JP2005265089A - 摩擦式変速装置 - Google Patents

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JP2005265089A JP2004080070A JP2004080070A JP2005265089A JP 2005265089 A JP2005265089 A JP 2005265089A JP 2004080070 A JP2004080070 A JP 2004080070A JP 2004080070 A JP2004080070 A JP 2004080070A JP 2005265089 A JP2005265089 A JP 2005265089A
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良行 広瀬
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Abstract

【課題】 複数の円錐転子をキャリアに回転自在に支持して遊星運動させる変速構造においては、各円錐転子の各当接面に付与した押付力がこれらの軸受に大きく作用する。このため、円錐転子を支持する軸受の負荷容量を大きくせざるを得ず、大型化や大型化による重量増加の原因となる。
【解決手段】 キャリアに保持して遊星運動させる円錐転子に、入力円板の外周面と当接させる被駆動部と、小径端部側に軌道リングの内周面と当接させる頭部とを備え、円錐転子の円錐台状部に内周面を当接させる変速リングと該軌道リングのいずれか一方を出力軸に連結した摩擦式変速装置であって、該円錐転子は小径端部側及び大径端部側にそれぞれ支持部を設けると共に、該円錐転子の公転軌道の内周側に各支持部に当接させる補助リングを該入力軸と同軸上に回転自在に設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両用または産業機械用等として使用する変速装置であって、入力軸の駆動トルクを摩擦力によって出力軸に伝達するとともに、出力軸の回転速度を無段階に変速する変速装置の改良に関するものである。
従来、例えば特許文献1に示される摩擦式変速装置が知られている。この摩擦式変速装置は、入力軸と出力軸とを同軸上に設け、入力軸の周囲に、キャリアに回転自在に支持された円錐形転子を配設した構造である。この円錐形転子に設けられた頂角が鈍角をなす円錐面を、ケーシングに対して回り止めされた変速リングに摺接させるとともに、上記円錐面の底部に設けられた第1環状伝動面を軌道リングに摺接させている。
入力軸と一体に回転する伝動板から上記円錐形転子に駆動トルクを伝達することにより、円錐形転子が転子軸を中心に自転するとともに、上記入力軸周りに公転する。この円錐形転子の公転力が軌道リングを介して出力軸に駆動トルクが伝達され、上記円錐形転子の円錐面に対する変速リングの当接位置を変化させることにより、上記出力軸の回転速度が無段階に調節される。
しかしながら、このような摩擦式変速装置は、ギアまたはベルトを介して駆動トルクを伝達する変速装置に比べて騒音が小さく、変速比を無段階に調節できるものの、出力軸の回転速度が0に近い極低速域で良好な出力トルク性能が得られないという問題がある。
この問題点を解決する技術として、特許文献2に開示した摩擦式変速装置がある。これは、変速リングの移動に伴い、速度比が0から比較的大きな値にまでわたって無段階に変化し、この速度比の変化に略反比例してトルク伝達比が変化する。そして、とくに、円錐転子の頭部に軌道リングが当接する点を通り円錐転子の中心線に平行な直線と母線もしくはその延長線との交点が、円錐台状部の所定領域から外れた位置となるように設定しているため、所定領域内で速度比が0付近となる位置まで変速リングが移動したときにも、速度比に略反比例する大きなトルク伝達比が確保され、出力トルク性能が良好に保たれることとなる。
特公昭57−13221号 特開2004−036853
特許文献2に開示された発明では、速度比が0付近でトルク伝達比が速度比に略反比例して大きくできるものの、円錐転子を軸受で支持して遊星運動させる構造であるため、該円錐転子の各当接面に付与した押付力がこれらの軸受に大きく作用することになる。通常、これらの当接面には少なくとも伝達力の10倍にも達する法線力が作用し、この法線力を確実に受けなければ、当接面に付与した押付力の損失が大きくなって、伝達トルクの低下などに繋がる。
