JP3064208B2 - インクジェット記録用紙 - Google Patents
インクジェット記録用紙Info
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Description
に関し、特に、表面張力が30〜45ダイン/cmの水
系インクを用いて記録した場合の記録品位に優れる、普
通紙タイプのインクジェット記録用紙に関する。
によりインクの小滴を吐出させ、記録用紙に付着させる
ことによりインクドットを形成し記録を行うものであ
る。従って、ドットインパクトタイプの記録方式に比べ
て騒音が無く、フルカラー化が容易であり、高速印字が
可能である等の利点がある。このようなインクジェット
記録方式に用いられる記録用紙に要求される特性として
は、一般に、インクの乾燥速度が速い、記録濃度が
高い、ドットの広がり(滲み)が少ない、ドットの
形状が真円に近い等が挙げられる。
クジェットプリンターが開発されたことに伴い、インク
の表面張力を低くしてインクの浸透を速めることにより
速乾性の確保を図る等、プリンターの高精度化に対応す
ることが行われている。従って、このような低表面張力
のインクに対応することのできる記録用紙が求められ、
特に、従来のコート紙に近い記録特性を有する普通紙タ
イプの記録用紙が求められている。
タイプのインクジェット記録用紙や現在汎用されている
普通紙タイプのインクジェット記録用紙に対して、上記
した低表面張力のインクを用いてインクジェット記録を
した場合には、殆どのものは、インクの滲みが大きくな
り過ぎたり、或いは記録濃度が低くて記録品位が不充分
である等の欠点があった。
ャパンタッピ(J.TAPPI)試験法No.51によ
る吸水量、及びJIS K 3211に記載されている
水に対する接触角を特定の範囲とする塗工紙タイプの記
録用紙(特開平5−96844号公報)や、表面張力が
40ダイン/cm以下のインクで記録するインクジェッ
ト記録用紙(特開平5−254239公報)等が提案さ
れている。
も、表面張力が30〜45ダイン/cmの水系インク滴
を付着させてインクジェット記録をした場合には、イン
クが記録層へ極短時間に浸透すると同時に記録層表面で
も拡散するので、インクドットが拡がり過ぎ、記録品位
が悪くなる上、表面の手ざわり等が普通紙の場合と異な
るという欠点もあった。
溶性の無機物を担持させたパルプを用いた普通紙をイン
クジェット記録用紙として使用することも提案されてい
るが(特開平6−183136号公報)、この記録用紙
は、インクドットが記録表面で大きくなり過ぎたり、髭
状に滲んだりするのみならず、インクの紙への浸透が深
くなり過ぎるので記録濃度が低くなり、それによっても
記録品位が低下するという欠点があった。
録用紙のステキヒトサイズ度を高くすると、逆にインク
の浸透が抑えられ過ぎ、インクがいつまでも記録表面に
残って汚れの原因となったり、また、インク中の染料成
分の一部が選択的に紙に浸透してインクの発色性が変化
したり、ベタ記録部において部分的にインクのはじきが
生じる等の欠点が生じた。このように、表面張力が30
〜45ダイン/cmの水系インク滴を付着させて満足す
ることのできる記録品位の画像を得ることができる、普
通紙タイプのインクジェット記録用紙は未だ知られてい
ない。
は、普通紙タイプのインクジェット記録用紙について鋭
意検討した結果、填料および内添サイズ剤を含む基紙の
少なくとも片方の面に、合成シリカ及び水系結着剤を主
成分とする特定の記録層を設け、該記録層の表面を、水
を用いて測定した接触角が100°〜120°となるよ
うにした場合には、表面張力が30〜45ダイン/cm
の水系インクを用いインクジェット記録した場合でも、
記録濃度が高い上、記録品位が良好となることを見いだ
し本発明に到達した。
〜45ダイン/cmの水系インクを用いてインクジェッ
ト記録した場合に、インクの速乾性及び高い画像濃度を
維持しながらインクドットの拡がりや髭状の滲みを抑え
ることができる、高い記録品位を有する普通紙タイプの
インクジェット記録用紙を提供することにある。
面張力が30〜45ダイン/cmの水系インク滴を付着
させて記録を行うインクジェット記録用紙において、該
記録用紙が、少なくとも填料および内添サイズ剤を含む
基紙の少なくとも片方の面に、合成シリカ及び水系結着
剤を主成分とする記録層を、片面あたり固形分で0.5
〜4.0g/m2 設けてなると共に、前記記録層の表面
の、水を用いて測定した接触角が100°〜120°で
あることを特徴とするインクジェット記録用紙によって
達成された。
れるものではなく、インクジェット記録用に使用される
公知のインクの中から、表面張力が30〜45ダイン/
