JP2005254245A - タンディッシュ用注入管 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶融金属に旋回流を形成させることにより、簡便で効果的に溶融金属を清浄化することが可能なタンディッシュ用注入管を提供する。
【解決手段】注入管1の内壁と溶融金属とで形成される空間部に雰囲気調整のための不活性ガス8が吹き込まれる状態で使用される注入管1であって、その内部には流下する溶融金属に旋回流を形成させる耐火物製の旋回流形成機構2が配置され、注入管の本体部Aの内径は200〜1500mmであり、注入管1の下部出口部Bの内径D2は本体部Aの内径D1の1/2以下であるタンディッシュ用注入管。前記注入管1は、下部出口部Bの長さが100mm以上であるか、または旋回流形成機構2の下方に不活性ガス吹き込み部3を備えるか、または不活性ガス吹き込み部3が下部出口部Bの内壁部に円周方向に連続して配置されるか、または出口下端部101の内径が出口に向かって、拡大しているのが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、溶融金属の連続鋳造において、溶融金属を取鍋から中間容器であるタンディッシュに注入する際に用いられる注入管に関し、詳しくは、注入管内を流下する溶融金属に旋回流を形成させることにより、簡便かつ効果的に溶融金属を清浄化することができる注入管に関する。
溶融金属を取鍋から中間容器であるタンディッシュを経て鋳型に注入し、鋳片を製造する場合に、取鍋からタンディッシュへ注湯する方式の代表的なものに、ロングノズルを用いる方式および注入管を用いる方式がある。
図10は、ロングノズルを用いて取鍋からタンディッシュに溶融金属を注湯し、連続鋳造を行う状況を示す縦断面の概略図である。同図に示されるとおり、ロングノズルを用いる方式は、文字通り円筒状の細長いロングノズル62を取鍋6の底部に取り付け、そのノズル先端をタンディッシュ4内の溶融金属72中に浸漬させて取鍋内の溶融金属71を供給する方式である。
図11は、タンディッシュ用注入管を用いて取鍋からタンディッシュに溶融金属を注湯し、連続鋳造を行う状況を示す縦断面の概略図である。同図に示されるとおり、注入管を用いる方式では、タンディッシュ蓋5に、比較的直径の大きな筒状の注入管1を、その下端部がタンディッシュ4内の溶融金属72に浸漬するように設置し、取鍋6の下部を注入管1の上端にシール構造を介して密着させ、注入管1の内部をArなどの不活性ガス8で満たして、短い取鍋ノズル61からの溶融金属の落下流7を注入管内の溶融金属の湯面に叩き付けるように注湯する方式である。
注入管を用いる方式は、ロングノズルを用いる方式に比べて、取鍋からの落下流が溶融金属湯面に叩き付けられる際に雰囲気中の不活性ガスを巻き込み、巻き込まれたArなどの不活性ガスが溶融金属中の非金属介在物を捕捉しつつ上昇流を形成するので、溶融金属の清浄化には有利であるとされている。しかし、さらにその溶融金属の清浄化機能を高めるための工夫はなされていない。
本発明は、注入管内の溶融金属に旋回流を形成させることによって、不活性ガスと溶融金属との混合を促進し、溶融金属中の非金属介在物が不活性ガスに捕捉されやすくすることにより、溶融金属を高度に清浄化しようとするものである。
溶融金属移送ノズル内に旋回流形成機構を設置することは、例えば、特許文献1に開示されているように公知である。特許文献1には、ノズル内の溶鋼流に旋回を付与するためのねじりテープ状の部品を備えていることを特徴とするスライディングノズル周辺部からの空気侵入を防止した溶鋼移送用ノズルが開示されている。しかしながら、取鍋からタンディッシュへの注湯において、ノズル内に旋回流形成機構を備えることは以下のような問題をともなう。
第1の問題は、取鍋上ノズル内の例えばSiO2成分を主体とする詰砂の排出が困難となることである。取鍋底部のノズルの上部にある上ノズル内には、取鍋内の溶融金属が上ノズル内で凝固することなく初期流出するように、詰砂が充填されている。この詰砂の一部は、溶融金属の熱を受けて塊状に焼結している。内径の小さいノズル内に旋回流形成機構を設けると、この塊状の焼結砂がノズル内で詰まる可能性が高い。
第2の問題は、旋回流形成機構の設置により溶融金属の流動抵抗が増加し、取鍋からの溶融金属の流出速度が低下することである。特に、取鍋内における溶融金属の圧力ヘッド(静圧)が低下する鋳造末期においては、必要な溶融金属の流量が確保できなくなるおそれがある。このように、取鍋底部に取り付けるノズル内に旋回流形成機構を設置することは、安定した鋳造操業を阻害する危険をともなう。
上述のこれらの問題は、本発明のように、タンディッシュ用注入管の内部に溶融金属に旋回流を付与する機構を配置することにより解決できた。すなわち、本発明では、前記のノズルに比べて比較的内径の大きい注入管内に旋回流形成機構を設けることにより、塊状の焼結砂でも容易に通過させるための流路を確保することが可能となった。また、旋回に必要なエネルギーを、取鍋内の圧力ヘッドからではなく、取鍋ノズルから注入管内の湯面までのヘッドや、注入管内湯面とタンディッシュ内湯面との高さの差によるヘッドから確保することができるので、旋回流形成機構の存在による流動抵抗の増加が取鍋からの溶融金属の流出量におよぼす影響を解消することが可能となった。
なお、タンディッシュ内において旋回流を利用して溶融金属と不活性ガスとを混合する方法としては、下記の装置および方法がある。
特許文献2には、溶鋼の受湯部と、受湯した溶鋼を鋳型内へ供給するための給湯部と、受湯部と給湯部を接続する通流路とを有するタンディッシュであって、通流路の外周部に溶鋼を旋回させるための回転力を付与する電磁力発生装置と、通流路の所定の位置にガス吹き込み口が配置されたタンディッシュが開示されている。また、特許文献3には、前記特許文献2に開示されたのと同様のタンディッシュを用い、通流路内溶鋼の最大旋回速度と溶鋼の通流速度とから求められる溶鋼の軸方向断面平均速度とが、所定の関係を満足するように鋳造する連続鋳造方法が開示されている。
