JP2005262600A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

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大介 今井
Susumu Hagisawa
進 萩澤
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幸雄 小林
Norifumi Tanaka
憲文 田中
Yoichi Yamazaki
洋一 山▲崎▼
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Abstract

【課題】 ゼータ電位が負の顔料インクを用いた場合に、印字濃度や耐滲み性に優れ、さらにペン書適性及び普通印刷適性に優れたインクジェット記録用紙を提供する。
【解決手段】 ゼータ電位が負の顔料インク用のインクジェット記録用紙であって、記録面の表面自由エネルギーが30〜40mN/mで、かつ該表面自由エネルギーの塩基性成分が1.0〜5.0mN/m以下である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ゼータ電位が負の顔料インク用のインクジェット記録用紙に関する。
インクジェット記録方式は、種々の機構によりインクの小滴を吐出し、記録用紙上に付着させることによりドットを形成し、記録を行うものであるが、ドットインパクトタイプの記録方式に比べて騒音がなく、またフルカラー化が容易である上、高速印字が可能であるなどの利点がある。
従来、インクジェット記録用インクとしては、彩度や色再現性等の画像品質、印刷ヘッド等における目詰まり防止等の点から、水溶性染料を着色剤に用いた染料インクが主流であった。しかしながら、染料インクによる印刷物は、インクの特性上、耐水性や耐光性,耐ガス性を向上させることが難しい。そこで、近年では、顔料を着色剤に用いた顔料インクが使用されつつある。
上記した顔料インク用のインクジェット記録用紙としては、顔料を含むインク吸収層を表面塗工したタイプ(以下、「顔料塗工タイプ」という)のものが主流であり、高い印字品質が得られている。しかし、このタイプの記録用紙は、インクの乾燥が遅いため滲みが生じ、又、コストアップを招くことから、表面に顔料を塗工しない、いわゆる普通紙タイプのインクジェット記録用紙が開発されている(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、紙表面のゼータ電位を規定することで、アニオン性顔料インク(ゼータ電位が負)に対する印字適性が改善される。
特開2003−211833号公報
ところで、普通紙タイプのインクジェット記録用紙には表面塗工層が無いため、普通印刷も行うことができる。そのため、このタイプの記録用紙は、例えば、パンフレット、ポスター等の印刷物や葉書等に使用されることがあり、印刷物にペン書等をすることも想定される。
しかしながら、上記技術を用いた場合、ペン書適性が低く、普通印刷時に印刷汚れが生じる問題がある。
従って、本発明の目的は、ゼータ電位が負の顔料インクを用いた場合に、印字濃度や耐滲み性に優れ、さらにペン書適性及び普通印刷適性に優れたインクジェット記録用紙を提供することにある。
本発明者等は上記課題について鋭意検討した結果、紙に対する液体のなじみ(ぬれ性)を表す表面自由エネルギに着目し、この値が高いほどぬれ性が向上してインク吸収性が高まるが、値が高すぎるとペン書き適性が劣化することを見出し、前記課題を解決した。又、本発明者等は、1)印字品質を向上するためには、表面自由エネルギのうち、ゼータ電位が負の顔料インクと反発する塩基性成分の値を基準以下とすること、2)普通印刷適性を改善するためには、酸性成分の値を基準以下とすることが必要であるとの知見を得た。
すなわち、本発明のインクジェット記録用紙は、ゼータ電位が負の顔料インク用のインクジェット記録用紙であって、記録面の表面自由エネルギーが30〜40mN/mで、かつ該表面自由エネルギーの塩基性成分が1.0〜5.0mN/mであることを特徴とする。
又、下記一般式R−CH(R)−O−(CHCHO)H(式中、R、Rはそれぞれアルキル基であり、RとRの合計炭素数が10〜14、nは4〜10の整数)で表される界面活性剤、及び水溶性バインダーを含む塗液が基紙に塗布されて前記記録面が形成されていることが好ましい。さらに、前記インクジェット記録用紙が顔料塗工タイプでないことが好ましい。
本発明によれば、ゼータ電位が負の顔料インクを用いた場合に、印字濃度や耐滲み性に優れ、さらにペン書適性及び普通印刷適性に優れたインクジェット記録用紙が得られる。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明のインクジェット記録用紙は、ゼータ電位が負の顔料インク用途であって、記録面の表面自由エネルギー、並びに、その塩基性成分及び酸性成分を規定したものである。
