JP2005258851A - メモリカード - Google Patents

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Abstract


【課題】 書き換え処理中の電源遮断によるデータ消失を抑制し、ディプリートチェックに要する時間を短縮する。
【解決手段】 書き換え可能な不揮発性メモリ(2)とカードコントローラ(5)とを有し、不揮発性メモリは、論理アドレスに対応される物理アドレス領域(23)と退避領域(22)とを備え、カードコントローラは、所要の論理アドレスに対するデータの書き換え指示に応答してその論理アドレスに対応される所定の物理アドレス領域のデータを退避領域にバックアップした後当該物理アドレス領域の書き換えを行い、当該物理アドレス領域の書き換えが不完全であったときは前記退避領域のバックアップデータによって当該物理アドレス領域を書き換えるバックアップデータの書き戻しを行なう。データバックアップにより電源遮断によるデータ消失を抑制でき、ディプリートチェックは退避領域と物理アドレス領域の2個所に対して実施すればよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリとカードコントローラを有するメモリカードに関し、特に、書き換え途上での電源遮断による不都合を解消する技術に関し、例えばフラッシュメモリカードに適用して有効な技術に関する。
特許文献1には、メモリカードに搭載されたフラッシュメモリに、ファイルデータを記憶するデータメモリ領域と、エラー領域を代替する代替メモリ領域、データメモリ領域のエラー情報を記憶するエラーメモリ領域を設け、エラーメモリ領域にはエラーとなったデータメモリを代替する為の代替メモリのアドレスを格納する構成が記載される。
特開平5−204561号公報(図2)
しかしながら、上記従来技術では書き換えに際して代替領域を検索するのに順次物理セクタの管理情報を読み出す処理を行い、或は前記エラーメモリ領域から代替メモリのアドレス等を読み出す処理を行わなければならない。要するに、書き込みを行う空きセクタの検索には物理セクタから情報を順次読み出す処理が必要とされ、高速アクセスには限界を生ずる。
本発明者は更に、フラッシュメモリカードにおいて書き込み処理中に電源が遮断されると、書き込み中のデータが壊れるだけではなく、書き込みデータ以外のデータが消失し、更に、ディプリートにより更に大きな範囲でデータが消失する可能性の有ることについて検討した。
即ち、フラッシュメモリの記憶情報を書き換えるときは、書き換え領域の消去単位のデータをバッファに退避し、その後、消去処理を行なってから書込み処理を行なう。書き換え完了以前に動作電源が遮断されればバッファ上から退避データが失われ、管理情報と共にその消去単位の全てのデータが消失してしまう。書き換えの対象データサイズが消去単位より小さいときは、同一消去単位に含まれる書き換え対象ではないデータも一緒に消失してしまう。動作電源の遮断はメモリスロットからメモリカードが抜き取られ、或はカードホストのバッテリ電源遮断などにより生ずる。さらに、消去途上において、消去による閾値電圧分布が揃えられる前に電源遮断があると、一部の不揮発性メモリセルが過消去(ディプリート)の状態で残る虞がある。不揮発性メモリセルがビット線又はソース線に対して並列に接続されるメモリアレイ構造を持つ場合、過消去状態の不揮発性メモリセルは非選択状態でもオン状態(ノーマリー・オン)になるから、ビット線からソース線に常時電流がリークし、ビット線を共有する不揮発性メモリセルの中に一つでもディプリート状態の不揮発性メモリセルがあると、それとビット線を共有する全ての不揮発性メモリセルはリード動作で誤りを生ずることになる。
本発明者は先の出願(特願2002−294060)にて、高速アクセス、上記書き込み処理中の電源遮断による書き込みデータの破壊を防止するという観点より、消去及び書き込み可能なフラッシュメモリとカードコントローラとを有するメモリカードを提案した。これによれば、前記フラッシュメモリのメモリアレイには、そのメモリ領域の物理アドレス毎に空き情報フラグを対応付けた消去テーブルを設け、前記空き情報フラグは対応メモリ領域が消去許可状態であるか否かを示し、前記カードコントローラは、書き換えデータを書き込むメモリ領域の検索に前記消去テーブルを参照する。カードコントローラは、データの書き換えに際して、前記消去テーブルを参照して消去許可状態の空き情報フラグを識別すれば、その空き情報フラグに応ずる物理アドレスのメモリ領域(空きブロック)を新たな書き込み先とする。要するに、書き込み処理において、新データを空きブロックに書き込み、書き込み中は旧データは保持する。書き込み終了後は旧データのあるブロックを空きブロックとする。これによって、書き込み処理中に電源が遮断された場合にも、旧データが保持されているため、データが消失することはない。この方式では、別のメモリ領域へデータが書き込まれるため、論理アドレスと物理アドレスの対応を動的に管理する必要がある。それを管理するためのテーブルとしてアドレス変換テーブルをフラッシュメモリに記録する。また、空きブロックの場所を管理するテーブルとして、消去テーブルもフラッシュメモリに記録され、書き込み処理時に消去可能なブロックの検索に利用される。アドレス変換テーブルと消去テーブルは書き込み処理毎に更新される。
本発明者は上記先行技術を更に検討した結果、以下の点に気がついた。即ち、フラッシュメモリにアドレス変換テーブルと消去テーブルを記録しているため、データ領域が十分に確保できない場合が有る。また、ディプリートチェックを実行すると、フラッシュメモリの全領域をチェックする必要があるため、パワーオンリセット処理中に実行することは現実的ではない。
本発明の目的は、管理用情報領域の保持に必要な記憶領域を小さくすることができるメモリカードを提供することにある。
本発明の別の目的は、記憶情報の書き換え処理中に電源が遮断されても書き換え前のデータの消失を抑制することができるメモリカードを提供することにある。
本発明の別の目的は、ディプリートチェックに要する時間を短縮可能にすることができるメモリカードを提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
〔1〕本発明に係るメモリカードは、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリとメモリ制御及び外部インタフェース制御を行なうカードコントローラとを有し、前記不揮発性メモリは、不揮発性記憶領域として論理アドレスに対応される物理アドレス領域(23)と物理アドレス領域の退避に用いられる退避領域(22)とを備えた不揮発性メモリ部を有し、前記カードコントローラは、所要の論理アドレスに対するデータの書き換え指示に応答してその論理アドレスに対応される所定の物理アドレス領域のデータを前記退避領域にバックアップした後当該物理アドレス領域の書き換えを行い、当該物理アドレス領域の書き換えが不完全であったときは前記退避領域のバックアップデータによって当該物理アドレス領域への前記バックアップデータの書き戻しを行なう。
上記した手段によれば、書き換え前のデータを退避領域にバックアップしておき、書き換え完了前の電源遮断等の異常に対しては退避領域からバックアップデータを書き戻すことによって対処することができるから、書き換え処理中の電源遮断による書き換え前の不所望なデータ消失を抑制することができる。さらに、書き換え処理中に電源遮断を生じた場合は、電源遮断によるディプリートの可能性がある不揮発性記憶領域は退避領域か退避領域にバックアップされたデータを元々保有していた物理アドレス領域のどちらかである。退避領域は動的に変更されず、その時の空き領域が動的に割当てられる訳ではない。よってディプリートチェックは退避領域と退避領域が保有するバックアップデータによって特定される物理アドレス領域の2個所に対して実施すれば充分である。したがって、ディプリートに対する処理に時間を要しない。退避領域がディプリートしてるときは退避領域にバックアップする予定であったデータを元々保有していた物理アドレス領域には当該元データが保存されていることになる。
