JP2005255628A - 有機ホスホン酸ジハライドの製造方法 - Google Patents

有機ホスホン酸ジハライドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
樹脂材料モノマーとして注目されている有機ホスホン酸ジハライドを作業性良く工業的に製造する方法を提供する。
【解決手段】
下記一般式(1)
【化1】
Figure 2005255628

(式中、Rは炭素数1〜20の脂肪族基、脂環族基、芳香族基およびアルコキシ基からなる郡から選ばれた炭化水素基を表す)で表される有機ホスフィンに水を加え、次にハロゲンを作用させることにより、下記一般式(2)
【化2】
Figure 2005255628

(式中、Rは前記に同じ、Xはハロゲンを表す)で表される有機ホスホン酸ジハライドを単一工程で製造する。

Description

本発明は、光学特性、透明性、耐熱性、低吸湿性、難燃性、電気的特性などに優れた樹脂材料モノマーとして注目されている、有機ホスホン酸ジハライドの製造法に関するものである。
有機ホスホン酸ジハライドの合成法としては、トリアルキルホスファイトとハロゲン化アルキルからアルブゾフ(Arbusow)反応により有機ホスホン酸ジアルキルを合成し、続いて塩化チオニルなどを作用させてエステル部分をハロゲン化し当該化合物を得る方法(特許文献1)、ホスホン酸ジアルキルとオレフィン類からラジカル反応により有機ホスホン酸ジアルキルを得、前項と同様にハロゲン化して当該化合物を得る方法(非特許文献1)、オキシ塩化リンとアルキルマグネシウムハライドからグリニヤ反応により当該化合物を得る方法などが知られているが、収率の低さおよび副生物の多さなどの点で工業化に適した製造方法はいまだ確立されていない。また、有機ホスフィンジハライドと有機ホスホン酸をハロゲンを介して反応させ当該化合物を得る方法が知られている(特許文献2)。
有機ホスフィンを原料とする場合には次の4つの方法が既に知られており、または容易に考えることができる。
第一の方法は、有機ホスフィンをハロゲンと反応させ、三価の有機ホスフィンジハライドにし、続いて酸素を吹き込んで酸化し、当該化合物を得る方法であるが、酸素酸化の反応が思いの他遅く、工業的生産に向いているとは言いがたい。
第二の方法として、有機ホスフィンをハロゲンと反応させ、三価の有機ホスフィンジハライドにし、続いて前述の特許文献1の方法と同じく一部を完全加水分解物である有機ホスホン酸とし、つづいてこれら2種の化合物をハロゲンを介して反応させ当該化合物を得る方法が容易に想像しうるが、この場合反応に少なくとも3工程を要する。
第三の方法として、有機ホスフィンをヘキサクロロエタン、五塩化リン、塩化スルフリルなどと反応させて当該化合物を得る方法が知られている(非特許文献2)。しかしこれらの方法は、有機ホスフィンから単一の工程で当該化合物を得る便利な方法であるものの、 ヘキサクロロエタンではテトラクロロエチレン、五塩化リンではオキシ塩化リン、塩化スルフリルでは塩化チオニル、亜硫酸ガスという、厄介な副生物が多量に生成するため、工業生産に向いているとは言いがたい。
第四の方法として、有機ホスフィンをハロゲンと反応させ、五価のホスホランにし、続いて水を加えて部分的に加水分解して当該化合物を得る方法が知られている(非特許文献3)。
しかし、上記非特許文献3の方法では、明瞭なる技術的な困難性(obvious difficulties of technique)のために工業的スケールでの実施がままならないと記載されている。ここで、明瞭なる技術的な困難性としては、かつて有機ホスフィンを工業的に得る技術が確立されておらず原料の入手が困難であったことの他、中間体の五価のホスホラン型化合物に水を加え部分的に加水分解をする際の反応性が激烈であり、反応の制御が困難であるなど作業性が悪いことが挙げられる。上記非特許文献3に記載の方法では、あくまでも塩素化を先に行ない、五価のホスホラン化合物を中間体としなければならないという前提の上に立っている。なぜならば、塩素仕込み前に水が存在すると不完全な加水分解物が生成し、目的物をとても高収率では得られないという予断が同業者の間にはあったからである。その結果、反応に2工程を要し、また五価のホスホラン化合物を水と直接反応させるという激烈な反応工程を経なければならず、作業性は悪かった。
