JP4734856B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃焼部を有する燃料電池システムに関し、特にその燃焼排ガス流路に配置した可燃性ガスセンサの信頼性とそれに纏わる安全対策を向上させたものである。
従来の燃料電池装置として、万が一に漏洩する水素などの可燃性ガスを検知する気体検知手段をパッケージ内に配置したものが有る(例えば、特許文献1)。この従来の燃料電池装置は、図7に示す通りであり、水素系ガスを生成する燃料改質装置1と、生成した水素系ガスで発電する燃料電池2と、これらを駆動させる補機3と制御する電気制御装置4と、漏洩する可燃性ガスを検知する気体検知手段5が、パッケージ6の内部空間に配置されている。気体検知手段5は、パッケージ6の上部内壁に設けられ、その対向する側には換気装置7が設けられている。またさらに、換気装置7には、燃料電池2から排出されるカソード排気8もしくは、燃料改質装置1から排出される燃焼排気の出口部10、のいずれかまたは両方が配置されている。そして、これらから漏洩排気される可燃性ガスが、気体検知手段5ですぐに検知される様にしている。
また、燃焼排ガス流路に、ハイドロカーボンや一酸化炭素(以下、COと記す)を検出する250℃動作型の一酸化炭素センサ(以下、COセンサと記す)を配置し、燃料ガスの生ガス漏れや不完全燃焼によるCO発生を検出している燃焼機器が有る。(例えば、特許文献2)。この燃焼機器は、燃焼運転が停止すると燃焼ファンを回転させて、COセンサのゼロ点補正を行う。一方、電源が投入されると、COセンサに内蔵されているヒータがすぐに過熱されて、非燃焼時におけるハイドロカーボン濃度の検出を行なう。ハイドロカーボン濃度が多量存在する時は、次回の燃焼装置を停止させる措置をとり、少量の際は点火して燃焼を行なう措置をとる。そして、燃焼中は、一酸化炭素濃度の検出を常時行ない、もしも多量にCOが検出されると燃焼ファンの回転数を高めるなどして、その濃度を低減させる安全動作を行なう。
一方、従来の燃料電池システムとして、燃料電池の発電開始前および発電終了後の少なくとも一方において、バイパス手段を経由して燃料電池の燃料ガス流路に、炭化水素系の燃料原料ガスを封入するものが有る(例えば、特許文献3)。このことで、窒素ガスを用いないで燃料ガス流路の雰囲気のパージを行ない、燃料ガス流路に滞留するガスを追い出して燃料電池の燃料極や空気極の活性を維持している。
特開2003−229148号公報 特開平9−14655号公報 特開2003−229149号公報
従来のガス漏洩検知センサ付き燃料電池装置は、気体検知手段5を用いてガス漏洩を検知する概念は有るが、気体検知手段5のリフレッシュを目的にして、燃料電池2から排出されるカソード排気8や、燃料改質装置1から排出される燃焼排気の出口部10に、可燃性ガスを意図的に漏洩排気させて反応させ、その表面温度を上昇させて空焼きする概念やその手段の記載が無い。そのため、気体検知手段5が、空気浮遊有機化合物で覆われてしまって正しくガス漏洩を検知できているか不安であり、もしもリフレッシュを実施する場合、リフレッシュ動作装置が複雑でその操作が煩雑となる課題が有った。また、燃焼排ガス流路にCOセンサを配置した従来の燃焼機器も、COセンサのリフレッシュを目的にして、意図的に可燃性ガスを漏洩排気させてCOセンサと反応させ、その表面温度を上昇さ
せて空焼きする概念やその手段の記載が無い。そのため、COセンサが、空気浮遊有機化合物で覆われてしまって正しくガス漏洩を検知できるかが不安であり、もしもリフレッシュを実施する場合、リフレッシュ動作装置が複雑でその操作が煩雑となる課題が有った。以下、詳細に説明する。
例えば、従来の燃焼機器の場合、燃焼ファンの回転数増減や燃料供給量の増減で、簡単に燃焼排ガス中のハイドロカーボンやCOの量が増加する。そのため、この排出される可燃性ガスをCOセンサと反応させ、その表面温度を上昇させて空焼きすることが設計的手段として思いつくが、空焼きに必要な少量濃度のこれらガスを発生する燃焼状態は不安定であるため、たちまち失火して火が消え高濃度のハイドロカーボンやCOが発生する。そのため、COセンサの適正検知領域(0.05〜1%)から外れてしまって、その表面温度が高温になりすぎてセンサを部分的に熱破壊する可能性が高まるとともに、失火という新たな課題発生が有る。この失火原因は、同一系統の燃料流路から燃料を供給し、しかもその供給量増減でCO等を発生していることに起因している。これを防止して安定燃焼しつつも、COセンサを適正に空焼きするには、例えば燃料流路を2系統にするとか、いずれか燃料流路を昇圧にするなどの工夫が必要であり、その装置や操作が複雑で煩雑になる。
一方、発電開始前および発電終了後に、炭化水素系の燃料原料ガスで燃料ガス流路をパージする従来の燃料電池システムは、外に排出した燃料原料ガスに関する安全性を確保するための安全装置が複雑でその操作が煩雑となる課題が有った。
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、発電開始前および発電終了後に可燃性ガスセンサをリフレッシュすることを目的にして、可燃性ガスを少量含む燃焼排ガスを短時間排出することが、簡単な装置や操作で安定してできる様にしたものである。そして、本来働かなければならない時つまり、燃料電池の発電中の万が一のアクシデントで排出されたCOなど可燃性ガスを、検出ミスすることなくいつでも検知して、警報などでこのことを知らせることが出来る様にしたものである。
前記従来の課題を解決するために、本発明の燃料電池システムは、燃焼部が燃焼状態であり可燃性ガスセンサが所定動作温度まで加熱されてガス検出可能となっている発電開始前もしくは発電終了後に、燃料電池のアノード極もしくはカソード極に炭化水素系燃料ガスを少量流入して燃料電池外に排出しその流路滞留ガスを置換パージするパージ手段を作動させ、燃焼部に供給している炭化水素系燃料ガスにパージ手段から排出される炭化水素系燃料ガスを混合させて燃焼部に導いて燃焼させるとした。
本発明は、発電開始前の炭化水素系燃料ガスを燃焼させた状態、もしくは、発電終了後の炭化水素系燃料ガスや水素系ガスを燃焼させた状態である時に、これらガスとは別流路の供給でありアノード極もしくはカソード極を経由した少量の炭化水素系燃料ガスを、さらに混合して燃焼させている。発電開始前や発電終了後の安定燃焼が行なわれている時に、これら燃料ガスとは別流路の供給であり、しかも圧力損失の高いアノード極もしくはカソード極を経由するために、昇圧した少量の炭化水素系燃料ガスをさらに混合して燃焼させているので、燃焼部は、安定燃焼しつつも、空焼きに必要な低濃度の可燃性ガスを短時間発生する。このため、可燃性ガスセンサは簡単に定期的リフレッシュができるともに、燃料電池システムはその燃焼部が失火することなく、正常に発電開始やシステム停止が行なわれる。さらに加えて、燃焼部が、水素系ガス生成触媒をその内部に充填したステンレス製などの筐体からなる燃料改質部を加熱しているのでその輻射熱の影響を受けて、炭化水素系燃料ガスを多く燃焼させる程、燃焼排ガス温度が上昇する特性が得られる。そのため、燃焼排ガス中に配置された可燃性ガスセンサは、その表面温度を高く維持できこのこ
とで、表面に付着した油煙などを高温で焼き切って除去してセンサの感度維持がはかれ、所謂ねむ現象と言う検出ミスを防止する利点が生じる。また、アノード極やカソード極を、炭化水素系燃料ガスを用いて流路滞留ガスを置換パージしているので、これら材料や通路に付着した水や空気などの不純物を効率よく除去し、各々の電極の活性を高める利点も生じる。
以上説明したように、本発明の燃料電池システムは、発電開始前もしくは発電終了後に微量の炭化水素系燃料ガスを外に排出して燃焼部で燃焼させ、一時的に低濃度の可燃性ガスを発生させている。このため、燃焼排ガス中に配置された可燃性ガスセンサは、その温度をさらに高く維持して表面に付着した油煙などを高温で焼き切って除去でき、センサの感度維持がはかれ、所謂ねむ現象と言う検出ミスを防止する作用が生じる。またこのことにより、可燃性ガスセンサは、燃料電池システム運転中の万が一アクシデントで排出されるCOなどの炭化水素系ガスを、検出ミスすることなくいつでも検知して、警報などでこのことを知らせることが出来る。これに加えて、アノード極やカソード極を、炭化水素系燃料ガスを用いて流路滞留ガスを置換パージしているので、これら材料や通路に付着した水や空気などの不純物を効率よく除去して各々の電極の活性を高め、その耐久信頼性を向上させる利点も生じる。また、パージした炭化水素系燃料ガスは、燃焼部で燃焼させているため、ガス安全性が向上した燃料電池システムが得られる。