本発明のインクジェット記録用紙は、通常、基紙に所定の塗布液を塗布して製造されるが、いわゆる普通紙タイプを含むものであり、後述する「顔料塗工タイプ」を含まない。
<ゼータ電位が負の顔料インク>
この顔料インクはアニオン性の顔料インクとも称されるが、ゼータ電位が負であれば特に制限はない。この顔料インクとしては、例えばカルボキシル基含有ビニル系共重合体で包含された顔料分散品(特開2003−211833号公報に記載)や、表面に-COONa基が結合された自己分散型の顔料分散品(特開2002−275397に記載)等がある。
<基紙>
基紙は、主に木材パルプに填料を内添したものを抄紙して製造することができる。木材パルプとしては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等を用いることができる。さらに、必要に応じて他の植物性繊維、合成繊維、または無機繊維を上記木材パルプに配合してもよい。又、これらの各種パルプを単独または任意の割合で混合して使用することが可能である。特に、化学パルプを用いるのが好ましく、LBKPのみを用いるとより好ましい。なお、上記各パルプの種類を示す略記号は、JIS紙パルプ用語に準拠したものである。
木材パルプに内添する填料は、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カルシウム・マグネシウム炭酸塩、カオリン、焼成クレー、ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、タルク等の天然珪酸塩や、合成珪酸アルミニウム、合成珪酸カルシウム等の合成珪酸塩、珪藻土や合成シリカ等の珪酸、水酸化アルミニウムや擬ベーマイト等のアルミニウム水和物、又は、硫酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛等の公知の填料を用いることができる。特に、タルク、カオリン、二酸化チタンを用いることが好ましい。
基紙を抄造する方法としては、通常の抄紙法を適用でき、上記パルプを叩解して填料を配合し、さらに必要に応じて公知のサイズ剤、定着剤、歩留向上剤、紙力増強剤等の各種添加剤を加えた後、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等で抄紙すればよい。なお、インクジェットの印字保存性が優れる観点から、基紙は、pH4〜6の酸性域で抄紙する酸性抄紙であるのが好ましい。
<記録面>
記録面は、上記顔料インクが付着して画像形成される部分であり、例えば後述する塗布液を基紙に塗布して形成される。記録面は、インクジェット記録用紙の両面に設けてもよく、片面のみに設けてもよい。
本発明においては、上記記録面の表面自由エネルギーが30〜40mN/mであることが必要である。表面自由エネルギは、紙に対する液体のなじみ(ぬれ性)を表し、この値が高いほどぬれ性が向上してインク吸収性が高まる。従って、記録面の表面自由エネルギーが30mN/m未満の場合、インクの乾燥が遅く、印字直後の記録面を手や物で触れるとインクが付着し、印字不良となり易い。一方、表面自由エネルギーが40mN/mを超えた場合、インク浸透性が高すぎて、印字濃度が低下するとともに、サインペン等のペン書き時に文字が滲みやすくなる。
又、本発明においては、記録面の表面自由エネルギーの塩基性成分が5.0mN/m以下、好ましくは、4.0mN/m以下であることが必要である。塩基性成分が5.0mN/mを超えると、アニオン性の顔料インクと記録面とが電気的に反発し、インクの乾燥が遅くなる。
さらに、本発明においては、記録面の表面自由エネルギーの塩基性成分が1mN/m以上、好ましくは2.0mN/m以上であることが必要である。塩基性成分が1mN/m未満であると、普通印刷をした際に、印刷汚れが生じる。
<表面自由エネルギーの測定方法>
下記式(1)
ij=2√(γi LW×γj LW) + 2√(γi +×γj -) + 2√(γi -×γj +)…(1)
によれば、表面自由エネルギーWijは、ファンデルワールス力成分γLW、酸性成分γ+、塩基性成分γ-の3成分から構成される(拡張Fowkesの式)。但し、Wijは、物質iとjの表面相互作用エネルギーである(以下の計算では、iを液体、jを固体(用紙表面)と考える)。
又、液体の接触角θと固体/液体の表面自由エネルギーWSLとの間には、下記式(2)
SL=γL(1+cosθ)…(2)
の関係がある(Young-Dupreの式)。但し、γLは液体の表面張力である。
SL=Wijであるから、(1)、(2)式より