前記物理アドレス領域の書き換え不完全とは、電源遮断による物理アドレス領域自体のディプリートを意味する。また、前記物理アドレス領域の書き換え不完全とは、物理アドレス領域における正当な書き込みデータ不存在を意味する。例えば物理アドレス領域に割当てられる論理アドレスの情報が格納されていない状態である。
本発明の具体的な形態として、前記不揮発性記憶領域として、論理アドレスと物理アドレスの対応テーブル(21)を有し、前記物理アドレス領域と退避領域は夫々データ領域とデータ領域の管理領域を有し、前記管理領域は対応するデータ領域が保有するデータの論理アドレスを保持する。例えばこの場合、書き換え処理では、書き換え対象論理アドレスに対応した物理アドレスを対応テーブルから取得し、取得した物理アドレスにある旧データを退避領域に退避し、その後、新データを前記物理アドレスに書き込む。ディプリートチェックでは、先ず退避領域をチェックし、ディプリートしていないときは退避領域の管理領域が保有する退避元の論理アドレスを取得し、対応テーブルを参照してその論理アドレス情報(ADR)に対応する物理アドレスを求め、この物理アドレスの領域をディプリートチェックすればよい。
本発明の更に具体的な形態として、前記管理領域は更に、対応するデータ領域が保持するデータの有効性を示すためのフラグ情報(FLG)を保持する。
本発明の別の具体的な形態として、前記データの書き換えは前記不揮発性記憶領域に対する消去処理と書き込み処理によって行われ、前記物理アドレス領域と退避領域は一括消去可能な消去処理単位とされ、消去処理単位は書き込みデータ単位(1カラムの512バイト)の複数倍の大きさを有し、前記フラグ情報は、前記書き込みデータ単位毎にそのデータの有効性を示すことができる複数ビットを有する。
このとき、前記カードコントローラは、前記不揮発性記憶領域に対する書き換えにおいて前記消去処理単位のデータサイズよりも書き換えに係る書込みデータサイズが小さいとき、前記書き込み処理において前記消去単位に対して書き換えに係る書込みデータが与えられない前記不揮発性記憶領域の記憶領域は消去状態に維持し、前記不揮発性記憶領域の前記消去状態に維持される前記記憶領域の書き換え前のデータを退避領域上で有効に維持する。
これに従えば、前記カードコントローラは、前記不揮発性記憶領域に対する書き換えにおいて前記消去処理単位のデータサイズよりも書き換えに係る書込みデータサイズが小さいデータの書き込み処理後に、別の物理アドレス領域の書き換えを行なうとき、退避領域が既に保持する有効なバックアップデータを書き戻す処理を行なった後に、当該次の書き込み物理アドレスのデータを退避領域にバックアップすればよい。
本発明の更に別な具体的な形態として、前記カードコントローラは、所要の論理アドレスに対するデータの読み出し指示に応答してその論理アドレスに対応される所定の物理アドレス領域の有効性が確認できないとき、前記退避領域がその論理アドレスのデータを保有することを確認して、当該退避領域のデータをリードして出力する。前記退避領域のバックアップデータを対応する物理アドレス領域に書き戻す処理を実施する前のリード動作におけるデータエラーの発生を未然に防止することができる。
本発明の更に別の具体的な形態として、前記物理アドレス領域の書き換えが不完全であったときに行う前記退避領域から当該物理アドレス領域へのバックアップデータの書き戻しは、パワーオンリセットに応答して可能にされる。或いは、ディプリートチェックコマンドの実行結果に応答して可能にされる。
本発明の更に別の具体的な形態として、所謂AG−ANDと称されるメモリアレイ構成の不揮発性メモリに着目すると、不揮発性メモリは、前記不揮発性メモリ部(FARY0〜FARY3)とこれに対応する揮発性バッファ部(BMRY0〜BMRY3)をそれぞれ複数組有し、前記不揮発性メモリ部の消去単位は書き込み単位の複数倍であり、それぞれのバッファ部は前記書き込み単位の記憶容量を有し、また、前記不揮発性メモリは、前記カードコントローラから与えられる記憶情報の書換え動作指示に対して、書換え対象の不揮発性メモリ部及びそれと異なる不揮発性メモリ部の双方の揮発性バッファ部に書換え対象とされる物理アドレス領域の記憶データを一時的に格納する。このとき前記カードコントローラは、前記揮発性バッファ部に一時的に格納されたデータを、それぞれの揮発性バッファ部に対応する不揮発性メモリ部の退避領域に書込み制御する。
〔2〕本発明の別の観点によるメモリカードは、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリとメモリ制御及び外部インタフェース制御を行なうカードコントローラとを有し、前記不揮発性メモリは、不揮発性記憶領域として論理アドレスに対応される物理アドレス領域と物理アドレス領域の退避に用いられる退避領域とを備えた不揮発性メモリ部を有する。前記カードコントローラは、所定のタイミングで前記退避領域が保有するデータの正当性を確認したときその退避領域にバックアップされているデータに対応される物理アドレス領域が保有するデータの正当性を判断し、不当であることを認識したときは前記退避領域のバックアップデータによって当該物理アドレス領域への前記バックアップデータの書き戻しを行なう。
上記した手段によれば、書き換え前のデータを退避領域にバックアップしておき、書き換え完了前の電源遮断等の異常に対しては退避領域からバックアップデータを書き戻すことによって対処することができるから、書き換え処理中の電源遮断による書き換え前の不所望なデータ消失を抑制することができる。さらに、書き換え処理中に電源遮断を生じた場合は、電源遮断によるディプリートの可能性がある不揮発性記憶領域は退避領域か退避領域にバックアップされたデータを元々保有していた物理アドレス領域のどちらかである。退避領域は動的に変更されず、その時の空き領域が動的に割当てられる訳ではない。よってディプリートチェックは退避領域と退避領域が保有するバックアップデータによって特定される物理アドレス領域の2個所に対して実施すれば充分である。
本発明の具体的な形態として、前記退避領域が保有するデータの正当性とは、前記退避領域における有効なバックアップデータの不存在を意味する。また、前記物理アドレス領域が保有するデータの不当性を認識したとき行なう前記退避領域から当該物理アドレス領域へのバックアップデータの書き戻しは、パワーオンリセットに応答して可能にされる。或いはディプリートチェックコマンドの実行結果に応答して可能にされる。
本発明の別の具体的な形態として、前記カードコントローラは、所要の論理アドレスに対するデータの書き換え指示に応答してその論理アドレスに対応される所定の物理アドレス領域のデータを前記退避領域にバックアップした後当該物理アドレス領域の書き換えを行う。このとき、前記不揮発性記憶領域として、論理アドレスと物理アドレスの対応テーブルを有し、前記物理アドレス領域と退避領域は夫々データ領域とデータ領域の管理領域を有し、前記管理領域は対応するデータ領域が保有するデータの論理アドレスを保持する。望ましい形態として前記管理領域は更に、対応するデータ領域が保持するデータの有効性を示すためのフラグ情報を保持する。
本発明の別の具体的な形態として、前記データの書き換えは前記不揮発性記憶領域に対する消去処理と書き込み処理によって行われ、前記物理アドレス領域と退避領域は一括消去可能な消去処理単位とされ、消去処理単位は書き込みデータ単位の複数倍の大きさを有し、前記フラグ情報は、前記書き込みデータ単位毎にそのデータの有効性を示すことができる複数ビットを有する。
このとき、前記カードコントローラは、前記不揮発性記憶領域に対する書き換えにおいて前記消去処理単位のデータサイズよりも書き換えに係る書込みデータサイズが小さいとき、前記書き込み処理において前記消去単位に対して書き換えに係る書込みデータが与えられない前記不揮発性記憶領域の記憶領域は消去状態に維持し、前記不揮発性記憶領域の前記消去状態に維持される前記記憶領域の書き換え前のデータを退避領域上で有効に維持する。
