JP2005248388A - インクジェットにより染色した皮革の製造方法および該方法により染色した皮革 - Google Patents

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Abstract

【課題】 柔軟性、堅牢度、耐熱収縮温度を有する、インクジェット染色に適した皮革の処理方法およびインクジェット染色皮革の提供。
【解決手段】 前鞣しと本鞣しによって得た白色皮革素材をさらに石油を原料とする合成油による加脂し、皮革に対し質量%で0.1〜1.0%のクロム鞣し剤の追加鞣し、pHを2.8〜3.0に酸性化し皮革表面を陽電荷とすることによりインクジェット染色に適した皮革に処理してスルホン酸基又はカルボン酸基のうち1種又は2種からなる酸性染料によるインクジェットプリンターで染色し、さらに撥水性樹脂薄膜を形成せしめて後処理してインクジェット染色した皮革を得る。
【選択図】 図1

Description

本発明の技術は、皮革にインクジェットプリンターによる鮮明な染色を可能とするために皮を鞣し、加脂し、さらに染色をして染色皮革を製造する方法およびこの方法により製造した染色皮革素材とこれらを使用した皮革製品にに関する。
近年、パーソナルコンピュータの急速な低価格化と普及に伴い、低価格、静音性、低ランニングコスト、高印字品質などの利点により、広くインクジェットプリンターが各種の印刷に利用されている。インクジェットプリンターは、コンピュータからの電気信号に従いインクタンク内のインクが小滴となってノズルから噴出することで、紙などの記録媒体に印字や画像を記録する。そして、この記録媒体を紙から布帛へと置き換えて染色に応用することで、従来の型捺染に代える試みがなされている(例えば、非特許文献1参照。)。インクジェットを用いると、捺染用の型を製作する工程が不要となるため納期の短縮が可能となる。また、小口のロット生産への対応が容易で、染色設備も小型化できる。さらに非常に多彩な柄や色が得られ、かつそれらの修正がコンピュータ処理で行える結果、熟練技能者以外の者でも容易に扱える。さらにインクジェットプリンターは微細なインクの小滴を噴出させることで、従来にはなかった高密度で高精細な画像が得られるといった利点を有する。
ところが、布帛と異なり、皮革においては従前の型捺染も主としては用いられてはおらず、通常は皮革全体の表面および裏面をともに同色とする全体を一色に染色する染色方法が一般的である。例えば、それはいわゆるドラム染色であり、これは鞣し工程の後に、ドラム中に皮革を入れ、回転させながら染料を溶かし込み、液体中に漬けるようにして表側と裏側の両方から染色するといった手順を踏むものである。そのため染色は単一色であり、革の表面だけに好みの色、好みの柄でグラフィック模様を染色するようなことは皮革染色では一般的ではなかったのである。そして表裏とも単一色に染色された皮革に対して、型押しを施したり、あるいは表面の風合いを工夫する程度、例えばスエード、ヌバック、銀付きベロア、エナメル革などとする程度であった。
このように皮革の染色において単一色が一般的であったのは、従来のスクリーン捺染技術を適用して風合いや耐久性を備えたままに布帛から皮革へと単純に置き換えることは困難であったからである。すなわち、スクリーン捺染では染色後に糊を洗い落とした後、高温蒸し工程があり、高温に弱い皮革ではタンパク質の変質が起きたり、また、アルカリ剤や溶剤に対する耐久性などの問題が生ずる。したがって布帛から皮革へと単純に対象物を置き換えることはできなかった。また、従来の捺染技術では皮革上に鮮明でインクジェットのドットのように微細かつ繊細な表現をするには十分とはいえず、さらにスクリーン印刷ではグラデーションを表現することが困難であった。
一方、図柄の染色ではなく単一色の染色であれば、染料をスプレーを用いて皮革表面に塗布する方法もある。しかしながら、インクジェットの小滴に比べ、スプレーによる塗布の粒子は大きく、さらにその粒子が重なって皮革の表面に付着することが多い。したがって皮革に淡い綺麗な単一色を鮮やかに表現するには十分なものではなかった。
