JP2005263641A - メイクアップ化粧料 - Google Patents
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【解決手段】次の成分(A)、(B)及び(C):(A)酸化鉄で3〜70質量%被覆された着色粉体であって、平均粒径1〜30μm、外観色がマンセル表色系において特定の色相と明度を有し、さらに、健常皮膚色部とシミ皮膚色部を有するシートに塗布したとき、特定の色差ΔEを有する着色粉体(B)オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、式(1)を有する窒素含有高分子化合物
(R1は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基等)(C)25℃で液体である油性成分 20質量%以上を含有し、成分(A)と(B)の質量比率〔(B)/(A)〕が0.1〜15であり、かつ成分(A)と(C)の質量比率〔(C)/(A)〕が1〜100であるメイクアップ化粧料。
【選択図】なし
Description
(A)酸化鉄で3〜70質量%被覆された着色粉体であって、平均粒径1〜30μm、外観色がマンセル表色系において色相2.5RP〜10Y、明度2.0〜8.0であり、さらに、健常皮膚色部(淡色部)とシミ皮膚色部(濃色部)を有するシートに塗布し、正反射条件及び拡散反射条件において、健常部及びシミ部の色(L*,a*,b*)を測定したとき、下記式で求められる色差△E(正反射条件:△Er、拡散反射条件:△Ed)が0≦△Er≦3.0及び0≦△Ed≦6.0である着色粉体、
(b-1)オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して下記式(1)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)が結合してなる共重合体;
(b-2)オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して下記式(2)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−プロピレンカルボベタイン)が結合してなる共重合体;
(b-3)オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、下記式(3)で示される基が結合してなる共重合体;
(C)25℃で液体である油性成分 20質量%以上
を含有し、成分(A)と(B)の質量比率〔(B)/(A)〕が0.1〜15であり、かつ成分(A)と(C)の質量比率〔(C)/(A)〕が1〜100であるメイクアップ化粧料を提供するものである。
なお、着色粉体の外観色は、粉体をセルに充填し、測色装置;SQ−300H(日本電子社)を用いて測定するものである。
(1)カバー力評価シートの調製:
図1に示すとおり、5cm角の普通紙に、カラー印刷機(EPSON PM-750C)を用い、以下の色になるよう印刷した。
健常部測色平均値:L*値66.4、a*値9.8、b*値17.3
シミ部測色平均値:L*値60.5、a*値9.6、b*値16.2
得られたシートは、測色器(MINOLTA CR-300)を用い、健常部(淡色部)、シミ部(濃色部)をそれぞれ測定し、それぞれが測色平均値からの色差ΔEが1以下、シミ部(濃色部)と健常部(淡色部)の色差ΔEは5.5〜6.5であることを確認し、評価に用いる。
カバー力評価シートに、粉体を0.003g/25cm2塗布する。これを黒色板に貼りつけ、図2のような試料変角測定装置の試料台にセットする。点光源からの光を集光レンズ、コリメータレンズを通して試料に照射し、デジタルカメラにて撮像する。入射光とデジタルカメラの角度は50°に固定し、試料台を変角させることにより、以下の正反射と拡散反射の2条件のデジタル画像(撮影範囲:直径3.5cmの円)を得る。光源によって不自然な色合いの画像になる場合があり、そのときはサンプルと光源との間に60g/cm2のトレーシングペーパーを入れて拡散光として入射させ調節する。
図3に示すように、撮影したデジタル画像を画像解析ソフトAdobe Photoshop(Adobe社)を用いて、カバー力評価シート上の健常部(淡色部)及びシミ部(濃色部)の各エリアから得られるヒストグラムから、L*、a*、b*を読み出すことができる。各エリアの選び方は正反射条件の画像は全面でピントが合っているので、できるだけ広いエリアを選択して誤差をなくし、拡散反射条件の画像は中心線(健常部とシミ部の境界線)にピントが合っているためできるだけ中心に近いエリアを選択する。画像解析から得られる健常部(淡色)及びシミ部(濃色部)のL*値、a*値、b*値から、下記計算式に従い、色差△E(正反射条件:△Er、拡散反射条件:△Ed)を求める。
また、本発明の化粧料中における成分(A)の含有量は、0.3〜20質量%が好ましく、0.3〜15質量%、更に0.5〜10質量%がより好ましい。この範囲であれば十分なカバー力でありかつ自然な仕上がりが得られる。
成分(A)を特定の比率で使用することで、酸化鉄や有色色素など他の着色顔料の配合量を軽減することができ、より化粧感の少ない素肌に近い仕上がりを提供することができる。
すなわち、成分(B)が成分(A)の表面に吸着した状態で存在することで、粉体同士の凝集が起きにくくなり、さらに肌に塗布した際は肌表面と粉体表面を付着させる「のり」のような役割をする。成分(A)の酸化鉄被覆雲母や酸化鉄被覆雲母チタンは薄片状の扁平な形状であるため、成分(B)高分子化合物の存在下で肌の表面にしっかりと肌平面に沿った配向性をもって付着でき、シミ・ソバカスなど肌の色ムラに対する十分なカバー力と自然で素肌感のある仕上がりを演出する。さらには粉体の皮膚への密着性が良好なため、塗布時にムラづきせず、粉っぽさを感じさせない使用感になる。
