JP3064206B2 - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

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JP3064206B2
JP3064206B2 JP7113827A JP11382795A JP3064206B2 JP 3064206 B2 JP3064206 B2 JP 3064206B2 JP 7113827 A JP7113827 A JP 7113827A JP 11382795 A JP11382795 A JP 11382795A JP 3064206 B2 JP3064206 B2 JP 3064206B2
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良弘 黒山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録用紙
に関し、特にインクジェットカラープリンタで印字した
ときの文字や罫線部での印字品位及び画像濃度が高い
上、ベタ印字部の画像濃度の均一性にも優れた、普通紙
感を有する安価なインクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、高速、低騒
音、及びカラー化が容易であるという利点がある上、極
めて安価なカラーインクジェットプリンタによって印刷
や写真に近い高い品質の画像を安価に再現することがで
きるに至り、近年急速に普及している。更に、コピー機
やワープロ、ファクシミリ等に対しても、安価で高精度
のインクジェットヘッドが利用されつつある。
【0003】この様な安価なカラーインクジェットプリ
ンタの普及により、従来は、主としてモノクロのプリン
タが使用されていたオフィス文書やパーソナルユースに
おいても、文章中に手軽にカラー情報を載せることがで
きるようになったことに伴い、そこで使用される用紙に
は、従来のモノクロインクジェットプリンタ用紙が備え
ていた特性に加えて、カラーインクジェットプリンタ用
紙としての特性も要求されるようになるに至った。ま
た、これと同時に、一般オフィス用紙として使用するた
めに、PPC用紙の場合と同様に、鉛筆による筆記性や
取り扱い易さに優れるという普通紙感が要求されてい
る。
【0004】ところで、モノクロプリンタの場合には、
主に文字や表が印字されるので、文字や罫線の鮮明さが
要求される結果、低フェザリング性が重要視される。フ
ェザリングは、インクが横方向に滲んでドットがボケた
り、インクが繊維に沿って髭状に滲むことにより文字や
罫線の鮮明さが失われる現象であり、それが酷いときに
は細かい漢字の解読が難しくなる。
【0005】このようなフェザリングを改善するために
は、基紙中の内添サイズ剤やインク受理層中の外添サイ
ズ剤を増添し、用紙全体としてのサイズ性を強化してイ
ンクの紙に対する濡れを小さくする必要がある。しかし
ながら、サイズ性を高くしすぎると、インク滴がいつま
でも紙層内に浸透しないで紙表面に残り、印字後に、プ
リンタの他の部分や手が触れたり、あるいは次頁の用紙
が印字されて上に重ねられる時に、印字部が擦れて汚れ
が発生する。
【0006】従って、印字後には、インク滴は速やかに
紙層内に浸透し、見掛け上乾いた状態になる必要があ
る。これをインク乾燥性というが、このインク乾燥性を
良くするためにはサイズ性を下げる必要がある。このよ
うに、フェザリングとインク乾燥性は相反する関係にあ
るが、このバランスからサイズ性をどの程度にするか
は、インクジェット記録用紙の設計上重要な問題の一つ
である。
【0007】また、モノクロ印字の場合にも、文字が鮮
明に見えるようにするためには、カラー印字の場合と同
様に画像濃度を高くすることが必要であるが、グラフや
図、あるいは絵など、ハーフトーンやベタ印字部が多い
カラープリントにおいては、ドット濃度あるいはベタ印
字部の画像濃度の高いことがモノクロ印字の場合より重
要となる。そこで、カラーインクジェットプリンタ用の
記録用紙の場合には、一般に、シリカのような高吸収性
の顔料とバインダーを主体としたインク受理層を設ける
工夫がされてきた(例えば、特開昭55−51583、
特開昭62−158084、特開平5−96844な
ど)。
【0008】また、カラーインクジェットプリントにお
