JP2005251665A - 可燃性ガスセンサ付き燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガス検出判断回路21に、少なくとも2つの閾値(A)および(B)を予め設定しておき、閾値(A)は、問題と設定したガス濃度に対応するセンサ出力値であり、閾値(B)は、長期間の使用におけるガス濃度ゼロ対応の下限センサ出力値(α)であるとしている。そして、センサ出力が2つの閾値(A)および(B)の領域内に有る時は問題なしと判断し、閾値(A)もしくは閾値(B)の領域外に有る時は問題有りと判断して警報を発している。このことで、可燃性ガスセンサ20が長期間の使用により、その大気中におけるセンサ出力が本来有り得ない側に大幅に変化していないか否かが診断でき、誤測定が起こらない様にできる。また、これにより、安全性の高い燃料電池システムが得られる。
【選択図】図1
Description
図1は、本発明の実施の形態1の構成図であり、図1(a)はその構成図、図1(b)はこれに用いる可燃性ガス検出判断センサユニットの特性図、図1(c)はその制御フローチャートである。
実施の形態2は、接触燃焼式ガスセンサについて閾値(B)を検討したものである。接触燃焼式ガスセンサは、白金線などの金属製抵抗線をアルミナなどの多孔質担体で外包した一組の抵抗素子でブリッジ回路を組み、白金触媒などの貴金属触媒を担持させた多孔質担体の方を検知素子とし、貴金属触媒が担持させていない他方を比較素子とした構成である。両方の抵抗素子は、電圧印加によりその用途に応じて200〜500℃といった所定動作温度に加熱されており、炭化水素系燃料ガスや水素ガスさらに一酸化炭素ガスと反応して温度上昇する。この温度上昇は、ブリッジ回路にすることでセンサ出力として活用されており、これがガス濃度に比例する性質が有る。この方式の可燃性ガスセンサ20のガス濃度とセンサ出力の関係を図2(a)に、初期ガス感度Sと長期間使用後ゼロ点変動Vとの関係を図2(b)に示す。
実施の形態3は、半導体式ガスセンサについて閾値(B)を検討したものである。半導体式ガスセンサは、酸化錫を主成分とする感応膜の電気抵抗を白金などの貴金属の電極膜で検出するガスセンサであり、アルミナなどの基板の上にこれら膜を形成し、基板の裏面に配置した酸化ルテニウムなどのヒータ膜で400〜450℃に加熱している。この方式の可燃性ガスセンサ20のガス濃度とセンサ出力の関係を図3(a)に、初期ガス感度Sと長期間使用後ゼロ点変動Vとの関係を図3(b)に示す。
実施の形態4は、可燃性ガス検出判断センサユニットがガス検出可能状態となっている運転開始操作時もしくは運転停止操作時に、燃料電池17のアノード極15もしくはカソード極16に、炭化水素系燃料ガスを少量流入して外に排出してその流路滞留ガスを置換パージしている。
実施の形態5は、運転開始操作時にアノード極15を置換パージする実施形態4において、燃焼部18に炭化水素系燃料ガスを供給して燃焼させて燃料改質部14を昇温させるともに、燃料改質部14の内部と燃料電池17のアノード極15に炭化水素系燃料ガスを流通して燃焼部18に排出して燃焼させて、その流路滞留ガスをパージする様にしている。
実施の形態6は、運転開始操作時に燃料改質部14およびアノード極15を置換パージする実施形態5において、燃料改質部14の炭化水素系燃料ガスによるパージが、燃料改質部14の温度が所定温度に到達した後に行われる様にしている。
実施の形態7は、運転開始操作時に燃料改質部14およびアノード極15を置換パージする実施の形態6において、燃料改質部14のパージ完了後に、燃料改質部14に水供給手段12から水を供給し、燃料供給手段11から継続して供給させる炭化水素系燃料ガスとで水素系ガスを生成する反応を行わせる様にしている。
実施の形態8は、運転開始操作時に燃料改質部14およびアノード極15を置換パージする実施形態7において、燃料改質部14とアノード極15の間に、水素系ガスに含有する一酸化炭素を酸化して低減する浄化触媒33を少なくとも1個配置し、燃料改質部14および浄化触媒33の温度が各々の所定温度に到達してから、浄化触媒を通過した水素系ガスをアノード極15に供給するとともに、その未使用水素系ガスを燃焼部18に供給して燃焼させる様にした。図7(a)はその構成図、図7(b)はその制御フローチャートである。図7(b)の3)は、図6(b)の3)から続く制御フローチャートであり、生成した水素ガスが、流路IVを経由して燃焼部18で燃焼する部分3)からプログラムが始まる。燃料改質部14が所定温度IIに到達し、浄化触媒33が所定温度IIIに到達すると、水素流路切替弁26が流路IIIを開いて、アノード極15に水素系ガスを流入し、さらに、燃焼流路切替弁27が流路IIIを開いて、流路IIIを経由して未使用水素系ガスを燃焼部18で燃焼させる。こうして、燃料電池17は発電が始まる。