成分(B)の第1の態様である高分子化合物(b-1)、すなわち、オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、2−置換オキサゾリン類または2−置換オキサジン類の開環重合によって得られる、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して上記式(1)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)が結合してなる共重合体は、該ポリ(N−アシルアルキレンイミン)のセグメントとオルガノポリシロキサンのセグメントとの重量比が1/50〜20/1、特に1/40〜2/1で、分子量が500〜500,000、特に1,000〜300,000のものが、着色粉体の肌への均一な付着状態を得る上で好ましい。
かかる高分子化合物(b-1)の好ましい例としては、ポリ(N−ホルミルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−アセチルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−n−オクタノイルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−n−ドデカノイルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−ホルミルプロピレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−アセチルプロピレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−プロピオニルプロピレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−n−オクタノイルプロピレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−n−ドデカノイルプロピレンイミン)変性シリコーン等が挙げられる。
上記高分子化合物(b-1)は、公知の方法(特開平2−276824号公報、特開平4−85334号公報、特開平4−85335号公報、特開平5−112423号公報、特開平7−133352号公報、特開平10−95705号公報等)により得ることができる。
また、R2で示されるシクロアルキル基としては炭素数3〜6のものが挙げられ;アラルキル基としてはフェニルアルキル、ナフチルアルキル等が挙げられ;アリール基としてはフェニル、ナフチル、アルキル置換フェニル等が挙げられる。
高分子化合物(b-2)は、オルガノポリシロキサンと下記式(5);
で表される環状アミンを開環重合して得られる末端反応性ポリ(N−プロピレンイミン)とを反応させて、まずポリ(N−プロピレンイミン)が結合してなるオルガノポリシロキサンを製造する。これにクロル酢酸ナトリウムやβ−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンを更に反応させることによりポリ(N−プロピレンカルボベタイン)変性シリコーンが製造される。
具体的には、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級脂肪酸変性オルガノポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油;フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン等のフッ素油;オリーブ油、ホホバ油等の植物油;液状ラノリン等の動物油;流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素油;リンゴ酸ジイソステアリル、乳酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル等の脂肪酸エステル;ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等の脂肪酸とアルコールとからなるエステル油;グリセリン誘導体、アミノ酸誘導体等のエステル油などが挙げられる。これらのうち、流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素油を含有するメイクアップ化粧料において、本発明の効果がより顕著に発揮される。
表1に示す組成の液状油中水型ファンデーションを下記方法により製造し、25℃における粘度、色ムラカバー力、仕上がりの自然さ(素肌感)、肌への均一な密着感、塗布時のムラになりにくさ、粉っぽさのなさについて評価した。結果を表2に示す。
表1に示す組成で、成分(1)〜(4)を混合する。別に成分(5)〜(12)を混合し、これを(1)〜(4)の混合物に加え攪拌機で分散混合する。(13)〜(15)をあらかじめ混合しておいた成分(1)〜(12)の混合物に加え、ディスパーで攪拌混合する。
別に(16)〜(18)を攪拌機で混合し、前記(1)〜(15)の混合物に30分かけてゆっくりと攪拌しながら添加し、更に10分間ホモミキサーで攪拌して乳化を行った後、脱泡してボトルに充填し、液状油中水型ファンデーションを得た。
各液状油中水型ファンデーションについて、色ムラカバー力、仕上がりの自然さ(素肌感)、肌に均一に密着する感じ、塗布時のムラになりにくさ、粉っぽさのなさについて、素肌に色ムラのある10人の女性専門パネラーが5段階評価を行い、さらにそれらを平均して下記基準で判定した。
5:非常に良好。
4:良好。
3:普通。
2:やや不良。
1:不良。
[判定基準]
◎:4.5点以上。
○:3.5以上4.5点未満。
△:2.5点以上3.5点未満。
×:2.5点未満。