γL(1+cosθ)=2√(γi LW×γj LW) + 2√(γi +×γj -) + 2√(γi -×γj +)…(3)
が得られる。ここで、γL、γLW、γ+、γ-がそれぞれ既知の液体を紙表面に滴下し、各液体の接触角θを測定し、式(3)を用いて3元連立方程式を解くことによって、用紙表面についての表面自由エネルギーのファンデルワールス力成分、酸成分、塩基成分を算出することができる。上記した測定方法は、例えば、文献(「紙パ技協誌」 第56巻10号 p.106 2002年10月発行、特開2001-105556号公報の段落0019)に記載されている。
<記録面の好ましい構成>
本発明は、好ましくは、いわゆる「顔料塗工タイプの記録用紙」を含まない。ここで、顔料塗工タイプの場合、顔料を含む塗工層が基紙上に形成され、基紙の繊維も目視では見えない。一方、本発明においては、好ましくは、印刷適性を劣化させる顔料を表面塗工せず、これにより印刷適性を向上させる。すなわち、好ましくは本発明においては、記録面に顔料塗工層を形成させないので、基紙の繊維が目視で確認できる。この場合、基紙の繊維を隠蔽しないクリアコート層を形成するのは構わない。又、印刷適性を劣化させない程度の助剤として、顔料を記録面に含有させる(通常、3g/m以下(顔料正味量)、好ましくは1g/m以下)ことも差し支えない。
なお、本発明においては、記録面は必ずしも層構造となっている必要はない。上記したように、本発明は、好ましくは顔料塗工層を形成せず、表面自由エネルギーを調整するための塗布液を基紙に塗布形成するので、塗布液が基紙に浸透して一体化していてもよい。
<記録面の形成>
記録面は、例えば以下の塗布液(クリアコート液)を基紙表面に塗布することで形成することができる。塗布液としては、例えば、顔料を含有せず、界面活性剤及び水溶性バインダーを含むものが挙げられる。界面活性剤は、記録面の表面自由エネルギーを調整するために用いられ、ノニオン系、アニオン系、及びカチオン系のものを適宜用いることができる。界面活性剤としては、ノニオン系が最も好ましく、次にアニオン系のものが好ましいが、ノニオン系、アニオン系、及びカチオン系のものを適宜併用してもよい。又、表面自由エネルギーの調整は、界面活性剤の種類や、配合量を変化させて行うことができる。
界面活性剤の具体例としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが挙げられる。ポリオキシアルキレンとしては、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)が例示される。特に、下記一般式
−CH(R)−O−(CHCHO)
(式中、R、Rはそれぞれアルキル基であり、RとRの合計炭素数が10〜14、nは4〜10の整数)で表されるポリオキシアルキレンエーテルが好適に使用できる。とりわけ、上記n=7の化合物(ポリオキシエチレン(7)アルキル(sec−C11−15)エーテル、花王株式会社製の商品名「エマルゲン707」を用いるのが好ましい。なお、式(1)の化合物中、アルキル部分(R−CH(R)−)はsec-(secondary:第2)アルキルである。
水溶性バインダーは、上記塗布液による皮膜の強度を確保するためのものである。水溶性バインダーは、皮膜を形成することができる高分子化合物であればいずれのものでも使用することができる。具体的には、完全ケン化あるいは部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボン酸変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール樹脂、酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、スチレン−アクリル樹脂及びその誘導体、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン、塩化ビニルエマルジョン、ウレタンエマルジョン、尿素エマルジョン、アルキッドエマルジョン及びこれらの誘導体等が挙げられ、これらを単独又は複合使用してもよい。
又、上記塗布液には、本発明の効果を損なわない程度に保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、着色剤、耐水化剤、湿潤剤、蛍光染料、紫外線吸収剤、カチオン性高分子電解質等を適宜添加することができる。
基紙上に上記塗布液を塗布する方法としては、例えば、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター等の公知の塗工機を用いた方法が挙げられる。
以下に、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は、特に明示しない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