インクジェットを皮革に用いれば従来にない微細な表現が可能となるため多くの利点が認められる。しかしながら、単に記録媒体を紙や布帛から皮革へと置き換えただけでは良好な結果は得られない。なぜなら、皮革の表面で染料や顔料が滲んだり、はじかれたりしてしまう点が問題となるからである。そこで染料や顔料の属性に工夫を凝らしたり、インクジェット印刷の適正付与のために皮革に前処理をすることが必要とされている。さらに皮革は紙や布帛とは異なり、天然皮革であるがゆえの形状や個体差や位置に伴う部位差、すなわち一枚の皮革表面においても部分的な皮革繊維の違いに伴う部位差などが不可避であるため、皮革に記録媒体として均一なグラフィック模様をうることには困難を伴う。そのため、単にノズルから噴出するドットのために微細な表現が可能なインクジェットプリンターであっても、インクジェットプリンターを用いただけでは、所期の微細な表現例えばグラフィックをそのまま皮革表面にプリントすることは困難であった。
そこで、搬送させやすい支持体に接着剤で皮革を貼付し、この支持体に貼付した皮革にインクを噴射することで吐出に応じて所定量ずつ支持体を搬送して加色する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、温度や湿度の変化に左右されない製造方法として撥水剤およびバインダー樹脂を含有する浸透調整層とカチオン性物質およびバインダー樹脂を含有する発色調整層を有することを特徴とするインクジェット捺染用皮革が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
同様に、皮革基材上に水性下塗り剤層とその上にアルミナ水和物含有の多孔質インク需要層を有するインクジェット用皮革がある(例えば、特許文献3参照。)。
また、アニオン性色材の液状インクとカチオン性の色材固着剤とをイオン結合させることで皮革に固着させるインクジェットによる染色方法もある(例えば、特許文献4参照。)。
もっとも、風合いを出すためにも重要な皮革の鞣し工程において、最も一般的に行われている方法であるクロム鞣ししを行った場合、皮革が青色がかった色となりやすいため、インクジェットを利用する場合には滲み等の画像劣化を引き起こしてしまい好ましくないことが知られている(例えば、特許文献4参照。)。
この点、現在市場に流通する皮革の大半がクロム鞣しによるものである。一般的にクロム鞣しでは、前鞣しをせず、原料に対し質量%でクロム量7〜8%での本鞣しのみを行う。クロム鞣しによると、作業時間が短く、また、陽イオンの強い特質により陰イオンの酸性染料との結合力が強く物理的な堅牢度が高くなる。しかしながら、クロム鞣し剤のブルー色が強いため、プリント時に表面の色が濁るため、染料の鮮明さに欠けてしまう。その結果インクジェットによる鮮明で微細な表現のメリットが失われ十分にその特性が発揮できなくなる。例えば360dpiを超える微細なドットの1つ1つが鮮明な状態となるように染色するには満足できるものではなかった。
鮮やかなグラフィック模様を染色するには、白地の皮革に染色を施すことが望ましく、それゆえに通常のクロム鞣しとは異なる処理方法で鞣したものをインクジェットにて染色することが必要となる。
この点、生地の色が白色を呈するものとしては、アルミニウム鞣し、シリカ鞣し、ジルコニウム鞣し、ホルムアルデヒド鞣しとアルミニウム鞣しのコンビネーション鞣し、クロム鞣しとジルコニウム鞣しのコンビネーション鞣し、クロム鞣し後にチタン酸化物の白色塗料による白色化、植物タンニン鞣し後に漂白処理を行う白色化が従来から知られている(例えば特許文献4参照)。
たしかに、白地の皮革を選択することで、クロム鞣しよりもインクジェットによる染色の映え方は改善する。しかしながら、とりあえず印刷したというだけでは鮮明な印刷状態を適切に保持することは難しく、さらに皮革の風合い、摩擦堅牢度、耐熱収縮温度、耐光性、耐色移行性、色落ち性といった点を踏まえて、インクジェットで染色するのに適した鞣しの組み合わせおよび染色前の前処理と染色後の事後処理をさらに工夫する必要がある。
すなわち、染色しても、染料と皮革表面とを100%結合させることは難しいため、そのままでは、せっかく染色したものといえども、その状態を長期に渡って良好に保つことはできず、色落ちしたりするのである。
たしかにドラム染色のように大量の染料液中に皮革を丸ごと投入して漬け込む染色方法と異なり、微細な小滴を必要量だけノズルから噴射させるインクジェットを用いれば、使う染料は飛躍的に微量で済む。しかしながら、それでも色落ちを完全になくすことはできない。そこで、染色後の色落ちや、水濡れを防止することが必要になる。
