JP2005254993A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ベルト層のセパレーションが発生してもバーストに至ることを抑制することができる空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】 本発明に係る空気入りラジアルタイヤ10は、タイヤ周方向に沿ってカーカス層22を補強する1本または2本以上の補強コード25cが用いられたカーカス補強層25を備え、カーカス補強層25が、カーカス層22に隣接するとともに、交錯ベルト層24とインナーライナー26との間に設けられており、補強コード25cに働く張力が、空気入りラジアルタイヤ10に規定空気圧が充てんされた状態において、50N/コード1本以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カーカス層、少なくとも1層のベルト層、及びインナーライナーを有する空気入りラジアルタイヤに関し、特に、カーカス層を補強する補強層を用いてバーストに至ることを抑制することができるSUV用及び小形トラック用空気入りラジアルタイヤに関する。
いわゆるミニバンなどのSUV用空気入りラジアルタイヤや、小形トラック(LT)用空気入りラジアルタイヤは、充てんされる空気圧(内圧)が高く、乗用車用の空気入りラジアルタイヤと比較して厳しい条件で使用されるという特徴を有している。このため、ベルト層の耐久性の確保が難しく、ベルト層のセパレーションが発生し易い。
図6は、このような従来の空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルト層のセパレーションが発生〜進行する様子を説明するために、トレッド幅方向断面の一部を示した図である。
同図に示すように、上述した従来の空気入りラジアルタイヤの一例である空気入りラジアルタイヤ16は、その骨格を形成し、荷重や内圧に耐えてタイヤの形状を保持するラジアル構造のカーカス層22を有している。なお、空気入りラジアルタイヤ16は、タイヤ赤道線CLを中心として対称の構造を有している。
また、カーカス層22のタイヤ径方向外側には、カーカス層22を締めつける交錯ベルト層24(第1ベルト層24a及び第2ベルト層24b)が設けられている。
ここで、第1ベルト層24a(または第2ベルト層24b)のセパレーションは、まず、第1ベルト層24aの端部において発生する。同図において、位置Pは、セパレーションが発生する前における第1ベルト層24aの端部の位置を示している。一方、位置Pは、セパレーションが発生した後における第1ベルト層24aの端部の位置を示している。
この後、第1ベルト層24aのセパレーションがさらに進行し、第1ベルト層24aと第2ベルト層24bとの裂け目がタイヤ赤道線CL側に拡がると、第1ベルト層24aの他端部(不図示)から同様に進行してきた裂け目とつながる。
すなわち、第1ベルト層24aが、第2ベルト層24b及びカーカス層22から完全に剥離すると、図7に示すように、カーカス層22は、内圧や車両の荷重に耐え切れなくなり、空気入りラジアルタイヤ16は、バースト(図中の“B”)することとなる。
そこで、ベルト層のセパレーションを抑制するため、例えば、ベルト層のタイヤ径方向外側に、いわゆるキャッププライやキャップレイヤーなどのベルト補強層を付加して、ベルト層を3重などに重構造化する方法が用いられている(例えば、特許文献1)。
特開2002−第46411号公報(第3−4頁、第1図)
しかしながら、上述したような、キャッププライやキャップレイヤーが付加された従来の空気入りラジアルタイヤには、次のような問題があった。すなわち、このような従来の空気入りラジアルタイヤは、ミニバンや小形トラックなどに装着されるため、乗用車などと比較して、一般的に使用期間が長く、また、積載量や乗車人員の違いによる荷重の変動など、様々な条件下で使用されることが多い。
このように、空気入りラジアルタイヤにとって厳しい条件下では、キャッププライやキャップレイヤーが付加された従来の空気入りラジアルタイヤでも、ベルト層のセパレーションを完全に防止することができないといった問題があった。
また、ベルト層のセパレーションが進行し、ベルト層がカーカス層から剥離すると、トレッド部がタイヤ径方向外側に膨れるため、走行中に異常な音や振動が発生するようになる。このタイミングでセパレーションが発生した空気入りラジアルタイヤを交換することができればよいが、高速道路など、走行を継続しなければならない状況が生じ得る。