しかしながら、これらの技術は、複雑な形状の専用タンディッシュを必要とすることから、操作が煩雑となり、生産性を高めることも容易ではなく、さらに、設備コストの負担が大きくなるという問題を有する。
上述のとおり、安価な設備費のもとで、簡便な方法により溶融金属に旋回流を付与し、効果的に溶融金属の清浄化を図るためには、なお、解決されねばならない問題が残されている。
特開平11−90593(特許請求の範囲および段落〔0005〕)
特開2002−205154号公報(特許請求の範囲および段落〔0008〕) 特開2003−80351号公報(特許請求の範囲および段落〔0009〕)
前述のとおり、従来のタンディッシュへの注湯技術には下記の問題があった。すなわち、(1)取鍋からタンディッシュまでの間でノズル内に旋回流形成機構を設けると、焼結した取鍋上ノズル内の詰砂の排出が困難となり、また、流動抵抗の増加により溶融金属の排出速度も低下する。(2)タンディッシュ内に旋回流形成機構を設けると、設備コストが増大し、操作も煩雑となる。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、タンディッシュ用注入管を流下する溶融金属に旋回力を付与して旋回流を形成させることにより、簡便で効果的に溶融金属を清浄化することが可能な注入管を提供することにある。
本発明者は、上述の課題を解決するために、従来の問題点を踏まえて、溶融金属に旋回力を付与することにより旋回流を形成させ、旋回流の中心部に集まる気泡に非金属介在物を捕捉させて清浄化を図ることができるタンディッシュ用注入管について検討し、下記の(a)〜(f)の知見を得て、本発明を完成させた。
(a)注入管の内部に旋回流を形成させる旋回流形成機構を設け、さらに、注入管の下部出口部の内径を縮小することにより、取鍋内の溶融金属のヘッドに影響されずに安定した強い旋回流が得られる。これは、角運動量保存の法則により、上記注入管の下部出口部において溶融金属の円周方向の流速が増大することによる。
(b)前記(a)の注入管内において、取鍋上ノズルのSiO2を主成分とする詰砂焼結物の詰まりや凝固した地金による閉塞が生じることがなく、また、注入管が容易に取り扱えるためには、注入管の本体部の内径は、200mm〜1500mmの範囲とするのが適切である。また、注入管の下部出口部の内径は、溶融金属の均一な旋回流を得るとともに、円周方向の流速を増大させてガス気泡による非金属介在物の捕捉を容易にする観点から、注入管本体部の内径の1/2以下とするのが適切である。
(c)前記(a)の注入管の下部出口部の注入管軸方向の長さは、気泡が注入管の中心に集まり非金属介在物を捕捉するための十分な時間を確保するために、100mm以上とするのが好ましい。
(d)前記(a)の旋回流形成機構から注入管の下部出口部の下端までの間において不活性ガスを吹き込むと、さらに多くの不活性ガス気泡が形成されて非金属介在物の捕捉を促進するので、好ましい。
(e)前記(d)の不活性ガスの吹き込みを、注入管本体部の内径の1/2以下の内径を有する下部出口部の内壁部であって、出口部下端から100mm以上離れた位置に円周方向に連続して配置されたガス吹き込み部から行うと、安定した逆円錐状気泡膜が形成され、非金属介在物の捕捉がさらに促進されるので、より好ましい。
(f)注入管の下部出口部の下端部の内径を、注入管の内部から出口下端に向かって拡大させると、旋回運動する溶融金属流が遠心力により注入管の管径方向に広がりながら流出するので、注入管から流出した後、タンディッシュ内において上昇流を形成しやすく、したがって、溶融金属に巻き込まれた気泡や非金属介在物の浮上分離が促進される。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記の(1)〜(5)に示すタンディッシュ用注入管にある。
(1)取鍋と鋳型の中間容器であるタンディッシュへの注湯に用いられるタンディッシュ用注入管であって、該注入管はその内壁と溶融金属とで形成される空間部に雰囲気調整のための不活性ガスが吹き込まれる状態で使用され、該注入管の内部には注入管内を流下する溶融金属に旋回力を付与することにより旋回流を形成させるための耐火物製の旋回流形成機構が配置され、該注入管の本体部の内径は200mm〜1500mmであり、該注入管の下部出口部の内径は注入管の本体部の内径の1/2以下であることを特徴とするタンディッシュ用注入管(以下、「第1発明」と称する)。
(2)前記(1)に記載のタンディッシュ用注入管において、下部出口部の注入管軸方向の長さが、下部出口部の下端から上方に向かって100mm以上であるタンディッシュ用注入管(以下、「第2発明」と称する)。
(3)前記(1)または(2)に記載のタンディッシュ用注入管において、前記旋回流形成機構から注入管の下部出口部の下端までの間に、流下する溶融金属中に不活性ガスを吹き込むための不活性ガス吹き込み部を備えたタンディッシュ用注入管(以下、「第3発明」と称する)。
(4)前記(3)に記載のタンディッシュ用注入管において、前記不活性ガス吹き込み部が、注入管の下部出口部の内壁部に円周方向に連続して配置され、不活性ガス吹き込み部から注入管の下部出口部の下端までの長さが100mm以上であるタンディッシュ用注入管(以下、「第4発明」と称する)。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載のタンディッシュ用注入管において、注入管の下部出口部の下端部の内径が、出口下端に向かって、拡大しているタンディッシュ用注入管(以下、「第5発明」と称する)。
