電極6において、Al膜6aをp型GaN層4に接触するように形成したとしても、p型GaN層4に対するオーミック電極として十分に機能させることができる。この場合、p側オーミック電極6を構成するAl膜6aは、p型GaN層4との付着力が強いので、p型GaN層4からp側オーミック電極6の一部が剥離するのを抑制することができる。これにより、p型GaN層4とp側オーミック電極6との接触面積が小さくなるのを抑制することができるので、接触抵抗の増加に起因するオーミック性の劣化を抑制することができる。また、p型GaN層4に接触するように形成されるAl膜6aを含むp側オーミック電極6を用いる場合、組立工程時に加熱されたとしても、オーミック性が劣化することがない。また、p側オーミック電極6を構成するAl膜6aは、400nm領域の光に対する反射率(約90%)が高いので、p側オーミック電極6での光吸収の増大を抑制することができる。また、Al膜6a上に形成されるAg膜6bの厚みを約100nmに設定することによって、400nm領域の光に対するAg膜6bの反射率が約92%と高くなるので、光がAl膜6aを通過してAg膜6bに入射したとしても、p側オーミック電極6での光吸収の増大を抑制することができる。このように、第1実施形態では、オーミック性の劣化や光吸収の増大を抑制することができるので、光出力特性を向上させることができる。
また、第1実施形態では、p側オーミック電極6を構成するAg膜6b上に、Ag膜6bとともにp側オーミック電極6を構成するTiAg合金膜6cを形成することによって、TiAg合金膜6cにより、たとえば、フォトリソグラフィ工程において、Ag膜6bがアルカリ性の現像液と反応して表面の状態が劣化するのを抑制することができる。これにより、TiAg合金膜6cにより、p側オーミック電極6の耐薬品性を向上させることができる。この場合、TiAg合金膜6cは、Ag膜6bの構成材料であるAgを含むので、Ag膜6bとの付着力を向上させながら、Ag膜6bとの反応を抑制することができる。また、TiAg合金膜6cに接触するように形成されるTi膜7aを含むp側パッド電極7を設けることによって、Ti膜7aがTiAg合金膜6cと同じTiを含むので、p側オーミック電極6に対するp側パッド電極7の付着力を向上させることができる。このため、TiAg合金膜6cを含むようにp側オーミック電極6を構成したとしても、p側オーミック電極6からp側パッド電極7が剥離するのを抑制することができる。
図4〜図17は、図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図1および図4〜図17を参照して、第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスについて説明する。
まず、図4に示すように、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いて、サファイア基板1上に、約2.5μmの厚みを有するn型GaN層2、約100nmの厚みを有するMQW構造の活性層3および約300nmの厚みを有するp型GaN層4を順次成長させる。なお、活性層3を成長させる際には、InGaNからなる複数の井戸層(図示せず)とGaNからなる複数の障壁層(図示せず)とを交互成長させる。この後、p型GaN層4上の所定領域に、レジスト11を形成する。
次に、図5に示すように、CFガスによるRIE(Reactive Ion Etching)法を用いて、レジスト11をマスクとして、p型GaN層4の上面からn型GaN層2の途中の深さまでの所定領域を除去することにより、n型GaN層2の表面の一部を露出させる。この後、レジスト11を除去する。
次に、図6に示すように、プラズマCVD法を用いて、全面を覆うように、約300nmの厚みを有するSiO膜からなる絶縁膜5を形成した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、p型GaN層4上に位置する絶縁膜5の所定領域に、開口部5aを形成する。
次に、図7に示すように、全面を覆うように、ポジ型レジスト12を形成する。この後、ポジ型レジスト12上に、ネガ型レジスト13を形成する。
次に、図8に示すように、p側オーミック電極6(図1参照)に対応する電極パターンを有するフォトマスク(図示せず)を用いて露光することにより、ネガ型レジスト13に電極パターンを転写した後、現像する。これにより、ネガ型レジスト13に、p側オーミック電極6の電極パターンに対応する開口部13aが形成される。
次に、図9に示すように、全面露光することにより、ポジ型レジスト12にネガ型レジスト13の電極パターンを転写した後、現像する。これにより、ポジ型レジスト12に、p側オーミック電極6(図1参照)の電極パターンに対応する開口部12aが形成される。この際、ポジ型レジスト12の開口部12aは、所定の角度傾斜した内側面を有するように形成される。このため、ネガ型レジスト13の開口部13aの端部13bは、ポジ型レジスト12の開口部12aの上端部から突出するオーバーハング部となる。