かかる場合、バーストの発生によってその形状を維持することができなくなった空気入りラジアルタイヤは、車両の荷重によって押し潰され、バーストによってコントロール能力を奪われた車両、特に、ミニバンや小形トラックなど、乗用車と比較して車高が高い車両は、転倒などの重大な危険に直面する可能性があるので問題となる。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、ベルト層のセパレーションが発生してもバーストに至ることを抑制することができる空気入りラジアルタイヤを提供することを目的とする。
上述した問題を解決するにあたって、発明者等は、まず、従来の空気入りラジアルタイヤにおけるバーストの発生メカニズムについて検討した。ここで、バーストとは、カーカス層を構成するラジアルコードに圧着されたゴムが、ラジアルコードに沿って裂けることよって、空気入りラジアルタイヤに充てんされた空気圧、つまり、内圧が一気にゴムの裂け目から流出し、ベルト層やトレッド部を突き破ることである。
より具体的には、ベルト層のセパレーションの進行によって、カーカス層のみが、内圧や車両の荷重による負荷を支えることとなったときであっても、カーカス層を構成するラジアルコード自体は、当該負荷を支えることができる能力を有している。
しかしながら、ラジアルコード間のゴムが当該負荷に耐えることができず、放射方向(ラジアル方向)に裂けてしまうのである(図7の符号“B”参照)。
かかる知見を踏まえ、発明者等は、カーカス層を周方向に沿って補強する補強層をカーカス層に隣接して配置すれば、わずかな補強であっても急激なバーストの発生を効果的に防止できることに着目したのである。
そこで、本発明は、次にような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、ラジアルコード(ラジアルコード22c)と前記ラジアルコードに圧着されたゴム(ゴム22g)から構成されるカーカス層(カーカス層22)、前記カーカス層よりもタイヤ径方向外側に位置する少なくとも1層のベルト層(第1ベルト層24a,第2ベルト層24b)、及び前記カーカス層よりもタイヤ径方向内側に位置するインナーライナー(インナーライナー26)を有する空気入りラジアルタイヤであって、タイヤ周方向に沿って前記カーカス層を補強する1本または2本以上の補強コード(補強コード25c)が用いられたカーカス補強層(カーカス補強層25)を備え、前記カーカス補強層が、前記カーカス層に隣接するとともに、前記ベルト層と前記インナーライナーとの間に設けられており、前記補強コードに働く張力が、前記空気入りラジアルタイヤに規定空気圧(例えば、JATMAによって規定される空気圧)が充てんされた状態において、50N/コード1本以下であることを要旨とする。
かかる特徴によれば、タイヤ周方向に沿ってカーカス層を補強する1本または2本以上の補強コードが用いられたカーカス補強層が前記カーカス層に隣接して設けられているため、わずかな補強によって、ベルト層のセパレーションが発生してもバーストに至ることを抑制することができる。
また、かかる特徴によれば、補強コードに働く張力が、空気入りラジアルタイヤに規定空気圧が充てんされた状態において、50N/コード1本以下となるため、空気入りラジアルタイヤのバーストによって補強コードが伸張された場合でも補強コードが破断伸び率に達することを防止することができる。
さらに、かかる特徴によれば、空気入りラジアルタイヤが正常な状態では、補強コードに不要な張力が働かないため、カーカス補強層の劣化を抑制すること、及び他の特性(例えば、ベルト層の曲げ剛性)に影響を与えることを回避することができる。
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴において、前記カーカス補強層が、タイヤ赤道線(タイヤ赤道線CL)を含む領域に設けられていることを要旨とする。
かかる特徴によれば、カーカス補強層がタイヤ赤道線を含む領域に設けられるため、カーカス層を構成するラジアルコード間のタイヤ周方向における間隔(G)が最も広く、バーストの起点となり易いタイヤ赤道線を含む領域を効果的に補強することができる。
本発明の第3の特徴は、本発明の第1または第2の特徴において、前記カーカス補強層のトレッド幅方向の長さ(W)が、タイヤ赤道線(タイヤ赤道線CL)上における前記ラジアルコード間のタイヤ周方向の間隔(G)よりも広いことを要旨とする。