cmのものを適宜選択して使用することができる。尚、
インクの表面張力は、自動界面張力計によって容易に求
めることができる。
特に限定されるものではなく、公知の填料の中から適宜
選択して使用することができる。このような填料として
は、例えばタルク、カオリン、イライト、クレー、炭酸
カルシウム、二酸化チタン等を挙げることができるが、
本発明においては、特に、タルク、カオリン、イライ
ト、クレー等の珪酸塩系の填料を使用することが好まし
い。
率で3〜20重量%である。炭酸カルシウム、二酸化チ
タン等を用いた場合にはその光学的特性からしばしば記
録濃度の低下を生じ易いので、紙中填料率はプリントス
ルーが生じない範囲内で使用量をできるだけ少なくする
か、又は他の填料と併用することが好ましい。本発明に
おいては、特に、カオリンを単独で使用するか、又は、
イライトと併用することが好ましい。
に限定されるものではなくインクジェット記録用紙に使
用される公知の内添サイズ剤の中から適宜選択して使用
することが出来る。好ましい内添サイズ剤としては、例
えば、疎水化変性ロジンエマルジョン系サイズ剤等を挙
げることが出来る。内添サイズ剤の使用量は、通常、絶
乾パルプ100重量部に対して0.1〜0.7重量部の
範囲である。
カは、顔料として使用することができるものであれば、
特に限定されものではない。このような合成シリカとし
ては、例えば、化学便覧応用化学編(昭和61年10月
15日、丸善株式会社発行、日本化学会編)257頁に
記載のホワイトカーボン、無水シリカ等を挙げることが
できる。このような合成シリカの使用量は、記録層中の
30〜70重量%となる量であることが好ましい。
剤は、顔料や基紙に対する接着力が強く、用紙間でブロ
ッキングを起こさない水性樹脂、エマルジョン等である
ことが好ましい。このような水系結着剤の使用量は合成
シリカ100重量部に対して10〜50重量部とするこ
とが好ましい。
ば、ポリビニルアルコール、酸化デンプン、エステル化
デンプン、酵素変性デンプン、カチオン化デンプン等の
デンプン類、カゼイン、大豆タンパク質類、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の繊
維素誘導体、スチレン−アクリル樹脂、イソブチレン−
無水マレイン酸樹脂、アクリルエマルジョン、酢ビエマ
ルジョン、塩化ビニリデンエマルジョン、ポリエステル
エマルジョン、スチレン−ブタジエンラテックス、アク
リルニトリルブタジエンラテックス等を挙げることが出
来る。これらは単独で使用しても、併用してもよい。
に、水を用いて測定した接触角を調整するために、特
に、シリコーン系撥水剤を使用することが好ましい。こ
のシリコーン系撥水剤を、サイズ剤と併用することによ
り、記録層表面の接触角をより容易に調整することがで
きる。このようなシリコーン系撥水剤の具体例として
は、例えば、ジメチルシリコーン、アミノ変性シリコー
ン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコ
ーン、ポリエーテル変性シリコーン等を挙げることがで
きる。
における水の接触角を調整する観点から、サイズ剤を含
有させることが好ましい。このようなサイズ剤として
は、高級脂肪酸系、スチレン・アクリル系、スチレン・
マレイン酸系、ポリアクリルアミド系、石油系サイズ
剤、シリコーン系サイズ剤等を挙げることができる。こ
のような撥水剤やサイズ剤の使用量は、記録層の表面が
所望の接触角となるように適宜決定することができる。
水性を付与する観点から、カチオン性の水溶性高分子を
含有させることもできる。上記のカチオン性の水溶性高
分子としては、例えば、ポリエチレンイミン第4級アン
モニウム塩誘導体、ポリアミドエピクロルヒドリン樹
脂、カチオン性ポリビニルアルコール、カチオン性澱粉
等を挙げることができる。これらは単独で使用しても併
用しても良い。このようなカチオン性の水溶性高分子の
使用量は、本発明の効果を損なわない範囲内で適宜決定
することができる。
が30〜45ダイン/cmの水系インク滴を用いてイン
クジェット記録を行う場合の、インクの乾燥性及び記録
品位を良好とする観点から、水を用いて測定した接触角
を100°〜120°とする必要があるが、特に、イン
クの乾燥性の観点からは、上記接触角が100°〜11
5°であることが好ましい。
層への浸透が遅くなり記録画像を汚す等の原因となる一
方、接触角が100°未満であると記録層表面でインク
の拡がりが大きくなり過ぎ、髭状に滲むので、記録品位
が低下する。尚、水を用いて測定した接触角は、20℃
の蒸留水を記録層表面に滴下して5秒経過した時の、J
IS K 3211に従って測定された接触角である。