このため、従来では上記軸受の負荷容量を大きくせざるを得ない理由となっているが、特に遊星機構をもつこの種の摩擦式変速装置においては、内部空間の関係から容量の大きな軸受を設けることは構造上難しく、大型化することや大型化による重量増加の原因となっていた。
本発明は、これらの構造上の不具合を考慮して、動力伝達に寄与する転動体以外に補助リングを設け、この補助リングで法線力を直接受けることによって、円錐転子の回転軸を支持する軸受が法線力の影響を受けないようにすること、ひいては付与した法線力を損なうことなく伝達効率を高めることを目的としている。
そこで本発明者は上記問題に鑑み鋭意研究の結果、本発明を成し得たものであり、その特徴とするところは、ケーシングに回転自在に支持された入力軸と出力軸とを有し、該入力軸により回転駆動する入力円板と、該入力軸と同軸上に回転自在に設けたキャリアに保持し公転軌跡の外周面が円筒面を形成して遊星運動させる円錐転子と、該入力軸と同軸上に配設し該円錐転子の円錐台状部に内周面を当接させる変速リングと、該変速リングを該入力軸の軸方向にスライド変位させる変速手段と、入力軸と同軸上に配設した軌道リングとにより構成し、該円錐転子に、該入力円板の外周面と当接させる被駆動部と、小径端部側に該軌道リングの内周面と当接させる頭部とを備え、該変速リングと該軌道リングのいずれか一方を該出力軸に連結した摩擦式変速装置であって、該円錐転子は小径端部側及び大径端部側にそれぞれ支持部を設けると共に、該円錐転子の公転軌道の内周側に各支持部に当接させる補助リングを該入力軸と同軸上に回転自在に設けたことにある。
ここで、本明細書中でいう「円錐転子」とは、入力軸と同軸に回転自在に設けたキャリアに可回転に保持することによって遊星運動させる円錐台状の部材をいう。本発明においては、円錐転子に、入力軸により回転駆動する入力円板の外周面に当接させる被駆動部と、出力軸に連結して出力させるための軌道リングの内周面に当接させる頭部を小径端部側に設けると共に、小径端部側及び大径端部側にそれぞれ支持部を設ける。そして、円錐転子をその円錐台状部の公転軌跡の外周面が円筒面を形成するように配し、該円錐台状部を変速リングの内周面に転動させる構造とする。支持部は、円錐転子の公転軌道の内周側に設けた補助リングに当接させるもので、周面形状は特に限定するものではない。ただ、後述する第3付勢手段を設ける場合は、円錐転子をその軸方向に変位できるように円筒状にする必要がある。また、本発明に係る摩擦式変速装置においては、軌道リングに当接させる頭部を小径端部側に設けた構造であることから、この頭部を支持部として補助リングに当接させて支持してもよい。
「補助リング」とは、円錐転子の公転軌道の内周側に、入力軸と同軸に回転自在に設けるもので、円錐転子に設けた各支持部に当接させる部材をいう。補助リングは、円錐転子の各支持部に対し独立して当接させてもよく、一体的に当接させてもよい。一体的に当接させる場合は、円錐転子の中心線と入力軸の中心線の交点から、頭部若しくは小径端部側の支持部との当接点を結ぶ直線上に、大径端部側の支持部との当接点を設けることにより、各支持部との間に速度差を生じさせることなく転動させるようにする。
本発明に係る摩擦式変速装置は、キャリアに複数の円錐転子の両端部を可回転に支持して自転及び公転させる構造である。このため、入力軸と同軸に回転自在に設けられるキャリアと補助リングの取り付け位置がほぼ同じ位置となることから、補助リングをキャリアの内部に設ける他、装置をできるだけ小型化することを目的として一方に他方の少なくとも一部を回転自在に設けてもよい。例えば、キャリアに補助リングを回転自在に設けたり、逆に補助リングにキャリアを回転自在に設ける場合などである。要は、キャリアによって両端部を一体的に回転自在に支持して遊星運動する複数の円錐転子に対し、その公転軌道の内周側から頭部や支持部に当接させて支持するものであればよい。
補助リングは、キャリアによる円錐転子の支持を軽減することを目的として設けるものである。従って、キャリアの円錐転子を支持する部分を、入力軸の法線方向に摺動可能に設けることにより、この機能をより確実にすることが可能となる。つまり、円錐転子の各支持部が補助リングに当接する状態から、該円錐転子がさらに入力軸に向かって移動できるように支持することで、該円錐転子を補助リングに確実に支持させることができるためである。摺動可能に支持する手段としては、例えば溝やレールなどを設けてスライド可能にする。これにより、円錐転子に入力軸の法線方向の押付力が働いてもキャリアへの影響を皆無にすることができる。