次に、図10に示すように、電子ビーム蒸着法を用いて、ネガ型レジスト13の上面およびp型GaN層4の開口部5aに対応する領域上に、p型GaN層4側から順に、約1.0nmの厚みを有するAl膜6a、約100nmの厚みを有するAg膜6bおよび約10nmの厚みを有するTiAg合金膜6cを堆積する。なお、Al膜6aは、約1.0nmの小さい厚みであるため、島状(図示せず)に形成される。この際、ネガ型レジスト13の開口部13aの端部13bがポジ型レジスト12の開口部12aの上端部から突出するオーバーハング部となっているので、開口部12aの内側面上には、Al膜6a、Ag膜6bおよびTiAg合金膜6cが堆積されない。この後、レジスト剥離液を用いて、ポジ型レジスト12およびネガ型レジスト13を除去する。この際、ネガ型レジスト13の上面上に堆積されたAl膜6a、Ag膜6bおよびTiAg合金膜6cも除去される。これにより、図11に示すように、p型GaN層4上の開口部5aに対応する領域にのみ、p型GaN層4側から順に、Al膜6a、Ag膜6bおよびTiAg合金膜6cからなるp側オーミック電極6が形成される。
次に、図12に示すように、図7〜図9に示したプロセスと同様のプロセスを用いて、全面を覆うように、p側パッド電極7(図1参照)の電極パターンに対応する開口部14aおよび15aをそれぞれ有するポジ型レジスト14およびネガ型レジスト15を形成する。この際、ポジ型レジスト14の開口部14aは、所定の角度傾斜した内側面を有するように形成されるとともに、ネガ型レジスト15の開口部15aの端部15bは、ポジ型レジスト14の開口部14aの上端部から突出するオーバーハング部となる。
次に、図13に示すように、電子ビーム蒸着法を用いて、ネガ型レジスト15の上面およびp側オーミック電極6の所定領域上に、p側オーミック電極6側から順に、約30nmの厚みを有するTi膜7a、約100nmの厚みを有するPt膜7bおよび約300nmの厚みを有するAu膜7cを堆積する。この後、レジスト剥離液を用いて、ポジ型レジスト14およびネガ型レジスト15を除去する。この際、ネガ型レジスト15の上面上に堆積されたTi膜7a、Pt膜7bおよびAu膜7cも除去される。これにより、図14に示すように、p側オーミック電極6上の所定領域にのみ、Ti膜7a、Pt膜7bおよびAu膜7cからなるp側パッド電極7が形成される。
次に、図15に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、n型GaN層2の露出した表面上に位置する絶縁膜5の所定領域に、開口部5bを形成する。
次に、図16に示すように、図7〜図9に示したプロセスと同様のプロセスを用いて、全面を覆うように、n側オーミック電極8(図1参照)の電極パターンに対応する開口部16aおよび17aをそれぞれ有するポジ型レジスト16およびネガ型レジスト17を形成する。この際、ポジ型レジスト16の開口部16aは、所定の角度傾斜した内側面を有するように形成されるとともに、ネガ型レジスト17の開口部17aの端部17bは、ポジ型レジスト16の開口部16aの上端部から突出するオーバーハング部となる。
次に、図17に示すように、電子ビーム蒸着法を用いて、ネガ型レジスト17の上面およびn型GaN層2の露出した表面の開口部5bに対応する領域上に、n型GaN層2側から順に、約10nmの厚みを有するAl膜8a、約50nmの厚みを有するPt膜8bおよび約300nmの厚みを有するAu膜8cを堆積する。この後、レジスト剥離液を用いて、ポジ型レジスト16およびネガ型レジスト17を除去する。この際、ネガ型レジスト17の上面上に堆積されたAl膜8a、Pt膜8bおよびAu膜8cも除去される。これにより、図1に示したように、n型GaN層2の露出した表面上の開口部5bに対応する領域にのみ、Al膜8a、Pt膜8bおよびAu膜8cからなるn側オーミック電極8が形成される。このようにして、第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子が形成される。
次に、上記の製造プロセスに沿って実際に作製した第1実施形態の窒化物系半導体発光ダイオード素子について、約20mAの電流を流した場合の光出力を測定した結果について説明する。なお、比較例として、図28に示した従来の窒化物系半導体発光ダイオード素子についても光出力を測定した。その結果、第1実施形態の窒化物系半導体発光ダイオード素子では、約5.5mWの光出力が得られたのに対して、従来の窒化物系半導体発光ダイオード素子では、約3.1mWの光出力しか得られなかった。すなわち、第1実施形態の窒化物系半導体発光ダイオード素子では、従来の窒化物系半導体発光ダイオード素子の光出力に対して、約1.8倍の光出力が得られた。この結果から、約1.0nmの厚みを有するとともに、p型GaN層4に接触するように形成されるAl膜6aを含むp側オーミック電極6を用いることによって、光出力特性を向上させることができることが確認できた。
(第2実施形態)
図18は、本発明の第2実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の構造を示した断面図である。図18を参照して、この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、p型GaN層側から順に、AlSi合金膜、Ag膜およびTi膜によって構成されるp側オーミック電極を用いる場合について説明する。なお、第2実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子は、上記第1実施形態と同様、400nm領域の光を出射する。