このような接触角は自動接触角計を用いて測定すること
ができる。
は、前記成分を水に混合分散させることにより調製する
ことができる。上記塗工液には、必要に応じて消泡剤、
pH調整剤、色相を調整する為の染料や有色顔料、視感
的白さを向上させる為の蛍光染料等を添加することもで
きる。
とすると共に普通紙と同等の手ざわりを得る観点から、
片面あたり固形分で0.5〜4.0g/m2 とする。記
録層が片面あたり固形分で0.5g/m2 未満では、イ
ンクジェット記録した際にインクが髭状に滲んだり、色
の境界部でインクが混じり合ういわゆるブリーディング
が大きくなったり、記録濃度が低下する。一方4.0g
/m2 を越えると合成シリカ等の顔料等の脱落が多くな
るので、インクジェット記録した際のプリンターのイン
ク吐出ノズルの目づまりが生じる等の原因となるのみな
らず、手で触った時の感触が粉っぽくなるので、普通紙
と同等の感触が得られない。
工、ロール塗工、エアーナイフ塗工、バー塗工等の公知
の塗工方法を用いて、必要に応じて基紙の片面または両
面に設けることができるが、操業性や製造コストの観点
から、オンマシンで両面同時に塗工することができるサ
イズプレス塗工方法を用いることが好ましい。
ェット記録用紙は、記録層表面の水に対する接触角が1
00°〜120°である上、記録層の塗工量が片面あた
り固形分で0.5〜4.0g/m2 であるので、表面張
力が30〜45ダイン/cmの水系インク滴でインクジ
ェット記録を行う場合には、インクの速乾性を維持しな
がらインクドットの拡がりや髭状の滲みを抑えことがで
きる。従って、普通紙タイプの記録用紙でありながら、
高記録濃度である上、記録品位が良好である。また、フ
ルカラーのインクジェット記録用紙としても好適であ
る。
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。尚、実施例中の「%」は「重量%」、「部」は全て
「重量部」を各示す。実施例中の試験及び評価は以下の
ようにして行った。
Z型:協和界面化学株式会社製の商品名)を用い、20
℃の蒸留水を記録層表面に滴下し、5秒経過した時の水
の接触角を、水を用いて測定した接触角とした。
J:キヤノン株式会社製の商品名)を用いて所定のパタ
ーンを記録し、下記のようにして画像部の記録濃度を測
定し、下記の基準に従って記録品質の評価をした。尚、
上記プリンターに使用したインクの、20℃における、
自動界面張力計(PD−Z型:協和界面科学株式会社製
の商品名)を用いて測定した表面張力はブラックが43
ダイン/cm、シアンが33.8ダイン/cmであっ
た。
h RD514 )で測定した。 b)インクドットの拡がり 文字の潰れを以下の基準で目視により評価した。 ○ 文字が鮮明に読める △ 文字が若干太り読みにくい × 文字が太り読みにくい
た。 ○ ひげ状の滲み無し △ 若干ひげ状の滲みがあり × ひげ状の滲みが多い
基準で目視により評価した。 ○ 汚れ無し △ 若干汚れあり × 著しく汚れあり
画像の変化を目視で評価した。 ○ 画像に変化が見られない △ 画像に部分的に滲みが見られる × 画像のインクの大部分が流れ出している
た。 ○ 感触が普通紙と同様 × 感触がコート紙に近いか、又は粉っぽい
ラフトパルプ(L−BKP)からなるパルプスラリー中
の絶乾パルプ100部に対し、カオリン7部、硫酸アル
ミニウム1.0部、カチオン化デンプン1部、サイズ剤
0.1部及び歩留向上剤0.02部を添加した紙料をツ
インワイヤー抄紙機で抄紙すると同時に、サイズプレス
で下記の塗液1を片面当りの塗工量が固形分で0.7g
/m2 となるように両面に塗工して、坪量が82g/m
2 のインクジェット記録用紙を得た。
積 270m2/g 水性結着剤:25部 クラレ105(クラレ株式会社社製の商品名) カチオン性水溶性高分子:30部 PCL−1(センカ株式会社製の商品名)) シリコーン系撥水剤:2部 Polon MWS(信越化学工業株式会社製の商品
名) 消泡剤:0.05部 フォーマスタ−AP(サンノプコ社製の商品名)
1で使用したシリコーン系撥水剤2部を4部に変え、塗
工量を片面あたりの固形分で2.0g/m2 に変えた他
は、実施例1の場合と全く同様にしてインクジェット記
録用紙を得た。
え、塗液1を下記の塗液2に代え、その塗工量を片面あ
たりの固形分で3.8g/m2 に変えた他は、実施例1
の場合と全く同様にしてインクジェット記録用紙を得
た。
面積 200m2 /g 水性結着剤(クラレ105):20部 カチオン性水溶性高分子(PCL−1):25部 シリコーン系撥水剤:4部 TSW831(東芝シリコーン株式会社製の商品名) サイズ剤:9部 NCサイズC−40(日華化学株式会社製の商品名) 消泡剤(フォーマスターAP):0.05部