「付勢手段」とは、円錐車、球、円板などの転動体を利用し、摩擦当接点を移動させて回転半径を無段階に変える摩擦式変速装置において、入力軸や出力軸等に作用する負荷トルクに応じた押付力を当接面に振り向ける手段をいう。付勢手段の構造は特に限定するものではないが、一般的に、フェースカム本体の一方の面に複数のV溝を放射方向に沿って配した一対のフェースカムを対向させ、向かい合うV溝間に転がり要素として球やローラなどを介在させる調圧カムが利用されている。
また、本発明者が開発したものとして、一端面にV溝を備えた回転カムを、フェースカム本体の一方の面に複数回転可能に支持した回転カム調圧機構を利用してもよい。この回転カム調圧機構は、転がり要素として負荷容量の大きいローラを用いるもので、負荷トルクが増加して一対のフェースカムに捻りが生じた場合でも、回転カムが回転することによって該ローラを各V溝面との間で線接触を維持させることができ、極めて高い伝達効率を得ることができる。さらに、回転カム調圧機構においては、回転カムを皿ばねやコイルばねなどのばねを介して設けることもでき、無負荷や軽負荷の段階で付勢手段として機能させたり、転動体の当接面にプリロードを与えて転動体同士の初期滑りによる失速を防止することが可能となる。
本発明に係る摩擦式変速装置においては、入力軸から入力円板に伝達される駆動トルクに応じて該入力円板の外周面を円錐転子の被駆動部に当接させる方向に付勢する第1付勢手段と、出力軸に連結される軌道リングの内周面を駆動トルクに応じて円錐転子の頭部に当接させる方向に付勢する第2付勢手段とを設ける。また、円錐転子から変速リングに加えられる駆動トルクに応じて円錐転子をその軸方向に変位させて上記円錐台状部の外周面を変速リングの内周面に当接させる方向に付勢する第3付勢手段を備えてもよい。
本発明に係る摩擦式変速装置では、出力軸を変速リングと軌道リングのいずれかに連結して出力させればよい。軌道リングを回り止めし、変速リングに出力軸を連結した場合は、入力軸の回転方向と出力軸の回転方向を一致させることができ、車両用の変速機に適用したときには速度比が大きくなった時点で原動機軸と直結することもできる。また、変速リングを回り止めし、軌道リングに出力軸を連結すれば、変速リングに出力軸に連結した場合と比べ、変速リングの移動に応じた速度比の変化を大きくすることができる。
本発明に係る摩擦式変速装置は、円錐転子に一体的に設けた頭部や支持部に直接当接させる補助リングを該円錐転子の公転軌道の内周側に設けたことにより、入力軸方向に向かって作用する変速リングと軌道リングの法線力に対向させて該円錐転子を支持することができ、該円錐転子を回転支持する軸受に影響を及ぼさず効率のよい安定した運転が可能となる。特に、キャリアの円錐転子を支持する転子支持部を法線方向に摺動可能に設けることでその効果をより確実にすることができる。
従って、動力損失の少ない補助リングの存在によって、負荷容量の大きな軸受で円錐転子を支持する必要がなくなる。また、当接点の動力損失低減を図ることを目的として第1、第2、第3の各付勢手段を設けて、伝達力に比例した法線力を当接点に与える構造とした場合、過大な負荷が作用して当接点の法線力が大きくなっても、変速リング、軌道リング、補助リングの3要素によって付勢手段の法線力を相殺することができ、法線力は円錐転子の軸受のみならずケーシングにも影響を及ぼさない。
特に、本発明に係る摩擦式変速装置は、速度比に略反比例してトルク伝達比が大きくなる変速構造としているため、入力軸の外方向に向かって作用する入力円板と被駆動部との当接点における法線力に比し、入力軸方向に向かって作用する変速リング及び軌道リングの法線力が大きく、しかも出力トルクに比例して大きくなる。さらに、速度比0付近では円錐転子の公転速度も高くなる構造であることから、補助リングを設けることにより、速度比0や極低速域における伝達性能の安定性を高め、変速機構造の特徴を充分に発揮させることが可能となるなど、摩擦式変速装置における動力伝達系の要素として極めて有益な効果を有するものである。
本発明は、摩擦伝動式の変速装置において遊星運動させる円錐転子の両端部を、公転軌道の内周側で支持する補助リングを設けたことにより、上述課題を解決した。