かかる特徴によれば、カーカス補強層のトレッド幅方向の長さ(W)が、タイヤ赤道線上におけるラジアルコード間のタイヤ周方向の間隔(G)よりも広いため、ラジアルコード間のゴム部分がバーストすることを効果的に抑制することができる。つまり、カーカス補強層のトレッド幅方向の長さ(W)が、ラジアルコード間のタイヤ周方向の間隔(G)よりも短い場合、ラジアルコード間のゴム部分のバーストを防止する効果が少ないのである。
本発明の第4の特徴は、本発明の第1乃至第3の特徴において、前記補強コードの材質が、所定の有機繊維(例えば、ナイロン、ポリエチレンテレフタレートまたはケブラー)であることを要旨とする。
かかる特徴によれば、破断伸び率が大きく、かつ軽量なカーカス補強層を構成することができる。
本発明の第5の特徴は、本発明の第1乃至第4の特徴において、前記カーカス補強層の引張破断強力が、150N以上であることを要旨とする。
かかる特徴によれば、SUV用や小形トラック用空気入りラジアルタイヤが急激にバーストに至ることを充分に抑制することができる。
本発明の第6の特徴は、本発明の第1乃至第5の特徴において、前記ベルト層のタイヤ径方向外側に位置し、前記ベルト層を補強するベルト補強層(キャッププライ27a及びキャップレイヤー27b)をさらに備えることを要旨とする。
かかる特徴によれば、ベルト補強層とカーカス補強層とを用いることによって、ベルト層ならびにカーカス層を、タイヤ径方向外側及び内側からサンドイッチすることができるため、空気入りラジアルタイヤの急激なバーストをさらに効果的に抑制することができる。
本発明によれば、ベルト層のセパレーションが発生してもバーストに至ることを抑制することができる空気入りラジアルタイヤを提供することができる。
[第1実施形態]
次に、本発明に係る空気入りラジアルタイヤ(自動車用空気入りラジアルタイヤ)の実施形態の一例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
図1は、本発明の第1実施形態に係る空気入りラジアルタイヤ10の一部分解斜視図である。同図に示すように、空気入りラジアルタイヤ10は、ラジアルコード22cと、ラジアルコード22cに圧着されたゴム22gから構成されるカーカス層22を有している。また、カーカス層22の両端は、一対のビード部23によって支持されている。
さらに、カーカス層22のタイヤ径方向外側には、スチールコードをゴム引きした第1ベルト層24aと第2ベルト層24bとが設けられている。第1ベルト層24aと第2ベルト層24bとを構成するスチールコードは、タイヤ赤道線CLに対して所定の角度(例えば、±25度)を有して配置されており、第1ベルト層24aと第2ベルト層24bとによって、交錯ベルト層24が形成される。また、第1ベルト層24a及び第2ベルト層24bのさらにタイヤ径方向外側には、路面に接地するトレッド部21が設けられている。
カーカス補強層25は、タイヤ周方向に沿ってカーカス層22を補強する1本または2本以上の補強コード25cが用いられており、カーカス層22に隣接するとともに、交錯ベルト層24とインナーライナー26との間に設けられている。
具体的には、カーカス補強層25は、本実施形態では、カーカス層22と、カーカス層22よりもタイヤ径方向内側に位置するインナーライナー26との間に設けられている。また、同図に示すように、カーカス補強層25は、タイヤ赤道線CLを含む領域に設けられている。
さらに、カーカス補強層25のトレッド幅方向の長さ(W)は、タイヤ赤道線CLにおけるラジアルコード22cのタイヤ周方向の間隔(G)よりも広くなっている(例えば、W÷G=2.0〜20.0)。
また、補強コード25cに働く張力は、空気入りラジアルタイヤ10に規定空気圧が充てんされた状態において、50N/コード1本以下となっている。具体的には、日本自動車タイヤ協会(JATMA)規格において規定される空気入りラジアルタイヤ10のタイヤサイズに応じた規定空気圧が充てんされた状態において、補強コード25cに働く張力は、50N/コード1本以下となっている。
さらに、同図に示すように、空気入りラジアルタイヤ10に規定空気圧が充てんされた状態において、補強コード25cに働く張力(テンション)を50N以下とするため、補強コード25cは、タイヤ周方向に沿って、波状を形成する。なお、補強コード25cに働く張力を50N以下とする方法としては、補強コード25cをタイヤ周方向に沿って波状に形成する以外に、例えば、補強コード25cの撚り回数を増加する方法や、補強コード25cを弛ませて配置する方法を用いることもできる。或いは、補強コード25cは、空気入りラジアルタイヤ10に規定空気圧が充てんされた状態、具体的には、補強コード25cの0.5%伸張時において、ほとんど張力(テンション)が働かないS−S特性を有するように設定してもよい。