この点、染色後の事後処理として例えば樹脂を単に塗布したりすることで色落ちは防げる。もっとも、色落ちをすっかり止めるために大量の樹脂でコーティングするとなれば、かえって皮革本来の風合いや質感が失われてしまうおそれが高い。そのため、事後処理において皮革の風合いを損なわずに樹脂コーティングするには極めて薄い従来にないコーティングが望まれることになる。
そもそも染料が皮革表面で結合できる量には限りがあるので、余分な染料を使わぬようにしなければ色落ちが発生する。そこで事前にドットを小さく噴射させてそのインクの総量をコントロールすることが重要となるが、他方で、鮮やかな柄の色合いをも実現する必要がある。この点、一般的なクロム鞣しにインクジェット染色を適用する場合に、クロム鞣しの皮革表面に色鮮やかにインクジェットで染色するとなれば、先述したとおりクロム鞣し剤の影響で青みがかっているため、もともと地が青い上にドットを載せても際立った鮮やかさをうることは難しい。そこで、それを補うべく仮にインクの量を増やそうとすればかえって滲んだり色落ちを引き起し易くなったりする。これを防ぐために色止めの樹脂コーティングをするとすれば、樹脂コーティングを厚くする必要が生じてしまい、樹脂のために皮革の風合いが損なわれてしまう問題が生ずる。
また、インクを皮革の表面ではなく表皮に浸透させて保持する手段も志向されている。たしかにこの手段は表面での結合に比べて色落ちしにくくなる長所が認められるものの、それでは濃淡の表現力や発色の鮮やかさに欠けたものとなってしまう欠点があった。
特開平11−10843号公報 特開2000−45188号公報 特開平09−59700号公報 特開平08−113881号公報 技術分野別特許マップ作成委員会 著「特許マップシリーズ 一般2 染色加工技術」特許庁、平成9年
本発明が解決しようとする課題は、皮革表面に淡い単一色の色合いや複雑なグラフィック模様の色彩を従来にない鮮やかさと精細さでインクジェットにより染色しうる最適な鞣し方法と染色方法からなる染色皮革の製造方法およびこの方法で得られたインクジェット染色による染色皮革を提供することである。
そこで、染色した皮革の風合いおよび質感を保つためには、事後処理に行う色止め処理の樹脂を可及的に薄く保つ必要がある。しかし、そのためには単に白地の鞣し皮革を用いる以上に、染料と皮革との結合度合いをより良好に保つことが重要となる。そこで、結合度合いを高めるために有効な鞣しの組み合わせや染料の結合を促進する前処理を模索する必要があり、同時に、柔軟性や磨耗堅牢度や耐熱収縮温度を確保するためにこれらの組み合わせと得られた前処理とのバランスを図る必要がある。
すなわち、インクジェットプリンターによる皮革への染色において、染料が滲んだり、はじかれたりすることを抑え、皮革繊維のムラにかかわらず均一な印刷結果をうることを目的とし、かつ、従来のクロム鞣しではブルー色が強く、表面の色が濁り、染料の鮮明さに欠けてしまう点を克服し、皮革の表面、裏面のいずれか一方あるいは両面の、全体あるいは一部分に対して、単一色もしくは多色の、微細で高精度の、とりわけ360dpiを超える微細なドットの1つ1つを鮮明に描画することを可能とし、さらに染色後に皮革の風合いや品質を保ちつつも色落ちもしない、インクジェットプリンターによる発色豊かな皮革の染色の一連の処理方法を見いだす必要があった。
さらに、色映えする皮革としては白く鞣した皮革を使用することが望ましいが、人間の目で見た際に純白により近く見えるような色とすることは、多色精細染色時の色映えにおいて非常に重要である。
この点、従来はそのような意識をしておらず、単に白い皮革の方が印刷に適することのみしか見いだされておらず、一般的に白い皮革に鞣された皮革に適用することについて触れるのみであって、多色染色に最適な白色の皮革の鞣し方法、より純白な白色皮革素材をうるインクジェット染色に適した一連の鞣し処理そのものの追求といったものは見いだされてこなかった。
たとえばクロム鞣し後にチタン酸化物等の白色塗料によって白色化することが特許文献4の段落0044には例示されているが、このような方法で白色を得たとしても、表面のチタンが多すぎるため、結果的に染料が弾かれてしまい染色が困難となるなど問題が発生する。このように単に白色の皮革であれば染色時に万能というわけではなく、染色に適した素材とする必要がある。