いても、他のカラー画像再現技術の場合と同様に、3色
もしくは4色のインクですべての色を再現するため、最
大4色のインクが同じ場所に印字されることがある。こ
のような何色かのインクが重ね打ちされる部分を混色部
と呼ぶが、混色部ではインク量が単色部の2〜4倍とな
るので、当然、高いインク吸収能が要求される。
【0009】更に、既に印字されたインクが吸収されな
い内に別の色インクが印字されると、色の境界部分でお
互いのインクが流れ込み、滲みを発生する(これをブリ
ーディングと呼ぶ)。このようなブリーディングを防止
する観点から、カラーインクジェットプリンタ用紙に
は、モノクロ用の記録用紙に比べて、更に、高いインク
吸収容量及びインク吸収速度を有することが要求され
る。
【0010】ところで、インクジェット記録用紙として
は、顔料塗工を行わない上質紙タイプ、インク受理層を
0.5〜5g/m2 設ける微塗工タイプ、10g/m2
前後の軽量コートタイプ、そして20g/m2 前後の重
コートタイプがある。しかしながら、これらの内、軽量
コートタイプや重コートタイプのものでは、鉛筆で筆記
したときに塗工層が削れたり、紙の腰が弱く取い扱が悪
いために普通紙感にかけるという欠点があった。
【0011】一方、顔料塗工を行わない上質紙タイプの
ものの場合には、カラーインクジェット記録用紙として
十分な画像濃度を得ることが難しいという欠点があっ
た。そこで近年、普通紙感を有するフルカラーインクジ
ェット記録用紙として、微塗工タイプのインクジェット
記録用紙が数多く提案されている。例えば、特開平6−
312572号公報には、超微粒子状の無機顔料を用い
て基紙のパルプ繊維表面を70%以上被覆してなる記録
紙が開示されており、特開平6−155893号公報に
は、基紙の、顔料面積比が大きい側の表面に、インク受
理層を設けてなる記録紙が開示されている。
【0012】しかしながら、特開平6−312572号
公報に記載されているように、少ない塗工量でパルプ繊
維の70%以上を被覆するには、きわめて微小な無機顔
料、例えばコロイダルシリカのような高価な顔料を用い
なければならないので、コスト高となる上、そのような
顔料を用いても、5g/m2 以下のインク受理層で十分
なインク吸収性を得ることは困難であるという欠点があ
った。
【0013】また、特開平6−155893号公報に開
示された発明のように、内添填料の歩留まり高い方の
面にインク受理層を設けた場合には、原紙の紙中填料を
多くした場合(特開平6−143796号公報)と同様
に、十分なインク吸収性は得られても、内添填料が紙層
内に吸収されたインクを光学的に遮蔽するので、画像濃
度が低下するという欠点があった。
【0014】つまり、インク受理層が5g/m2 以下で
ある微塗工タイプの記録紙の場合には、インク吸収層だ
けではインクを吸収しきれないので原紙層にもインクを
吸収させる必要があるのであるが、内添填料の使用量を
多くして原紙の空隙を増加させ、これによってインク吸
収性を高めた場合には、填料が紙層内に浸透したインク
を光学的に遮蔽するので、画像濃度の低下が起きるので
ある。
【0015】また、サイズ度の低い原紙を用いる方法
(例えば、特開昭52−5301号公報)を採用しただ
けでは、前述したようにフェザリングの悪化を避けるこ
とはできない。そこで、インク受理層として水溶性高分
子からなる塗布層を設ける(特開昭55−144172
号公報及び同55−146786号公報)ことも考えら
れるが、この方法でも十分なインク吸収能を得ることは
難しい。
【0016】これらの記録用紙の開発とは別に、これら
の問題を解決する方法の一つとして、インクの表面張力
を下げることによって紙への吸収性を良くすることが試
みられている(特開昭59−20366、特開平3−4
1171号公報)。その結果、従来のインクジェットプ
リンタのインクは、表面張力が50dyne/cm前後
であったのに対し、現在では30〜45dyne/cm
の範囲の表面張力を有するインクが主流になるに至っ
た。
【0017】しかしながら、それでもなお、普通紙感を
持つ微塗工タイプのインクジェット記録用紙では、フェ
ザリングとインク吸収性の両方を満足することは難し
く、紙の側からの対策が必要である。以上のように、安
価なカラーインクジェットプリンタの普及に対応して、
安価で普通紙感を持つ記録用紙が要求されるにいたり、