本発明において「旋回流形成機構」とは、タンディッシュ注入管内を流下する溶融金属に円周方向の旋回力を付与することにより溶融金属に旋回流を形成させる機構を意味し、その詳細に関しては、後述するとおりである。
「注入管の本体部」とは、注入管の内径が十分に大きい主要部を意味し、例えば、後述の図1〜図3におけるAの部分を意味する。
「注入管の本体部の内径」とは、上記の注入管の本体部の内径(D1)を意味する。
「下部出口部」とは、前記注入管本体部の下部に位置する出口部を意味し、例えば、後述の図1〜図3におけるBの部分を意味する。
また、「下部出口部の内径」とは、上記の下部出口部において最も内径が縮小された部分の内径(D2)を意味する。
本発明のタンディッシュ用注入管は、注入管内を流下する溶融金属に旋回力を付与して旋回流を形成させる旋回流形成機構を備えるとともに、注入管本体部の内径を適切な範囲に規定し、さらに下部出口部の内径を縮小したことにより、簡便な装置でありながら安定した強い旋回流を得て非金属介在物を捕捉除去し、効果的に溶融金属を清浄化することができる。
本発明は、前述のとおり、取鍋からタンディッシュへの注湯に用いられるタンディッシュ用注入管であって、注入管の内壁と溶融金属とで形成される空間部には不活性ガスが吹き込まれる状態で使用され、注入管の内部には注入管内を流下する溶融金属に旋回流を形成させるための旋回流形成機構が配置され、注入管本体部の内径、および、注入管の下部出口部の内径の範囲がそれぞれ規定されたタンディッシュ用注入管である。
本発明者は、連続鋳造において、取鍋からタンディッシュへの注湯に用いられる筒状の注入管の内部に旋回流を形成する機構を設け、さらに下部出口部の内径を縮小することにより、注入管の下部出口部において取鍋内溶融金属のヘッドに影響されない安定した強い旋回流が得られるとの知見を得た。
注入管内の溶融金属には、取鍋からの落下流が巻き込んだ注入管内の雰囲気ガスである不活性ガスが多数の気泡となって懸濁している。これらの不活性ガスの気泡を含む溶融金属を旋回させることにより、密度が小さく遠心力の作用が小さい気泡は、旋回流の中心部に集まる。このようにして旋回流の中心部に集まった気泡は、旋回しながらAl23などの非金属介在物を捕捉する。これらの気泡は、注入管から流出した後、捕捉した非金属介在物とともにタンディッシュ内において浮上するので、旋回流を形成しない場合に比べて溶融金属が効果的に清浄化されるのである。
図1は、本発明のタンディッシュ用注入管を用いて取鍋からタンディッシュに溶融金属を注湯し、連続鋳造を行う状況を示す縦断面の概略図である。同図において、取鍋6内の溶融金属71は、取鍋6の底部に取り付けられた取鍋ノズル61を経て、溶融金属注入流7となってタンディッシュ4内に注入される。タンディッシュ4内に注入された溶融金属72は、さらに、タンディッシュ底部に取り付けられた浸漬ノズル10を経由して鋳型11内に注入され、冷却されながら鋳型下方に引き抜かれて凝固し、金属鋳片12となる。
溶融金属注入流7は、図1中のAで示される注入管本体部において、注入管内雰囲気調整用に吹き込まれた不活性ガス8を巻き込むので、注入管内の溶融金属には、不活性ガスの気泡が多く懸濁している。この溶融金属注入流は、注入管本体部Aに配置された旋回流形成機構2を通過する間に、注入管内の円周方向の流速成分を付与され、旋回流を形成しながら流下する。溶融金属注入流7は、さらに、内径が同本体部の内径の1/2以下に縮小された同図中のBで示される注入管下部出口部に流下し、ここで、円周方向の流速を一段と加速されて強い旋回流を形成する。
このようにして、旋回流が形成されたことにより、遠心力作用にしたがって旋回流の中心部に集積した気泡は、非金属介在物を捕捉し、下部出口部の下端からタンディッシュへと流出していく。そして、これらの非金属介在物を捕捉した気泡は、タンディッシュ内において溶融金属の浴面に浮上するので、非金属介在物が溶融金属の本体から分離され、溶融金属は清浄化される。以下に、本発明を前記の範囲に限定した理由および好ましい範囲などについて説明する。
1)注入管の内径
注入管本体部Aの内径(図1中のD1)が200mm未満では、取鍋詰砂の焼結物などが旋回流形成機構部2に詰まりやすく、また、凝固した地金による閉塞も生じやすい。一方、注入管本体部Aの内径が1500mmを超えて大きくなると、注入管1が巨大化し、取り扱いが困難になると同時に耐火物費用も増加する。そこで、注入管本体部Aの内径の範囲を200mm〜1500mmとした。なお、注入管本体部Aの内径の好ましい範囲は、300mm〜1000mmである。
注入管下部出口部Bの内径(図1中のD2)は、均一な旋回流を得るとともに、角運動量保存の法則によって旋回流の円周方向流速、したがって、旋回角速度を増大させ、溶融金属中の非金属介在物と不活性ガス気泡との衝突頻度を上昇させる観点から、本体部Aの内径に比較して小さいほど良い。溶融金属に十分に均一な旋回流を形成させ、不活性ガスによる非金属介在物の十分な捕捉効果を得るためには、注入管下部出口部Bの内径を注入管本体部Aの内径の1/2以下に縮小する必要がある。そこで、注入管の下部出口部Bの内径を注入管本体部Aの内径の1/2以下とした。
なお、注入管の下部出口部Bの内径を本体部Aの内径に比較して大幅に縮小すると、得られる旋回流の強さに応じて必要なヘッドが増大するので、本発明を適用する連続鋳造機の仕様、すなわち注入管内に形成されるヘッドの大きさと溶融金属の単位時間当たりの流量(スループット)に応じて、内径の縮小度合は制約を受けることとなる。例えば、スループットが大きい条件下において下部出口部の内径を大幅に縮小した注入管を用いると、強い旋回流は得られるものの、得られる旋回流の強さ(角運動エネルギー)に応じて大きなヘッド(位置エネルギー)が必要となるので、タンディッシュ内の湯面レベルから注入管の上端までの高さが十分でない場合には、溶融金属が注入管の上端から溢れ出るおそれがある。