また、これまでは、インクジェットプリンターで印刷する際に、皮革を素材としてどのように印刷で対処するかという染色段階での対処方法を課題としてきたにすぎなかった。これはインクジェットメーカーが主としてその方途を追求してきたためであって、方向性としては、むしろ印刷する素材が皮であれば広範囲に適用可能であることを模索するという、プリンター側の汎用性に主眼を置いたものであった。そのため、インクジェットプリンターで多色鮮明な印刷するのに最適な皮革そのものの追求、あるいは鞣しの段階から最適化した一貫した染色処理方法を追求するといった方向性での模索は、従来、全くなされてこなかった。
そこで本発明の課題は、柔軟性、磨耗堅牢度、耐熱収縮温度を確保しつつも、多色印刷する皮革の発色が優れ、鮮明で色映えするインクジェットプリンターでの染色に適した皮革の一連の処理方法を伴う染色方法、および該方法で処理・染色された皮革を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明の手段は、
請求項1の発明では、原皮を石灰処理した後、染色に適した皮革へ鞣す鞣製工程と該工程に続いて鞣した皮革に染色する染色工程を行う皮革の染色方法において、石灰処理した皮に該皮の質量の0.5〜5.0%のホルムアルデヒド剤、グルタルアルデヒド剤、合成タンニン剤の1種または2種以上の鞣し剤を含有するpH2.3〜2.8の溶液により3時間以上にわたって順次アルカリ剤を追加してpH4.5〜5.5に高めながら前鞣し処理を行い、水洗後さらに石灰処理した皮の質量の2〜15%のジルコニウム剤、アルミニウム剤、合成タンニン剤の1種または2種以上の鞣し剤による本鞣し処理を行い白色皮革素材をうる鞣し工程を行い、次いで白色皮革素材に石油原料から合成された合成油からなる加脂剤により加脂する加脂工程を行い、さらに白色皮革素材に対し質量%で0.1〜1.0%のクロム鞣し剤による追加鞣し純白化工程を行った後、pH2.8〜3.0の酸性液で処理して皮革表面を陽電荷とする工程を行うことで、インクジェット染色に適した白色皮革に処理する鞣製工程を行い、次いで水洗、乾燥して得られた白色皮革に界面活性剤、アルコール、ポリウレタン、アクリル樹脂からなる混合液を噴射して染色前処理を行い、次いでスルホン酸基又はカルボン酸基の1種又は2種を有する酸性染料の溶液若しくはこの酸性染料の溶液にアクリル樹脂又はポリウレタン樹脂に混合した微粒子顔料を加えた溶液をインクジェットにより噴射して染色し、さらにこの染色された皮革に撥水性樹脂被膜を形成せしめる後処理工程を行うことを特徴とするインクジェットにより染色した皮革の製造方法である。
請求項2の発明では、原皮を石灰処理した後、染色に適した皮革へ鞣す鞣製工程と該工程に続いて鞣した皮革に染色する染色工程を行う皮革の染色方法において、石灰処理した皮に該皮の質量の0.5〜5.0%のホルムアルデヒド剤、グルタルアルデヒド剤、合成タンニン剤の1種または2種以上の鞣し剤を含有するpH2.3〜2.8の溶液により3時間以上にわたって順次アルカリ剤を追加してpH4.5〜5.5に高めながら前鞣し処理を行い、水洗後さらに石灰処理した皮の質量の2〜15%のジルコニウム剤、アルミニウム剤、合成タンニン剤の1種または2種以上の鞣し剤による本鞣し処理を行い白色皮革素材をうる鞣し工程を行い、次に白色皮革素材に対し質量%で0.1〜1.0%のクロム鞣し剤による追加鞣し純白化工程を行い、さらに白色皮革素材に石油原料から合成された合成油からなる加脂剤により加脂する加脂工程を行った後、pH2.8〜3.0の酸性液で処理して皮革表面を陽電荷とする工程を行うことで、インクジェット染色に適した白色皮革に処理する鞣製工程を行い、次いで水洗、乾燥して得られた白色皮革に界面活性剤、アルコール、ポリウレタン、アクリル樹脂からなる混合液を噴射して染色前処理を行い、次いでスルホン酸基又はカルボン酸基の1種又は2種を有する酸性染料の溶液若しくはこの酸性染料の溶液にアクリル樹脂又はポリウレタン樹脂に混合した微粒子顔料を加えた溶液をインクジェットにより噴射して染色し、さらにこの染色された皮革に撥水性樹脂被膜を形成せしめる後処理工程を行うことを特徴とするインクジェットにより染色した皮革の製造方法である。