<基紙の製造>
濾水度330mlC.S.F.の広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)100部からなるパルプに、内添填料としてタルク15.0部、カチオン化デンプン0.4部、バンド剤(硫酸アルミニウム)1.0部、合成サイズ剤(WSA−30:荒川化学製の製品名)0.5部、及び歩留まり向上剤0.02部を添加してpH4.5のパルプスラリーを調製した。このスラリーから抄紙機を用いて抄紙し、基紙を得た。
<インクジェット記録用紙の製造>
この支持体の両面に、サイズプレス装置によって片面当たりの乾燥塗工量が2.0g/mとなるようにサイズプレス液(酸化デンプンを5%を含む溶液)を塗工して坪量170g/mの原紙を得た。この原紙の一方の面に、乾燥塗工量が0.5g/mとなるように下記塗工液Aをブレード方式で塗工し、インクジェット記録用紙を得た

塗工液A:完全ケン化ポリビニルアルコール(PVA117:株式会社クラレの製品名)1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(花王株式会社製の商品名「エマルゲン707」、上記一般式に示した化合物)0.1部を配合して、固形分濃度1.1%の塗工液を調製した。
塗工液Aにおいて、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの配合量を0.2部とし、固形分濃度を1.2%としたこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
塗工液Aにおいて、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの配合量を0.3部とし、固形分濃度を1.3%としたこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
塗工液Aにおいて、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの代わりにポリオキシエチレンソルビタンラウレート(レオドールTW−L106:花王株式会社の商品名)を0.3配合し、固形分濃度を1.3%としたこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
<比較例1>
塗工液Aにおいて、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを配合せず、固形分濃度1.0%としたこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
<比較例2>
塗工液Aにおいて、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの代わりに、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩とポリオキシエチレンアルキルエーテル(アルキル部分の炭素数11)との混合物(プロパーY110:株式会社日新化学研究所の商品名)を0.3配合し、固形分濃度1.1%としたこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
<比較例3>
塗工液Aにおいて、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの代わりに、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(レオドール440:花王株式会社の商品名)を0.3配合し、固形分濃度1.3%としたこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
<比較例4>
塗工液Aにおいて、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの代わりに、四級アンモニウム塩のカチオン性水溶性ポリマー(PAS−H−10L:日東紡績株式会社の製品名、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物)を6部配合し、固形分濃度7%としたこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
<比較例5>
塗工液Aの代わりに、合成シリカ(ファインシールX−37:株式会社トクヤマの製品名)100部、SBラテックス(LX438C:住友化学工業株式会社の製品名)5部、ポリビニルアルコール(PVA117:株式会社クラレの製品名)20部、及びカチオン性サイズ剤(ポリマロン360:荒川化学工業株式会社の製品名)5部を配合し、固形分濃度20%の塗工液を調製した。この塗工液を乾燥塗工量が7g/m(合成シリカ量が5.4g/m)になるようにして、上記基紙にブレード塗工し、インクジェット記録用紙を得た。