また、縮小後の内径が60mm未満となると、注入管の下部出口部Bにおいて溶融金属が閉塞するおそれが高まるので、下部出口部Bの内径は60mm以上であることが好ましい。下部出口部Bの内径のさらに好ましい範囲は100mm以上である。
2)注入管の長さ
前記の第1発明において、注入管下部出口部Bの長さ(図1中のL2)は、注入管下部出口部の下端から管軸方向に100mm以上であることが好ましい。注入管下部出口部の内径縮小部においては、遠心力の作用により、密度の小さい気泡が介在物を捕捉しつつ旋回運動の中心部に集まる作用が強い。この場合に、注入管の下部出口部の管軸方向の長さが短いと、気泡が十分に中心に集まるための時間的余裕が少なくなり、非金属介在物の捕捉効果が十分に発揮されにくい。そこで、第2発明においては、注入管の下部出口部の管軸方向の長さを100mm以上とした。
なお、注入管下部出口部のより好ましい長さは150mm以上である。また、注入管下部出口部の長さを1000mm以上に長くしても、設備コストの増加に対して非金属介在物の捕捉効果が飽和するとともに、設備の取り扱いが難しくなる。したがって、下部出口部の長さは1000mm以下とするのが好ましい。
次に、注入管の全長(図1中のL1)の好ましい範囲について述べる。注入管の全長は、タンディッシュのバス深さやタンディッシュ蓋5からタンディッシュ内湯面までの距離、または取鍋底部から注入管蓋までの距離によって、一定の範囲内に制約されるが、600mm〜1700mm程度の範囲とするのが一般的である。本発明においては、注入管内に旋回流形成機構を配置することから、注入管の全長は800mm〜1700mmの範囲とするのが好ましい。
3)旋回流形成機構
旋回流形成機構としては、例えば、前述の特許文献2や特許文献3に開示されたとおり、回転磁場を利用する方式がある。しかしながら、電磁気力を利用する方式は、大がかりな設備と高い設備コストを必要とすることから、本発明においては有効な手段とはいえない。
したがって、本発明における旋回流形成機構としては、実施例にて詳述するとおり、注入管の内部に耐火物製の構造物を配置し、溶融金属のヘッド(位置エネルギー)を利用して溶融金属に旋回力を付与し、旋回流を形成させる方式が適切である。
また、旋回流形成機構の設置位置は、注入管内の湯面よりも低い場所に設置することが好ましい。そうすれば、旋回流形成機構に溶融金属の凝固した地金が付着して上部に向かって成長することによるトラブルを防止することができ、さらに、取鍋ノズルからの溶融金属の落下流による衝撃破損や溶損を軽減することができるからである。
ここで、注入管内の溶融金属の湯面レベルとタンディッシュ内における溶融金属の湯面レベルとの差は、注入管内での溶融金属の流動抵抗、旋回流の角運動エネルギーおよび溶融金属のスループットにより決定される。したがって、注入管内とタンディッシュ内との溶融金属の湯面レベルの差におよぼす旋回流形成機構の構造および注入管下部出口部の内径の縮小割合およびスループットの影響を実験的に把握しておくことにより、注入管内の湯面レベルを予測することができ、旋回流形成機構の好ましい設置位置を決定することができる。
4)注入管内への不活性ガス吹き込み位置および吹き込み量
注入管内には、図1に示したとおり、雰囲気調整用に不活性ガス8が吹き込まれているため、注入管内の溶融金属には、注入流の流下時に巻き込まれた不活性ガス8の気泡が含まれている。これに加えて、さらに、旋回流形成機構から下部出口部の下端までの間において不活性ガス9を吹き込めば、溶融金属中に一層多くの不活性ガス気泡が含まれるので、非金属介在物をガス気泡により捕捉して溶融金属を清浄化するためには好ましい。そのためには、例えば、注入管の管壁内に設けられた不活性ガス導入流路13により不活性ガスを注入管の所定の高さ位置まで導き、不活性ガス吹き込み部3から注入管内に吹き込めばよい。そこで、第3発明は、旋回流形成機構から下部出口部の下端までの間において不活性ガス吹き込み部を備えた注入管とした。
不活性ガス9を吹き込む位置として旋回流形成機構2から下部出口部Bの下端までの間が好ましいのは、以下の理由による。
すなわち、内径が大きく注入管内の溶融金属の流速が低い注入管本体部Aから不活性ガスを吹き込んだ場合には、吹き込まれた不活性ガス9の大部分は、短時間で注入管内の湯面レベルにまで浮上するので、溶融金属中に不活性ガス気泡として巻き込まれにくく、したがって、溶融金属中に多量の不活性ガスを懸濁させる効果がえられにくい。それに対して、旋回流形成機構2から注入管下部出口部Bの下端までの間、例えば、図1に示すように、注入管下部出口部でその下端から管軸方向にL3の位置に、不活性ガス吹き込み部3を設け、不活性ガス9を吹き込んだ場合には、溶融金属の流速が比較的大きい。よって、気泡を旋回流に引き込み、遠心力の作用により旋回流の中心に集積させる効果も大きく、吹き込まれた不活性ガス9は、効率よく溶融金属中に巻き込まれ、懸濁して非金属介在物を捕捉しやすいからである。
なお、不活性ガスの吹き込み量は、下記の範囲とすることが好ましい。すなわち、注入管内の雰囲気調整用の不活性ガス8の吹き込み量は、200NL/min〜1300NL/minの範囲が好ましい。吹き込み量が200NL/min未満では、注入管内に大気が混入しやすくなり、大気酸化による非金属介在物の増加を招きやすく、一方、吹き込み量が1300NL/minを超えて多くなると、過剰な不活性ガスの使用により金属の鋳造コストの増大を招くからである。
また、旋回流形成機構から下部出口部の下端までの間の位置から吹き込む不活性ガス9の吹き込み量は、2NL/min〜100NL/minの範囲が好ましい。吹き込み量が2NL/min未満では、気泡量が少なく、非金属介在物の捕捉効果が十分ではなく、一方、吹き込み量が100NL/minを超えて多くなると、気泡量が過大となり、溶融金属の流動抵抗の増大やタンディッシュ内の上昇気泡による溶融金属の飛散が問題となるからである。