第1の発明は、炭化水素系燃料ガスを供給する燃料供給手段と、水を供給する水供給手段と、酸素含有気体を供給する酸素含有気体供給手段と、前記燃料供給手段から供給される炭化水素系燃料ガスと前記水供給手段から供給させる水を用いて水素系ガスを生成する燃料改質部と、前記燃料供給手段から供給される炭化水素系燃料ガスおよび前記燃料改質部で生成する水素系ガスを燃焼させる燃焼部と、前記燃料改質部で生成する水素系ガスのアノード極への供給と酸素含有気体のカソード極への供給により発電する燃料電池と、前記燃焼部からの燃焼排ガス流路に配置して炭化水素系燃料ガスおよび水素系ガスおよび一酸化炭素の少なくともいずれかを検知する可燃性ガスセンサと、前記可燃性ガスセンサを動作させその検出信号を判定処理するガス検出判断回路を、少なくとも有しており、前記燃焼部が燃焼状態であり前記可燃性ガスセンサが所定動作温度まで加熱されてガス検出可能となっている発電開始前もしくは発電終了後に、前記燃料電池の前記アノード極もしくは前記カソード極に前記燃料供給手段から炭化水素系燃料ガスを少量流入して前記燃料電池外に排出しその流路滞留ガスを置換パージする運転開始アノードパージ手段、運転開始カソードパージ手段、運転停止アノードパージ手段、運転停止カソードパージ手段の少なくとも1個を作動させ、前記燃焼部に供給している炭化水素系燃料ガスに前記各パージ手段から排出される炭化水素系燃料ガスを混合させて前記燃焼部に導いて燃焼させるよう制御する制御部を有している。
本発明の燃料電池システムは、発電開始前もしくは発電終了後に微量の炭化水素系燃料ガスを外に排出し、燃焼部で燃焼されて一時的にCOを多く生成させている。このため、可燃性ガスセンサは、COを良好に検出できるかの自己診断が出来る。また、可燃性ガスセンサは、200℃以上という動作温度まで加熱されたタイプを使用し、燃焼排ガス中に配置してその表面温度をさらに高く維持して、表面に付着した油煙などを高温で焼き切って除去している。そのため、センサの感度維持がはかれ、所謂ねむ現象と言う検出ミスを防止する作用が生じる。これらのことにより、可燃性ガスセンサは、燃料電池システム運転中の万が一アクシデントで排出されるCOなどの炭化水素系ガスを、検出ミスすることなくいつでも検知して、警報などでこのことを知らせることが出来る。これに加えて、アノード極やカソード極を、炭化水素系燃料ガスを用いて流路滞留ガスを置換パージしているので、これら材料や通路に付着した水や空気などの不純物を効率よく除去し、各々の電
極の活性を高める利点も生じる。また、パージした炭化水素系燃料ガスは、燃焼部で燃焼させているため、ガス安全性が向上した燃料電池システムが得られる。
第2の発明は、第1の発明の燃料電池システムにおいて、制御部は、燃焼部に予め炭化水素系燃料ガスを直接に供給して燃焼させて燃料改質部を予備加熱しておいてから、運転開始アノードパージ手段が作動して、炭化水素系燃料ガスを前記燃料改質部の内部を経由して燃料電池のアノード極に流入させ前記燃焼部で燃焼させるよう制御する
燃焼部が、最初は直接に炭化水素系燃料ガスが供給されて燃焼し、この燃焼熱により燃料改質部を予備加熱させている。そして例えば、所定時間の経過などの予め記憶させておいた信号を受けると、加熱された燃料改質部やアノード極を経由したパージされた炭化水素系燃料ガスがさらに加わって供給されて燃焼する。このため、温度が高められた炭化水素系燃料ガスが燃焼部に供給されその燃焼性が向上する。一方、パージされた炭化水素系燃料ガスのさらなる供給により、燃焼部は安定燃焼しつつも一時的に一酸化炭素が発生するが、可燃性ガスセンサは簡単に定期的リフレッシュができる。さらに加えて、燃料電池システムは、燃焼部が失火することなく正常に発電開始が行なわれ、ガス安全性がさらに向上する。
第3の発明は、第1の発明の燃料電池システムにおいて、制御部は、運転開始アノードパージ手段の作動終了後に、炭化水素系燃料ガスを燃料改質部の内部に流入させ、通過ガスを燃焼部に導いて燃焼させた燃焼熱で前記燃料改質部を加熱するよう制御する。炭化水素系燃料ガスがその内部空間を流入している高温の燃料改質部をその外側から燃焼部が加熱しているので、その輻射熱の影響を受けて、燃焼排ガス温度が上昇する特性が得られる。そのため、燃焼排ガス中に配置された可燃性ガスセンサは、その表面温度を高く維持して表面に付着した油煙などを高温で焼き切って除去してセンサの感度維持がはかれ、所謂ねむ現象と言う検出ミスを一層防止する利点が生じる。
第4の発明は、第1の発明の燃料電池システムにおいて、制御部は、運転開始アノードパージ手段の作動終了後に、水供給手段から供給される理論量より過剰の水と、燃料供給手段から供給させる炭化水素系燃料ガスとで、燃料改質部において水素系ガスを生成する反応を行なわせ、通過ガスを燃焼部に導いて燃焼させた燃焼熱で前記燃料改質部を加熱するよう制御する
理論量より2〜4倍という過剰の水を供給して水素系ガスを生成する反応を行なわせたので、通常より水分を多く含む燃焼排ガスが得られる。そのため、このアノードパージ手段の作動終了後に続く発電準備段階や発電段階で排出される燃焼排ガス中の過剰水分により、可燃性ガスセンサに付着する油煙などの有機物が柔らかくなる効果が生じる。そして、次回の運転開始時に行なわれる運転開始アノードパージ手段などによる空焼き実施で、可燃性ガスセンサは一層簡単に定期的リフレッシュができる。さらに加えて、炭化水素系燃料ガスがその内部空間を流入している高温の燃料改質部をその外側から燃焼部が加熱しているので、その輻射熱の影響を受けて、燃焼排ガス温度が上昇する特性が得られる。そのため、燃焼排ガス中に配置された可燃性ガスセンサは、その表面温度を高く維持できこのことで、表面に付着した油煙などを高温で焼き切って除去してセンサの感度維持がはかれ、所謂ねむ現象と言う検出ミスを一層防止する利点が生じる。
第5の発明は、第1の発明の燃料電池システムにおいて、燃料改質部と燃料電池のアノード極の間に、水素系ガスに含有する一酸化炭素を酸化して低減する浄化触媒をさらに有し、制御部は、運転開始アノードパージ手段の作動終了後に、前記燃料改質部および前記浄化触媒を安定して化学反応が行なえる温度に到達させてから、前記浄化触媒を通過した水素系ガスを前記燃料電池のアノード極に供給するとともに、その未使用水素系ガスを燃
焼部に供給して燃焼させ、その燃焼熱で前記燃料改質部を加熱するよう制御する。浄化触媒を通過した水素系ガスを燃焼部に供給しているため、一酸化炭素が低減された水素系ガスが燃焼部に排出される。このため、燃焼部は一酸化炭素を生成することなく燃焼し、ガス安全性がさらに向上した燃料電池システムが得られる。また、この燃焼段階では一酸化炭素が発生しない様に安定燃焼できるため、可燃性ガスセンサは、この安定燃料とその前段初期の一酸化炭素発生燃焼におけるセンサ出力の大小関係で、センサの自己診断が確実にできる。
第6の発明は、第1の発明の燃料電池システムにおいて、制御部は、燃料電池のアノード極の内部に水素系ガスを予め封入する予備水素パージ手段の後に、運転停止アノードパージ手段が作動するよう制御する。封入する際に外に排出された水素系ガスとその後の炭化水素系燃料ガスは、可燃性ガスセンサとの相乗効果槽により効果的に反応してその燃焼熱で、表面に付着した水分や油煙などを効果的に焼き切って除去してセンサの感度維持を一層助け、所謂ねむ現象と言う検出ミスを防止する作用が生じる。そのため、可燃性ガスセンサは、燃料電池システム運転中の万が一アクシデントで排出される可燃性ガスを、検出ミスすることなくいつでも一層短時間に検知して警報などでこのことを知らせることが出来る。また、アノード極に水素ガスを封入しその後に炭化水素系燃料ガスを用いて流路滞留ガスを置換パージしているので、電極材料や通路に付着した水や空気などの不純物を効率よく除去し、各々の電極の活性を一層高める利点も生じる。
第7の発明は、第1の発明の燃料電池システムにおいて、
制御部は、燃料電池のアノード極の内部に水素系ガスを封入する予備水素パージ手段の後に、燃料改質部に水供給手段から水だけを供給して発生する水蒸気によりその流路滞留ガスをパージする予備水蒸気パージ手段を作動させ、さらにその後に、運転停止アノードパージ手段を作動させるよう制御する。水蒸気によりその流路滞留ガスをパージする予備水蒸気パージ手段を設けたので、通常より水分を多く含む燃焼排ガスが得られる。そのため、燃焼排ガス中の過剰水分により、可燃性ガスセンサに付着する油煙などの有機物が柔らかくなる効果が生じる。そして、次に続く運転停止時に行なわれる運転停止アノードパージ手段などによる空焼き実施で、可燃性ガスセンサは一層簡単に定期的リフレッシュができる。また、燃料改質部およびその流路に滞留してガスを水蒸気でパージしているので、これら流路に不必要に滞留する水素や炭化水素系燃料ガスの量を低減でき、ガス安全性がさらに向上した燃料電池システムが得られる。
第8の発明は、第1の発明の燃料電池システムにおいて、制御部は、運転停止アノードパージ手段で燃料改質部および燃料電池のアノード極に炭化水素系燃料ガスを封入した後に、システム運転が停止するよう制御する。燃料改質部および燃料電池のアノード極に炭化水素系燃料ガスを封入して運転が停止するので、これら流路に必要最低限量の炭化水素系燃料ガスを滞留でき、ガス安全性がさらに向上した燃料電池システムが得られる。また、炭化水素系燃料ガスの封入により、運転停止した後の長時間放置でも、燃料改質部および燃料電池のアノード極が空気酸化されることがなく、高い材料活性を長時間維持できる。
第9の発明は、第1の発明の燃料電池システムにおいて、制御部は、燃焼部を燃焼させて燃料改質部を予備加熱しておいてから、運転開始カソードパージ手段が作動するよう制御する。燃焼部が最初は燃焼し、この燃焼熱により燃料改質部を予備加熱されている。そして例えば所定時間の経過などの予め記憶させておいた信号を受けると、運転開始カソードパージ手段が作動して、カソード極を経由したパージされた炭化水素系燃料ガスがさらに加わった燃焼が起こる。パージされた炭化水素系燃料ガスのさらなる供給により、燃焼部は安定燃焼しつつも一時的な一酸化炭素発生が有るが、可燃性ガスセンサは簡単に定期的リフレッシュができる。さらに加えて、燃料電池システムは、燃焼部が失火することな