これに従えば、前記カードコントローラは、前記不揮発性記憶領域に対する書き換えにおいて前記消去処理単位のデータサイズよりも書き換えに係る書込みデータサイズが小さいデータの書き込み処理後に、別の物理アドレス領域の書き換えを行なうとき、退避領域が既に保持する有効なバックアップデータを書き戻す処理を行なった後に、当該次の書き込み物理アドレスのデータを退避領域にバックアップすればよい。
本発明の更に別の具体的な形態として、所謂AG−ANDと称されるメモリアレイ構成の不揮発性メモリに着目すると、不揮発性メモリは、前記不揮発性メモリ部とこれに対応する揮発性バッファ部をそれぞれ複数組有し、前記不揮発性メモリ部の消去単位は書き込み単位の複数倍であり、それぞれのバッファ部は前記書き込み単位の記憶容量を有し、また、前記不揮発性メモリは、前記カードコントローラから与えられる記憶情報の書換え動作指示に対して、書換え対象の不揮発性メモリ部及びそれと異なる不揮発性メモリ部の双方の揮発性バッファ部に書換え対象とされる物理アドレス領域の記憶データを一時的に格納する。このとき前記カードコントローラは、前記揮発性バッファ部に一時的に格納されたデータを、それぞれの揮発性バッファ部に対応する不揮発性メモリ部の退避領域に書込み制御する。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、データの書き換え指示に応答する書込み対象は物理アドレス領域と退避領域の双方とされ、退避領域に書き込み中に電源遮断が発生した場合は物理アドレス領域に残っているデータを使用し、物理アドレス領域に書き込み中に電源遮断が発生した場合は退避領域に残っているデータを使用することができるから、書き換え処理中の電源遮断による書き換え前の不所望なデータ消失を抑制することができる。
書き換え処理中に電源遮断を生じた場合は、電源遮断によるディプリートの可能性がある不揮発性記憶領域は退避領域か退避領域にバックアップされたデータを元々保有していた物理アドレス領域のどちらかであり、退避領域は動的に変更されず、その時の空き領域が動的に割当てられるものではないから、ディプリートチェックは退避領域と退避領域が保有するバックアップデータによって特定される物理アドレス領域の2個所に対して実施すれば充分となる。ディプリートチェックに要する時間を短縮可能にすることができる。
アドレス変換テーブルの他に空きブロックの場所を管理する消去テーブルを必要とせず、管理用情報領域の保持に必要な記憶領域を小さくすることができる。
《メモリカード》
図1には本発明に係るメモリカードの一例が示される。メモリカード1は消去及び書き込み可能な不揮発性メモリ例えばフラッシュメモリ2と、DRAM(Dynamic Random Access memory)又はSRAM(Static Random Access Memory)等から成るバッファメモリ4と、メモリ制御及び外部インタフェース制御を行うカードコントローラ5とを、実装基板に備えて成る。
前記バッファメモリ4及びフラッシュメモリ2はカードコントローラ5のアクセス制御を受ける。前記フラッシュメモリ2は、特に図示はしないが、電気的に消去及び書き込み可能な不揮発性メモリセルトランジスタが多数マトリクス配置されたメモリアレイARYを有する。メモリセルトランジスタ(フラッシュメモリセルとも記す)は、特に図示はしないが、半導体基板若しくはウェル内に形成されたソース及びドレイン、前記ソースとドレインとの間のチャンネル領域にトンネル酸化膜を介して形成されたフローティングゲート、そしてフローティングゲートに層間絶縁膜を介して重ねられたコントロールゲートによって構成される。コントロールゲートは対応するワード線に、ドレインは対応するビット線に、ソースはソース線に接続される。前記メモリセルトランジスタは、前記フローティングゲートに電子が注入されると閾値電圧が上昇し、また、前記フローティングゲートから電子を引き抜くと閾値電圧が低下する。前記メモリセルトランジスタは、データ読み出しのためのワード線電圧(コントロールゲート印加電圧)に対する閾値電圧の高低に応じた情報を記憶することになる。特に制限されないが、本明細書においてメモリセルトランジスタの閾値電圧を低くする処理を消去処理、閾値電圧を高くする処理を書込み処理と称する。
図1において、前記カードコントローラ5は、例えばホストコンピュータ(ホスト装置)6との間で外部インタフェース制御を行う。カードコントローラ5は、ホストコンピュータ6からの指示に従って、フラッシュメモリ2をアクセスするアクセス制御機能を有する。このアクセス制御機能はハードディスク互換の制御機能であり、例えばホストコンピュータ6がセクタデータの集合をファイルデータとして管理するとき、カードコントローラ5は論理アドレスとしてのセクタアドレスと物理メモリアドレスとを対応させてフラッシュメモリ2のアクセス制御を行う。図1に従えば、前記カードコントローラ5は、ホストインタフェース回路10、演算制御手段としてのマイクロプロセッサ(MPU)11、フラッシュコントローラ12、及びバッファコントローラ13から成る。前記フラッシュコントローラ12は図示を省略するECC回路を備える。
前記MPU11は、CPU(Central Processing Unit)15、プログラムメモリ(PGM)16及びワークRAM(WRAM)17などを有し、カードコントローラ5を全体的に制御する。プログラムメモリ16はCPU15の動作プログラムなどを保有する。
前記ホストインタフェース回路10は、ATA(ATAttachment)、IDE(Integrated Device Electronics)、SCSI(Small Computer System Interface)、MMC(MultiMediaCard)、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)等の所定のプロトコルに従って、パーソナルコンピュータ又はワークステーションなどのホストコンピュータ6とインタフェースを行う回路である。ホストインタフェース動作の制御はMPU11が行う。
前記バッファコントローラ13はMPU11から与えられるアクセス指示に従って、バッファメモリ4のメモリアクセス動作を制御する。バッファメモリ4にはホストインタフェース10に入力されたデータ、又はホストインタフェース10から出力するデータが一時的に保持される。また、バッファメモリ4には、フラッシュメモリ2から読み出されたデータ又はフラッシュッメモリ2に書き込まれるデータが一時的に保持される。
フラッシュコントローラ12はMPU11から与えられるアクセス指示に従って、フラッシュメモリ2に対する、読み出し動作、消去動作及び書き込み動作を制御する。フラッシュコントローラ12は、読み出し動作において読み出しコマンドコードや読み出しアドレス情報等の読み出し制御情報を出力し、書き込み動作において書き込みコマンドコード及び書き込みアドレス情報などの書き込み制御情報を出力し、消去動作において消去コマンド等の消去制御情報を出力する。図示を省略するECC回路は、MPU11から与えられる指示に従って、フラッシュメモリ2に書き込むデータに対してエラー訂正符号(エラー訂正コード)を生成して、書込みデータに付加する。また、フラッシュメモリ2から読み出された読み出しデータを当該読み出しデータに付加されているエラー訂正符号を用いてエラー検出・訂正処理を行い、そのエラー訂正能力範囲のエラーに対して訂正を行う。
フラッシュメモリ2はその不揮発性メモリアレイ(ARY)20に、論理アドレスと物理アドレスの対応テーブル即ちアドレス変換テーブル(ACTLB)21、退避領域(退避ブロックとも記す)22、及び複数の物理アドレス領域(物理ブロックと記す)23を有する。退避領域22及び物理アドレス領域23は共に同じフィールド構成を有し、データ領域DATと対応するデータ領域の管理領域とを有する。管理領域は、対応するデータ領域が保有するデータの論理アドレス情報LAと、対応するデータ領域が保持するデータの有効性を示す複数ビットのフラグ情報FLGを保持する。フラグ情報FLGは物理アドレス領域ではデータ領域の有効/無効を示し、退避領域ではデータ領域の使用/未使用を示す。退避領域22の物理アドレスMAは当該領域のデータ保持特性が劣化しない限り固定とされる。退避領域22が不良になったときは退避領域には新しい物理アドレスを割当てる。退避領域の物理アドレスの定義は、特に制限されないが、アドレス変換テーブル21の最後の記憶領域を用いて行なわれている。メモリアレイ20においてアドレス変換テーブル21以外の特定記憶領域をその定義領域に用いてもよい。