微塗工タイプを中心とした検討が進められた中で、微塗
工タイプの記録紙の新たな欠点として、ベタ印字部に生
ずる白点がクローズアップされた。上記、ベタ印字部の
白点とは、上質タイプの記録用紙や微塗工タイプの記録
用紙のように、表面にパルプ繊維が露出しているインク
ジェット記録用紙において、ベタ印字部にインクの乗り
が悪くて白く見える点が点在する現象であり、白点の大
きいものでは直径1〜2mmというものもある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等は
上記の白点を防止すべく鋭意検討した結果、フェザリン
グを重視してサイズ剤などを多く使うほど白点が顕著と
なり、インク吸収性を向上させると白点が改善されるこ
と、特に微塗工層のバインダーとして低重合度のポリビ
ニルアルコールを使用することによって、フェザリング
を低く維持したまま、白点を減少させられることを見い
出し、本発明に到達した。この白点の問題は、文字や罫
線といった線で形成されることの多いモノクロ画像の場
合にはあまり重要でないが、ベタ印字することの多いカ
ラー画像の場合には極めて重大である。
【0019】従って、本発明の第1の目的は、鉛筆筆記
性や取扱いなどの点で普通紙感を有すると共に、文字や
罫線の滲みが少なく、且つカラーインクジェットプリン
タでの印字適性(インク吸収性、画像濃度)に優れたイ
ンクジェット記録用紙を提供することにある。本発明の
第2の目的は、特に、ベタ印字部における白点の発生が
防止され、カラーインクジェット記録による高品質の画
像再現が可能な、微塗工タイプのインクジェット記録用
紙を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の上記諸目的は、
木材パルプと填料を主体とする基紙の少なくとも片面に
高吸収性顔料とバインダーを主成分とするインク受理層
が設けられており、該インク受理層の塗工量が片面当た
り0.5〜5.0g/ であるインクジェット記録用
紙において、前記バインダーの70〜100%がポリビ
ニルアルコールであると共に、該ポリビニルアルコール
中の50〜100%が、重合度300〜1000のポリ
ビニルアルコールであり、表面張力40dyne/cm
の液を用いて測定した前記受理層の接触角が80〜10
0度の範囲にあることを特徴とするインクジェット記録
用紙によって達成された。
【0021】以下、本発明のインクジェット記録用紙に
ついて詳細に説明する。本発明で使用する木材パルプの
原料は、L−BKP、N−BKP、再生パルプ及び機械
パルプ等の中から適宜選択することが可能であるが、N
−BKPはL−BKPに比べて繊維が太く長いため、フ
ェザリング等の原因となって画像品位を低下させる傾向
があり、また、機械パルプは用紙の風合いに影響し普通
紙感をなくす傾向があるので、パルプ繊維の内の70%
以上、特に75%以上をL−BKPとする必要が好まし
く、また、このL−BKPのルンケル比を1.0〜3.
0とすることが好ましい。
【0022】ルンケル比Rはパルプ繊維の形態を特徴づ
けるための指標の一つであり、図1に示すように、繊維
のルーメン(内腔)の幅Lと細胞壁の厚さtによって求
められる値であり、R=2・t/Lによって表される。
ルンケル比の大きなパルプ繊維を用いて抄紙すると、繊
維同士の結合面積の少ない、ポーラスな紙となり、イン
ク吸収性が向上する。但し、ルンケル比が大きすぎる
と、繊維同士の結合面積が非常に小さくなるために、強
度及びコシが低下し、普通紙感を損なうばかりでなく、
表面性が低下するので印字適性も低下する。
【0023】ところで、パルプは通常叩解して使用され
るが、叩解を進めるということは繊維間の結合を増大さ
せ紙を密にすることになるため、ルンケル比が通常使用
されるものより大きなパルプ繊維を使用することによる
効果を相殺する方向である。従って、本発明においては
叩解をあまり進めずに、濾水度が450〜600ml
C.S.F.特に500〜600mlC.S.F.の範
囲と高めにすることが好ましい。
【0024】以上のように、ルンケル比1.0〜3.0
のL−BKPパルプ繊維を使用した場合には、フェザリ
ングを悪化させることなくインク吸収性を改善すること
ができるが、この場合でも、記録紙表面の表面張力が4
0dyne/cmのインクに対する接触角が100度を