この第2実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子では、図18に示すように、n型GaN基板21上に、約2.5μmの厚みを有するn型GaN層22が形成されている。n型GaN層22上には、約100nmの厚みを有するMQW構造の活性層23が形成されている。この活性層23は、上記第1実施形態の活性層3と同様、InGaNからなる複数の井戸層(図示せず)とGaNからなる複数の障壁層(図示せず)とが交互に積層されたMQW構造を有する。活性層23上には、約300nmの厚みを有するp型GaN層24が形成されている。なお、n型GaN基板21は、本発明の「基板」の一例である。また、n型GaN層22、活性層23およびp型GaN層24は、それぞれ、本発明の「n型の窒化物系半導体層」、「発光層」および「p型の窒化物系半導体層」の一例である。p型GaN層24上には、約300nmの厚みを有するSiO膜からなるとともに、所定領域に開口部25aを有する絶縁膜25が形成されている。
ここで、第2実施形態では、開口部25a内に露出されたp型GaN層24上に、p型GaN層24側から順に、約0.3nmの厚みを有するAlSi合金膜26a、約300nmの厚みを有するAg膜26bおよび約30nmの厚みを有するTi膜26cが形成されている。なお、AlSi合金膜26aは、p型GaN層24上に島状(図示せず)に形成されているとともに、AlSi合金膜26aのAlに対するSiの含有率は、約1%である。そして、AlSi合金膜26a、Ag膜26bおよびTi膜26cによって、反射電極としての機能を有するp側オーミック電極26が構成されている。なお、p側オーミック電極26は、本発明の「オーミック電極」の一例である。また、AlSi合金膜26a、Ag膜26bおよびTi膜26cは、それぞれ、本発明の「第1金属層」、「第2金属層」および「第3金属層」の一例である。
また、第2実施形態では、p側オーミック電極26上の所定領域に、p側オーミック電極26側から順に、約30nmの厚みを有するTi膜27a、約100nmの厚みを有するPt膜27bおよび約300nmの厚みを有するAu膜27cが形成されている。これらのTi膜27a、Pt膜27bおよびAu膜27cによって、p側パッド電極27が構成されている。なお、p側パッド電極27は、本発明の「パッド電極」の一例である。また、Ti膜27aは、本発明の「第4金属層」の一例である。
また、n型GaN基板21の裏面上の所定領域には、n型GaN基板21の裏面側から順に、約10nmの厚みを有するAl膜28a、約50nmの厚みを有するPt膜28bおよび約300nmの厚みを有するAu膜28cが形成されている。そして、Al膜28a、Pt膜28bおよびAu膜28cによって、n側オーミック電極28が構成されている。このn側オーミック電極28は、光の出射の妨げにならないように、n型GaN基板21の裏面上の端部近傍に形成されている。
そして、図18に示した第2実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子では、活性層23で生成された光は、n型GaN基板21側から矢印A方向に出射される。なお、矢印A方向とは反対方向に進む光は、オーミック電極26のAlSi合金膜26aおよびAg膜26bにより反射された後、n型GaN基板21側から矢印A方向に出射される。
第2実施形態では、上記のように、p側オーミック電極26を構成するAlSi合金膜26aの厚みを、約0.3nmに設定することによって、図2に示したように、電流−電圧特性が実質的に線形となるので、p型GaN層24とAlSi合金膜26aとの接触をオーミック接触に近づけることができる。これにより、AlSi合金膜26aを含むp側オーミック電極26において、AlSi合金膜26aをp型GaN層24に接触するように形成したとしても、p型GaN層24に対するオーミック電極として十分に機能させることができる。この場合、p側オーミック電極26を構成するAlSi合金膜26aは、上記第1実施形態のAl膜6aと同様、p型GaN層24との付着力が強いので、p型GaN層24からp側オーミック電極26の一部が剥離するのを抑制することができる。これにより、上記第1実施形態と同様、p型GaN層24とp側オーミック電極26との接触面積が小さくなるのを抑制することができるので、接触抵抗の増加に起因するオーミック性の劣化を抑制することができる。また、p型GaN層24に接触するように形成されるAlSi合金膜26aを含むp側オーミック電極26を用いる場合、上記第1実施形態のp側オーミック電極6と同様、組立工程時に加熱されたとしても、オーミック性が劣化することがない。また、p側オーミック電極26を構成するAlSi合金膜26aおよびAg膜26bは、400nm領域の光に対する反射率が高いので、p側オーミック電極26での光吸収の増大を抑制することができる。特に、第2実施形態では、Ag膜26bの厚みを約300nmに設定することによって、図3に示したように、400nm領域の光に対するAg膜26aの反射率が約97%と非常に高くなるので、p側オーミック電極26での光吸収の増大をより抑制することができる。