5)円周方向に連続して配置された吹き込み部からの不活性ガスの吹き込みおよび吹き込み位置
図7は、注入管下部出口部の内壁部に円周方向に連続して配置されたリング状の吹き込み部から不活性ガスを吹き込んだ場合の気泡膜の形成を説明するための概略図である。同図に示すとおり、タンディッシュ用注入管1の下部出口部Bの内壁部に円周方向にリング状の吹き込み部31を配置し、この吹き込み部から不活性ガス9を吹き込むと、吹き込まれた不活性ガスの気泡は、遠心力の作用により、それぞれ図中の実線、破線、一点鎖線、ドット線などで示されるように螺旋状の軌跡を描いて旋回運動をしながら旋回流の中心部に移動し、逆円錐状の気泡膜14を形成する。
このようにして不活性ガスを吹き込む場合に、不活性ガス吹き込み部から注入管下部出口部の下端までの長さが100mm以上あれば、上記の円錐状の気泡膜が安定して形成される。この円錐状の気泡膜には、溶融金属中の非金属介在物を捕捉するフィルター作用があり、溶融金属が効果的に清浄化される。そこで、第4発明は、不活性ガス吹き込み部が、注入管の下部出口部の内壁部に円周方向に配置され、不活性ガス吹き込み部から注入管の下部出口部の下端までの長さが100mm以上である注入管とした。
なお、リング状吹き込み部の注入管軸方向の長さ(L4)は、特に規定しない。リング状吹き込み部は、例えば、管軸方向に10mm程度の薄いリング状の多孔質耐火物により構成してもよいし、また、管軸方向に100mm程度の厚いリング状の多孔質耐火物により構成してもよい。または、管軸方向に20mm程度のリング状耐火物を50mm程度の間隔をおいて管軸方向に複数個配置するなどしてもよい。さらに、これらの多孔質耐火物に替えて、直径0.2mm〜1mm程度の貫通孔を多数有する耐火物を用いることもできる。
6)注入管下部出口部の形状
第1発明〜第4発明の注入管のいずれかにおいて、下部出口部の下端部101の内径を出口部下端に向かって拡大させた場合には、旋回運動する溶融金属流が遠心力により注入管の管径方向に広がりながら流出するので、注入管から流出した後、タンディッシュ内において上昇流を形成しやすい。したがって、溶融金属に巻き込まれた気泡や非金属介在物の浮上分離が促進される。さらに、出口部下端周辺の流動に淀みや渦が生じにくく、非金属介在物の付着も抑制される。そこで、第5発明は、注入管の下部出口部の下端部101の内径が、出口部下端に向かって、拡大している注入管とした。
なお、内径の拡大形状は、直線的に拡大する形状であってもよいし、下端部101の注入管軸方向の切断面が曲率半径(R)を有する丸みを帯びた形状であってもよいし、放物線形状であってもよいし、また、直線を組み合わせてラッパ状に近づけた形状(累進的に拡大する形状)のいずれであってもよい。これらの形状のうち、最も好ましい形状は、内径が放物線状に変化し、出口部下端に向かってその変化率(増加率)が徐々に増大するラッパ状の形状である。このような形状が好ましい理由は、注入管から流出する溶融金属の流れが注入管の出口部内壁から剥離しにくく、流れに淀みや渦が生じにくいので、より一層非金属介在物の付着が抑制されるからである。
また、注入管軸方向の切断面が曲率半径(R)の丸みを有する形状の場合、曲率半径(R)の大きさは、40mm〜120mm程度が好ましい。上記Rの値が40mm未満では、出口端部の内径が急激に拡大し、注入管から流出する溶融金属の流れが注入管出口部の端部壁面から剥離しやすくなる。一方、Rの値が120mmを超えて大きくなると、出口端部における耐火物の肉厚が薄くなり、出口端部の強度が低下するので好ましくない。
7)注入管と取鍋下部との間のシール
注入管内の雰囲気を維持するための注入管上部と取鍋下部との間の好ましいシール方法について説明する。
図8は、注入管上部と取鍋下部との間のシール部材付近の縦断面を表す概略図である。取鍋6の下部に設置された流量調整機構であるスライディングゲート金物20の下部に、例えば、厚さが100mm、直径が550mm程度で、中心部に取鍋ノズル61が通る直径150mm程度の孔を有し、Al23−SiO2系多孔質耐火物23の周囲、側面および上面を鉄板22により被覆したシール部材24を設置する。その中心部孔と取鍋ノズル61との隙間にAl23−SiO2系綿状耐火物25を充填してシールし、その下面はAl23−SiO2系綿状耐火物からなるクッション材26を介して注入管1の上面に密着させるのが好ましい。
本発明のタンディッシュ用注入管について、実施例によりさらに詳述するとともに、本発明のタンディッシュ用注入管の効果を確認するために行った鋳造試験の結果につても説明する。
(実施例1)
はじめに、タンディッシュ用注入管の実施例について説明する。図1は、前述のとおり、本発明で規定する条件を満足する本発明例のタンディッシュ用注入管を用いて取鍋からタンディッシュに溶融金属を注湯し、連続鋳造を行う状況を示す縦断面の概略図である。
同図における注入管(以下、「注入管番号1の注入管」と称する)の寸法諸元の一例を下記に示す。注入管の本体部Aの内径(D1)は480mm、注入管下部出口部の内径(D2)は120mm、注入管の全長(L1)は1350mm、注入管下部出口部Bの長さ(L2)は350mm、注入管下部出口部下端から不活性ガス吹き込み部までの長さ(L3)は250mmである。また、不活性ガス吹き込み部3は、注入管下部出口部の内壁に埋め込み設置されたリング状の多孔質耐火物製の吹き込み部からなっており、その注入管軸方向の長さ(L4)は25mmである。さらに、注入管出口部の下端部の形状は、下端部の注入管軸方向の切断面が、曲率半径(R)が90mmの丸みを有して、出口部下端に向かって拡大する形状である。