図2にはアドレス変換テーブル21が例示される。アドレス変換テーブル21は論理アドレスLAと物理アドレスPAを対応させる。物理アドレス領域が不良になったときはアドレス変換テーブル21上でその不良物理アドレス領域に対応する論理アドレスに新しい物理アドレス領域を割当てて、アドレステーブル21を更新すればよい。
図3にはフラッシュメモリに対する書き換え制御手順が例示される。カードコントローラ5は、カードホストから論理アドレスを指定したデータの書き換え指示を受けると、これに応答して、先ず、アドレス変換テーブル21を参照して、論理アドレスLAに対応する物理アドレスPAを取得する(S1)。次に、取得した物理アドレスPAを用いてフラッシュメモリ2をリードし、リードしたデータ(旧データ)を物理アドレスMAの退避領域22に格納する(S2)。退避領域22の管理領域には、前記物理アドレスPAが対応される論理アドレスLAが格納され、フラグ情報FLGは未使用のコードから使用中のコードに変更される。図4には処理S2におけるデータのバックアップの様子が示される。その後、カードコントローラは前記物理アドレスPAの物理アドレス領域を消去処理し、消去処理が行なわれた物理アドレス領域にカードホストからの書込みデータ(新データ)を書き込む(S3)。管理領域にはその物理アドレス領域が割当てられている論理アドレスLAが書き込まれ、フラグ情報として有効のコードが書き込まれる。図5には処理S3におけるデータ書込みの様子が示される。
図6にはフラッシュメモリに対するデータ読み出し制御手順が例示される。論理アドレスLAをリードする場合、まず、図2のアドレス変換テーブル21で論理アドレスLAに対応する物理アドレスPAを取得する(S11)。物理アドレスPAの管理情報をリードし(S12)、物理アドレスPAが不良ブロックかどうか判定する(S13)。不良ブロックではない場合は、物理アドレスPAの物理ブロックからデータを読み出し(S14)、リード処理が終了される。処理S13において物理アドレスPAが不良ブロックの場合は、退避ブロックの管理情報をリードし(S15)、リードした管理情報から退避された論理アドレスを取得し、そのアドレスが読み出し対象とされる論理アドレスLAに一致するかが判別される(S16)。論理アドレスLAに一致する場合は、退避ブロックをリードし(S17)、リード処理を終了する。論理アドレスLAでないときは、リードエラーとなる。
図7にはディプリートチェックと書き戻しの制御手順が示される。図7の処理はパワーオンリセットのリセット解除に応答して開始され、或いは、カードホストから投入されたディプリートチェックコマンドに応答して開始される。
ディプリートチェックが指示されると、先ず、アドレスMAの退避ブロックのディプリートチェックを行なう(S21)。ディプリートチェックはフラッシュメモリセルを非選択としたときドレイン・ソース間にリーク電流を生ずるか否か等を判定する処理によって行なう。S22の判定でディプリートがあった場合は、アドレスMAの退避ブロックを消去し(S23)、アドレスMAの退避ブロックに管理情報作成して(S24)、アドレスMAの退避ブロックを利用可能な状態に再生する。要するに、フラグ情報FLGは未使用、アドレス情報ADRは不定にする。退避ブロックが保有するデータの論理アドレスがLAのとき、アドレスMAの退避ブロックにディプリートがある場合は、その論理アドレスLAに対応する物理アドレスPAの物理ブロックにはディプリートはない。
S22の判定でアドレスMAの退避ブロックにディプリートがない場合、その退避ブロックの管理情報をリードし(S25)、リードした管理情報から退避元のデータブロックの論理アドレスLAを取得する(S26)。前記アドレス変換テーブル21を使って、論理アドレスLAから対応する物理アドレスPAを取得する(S27)。そして、取得した物理アドレスPAの物理ブロックに対してディプリートチェックを行う(S28)。S29の判定でディプリートがある場合は、物理アドレスMAの退避ブロックからデータを取得し(S30)、物理アドレスPAの物理ブロックを消去し(S31)、物理アドレスAの物理ブロックに物理アドレスMAの退避ブロックから取得したデータを書き込む(S32)。
上記メモリカード1によれば、データの書き換え指示に応答する書込み対象は物理ブロック23と退避ブロック22の双方とされ、退避ブロック22に書き込み中に電源遮断が発生した場合は物理ブロック23に残っているデータを使用し、物理ブロック23に書き込み中に電源遮断が発生した場合は退避ブロック22に残っているデータを使用することができるから、書き換え処理中の電源遮断による書き換え前の不所望なデータ消失を抑制することができる。
また、書き換え処理中に電源遮断を生じた場合は、電源遮断によるディプリートの可能性がある不揮発性記憶領域は退避ブロック22か退避ブロック22にバックアップされたデータを元々保有していた物理ブロック23のどちらかであり、退避ブロック22は動的に変更されず、その時の空き領域が動的に割当てられるものではないから、ディプリートチェックは退避部録22と退避ブロック22が保有するバックアップデータによって特定される物理ブロック23の2個所に対して実施すれば充分となる。ディプリートチェックに要する時間を短縮可能にすることができる。
更に、アドレス変換テーブルの他に空きブロックの場所を管理する消去テーブルを必要とせず、管理用情報の保持に必要な記憶領域を小さくすることができる。
《AND型フラッシュメモリを用いた具体例》
次に、メモリカード1に搭載されたフラッシュメモリ2として所謂AND型フラッシュメモリを用いた場合の書き換え動作について具体的に説明する。AND型フラッシュメモリのメモリアレイは、特に図示はしないが、メモリブロック毎にマトリクス配置された不揮発性メモリセルのコントロールゲートがX方向単位でワード線に接続され、不揮発性メモリセルのドレインはY方単位でサブビット線に接続され、不揮発性メモリセルのソースはソース線に共通接続され、サブビット線は選択スイッチでグローバルビット線に接続されて構成される。消去単位はメモリブロック単位とされる。所謂AND型フラッシュメモリの詳細は特開平11−232886号公報に記載が有る。
フラッシュメモリ2には図8に示される論理アドレスと物理アドレスのアドレス変換テーブルが保持される。AND型フラッシュメモリ2は消去処理及び書込み処理単位が2112バイトとされる。そのフラッシュメモリ2のメモリアレイは、図9に例示されるように、一つの物理ブロックは2112バイトに記憶容量を有し、512バイト毎のカラムCL0〜カラムCL3のデータ領域と、32バイトの管理領域によって構成される。管理領域には対応する論理アドレス情報とフラグ情報が保持される。物理アドレスMAの物理ブロックは退避ブロックとされる。
図10には管理領域のアドレス情報とフラグ情報の具体的な種別が例示される。物理ブロックのデータ領域においてフラグ情報FLGはカラムCL0〜CL3に情報が割当てられ、“F000”はカラムCL0有効、“0F00”はカラムCL1有効、“00F0”はカラムCL2有効、“000F”はカラムCL3有効を意味する。よって、CL0,CL1のデータ有効でCL2,CL3のデータが無効なときはフラグ情報は“FF00”となる。退避ブロックのデータ領域においてフラグ情報FLGはカラムCL0〜CL3毎に割当てられず、そのデータ領域全体として、“0000”は未使用、 “FF00”は使用中、“FFFF”は使用済みを意味する。それ以外は無視される。
図9にはデータが書き込まれる前のメモリアレイの状態が示されており、物理アドレスPA1の物理ブロックにおける管理領域には論理アドレスLA1、フラグ“0000”の情報が記録されている。
図9の状態から論理アドレスLA1に512バイト×4のデータD1〜D4を書き込む場合は、図11に示されるように、論理アドレスLA1に対応する物理アドレスPA1にデータD1〜D4とフラグ情報“FFFF”を追加書き込みする。