越えると、インク吸収性は不十分となる。また、フェザ
リングを良好とする上からは、上記接触角は80度以上
であることを必要とし、特に85度以上であることが好
ましい。尚、上記接触角の測定は、TAPPIstan
dard T458 om−84に準じて測定した値で
ある。但し、表面張力30〜45dane/cmのイン
クとのぬれ性を評価するために、試薬として40dyn
e/cmの液を用いる必要があり、この場合には液の吸
収による接触角の変化が大きいので、測定時間を滴下後
0.1秒以内にする必要がある。
【0025】そこで、基紙に填料やサイズ剤を添加し
て、上記接触角を調節する。内添填料は、インク吸収能
を向上させる一方で、多すぎると、前述した如く、不透
明度が上がり画像濃度を低下させるので、パルプ繊維1
00重量部当たり10重量部以下とすることが好まし
い。このような填料は、炭カル、タルク、カオリンなど
公知の填料の中から適宜選択して使用することができ
る。
【0026】一方、内添サイズ剤は、記録用紙の、表面
張力40dyne/cmの液に対する接触角が80〜1
00度となるように、インク受理層の(外添)サイズ剤
と共に調整する必要があるが、塗工性や塗工液の浸透性
の観点からは、原紙のステキヒトサイズ度が5秒以上に
なるように調整することが好ましい。本発明で使用する
内添サイズ剤は酸性及び中性サイズ剤の何れを用いるこ
ともできるが、発色性の点からAKD、ASAや中性ロ
ジン等の中性サイズ剤を用いることが好ましい。本発明
においては、さらに、紙力増強剤等の他の内添薬品も適
宜使用することができる。
【0027】次に、基紙の少なくとも片面に設けるイン
ク受理層の顔料としては、カオリンや炭酸カルシウムな
どの公知の各種白色顔料を併用することも可能である
が、合成シリカや合成アルミナのような高吸収性の顔料
を主成分とすることが、高い画像濃度を得るために必要
である。上記高吸収性の顔料とは、BET法の比表面積
が100cm2 /g以上であって、これを用いて塗工し
た時の塗工層に空隙が多量に生ずるものである。
【0028】また、インク受理層に使用するバインダー
としては、各種の変成デンプンやラテックス等を用いる
こともできるが、画像の鮮明さなどの点から特にポリビ
ニルアルコール(PVA)を主成分として使用すること
が好ましい。ここで主成分とは、PVAが全バインダー
中の70重量%以上であることを意味する。また、ここ
で使用するPVAは、その重合度が高いとベタ印字した
ときに白点を生じやすくなるので、重合度が300〜
1,000のものを使用することが好ましく、本発明に
おいては、この範囲のPVAが全PVA中の50〜10
0%であることが必要である。
【0029】重合度が300未満となると顔料に対して
結着剤としての効果が低い、粉落ち現象の原因となる。
本発明におけるインク受理層中の顔料とバインダーの使
用量は、前記高吸収性顔料100重量部に対してバイン
ダーを5〜25重量部とすることが好ましい。バインダ
ーの量が5重量部未満では、記録用紙としたときに粉落
ちが発生し、25重量部を越えると、インクが吸収され
るべき空隙中にバインダーが入り込むので、インク吸収
性が低下する上、白点も増加する。
【0030】本発明においては、カラーインクジェット
プリンタで高い画像濃度を得ることができると共に、普
通紙感を具備させる観点から、インク受理層の塗工量
を、片面当たり0.5〜5.0g/m2 とする。0.5
g/m2 以下では十分な画像濃度が得られず、5.0g
/m2 以上では鉛筆筆記性や手触りの普通紙感が無くな
る。また、インク受理層を基紙の片面に設ければ片面記
録紙となり、両面に設ければ両面に略同品質の記録画像
を設けることのできる両面記録紙とすることができる。
【0031】インク受理層を設けるための塗工方法とし
てはエアーナイフ塗工やバー塗工あるいは各種ブレード
塗工を用いることもできるが、サイズプレスやゲートロ
ールなどの、塗工時に高い圧力で紙層内へ塗工液を押し
込む方式を採用する方が好ましい。サイズプレスやゲー
トロールは抄紙機中に設置されているのでオンマシン塗
工を行うことができるという利点があり、また、バイン
ダーの使用量を従来の使用量(顔料100重量部に対し
て30重量部以上)より大巾に下げることにより懸念さ
れる記録紙の表面張度の低下や粉落ちが防止される。