また、補強コード25cの材質としては、所定の有機繊維、具体的には、ナイロン(商標名)、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはケブラー(商標名)を用いることができる。このような有機繊維の補強コード25cによって構成されるカーカス補強層25の引張破断強力(1本の補強コード25cの破断強力と打ち込み本数との積)は、150N以上となっている。
次に、図2を参照して、空気入りラジアルタイヤ10のトレッド幅方向断面における構造について説明する。図2に示すように、図1に示したカーカス層22は、第1カーカス層22aと、第2カーカス層22bとの2層構造を有している。
上述したように、カーカス補強層25は、交錯ベルト層24とインナーライナー26との間であって、カーカス層22(第1カーカス層22aまたは第2カーカス層22b)に隣接して設けられる。同図に示すように、本実施形態では、カーカス補強層25は、第2カーカス層22bとインナーライナー26との間に設けられている。
なお、カーカス補強層25は、成型工程において、第2カーカス層22bとインナーライナー26とに接着される。
[第2実施形態]
次に、図3を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。以下、上述した本発明の第1実施形態に係る空気入りラジアルタイヤ10と異なる部分を主に説明し、空気入りラジアルタイヤ10と同一の部分については、その説明を適宜省略する。
図3に示すように、本実施形態に係る空気入りラジアルタイヤ11では、カーカス補強層25が、交錯ベルト層24とカーカス層22との間、具体的には、第2ベルト層24bと第1カーカス層22aとの間に設けられている。
すなわち、空気入りラジアルタイヤ11のカーカス補強層25は、交錯ベルト層24とインナーライナー26との間であって、カーカス層22(第1カーカス層22aまたは第2カーカス層22b)に隣接して設けられている。
[第3実施形態]
次に、図4を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。同図に示すように、本実施形態に係る空気入りラジアルタイヤ12では、カーカス補強層25が、第1カーカス層22aと第2カーカス層22bとの間に設けられている。
すなわち、空気入りラジアルタイヤ12のカーカス補強層25は、交錯ベルト層24とインナーライナー26との間であって、カーカス層22(第1カーカス層22aまたは第2カーカス層22b)に隣接して設けられている。
[第4実施形態]
次に、図5を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。同図に示すように、本実施形態に係る空気入りラジアルタイヤ13では、図1及び図2に示した空気入りラジアルタイヤ10と比較すると、キャッププライ27aとキャップレイヤー27bとが付加されている。
なお、キャッププライ27aは、交錯ベルト層24のタイヤ径方向外側に位置し、タイヤ赤道線と実質的に平行に配列された有機繊維コードをゴム引きしたものである。また、キャッププライ27aは、交錯ベルト層24の全幅以上の幅を有し、交錯ベルト層24を補強するものである。
また、キャップレイヤー27bも、交錯ベルト層24のタイヤ径方向外側に位置し、タイヤ赤道線CLと実質的に平行に配列された有機繊維コードをゴム引きしたものであり、交錯ベルト層24の両端部を覆うように配置される。
なお、本実施形態では、キャッププライ27a及びキャップレイヤー27bは、交錯ベルト層24のタイヤ径方向外側に位置し、交錯ベルト層24を補強するベルト補強層を構成する。
このように、キャッププライ27a及びキャップレイヤー27bと、カーカス補強層25とを用いることによって、交錯ベルト層24ならびにカーカス層22を、タイヤ径方向外側及び内側からサンドイッチすることができるため、空気入りラジアルタイヤ13の急激なバーストをさらに効果的に抑制することができる。
[比較評価]
次に、従来例、比較例、及び上述した本発明の実施形態に係る空気入りラジアルタイヤ(実施例)に係る空気入りラジアルタイヤの比較評価の試験方法ならびにその結果について説明する。
(1)試験方法
比較評価に係る試験では、ドラム試験機を用いて、上述した各空気入りラジアルタイヤの性能を評価した。具体的には、ドラム試験機において、空気入りラジアルタイヤの回転速度を時速60km/hに相当する速度まで徐々に上昇させ、0.5Gの横力(サイドフォース)をサイドウォールの両方向から交互に30秒ずつ入力した。