よって、有機ホスフィンを原料とし、反応を作業性良く工業的に行なうことのできる製造方法が求められていた。
米国特許4,213,922 第1頁 米国特許3,829,480 第1頁 Phosphorus,Sulfur,and Silicon 115巻 1996年 第241-254頁 Z.anorg.allg.Chem. 548巻 1987年 第55-62頁 Gennady M.Kosolapoff,"Organophosphorus Compounds" 1950年 第61-62頁
本発明者らは、有機ホスフィン化合物を原料とし、有機ホスホン酸クロライドを工業的に製造する方法について鋭意検討した結果、驚くべきことに、水を先に入れ、ここにハロゲンを仕込むことにより、温和に反応が進行し、作業性よく当該化合物を得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第一の発明は、下記一般式(1)
Figure 2005255628
(ただし、Rは炭素数1〜20の脂肪族基、脂環族基、芳香族基およびアルコキシ基からなる群から選ばれた炭化水素基を表わす)で示される有機ホスフィン化合物を含有する溶液に水を加え、次にハロゲンを作用させる下記一般式(2)
Figure 2005255628
(ただし、Rは前記と同義、Xは塩素、臭素、ヨウ素を表わす)で示される有機ホスホン酸ジハライドの製造方法に関するものである。
本発明の第二の発明は、前記第一の発明のハロゲンを作用させた後にさらに水を加える有機ホスホン酸ジハライドの製造方法に関するものである。
前記第一の発明及び第二の発明において使用する水の量は、原料の有機ホスフィン1モルに対して0.5〜1.5倍モルであることが好ましい。また、使用するハロゲンの量は、原料の有機ホスフィン1モルに対して2.5〜4倍モルであることが好ましい。
本発明により、光学特性、透明性、耐熱性、低吸湿性、難燃性、電気的特性などに優れた樹脂材料モノマーとして注目されている、有機ホスホン酸ジハライドを温和な条件で作業性良く工業的に製造することができる。
本発明は、下記一般式(1)
Figure 2005255628
で表される有機ホスフィン化合物を含有する溶液に水を加え、次にハロゲンを作用させることにより下記一般式(2)
Figure 2005255628
で表される有機ホスホン酸ジハライドを製造する方法であり、ハロゲンが塩素の例を反応式で表すと以下の通りである。
Figure 2005255628
本発明で原料として使用する前記一般式(1)で表される有機ホスフィン化合物において、Rは、炭素数1〜20の脂肪族基、脂環族基、芳香族基およびアルコキシ基からなる群から選ばれた炭化水素基を示す。炭素数1〜20の脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、tert−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ドデシル基、イソドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基を挙げることができる。脂環族基としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基を挙げることができる。芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基を挙げることができるが、かかる芳香族基はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン等の置換基を有していてもよい。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、t−ブトキシ基、フェニレン基を挙げることができる。