<評価>
各インクジェット記録用紙について,以下の評価を行った。
1.表面自由エネルギーの測定
上記した測定法に従った。表面自由エネルギーの各成分が既知の液体として、蒸留水、エチレングリコール、及びジヨードメタンをインクジェット記録用紙の記録面に滴下し、各液体の接触角を動的吸収試験機(Fibro1100DAT:Fibro社製)にて測定し、上記式(3)の3元連立方程式を解くことによって、用紙表面の表面自由エネルギーのファンデルワールス力成分、酸成分、塩基成分を算出した。尚、接触角は、液体の紙への吸収によって経時で変化するため、液滴の滴下後0.1〜1秒の間の10点の時間における接触角から、0秒での接触角を内挿して求めることにより、紙の吸収の影響を排除した平衡時の接触角(0秒接触角)を算出し、用いた。
上記各液体の諸特性として、「紙パ技協誌」(第56巻10号 p.106 2002年10月発行)によって提案された以下の値を用いた。
Figure 2005262600
2.インクジェット印字適性
各実施例及び比較例について、顔料インクプリンター:PIXUS 550i(キヤノン社製)のアニオン性顔料インク(黒色インク、ゼータ電位:-45mV、粒子径:105nm)を用い、インクジェット印字を行い評価した。
2−1.インク乾燥性
ベタ印字を施し、印字後、手で触れても滲まなくなるまでの時間を測定した。
2−2.印字濃度
ベタ印字を施し、マクベス濃度計を用いて印字濃度を測定した。
3.ペン書き適性(ペン書きサイズ度)
JAPAN.TAPPI No.12に準じ、ペン書きサイズ度を測定した。この基準は、ペン書き時のインクのにじみ具合を、にじみの大きいものから、完全ににじまないものまで、その程度に応じて0〜6までの7等級に格付けする。つまり、値が大きいほどインクのにじみが小さい。通常、5以上であれば良好である。
4.普通印刷適性
オフセット2色印刷機R202(ローランド株式会社の機器名)にA3サイズ枚葉の試料を2000枚セットして、8,000枚/時間の印刷速度でインクジェット印字面に普通印刷した際に発生したブランケット汚れを評価した。
○:ほとんど汚れが発生せず、洗浄も容易に行える。
△:汚れがわずかに認められ、洗浄に多少時間を要する。
×:汚れが認められ、洗浄に時間を要する。
得られた結果を表2に示す。
Figure 2005262600
表2から明らかなように、各実施例の場合、インク乾燥性、印字濃度に優れるだけでなく、ペン書き適性、普通印刷適性にも優れていることが実証された。一方、記録面の表面自由エネルギーが30mN/m未満である比較例1の場合、インク乾燥性及びペン書き適性に劣った。表面自由エネルギーの塩基性成分が5.0mN/mを超えた比較例2,3の場合も、インク乾燥性が低下した。又、表面自由エネルギーの塩基性成分が1.0mN/m未満である比較例4、5の場合、普通印刷時に印刷汚れが生じた。さらに記録面に顔料を含んだ比較例5の場合は、表面自由エネルギーが40mN/mを超え、ペン書きサイズ度が劣るものとなった。
なお、各実施例の場合、記録面に顔料を含まないので、記録用紙への鉛筆書き適性にも優れ、又、風合いも普通紙に近かった。

Claims (3)

  1. ゼータ電位が負の顔料インク用のインクジェット記録用紙であって、記録面の表面自由エネルギーが30〜40mN/mで、かつ該表面自由エネルギーの塩基性成分が1.0〜5.0mN/mであることを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 下記一般式
    −CH(R)−O−(CHCHO)
    (式中、R、Rはそれぞれアルキル基であり、RとRの合計炭素数が10〜14、nは4〜10の整数)で表される界面活性剤、及び水溶性バインダーを含む塗液が基紙に塗布されて前記記録面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載されたインクジェット記録用紙。
  3. 顔料塗工タイプでないことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載されたインクジェット記録用紙。
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JP2014184589A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Seiko Epson Corp インクジェット記録方法および記録物

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