図11の状態から論理アドレスLA1に512バイト×4のデータD5〜D8を書き込む場合の動作は図12〜図14に示される。先ず、図12のように、論理アドレスLA1に対応する物理アドレスPA1のデータD1〜D4を、物理アドレスMAの退避ブロック22に退避する。退避ブロック22の管理情報は、フラグ情報“FF00”(使用中)、アドレスLA1にされる。次に、図13に示すように、物理アドレスPA1を消去する。最後に、図14のように、物理アドレスPA1の物理ブロック23にデータD5〜D8、フラグ情報“FFFF”(全カラム有効)及びアドレス情報LA1を書き込む。退避ブロック22のフラグ情報は“FFFF”(使用済み)にされる。
図11の状態から論理アドレスLA1の物理ブロック23に512バイト×3のデータD5〜D7を書き込む場合は、図12、図13の次に図15の動作が行なわれる。即ち、図15において、データD5〜D7は物理アドレスPA1の物理ブロック23に書き込まれ、その管理情報のフラグ情報は“FFF0”とされ、カラムCL0〜CL2が有効とされる。アドレスMAの退避ブロック22のフラグ情報は“FF00”のままとされる。この状態でリード処理が行なわれるとき、物理アドレスPA1の物理ブロック23における管理領域のフラグ情報から、有効データがカラムCL0〜CL2にあると判断可能になる。無効なカラム3のデータリードは、図6のフローチャートにしたがって、アドレスMAの退避ブロック22のカラムCL3のデータに対して行なわれることになる。
図15の状態から論理アドレスLA1に対応される物理ブロック23のカラムCL3にデータを書き込む場合は、図16のように、物理アドレスPA1のカラムカラムCL3に追加書き込みを行い、その管理領域のフラグ情報を“FFFF”としてカラムCL3のデータD8も有効にする。退避ブロック22の管理領域におけるフラグ情報は“FFFF”の使用済みに変更すればよい。
図15の状態から論理アドレスLA2に512バイト×4のデータD13〜D16を書き込む場合の動作を図17〜図22に示す。図17に示されるように、論理アドレスLA2に対応する物理アドレスPA2には既にデータD9〜D12が書き込まれているとする。先ず、図18のように、アドレスMAの退避ブロック22のカラムCL3のデータを退避元の論理アドレスLA1に対応するPA1の物理ブロック23のカラムCL3に追加書き込みで書き込む。次に、図19のように、アドレスMAの退避ブロック22を消去する。そして、図20のように、物理アドレスPA2のデータD9〜D12をアドレスMAの退避ブロック22に書き込む。その管理領域のフラグ情報は“FF00”(使用中)、アドレス情報はLA2とされる。次に、図21のように、物理アドレスPA2の物理ブロック23を消去する。最後に、図22に示されるように、物理アドレスPA2の物理ブロック23に、データD13〜D16を書き込む。その物理ブロックのフラグ情報は“FFFF”とされる。アドレスMAの退避ブロック22におけるフラグ情報には“FFFF”を追加書き込みし、使用済みにする。
《AG−AND型フラッシュメモリを用いた具体例》
次に、メモリカードに搭載されたフラッシュメモリとして所謂AG−AND型フラッシュメモリを用いた場合の書き換え動作について具体的に説明する。AG−AND型フラッシュメモリのメモリアレイは、特に図示はしないが、AND型フラッシュメモリのメモリアレイに対し隣接する2本のサブビット線を1本に集約し、消去単位を書込み単位の2倍とした構成を有する。所謂AG−AND型フラッシュメモリの詳細はWO 03/073431の国際公開公報に記載が有る。ここではそのメモリマット構成の概略について説明しておく。図23にはAG−AND型フラッシュメモリの概略構成を平面図で示す。
図23に示されるフラッシュメモリ2は、例えば4個のメモリバンクBNK0〜BNK3と制御部CNTを有する。前記メモリバンクBNK0〜BNK3は、不揮発性メモリ部としてのフラッシュメモリアレイFARY0〜FARY3と、揮発性バッファ部としてのバッファメモリBMRY0〜BMRY3とを有する。一つのフラッシュメモリアレイに対応してバッファメモリは左右に2分割されて配置される。便宜上右側のバッファメモリにはサフィックス(R)を付し、左側のバッファメモリにはサフィックス(L)を付す。
フラッシュメモリ1の外部入出力端子i/o0〜i/o7は、アドレス入力端子、データ入力端子、データ出力端子、コマンド入力端子に兼用される。フラッシュメモリ1はコマンドラッチイネーブル信号CLEなどの外部アクセス制御信号を入力する。前記制御部CNTは、前記アクセス制御信号の状態に応じて外部との信号インタフェース機能などを制御し、また、入力されたコマンドに従って内部動作を制御する。4個のメモリバンクBNK0〜BNK3は並列動作することができる。
前記それぞれのフラッシュメモリアレイFARY0〜FARY3は、マトリクス配置された多数の不揮発性メモリセルを有する。この不揮発性メモリセルは、特に制限されないが、公知のフローティングゲート型トランジスタ1個で1個のメモリセルを構成する。例えば不揮発性メモリセルは、ウェル領域に形成されたソース及びドレインと、ソースとドレインとの間のチャンネル領域にトンネル酸化膜を介して形成されたフローティングゲート、そしてフローティングゲートに層間絶縁膜を介して重ねられたコントロールゲートによって構成される。コントロールゲートはワード線に、ドレインはビット線に、ソースはソース線に接続される。
AG−AND型フラッシュメモリ2において一つの物理ブロックは4224バイトの記憶容量を有し、書き込み単位はその半分の2112バイト、消去単位は4224バイトとされる。一つの物理ブロックの上位側半分と下位側半分の夫々は、512バイト毎の4個のカラムのデータ領域DATと32バイトの管理領域(論理アドレス情報ADRとフラグ情報FLG)によって構成される。一つの物理ブロックには上位と下位別々の論理アドレスが対応されることになる。
メモリバンクBNK0〜BNK3毎に特定の物理アドレスには退避ブロック22が割り当てられる。退避ブロックの機能はAND型フラッシュメモリの場合と変わりない。
バッファメモリBMRY0〜BMRY3は、例えばSRAM(Static Random Access Memory)によって構成され、フラッシュメモリアレイFARY0〜FARY3から読み出された記憶データを一時的に保持し、また、フラッシュメモリアレイFARY0〜FARY3に書き込むデータを一時的に保持する。メモリバンク毎に設けられたバッファメモリBMRY0〜BMRY3の記憶容量はそれぞれ書き込み処理単位の2112バイトとされ、メモリバンク毎に左右に2分割されて、分割された一つの記憶容量は1056バイトとされる。
図24にはAG−ANDフラッシュメモリのメモリバンクと物理ブロックの構成が例示される。前述の通り、AG−AND型フラッシュメモリ2は4つメモリバンク有し、1メモリバンクに8192物理ブロックの消去ブロックがあり、消去ブロックは2つの書き込み単位で構成されている。
図25にはAG−ANDフラッシュメモリの各メモリバンクBNK0〜BNK3における一つの物理ブロック23と退避ブロック22とを示す。物理アドレスPA0〜PA3の物理ブロックと物理アドレスMA0〜MA3の退避ブロックが示される。前述の如く一つの物理ブロックや退避ブロックは消去単位に等しく、書き込み単位はその半分であり、書き込み単位毎に論理アドレスが割り当てられる。すなわち、図25の状態はデータが書き込まれる前の初期状態であり、物理アドレスPA0〜PA3の物理ブロックにおけるデータ領域DATは消去状態であり、その管理領域にはアドレス情報ADRとして論理アドレスLA0〜LA7が格納され、PA0の書き込み単位上位側には論理アドレスLA0、PA0の書き込み単位下位側には論理アドレスLA2、PA1の書き込み単位上位側には論理アドレスLA1、PA1の書き込み単位下位側には論理アドレスLA3、というように論理アドレスが割り当てられる。物理アドレスMA0〜MA3は退避ブロックに割り当てられる固定した物理アドレスであり、消去単位のサイズを有する。データ領域DATは前述同様に512バイト毎の4個のカラムCL0〜CL3の集合とされる。前述同様に退避ブロックはその記憶領域に不良を生じたとき割当てられる物理アドレスが変更される。