く正常に発電開始が行なわれ、ガス安全性がさらに向上する。
第10の発明は、第1の発明の燃料電池システムにおいて、制御部は、運転停止カソードパージ手段の終了後に、システム運転が停止するよう制御する。封入する最に外に排出された少量の炭化水素系燃料ガスは、可燃性ガスセンサと反応してその反応表面に付着した空気中の各種有機化合物などを効果的に除去してその活性化を助ける働きが有る。この炭化水素系燃料ガスの外への排出を、運転停止する前に行っているため、次回運転における所謂ねむと言う検出ミスが防止されて、可燃性ガスセンサは、万が一のアクシデントで燃料電池システムから排出される炭化水素系燃料ガスを一層短時間に検知して、警報などでこのことを瞬時に知らせることが出来る。また、炭化水素系燃料ガスの封入により、運転停止した後の長時間放置でも、燃料改質部および燃料電池のカソード極が空気酸化されることがなく、高い材料活性を長時間維持できる。
第11の発明は、第1の発明の燃料電池システムにおいて、ガス検出判断回路は、初期におけるガス濃度とセンサ出力の関係より、問題と設定したガス濃度に対応するセンサ出力値である閾値(A)と、長期間の使用におけるガス濃度とセンサ出力の関係より、ガス濃度ゼロ対応の下限センサ出力値(α)である閾値(B)とを、有し、前記ガス検出判断回路は、可燃性ガスセンサのセンサ出力値が、前記閾値(A)および前記閾値(B)の領域内に有る時は問題なしと判断し、前記閾値(A)もしくは閾値(B)の領域外に有る時は問題有りと判断し、制御部は、前記ガス検出判断回路が問題ありと判断した場合に、警報を発するよう制御する。
ガス検出判断回路に、少なくとも2つの閾値(A)および(B)を予め設定しておき、閾値(A)は、問題と設定したガス濃度に対応するセンサ出力値であり、閾値(B)は、長期間の使用におけるガス濃度ゼロに対応する下限センサ出力値(α)であるとしている。そして、センサ出力が2つの閾値(A)および(B)の領域内に有る時は問題なしと判断し、閾値(A)もしくは閾値(B)の領域外に有る時は問題有りと判断して警報を発している。このことで、可燃性ガスセンサが長期間の使用により、その大気中におけるセンサ出力が本来有り得ない側に大幅に変化していないか否かが診断でき、誤測定が起こらない様にできる。また、これにより、ガス安全性の高い燃料電池システムが得られる。
第12の発明は、第11の発明の燃料電池システムにおいて、可燃性ガスセンサが接蝕燃焼式ガスセンサであり、問題有りの初期ガス感度をS、初期ゼロ点出力をEとすると、閾値(B)は、B=E−(0.50〜0.08)×Sであるとしている。接蝕燃焼式ガスセンサを使用する際の閾値(B)を、問題有りの初期ガス感度Sと、初期ゼロ点出力Eとの関係で整理してその具体的値を明示しているため、大気中での自己診断の精度が向上し、一層ガス安全性の高い燃料電池システムが得られる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1および図2は、本発明の第1の実施の形態の構成図である。まず、構成について説明する。燃料電池システムは、炭化水素系燃料ガスを供給する燃料供給手段11と、水を供給する水供給手段12と、酸素含有気体を供給する酸素含有気体供給手段13と、燃料供給手段11から供給される炭化水素系燃料ガスと水供給手段12から供給させる水を用いて水素系ガスを生成する燃料改質部14と、水素リッチ系ガスのアノード極15への供給と酸素含有気体のカソード極16への供給により発電する燃料電池17と、燃料供給手段11から供給される炭化水素系燃料ガスおよび燃料改質部14で生成する水素系ガスを燃焼させる燃焼部18と、燃焼部18からの燃焼排ガス流路19に配置して炭化水素系燃料ガスおよび水素系ガスおよび一酸化炭素の少なくともいずれかを検知する可燃性ガスセンサ20と、可燃性ガスセンサ20を動作させその検出信号を判定処理するガス検出判断回路21を、少なくとも有している。
主要部品の構成と材料を具体的に説明する。燃料改質部14は、アルミナ担体にルテニウムを担持した触媒をステンレス容器に充填した装置である。燃焼部18により約650℃に加熱され、燃料供給手段11からの炭化水素系燃料ガス(例えば、メタンが主成分の都市ガス)と、水供給手段12からの純水の供給を受けると、化学反応が起こり8割の水素と2割の二酸化炭素を生成する。なお、燃料供給手段11の前流には、脱流器と昇圧器(いずれも記載せず)が配置されており、含有する硫黄化合物を除去するとともに昇圧して炭化水素系燃料ガスを供給している。また、燃料改質部14の後流には、アルミナ担体に白金を担持した浄化触媒(記載せず)が少なくとも1個配置されており、含有する一酸化炭素を低減させた水素系ガスを、燃料電池17に供給する様にしている。燃料電池17は、カーボンブラックに触媒の白金粒子を担持した構成のアノード極15およびカソード極16の間に、フッ化炭素の主鎖にスルホン基の側鎖を付着させた高分子系水素イオン伝導性電解質膜を配置した電池の集合体である。燃料改質部14からアノード極15へ供給させる水素と、酸素含有気体供給手段13からカソード極16へ供給させる空気中の酸素により、電気化学反応が起こり発電する。可燃性ガスセンサ20は、白金触媒などをアルミナ系もしくは酸化スズ系の担体に担持させた感応体を付着させた白金線を組み合わせて用いる接触燃焼式ガスセンサ、白金電極を形成したジルコニアなどの固体電解質板を用いる固体電解質式ガスセンサである。これら可燃性ガスセンサ20は、200℃以上に加熱されており、炭化水素系燃料ガスまたは水素系ガスまたはCOガスを検知すると、酸化反応が起こってセンサ出力が変化する性質がある。
本発明は、燃焼部18が燃焼状態であり可燃性ガスセンサ20がガス検出可能となっている発電開始前もしくは発電終了後に、燃料電池17のアノード極15もしくはカソード極16に、燃料供給手段11から炭化水素系燃料ガスを少量流入して外に排出しその流路滞留ガスを置換パージする手段を作動させている。そして、これらパージ手段から排出される炭化水素系燃料ガスは、燃焼部18に導いて燃焼させている。これらパージ手段から排出される炭化水素系燃料ガスは、燃焼部18に供給されている燃料ガスとは別流路の供給であり、しかも圧力損失の高いアノード極もしくはカソード極を経由するために、昇圧して供給されている。この昇圧した少量の燃料ガスを、主流路の燃料ガスにさらに混合して燃焼させているので、燃焼部18は、安定燃焼しつつも、燃焼排ガス流路19に配置した可燃性ガスセンサ20の空焼きに必要な濃度の可燃性ガスを短時間発生する。
アノード極15の置換パージ手段は、図1に記載した様に、運転開始アノードパージ手段23もしくは運転停止アノードパージ手段24である。図1(a)は本発明の構成図、図1(b)は運転開始アノードパージ手段23の制御フローチャート、図1(c)は運転停止アノードパージ手段24の制御フローチャートである。
まず、発電開始前にアノード極をパージする運転開始アノードパージ手段23について、図1(a)および(b)で説明する。この手段23は、燃料供給手段11と燃料改質部14の中間に配置した燃料供給弁26と、アノード極15と燃料改質部14の間に配置した水素流路切替弁27と、アノード極15と燃焼部18の間に配置した燃焼流路切替弁28と、これら弁で接続されたガス配管および弁を作動させる制御シーケンスで構成される。まず、システム運転開始の操作ボタンが押されると、燃料供給手段11と燃焼部18の中間に配置した燃料流路切替弁25が作動して、炭化水素系燃料ガスが流路Iを経由して燃焼部18に流入して燃焼状態となる。また、燃焼排ガス流路19に配置した可燃性ガスセンサ20は、内蔵ヒータによってヒートアップされてガス検出可能状態となる。この様な運転開始直後に、運転開始アノードパージ手段23が次の様に作動する。まず、燃料供給弁26によって流路IIのガス流路が開き、僅かに加熱された燃料改質部14に炭化水素系燃料ガスが流入する。その後、水素流路切替弁27が開いてガス流路が流路IIIに切り替わり、炭化水素系燃料ガスが燃料改質部14を経由してアノード極15に流入する。そして、燃焼流路切替弁28が開いて、アノード極15からの炭化水素系燃料ガスが燃
焼部18に導入され燃焼する。最後に、燃焼流路切替弁28および水素流路切替弁27を作動させて流路IVのガス流れを形成し、炭化水素系燃料ガスをアノード極15に封入して、運転開始アノードパージ手段23の作動が終了する。