また、第2実施形態では、p側オーミック電極26を構成するAg膜26b上に、Ag膜26bとともにp側オーミック電極26を構成するTi膜26cを形成することによって、上記第1実施形態と同様、Ti膜26cにより、p側オーミック電極26の耐薬品性を向上させることができる。また、Ti膜26cに接触するように形成されるTi膜27aを含むp側パッド電極27を設けることによって、Ti膜27aとTi膜26cとが同じTiで構成されているので、p側オーミック電極26に対するp側パッド電極27の付着力を向上させることができる。このため、Ti膜26cを含むようにp側オーミック電極26を構成したとしても、上記第1実施形態と同様、p側オーミック電極26からp側パッド電極27が剥離するのを抑制することができる。
図19〜図27は、図18に示した第2実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図18〜図27を参照して、第2実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスについて説明する。
まず、図19に示すように、MOCVD法を用いて、n型GaN基板21上に、約2.5μmの厚みを有するn型GaN層22、約100nmの厚みを有するMQW構造の活性層23および約300nmの厚みを有するp型GaN層24を順次成長させる。なお、活性層23を成長させる際には、InGaNからなる複数の井戸層(図示せず)とGaNからなる複数の障壁層(図示せず)とを交互成長させる。
次に、プラズマCVD法を用いて、p型GaN層24上に、約300nmの厚みを有するSiO膜からなる絶縁膜25を形成した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、絶縁膜25の所定領域に、開口部25aを形成する。
次に、図20に示すように、図7〜図9に示した第1実施形態と同様のプロセスを用いて、全面を覆うように、p側オーミック電極26(図18参照)の電極パターンに対応する開口部31aおよび32aをそれぞれ有するポジ型レジスト31およびネガ型レジスト32を形成する。この際、ポジ型レジスト31の開口部31aは、所定の角度傾斜した内側面を有するように形成されるとともに、ネガ型レジスト32の開口部32aの端部32bは、ポジ型レジスト32の開口部32aの上端部から突出するオーバーハング部となる。
次に、図21に示すように、電子ビーム蒸着法を用いて、ネガ型レジスト32の上面およびp型GaN層24の開口部25aに対応する領域上に、p型GaN層24側から順に、約0.3nmの厚みを有するAlSi合金膜26a、約300nmの厚みを有するAg膜26bおよび約30nmの厚みを有するTi膜26cを堆積する。なお、AlSi合金膜26aは、約0.3nmの小さい厚みであるため、島状(図示せず)に形成される。この後、レジスト剥離液を用いて、ポジ型レジスト31およびネガ型レジスト32を除去する。この際、ネガ型レジスト32の上面上に堆積されたAlSi合金膜26a、Ag膜26bおよびTi膜26cも除去される。これにより、図22に示すように、p型GaN層24上の開口部25aに対応する領域にのみ、p型GaN層24側から順に、AlSi合金膜26a、Ag膜26bおよびTi膜26cからなるp側オーミック電極26が形成される。
次に、図23に示すように、図7〜図9に示した第1実施形態と同様のプロセスを用いて、全面を覆うように、p側パッド電極27(図18参照)の電極パターンに対応する開口部33aおよび34aをそれぞれ有するポジ型レジスト33およびネガ型レジスト34を形成する。この際、ポジ型レジスト33の開口部33aは、所定の角度傾斜した内側面を有するように形成されるとともに、ネガ型レジスト34の開口部34aの端部34bは、ポジ型レジスト33の開口部33aの上端部から突出するオーバーハング部となる。
次に、図24に示すように、電子ビーム蒸着法を用いて、ネガ型レジスト34の上面およびp側オーミック電極26の所定領域上に、p側オーミック電極26側から順に、約30nmの厚みを有するTi膜27a、約100nmの厚みを有するPt膜27bおよび約300nmの厚みを有するAu膜27cを堆積する。この後、レジスト剥離液を用いて、ポジ型レジスト33およびネガ型レジスト34を除去する。この際、ネガ型レジスト34の上面上に堆積されたTi膜27a、Pt膜27bおよびAu膜27cも除去される。これにより、図25に示すように、p側オーミック電極26上の所定領域にのみ、Ti膜27a、Pt膜27bおよびAu膜27cからなるp側パッド電極27が形成される。
次に、図26に示すように、図7〜図9に示した第1実施形態と同様のプロセスを用いて、n型GaN基板21の裏面上に、n側オーミック電極28(図18参照)の電極パターンに対応する開口部35aおよび36aをそれぞれ有するポジ型レジスト35およびネガ型レジスト36を形成する。この際、ポジ型レジスト35の開口部35aは、所定の角度傾斜した内側面を有するように形成されるとともに、ネガ型レジスト36の開口部36aの端部36bは、ポジ型レジスト35の開口部35aの上端部から突出するオーバーハング部となる。
次に、図27に示すように、電子ビーム蒸着法を用いて、ネガ型レジスト36の上面およびn型GaN基板21の裏面の所定領域上に、n型GaN基板21の裏面側から順に、約10nmの厚みを有するAl膜28a、約50nmの厚みを有するPt膜28bおよび約300nmの厚みを有するAu膜28cを堆積する。この後、レジスト剥離液を用いて、ポジ型レジスト35およびネガ型レジスト36を除去する。この際、ネガ型レジスト36の上面上に堆積されたAl膜28a、Pt膜28bおよびAu膜28cも除去される。これにより、図18に示したように、n型GaN基板21の裏面上の所定領域にのみ、Al膜28a、Pt膜28bおよびAu膜28cからなるn側オーミック電極28が形成される。このようにして、第2実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子が形成される。
次に、上記の製造プロセスに沿って実際に作製した第2実施形態の窒化物系半導体発光ダイオード素子について、上記第1実施形態と同様の光出力測定を行った結果、上記第1実施形態と同様、約5.5mWの光出力を得られた。この結果から、約0.3nmの厚みを有するとともに、p型GaN層24に接触するように形成されるAlSi合金膜26aを含むp側オーミック電極26を用いることによって、上記第1実施形態と同様、光出力特性を向上させることができることが確認できた。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、p側オーミック電極を構成するとともに、p型GaN層に接触するように形成されるAl膜6aおよびAlSi合金膜26aの厚みを、それぞれ、約1.0nmおよび約0.3nmに設定したが、本発明はこれに限らず、p側オーミック電極を構成するとともに、p型GaN層に接触するように形成される第1金属層の厚みが1.0nm以下であればよい。ただし、第1金属層の厚みが小さくなり過ぎると、p型GaN層に対する付着力が弱くなるので、第1金属層の厚みは、0.3nm以上1.0nm以下に設定するのが好ましい。
また、上記第1および第2実施形態では、p側オーミック電極を構成するAg膜の厚みをそれぞれ約100nmおよび約300nmに設定したが、本発明はこれに限らず、Ag膜の厚みが約100nm以上であればよい。このような厚みに設定すれば、400nm領域の光に対するAg膜の反射率を約92%以上と高くすることができる。
また、上記第1実施形態では、p側オーミック電極を構成するTiAg合金膜のTiに対するAgの含有率を、約10%に設定したが、本発明はこれに限らず、Tiに対するAgの含有率を、固溶限界(約12%)になるまで高くしてもよい。
また、上記第2実施形態では、p側オーミック電極を構成するAlSi合金膜のAlに対するSiの含有率を、約1%に設定したが、本発明はこれに限らず、Alに対するSiの含有率を、固溶限界(約1.65%)になるまで高くしてもよい。
本発明の第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の構造を示した断面図である。 p側オーミック電極を構成するAl膜の厚みを3段階(約0.3nm以下、約1.0nmおよび約1.5nm)に変化させた場合の電流−電圧特性を示した図である。 p側オーミック電極を構成するAg膜の厚みを6段階(約10nm、約20nm、約50nm、約100nm、約200nmおよび約400nm)に変化させた場合の400nm領域の光に対するAg膜の反射率を示したグラフである。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 本発明の第2実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の構造を示した断面図である。 図18に示した第2実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図18に示した第2実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図18に示した第2実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図18に示した第2実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図18に示した第2実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図18に示した第2実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図18に示した第2実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図18に示した第2実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図18に示した第2実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 従来の窒化物系半導体発光ダイオード素子の構造を示した断面図である。
符号の説明
1 サファイア基板(基板)
2、22 n型GaN層(n型の窒化物系半導体層)
3、23 活性層(発光層)
4、24 p型GaN層(p型の窒化物系半導体層)
6、26 p側オーミック電極(オーミック電極)
6a Al膜(第1金属層)
6b、26b Ag膜(第2金属層)
6c TiAg合金膜(第3金属層)
7、27 p側パッド電極(パッド電極)
7a、27a Ti膜(第4金属層)
21 n型GaN基板(基板)
26a AlSi合金膜(第1金属層)
26c Ti膜(第3金属層)

Claims (6)

  1. p型の窒化物系半導体層に接触するように形成され、1.0nm以下の厚みを有するAlおよびAlSi合金のいずれか一方からなる第1金属層と、