【0032】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用紙におい
ては、インク受理層中のバインダーの使用量が少ない
上、低重合度のPVAが主として使用されており、また
記録紙表面の接触角も適当な範囲に調整されているの
で、インク吸収性が良く、ベタ印刷部でも白点が生じな
い。また、インク受理層が極めて薄いので、普通紙感が
十分であると共に、画像濃度が高く、カラーインクジェ
ット記録に対しても、十分に高い品質の記録画像を得る
ことができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。なお、実施例中の%は重量%、部は重量部を示す。
また、実施例又は比較例中の測定は次のようにして行っ
た。また、濾水度は、C.S.F(カナディアン・スタ
ンダード・フリーネス)による値である。
【0034】(1)接触角:測定液は、和光純薬工業株
式会社製のぬれ指数標準液No.40(表面張力40d
yne/cm)を用い、協和界面科学社製の自動接触角
計CA−Z型を用いて、滴下後0.1秒後の測定液の接
触角を測定した。 (2)記録濃度:ヒューレットパッカード社製のインク
ジェット記録装置(DeskJet 505J :商品名)を用い
て、所定の記録パターンを印字し、黒ベタ部をマクベス
濃度計(RD514 :商品名)を用いて測定した。
【0035】(3)フェザリング:ヒューレットパッカ
ード社製のインクジェット記録装置(Desk Jet 505J :
商品名)を用いて、所定の記録パターンを印字し、罫線
部の髭状のインクの滲みを目視にて観察し、下記のよう
にして評価した。 ○:良好 △:若干髭状滲みあり ×:髭状滲みが
酷い (4)ベタ印字部の白点:ヒューレットパッカード社製
のインクジェット記録装置(Desk Jet 505J :商品名)
を用いて、所定の記録パターンを印字した後、シアンベ
タ印字部の白点を、目視で下記のように評価した。 ○:良好 △:若干白点が点在 ×:白点が多い
【0036】(5)ブリーディング:ヒューレットパッ
カード社製のインクジェット記録装置(Desk Jet 505J
:商品名)を用いて、所定の記録パターンを印字し、
赤(マゼンタとイエローの混色部)と緑(シアンとイエ
ローの混色部)の境界部を拡大して観察し、境界部の滲
みの幅を測定し、200μm以下であれば良好であると
して評価した。
【0037】実施例1. 濾水度420mlのL−BKP80部(ルンケル比0.
66)と濾水度480,mlのN−BKP20部のパル
プスラリーに重質炭酸カルシウムを加え、更に、硫酸ア
ルミニウム1.0部、カチオン化澱粉1部、サイズ剤
(アルキルケテンダイマー)0.1部、歩留まり向上剤
0.02部を添加した紙料を、長網抄紙機で坪量78g
/mで紙中填料量5.8%に抄紙し、サイズプレスを
用いて塗工液1を両面に塗工した。得られた記録用紙を
上述した(1)〜(5)の方法で測定した結果、及び、
記録用紙の片面当たりの固形分量(塗工量)を表1に示
した。
【表1】
【0038】塗工液1 合成シリカ:ファインシール(徳山曹達社製の商品名): 100部 バインダー:PVA105(クラレ社製の商品名、重合度500):15部 サイズ剤:バソプラスト250D(バソフ社製の商品名): 10部 消泡剤:フォーマスターAP(サンノプコ社製の商品名): 0.05部
【0039】実施例2. 実施例1と同じ紙料から、坪量61g/mで紙中填料
量が7.5%に抄紙し、ゲートロールコータを用いて塗
工液2を両面に塗工した。上述した(1)〜(5)の方
法によって得られた記録用紙を測定した結果、及び、記
録用紙の片面当たりの固形分量(塗工量)を表1に示し
た。
【0040】塗工液2 合成シリカ:ミズカシール(水沢化学社製の商品名): 100部 バインダー:PVA103(クラレ社製、重合度300): 30部 保水剤:サンローズA 01MC(日本製紙社製の商品名): 5部 サイズ剤:NCサイズC−40(日華化学社製の商品名): 12部 消泡剤:フォーマスターAP(サンノプコ社製): 0.05部
【0041】実施例3. バルプとして、濾水度が450mlのL−BKP(ルン
ケル比0.78)100部を用いた他は実施例1と同じ
紙料から、坪量125g/m 紙中填料量が3.2
%に抄紙し、サイズプレスを用いて塗工液3を両面に塗
工した。得られた記録用紙を上述した(1)〜(5)の