実施の形態9は、運転開始操作時にカソード極16を置換パージする実施形態4において、燃料改質部14の温度が所定温度に到達した後に、カソード極16に燃料供給手段11から炭化水素系燃料ガスを少量流入して外に排出しその流路滞留ガスを置換パージするものである。図8(a)はその構成図、図8(b)はその制御フローチャートである。燃料改質部14が所定温度Iに到達すると、燃料流路切替弁II30が開き、空気流路切替弁31が流路Vを開いて、炭化水素系燃料ガスがカソード極16に流入する。そして、空気排出弁32が開いて、炭化水素系燃料ガスを外に排出する。このことで、カソード極16に滞留したその流路滞留ガスが置換パージされる。その後、空気流路切替弁31が流路VIを開いて、酸素含有気体供給手段17が作動して、燃料電池17が発電を開始し、図1(c)記載の5)に戻る。
実施の形態10は、運転停止アノードパージ手段を用いて炭化水素系燃料ガスを少量流入する実施形態4の前段階において、運転停止操作初期に燃料電池17のアノード極15の内部に水素系ガスを封入するものである。
図9(a)は本発明の第10の実施の形態の構成図であり、図9(b)の左上部記載分がその制御フローチャートである。図1(c)における運転停止信号有りの10)からプログラムが始まる。そして、燃料流路切替弁Iの25が全流路を閉塞し、水素流路切替弁26が流路IVに切り替わり、燃焼流路切替弁27が流路IVに切り替わることで、アノード極15に水素が封入される。その後の制御フローチャートは省略するが最終的に、図1(c)記載の15)に戻る流れとなる。
実施の形態11は、運転停止操作初期に燃料電池17のアノード極15の内部に水素系ガスを封入する実施の形態10の後工程であり、燃料改質部14に水供給手段12から水だけを供給して水蒸気を発生させ、燃料改質部14の温度が所定温度以下になるまで、発生水蒸気によりその流路滞留ガスをパージするものである。
実施の形態12は、燃料改質部の温度が所定温度以下になる実施の形態11の後工程であり、燃料改質部14および燃料電池17のアノード極15に炭化水素系燃料ガスを封入するものである。
この様に、燃料改質部14および燃料電池17のアノード極15に炭化水素系燃料ガスを封入して運転が停止するので、これら流路に必要最低限量の炭化水素系燃料ガスを滞留でき、ガス安全性がさらに向上した燃料電池システムが得られる。また、炭化水素系燃料ガスの封入により、運転停止した後の長時間放置でも、燃料改質部14および燃料電池17のアノード極15が空気酸化されることがなく、高い材料活性を長時間維持できる。
実施の形態13は、運転停止カソードパージ手段を用いて運転停止操作を行う際に、運転停止操作初期に燃料電池のカソード極の内部に炭化水素系燃料ガスを封入するものである。詳細は、図5(c)に記載した通りであり、燃料電池システムの運転停止スイッチが入った直後段階10)からプログラムがスタートする。運転停止スイッチが入力されると、燃料流路切替弁IIである30が開き、次に空気流路切替弁31が開いて、炭化水素系燃料ガスがカソード極16に流入する。その後、空気排出弁32が開いて、炭化水素系燃料ガスを外に排出する。このことで、カソード極16に滞留したその流路滞留ガスが置換パージされる。その後、空気排出弁32を閉じ、さらに空気流路切替弁31の切替で、炭化水素系燃料ガスがカソード極16に封入され、図1(c)記載の15)に戻る。
12 水供給手段
13 酸素含有気体供給手段
14 燃料改質部
15 アノード極
16 カソード極
17 燃料電池
18 燃焼部
19 パッケージ
20 可燃性ガスセンサ
21 ガス検出判断回路
22 可燃性ガス検出判断センサユニット
23 運転開始アノードパージ手段
24 運転停止アノードパージ手段
25 燃料流路切替弁I
26 水素流路切替弁
27 燃焼流路切替弁
28 運転開始カソードパージ手段
29 運転停止カソードパージ手段
30 燃料流路切替弁II
31 空気流路切替弁
32 空気排出弁
33 浄化触媒
Claims (13)