運転開始アノードパージ手段23の作動が終了すると、燃料改質部14を燃焼部18が加熱して炭化水素系燃料ガスから水素系ガスを生成する改質反応が次の様に行なわれ、発電を開始する準備段階に入る。炭化水素系燃料ガスは、前述の手段23によって、流路IIから燃料改質部14さらに流路IVのガス流れを経由して燃焼部18に流入して燃焼し、燃料改質部14を加熱する。これとともに、水供給手段12から水が燃料改質部14に供給され、炭化水素系燃料ガスが燃料改質部14において水素系ガスに改質される反応が徐々に行われ、時間とともに反応率が高まり生成する水素系ガスの量が多くなる。やがて、燃料電池17の発電に必要な水素系ガスの量が確保され、しかもそれ以上となって量の余裕が生じると、流路Iを経由して燃焼部18に流入する炭化水素系燃料ガスの量が減少し、やがて流路IV経由して燃焼部18に流入する水素系ガスの量だけで、燃焼が行われて燃料改質部14を加熱することが行われる。そして、燃料改質部14から排出される流路IVのガス流れに含まれる一酸化炭素の量が大幅に減少すると再び、水素流路切替弁27と燃焼流路切替弁28が開いてガス流路が流路IIIに切り替わり、水素系ガスがアノード極15に流入して燃料電池17の発電が行われる。また、燃料電池17のアノード極15で消費されない余剰の水素系ガスは、流路IIIを経由して燃焼部18に流入して燃焼し、燃料改質部14を加熱することに使用される。
次に、発電停止後にアノード極をパージする運転停止アノードパージ手段24について、図1(a)および(c)で説明する。この手段24も、燃料供給手段11と燃料改質部14の中間に配置した燃料供給弁26と、アノード極15と燃料改質部14の間に配置した水素流路切替弁27と、アノード極15と燃焼部18の間に配置した燃焼流路切替弁28と、これら弁で接続されたガス配管および弁を作動させる制御シーケンスで構成される。発電停止の操作ボタンが押されて、燃料改質部14の温度が低下して水素系ガスへの転換がなくなるとともに発電が停止した後に、運転停止アノードパージ手段24は次の様に作動する。なお、この手段24の作動時は、燃焼部18は炭化水素系燃料ガスが燃焼しており、可燃性ガスセンサ20は内蔵ヒータによってヒートアップされてガス検出可能状態と既になっている。運転停止アノードパージ手段24は、まず、水素流路切替弁27を開いてガス流路を流路IIIに切り替え、炭化水素系燃料ガスが温度低下した燃料改質部14を経由してアノード極15に流入させる。そして、燃焼流路切替弁28を開いて、アノード極15からの炭化水素系燃料ガスが燃焼部18に導入され燃焼させる。最後に、燃焼流路切替弁28および水素流路切替弁27をその後に閉めて流路IVのガス流れを形成し、炭化水素系燃料ガスをアノード極15に封入して、運転停止アノードパージ手段24の作動が終了する。運転停止アノードパージ手段24の作動が終了すると、燃料流路切替弁25および燃料改質部14を閉ざして炭化水素系燃料ガスの供給を停止して、燃焼部18での燃焼も終了させ、燃料電池システムは運転を停止する。
なお、参考のため、発電停止の操作ボタンが押されてから、運転停止アノードパージ手段24が作動するまでの制御フローを説明する。発電している時は、流路IIから燃料改質部14に流入した炭化水素系燃料ガスは、改質されて水素系ガスとなってアノード極15に流入して燃料電池17の発電に使用されている。また、燃料電池17のアノード極15で消費されない余剰の水素系ガスは、流路IIIを経由して燃焼部18に流入して燃焼し、燃料改質部14を加熱することに使用されている。発電停止の操作ボタンが押されると、流路IIから燃料改質部14に流入する炭化水素系燃料ガスの量が徐々に減少すると同時に、水供給手段12から燃料改質部14に供給され水の量が徐々に減少する。このことで、燃料電池17のアノード極15に供給される改質された水素系ガスの量が徐々に減少する。そして、発電電力が最小まで減少すると、燃焼流路切替弁28および水素流路切
替弁27を閉めて流路IVのガス流れを形成し、少量の炭化水素系燃料ガスが、流路IIから燃料改質部14さらに流路IVのガス流れを経由して燃焼部18に流入して燃焼する流れとなる。これらのガス流れに伴い、炭化水素系燃料ガスが燃料改質部14において水素系ガスに改質される反応が時間とともに徐々に低下し、水素系ガスの量が少なくなる。燃料改質部14の温度が低下して水素系ガスへの転換がなくなるとともに発電が停止した後に、運転停止アノードパージ手段24が前述の作動し、やがて燃料電池システムは運転を停止する。
今度は、カソード極16の置換パージ手段について説明する。このカソード極16の置換パージ手段は、図2に記載した様に、運転開始カソードパージ手段29もしくは運転停止カソードパージ手段30である。図2(a)は本発明の構成図、図2(b)は運転開始カソード手段29の制御フローチャート、図2(c)は運転停止カソードパージ手段30の制御フローチャートである。
まず、運転開始時にカソード極16をパージする運転開始カソードパージ手段29について説明する。この手段29は、燃料供給手段11とカソード極16の間に配置した空気流路切替弁31と、カソード極16と燃焼部18の間に配置した排出流路切替弁32と、これら弁で接続されたガス配管および弁を作動させる制御シーケンスで構成される。そして、運転開始の操作ボタンが押されて、燃料流路切替弁25によって炭化水素系燃料ガスが流路Iを経由して燃焼部18に流入して燃焼状態となり、可燃性ガスセンサ20が内蔵ヒータによってヒートアップされてガス検出可能状態となっている運転開始直後に、手段29は次の様に作動する。まず、空気流路切替弁31によって流路Vのガス流路が開き、炭化水素系燃料ガスがカソード極16に流入する。流路Vを経由した炭化水素系燃料ガスは、その後に排出流路切替弁32が開くことで、カソード極16から燃焼部18に導入され燃焼する。最後に、空気流路切替弁31および排出流路切替弁32を閉めて炭化水素系燃料ガスをカソード極16に封入して、運転開始カソードパージ手段29の作動が終了する。
運転開始カソードパージ手段28の作動が終了すると、燃料改質部14を燃焼部18が加熱して炭化水素系燃料ガスから水素系ガスを生成する改質反応が次の様に行なわれ、発電を開始する準備段階に入る。まず、炭化水素系燃料が、燃料改質部14に流入した後、アノード極15を経由しないガス流れで燃焼部18に流入して燃焼し、燃料改質部14を加熱する。これとともに、水供給手段12から水が燃料改質部14に供給され、炭化水素系燃料ガスが燃料改質部14において水素系ガスに改質される反応が徐々に行われ、時間とともに反応率が高まり生成する水素系ガスの量が多くなる。やがて、燃料電池17の発電に必要な水素系ガスの量が確保され、しかもそれ以上となって量の余裕が生じると、流路Iを経由して燃焼部18に流入する炭化水素系燃料ガスの量が減少し、やがて燃料改質部14を経由して燃焼部18に流入する水素系ガスの量だけで、燃焼が行われて燃料改質部14を加熱することが行われる。そして、燃料改質部14から排出されるガス流れに含まれる一酸化炭素の量が大幅に減少すると、水素系ガスがアノード極15に流入して燃料電池17の発電が行われる。また、燃料電池17のアノード極15で消費されない余剰の水素系ガスは、燃焼部18に流入して燃焼し、燃料改質部14を加熱することに使用される。一方、空気流路切替弁31および排出流路切替弁32は、燃料電池17の発電前に流路を流路VIおよび流路VIIに切り替えて、酸素含有気体がカソード極16に流入して外に排出する様にしている。
最後に、運転停止時にカソード極16をパージする運転停止カソードパージ手段30について説明する。この手段30は、燃料供給手段11とカソード極16の間に配置した空気流路切替弁31と、カソード極16と燃焼部18の間に配置した排出流路切替弁32と、これら弁で接続されたガス配管および弁を作動させる制御シーケンスで構成される。発電停止の操作ボタンが押されて、燃料改質部14の温度が低下して水素系ガスへの転換が
なくなるとともに発電が停止した後に、運転停止カソードパージ手段30は次の様に作動する。なお、この手段30の作動時は、燃焼部18は燃焼しており、可燃性ガスセンサ20は内蔵ヒータによってヒートアップされてガス検出可能状態と既になっている。そしてまず、空気流路切替弁31によって流路Vのガス流路が開き、炭化水素系燃料ガスがカソード極16に流入する。流路Vを経由した炭化水素系燃料ガスは、その後に排出流路切替弁32が開くことで、カソード極16から燃焼部18に導入され燃焼する。最後に、空気流路切替弁31および排出流路切替弁32を閉めて、炭化水素系燃料ガスをカソード極16に封入し、運転停止カソードパージ手段28の作動が終了する。運転停止カソードパージ手段30の作動が終了すると、燃焼部18は燃焼を終了させ、燃料電池システムは運転を停止する。
なお、参考のため、発電停止の操作ボタンが押されてから、運転停止カソードパージ手段30が作動するまでの制御フローを説明する。
発電している時は、燃料改質部14に流入した炭化水素系燃料ガスは、改質されて水素系ガスとなってアノード極15に流入して燃料電池17の発電に使用されている。また、燃料電池17のアノード極15で消費されない余剰の水素系ガスは、燃焼部18に流入して燃焼し、燃料改質部14を加熱することに使用されている。発電停止の操作ボタンが押されると、燃料改質部14に流入する炭化水素系燃料ガスの量が徐々に減少すると同時に、水供給手段12から燃料改質部14に供給され水の量が徐々に減少する。このことで、燃料電池17のアノード極15に供給される改質された水素系ガスの量が徐々に減少する。そして、発電電力が最小まで減少すると、少量の炭化水素系燃料ガスが、燃料改質部14を経由して燃焼部18に流入して燃焼する流れとなる。これらのガス流れに伴い、炭化水素系燃料ガスが燃料改質部14において水素系ガスに改質される反応が時間とともに徐々に低下し、水素系ガスの量が少なくなる。やがて、燃料改質部14の温度が低下して水素系ガスへの転換がなくなると、運転停止カソードパージ手段30が前述の様に作動する。