物理ブロック、退避ブロックは共に書き込み単位毎に管理情報を持ち、その中に、フラグ情報FLGと論理アドレス情報ADRが記録される。フラグ情報FLGの意味は図10と同じである。アドレス情報ADRも図10と同じであり、物理ブロックでは物理アドレスに対応した論理アドレスが書き込まれ、退避ブロックでは退避したデータの論理アドレスが書き込まれる。
図26にはAG−AND型フラッシュメモリ2が保有するアドレス変換テーブルが例示される。論理アドレスに対する物理アドレスの割り当ては、前述の通り一つの物理ブロックに対して連続する論理アドレスを割り当てないようにされる。これは、前記バッファメモリBMRY0〜BMRY3の記憶容量が書き込み単位の記憶容量とされ、更にメモリバンクBNK0〜BNK3が並列動作可能であることから、連続する論理アドレスに対する書き込み及び読み出し動作を高速化できるように考慮したものである。
図27は図25の状態から論理アドレスLA0〜LA7に対応される物理アドレスPA0〜PA3の物理ブロックにデータが書き込まれた状態を示す。管理情報のフラグFLGは有効データが入るため、FFFFhが記録されている。
図28から図30は、図27の状態から論理アドレスLA0が割り当てられる物理ブロックPA0の書き込み単位上位のカラムCL0、CL1にデータA0,A1が書き込まれるまでの過程を示す。まず、図28のように、PA0の物理ブロックにおける書き込み単位上位のデータ0〜3をMA0の退避ブロックにおける書き込み単位上位に、PA0の物理ブロックにおける書き込み単位下位のデータ8〜BをMA2の退避ブロックにおける書き込み単位上位に、PA1の物理ブロックにおける書き込み単位上位のデータ4〜7をMA1の退避ブロックにおける書き込み単位上位に、PA1の物理ブロックにおける書き込み単位下位のデータC〜FをMA3の退避ブロックに退避する。退避ブロックMA0〜MA3の上位側だけを使う理由は、メモリバンクBNK0〜BNK3の並列書き込み動作を用いて一度にデータの退避を行うためである。退避ブロックの管理領域のアドレス情報ADRとしてLA0、LA1、LA2、LA3が書き込まれ、フラグ情報FLGとして“FF00”が書き込まれる。図29では物理アドレスPA0,PA1の物理ブロックに対して消去が行われる。図30では論理アドレスLA0に対応される物理アドレスPA0の物理ブロックにおける書き込み単位上位のカラムCL0、CL1にデータA0、A1を書き込む。PA0の書き込み単位上位の管理領域には論理アドレス情報LA0、フラグ情報 “FF00”が書き込まれ、PA1の書き込み単位上位の管理領域には論理アドレス情報LA1、フラグ情報 “0000”が書き込まれる。
リード処理では、図6で説明した通り、読み出されるデータが退避ブロックにあるかどうかの判定を行う。図30ではLA0のデータがMA0の退避ブロックとPA0の物理ブロックの双方に記録されているが、物理ブロックで有効フラグがあるカラムは物理ブロックPA0から、物理ブロックで無効フラグのカラムに対しては退避ブロックMA0から読み出す。LA1、LA3のデータは、物理ブロックPA1のフラグが無効フラグになっているため、全てのカラムCL0〜CL3に対して退避ブロックMA0から読み出しを行う。
図30の状態から論理アドレスLA0のカラムCL2にデータA2を書き込む場合は、既にデータが退避されており、論理アドレスLA0のカラムCL2が消去状態であるため、図31に示されるように、追加書き込みによりデータを書き込み、論理アドレスLA0のカラムCL2のフラグに“F“を追加書き込みを行えばよい。
図32から図34には、図31の状態から論理アドレスLA5のカラムCL1〜CL3にデータB5,B6,B7を書き込む動作の過程が示される。図32で論理アドレスLA4〜LA7(PA2、PA3)のデータを退避ブロックMA0〜MA3の下位側に書き込む。退避ブロックMA0〜MA3の下位側の管理領域のアドレス情報としてLA4〜LA7が書き込まれ、フラグ情報は使用中の“FF00”が書き込まれる。図33ではPA2,PA3の物理ブロックが消去され、図34では論理アドレスLA5のカラムCL1〜CL3にデータB5,B6,B7が書き込まれる。PA3の物理ブロックの上位側管理領域のフラグ情報としてカラムCL1〜CL3に対応して“F”を、その他は“0”を書き込む。
図35から図39は、図34の状態から論理アドレスLA8,LA9(退避ブロックにあるデータ以外のアドレス)にデータC0〜C7を書き込む動作過程を示す。図35では図34の状態において退避ブロックにある有効データ、すなわち、論理アドレスLA0のカラムCL3のデータ、論理アドレスLA1〜LA3のデータを対応する物理ブロックに書き戻す。退避ブロックの有効無効判定は物理ブロックのフラグで判定する。図36では退避ブロックMA0〜MA3を消去する。図37では論理アドレスLA8〜LA11に対応する物理アドレスPA4、PA5の物理ブロックを退避ブロックMA0〜MA3の上位側に退避する。退避ブロックMA0〜MA3の管理領域のアドレス情報としてLA8〜LA11が書き込まれ、フラグ情報として使用中の“FF00”が書き込まれる。図38では物理アドレスPA4、PA5の物理ブロックを消去する。図39では物理アドレスPA4,PA5の物理ブロック上位(論理アドレスLA8,LA9割り当て)にデータC0〜C7を書き込む。論理アドレスLA8,LA9に対応する管理領域にはフラグ情報として“FFFF”を、論理アドレスLA10,LA11に対応する管理領域にはフラグ情報として“0000”を書き込む。退避ブロックMA0,MA1の上位側は有効データがなくなるため、それに対応される管理領域には使用済みフラグ情報“FFFF”を書き込む。
図39の状態から、論理アドレスLA8,LA9にデータC8〜CFを書き込む場合は、既にデータが退避されており、消去状態であるため、図40に示されるように、追加書き込みによりデータを書き込み、論理アドレスLA8,LA9に対応してフラグ情報“FFFF”を追加書き込みする。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、物理ブロックや退避ブロックのサイズ、フラグ情報の意味などについては適宜変更可能である。その他、メモリアレイのバンク構成についても変更可能である。また、本発明に係るメモリカードはICカードマイコンに代表されるセキュリティーコントローラを併せて搭載するものであってもよい。また、不揮発性メモリセルは1個で4ビットのような多値の情報記憶を行うものに限定されず、1個で2ビットの情報記憶を行うものであってもよいのは当然である。更にフラッシュメモリの不揮発性メモリセルはスタックドゲート構造に限定されず、選択トランジスタ部と記憶トランジスタ部を直列的に配置したスプリットゲート構造であってもよい。
以上の説明では主として本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野であるAND型フラッシュメモリ、AG−AND型フラッシュメモリを搭載したメモリカードに適用した場合について説明したが、本発明はNAND型フラッシュメモリ、NOR型フラッシュメモリを搭載したメモリカードにも適用可能である。