注入管1の肉厚(t)は35mmであり、上部から800mmの部分はAl23−C耐火物により、800mmよりも下部はMgO−C耐火物により、そして、ガス吹き込み部の多孔質耐火物はAl23−C耐火物により構成されている。また、旋回流形成機構2は肉厚40mmのAl23−C耐火物により構成されている。
図2は、本発明において規定する条件を満たす別の本発明例のタンディッシュ用注入管を用いて取鍋からタンディッシュに溶融金属を注湯し、連続鋳造を行う状況を示す縦断面の概略図である。同図の注入管(以下、「注入管番号2の注入管」と称する)が前記注入管番号1の注入管と相違する主な点は、下記のとおりである。
すなわち、図1に示された注入管番号1の注入管には、旋回流形成機構として、後述の図4に示す旋回流形成機構が設置され、注入管内への不活性ガス9の吹き込み部3が管径の縮小された注入管下部出口部Bに設けられており、また、注入管下部出口部の下端部101の内径が出口下端に向かって一定の曲率半径(R)を有する丸みをともなって拡大している。これに対して、図2に示された注入管番号2の注入管には、後述の図5に示す旋回流形成機構が設置され、不活性ガス9の吹き込み部3が旋回流形成機構2の下方の注入管本体部Aに設けられており、また、注入管下部出口部の下端部101が急激に拡大している点で、それぞれ相違する。さらに、注入管番号2の注入管は、タンディッシュ蓋5よりも上部に位置する上部注入管102と、下部に位置する下部注入管103の2つの部分から構成されている。
注入管番号2の注入管の寸法諸元の一例を示せば、下記のとおりである。注入管の本体部Aの内径(D1)は600mm、注入管下部出口部の内径(D2)は200mm、注入管の全長(L1)は1500mm、注入管下部出口部Bの長さ(L2)は300mm、注入管下部出口部下端から不活性ガス吹き込み部までの長さ(L3)は500mmである。また、不活性ガス吹き込み部3は、注入管本体部Aの内壁に円周方向に6個埋め込み設置されたポーラスプラグ(円筒状の多孔質耐火物)からなっている。
注入管番号2の注入管は、下部注入管103が肉厚(t)30mmのAl23−C耐火物により、不活性ガス吹き込み部3のポーラスプラグもAl23−C耐火物により、そして、上部注入管102は外周部を鉄板で被覆した肉厚30mmのMgO質耐火物により構成されている。また、旋回流形成機構2は、肉厚30mmのAl23−C耐火物により構成されている。
図3は、本発明の条件を満足するさらに別の本発明例のタンディッシュ用注入管を用いて取鍋からタンディッシュに溶融金属を注湯し、連続鋳造を行う状況を示す縦断面の概略図である。同図に示す注入管(以下、「注入管番号3の注入管」と称する)は、旋回流形成機構として、後述の図6に示される旋回流形成機構が設置され、注入管内への不活性ガス9の吹き込み部を有さず、注入管内の雰囲気維持用の不活性ガス8のみが吹き込まれる。また、注入管下部出口部の下端部101の内径は、出口下端に向かって直線的に拡大している。
注入管番号3の注入管の寸法諸元の一例を下記に示す。注入管の本体部Aの内径(D1)は540mm、注入管下部出口部の内径(D2)は100mm、注入管の全長(L1)は1500mm、注入管下部出口部Bの長さ(L2)は380mmである。出口部の下端部の形状は、下端部の注入管軸方向の切断面が、管軸に対して片側の開き角(θ)が30度で直線的に拡大する形状である。
注入管番号3の注入管は、下部注入管103が肉厚(t)30mmのMgO−C耐火物により、上部注入管102が外周部を鉄板で被覆した肉厚30mmのハイアルミナ質耐火物により、そして、旋回流形成機構2は、肉厚が25mm〜60mmのAl23−C耐火物により構成されている。
これらに対して、図11は、比較例として、従来のタンディッシュ用注入管を用いて取鍋からタンディッシュに溶融金属を注湯する状況を示す概略図であり、すでに述べたものである。同図に示される注入管(以下、「注入管番号4の注入管」と称する)は、上部注入管102および下部注入管103からなり、注入管の内径(D1)は400mmであり、注入管の全長(L1)は1000mmである。雰囲気調整用不活性ガス8は吹き込まれるが、不活性ガス9の吹き込み部は有しない。
上記の注入管番号4の注入管は、下部注入管103が肉厚30mmのMgO−C耐火物により、また、上部注入管102は、外周部を鉄板で覆われた肉厚30mmのハイアルミナ質耐火物により構成されている。
上述のとおり、注入管番号1〜3の注入管は、いずれも第1発明で規定する条件を満足する本発明例の注入管であり、溶融金属の旋回流が得られない比較例の注入管番号4の注入管を用いる場合に比べて、安定した強力な旋回流が得られることによる非金属介在物の捕捉および分離効果に優れている。
注入管番号1の注入管は、リング状の不活性ガス吹き込み部を有して第4発明で規定する条件を満たし、また、出口部の下端部101の内径が一定の曲率半径を有する丸みをともなって拡大する形状を有し、第5発明で規定する条件も満足しているので、非金属介在物を浮上分離させ、溶融金属を清浄化する極めて優れた効果を有する。
また、注入管番号3の注入管は、不活性ガス吹き込み部を有しないので、第3発明で規定する条件は満足せず、気泡膜による非金属介在物の捕捉効果は、注入管番号1および2の注入管に比べてやや劣るものの、比較例である注入管番号4の注入管と比較すると非金属介在物の高い清浄化作用を有している。
なお、注入管番号3の注入管は、出口部の下端部101の内径が順次直線的に拡大する形状を有し、第5発明で規定する条件を満足している。したがって、出口下端部が急激に拡大する形状を有する注入管番号2の注入管に比べて、出口部を流出した溶融金属の流れがタンディッシュ内において円滑に上昇流を形成しやすい。
次に、タンディッシュ用注入管の内部に設置する旋回流形成機構の実施例について説明する。なお、下記の旋回流形成機構はその一例であり、本発明で用いる旋回流形成機構は、これらに限定されるものではない。