図1は、本発明に係る摩擦式変速装置1の一実施例を示す断面図である。この摩擦式変速装置1は、エンジンまたは電動モータ等からなる駆動源により回転駆動される入力軸2と、この入力軸2により回転駆動される入力円板3と、入力軸2の周囲に遊星運動可能に配設されて入力円板3に当接する複数個(例えば3個)の円錐転子4と、これらの円錐転子4を回転自在に支持するキャリア5と、上記円錐転子4に当接するように設置された変速リング6および軌道リング7と、変速リング6を入力軸2の軸方向にスライド変位させる変速手段8と、出力軸9をその軸方向移動を規制した状態で回転自在に支持するケーシング10とを備え、上記変速リング6を回り止めして軌道リング7に出力軸9を連結している。そして、上記円錐転子4をその公転軌道の内周側で頭部42と支持部44を一体的に支持する補助リング30を、入力軸2に回転自在に設けている。
以下、本例の摩擦式変速装置1の構造を詳述する。
上記入力円板3は、第1付勢手段11を介して入力軸2と一体に回動し、その駆動トルクが上記円錐転子4の被駆動部41に伝達されて円錐転子4が回転駆動される。上記第1付勢手段11は、駆動側の入力軸2に固定されたフェースカム14と、被駆動側の入力円板3に固定されたフェースカム14との対向面にそれぞれ形成されたV溝状カム15の間に配置されたボールやローラ等の転動体16から成る。上記フェースカム14間に作用するトルクに応じて一対のフェースカムに捻じりを与え、入力円板3を円錐転子4に押し付ける方向のスラスト力を生じさせる。
上記円錐転子4は、被駆動部41と、これに隣接する頭部42と、この頭部42に小径端部が連なる円錐台状部43と、円錐台状部43の大径端部側底部に設けられた円筒状の支持部44と、上記被駆動部41の端面及び支持部44の端面に連設された一対の支持軸45とを有し、これらを同軸上に配設している。円錐台状部43は、頂角が例えば10°〜45°程度の鋭角に設定された直円錐体の頂部を切除した形に形成されている。被駆動部41は、円錐台状部43の小径端部と略等しい直径を有する円柱状である。この被駆動部41と円錐台状部43との間に位置する頭部42は、円錐台状部43の大径端部と同程度の大径扁平円柱状としている。
円錐転子4は、円錐台状部43の外面側(入力軸2から遠い側)の母線が入力軸2の軸と平行に設置される。そして、被駆動部41が入力円板3の外周部に当接する状態で、キャリア5に設けられた一対の転子支持部51に両支持軸45をそれぞれ挿入して回転自在に支持される。キャリア5は、円錐転子4の被駆動部41側に配設された前面板52と、円錐転子4の大径端部側に配設された後面板53と、上記前面板52と後面板53とを連結する連結部54とによって構成され、入力軸2上に軸受部を介して回転自在に設けられる。
変速リング6は、上記変速手段8を駆動することにより入力軸2の軸方向にスライド変位し、円錐転子4の円錐台状部43との当接位置が変化する。本例に示す摩擦式変速装置1では、変速リング6に対し円錐転子4に押付力を発生させることを目的として第3付勢手段13を設けている。第3付勢手段13は、ケーシング10に固着した固定部材17と、これに対向させて設けた支持部材18を一対のフェースカム14としたもので、円錐転子4の大径端部側に設けている。構造は前述した第1付勢手段11と同じである。この第3付勢手段13により、上記支持部材18と固定部材17との間に作用する駆動トルクに応じて、支持部材18に固定部材17から離間する方向のスラスト力が発生する。このスラスト力が推力リング19を介して、補助リング30の両支持部44との当接点に案内されて円錐転子4の軸方向に作用し、変速リング6に対する押付力となる。
上記軌道リング7は、内周面に各円錐転子4の頭部42がそれぞれ当接するように設けられ、出力軸9と第2付勢手段12を介して連結されている。この第2付勢手段12の構造は、第1付勢手段と同じであり、上記軌道リング7と出力軸9との間に作用する駆動トルクに応じ、軌道リング7を出力軸9の基端部から離間させる方向のスラスト力を生じさせる。
上記構成において、円錐転子4が変速リング6および軌道リング7の内周面に沿って自転しつつ公転し、変速リング6を円錐台状部43の母線に沿って移動させることによって円錐転子4の周速が変化して出力軸9の回転速度が変化する。このような変速構造において、本発明に係る摩擦式変速装置1では、円錐台状部43の大径端部に近い所定位置に変速リング6が当接するときに出力軸9の速度が0となる構造としている。この所定位置より小径端部側の所定領域では、出力軸9の回転方向が一定で、かつ速度比(出力軸回転速度/入力軸回転速度)が変速リング6の移動に伴って変化するとともに、速度比に略反比例して駆動トルクの伝達比も変化する関係が保たれ、速度比0の付近で大きな出力トルクが得られる。