前記一般式(1)において、Xは塩素、臭素、ヨウ素を表わす。
前記一般式(1)で示される有機ホスフィン化合物としては、例えば、メチルジクロロホスフィン、エチルジクロロホスフィン、n−プロピルジクロロホスフィン、イソプロピルジクロロホスフィン、n−ブチルジクロロホスフィン、tert−ブチルジクロロホスフィン、sec−ブチルジクロロホスフィン、イソブチルジクロロホスフィン、n−ペンチルジクロロホスフィン、n−ヘキシルジクロロホスフィン、イソヘキシルジクロロホスフィン、n−ヘプチルジクロロホスフィン、n−オクチルジクロロホスフィン、イソオクチルジクロロホスフィン、tert−オクチルジクロロホスフィン、n−ノニルジクロロホスフィン、n−デシルジクロロホスフィン、イソデシルジクロロホスフィン、n−ドデシルジクロロホスフィン、イソドデシルジクロロホスフィン、n−テトラデシルジクロロホスフィン、n−ヘキサデシルジクロロホスフィン、n−オクタデシルジクロロホスフィン、n−エイコシルジクロロホスフィン、シクロブチルジクロロホスフィン、シクロペンチルジクロロホスフィン、シクロヘキシルジクロロホスフィン、ノルボルニルジクロロホスフィン、フェニルジクロロホスフィン、ナフチルジクロロホスフィン、ビフェニルジクロロホスフィン、メトキシジクロロホスフィン、エトキシジクロロホスフィン、n−プロポキシジクロロホスフィン、t−ブトキシジクロロホスフィン、フェニレンジクロロホスフィン、メチルジブロモホスフィン、エチルジブロモホスフィン、n−プロピルジブロモホスフィン、イソプロピルジブロモホスフィン、n−ブチルジブロモホスフィン、tert−ブチルジブロモホスフィン、sec−ブチルジブロモホスフィン、イソブチルジブロモホスフィン、n−ペンチルジブロモホスフィン、n−ヘキシルジブロモホスフィン、イソヘキシルジブロモホスフィン、n−ヘプチルジブロモホスフィン、n−オクチルジブロモホスフィン、イソオクチルジブロモホスフィン、tert−オクチルジブロモホスフィン、n−ノニルジブロモホスフィン、n−デシルジブロモホスフィン、イソデシルジブロモホスフィン、n−ドデシルジブロモホスフィン、イソドデシルジブロモホスフィン、n−テトラデシルジブロモホスフィン、n−ヘキサデシルジブロモホスフィン、n−オクタデシルジブロモホスフィン、n−エイコシルジブロモホスフィン、シクロブチルジブロモホスフィン、シクロペンチルジブロモホスフィン、シクロヘキシルジブロモホスフィン、ノルボルニルジブロモホスフィン、フェニルジブロモホスフィン、ナフチルジブロモホスフィン、ビフェニルジブロモホスフィン、メトキシジブロモホスフィン、エトキシジブロモホスフィン、n−プロポキシジブロモホスフィン、t−ブトキシジブロモホスフィン、フェニレンジブロモホスフィン、メチルジアイオダイドホスフィン、エチルジアイオダイドホスフィン、n−プロピルジアイオダイドホスフィン、イソプロピルジアイオダイドホスフィン、n−ブチルジアイオダイドホスフィン、tert−ブチルジアイオダイドホスフィン、sec−ブチルジアイオダイドホスフィン、イソブチルジアイオダイドホスフィン、n−ペンチルジアイオダイドホスフィン、n−ヘキシルジアイオダイドホスフィン、イソヘキシルジアイオダイドホスフィン、n−ヘプチルジアイオダイドホスフィン、n−オクチルジアイオダイドホスフィン、イソオクチルジアイオダイドホスフィン、tert−オクチルジアイオダイドホスフィン、n−ノニルジアイオダイドホスフィン、n−デシルジアイオダイドホスフィン、イソデシルジアイオダイドホスフィン、n−ドデシルジアイオダイドホスフィン、イソドデシルジアイオダイドホスフィン、n−テトラデシルジアイオダイドホスフィン、n−ヘキサデシルジアイオダイドホスフィン、n−オクタデシルジアイオダイドホスフィン、n−エイコシルジアイオダイドホスフィン、シクロブチルジアイオダイドホスフィン、シクロペンチルジアイオダイドホスフィン、シクロヘキシルジアイオダイドホスフィン、ノルボルニルジアイオダイドホスフィン、フェニルジアイオダイドホスフィン、ナフチルジアイオダイドホスフィン、ビフェニルジアイオダイドホスフィン、メトキシジアイオダイドホスフィン、エトキシジアイオダイドホスフィン、n−プロポキシジアイオダイドホスフィン、t−ブトキシジアイオダイドホスフィン、フェニレンジアイオダイドホスフィンを挙げることができる。