図4は、本発明で用いる旋回流形成機構の斜視図である。同図に示される旋回流形成機構(以下、「機構番号1の旋回流形成機構」と称する)は、円板に切り込みpqおよびsrを設け、対向する半円状の部分を任意の直径qrを軸として互いに反対方向に捩った形状を有する。タンディッシュ用注入管の上部から流下した溶融金属は、この旋回流形成機構により矢印F1およびF2で示される方向に旋回し、開孔部pqp1およびsrs1から旋回流形成機構の下部に抜け、旋回流となってタンディッシュ用注入管の下部に流下していく。
図5は、本発明で用いる別の旋回流形成機構の斜視図である。同図に示される旋回流形成機構(以下、「機構番号2の旋回流形成機構」と称する)は、円錐の側面にその母線OmおよびOnに沿って切り込みを設け、頂点Oの部分を切り離さずに、対向する2分された円錐側面の部分を、頂点Oを通る水平線のうち、母線mOnと直角の方位の水平線を軸として、その周りに互いに反対方向に捩った形状を有する。タンディッシュ用注入管の上部から流下した溶融金属は、この旋回流形成機構により矢印F1およびF2で示される方向に旋回し、開孔部mm21およびnn21から旋回流形成機構の下部に抜け、旋回流となってタンディッシュ用注入管の下部に流下していく。
図6は、本発明で用いるさらに別の旋回流形成機構を示す図であり、同図(b)は平面図を、同図(a)は同図(b)におけるD−D断面における縦断面図を、そして同図(c)は同図(b)における円周方向の曲線efghijklによる縦切断面の展開図をそれぞれ表す。同図に示される旋回流形成機構(以下、「機構番号3の旋回流形成機構」と称する)は、厚みを有する円錐の側面に円周方向に4個の開孔部を設けておき、円錐側面の上面を円錐の中心軸の周りに反時計方向に、また、円錐側面の下面を時計方向に回転させて、円錐側面を捩った形状を有する。
図6(b)において、曲面イロヘホは円錐側面の上面を、曲面イロニハは円錐側面の上面の母線イロから円錐側面の下面の母線ハニに向かって円周方向に傾斜した下向きの面を、曲面ハニチトは円錐側面の下面を、そして、曲面ホヘチトは円錐側面の上面の母線ホヘから円錐側面の下面の母線チトに向かって円周方向に傾斜した上向きの面を表す。区画トチヌリは開孔部である。
また、曲面リヌカワは円錐側面の上面を、曲面リヌオルは円錐側面の上面の母線リヌから円錐側面の下面の母線ルオに向かって円周方向に傾斜した下向きの面を、曲面ルオタヨは円錐側面の下面を、そして、曲面ワカタヨは円錐側面の上面の母線ワカから円錐側面の下面の母線ヨタに向かって円周方向に傾斜した上向きの面を表す。区画ヨタソレは開孔部である。同様にして、円錐側面の残りの半円周部分についても、曲面が構成されている。
したがって、図6(b)における円周方向の曲線efghijklによる縦切断面図を円周方向に展開すると、図6(c)に示されるとおり、円錐側面の縦切断面efhgおよびijlkの間に開孔部ghjiが存在する配置となる。
タンディッシュ用注入管の上部から流下した溶融金属は、図6(c)の開孔部ghjiなどを通過する際に、矢印F1およびF2で示される方向に旋回力を付与され(すなわち、図6(b)では、時計方向の旋回力を付与され)、旋回流形成機構を通過後は、旋回流となってタンディッシュ用注入管の下部に流下していく。
以上、機構番号1〜3の旋回流形成機構の構造について述べたが、旋回流形成機構に求められる要件は、下記の3点である。すなわち、(1)鋳造初期などのタンディッシュ内湯面位置が低い時期に、取鍋からの溶融金属の落下流が旋回流形成機構に直接衝突しても割れなどの破損を生じない強度および耐久性を有すること、(2)取鍋から流出する焼結詰砂やスラグ、溶融金属中の非金属介在物により閉塞しない程度の流路断面積が確保されていること、および(3)鋳造初期などのタンディッシュ内湯面位置が低い時期に、取鍋からの落下流が旋回流形成機構に直接衝突する際の溶融金属の飛散が少ない形状であることである。上記の中で、特に(2)の要件を満たすためには、使用初期の状態で、少なくとも直径100mm程度の球体が通過できる大きさの流路を確保することが好ましい。
(実施例2)
本発明のタンディッシュ用注入管の効果を確認するために、鋳造試験を行ってその結果を評価した。
図1に示した注入管番号1の本発明例のタンヂィッシュ用注入管を用い、溶融金属としては溶鋼を用いて連続鋳造試験を行った。なお、注入管内には、前記の図4に示した機構番号1の旋回流形成機構(旋回流形成機構を構成する円板が水平面となす角度が35度)を設置した。
連続鋳造は、溶鋼量40トン(t)のタンディッシュに、下記の表1に示す成分組成を有する炭素含有率:0.45質量%のAlキルド溶鋼を供給しつつ、6ストランドの湾曲型連続鋳造機を用いて、直径360mmφの円形断面鋳型に溶鋼を注入し、引き抜き速度を0.8m/minとして円形断面の鋳片を鋳造した。
Figure 2005254245
取鍋中の非金属介在物含有率が変動しないように取鍋精錬条件を揃えて連続鋳造を行い、鋳造定常部における丸鋳片の天側で中心から(1/2)r部(ここで、rは鋳片の半径)から採取したサンプル中の非金属介在物の含有率を測定し、比較した。
図9は、タンディッシュ用注入管を用いて取鍋からタンディッシュに溶融金属を注湯しながら連続鋳造を行った試験結果を示す図であり、図(a)は前記図1に示す注入管番号1のタンディッシュ用注入管(機構番号1の旋回流形成機構を設置)を用いた試験結果を表し、同図(b)は前記図3に示す注入管番号3のタンディッシュ用注入管(機構番号3の旋回流形成機構を設置)を用いた試験結果を表す。
なお、介在物含有率は、下記の方法により評価した。すなわち、従来の注入管番号4と同形状で、注入管の内径(D1)および全長(L1)を注入管番号1と同一とした注入管番号5の注入管(L1=1350mm、D1=480mm)を用いて鋳造した比較例の鋼中介在物含有率を全酸素含有率(T.[O])により求め、この値を基準(100)として、本発明例における鋼中介在物含有率を指数化し、全酸素含有率指数(T.[O]指数)として、図9中に表示した。