さらに、空気入りラジアルタイヤの外周面(トレッド面)から一定の距離を保って配置された検知棒に、空気入りラジアルタイヤのトレッド面が接触した場合、つまり、トレッド面がある程度以上膨れた(バーストを含む)場合、空気入りラジアルタイヤの回転を停止するようにした。
また、比較評価に係る試験では、タイヤ赤道線CL付近を除き、交錯ベルト層24(第1ベルト層24a,第2ベルト層24b)がカーカス層22に接着されていない特殊な状態、つまり、完全なセパレーションとなる直前の状態とした空気入りラジアルタイヤを用いた。
このような状態とした従来例、比較例及び実施例に係る各空気入りラジアルタイヤのトレッド面が検知棒に接触した後、各空気入りラジアルタイヤの状態を観察し、バーストしているか否かを指数によって評価した。
なお、比較評価に係る試験のその他の条件は、以下の通りである。
・使用タイヤサイズ: 205/65R16
・使用リムサイズ: 6J
・設定内圧: 600kPa
・荷重: 1,030kgf(JATMA規格における100%荷重)
(2)試験結果
表1は、従来例、比較例及び実施例に係る各空気入りラジアルタイヤの諸元ならびに比較評価に係る試験の結果を示している。
Figure 2005254993
表1において、従来例は、図6に示した空気入りラジアルタイヤ16と同一の構造を有している。また、比較例は、空気入りラジアルタイヤ16に、図5に示したキャッププライ27a及びキャップレイヤー27bが付加された構造を有している。
次に、実施例1及び実施例2は、図1及び図2に示した空気入りラジアルタイヤ10と同一の構造を有している。また、実施例3は、図5に示した空気入りラジアルタイヤ13と同一の構造を有している。なお、表1において、“I/L”とは、インナーライナーの略称である。
表1に示すように、カーカス補強層を有している実施例1〜3に係る空気入りラジアルタイヤは、「耐バースト指数」が向上している。特に、ラジアルコードの間隔(G)に対して、カーカス補強層の幅(W)をより広く設定した場合(実施例2)、及びキャッププライ及びキャップレイヤーを付加した場合(実施例3)、従来例や比較例よりも大幅に「耐バースト指数」が向上している。
[作用・効果]
上述した本発明の実施形態に係る空気入りラジアルタイヤ(空気入りラジアルタイヤ10〜13によれば、タイヤ周方向に沿ってカーカス層22を補強する1本または2本以上の補強コード25cが用いられたカーカス補強層25がカーカス層22に隣接して設けられているため、わずかな補強によって、交錯ベルト層24(第1ベルト層24a,第2ベルト層24b)のセパレーションが発生してもバーストに至ることを抑制することができる。
また、本発明の実施形態に係る空気入りラジアルタイヤによれば、補強コード25cに働く張力が、空気入りラジアルタイヤに規定空気圧が充てんされた状態において、50N/コード1本以下となるため、空気入りラジアルタイヤのバーストによって補強コード25cが伸張された場合でも補強コード25cが破断伸び率に達することを防止することができる。
さらに、本発明の実施形態に係る空気入りラジアルタイヤによれば、空気入りラジアルタイヤが正常な状態では、補強コード25cに不要な張力が働かないため、カーカス補強層25の劣化を抑制すること、及び他の特性(例えば、ベルト層の曲げ剛性)に影響を与えることを回避することができる。
また、本発明の実施形態に係る空気入りラジアルタイヤによれば、カーカス補強層25がタイヤ赤道線CLを含む領域に設けられるため、カーカス層22を構成するラジアルコード22c間のタイヤ周方向における間隔(G)が最も広く、バーストの起点となり易いタイヤ赤道線CLを含む領域を効果的に補強することができる。
さらに、本発明の実施形態に係る空気入りラジアルタイヤによれば、カーカス補強層25のトレッド幅方向の長さ(W)が、タイヤ赤道線CL上におけるラジアルコード22c間のタイヤ周方向の間隔(G)よりも広いため、ラジアルコード22c間のゴム22g部分がバーストすることを効果的に抑制することができる。つまり、カーカス補強層25のトレッド幅方向の長さ(W)が、ラジアルコード22c間のタイヤ周方向の間隔(G)よりも短い場合、ラジアルコード22c間のゴム22g部分のバーストを防止する効果が少ないのである。