本発明は、発電開始前の炭化水素系燃料ガスを燃焼させた状態、もしくは、発電終了後の炭化水素系燃料ガスや水素系ガスを燃焼させた状態である時に、これらガスとは別流路の供給でありアノード極15もしくはカソード極16を経由した少量の炭化水素系燃料ガスを、さらに混合して燃焼させている。発電開始前や発電終了後の安定燃焼が行なわれている時に、これら燃料ガスとは別流路の供給であり、しかも圧力損失の高いアノード極15もしくはカソード極16を経由するために、昇圧した少量の炭化水素系燃料ガスをさらに混合して燃焼させているので、燃焼部18は、安定燃焼しつつも、空焼きに必要な濃度の可燃性ガスを短時間発生する。このため、可燃性ガスセンサ20は簡単に定期的リフレッシュができるともに、燃料電池システムはその燃焼部が失火することなく、正常に発電開始やシステム停止が行なわれる。さらに加えて、燃焼部18が燃料改質部14を加熱しているのでその輻射熱の影響を受けて、炭化水素系燃料ガスを多く燃焼させる程、燃焼排ガス温度が上昇する特性が得られる。そのため、燃焼排ガス中に配置された可燃性ガスセンサ20は、その表面温度を高く維持できこのことで、表面に付着した油煙などを高温で焼き切って除去してセンサの感度維持がはかれ、所謂ねむ現象と言う検出ミスを防止する利点が生じる。また、アノード極15やカソード極16を、炭化水素系燃料ガスを用いて流路滞留ガスを置換パージしているので、これら材料や通路に付着した水や空気などの不純物を効率よく除去し、各々の電極の活性を高める利点も生じる。さらに、可燃性ガスセンサ20は、外に排出された可燃性ガスを検出して、センサ出力の変化が有るか否かで自己診断することに利用することも可能となった。
実施の形態1では、アノード極15への炭化水素系燃料ガスの供給は、燃料改質部14の内部を経由して行っているが、燃料改質部14の内部を経由せずに直接にアノード極1
5に供給する構成としても良い。また、アノード極15やカソード極16への炭化水素系燃料ガス供給のタイミングも、燃料改質部14の温度や水素系ガスの生成量に左右されるものではなく、発電開始前もしくは発電終了後なら、いつでも供給可能である。さらに、予め燃焼部18で燃焼させる炭化水素系燃料ガスは、流路Iや流路IIを経由させる必要はなく、必要に応じて任意にその流路を選定して良い。また、各種弁を多数使用しているが、これら弁は実施の形態1で使用した種類や数さらに配置場所に関わらず、必要に応じて任意に種類や数さらに配置場所を選定して良い。
なお、参考のため従来技術の様に、燃焼部18に供給される空気量の増減や燃料供給量の増減で、燃焼排ガス中のハイドロカーボンやCOの量を増加させて、排出される可燃性ガスと可燃性ガスセンサ20を反応させその表面温度を上昇させて空焼きすることを試みたが、燃焼が不安定でたちまち失火して火が消える問題が起こった。それと同時に、数%の高濃度ハイドロカーボンやCOが発生して、適正検知領域(0.05〜1%)から外れてしまって、その表面温度が高温になりすぎてセンサが部分的に熱破壊する問題が起こった。これらのことより、アノード極15もしくはカソード極16を経由した少量の昇圧した炭化水素系燃料ガスを別流路でさらに供給して燃焼させる本発明は、安定して燃焼しつつも可燃性ガスセンサ20の空焼きに必要な濃度の可燃性ガスを短時間発生する利点が有ることがわかる。
(実施の形態2)
実施の形態2は、発電開始前に、燃焼部18に予め炭化水素系燃料ガスを直接に供給して燃焼させて燃料改質部14を予備加熱しておいてから、運転開始カソードパージ手段23が作動して、炭化水素系燃料ガスを燃料改質部14の内部を経由して燃料電池のアノード極15に流入させ燃焼部で燃焼させるものである。
この運転開始カソードパージ手段23は、図3に記載した通リであり、図3(a)は構成図、図3(b)の左記載分はその制御フローチャートである。運転開始の操作ボタンが押されると、燃料流路切替弁25によって炭化水素系燃料ガスが流路Iを経由して燃焼部18に直接に流入して燃焼状態となる。一方、燃焼排ガス流路19に配置した可燃性ガスセンサ20が内蔵ヒータによってヒートアップされてガス検出可能状態となる。運転開始直後のこの様な状態において、例えば所定時間が経過するなどの燃料改質部14の予備加熱に関する予め記憶させておいた信号を受けると、運転開始カソードパージ手段23が次の様に作動する。まず、燃料供給弁26によって流路IIのガス流路が開き、炭化水素系燃料ガスが予備加熱された燃料改質部14に流入する。その後、水素流路切替弁27が開いてガス流路が流路IIIに切り替わり、炭化水素系燃料ガスが燃料改質部14を経由してアノード極15に流入する。そして、燃焼流路切替弁28が開いて、アノード極15からの炭化水素系燃料ガスが燃焼部18に導入され燃焼する。最後に、燃焼流路切替弁28および水素流路切替弁27をその後に閉めて流路IVのガス流れを形成し、炭化水素系燃料ガスをアノード極15に封入して、運転開始アノードパージ手段23の作動が終了する。なお、運転開始アノードパージ手段23の作動が終了してから、燃料電池17の発電が行われるまでの準備動作は、実施の形態1に記載した通りであり、燃料改質部14において水素系ガスを生成する動作が開始される。
実施の形態2は、燃焼部18が、最初は直接に炭化水素系燃料ガスが供給されて燃焼し、この燃焼熱により燃料改質部14を予備加熱されている。そして例えば、所定時間の経過、燃料改質部14の温度が所定温度を超える、燃焼部18に配置した燃焼検知センサが燃焼を検知するなどの、予め記憶させておいた信号の受信を待っている。そして、信号を受けると、燃料改質部14やアノード極15を経由してパージされた炭化水素系燃料ガスがさらに加わって供給されて燃焼する。このため、温度が高められた炭化水素系燃料ガスが燃焼部18に導入されその燃焼性が向上する。一方、パージされた炭化水素系燃料ガス
のさらなる供給により、燃焼部18は安定燃焼しつつも一時的に一酸化炭素が発生するが、可燃性ガスセンサ20はこのことで簡単に定期的リフレッシュができる。さらに加えて、燃料電池システムは、燃焼部が失火することなく正常に発電開始が行なわれ、ガス安全性がさらに向上する。
(実施の形態3)
実施の形態3は、運転開始アノードパージ手段23の作動終了後に、炭化水素系燃料ガスを燃料改質部14の内部に流入させ、通過ガスを燃焼部18に導いて燃焼させた燃焼熱で燃料改質部14を加熱する構成としている。図3(b)の右上記載分は、この運転開始カソードパージ手段23の制御フローチャートである。
運転開始アノードパージ手段23は、燃焼流路切替弁28および水素流路切替弁27を閉めて流路IVのガス流れを形成し、炭化水素系燃料ガスをアノード極15に封入して、その作動を既に終了している。その後はまず最初のステップとして、流路IIを経由して炭化水素系燃料ガスを燃料改質部14の内部に流入させ、通過した炭化水素系燃料ガスを流路IVのガス流れを経由して燃焼部18に流入して燃焼させ、その燃焼熱で燃料改質部14をさらに加熱する。次のステップでは、燃料改質部14からの温度に関する信号1)を受けて、水供給手段12から水を燃料改質部14に供給し、炭化水素系燃料ガスが燃料改質部14において水素系ガスに改質される反応を徐々に行わせ、時間とともに反応率が高まって生成する水素系ガスの量を多くする。流路IVのガス流れの水素系ガスを燃焼部18で燃焼させて燃料改質部14の温度をさらに高くすると、燃料電池17の発電に必要な水素系ガスの量が確保され、しかもそれ以上となって量の余裕が生じる。そこで、燃料改質部14からの温度に関する信号2)を受けると、流路Iを経由して燃焼部18に流入する炭化水素系燃料ガスの量が徐々に減少されてやがて供給停止とし、流路IV経由して燃焼部18に流入する水素系ガスの量だけで、燃焼が行われて燃料改質部14を加熱することを行う。その後、燃料改質部14から排出される流路IVのガス流れに含まれる一酸化炭素の量が大幅に減少すると再び、水素流路切替弁27と燃焼流路切替弁28が開いてガス流路が流路IIIに切り替わり、水素系ガスがアノード極15に流入して燃料電池17の発電が行われる。また、燃料電池17のアノード極15で消費されない余剰の水素系ガスは、流路IIIを経由して燃焼部18に流入して燃焼し、燃料改質部14を加熱することに使用される。
実施の形態3は、炭化水素系燃料ガスがその内部空間を流入している高温の燃料改質部14をその外側から燃焼部18が加熱しているので、その輻射熱の影響を受けて、燃焼排ガス温度が上昇する特性が得られる。そのため、燃焼排ガス中に配置された可燃性ガスセンサ20は、その表面温度を高く維持できこのことで、表面に付着した油煙などを高温で焼き切って除去してセンサの感度維持がはかれ、所謂ねむ現象と言う検出ミスを防止する利点が生じる。
(実施の形態4)