請求項3の発明では、白色皮革素材をうる本鞣し処理は、上記の鞣し剤にさらに酸化チタンペーストを添加した鞣し剤により行うことを特徴とする請求項1又は請求項2の手段のインクジェットにより染色した皮革の製造方法である。
請求項4の発明では、石油から合成された合成油は、スルホン化された自己乳化性の陰イオンを有する合成油又は硫酸化された自己乳化性の陰イオンを有する合成油の1種もしくは2種からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項の手段のインクジェットにより染色した皮革の製造方法である。
請求項5の発明では、請求項1〜4のいずれか1項の手段の方法により製造の耐熱収縮温度が75℃であることを特徴とするインクジェットにより染色した皮革である。
すなわち、本発明の染色した皮革の製造工程は、原皮を皮革へ鞣製する処理工程において、原皮を水漬けにより前水戻し、脱毛・石灰処理、再石灰処理、脱灰処理、ベーチング処理、浸酸処理を施した、あらゆる動物タンパク質からなる動物の皮、たとえば牛・豚・馬・羊・ヤギ・ヘビ・トカゲ・ワニ・オーストリッチなどを、ホルムアルデヒド剤、グルタルアルデヒド剤、合成タンニン剤の1種または2種以上の鞣し剤で前鞣しを3時間以上にわたり実施する。この場合、前鞣しはホルムアルデヒド剤、グルタルアルデヒド剤、合成タンニン剤の1種または2種以上で、石灰処理した皮の質量、すなわち石灰皮質量の0.5〜5.0%の量の鞣し剤を皮の表面から中心部へ分散させるため、pHを2.3〜2.8に調整する。その後、短くとも3時間以上前鞣し処理した後、酢酸ソーダあるいは重炭酸ソーダなどのアルカリ剤を使用してpHを4.5〜5.5に調整する。
さらにジルコニウム剤、アルミニウム剤、合成タンニン剤の1種または2種以上からなる、石灰処理した皮質量、すなわち石灰皮質量の2〜15%の鞣し剤で、最短6時間以上処理する本鞣しを行ない、最終的にpH2.8〜3.0として白色皮革素材をうるための本鞣しを行い、以上の前鞣しと本鞣しからなる鞣し工程により白色皮革素材の耐熱収縮温度を70℃に向上させる。以上のように、前鞣しと本鞣しを、鞣し剤の使用量、処理時間、pH調整を適切に正しく行えば、革の外から中まで、鞣し剤とコラーゲン繊維がしっかりと確実に結ばれ、この結果、品質の良い、インクジェットによるグラフィック染色に適した白革を得ることができる。
さらに、主に石油を原料として化学合成された合成油、特にスルホン化もしくは硫酸化された自己乳化性の陰イオンを有する合成油を使用して該皮革に加脂を施す工程と原料に対し質量%で0.1〜1.0%のクロム鞣し剤を用いて追加鞣しをして見た目の純白度を向上させる工程を行った後、さらに、pH2.8〜3.0とした蟻酸などの酸性液で処理して皮革表面の電荷状態を陽電荷とする工程を行い、水洗後、水絞り、伸ばし、乾燥させるものである。この水素イオン濃度のpH値について説明すると、上記のように良好な鞣し処理ができた後に、さらにpHを下げることは、鞣し処理には大きな影響はない。しかし、革表面を陽電化にすることは、インクジェットによるグラフィック染色の際に酸性染料との結合力を高めるという意味で重要となる。しかし、あまりpHを下げ過ぎると、例えばpH1.5〜2.5とすると、革の表面に酸が残り過ぎることとなり、革製品の使用中に表面に酸が移行してきて肌に触れる箇所などでは、肌荒れやかぶれの原因になる場合もある。そこでpH2.8〜3.0で処理し、その後、革の中に酸が残らないように、良く水洗いすることが重要である。
以上の原皮から皮革素材をうる一連の工程によって、インクジェットによる精細な皮革染色に適した純白度の高い白色皮革素材をうることができる。
次に、界面活性剤、イソプロピルアルコールとエチルアルコールの1種または2種からなるアルコール類、微粒子ポリウレタン、微粒子アクリル樹脂からなる混合物を白色皮革素材表面上にスプレーする染色前処理工程の後、スルホン酸基(−SO3H)又はカルボン酸基(−COOH)のうち1種又は2種からなる酸性染料、若しくはこの酸性染料に代えて、微粒子の顔料とこの顔料を皮革に固定させるアクリル樹脂またはポリウレタン樹脂を含有する混合溶液をインクジェットにより噴射して白色皮革素材に染色すなわち着色する。これらの染色は特にインクジェットを360dpi以上の高性能なものとすることで、精細な図案や文字、多彩な色彩から淡い色彩のものからなるグラデーションまで様々なものが可能となり、皮革の表面、裏面のいずれにも染色できる。染色後、撥水性樹脂被膜を形成せしめる後処理として、染色後の該皮革表面上に、微粒子ポリウレタン、微粒子アクリル樹脂、硝化綿エマルジョンのいずれか1種以上と、撥水剤とを混合した溶液をスプレーして撥水性の薄膜を形成せしめ、皮革面上に精細、鮮明な染色の施された皮革とする。