また、本発明の実施形態に係る空気入りラジアルタイヤによれば、補強コード25cの材質として、ナイロン、PETまたはケブラーなどの有機繊維が用いられるため、破断伸び率が大きく、かつ軽量なカーカス補強層25を構成することができる。さらに、本発明の実施形態に係る空気入りラジアルタイヤによれば、カーカス補強層25の引張破断強力が、150N以上であるため、SUV用や小形トラック用空気入りラジアルタイヤが急激にバーストに至ることを充分に抑制することができる。
[その他の実施形態]
上述したように、本発明の一実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上述した本発明の実施形態では、カーカス補強層25がタイヤ赤道線CLを含む領域に設けられていたが、カーカス補強層25は、必ずしもタイヤ赤道線CLを含む領域に設けられていなくてもよい。
また、本発明の実施形態では、カーカス補強層25のトレッド幅方向の長さ(W)が、タイヤ赤道線CL上におけるラジアルコード22cのタイヤ周方向の間隔(G)よりも広くなっていたが、当該長さ(W)は、当該間隔(G)と同等以上であればよい。
さらに、本発明の実施形態では、補強コード25cの材質として、ナイロン、PETまたはケブラーなどの有機繊維が用いられていたが、補強コード25cの材質は、かかる有機繊維以外であっても構わない。
また、本発明の実施形態では、カーカス補強層25の引張破断強力を150N以上としたが、カーカス補強層25の引張破断強力は、必ずしも150N以上でなくてもよい。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明の第1実施形態に係る空気入りラジアルタイヤの一部分解斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る空気入りラジアルタイヤのトレッド幅方向断面図である。 本発明の第2実施形態に係る空気入りラジアルタイヤのトレッド幅方向断面図である。 本発明の第3実施形態に係る空気入りラジアルタイヤのトレッド幅方向断面図である。 本発明の第4実施形態に係る空気入りラジアルタイヤのトレッド幅方向断面図である。 従来例に係る空気入りラジアルタイヤのトレッド幅方向の一部断面図である。 従来例に係る空気入りラジアルタイヤにおけるバーストの発生例を示す図である。
符号の説明
10〜13,16…空気入りラジアルタイヤ、21…トレッド部、22…カーカス層、22a…第1カーカス層、22b…第2カーカス層、22c…ラジアルコード、22g…ゴム、23…ビード部、24…交錯ベルト層、24a…第1ベルト層、24b…第2ベルト層、25…カーカス補強層、25c…補強コード、26…インナーライナー、27a…キャッププライ、27b…キャップレイヤー、CL…タイヤ赤道線

Claims (6)

  1. ラジアルコードと前記ラジアルコードに圧着されたゴムから構成されるカーカス層、前記カーカス層よりもタイヤ径方向外側に位置する少なくとも1層のベルト層、及び前記カーカス層よりもタイヤ径方向内側に位置するインナーライナーを有する空気入りラジアルタイヤであって、
    タイヤ周方向に沿って前記カーカス層を補強する1本または2本以上の補強コードが用いられたカーカス補強層を備え、
    前記カーカス補強層は、前記カーカス層に隣接するとともに、前記ベルト層と前記インナーライナーとの間に設けられており、
    前記補強コードに働く張力は、前記空気入りラジアルタイヤに規定空気圧が充てんされた状態において、50N/コード1本以下であることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記カーカス補強層は、タイヤ赤道線を含む領域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記カーカス補強層のトレッド幅方向の長さは、タイヤ赤道線上における前記ラジアルコード間のタイヤ周方向の間隔よりも広いことを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記補強コードの材質は、所定の有機繊維であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  5. 前記カーカス補強層の引張破断強力は、150N以上であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  6. 前記ベルト層のタイヤ径方向外側に位置し、前記ベルト層を補強するベルト補強層をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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