補助リング30は、入力軸2との間に軸受を介して回動自在に支持され、円錐転子4の円錐台状部43の大径端部側底部に設けられた支持部44と、小径端部側に設けられた頭部42の、入力軸2に向かうそれぞれの外側面に当接するように配設される。これにより、変速リング6及び軌道リング7から円錐転子4に対する入力軸2方向の法線力は、キャリア5の軸受に影響を及ぼすことなく直接補助リング30に作用させることができる。しかも、円錐転子4に作用する法線力は補助リング30との当接点によって相殺されるため、その他の伝動要素やケーシング10には影響を及ぼさなくなる。
補助リング30は、頭部42と支持部44に一体的に当接させる構造としており、本例ではキャリア5の前面板52を補助リング30に軸受を介して回転自在に設けている。補助リング30を頭部42と支持部44に一体的に当接させる場合、図2に示すように頭部42と支持部44との当接点を、円錐転子4の回転軸と入力軸2との交点を通る直線上に設ける。これにより、補助リング30と円錐転子4の各回転軸に対し両当接点は恰も傘歯車のような当接状態となり、摩擦伝動による当接点での構造上の滑りは回避され、滑りに伴う動力損失はなくなる。従って、円錐転子4は変速リング6、軌道リング7及び補助リング30によって動力伝達上理想的な当接状態を維持しつつ回転駆動されるので、高負荷に絶えることができ小型軽量且つ高効率な摩擦式変速装置1とすることができる。本例では、円錐転子4の小径端部側に設けた頭部42を補助リング30に当接させているが、図の二点差線で示す支持部44を別途設けてもよい。この場合、大径端部側の支持部44は、図の二点差線で示す径にすることで補助リング30を一体的に当接させることができる。
補助リング30としては、前述したようにキャリア5によって一体的に支持された円錐転子4に対して、その公転軌道の内周側で頭部42や支持部44に当接させて支持するものであればよい。補助リング30は必ずしも頭部42や支持部44に対し一体的に当接させる必要はなく、図3に示すように円錐転子4の頭部42と支持部44にそれぞれ独立して当接させることも可能である。この場合も頭部42に代えて別途支持部44を設けて当接させてもよい。
上記各実施例では入力軸2と出力軸9を同方向に設けているが、これらを異なる方向に設けることも可能である。また、上記各実施例では変速リング6がケーシング10に非回転状態で固定され、軌道リング7が第2付勢手段12を介して出力軸9と連動されているが、変速リング6を出力軸9に連結し、軌道リング7をケーシング10に非回転状態で固定することもできる。例えば、図1に示す摩擦式変速装置1において、固定部材17を出力軸9とし、これに変速リング6を第3付勢手段13を介して連動させる場合である。また、軌道リング7を第2付勢手段12を介してケーシング10に非回転状態で固定することにより、駆動トルクに応じて発生するスラスト力を円錐転子4の頭部42に対する押付力として付与させることができる。
図4は、キャリア5の他の実施例を示すもので、円錐転子4を回転自在に支持する転子支持部51を前面板52と後面板53にそれぞれ法線方向に摺動可能に設けたものである。これにより、補助リング30に各支持部44が当接した状態でも、各転子支持部51が前面板52と後面板53の法線(図の矢印)方向に摺動可能となるため、支持軸45を可回転に支持する軸受に対し、各付勢手段11、12、13で付与された押付力の影響を無くすことができる。
付勢手段としては、図5(a)(b)に示すように一対のフェースカム14を構成する一方のフェースカム14を、V溝状カム15を備えた回転カム20を複数(8個)回転自在にフェースカム本体21の同心円上に設けた構造としてもよい。他方のフェースカム14は、フェースカム本体21の一面にV溝状カム15を形成している。回転カム20を回転自在に設けたことにより、図6に示すように各V溝状カム15がローラ22に対し線接触する状態を維持しながら移行させることができる。つまり、回転カム20はローラ22の回転軸に直角の回転軸を持ち、対向する各V溝状カム15が負荷トルクによって捻られる方向の角度αと逆方向に同じ角度βで回転するためである。これにより負荷トルクが作用してローラ22を挟む対向するV溝状カム15間に角度差αが生じる場合でも、ローラ22が介在することによって、相手側のV溝状カム15面に対し回転カム20側のV溝状カム15面が回転して平行となり、そのローラ22に双方のV溝状カム15面を線接触させることができる。従って、このような負荷トルクの増加に応じて大きな押付力を発生させることができる付勢手段を設けた場合でも、円錐転子4をその公転軌道の内周側で支持する補助リング30を設けることにより、押付力を損失させることなく高効率で安定した動力の伝達が可能となる。