これに対し、ΔEが大きい酸化鉄被覆雲母チタンを含有する比較例1のファンデーションは、シミ・ソバカス等の色ムラがカバーされず、不自然な印象に仕上がってしまった。成分(B)の高分子化合物を含まない比較例2は着色粉体が肌上に均一に付着できないため、色ムラのカバー力が不十分で、自然な仕上がりが得られず、塗布時に塗布ムラが目立ち、粉っぽい使用感だった。着色粉体ではなく従来の着色顔料のみで着色した比較例3のファンデーションは、色ムラのカバー力があるものの、厚塗りで化粧感のある暗い仕上がりになってしまった。また「肌に均一に密着する感じ」や「粉っぽさのなさ」も本発明品1〜3に比べて劣っていた。また酸化鉄の被覆量が少なく外観色が白色に近い酸化鉄被覆雲母チタンを含有する比較例4はシミ・ソバカス等の色ムラが十分にカバーされなかった。成分(C)の液体である油性成分が20%未満である比較例5は粉っぽくかさついた感触になり、のばしても塗りムラができて、肌に均一に密着する感じは得られなかった。
表3に示す組成のクリーム状油中水型ファンデーションを下記方法により製造した。
得られたファンデーションは、色ムラカバー力、仕上がりの自然さ(素肌感)、肌への均一な密着感、塗布時のムラになりにくさ、粉っぽさのなさに優れていた。
成分(1)〜(9)、(16)、(17)を加熱溶解して混合する。別に成分(10)〜(15)を混合し、これを(1)〜(9)の混合物に加えディスパーで攪拌混合する。別に(18)〜(20)を攪拌機で混合し、これを前記(1)〜(17)の混合物に30分かけてゆっくりと攪拌しながら添加し、更に10分間ホモミキサーで攪拌して乳化を行った後、脱泡して容器に充填し、クリーム状油中水型ファンデーションを得た。
表4に示す組成のクリーム状水中油型ファンデーションを下記方法により製造した。
得られたファンデーションは、色ムラカバー力、仕上がりの自然さ(素肌感)、肌への均一な密着感、塗布時のムラになりにくさ、粉っぽさのなさに優れていた。
成分(1)〜(10)を70〜80℃に加熱溶解後、成分(11)〜(17)を加えてディスパーで撹拌混合する。撹拌(300r/min)しながら、70〜80℃であらかじめ均一に加熱溶解した成分(18)〜(23)を添加した。温度を維持しながらホモミキサーで乳化後、室温まで冷却して、脱泡して容器に充填し、クリーム状水中油型ファンデーションを得た。
表5に示す組成のスティックタイプのコンシーラーを下記方法により製造した。
得られたコンシーラーは、色ムラカバー力、仕上がりの自然さ(素肌感)、肌への均一な密着感、塗布時のムラになりにくさ、粉っぽさのなさに優れていた。
成分(1)〜(7)を加熱溶解し、均一に混合する。別に成分(8)〜(11)をヘンシェルミキサーで混合し、これらと成分(12)〜(13)を(1)〜(7)の混合物に加えロールミルにて混練し均一分散させ、再融解し脱泡してから型に流し込み、急冷後、型から取りだし、密閉容器に充填し、スティックタイプの油性固形状コンシーラーを得た。
表6に示す組成の油性固型状ファンデーション(ペーストタイプ)を下記方法により製造した。
得られたファンデーションは、色ムラカバー力、仕上がりの自然さ(素肌感)、肌への均一な密着感、塗布時のムラになりにくさ、粉っぽさのなさに優れていた。
成分(1)〜(12)を混合する。別に成分(13)〜(19)をヘンシェルミキサーで混合し、これを(1)〜(12)の混合物に加え攪拌機で分散混合する。脱泡して金皿に圧縮成形し、ペーストタイプの油性固型状ファンデーションを得た。
Claims (5)
- 次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)酸化鉄で3〜70質量%被覆された着色粉体であって、平均粒径1〜30μm、外観色がマンセル表色系において色相2.5RP〜10Y、明度2.0〜8.0であり、さらに、健常皮膚色部(淡色)とシミ皮膚色部(濃色)を有するシートに塗布し、正反射条件及び拡散反射条件において、健常部及びシミ部の色(L*,a*,b*)を測定したとき、下記式で求められる色差△E(正反射条件:△Er、拡散反射条件:△Ed)が0≦△Er≦3.0及び0≦△Ed≦6.0である着色粉体、
(b-1)オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して下記式(1)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)が結合してなる共重合体;
(式中、R1は水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示し、nは2又は3の数を示す)
(b-2)オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して下記式(2)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−プロピレンカルボベタイン)が結合してなる共重合体;
(式中、R2は水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基又はアルコキシカルボニルアルキル基を示し、rは1〜5の数を示す)
(b-3)オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、下記式(3)で示される基が結合してなる共重合体;
(式中、mは1〜8の数を示す)
(C)25℃で液体である油性成分 20質量%以上
を含有し、成分(A)と(B)の質量比率〔(B)/(A)〕が0.1〜15であり、かつ成分(A)と(C)の質量比率〔(C)/(A)〕が1〜100であるメイクアップ化粧料。 - 25℃における粘度が100〜400万mPa・sである請求項1記載のメイクアップ化粧料。
- 成分(A)の着色粉体が、酸化鉄で被覆された雲母又は雲母チタンである請求項1又は2記載のメイクアップ化粧料。
- 乳化化粧料である請求項1〜3のいずれか1項記載のメイクアップ化粧料。
- 成分(A)の着色粉体の含有量が、全粉体中3.0質量%以上である請求項1〜4のいずれか1項記載のメイクアップ化粧料。
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