方法で測定した結果、及び、記録用紙の片面当たりの固
形分量(塗工量)を表1に示した。
【0042】塗工液3 合成シリカ:アエロジル(日本アエロジル社製の商品名): 100部 バインダー:PVA110(クラレ社製、重合度1000): 10部 サイズ剤:BLS−720(ミサワセラミック社製の商品名): 10部 消泡剤:フォーマスターAP(サンノプコ社製): 0.05部
【0043】実施例4. ルンケル比2.35のL−BKP35部とルンケル比
0.66のL−BKP65部を混合して濾水度500m
lに叩解したパルプスラリーに、実施例1で使用したも
のと同じ内添薬品を加えて紙料を調整した。得られた紙
料から、長網抄紙機を用いて、坪量80g/m
中填料量が4.7%に抄紙し、サイズプレスを用いて塗
工液1を両面に塗工した。得られた記録用紙を上述した
(1)〜(5)の方法で測定した結果、及び、記録用紙
の片面当たりの固形分量(塗工量)を表1に示した。
【0044】実施例5. 実施例1と同じ紙料から坪量が79g/mで紙中填
料量4.7%に抄紙し、サイズプレスを用いて塗工液4
を両面に塗工した。得られた記録用紙を上述した(1)
〜(5)の方法で測定した結果、及び、記録用紙の片面
当たりの固形分量(塗工量)を表1に示した。
【0045】塗工液4 合成シリカ:アエロジル(日本アエロジル社製の商品名): 100部 バインダー:PVA105(クラレ社製、重合度500): 15部 :SK−3000(日本コーンスターチ社製、 燐酸エステル化澱粉): 3部 サイズ剤:BLS−720(ミサワセラミック社製の商品名): 10部 消泡剤:フォーマスターAP(サンノプコ社製): 0.05部
【0046】実施例6. 実施例1と同じ紙料から坪量79g/mで紙中填
料量が4.7%に抄紙し、サイズプレスを用いて塗工液
5を両面に塗工した。得られた記録用紙を上述した
(1)〜(5)の方法で測定した結果、及び、記録用紙
の片面当たりの固形分量(塗工量)を表1に示した。
【0047】塗工液5 合成シリカ:アエロジル(日本アエロジル社製の商品名): 100部 バインダー:PVA103(クラレ社製、重合度300): 15部 :PVA117(クラレ社製、重合度1700): 5部 サイズ剤:BLS−720(ミサワセラミック社製の商品名): 10部 消泡剤:フォーマスターAP(サンノプコ社製): 0.05部
【0048】比較例1. 実施例1と同じ紙料から坪量78g/mで紙中填
料量が5.5%に抄紙し、サイズプレスを用いて下記の
塗工液6を両面に塗工した。得られた記録用紙を上述し
た(1)〜(5)の方法で測定した結果、及び、記録用
紙の片面当たりの固形分量(塗工量)を表1に示した。
【0049】塗工液6 合成シリカ:ファインシール(徳山曹達社製): 100部 バインダー:PVA117(クラレ社製、重合度1700): 15部 サイズ剤:バソプラスト250D(バソフ社製): 10部 消泡剤:フォーマスターAP(サンノプコ社製): 0.05部
【0050】比較例2. 実施例1と同じ紙料から坪量61g/mで紙中填
料量が7.5%に抄紙し、ゲートロールコータを用いて
下記の塗工液7を両面に塗工した。得られた記録用紙を
上述した(1)〜(5)の方法で測定した結果、及び、
記録用紙の片面当たりの固形分量(塗工量)を表1に示
した。
【0051】塗工液7 合成シリカ:ミズカシール(水沢化学社製): 100部 バインダー:PVA120(クラレ社製、重合度2000): 15部 保水剤:サンローズA 01MC(日本製紙社製): 5部 サイズ剤:NCサイズC−40(日華化学社製): 12部 消泡剤:フォーマスターAP(サンノプコ社製): 0.05部
【0052】比較例3. 実施例3と同じ紙料から坪量125g/mで紙中
填料量が3.3%に抄紙し、サイズプレスを用いて下記
の塗工液8を両面に塗工した。得られた記録用紙を上述
した(1)〜(5)の方法で測定した結果、及び、記録
用紙の片面当たりの固形分量(塗工量)を表1に示し
た。
【0053】塗工液8 合成シリカ:アエロジル(日本アエロジル社製): 100部 バインダー:PVA103(クラレ社製、重合度300): 30部 消泡剤:フォーマスターAP(サンノプコ社製): 0.05部
【0054】比較例4. 実施例1と同じ紙料から坪量79g/mで紙中填
料量が4.7%に抄紙し、サイズプレスを用いて下記の