撥水剤を使用せず、サイズ剤を19部に変え、塗工量を
片面あたりの固形分で2.0g/m2 に変えた他は、実
施例3の場合と全く同様にしてインクジェット記録用紙
を得た。
を1部に変えた他は、実施例2の場合と全く同様にして
インクジェット記録用紙を得た。
てサイズ剤(バソプラスト250D(BASFジャパン
株式会社製の商品名)5部を使用した他は、実施例2の
場合と全く同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
しなかった他は、実施例2の場合と全く同様にしてイン
クジェット記録用紙を得た。
他は、実施例3の場合と全く同様にしてインクジェット
記録用紙を得た。
他は、実施例3の場合と全く同様にしてインクジェット
記録用紙を得た。
してインクジェット記録用紙を得た。 実施例および比較例で得られたインクジェット記録用紙
の試験及び評価結果は表1にまとめた通りである。以上
の結果は、本発明の有効性を実証するものである。
Claims (4)
- 【請求項1】表面張力が30〜45ダイン/cmの水系
インク滴を付着させて記録を行うインクジェット記録用
紙において、該記録用紙が、少なくとも填料および内添
サイズ剤を含む基紙の少なくとも片方の面に、合成シリ
カ及び水系結着剤を主成分とする記録層を、片面あたり
固形分で0.5〜4.0g/m2 設けてなると共に、前
記記録層の表面の、水を用いて測定した接触角が100
°〜120°であることを特徴とするインクジェット記
録用紙。 - 【請求項2】記録層がシリコーン系撥水剤を含有する、
請求項1に記載されたインクジェット記録用紙。 - 【請求項3】記録層がサイズ剤を含有する、請求項1又
は2に記載されたインクジェット記録用紙。 - 【請求項4】填料が珪酸塩系である、請求項1〜3の何
れかに記載されたインクジェット記録用紙。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7117810A JP3064208B2 (ja) | 1995-04-19 | 1995-04-19 | インクジェット記録用紙 |
AU50362/96A AU700330B2 (en) | 1995-03-31 | 1996-03-28 | Recording paper |
EP19960302257 EP0734882B1 (en) | 1995-03-31 | 1996-03-29 | Recording paper |
US08/623,746 US5725946A (en) | 1995-03-31 | 1996-03-29 | Recording paper |
DE1996632843 DE69632843T2 (de) | 1995-03-31 | 1996-03-29 | Aufzeichnungspapier |
KR1019960009594A KR100404730B1 (ko) | 1995-03-31 | 1996-03-30 | 기록용지 |
CN96103957A CN1087371C (zh) | 1995-03-31 | 1996-04-01 | 记录纸 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7117810A JP3064208B2 (ja) | 1995-04-19 | 1995-04-19 | インクジェット記録用紙 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08282095A JPH08282095A (ja) | 1996-10-29 |
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Family
ID=14720834
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7117810A Expired - Fee Related JP3064208B2 (ja) | 1995-03-31 | 1995-04-19 | インクジェット記録用紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3064208B2 (ja) |
-
1995
- 1995-04-19 JP JP7117810A patent/JP3064208B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH08282095A (ja) | 1996-10-29 |
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