本発明に係るメモリカードの一例を示すブロック図である。 アドレス変換テーブルを例示する説明図である。 フラッシュメモリに対する書き換え制御手順を例示するフローチャートである。 図3の処理S2におけるデータバックアップの様子を示す説明図である。 図3の処理S3におけるデータ書込みの様子を示す説明図である。 フラッシュメモリに対するデータ読み出し制御手順を例示するフローチャートである。 ディプリートチェックと書き戻しの制御手順を例示するフローチャートである。 論理アドレスと物理アドレスの対応を定義するアドレス変換テーブルの説明図である。 フラッシュメモリのメモリアレイのフィールド構成を例示する説明図である。 管理領域のアドレス情報とフラグ情報の具体的な種別を例示する説明図である。 図9の状態から論理アドレスLA1にデータD1〜D4を書き込むまでの動作において論理アドレスLA1に対応する物理アドレスPA1にデータD1〜D4等を追加書き込みを行なったときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 図11の状態から論理アドレスLA1にデータD5〜D8を書き込むまでの動作において最初に論理アドレスLA1に対応する物理アドレスPA1のデータD1〜D4を退避ブロックしたときのときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 図12に続いて物理アドレスPA1を消去したときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 図13に続いて物理アドレスPA1の物理ブロックにデータD5〜D8等を書き込んだときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 図11の状態から論理アドレスLA1にデータD5〜D7を書き込む場合に図12、図13に続けてデータD5〜D7の書込みと管理情報の書込みを行なったときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 図15の状態から論理アドレスLA1のカラムCL3にデータを書き込む場合に物理アドレスPA1のカラムカラムCL3に追加書き込み等を行なったときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 図15の状態から論理アドレスLA2にデータD13〜D16を書き込む場合に論理アドレスLA2に既に別のデータが書き込まれているときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 図17に続けてアドレスMAの退避ブロックのカラムCL3のデータを退避元の論理アドレスLA1に対応するPA1の物理ブロックのカラムCL3に追加書き込みで書き込んだときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 図18に続けてアドレスMAの退避ブロックを消去したときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 図19に続けて物理アドレスPA2のデータD9〜D12をアドレスMAの退避ブロック22に書き込んだときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 図20に続けて物理アドレスPA2の物理ブロックを消去したときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 図21に続けて物理アドレスPA2の物理ブロックにデータD13〜D16を書き込んだときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 AG−AND型フラッシュメモリの概略構成を平面的に示す説明図である。 AG−AND型フラッシュメモリのメモリバンクと物理ブロックの構成を例示する説明図である。 AG−AND型フラッシュメモリの各メモリバンクBNK0〜BNK3における一つの物理ブロック23と退避ブロック22とを示す説明図である。 AG−AND型フラッシュメモリ2が保有するアドレス変換テーブルを例示する説明図である。 図25の状態から論理アドレスLA0〜LA7に対応される物理アドレスPA0〜PA3の物理ブロックにデータが書き込まれたときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 図27の状態から論理アドレスLA0の物理ブロックPA0の書き込み単位上位のカラムCL0、CL1にデータA0,A1を書き込むまでの動作において最初にPA0,PA1の物理ブロックにおける退避ブロックに退避したときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 図28に続けては物理アドレスPA0,PA1の物理ブロックに対して消去が行われたときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 図29に続けて論理アドレスLA0に対応される物理ブロックにおける書き込み単位上位にデータA0、A1を書き込んだときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 図30に続けて論理アドレスLA0のカラムCL2にデータA2を書き込む場合に追加書き込み等によりデータを書き込んだときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 図31の状態から論理アドレスLA5のカラムCL1〜CL3にデータB5,B6,B7を書き込む動作の過程において最初に論理アドレスLA4〜LA7(PA2、PA3)のデータを退避ブロックMA0〜MA3の下位側に書き込んだときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 図32に続けてPA2,PA3の物理ブロックを消去したときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 図33に続けて論理アドレスLA5のカラムCL1〜CL3にデータB5,B6,B7が書き込まれたときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 図34の状態から論理アドレスLA8,LA9(退避ブロックにあるデータ以外のアドレス)にデータC0〜C7を書き込む動作過程において最初に退避ブロックにある有効データを対応する物理ロックに書き戻したときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 図35に続けて退避ブロックMA0〜MA3を消去したときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 図36に続けて論理アドレスLA8〜LA11に対応する物理アドレスPA4、PA5の物理ブロックを退避ブロックMA0〜MA3の上位側に退避したときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 図37に続けて物理アドレスPA4、PA5の物理ブロックを消去したときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 図38に続けて物理アドレスPA4,PA5の物理ブロック上位(論理アドレスLA8,LA9割り当て)にデータC0〜C7を書き込んだときのメモリアレイの状態を示す説明図である。 図39に続けて論理アドレスLA8,LA9にデータC8〜CFを書き込む場合に追加書き込みによりデータの書き込み等を行なったときのメモリアレイの状態を示す説明図である。
符号の説明
1 メモリカード
2 フラッシュメモリ
5 カードコントローラ
6 ホストコンピュータ
20 不揮発性メモリアレイ
21 アドレス変換テーブル
22 退避領域(退避ブロック)
23 物理アドレス領域(物理ブロック)
DAT データ領域
FLG 管理領域のフラグ情報
ADL 管理領域の論理アドレス情報
BNK0〜BNK3 メモリバンク
FARY0〜FARY3 フラッシュメモリアレイ
BMRY0〜BMRY3 バッファメモリ

Claims (23)

  1. 電気的に書き換え可能な不揮発性メモリとメモリ制御及び外部インタフェース制御を行なうカードコントローラとを有し、
    前記不揮発性メモリは、不揮発性記憶領域として論理アドレスに対応される物理アドレス領域と物理アドレス領域の退避に用いられる退避領域とを備えた不揮発性メモリ部を有し、
    前記カードコントローラは、所要の論理アドレスに対するデータの書き換え指示に応答してその論理アドレスに対応される所定の物理アドレス領域のデータを前記退避領域にバックアップした後当該物理アドレス領域の書き換えを行い、当該物理アドレス領域の書き換えが不完全であったときは前記退避領域のバックアップデータによって当該物理アドレス領域への書き戻しを行なう、メモリカード。