塗工液9を両面に塗工した。得られた記録用紙を上述し
た(1)〜(5)の方法で測定した結果、及び、記録用
紙の片面当たりの固形分量(塗工量)を表1に示した。
【0055】塗工液9 合成シリカ:ファインシール(徳山曹達社製): 100部 バインダー:PVA105(クラレ社製、重合度500): 10部 :SK−3000(日本コーンスターチ社製、 燐酸エステル化澱粉): 10部 サイズ剤:バソプラスト250D(バソフ社製): 10部 消泡剤:フォーマスターAP(サンノプコ社製): 0.05部
【0056】比較例5. 実施例1と同じ紙料から坪量79g/mで紙中填
料量が4.7%に抄紙し、サイズプレスを用いて下記の
塗工液10を両面に塗工した。得られた記録用紙を上述
した(1)〜(5)の方法で測定した結果、及び、記録
用紙の片面当たりの固形分量(塗工量)を表1に示し
た。
【0057】塗工液10 合成シリカ:ファインシール(徳山曹達社製): 100部 バインダー:PVA105(クラレ社製、重合度500): 5部 :PVA117(クラレ社製、重合度1700): 10部 サイズ剤:バソプラスト250D(バソフ社製): 10部 消泡剤:フォーマスターAP(サンノプコ社製): 0.05部
【0058】比較例6. 実施例1と同じ紙料から坪量79g/mで紙中填
料量が4.7%に抄紙し、サイズプレスを用いて下記の
塗工液11を両面に塗工した。得られた記録用紙を上述
した(1)〜(5)の方法で測定した結果、及び、記録
用紙の片面当たりの固形分量(塗工量)を表1に示し
た。
【0059】塗工液11 合成シリカ:ファインシール(徳山曹達社製): 100部 バインダー:PVA105(クラレ社製、重合度500): 5部 サイズ剤:バソプラスト250D(バソフ社製): 30部 消泡剤:フォーマスターAP(サンノプコ社製): 0.05部 尚、実施例及び比較例の中で使用されたPVAの種類、
重合度、配合量(部)及び使用したパルプのルンケル比
は表2にまとめた通りである。
【0060】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】ルンケル比の説明のための、パルプ繊維の断面
形状を示す模式図である。
【符号の説明】
L:繊維のルーメン(内腔)の幅 t:繊維の細胞壁の厚さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 道子 東京都新宿区上落合1丁目30番6号 日 本製紙株式会社 商品開発研究所 内 (72)発明者 黒山 良弘 東京都新宿区上落合1丁目30番6号 日 本製紙株式会社 商品開発研究所 内 (56)参考文献 特開 平7−32720(JP,A) 特開 平6−171072(JP,A) 特開 平5−254239(JP,A) 特開 平6−183136(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00 D21H 15/02 D21H 19/60

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材パルプと填料を主体とする基紙の少
    なくとも片面に高吸収性顔料とバインダーを主成分とす
    るインク受理層が設けられており、該インク受理層の塗
    工量が片面当たり0.5〜5.0g/m2 であるインク
    ジェット記録用紙において、前記バインダーの70〜1
    00%がポリビニルアルコールであると共に、該ポリビ
    ニルアルコール中の50〜100%が、重合度300〜
    1000のポリビニルアルコールであり、表面張力40
    dyne/cmの液を用いて測定した前記受理層の接触
    角が80〜100度の範囲にあることを特徴とするイン
    クジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】 インク受理層の顔料100部に対するバ
    インダーの割合が、5〜25部である請求項1に記載さ
    れたインクジェット記録用紙。
  3. 【請求項3】 基紙中に使用する木材パルプの20%以
    上がルンケル比1.0〜3.0のL−BKPである、請
    求項1又は2に記載されたインクジェット記録用紙。
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