前記一般式(1)で示される有機ホスフィン化合物は、市販のものを用いることができ、または特開平1−113397号または特開2002−255983号に記載の方法に従い、オレフィンとホスフィンを触媒の存在下反応させることにより製造して用いることもできる。
前記一般式(1)で示される有機ホスフィン化合物は、単一の構造のものを用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。また、前記一般式(1)で示される有機ホスフィンが溶液で得られる場合は、そのまま用いることもできるし、溶媒を除去して用いることもできる。
本発明で使用する水は、通常の水道水を用いることもできるし、脱イオン水等精製したものを用いることもできる。
本発明で使用するハロゲンは、塩素、臭素、ヨウ素等の単体物であり、ガス状または液体のものを使用することができ、これらを溶媒に溶かして使用することもできる。
次に、本発明の製造方法について説明する。まず、反応容器を窒素ガス等の不活性ガスで置換した後、一般式(1)で示される有機ホスフィン化合物を反応装置に仕込む。有機ホスフィン化合物は酸化されやすいため、不活性ガス雰囲気下等で仕込み及び以下の反応を行なう。反応装置は、攪拌装置、ガス置換装置及び温度計測装置のついたものを用いる。
反応は、溶媒中でまたは無溶媒で行うことができる。使用することのできる溶媒としては、ヘキサン、トルエン、クロロホルム、ジオキサンなど、原料であるハロゲン及び有機ホスフィン化合物や生成する有機ホスホン酸ジハライドとの反応性が小さい溶媒を用いることができ、これらは一種又は二種以上用いてもよい。また、前述の有機ホスフィンが溶液で得られる場合は、そのまま用いることもできる。
有機ホスフィン化合物を攪拌しながら、水を加える。この際に加える水の量は、原料の有機ホスフィン化合物1モルに対して0.5〜1.5倍モル、好ましくは0.8〜1.0倍モルが望ましい。水の量が1.5倍モルより多すぎると、目的生成物が加水分解されてしまうため、好ましくない。また、0.5倍モルより少ないと、目的物の酸化が完結しないため、好ましくない。なお、使用する水の量は、反応雰囲気中の水分の量を差し引いて算出する。また、後述するように反応が完結するために不足する水を後から追加することもできる。
有機ホスフィン化合物と水の混合物の温度を0〜20℃、好ましくは0〜10℃に調整する。有機ホスフィン化合物と水が十分攪拌されていることを確認し、ハロゲンを加える。有機ホスフィン化合物の種類によっては、ハロゲンを加えると発熱し反応液の温度が上がるため、ハロゲンの吹き込み速度を遅くする等して、反応液の温度が前記温度範囲内となるように調整することが好ましい。
使用するハロゲンの量は、原料である有機ホスフィン化合物に対して2.5〜4倍モル、好ましくは3〜3.5倍モルである。ハロゲンの量が4倍モルより多いと、原料である有機ホスフィン化合物や生成物である有機ホスホン酸ジクロライドの有機基がハロゲンにより虐待され、ハロゲン置換を起こすため、好ましくない。一方、ハロゲンの量が2.5倍モルより少ないと、反応中間体が生成物中に残存するため、好ましくない。
ハロゲンを加える際の温度は0〜20℃、好ましくは0〜10℃である。温度が20℃以上である場合は、有機ホスフィン化合物の蒸気圧が高くなり、危険であるため好ましくない。また、反応温度が0℃以下である場合は、反応溶液中に含まれる水が凝固することから、好ましくない。有機ホスフィン化合物の種類によっては、反応速度が速く、ハロゲンの吹き込みとほぼ同時に反応が進行し、ハロゲンの吹き込みが終了した後の熟成が必要ないものもあるが、必要であれば熟成を行う。熟成時間は0〜3時間、好ましくは0〜1時間である。