    前記第1金属層上に形成されたAgからなる第2金属層とを含むオーミック電極を備えた、窒化物系半導体発光ダイオード素子。
  2. 前記オーミック電極は、反射電極として機能するとともに、
    前記オーミック電極で反射された光は、前記オーミック電極とは反対側から出射される、請求項1に記載の窒化物系半導体発光ダイオード素子。
  3. 基板と、
    前記基板上に形成されたn型の窒化物系半導体層と、
    前記n型の窒化物系半導体層上に形成された発光層とをさらに備え、
    前記p型の窒化物系半導体層は、前記発光層上に形成され、前記オーミック電極により反射された光は、前記基板側から出射される、請求項2に記載の窒化物系半導体発光ダイオード素子。
  4. 前記第2金属層は、100nm以上の厚みを有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の窒化物系半導体発光ダイオード素子。
  5. 前記オーミック電極は、前記第2金属層上に形成され、TiAg合金およびTiのいずれか一方からなる第3金属層をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の窒化物系半導体発光ダイオード素子。
  6. 前記オーミック電極上に形成されたパッド電極をさらに備え、
    前記パッド電極は、前記オーミック電極を構成する前記第3金属層に接触するように形成されたTiからなる第4金属層を含む、請求項5に記載の窒化物系半導体発光ダイオード素子。
JP2004074293A 2004-03-16 2004-03-16 窒化物系半導体発光ダイオード素子 Pending JP2005268275A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004074293A JP2005268275A (ja) 2004-03-16 2004-03-16 窒化物系半導体発光ダイオード素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004074293A JP2005268275A (ja) 2004-03-16 2004-03-16 窒化物系半導体発光ダイオード素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005268275A true JP2005268275A (ja) 2005-09-29

Family

ID=35092555

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004074293A Pending JP2005268275A (ja) 2004-03-16 2004-03-16 窒化物系半導体発光ダイオード素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005268275A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008069429A1 (en) * 2006-12-04 2008-06-12 Postech Academy-Industry Foundation Ohmic electrode and method thereof, semiconductor light emitting element having this
KR100845037B1 (ko) * 2006-08-02 2008-07-09 포항공과대학교 산학협력단 오믹 전극 및 그 형성 방법, 이를 구비하는 반도체 발광소자

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11219919A (ja) * 1998-02-02 1999-08-10 Sony Corp 金属膜の成膜方法ならびに半導体装置およびその製造方法
JP2000277802A (ja) * 1999-03-24 2000-10-06 Matsushita Electronics Industry Corp 半導体装置の製造方法
WO2002061847A2 (en) * 2001-02-01 2002-08-08 Cree, Inc. Light emitting diodes including modifications for light extraction and manufacturing methods therefor
JP2002335014A (ja) * 2001-03-29 2002-11-22 Lumileds Lighting Us Llc 高反射率オーミックコンタクトを有するAlGaInNフリップ・チップ発光デバイス
JP2002368271A (ja) * 2001-06-06 2002-12-20 Toyoda Gosei Co Ltd Iii族窒化物系化合物半導体発光素子
JP2003179301A (ja) * 2001-09-17 2003-06-27 Sanyo Electric Co Ltd 窒化物系半導体発光素子およびその形成方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11219919A (ja) * 1998-02-02 1999-08-10 Sony Corp 金属膜の成膜方法ならびに半導体装置およびその製造方法