実施の形態4は、運転開始アノードパージ手段23の作動終了後に、水供給手段12から供給される理論量より過剰の水と、燃料供給手段11から供給させる炭化水素系燃料ガスとで燃料改質部14において水素系ガスを生成する反応を行なわせ、通過ガスを燃焼部18に導いて燃焼させた燃焼熱で燃料改質部14を加熱する構成としている。図3(b)の右上記載分は、この運転開始カソードパージ手段23の制御フローチャートであり、理論量より過剰の水を燃料改質部14に供給されて水素系ガスを生成する反応を行なわせること以外は、実施の形態3と同じである。
実施の形態4は、理論量より2〜4倍という過剰の水を供給して水素系ガスを生成する反応を行なわせたので、通常より水分を多く含む燃焼排ガスが得られる。そのため、発電
準備段階や発電段階で排出される燃焼排ガス中の過剰水分により、可燃性ガスセンサ20に付着する油煙などの有機物が柔らかくなる効果が生じる。そして、次回の運転開始時に行なわれる運転開始アノードパージ手段23などによる空焼き実施で、可燃性ガスセンサ20は一層簡単に定期的リフレッシュができる。さらに加えて、炭化水素系燃料ガスがその内部空間を流入している高温の燃料改質部14をその外側から燃焼部18が加熱しているので、その輻射熱の影響を受けて、燃焼排ガス温度が上昇する特性が得られる。そのため、燃焼排ガス中に配置された可燃性ガスセンサ20は、その表面温度を高く維持できこのことで、表面に付着した油煙などを高温で焼き切って除去してセンサの感度維持がはかれ、所謂ねむ現象と言う検出ミスを防止する利点が生じる。
(実施の形態5)
実施の形態5は、燃料改質部14と燃料電池17のアノード極15の間に、水素系ガスに含有する一酸化炭素を酸化して低減する浄化触媒33を少なくともさらに1個配置した構成であり、運転開始アノードパージ手段23の作動終了後であり、燃料改質部14および浄化触媒33が安定して化学反応が行なえる温度に到達してから、浄化触媒33を通過した水素系ガスを燃料電池17のアノード極15に供給するとともに、その未使用水素系ガスを燃焼部18に供給して燃焼させ、その燃焼熱で燃料改質部14を加熱するとしたものである。
図3(a)はその構成図、図3(b)の右下記載分はその制御フローチャートである。運転開始アノードパージ手段23の作動が終了し、その後の発電準備の作動が終了すると、水素系ガスは燃料電池17の発電に必要な量以上となり、流路IV経由して燃焼部18に流入する水素系ガスの量だけで、燃焼が行われてその燃焼熱で燃料改質部14を加熱することが行われる。燃料改質部14が所定温度T1以上であり、浄化触媒33が所定温度T2以上と、安定して化学反応が行なえる温度に到達すると、水素流路切替弁27が流路IIIを開いてアノード極15に水素系ガスを流入し、さらに燃焼流路切替弁28が流路IIIを開いて、流路IIIを経由して未使用水素系ガスを燃焼部18で燃焼させる。こうして、燃料電池17は発電が始まる。この様に、浄化触媒33を通過した水素系ガスを燃焼部18に供給しているため、一酸化炭素が低減された水素系ガスが燃焼部18に排出される。このため、燃焼部18は一酸化炭素を生成することなく燃焼し、ガス安全性がさらに向上した燃料電池システムが得られる。また、この燃焼段階では一酸化炭素が発生しない様に安定燃焼できるため、可燃性ガスセンサは、この安定燃料段階とその前段初期の運転開始アノードパージ手段23におけるセンサ出力の大小でセンサの自己診断を確実に行なうことが可能となる。
(実施の形態6)
実施の形態6は、燃料電池のアノード極の内部に水素系ガスを予め封入する予備水素パージ手段の後に、運転停止アノードパージ手段24が作動するとしたものである。
図4(a)は構成図であり、図4(b)の左上部記載分は制御フローチャートである。発電停止の操作ボタンが押されると、燃料改質部14に供給される炭化水素系燃料ガスの量が徐々に低減し、これにともない燃焼部18で燃焼する水素系ガスの量も徐々に低減するため、燃料改質部14の温度が徐々に低下してくる。また同時に、燃料電池17のアノード極15に供給される改質された水素系ガスの量が徐々に減少するため、発電電力も徐々に減少する。そして、所定時間の経過や燃料改質部14の温度が所定温度T3を下回るなどの予め記憶させておいた信号を受けると、予備水素パージ手段が作動して、水素流路切替弁27および燃焼流路切替弁28が作動して流路IVのガス流れを形成し、水素系ガスをアノード極15に封入する。
この予備水素パージ手段の作動で発電は停止しその後に、運転停止アノードパージ手段
24が作動して燃料電池システムは運転を停止する。この制御フローを参考のために説明する。燃焼部18は、流路Iもしくは流路IVから供給される炭化水素系燃料ガスが燃焼した状態となっている。そして燃料改質部14の温度がさらに低下すると、運転停止アノードパージ手段24が作動して、水素流路切替弁27が開いてガス流路が流路IIIに切り替わり、炭化水素系燃料ガスが温度低下した燃料改質部14を経由してアノード極15に流入する。そして、燃焼流路切替弁28が開いて、アノード極15からの炭化水素系燃料ガスが燃焼部18に導入され燃焼する。最後に、燃焼流路切替弁28および水素流路切替弁27をその後に閉めて流路IVのガス流れを形成し、炭化水素系燃料ガスをアノード極15に封入して、運転停止アノードパージ手段24の作動が終了する。運転停止アノードパージ手段24の作動が終了すると、燃料流路切替弁25および燃料供給弁26を閉ざして炭化水素系燃料ガスの供給を停止して燃焼部18での燃焼を終了させ、燃料電池システムは運転を停止する。
封入する際に外に排出された水素系ガスとその後の炭化水素系燃料ガスは、可燃性ガスセンサ20との相乗効果槽により効果的に反応してその燃焼熱で、表面に付着した水分や油煙などを効果的に焼き切って除去してセンサの感度維持を一層助け、所謂ねむ現象と言う検出ミスを防止する作用が生じる。そのため、可燃性ガスセンサ20は、燃料電池システム運転中の万が一アクシデントで排出される可燃性ガスを、検出ミスすることなくいつでも一層短時間に検知して警報などでこのことを知らせることが出来る。また、アノード極15に水素ガスを封入しその後に炭化水素系燃料ガスを用いて流路滞留ガスを置換パージしているので、電極材料や通路に付着した水や空気などの不純物を効率よく除去し、各々の電極の活性を一層高める利点も生じる。
(実施の形態7)
実施の形態7は、燃料電池17のアノード極15の内部に水素系ガスを封入した後、燃料改質部14に水供給手段12から水だけを供給して発生する水蒸気によりその流路滞留ガスをパージする予備水蒸気パージ手段の後に、運転停止アノードパージ手段24が作動するものである。
図4(a)は構成図であり、図4(b)の中央下記載分は制御フローチャートである。発電停止の操作ボタンが押されると、アノード極15に供給される改質された水素系ガスの量が徐々に減少して発電電力も徐々に減少し、やがて前述の予備水素パージ手段が作動して、燃焼流路切替弁28および水素流路切替弁27を閉めて流路IVのガス流れを形成し、水素系ガスをアノード極15に封入する。この予備水素パージ手段の実施で発電は停止するが次は、燃料改質部14に水供給手段12から水だけを供給して、発生する水蒸気によりその流路滞留ガスをパージする予備水蒸気パージ手段が作動する。そして、燃焼ファンでの冷却などで燃料改質部14の温度がさらにT4以下まで低下すると、燃料改質部14への水供給が停止して、予備水蒸気パージ手段が終了する。一方、燃焼部18は、流路Iもしくは流路IVから供給される炭化水素系燃料ガスが燃焼した状態となっている。その後、運転停止アノードパージ手段24が作動して燃料電池システムは運転を停止する。
水蒸気によりその流路滞留ガスをパージする予備水蒸気パージ手段を設けたので、通常より水分を多く含む燃焼排ガスが得られる。そのため、燃焼排ガス中の過剰水分により、可燃性ガスセンサ20に付着する油煙などの有機物が柔らかくなる効果が生じる。そして、次回の運転開始時に行なわれる運転開始アノードパージ手段23などによる空焼き実施で、可燃性ガスセンサ20は一層簡単に定期的リフレッシュができる。また、燃料改質部18およびその流路に滞留してガスを水蒸気でパージしているので、これら流路に不必要に滞留する水素や炭化水素系燃料ガスの量を低減でき、ガス安全性がさらに向上した燃料電池システムが得られる。
(実施の形態8)
実施の形態8は、運転停止アノードパージ手段24が、燃料改質部14および燃料電池のアノード極15に炭化水素系燃料ガスを封入した後に、システム運転が停止するものである。
図4(a)は構成図、図4(b)の右記載分はその制御フローチャートである。発電停止の操作ボタンが押されて、予備水素パージ手段および予備水蒸気パージ手段が作動した後に、運転停止アノードパージ手段24が作動する。燃焼部18は、流路Iもしくは流路IVから供給される炭化水素系燃料ガスが燃焼した状態となっている。そして、燃料供給弁26の作動で流路IIを経由して燃料改質部14に流入した炭化水素系燃料ガスは、水素流路切替弁27が開いて形成された流路IIIを経由して、アノード極15に流入する。そして、燃焼流路切替弁28が開いて、アノード極15からの炭化水素系燃料ガスが燃焼部18に導入され燃焼する。最後に、燃焼流路切替弁28および水素流路切替弁27を作動させて流路IVのガス流れを形成し、炭化水素系燃料ガスをアノード極15に封入する。その後、燃料供給弁26と水素流路切替弁27を閉塞させて燃料改質部14に炭化水素系燃料ガスを封入する。最後に、燃料流路切替弁25を閉塞させて、燃焼部18での燃焼も終了させ、運転停止アノードパージ手段24の作動が終了する。これで、燃料電池システムは運転を停止する。