- 炭化水素系燃料ガスを供給する燃料供給手段と、水を供給する水供給手段と、酸素含有気体を供給する酸素含有気体供給手段と、前記燃料供給手段から供給される炭化水素系燃料ガスと前記水供給手段から供給させる水を用いて水素系ガスを生成する燃料改質部と、水素系ガスのアノード極への供給と酸素含有気体のカソード極への供給により発電する燃料電池と、前記燃料供給手段から供給される炭化水素系燃料ガスおよび前記燃料改質部で生成する水素系ガスを燃焼させる燃焼部と、炭化水素系燃料ガスおよび水素系ガスを検知する可燃性ガスセンサとそのガス検出判断回路からなる可燃性ガス検出判断センサユニットとを、少なくとも有しており、前記可燃性ガス検出判断センサユニットは、そのセンサ出力が、予め設定した少なくとも2つの閾値(A)および(B)の領域内に有る時は問題なしと判断し、前記閾値(A)もしくは閾値(B)の領域外に有る時は問題有りと判断して警報を発し、前記閾値(A)は、問題と設定したガス濃度に対応するセンサ出力値であり、前記閾値(B)は、長期間の使用におけるガス濃度ゼロ対応の下限センサ出力値(α)であるとした可燃性ガスセンサ付き燃料電池システム。
- 可燃性ガスセンサが接蝕燃焼式ガスセンサであり、問題有りの初期ガス感度をS、初期ゼロ点出力をEとすると、閾値(B)は、B=E−(0.50〜0.08)×Sである請求項1記載の可燃性ガスセンサ付き燃料電池システム。
- 可燃性ガスセンサが半導体式ガスセンサであり、問題有りの初期ガス感度をS,初期ゼロ点出力をEとすると、閾値(B)は、B=E−(0.28〜0.04)×Sである請求項1記載の可燃性ガスセンサ付き燃料電池システム。
- 可燃性ガス検出判断センサユニットがガス検出可能状態となっている運転開始操作時もしくは運転停止操作時に、燃料電池のアノード極もしくはカソード極に燃料供給手段から炭化水素系燃料ガスを少量流入して外に排出しその流路滞留ガスを置換パージする運転開始アノードパージ手段、運転開始カソードパージ手段、運転停止アノードパージ手段、運転停止カソードパージ手段の少なくとも1個を作動させる請求項1記載の可燃性ガスセンサ付き燃料電池システム。
- 運転開始アノードパージ手段を用いて運転開始操作を行う初期段階において、燃焼部に炭化水素系燃料ガスを供給して燃焼させて燃料改質部を昇温させるともに、前記燃料改質部の内部と燃料電池のアノード極に炭化水素系燃料ガスを流通して前記燃焼部に排出して燃焼させて、その流路滞留ガスをパージする請求項4記載の可燃性ガスセンサ付き燃料電池システム。
- 燃料改質部の炭化水素系燃料ガスによるパージが、前記燃料改質部の温度が所定温度に到達した後に行われる請求項5記載の可燃性ガスセンサ付き燃料電池システム。
- 燃料改質部のパージ完了後に、前記燃料改質部に水供給手段から水を供給し、燃料供給手段から継続して供給させる炭化水素系燃料ガスとで水素系ガスを生成する反応を行わせる請求項6記載の可燃性ガスセンサ付き燃料電池システム。
- 燃料改質部と燃料電池の間に、水素系ガスに含有する一酸化炭素を酸化して低減する浄化触媒を少なくとも1個配置し、前記燃料改質部または浄化触媒の温度が各々の所定温度に到達してから、前記浄化触媒を通過した水素系ガスを燃料電池のアノード極に供給するとともに、その未使用水素系ガスを燃焼部に供給して燃焼させる請求項7記載の可燃性ガスセンサ付き燃料電池システム。
- 運転開始カソードパージ手段を用いて運転開始操作を行う初期段階において、燃料改質部の温度が所定温度に到達した後に、カソード極に燃料供給手段から炭化水素系燃料ガスを少量流入して外に排出しその流路滞留ガスを置換パージする請求項4記載の可燃性ガスセンサ付き燃料電池システム。
- 運転停止アノードパージ手段を用いて炭化水素系燃料ガスを少量流入する前に、燃料電池のアノード極の内部に水素系ガスを予め封入しておく請求項4記載の可燃性ガスセンサ付き燃料電池システム。
- 燃料電池のアノード極の内部に水素系ガスを封入した後、燃料改質部に水供給手段から水だけを供給して水蒸気を発生させ、前記燃料改質部の温度が所定温度以下になるまで、発生水蒸気によりその流路滞留ガスをパージする請求項10記載の可燃性ガスセンサ付き燃料電池システム。
- 燃料改質部の温度が所定温度以下になったら、前記燃料改質部および燃料電池のアノード極に炭化水素系燃料ガスを封入して運転が停止する請求項10記載の可燃性ガスセンサ付き燃料電池システム。
- 運転停止カソードパージ手段を用いて運転停止操作する際に、燃料電池のカソード極の内部に炭化水素系燃料ガスを流入しその後に封入して運転が停止する請求項4記載の可燃性ガスセンサ付き燃料電池システム。
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