反応液を分析し、水の量が不足しているために反応が完結していない場合には、水を追加して仕込むことができる。反応液に水を入れる際にはハロゲンガスが発生し激しく発泡するため、少量づつ加えることが好ましい。また、できるだけ最初に必要量を仕込んで追加の水の量を少なくすることが作業性の面から好ましい。
反応終了後、蒸留または再結晶を行い、目的物である有機ホスホン酸ジクロライドを得ることができる。
反応系内での反応の過程は明らかではないが、ハロゲン仕込み途中の過程においてはさまざまな中間体が存在することが判明している。中間体としては加水分解しすぎたもの、ハロゲン化しすぎたもの等であり、最終的にはこれらの加水分解しすぎたものおよびハロゲン化しすぎたものがお互い酸素原子とハロゲン原子を融通しあってすべてが最もエネルギー準位の低い当該化合物に落ち着くと考えられる。
本発明の方法で得られる有機ホスホン酸ジクロライドは、前記一般式(2)で表され、例えば、メチルホスホン酸ジクロライド、エチルホスホン酸ジクロライド、n−プロピルホスホン酸ジクロライド、イソプロピルホスホン酸ジクロライド、n−ブチルホスホン酸ジクロライド、tert−ブチルホスホン酸ジクロライド、sec−ブチルホスホン酸ジクロライド、イソブチルホスホン酸ジクロライド、n−ペンチルホスホン酸ジクロライド、n−ヘキシルホスホン酸ジクロライド、イソヘキシルホスホン酸ジクロライド、n−ヘプチルホスホン酸ジクロライド、n−オクチルホスホン酸ジクロライド、イソオクチルホスホン酸ジクロライド、tert−オクチルホスホン酸ジクロライド、n−ノニルホスホン酸ジクロライド、n−デシルホスホン酸ジクロライド、イソデシルホスホン酸ジクロライド、n−ドデシルホスホン酸ジクロライド、イソドデシルホスホン酸ジクロライド、n−テトラデシルホスホン酸ジクロライド、n−ヘキサデシルホスホン酸ジクロライド、n−オクタデシルホスホン酸ジクロライド、n−エイコシルホスホン酸ジクロライド、シクロブチルホスホン酸ジクロライド、シクロペンチルホスホン酸ジクロライド、シクロヘキシルホスホン酸ジクロライド、ノルボルニルホスホン酸ジクロライド、フェニルホスホン酸ジクロライド、ナフチルホスホン酸ジクロライド、ビフェニルホスホン酸ジクロライド、メトキシホスホン酸ジクロライド、エトキシホスホン酸ジクロライド、n−プロポキシホスホン酸ジクロライド、t−ブトキシホスホン酸ジクロライド、フェニレンホスホン酸ジクロライド、メチルホスホン酸ジブロマイド、エチルホスホン酸ジブロマイド、n−プロピルホスホン酸ジブロマイド、イソプロピルホスホン酸ジブロマイド、n−ブチルホスホン酸ジブロマイド、tert−ブチルホスホン酸ジブロマイド、sec−ブチルホスホン酸ジブロマイド、イソブチルホスホン酸ジブロマイド、n−ペンチルホスホン酸ジブロマイド、n−ヘキシルホスホン酸ジブロマイド、イソヘキシルホスホン酸ジブロマイド、n−ヘプチルホスホン酸ジブロマイド、n−オクチルホスホン酸ジブロマイド、イソオクチルホスホン酸ジブロマイド、tert−オクチルホスホン酸ジブロマイド、n−ノニルホスホン酸ジブロマイド、n−デシルホスホン酸ジブロマイド、イソデシルホスホン酸ジブロマイド、n−ドデシルホスホン酸ジブロマイド、イソドデシルホスホン酸ジブロマイド、n−テトラデシルホスホン酸ジブロマイド、n−ヘキサデシルホスホン酸ジブロマイド、n−オクタデシルホスホン酸ジブロマイド、n−エイコシルホスホン酸ジブロマイド、シクロブチルホスホン酸ジブロマイド、シクロペンチルホスホン酸ジブロマイド、シクロヘキシルホスホン酸ジブロマイド、ノルボルニルホスホン酸ジブロマイド、フェニルホスホン酸ジブロマイド、ナフチルホスホン酸ジブロマイド、ビフェニルホスホン酸ジブロマイド、メトキシホスホン酸ジブロマイド、エトキシホスホン酸ジブロマイド、n−プロポキシホスホン酸ジブロマイド、t−ブトキシホスホン酸ジブロマイド、フェニレンホスホン酸ジブロマイド、メチルホスホン酸ジアイオダイド、エチルホスホン酸ジアイオダイド、n−プロピルホスホン酸ジアイオダイド、イソプロピルホスホン酸ジアイオダイド、n−ブチルホスホン酸ジアイオダイド、tert−ブチルホスホン酸ジアイオダイド、sec−ブチルホスホン酸ジアイオダイド、イソブチルホスホン酸ジアイオダイド、n−ペンチルホスホン酸ジアイオダイド、n−ヘキシルホスホン酸ジアイオダイド、イソヘキシルホスホン酸ジアイオダイド、n−ヘプチルホスホン酸ジアイオダイド、n−オクチルホスホン酸ジアイオダイド、イソオクチルホスホン酸ジアイオダイド、tert−オクチルホスホン酸ジアイオダイド、n−ノニルホスホン酸ジアイオダイド、n−デシルホスホン酸ジアイオダイド、イソデシルホスホン酸ジアイオダイド、n−ドデシルホスホン酸ジアイオダイド、イソドデシルホスホン酸ジアイオダイド、n−テトラデシルホスホン酸ジアイオダイド、n−ヘキサデシルホスホン酸ジアイオダイド、n−オクタデシルホスホン酸ジアイオダイド、n−エイコシルホスホン酸ジアイオダイド、シクロブチルホスホン酸ジアイオダイド、シクロペンチルホスホン酸ジアイオダイド、シクロヘキシルホスホン酸ジアイオダイド、ノルボルニルホスホン酸ジアイオダイド、フェニルホスホン酸ジアイオダイド、ナフチルホスホン酸ジアイオダイド、ビフェニルホスホン酸ジアイオダイド、メトキシホスホン酸ジアイオダイド、エトキシホスホン酸ジアイオダイド、n−プロポキシホスホン酸ジアイオダイド、t−ブトキシホスホン酸ジアイオダイド、フェニレンホスホン酸ジアイオダイドを挙げることができる。
本発明の方法は、反応を単一工程(ワンポット)で行える点及び作業性の面で従来の製造方法より優れる。後に比較例として述べるが、従来の方法では、ハロゲンが塩素の例として下記反応式(2)
Figure 2005255628
で示されるように、反応に2工程を要し、中間体として生成する五価のホスホランの溶解性が悪く、溶媒置換を必要とすることがある。また、水仕込み時のハロゲン化水素ガス発生による発泡が激烈であり、その結果反応容器の内圧が高まり、水を仕込む際に細心の注意を必要とする。一方、本件特許発明の方法では、単一工程で製造することができ、反応中で多くのリン成分が溶解性の良い部分的加水分解物として存在するため溶解性の悪い五価のホスホランが主成分となることがなく、溶媒置換の必要がない。また、ハロゲンガスの発生に関しては、従来例のように水を仕込む際に発生量の半量がいっぺんに発泡するのではなく、ハロゲン仕込み時の全時間を通じて比較的平均的に発生することから、従来例の場合ほどの注意を要せずとも反応を行なうことができる。
本発明の好ましい実施態様を、以下の実施例により説明する。
実施例1
<ノルボルニルホスホン酸ジクロリドの合成>
3L四つ口フラスコに機械攪拌棒、塩素仕込み口、温度計、排気口を備え付けた。窒素気流下、3L四つ口フラスコにノルボルニルホスフィン-トルエン溶液(含量26.8%)を1882g(3.9M、1eq)、および水64g(3.5M、0.90eq)を仕込んだ。排気は生成する塩酸ガスを苛性ソーダ水溶液にてトラップした後に行なった。攪拌、氷冷しながら塩素864g(12.2M、3.09eq)を6時間15分かけて仕込んだ。この際の反応容器内の温度が5〜10℃となるように制御した。塩素仕込み後の反応液の31P-NMR分析結果は、ノルボルニルホスフィン(-116ppm)が100%の割合でノルボルニルホスホン酸ジクロリド(56ppm)に転化したことを示していた。反応液を濃縮後、蒸留してノルボルニルホスホン酸ジクロリドを無色液体として得た。収量756g、収率90.1%、GC純度99.1%。bp116-117℃、2mmHg
実施例2
<シクロヘキシルホスホン酸ジクロリドの合成>