この様に、燃料改質部14および燃料電池17のアノード極15に炭化水素系燃料ガスを封入して運転が停止するので、これら流路に必要最低限量の炭化水素系燃料ガスを滞留でき、ガス安全性がさらに向上した燃料電池システムが得られる。また、炭化水素系燃料ガスの封入により、運転停止した後の長時間放置でも、燃料改質部14および燃料電池17のアノード極15が空気酸化されることがなく、高い材料活性を長時間維持できる。
(実施の形態9)
実施の形態9は、実施の形態1と概略同じであるが、燃焼部18を燃焼させて燃料改質部14を予備加熱した後に、運転開始カソードパージ手段29が作動するものである。
図2(a)は、その構成図である。運転開始の操作ボタンが押されると、流路Iや流路IIIさらに流路IVを経由して炭化水素系燃料ガスや水素系ガスが流入して、燃焼部18は燃焼状態となる。一方、燃焼排ガス流路19に配置した可燃性ガスセンサ20は、内蔵ヒータによってヒートアップされてガス検出可能状態となっている。運転開始直後のこの様な状態において、例えば所定時間が経過するなど、燃料改質部14の予備加熱に関する予め記憶させておいた信号を受けると、運転開始カソードパージ手段29は次の様に作動する。まず、空気流路切替弁31によって流路Vのガス流路が開き、炭化水素系燃料ガスがカソード極16に流入する。流路Vを経由した炭化水素系燃料ガスは、その後に排出流路切替弁32が開くことで、カソード極16から燃焼部18に導入され燃焼する。最後に、空気流路切替弁31および排出流路切替弁32を閉めて炭化水素系燃料ガスをカソード極16に封入して、運転開始カソードパージ手段29の作動が終了する。運転開始カソードパージ手段29の作動が終了すると、その後は発電準備段階さらには発電段階に入る。
実施の形態9は、燃焼部18が最初は燃焼し、この燃焼熱により燃料改質部14を予備加熱されている。そして例えば、所定時間の経過、燃料改質部14の温度が所定温度を超える、燃焼部18に配置した燃焼検知センサが燃焼を検知するなどの、燃料改質部14の温度に関する予め記憶させておいた信号を受けると、運転開始カソードパージ手段29が作動する様にしている。そして、カソード極16を経由したパージされた炭化水素系燃料ガスがさらに加わって供給されて燃焼する。パージされた炭化水素系燃料ガスのさらなる供給により、燃焼部18は安定燃焼しつつも一時的に一酸化炭素が発生するが、可燃性ガスセンサは簡単に定期的リフレッシュができる。さらに加えて、燃料電池システムは、燃
焼部が失火することなく正常に発電開始が行なわれ、ガス安全性がさらに向上する。
(実施の形態10)
実施の形態10は、実施の形態1と概略同じであるが、運転停止カソードパージ手段30を終了後に、システム運転が停止するものであり、図2(a)は、その構成図である。発電停止の操作ボタンが押されて、実施の形態6に記載した様に燃料電池17のアノード極15の内部に水素系ガスを封入することや、実施の形態7に記載した様に燃料改質部14に水供給手段12から水だけを供給して発生する水蒸気によりその流路滞留ガスをパージする予備水蒸気パージを行なうことなどの後に、運転停止カソードパージ手段30が作動する。そして、空気流路切替弁31および排出流路切替弁32を閉めて、炭化水素系燃料ガスをカソード極16に封入する。最後に、燃料流路切替弁25を閉ざして炭化水素系燃料ガスの供給を停止して燃焼部18での燃焼も終了させ、運転停止カソードパージ手段30の作動が終了する。これで、燃料電池システムは運転を停止する。
封入する際に外に排出された少量の炭化水素系燃料ガスは、可燃性ガスセンサ20と反応してその反応表面に付着した空気中の各種有機化合物などを効果的に除去してその活性化を助ける働きが有る。この炭化水素系燃料ガスの外への排出を、運転停止する前に行っているため、所謂ねむと言う検出ミスが防止されて、可燃性ガスセンサ20は、万が一のアクシデントで燃料電池システムから排出される炭化水素系燃料ガスを一層短時間に検知して、警報などでこのことを瞬時に知らせることが出来る。また、炭化水素系燃料ガスの封入により、運転停止した後の長時間放置でも、燃料改質部14および燃料電池のカソード極16が空気酸化されることがなく、高い材料活性を長時間維持できる。
(実施の形態11)
実施の形態11は、可燃性ガス検出判断センサユニットが判断を行う制御流れを検討したものである。図5(a)はその構成図、図5(b)はこれに用いる可燃性ガス検出判断センサユニットの特性図、図5(c)はその制御流れである。
可燃性ガスセンサ20ついて説明する。このセンサは、白金触媒などをアルミナ系の担体に担持させた感応体を付着させた白金線を組み合わせて用いる接触燃焼式ガスセンサ、酸化錫と白金線を組み合わせて用いる熱線半導体式ガスセンサ、白金電極を形成したジルコニアなどの固体電解質板を用いる固体電解質式ガスセンサである。これらガスセンサ20は、250℃以上に加熱されており、炭化水素系燃料ガスまたは水素系ガスを検知すると、センサ出力が変化する性質がある。可燃性ガスセンサ20のガス濃度とセンサ出力の関係を、図5(b)に示す。初期におけるガス濃度とセンサ出力の関係より、問題と設定したガス濃度に対応するセンサ出力値を閾値(A)と設定した。一方、長期間使用におけるガス濃度とセンサ出力の関係より、ガス濃度ゼロ対応の下限センサ出力値(α)を閾値(B)と設定した。
可燃性ガス検出判断センサユニット22が、これらの判断を行う制御流れを図5(c)に示す。運転開始スイッチが入ると、プログラムがスタートして燃料電池システムの電源がONとなり、運転開始モードが実行される。可燃性ガスセンサ20も同時に作動し、センサ出力が安定する時間(t)が経過するまで、センサ出力の検出は控えられる。センサが安定する時間(t)が経過すると、センサ出力と閾値(A)の比較を行い、センサ出力が閾値(A)より小さいと次は、センサ出力と閾値(B)の比較を行い、センサ出力が閾値(B)より大きいと、運転停止するまでこの様な、センサ出力と閾値(A)および閾値(B)の比較が繰り返される。一方、センサ出力が閾値(A)より大きい時または、センサ出力が閾値(B)より小さい時は、警報が発生し、システムの運転を停止する運転停止モードが実行される。また、運転停止スイッチの入力信号が有ると、システムの運転を停止する運転停止モードが実行され、やがて、運転停止が可能と判断されて停止する。
このことより、センサ出力が、閾値(A)と閾値(B)の領域内に有れば問題なしと判断できることができる。一方、センサ出力が閾値(A)より大きければ、炭化水素系燃料ガスまたは水素系ガスが多量に存在するため問題と判断できることができる。また、センサ出力が閾値(B)より小さければ、可燃性ガスセンサ20が故障等の異常状態になっていると判断できることができる。
(実施形態12)
実施形態12は、接触燃焼式ガスセンサについて閾値(B)を検討したものである。接触燃焼式ガスセンサは、白金線などの金属製抵抗線をアルミナや酸化スズなどの多孔質担体で外包した一組の抵抗素子でブリッジ回路を組み、白金触媒などの貴金属触媒を担持させた多孔質担体の方を検知素子とし、貴金属触媒が担持させていない他方を比較素子とした構成である。両方の抵抗素子は、電圧印加によりその用途に応じて200〜500℃といった所定動作温度に加熱されており、炭化水素系燃料ガスや水素ガスさらに一酸化炭素ガスと反応して温度上昇する。この温度上昇は、ブリッジ回路にすることでセンサ出力として活用されており、これがガス濃度に比例する性質が有る。この方式の可燃性ガスセンサ20のガス濃度とセンサ出力の関係を図6(a)に、初期ガス感度Sと長期間使用後ゼロ点変動Vとの関係を図6(b)に示す。
接触燃焼式の可燃性ガスセンサ20は、図6(a)の様に、ガス濃度とセンサ出力が直線関係に有り、長期間使用すると初期とは異なる関係式となる。そこで、問題ガス濃度と設定した初期ガス感度をS、初期ゼロ点出力をE、長期間使用後のゼロ点変動をVとして、長期間使用後ゼロ点変動Vと初期ガス感度Sの比率(V/S)について、33個のセンサ挙動を解析したところ、図6(b)の関係が得られた。横軸は、長期間使用後ゼロ点変動Vと初期ガス感度Sの比率(V/S)であり、縦軸はその個数である。比率(V/S)が負側に有ることは、長期間使用後のゼロ点が負側にシフトして、問題ガス濃度が初期より少し高濃度側にシフトして遅検知になることを意味する。一方、比率(V/S)が正側に有ることは、長期間使用後のゼロ点が正側にシフトして、問題ガス濃度が初期より少し低濃度側にシフトして早検知になることを意味する。比率(V/S)のシフト幅は、接触燃焼式の可燃性ガスセンサ20の材料や製法に大きく依存しており、この変動が小さいセンサほど優れたセンサである。この実験結果は、使用初期における水素0.3%センサ出力とゼロ点(大気中)センサ出力の差を初期ガス感度Sとして用い、材料や製法が異なる33個の接触燃焼式ガスセンサを用いて算出している。対象ガスとして水素ガスを用いた理由は、燃料電池は水素ガスを用いて発電を行うので、最もガス検出が必要とされるガスであるからであり、その0.3%は爆発下限限界4%の領域内に有りしかもガス漏れ警報器などで実用的に多く用いられる濃度である。
さて、可燃性ガスセンサ20を使用する上で、ゼロ点(大気中)出力が負側にシフトし問題ガス濃度が初期より少し高濃度側にシフトして遅検知になることは、誤測定の原因となる。そのためには、これが起こっているか否かを診断して誤測定が起こらない様にする必要が有る。そこで、この自己診断を大気中で簡単に行うために、比率(V/S)が負側に0.50〜0.08倍変動する実験結果を採用し、閾値(B)はE−(0.50〜0.08)×Sとした。つまり、比率(V/S)が負側に0.50〜0.08倍変動する実験結果に、初期ガス感度Sを乗ずれが、誤測定となる遅検知の発生原因である長期間使用後ゼロ点変動Vが判明する訳である。そして、初期ゼロ点出力Eから、この長期間使用後ゼロ点変動Vを引けば、閾値(B)となる訳である。この閾値(B)は、長期間の使用におけるガス濃度ゼロ対応の下限センサ出力値(α)と同じである。従って、閾値(B)は、E−(0.50〜0.08)×Sの最適値を選定すれば良いこととなり、使用する可燃性ガスセンサ20の初期ガス感度Sおよび初期ゼロ点出力Eの値と、0.50〜0.08の任意値を用いればその値を決めることが出来る。例えば、水素3000ppmの初期ガス
感度Sが24mv、初期ゼロ点出力Eが30mvのセンサの場合、閾値(B)は18.0〜28.1mvの任意値を選定すれば良いこととなる。例えば、実験結果においてその中心を占める比率(V/S)の−0.3を用いると、閾値(B)は23mvとなる。こうすると、極めて稀に起こる比率(V/S)の負側最大−0.50に対応するゼロ点負側最大変動Vは、32mV×0.5=12mVとなり、これに相当するゼロ点出力値(α):30−12=18mVが簡単に検出できる利点が有る。
この様に、接蝕燃焼式ガスセンサを使用する際の閾値(B)を、問題有りの初期ガス感度Sと、初期ゼロ点出力Eとの関係で整理してその具体的値を明示しているため、大気中での自己診断の精度が向上し、一層安全性の高い燃料電池システムが得られる。
本発明の燃料電池システムは、定置式や移動式の燃料電池システムにおける燃焼安全対策として有用である。
(a)本発明の実施の形態1における燃料電池システムのアノード極の置換パージ手段の構成図(b)同システムの運転開始アノードパージ手段の制御フローチャート(c)同システムの運転停止アノードパージ手段の制御フローチャート (a)本発明の実施の形態1、9、10における燃料電池システムのカソード極の置換パージ手段の構成図(b)同システムの運転開始カソードパージ手段の制御フローチャート(c)同システムの運転停止カソードパージ手段の制御フローチャート (a)本発明の実施の形態2〜5における燃料電池システムの運転開始アノードパージ手段の構成図(b)同システムの運転開始アノードパージ手段の制御フローチャート (a)本発明の実施の形態6〜8における燃料電池システムの運転停止アノードパージ手段の構成図(b)同システムの運転停止アノードパージ手段の制御フローチャート (a)本発明の実施の形態11における燃料電池システムの構成図(b)同システムの可燃性ガス検出判断センサユニットの特性図(c)同システムの制御フローチャート (a)本発明の実施の形態12おける接触燃焼式ガスセンサの効果特性を示すガス濃度とセンサ出力の関係図(b)同センサの初期ガス感度Sと長期間使用後ゼロ点変動Vとの関係図 従来の燃料電池装置の構成図
11 燃料供給手段
12 水供給手段
13 酸素含有気体供給手段
14 燃料改質部
15 アノード極
16 カソード極
17 燃料電池
18 燃焼部
19 燃焼排ガス流路
20 可燃性ガスセンサ
21 ガス検出判断回路
22 可燃性ガス検出判断センサユニット
23 運転開始アノードパージ手段
24 運転停止アノードパージ手段
25 燃料流路切替弁
26 燃料供給弁
27 水素流路切替弁
28 燃焼流路切替弁
29 運転開始カソードパージ手段
30 運転停止カソードパージ手段
31 空気流路切替弁
32 排出流路切替弁
33 浄化触媒

Claims (12)

  1. 炭化水素系燃料ガスを供給する燃料供給手段と、
    水を供給する水供給手段と、
    酸素含有気体を供給する酸素含有気体供給手段と、
    前記燃料供給手段から供給される炭化水素系燃料ガスと前記水供給手段から供給させる水を用いて水素系ガスを生成する燃料改質部と、
    前記燃料供給手段から供給される炭化水素系燃料ガスおよび前記燃料改質部で生成する水素系ガスを燃焼させる燃焼部と、
    前記燃料改質部で生成する水素系ガスのアノード極への供給と酸素含有気体のカソード極への供給により発電する燃料電池と、
    前記燃焼部からの燃焼排ガス流路に配置して炭化水素系燃料ガスおよび水素系ガスおよび一酸化炭素の少なくともいずれかを検知する可燃性ガスセンサと、
    前記可燃性ガスセンサを動作させその検出信号を判定処理するガス検出判断回路を、
    少なくとも有しており、
    前記燃焼部が燃焼状態であり前記可燃性ガスセンサが所定動作温度まで加熱されてガス検出可能となっている発電開始前もしくは発電終了後に、前記燃料電池の前記アノード極もしくは前記カソード極に前記燃料供給手段から炭化水素系燃料ガスを少量流入して前記燃料電池外に排出しその流路滞留ガスを置換パージする運転開始アノードパージ手段、運転開始カソードパージ手段、運転停止アノードパージ手段、運転停止カソードパージ手段の少なくとも1個を作動させ、前記燃焼部に供給している炭化水素系燃料ガスに前記各パージ手段から排出される炭化水素系燃料ガスを混合させて前記燃焼部に導いて燃焼させるよう制御する制御部を有した燃料電池システム。
  2. 制御部は、燃焼部に予め炭化水素系燃料ガスを直接に供給して燃焼させて燃料改質部を予備加熱しておいてから、運転開始アノードパージ手段が作動して、炭化水素系燃料ガスを前記燃料改質部の内部を経由して燃料電池のアノード極に流入させ前記燃焼部で燃焼させるよう制御する請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 制御部は、運転開始アノードパージ手段の作動終了後に、炭化水素系燃料ガスを燃料改質部の内部に流入させ、通過ガスを燃焼部に導いて燃焼させた燃焼熱で前記燃料改質部を加
    熱するよう制御する請求項1記載の燃料電池システム。
  4. 制御部は、運転開始アノードパージ手段の作動終了後に、水供給手段から供給される理論量より過剰の水と、燃料供給手段から供給させる炭化水素系燃料ガスとで、燃料改質部において水素系ガスを生成する反応を行なわせ、通過ガスを燃焼部に導いて燃焼させた燃焼熱で前記燃料改質部を加熱するよう制御する請求項1記載の燃料電池システム。
  5. 燃料改質部と燃料電池のアノード極の間に、水素系ガスに含有する一酸化炭素を酸化して低減する浄化触媒をさらに有し、
    制御部は、運転開始アノードパージ手段の作動終了後に、前記燃料改質部および前記浄化触媒を安定して化学反応が行なえる温度に到達させてから、前記浄化触媒を通過した水素系ガスを前記燃料電池のアノード極に供給するとともに、その未使用水素系ガスを燃焼部に供給して燃焼させ、その燃焼熱で前記燃料改質部を加熱するよう制御する請求項1記載の燃料電池システム。
  6. 制御部は、燃料電池のアノード極の内部に水素系ガスを予め封入する予備水素パージ手段の後に、運転停止アノードパージ手段が作動するよう制御する請求項1記載の燃料電池システム。
  7. 制御部は、燃料電池のアノード極の内部に水素系ガスを封入する予備水素パージ手段の後に、燃料改質部に水供給手段から水だけを供給して発生する水蒸気によりその流路滞留ガスをパージする予備水蒸気パージ手段を作動させ、さらにその後に、運転停止アノードパージ手段を作動させるよう制御する請求項1記載の燃料電池システム。
  8. 制御部は、運転停止アノードパージ手段で燃料改質部および燃料電池のアノード極に炭化水素系燃料ガスを封入した後に、システム運転が停止するよう制御する請求項1記載の燃料電池システム。
  9. 制御部は、燃焼部を燃焼させて燃料改質部を予備加熱しておいてから、運転開始カソードパージ手段が作動するよう制御する請求項1記載の燃料電池システム。
  10. 制御部は、運転停止カソードパージ手段の終了後に、システム運転が停止するよう制御する請求項1記載の燃料電池システム。
  11. ガス検出判断回路は、初期におけるガス濃度とセンサ出力の関係より、問題と設定したガス濃度に対応するセンサ出力値である閾値(A)と、長期間の使用におけるガス濃度とセンサ出力の関係より、ガス濃度ゼロ対応の下限センサ出力値(α)である閾値(B)とを、有し、
    前記ガス検出判断回路は、可燃性ガスセンサのセンサ出力値が、前記閾値(A)および前記閾値(B)の領域内に有る時は問題なしと判断し、前記閾値(A)もしくは閾値(B)の領域外に有る時は問題有りと判断し、
    制御部は、前記ガス検出判断回路が問題ありと判断した場合に、警報を発するよう制御する請求項1記載の燃料電池システム。
  12. 可燃性ガスセンサが接蝕燃焼式ガスセンサであり、問題有りの初期ガス感度をS、初期ゼロ点出力をEとすると、閾値(B)は、B=E−(0.50〜0.08)×Sである請求項11記載の燃料電池システム。
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