上記の処理における成分限定理由および上記処理工程とする理由は下記のとおりである。
前鞣しおよび本鞣し:
インクジェットによる精細染色にも適する白色皮革をうるために、まず、ホルムアルデヒド剤、グルタルアルデヒド剤、合成タンニン剤の1種または2種以上からなる鞣し剤による前鞣し処理を3時間以上にわたり実施し、次いでジルコニウム剤、アルミニウム剤、合成タンニン剤の1種または2種以上からなる鞣し剤による本鞣しをすることによって白色皮革素材をうる鞣し工程を行なう。
従来、ホルムアルデヒド鞣し剤で前鞣し後にクロム鞣し剤を原料皮革に対し質量%で7〜8%で本鞣しをする処理が行なわれている。この場合、ホルムアルデヒドによる前鞣し処理は防腐程度のもので、十分なコラーゲンの架橋が形成されるのはクロム鞣し剤による本鞣し工程である。また、前鞣しせずにクロム鞣し剤を原料皮革に対し質量%で7〜8%の液にて本鞣しをすることも多い。このようなクロム鞣しをすると、たしかに、陽イオンの強い特質により陰イオンの酸性染料との結合力が強くその意味では染色性に優れている。また、物理的な堅牢度が高くなる。しかしながら、クロム鞣し剤はブルー色が強く、鞣した皮革全体が青くなってしまうため、染色しやすいとはいうものの表面の色が濁ってしまう欠点を有する。また、ベースが青色を呈するため鮮明さに欠け、多色や精細な印刷を施しても色映えがせず、商品価値に劣るものとなってしまう。
そこで本発明では、上述のようにインクジェットによる精細染色にも適する皮革素材をうるために、まず、前鞣しを施し、さらに、本鞣しを施し、耐熱収縮温度が70℃となるような皮革をうることにより、まず白色の皮革素材をうることとした。また、上記の本鞣し剤を選択するのは、カチオン化が強く、染色時に酸性染料と皮革とのイオン結合を強化しうるためである。
上記の本鞣しをすることで、耐光性や耐色移行性(耐変色性)あるいは耐色落ち性が確保される摩擦堅牢度などの物理的な物性が高くなると同時に、染色性がよくなり、染料と皮革との均一な結合が得られうる素材となるのである。さらに、上記のように後工程の染色工程において、酸性染料に顔料を加えて染色に使用するときは、酸性染料によるものに比して耐光性により優れたグラフィック染色が得られる。
なお、各種の鞣し剤はそれぞれ単独でも鞣す作用は持ち合わせてはいるものの、それぞれに長所短所があるため、コンビネーションすることで補い合うことが可能となる。また、単独で一度に鞣しを行っただけで品質の高い十分な鞣しの皮革をうることは、個体差や部位差などにバラツキが多い皮の性質上、実質的には非常に難しく、安定的に実施することは事実上困難であるが、上記のようにコンビネーションすることで可能となる。
多段の工程を経ながら鞣しを徐々に進行させていくことで、はじめて品質の高い皮革を安定的にうることが容易となる。そこで、本発明では前鞣しを3時間以上実施し、次に本鞣しを実施するといった一連の細かい段階を踏んでいくことにより、染色に適した皮革素材をうるのである。すなわち、前鞣し工程は、本鞣しにおける鞣しが十分に進行することを主な目的として、本鞣し剤の浸透や分散を促し安定的な結合を促進するものである。また、本鞣しは、皮革を十分に鞣し、皮革としての柔軟性、通気性、耐水性、耐熱性、磨耗堅牢度を十分に備えることと、インクジェット染色に適した白色素材をうることを目的としている。
ところで、上記の鞣し剤を選択するのは、各鞣し剤に下記のような特性が認められるからである。
アルデヒド鞣し剤で前鞣しをするのは、ホルムアルデヒド鞣し剤やグルタルアルデヒド鞣し剤には、革タンパク質を化学的に固定し、安定化する作用があり、耐アルカリ性の強い鞣し効果が得られるからである。グルタルアルデヒド鞣し剤はふっくらとした豊満性、耐水性などに優れるため、皮革の状態に応じて適宜使用する。