  2. 前記物理アドレス領域の書き換え不完全とは、電源遮断による物理アドレス領域に割り当てられているメモリセルのしきい値電圧がディプリート状態となっていることを意味する、請求項1記載のメモリカード。
  3. 前記物理アドレス領域の書き換え不完全とは、物理アドレス領域における正当な書き込みデータ不存在を意味する、請求項1記載のメモリカード。
  4. 前記不揮発性記憶領域として、論理アドレスと物理アドレスの対応テーブルを有し、
    前記物理アドレス領域と退避領域は夫々データ領域とデータ領域の管理領域とを有し、
    前記管理領域は対応するデータ領域が保有するデータの論理アドレスを保持する、請求項1記載のメモリカード。
  5. 前記管理領域は更に、対応するデータ領域が保持するデータの有効性を示すためのフラグ情報を保持する、請求項4記載のメモリカード。
  6. 前記データの書き換えは前記不揮発性記憶領域に対する消去処理と書き込み処理によって行われ、
    前記物理アドレス領域と退避領域は一括消去可能な消去処理単位とされ、消去処理単位は書き込みデータ単位の複数倍の大きさを有し、
    前記フラグ情報は、前記書き込みデータ単位毎にそのデータの有効性を示すことができる複数ビットを有する、請求項5記載のメモリカード。
  7. 前記カードコントローラは、前記不揮発性記憶領域に対する書き換えにおいて前記消去処理単位のデータサイズよりも書き換えに係る書込みデータサイズが小さいとき、前記書き込み処理において前記消去単位に対して書き換えに係る書込みデータが与えられない記憶領域は消去状態に維持し、前記消去状態に維持される前憶領域の書き換え前のデータを退避領域上で有効に維持する、請求項6記載のメモリカード。
  8. 前記カードコントローラは、前記不揮発性記憶領域に対する書き換えにおいて前記消去処理単位のデータサイズよりも書き換えに係る書込みデータサイズが小さいデータの書き込み処理後に、別の物理アドレス領域の書き換えを行なうとき、退避領域が既に保持する有効なバックアップデータを書き戻す処理を行なった後に、当該次の書き込み物理アドレスのデータを退避領域にバックアップする、請求項7記載のメモリカード。
  9. 前記カードコントローラは、所要の論理アドレスに対するデータの読み出し指示に応答してその論理アドレスに対応される所定の物理アドレス領域の有効性が確認できないとき、前記退避領域がその論理アドレスのデータを保有することを確認して、当該退避領域のデータを外部に出力する、請求項5記載のメモリカード。
  10. 前記物理アドレス領域の書き換えが不完全であったときに行う前記退避領域から当該物理アドレス領域へのバックアップデータの書き戻しは、パワーオンリセットに応答して可能にされる、請求項1記載のメモリカード。
  11. 前記物理アドレス領域の書き換えが不完全であったときに行う前記退避領域から当該物理アドレス領域へのバックアップデータの書き戻しは、ディプリートチェックコマンドの実行結果に応答して可能にされる、請求項2記載のメモリカード。
  12. 前記不揮発性メモリは、前記不揮発性メモリ部とこれに対応する揮発性バッファ部をそれぞれ複数組有し、前記不揮発性メモリ部の消去単位は書き込み単位の複数倍であり、それぞれの揮発性バッファ部は前記書き込み単位の記憶容量を有し、
    前記不揮発性メモリは、前記カードコントローラから与えられる記憶情報の書換え動作指示に対して、書換え対象の不揮発性メモリ部及びそれと異なる不揮発性メモリ部の双方の揮発性バッファ部に書換え対象とされる物理アドレス領域の記憶データを一時的に格納し、前記カードコントローラは、前記揮発性バッファ部に一時的に格納されたデータを、それぞれの揮発性バッファ部に対応する不揮発性メモリ部の退避領域に書込み制御する、請求項6記載のメモリカード。
  13. 電気的に書き換え可能な不揮発性メモリとメモリ制御及び外部インタフェース制御を行なうカードコントローラとを有し、
    前記不揮発性メモリは、不揮発性記憶領域として論理アドレスに対応される物理アドレス領域と物理アドレス領域の退避に用いられる退避領域とを備えた不揮発性メモリ部を有し、
    前記カードコントローラは、所定のタイミングで前記退避領域が保有するデータの正当性を確認したときその退避領域にバックアップされているデータに対応される物理アドレス領域が保有するデータの正当性を判断し、不当であることを認識したときは前記退避領域のバックアップデータによって当該物理アドレス領域への書き戻しを行なう、ことを特徴とするメモリカード。
  14. 前記退避領域が保有するデータの正当性とは、前記退避領域における有効なバックアップデータの不存在を意味する、請求項13記載のメモリカード。
  15. 前記物理アドレス領域が保有するデータの不当性を認識したとき行なう前記退避領域から当該物理アドレス領域へのバックアップデータの書き戻しは、パワーオンリセットに応答して可能にされる、請求項13記載のメモリカード。
  16. 前記物理アドレス領域が保有するデータの不当性を認識したとき行なう前記退避領域から当該物理アドレス領域へのバックアップデータの書き戻しは、ディプリートチェックコマンドの実行結果に応答して可能にされる、請求項13記載のメモリカード。
  17. 前記カードコントローラは、所要の論理アドレスに対するデータの書き換え指示に応答してその論理アドレスに対応される所定の物理アドレス領域のデータを前記退避領域にバックアップした後当該物理アドレス領域の書き換えを行う、請求項13記載のメモリカード。
  18. 前記不揮発性記憶領域として、論理アドレスと物理アドレスの対応テーブルを有し、
    前記物理アドレス領域と退避領域は夫々データ領域とデータ領域の管理領域とを有し、
    前記管理領域は対応するデータ領域が保有するデータの論理アドレスを保持する、請求項17記載のメモリカード。
  19. 前記管理領域は更に、対応するデータ領域が保持するデータの有効性を示すためのフラグ情報を保持する、請求項18記載のメモリカード。
  20. 前記データの書き換えは前記不揮発性記憶領域に対する消去処理と書き込み処理によって行われ、
    前記物理アドレス領域と退避領域は一括消去可能な消去処理単位とされ、消去処理単位は書き込みデータ単位の複数倍の大きさを有し、
    前記フラグ情報は、前記書き込みデータ単位毎にそのデータの有効性を示すことができる複数ビットを有する、請求項19記載のメモリカード。
  21. 前記カードコントローラは、前記不揮発性記憶領域に対する書き換えにおいて前記消去処理単位のデータサイズよりも書き換えに係る書込みデータサイズが小さいとき、前記書き込み処理において前記消去単位に対して書き換えに係る書込みデータが与えられない記憶領域は消去状態に維持し、前記消去状態に維持される前憶領域の書き換え前のデータを退避領域上で有効に維持する、請求項20記載のメモリカード。
  22. 前記カードコントローラは、前記不揮発性記憶領域に対する書き換えにおいて前記消去処理単位のデータサイズよりも書き換えに係る書込みデータサイズが小さいデータの書き込み処理後に、別の物理アドレス領域の書き換えを行なうとき、退避領域が既に保持する有効なバックアップデータを書き戻す処理を行なった後に、当該次の書き込み物理アドレスのデータを退避領域にバックアップする、請求項21記載のメモリカード。
  23. 前記不揮発性メモリは、前記不揮発性メモリ部とこれに対応する揮発性バッファ部をそれぞれ複数組有し、前記不揮発性メモリ部の消去単位は書き込み単位の複数倍であり、それぞれの揮発性バッファ部は前記書き込み単位の記憶容量を有し、
    前記不揮発性メモリは、前記カードコントローラから与えられる記憶情報の書換え動作指示に対して、書換え対象の不揮発性メモリ部及びそれと異なる不揮発性メモリ部の双方の揮発性バッファ部に書換え対象とされる物理アドレス領域の記憶データを一時的に格納し、前記カードコントローラは、前記揮発性バッファ部に一時的に格納されたデータを、それぞれの揮発性バッファ部に対応する不揮発性メモリ部の退避領域に書込み制御する、請求項20記載のメモリカード。
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