ここで、注入管番号5の注入管による比較例の試験(基準)においては、雰囲気調整用Arガス8を500NL/min流しながら鋳造を行い、本発明例の注入管番号3の注入管を用いた試験においては、雰囲気調整用Arガス8を480NL/min流しながら鋳造を行った。本発明の注入管番号1の注入管を用いた試験では、雰囲気調整用Arガス8に加えて、さらに、注入管のガス吹き込み部3からArガスを20NL/min吹き込みながら鋳造を行った。
図9の結果より、本発明例の注入管番号1の注入管を用いた試験および本発明例の注入管番号3の注入管を用いた試験ともに、比較例の注入管番号5の注入管を用いた試験に比較して、鋼中の全酸素含有率指数(T.[O]指数)が低くなっており、鋼中非金属介在物の捕捉除去効果が確認された。特に、注入管番号1の注入管を用いた試験では、さらに一段と優れた鋼の清浄化が達成され、より一層介在物含有率の低い鋳片が得られた。
本発明のタンディッシュ用注入管は、注入管内を流下する溶融金属に旋回力を付与して旋回流を形成させる旋回流形成機構を備えるとともに、注入管本体の内径を適切な範囲に規定し、さらに下部出口部の内径を縮小したことにより、簡便な装置でありながら安定した強い旋回流を得て非金属介在物を捕捉除去し、効果的に溶融金属を清浄化することができる。したがって、本発明の注入管は、安価な設備により高清浄度の鋳片の製造を要求される溶融金属の連続鋳造分野において広く適用できる装置である。
本発明のタンディッシュ用注入管を用いて取鍋からタンディッシュに溶融金属を注湯し、連続鋳造を行う状況を示す縦断面の概略図である。 本発明の別のタンディッシュ用注入管を用いて取鍋からタンディッシュに溶融金属を注湯し、連続鋳造を行う状況を示す縦断面の概略図である。 本発明のさらに別のタンディッシュ用注入管を用いて取鍋からタンディッシュに溶融金属を注湯し、連続鋳造を行う状況を示す縦断面の概略図である。 本発明で用いる旋回流形成機構の斜視図である。 本発明で用いる別の旋回流形成機構の斜視図である。 本発明で用いるさらに別の旋回流形成機構を示す図であり、同図(b)は平面図を、同図(a)は同図(b)におけるD−D断面における縦断面図を、そして同図(c)は同図(b)における円周方向の曲線efghijklによる縦切断面の円周方向展開図をそれぞれ表す。 注入管下部出口部の内壁部に円周方向に配置したリング状の吹き込み部から不活性ガスを吹き込んだ場合の気泡膜の形成を説明するための概略図である。 注入管上部と取鍋下部との間のシール部材付近の縦断面を表す概略図である。 タンディッシュ用注入管を用いて取鍋からタンディッシュに溶融金属を注湯しながら連続鋳造を行った試験結果を示す図であり、同図(a)は図1に示すタンディッシュ用注入管を用いた試験結果を表し、同図(b)は図3に示すタンディッシュ用注入管を用いた試験結果を表す。 ロングノズルを用いて取鍋からタンディッシュに溶融金属を注湯し、連続鋳造を行う状況を示す縦断面の概略図である。 従来のタンディッシュ用注入管を用いて取鍋からタンディッシュに溶融金属を注湯し、連続鋳造を行う状況を示す縦断面の概略図である。
符号の説明
1:タンディッシュ用注入管
101:注入管下部出口部下端部
102:上部注入管
103:下部注入管
2:旋回流形成機構
3:流下溶融金属への不活性ガス吹き込み部
31:リング状吹き込み部
4:タンディッシュ
5:タンディッシュ蓋
6:取鍋
61:取鍋ノズル
62:ロングノズル
7:溶融金属注入流
71:取鍋内溶融金属
72:タンディッシュ内溶融金属
8:注入管内雰囲気調整用不活性ガス
9:流下溶融金属への吹き込み用不活性ガス
10:浸漬ノズル
11:鋳型
12:金属鋳片
13:不活性ガス導入流路
14:逆円錐状の気泡膜
20:スライディングゲート金物
21:スライディングゲート作動用油圧シリンダー
22:鉄板
23:多孔質耐火物
24シール部材
25:綿状耐火物
26:クッション材

Claims (5)

  1. 取鍋と鋳型の中間容器であるタンディッシュへの注湯に用いられるタンディッシュ用注入管であって、該注入管はその内壁と溶融金属とで形成される空間部に雰囲気調整のための不活性ガスが吹き込まれる状態で使用され、該注入管の内部には注入管内を流下する溶融金属に旋回力を付与することにより旋回流を形成させるための耐火物製の旋回流形成機構が配置され、該注入管の本体部の内径は200mm〜1500mmであり、該注入管の下部出口部の内径は注入管の本体部の内径の1/2以下であることを特徴とするタンディッシュ用注入管。
  2. 前記注入管において、下部出口部の注入管軸方向の長さが、該下部出口部の下端から上方に向かって100mm以上であることを特徴とする請求項1に記載のタンディッシュ用注入管。
  3. 前記旋回流形成機構から注入管の下部出口部の下端までの間に、流下する溶融金属中に不活性ガスを吹き込むための不活性ガス吹き込み部を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のタンディッシュ用注入管。
  4. 前記不活性ガス吹き込み部が、注入管の下部出口部の内壁部に円周方向に連続して配置され、該不活性ガス吹き込み部から該注入管の下部出口部の下端までの長さが100mm以上であることを特徴とする請求項3に記載のタンディッシュ用注入管。
  5. 前記注入管の下部出口部の下端部の内径が、出口下端に向かって、拡大していることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタンディッシュ用注入管。
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