シクロヘキシルホスフィン-トルエン溶液(含量64.7%)18.87g(105M、1eq)を実施例1と同様の方法で水1.64g(91.1M、0.87eq)および塩素21.4g(302mM、2.87eq)と処理し、シクロヘキシルホスホン酸ジクロリドを無色液体(冷却すると固化)として得た。収量17.00g、収率80.4%、GC純度97.1%。bp69-70℃、0.5mmHg
実施例3
<ターシャリーブチルホスホン酸ジクロリドの合成>
ターシャリーブチルホスフィン-クロロホルム溶液(含量14.6%)162.8g(264M、1eq)を実施例1と同様の方法で水4.13g(229M、0.87eq)および塩素65.0g(917mM、3.47eq)と処理し、ヘキサンから再結晶を行い、ターシャリーブチルホスホン酸ジクロリドをフレーク状固体として得た。収量45.8g、収率99.2%、31P-NMR純度94%
実施例4
<シクロヘキシルホスホン酸ジクロリドの合成>
シクロヘキシルホスフィン-トルエン溶液(含量64.7%)17.95g(100mM、1eq)を実施例1と同様の方法で水1.08g(60mM、0.6eq)及び塩素21.3g(300mM、3.0eq)と処理した。反応液の31P-NMR分析結果は、リン成分の70%がシクロヘキシルホスホン酸ジクロリド、30%がシクロヘキシルテトラクロロホスホランであることを示していた。このため、不足量の水0.46g(26mM、0.26eq)を少量づつ添加した。水を入れたときは激しく発泡したが、既に水が入っているため、必要量の全量を後から加える比較例に比べると発泡の激しさは低いものであった。水を添加後分析すると、100%がシクロヘキシルホスホン酸ジクロリドに転化されていた。溶媒留去後、減圧蒸留してシクロヘキシルホスホン酸ジクロリドを無色透明液体として得た。この液体は室温まで冷却すると固化した。収量16.08g、収率80.0%、GC純度98.0%
比較例
比較例として、必要な水の全量を後から入れる従来の製造方法を示す。
<ノルボルニルホスホン酸ジクロリドの合成>
500mL四つ口フラスコに機械攪拌棒、塩素仕込み口、温度計、排気口を備え付けた。500mL四つ口フラスコにノルボルニルホスフィン-トルエン溶液(含量6.7%)212.05g(111mM)入れ、氷冷下塩素を仕込んだ。排気は生成する塩酸ガスを苛性ソーダ水溶液にてトラップした後に行なった。発熱量が大きく、容器内の温度が0〜10℃になるように制御した。塩素25.5g(359mM、3.24eq)を仕込んだ。反応液は2層に分離したためトルエン留去し溶媒をメチレンジクロリドに溶媒置換したところ均一溶液となった。氷冷下水を滴下した。発熱量は非常に大きく、また激しく発泡した。反応容器内の温度が0〜10℃になるように制御した。続いて水1.82g(98.8mM、0.89eq)を仕込んだ。反応後、濃縮し、蒸留して、ノルボルニルホスホン酸ジクロリドを無色液体として得た。収量20.67g、収率87.4%、GC純度98.1%。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2005255628
    (ただし、Rは炭素数1〜20の脂肪族基、脂環族基、芳香族基およびアルコキシ基からなる群から選ばれた炭化水素基を表わす)で示される有機ホスフィン化合物を含有する溶液に水を加え、次にハロゲンを作用させる下記一般式(2)
    Figure 2005255628
    (ただし、Rは前記と同義、Xは塩素、臭素、ヨウ素を表わす)で示される有機ホスホン酸ジハライドの製造方法。
  2. ハロゲンを作用させた後にさらに水を加える請求項1に記載の製造方法。
  3. ハロゲンを作用させる前に加える水の量が原料の有機ホスフィン1モルに対して0.5〜1.5倍モルである請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 使用するハロゲンの量が原料の有機ホスフィン1モルに対して2.5〜4倍モルである請求項1または2に記載の製造方法。
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