JP2000277802A (ja) * 1999-03-24 2000-10-06 Matsushita Electronics Industry Corp 半導体装置の製造方法
WO2002061847A2 (en) * 2001-02-01 2002-08-08 Cree, Inc. Light emitting diodes including modifications for light extraction and manufacturing methods therefor
JP2002335014A (ja) * 2001-03-29 2002-11-22 Lumileds Lighting Us Llc 高反射率オーミックコンタクトを有するAlGaInNフリップ・チップ発光デバイス
JP2002368271A (ja) * 2001-06-06 2002-12-20 Toyoda Gosei Co Ltd Iii族窒化物系化合物半導体発光素子
JP2003179301A (ja) * 2001-09-17 2003-06-27 Sanyo Electric Co Ltd 窒化物系半導体発光素子およびその形成方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100845037B1 (ko) * 2006-08-02 2008-07-09 포항공과대학교 산학협력단 오믹 전극 및 그 형성 방법, 이를 구비하는 반도체 발광소자
US8093618B2 (en) 2006-08-02 2012-01-10 Seoul Opto Device Co., Ltd. Multi-layer ohmic electrode, semiconductor light emitting element having multi-layer ohmic electrode, and method of forming same
WO2008069429A1 (en) * 2006-12-04 2008-06-12 Postech Academy-Industry Foundation Ohmic electrode and method thereof, semiconductor light emitting element having this

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7982207B2 (en) Light emitting diode
JP5630384B2 (ja) Iii族窒化物半導体発光素子の製造方法
WO2012144046A1 (ja) 窒化物半導体紫外線発光素子
JP5258853B2 (ja) 半導体発光素子及びその製造方法
JP2006108683A (ja) 反射電極及びそれを備える化合物半導体発光素子
JP2006128631A (ja) 多層電極及びこれを備える化合物半導体の発光素子
TW202123491A (zh) 半導體發光元件以及半導體發光元件的製造方法
JP2007103690A (ja) 半導体発光装置及びその製造方法
JP2007103689A (ja) 半導体発光装置
JP5652373B2 (ja) Iii族窒化物半導体発光素子の製造方法
JP2010087217A (ja) Iii族窒化物半導体発光素子およびその製造方法
JP2005064475A (ja) 窒化物系化合物半導体発光素子およびその製造方法
JP2020113741A (ja) 半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法
JP2019207925A (ja) 半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法
US20120223357A1 (en) Semiconductor Light-Emitting Device
JP6911111B2 (ja) オプトエレクトロニクス半導体チップおよびオプトエレクトロニクス半導体チップの製造方法
JP2016134422A (ja) 半導体発光素子およびその製造方法
JP2006128659A (ja) 窒化物系半導体発光素子及びその製造方法
JP2008078432A (ja) 発光素子
JP4301136B2 (ja) 半導体発光素子およびその製造方法
JP6627728B2 (ja) 発光素子の製造方法
JP5161720B2 (ja) 半導体発光素子およびその製造方法
JP2007281476A (ja) GaN系半導体発光素子及びその製造方法
JP5945409B2 (ja) 半導体素子とその製造方法
JP4868833B2 (ja) 半導体発光素子及び発光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060418

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100316

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100921

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110517