合成タンニン剤とは、植物以外の天然有機物や有機工業薬品を原料として合成されたものである。タンニン鞣しは、堅牢、強靱で、耐水性に優れ、耐熱性が幾分劣るものの、可塑性に富んで成形性がよい。この点、植物タンニン剤を使用すると、それらのタンニン色に影響されて、茶色く変色すると同時に、植物タンニン剤は耐光性がよくないため、光が当たると、酸化して、赤っぽく変色するいわゆる日焼けを起こす。そこで、皮革に対して色に変化を及ぼさない合成タンニン剤を使用することとする。さらに、合成タンニン剤を用いると、処理時間を短縮やpHの調整ができるだけでなく、漂白もなしうるので、白い皮革をうることができる。
なお、アルミニウム鞣し剤は、白色で柔軟な皮革が得られるが、単独では耐水性や耐熱性に乏しいため、他の鞣し剤と適宜併用する。
ジルコニウム鞣し剤は、充実性のある、しっかりした銀面の白色の皮革が得られる特性を有する。
本発明における前鞣しと本鞣しの具体的な組み合わせとしては、たとえば、下記のようなものがあげられる。
グルタルアルデヒド鞣し剤で前鞣し後に合成タンニン剤で本鞣しをする組み合わせ、ホルマリン鞣し剤で前鞣し後に合成タンニン剤とアルミニウム鞣し剤のコンビネーション鞣しによる本鞣しをする組み合わせ、合成タンニン剤で前鞣し後にさらに合成タンニン剤で本鞣しをする組み合わせ、あるいは合成タンニン剤で前鞣し後にジルコニウム鞣し剤で本鞣しをする組み合わせである。
なお、前鞣しでは、とりわけ合成タンニン剤を用いることが望ましい。ホルムアルデヒド鞣し剤には鞣しの程度が他の鞣し剤と比べ劣る点があり、グルタルアルデヒド鞣し剤では黄色味がかる特性があるため、合成タンニン剤を用いた場合に比べ、同じ白色度合いをうるには、より手間がかかることになるからである。
また、上記の組み合わせのうち、皮革に対して色に変化を及ぼさない合成タンニン剤を前鞣しおよび本鞣しともに用いる組み合わせとすることが、最も望ましい。また、この前鞣しと本鞣しにおいて、たとえば、前鞣しにおける合成タンニン剤として、結合分子の小さな合成タンニン剤を用いることは浸透性がよいため望ましく、3時間以上浸漬して前鞣しする。次に、鞣しが進行しやすいようにpHを段階的に中性に近づけた上で、さらに追加の前鞣し用の合成タンニン剤を追加投入する。この合成タンニン剤も、結合分子の小さな合成タンニン剤を用い、さらに、本鞣しの際に合成タンニン剤が分散するように分散機能を有するようにすることが望ましい。本鞣しにおいては、鞣比力が高い、すなわち皮のコラーゲン繊維に対して結合力の高い合成タンニン剤を組み合わせるものとする。以上により、簡易な工程で安定した白色の皮革素材が得られることになる。
酸化チタンペースト:質量%で0.1〜3.0%添加
本鞣しにおいて、さらに、微量の酸化チタンペーストを添加することが望ましい。これにより、首や腹部などのきめの荒い部位の皮革と背や尻などのきめの細かい部位の皮革とで生ずる白色度合いの相違を均一化することができるからである。素材の原皮は動物であるため、首、背、腹、尻、などの部位によって表皮のきめの細かさには部位差がある。きめの細かさの違いは、白色に鞣した際には白色のムラとなって露顕する。そこで、本鞣しで得られる白色度合いを均一化する程度に微量な酸化チタンペーストを添加する。添加量は皮革に対して質量%で0.1〜3.0%とする。なお、ムラを防止しつつ染色性を維持するためには、1.0〜2.0%が好ましい。
チタンを大量に使用していくことでも、単に白色の皮革そのものは得られる。しかしながら、酸化チタンは染料をはじく性質が強いため、皮革表面にチタンが大量に存在すると染料が皮革と十分に結合することができない不都合が生ずる。そのため、3.0%を越えると、インクジェットでの精細染色に適した白色皮革素材をうることはできない。
耐熱収縮温度:70℃
鞣すことにより皮のコラーゲン分子間を架橋していわゆる革としての性能が発揮される。その際、一般に皮革が熱収縮する最低温度も向上する。そこで、この耐熱収縮温度を指標とし、鞣し処理後の皮片を試験することで、皮革の鞣しの仕上がり具合を把握することが可能である。なお、例えば鞣しが不十分であると、水を含むとさらに固くなってしまい膠化したりする。この点、本発明では前鞣しと本鞣しとによって耐熱収縮温度が70℃となるように鞣すことにより、柔軟性、通気性、耐水性、耐熱性、磨耗堅牢度を備えた十分に鞣された高い品質の皮革素材をうることができる。