本発明に係る摩擦式変速装置の一実施例を示す縦断面図である。(実施例1) 本発明に係る摩擦式変速装置の補助リング部分の拡大縦断面図である。 補助リングの他の実施例を示す縦断面図である。(実施例2) キャリアの他の実施例を示す背面図である。(実施例4) (a)(b)は付勢手段の他の実施例を示す平面図である。(実施例5) フェースカム本体に回転自在に設けた回転カムに、負荷がかかったときのローラとV溝状カムの関係を示す斜視図である。
符号の説明
1 摩擦式変速装置
2 入力軸
3 入力円板
4 円錐転子
41 被駆動部
42 頭部
43 円錐台状部
44 支持部
45 支持軸
5 キャリア
51 転子支持部
52 前面板
53 後面板
54 連結部
6 変速リング
7 軌道リング
8 変速手段
9 出力軸
10 ケーシング
11 第1付勢手段
12 第2付勢手段
13 第3付勢手段
14 フェースカム
15 V溝状カム
16 転動体
17 固定部材
18 支持部材
19 推力リング
20 回転カム
21 フェースカム本体
22 ローラ
30 補助リング

Claims (8)

  1. ケーシングに回転自在に支持された入力軸と出力軸とを有し、該入力軸により回転駆動する入力円板と、該入力軸と同軸上に回転自在に設けたキャリアに保持し公転軌跡の外周面が円筒面を形成して遊星運動させる円錐転子と、該入力軸と同軸上に配設し該円錐転子の円錐台状部に内周面を当接させる変速リングと、該変速リングを該入力軸の軸方向にスライド変位させる変速手段と、入力軸と同軸上に配設した軌道リングとにより構成し、該円錐転子に、該入力円板の外周面と当接させる被駆動部と、小径端部側に該軌道リングの内周面と当接させる頭部とを備え、該変速リングと該軌道リングのいずれか一方を該出力軸に連結した摩擦式変速装置であって、該円錐転子は小径端部側及び大径端部側にそれぞれ支持部を設けると共に、該円錐転子の公転軌道の内周側に各支持部に当接させる補助リングを該入力軸と同軸上に回転自在に設けたことを特徴とする摩擦式変速装置。
  2. 補助リングは、各支持部に対し一体的に当接させる構造であり、円錐転子の中心線と入力軸の中心線との間でこれらの交点を通る直線上に、各当接点を設けたものである請求項1記載の摩擦式変速装置。
  3. 小径端部側の支持部は、頭部である請求項1又は2記載の摩擦式変速装置。
  4. 補助リングは、少なくともその一部をキャリアに回転自在に設けたものである請求項1、2又は3記載の摩擦式変速装置。
  5. キャリアは、少なくともその一部を補助リングに回転自在に設けたものである請求項1、2又は3記載の摩擦式変速装置。
  6. キャリアは、連結部で連結した前面板と後面板のそれぞれに、複数の円錐転子の両端部を回転自在に支持する転子支持部を設けた構造であって、該転子支持部を該前面板と該後面板の法線方向に摺動可能に設けたものである請求項1、2、3、4又は5記載の摩擦式変速装置。
  7. 入力円板を円錐転子の被駆動部に当接させる方向に付勢する第1付勢手段と、軌道リングの内周面を円錐転子の頭部に当接させる方向に付勢する第2付勢手段と、円錐転子をその軸方向に変位させて円錐台状部を変速リングの内周面に当接させる方向に付勢する第3付勢手段とを備えたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の摩擦式変速装置。
  8. 付勢手段は、負荷トルク又は伝達力に比例した法線力を当接点に付与する一対のフェースカムを有する調圧カムであって、該フェースカムの一方は転がり要素としたローラを軸方向に沿って当接させるV溝を備えた回転カムを、回転自在にフェースカム本体の軸心回りに複数支持したものである請求項7記載の摩擦式変速装置。
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