加脂:鉱物系化学合成油
加脂により、一般に皮革には柔軟性や豊満性などの感触の特性が付与される。この点、通常の加脂では革の繊維への吸収が良い魚油を主に使用する。また、革の表面に残りやすい動物油や鉱物油を使用することは多いものの、植物油や合成油などはあまり用いない。しかしながら、革の表面に加脂した成分が残りやすい動物油や鉱物油を使用すると、染色時に染料がのりにくく、皮革表面ではじかれてしまうため、染料が皮革に十分定着できない問題があった。
しかし、本発明では、魚油や植物油は不飽和度が高いので使用せず、代わりに、石油を原料として化学合成された合成油を主成分とする加脂剤により加脂するものとする。とりわけ、酸性染料の浸透性を高めるために、スルホン化もしくは硫酸化された自己乳化性の中性又は陰イオンを有する合成油を1種または2種使用することが望ましい。
さらに、植物油を原料とした、スルホン化もしくは硫酸化された、かつよく乳化された合成植物油を、上記の合成油に一部併用して加脂してもよい。両者の併用により、皮革がより柔軟性を有することとなるため、ソフトな皮革をうる場合など目的に応じて適宜実施する。
クロム鞣し剤:質量%で0.1〜1.0%、好ましくは0.1〜0.5%
前鞣し、本鞣し処理後にさらに追加鞣し液としてクロム鞣し剤を皮革に対する質量%で0.1〜1.0%、好ましくは0.1〜0.5%を添加した液で追加鞣し処理することで、酸性染料との結合をより強化しやすくなるため、色落ちを低減することができる。
ところで、白地の鞣しといえども、白の度合いには様々あり、クリーム色に近い白から、青みがかった白まで幅がある。グラフィック印刷をした場合に印刷映えする白とは、わずかに青みがかっているものであり、そのほうが純白さが強調されるので、若干青みを持たせる必要がある。
そこで、上記のように極少量のクロムを追加的に添加することとする。これにより白の発色が僅かに青みを帯びる結果、さらに人間の見た目での純白度が高まることとなり、染色するベースとして、より色映えのする純白に近い皮革をうることができる。すなわち、微妙に青みを帯びた白とすることで、グルタルアルデヒドなどによる黄色がかった白革に比べ、より色映えのする、より純白感のある見た目を呈する白革が得られるのである。
この点、クロム鞣し剤の添加量は、皮革の白色度合いに応じて適宜決定するが、純白感がより強調される点では、処理液として皮革に対して質量%で0.1〜1.0%のクロム鞣し剤の添加、とりわけ0.1〜0.5%のクロム鞣し剤の添加が好ましい。クロム鞣し剤が1.0%を越えると、青みが強くなりすぎ、もはや純白感が損なわれるだけでなく、滲みや濁りを生じてしまい、鮮明さも失われてしまう。そこで最大値を1.0%とする。
なお、クロム鞣し剤の処理は、加脂の後の方が望ましい。加脂前にすると、加脂剤の合成油がクロムとも結びついてしまうため、加脂剤が皮革全体に十分に行き渡らず、皮革が柔らかくなりにくくなってしまうことがあるからである。ただし、純白化する目的は加脂の前と後とを問わず達せられるので、クロム鞣し剤による追加鞣しを本鞣し後にただちに行って白色度合をより純白にしてもよい。
pH2.8〜3.0の酸性液で皮革表面を陽電荷とする工程:
通常の鞣し後のpHは、pH3.8〜4.0である。本発明ではさらに酸を投入してpHを2.8〜3.0となるように酸性度を高めて保つこととする。たとえばギ酸を入れることで酸性度を高める。鞣し後の皮の表面の電荷状態は通常、中性またはアルカリ性の陰電荷を呈するが、上記液中にたとえば10分間漬けることで表面の電荷状態を陽電荷へと処理する。
これにより陰イオンの酸性染料とのイオン結合が促進され易くなるため、強固な染色が可能となるため、より染色に適した皮革となるのである。
以上の処理後、水洗い、水絞り、伸ばし、乾燥を行う。また、その後適宜ステーキングや縁断ちを施してもよい。
染色前処理:
染色前処理液として界面活性剤すなわち乳化剤、イソプロピルアルコールおよび又はエチルアルコールからなるアルコール類、ポリウレタン、アクリル樹脂からなる混合液を染色する皮革表面上にスプレーして染色前処理する。
上記混合物をスプレーするのは、皮革の表面で染料や顔料が滲んだり、はじかれたりしないように親和性を高めるためと、浸透性が極度に強くなりすぎて染料が中に入り込んでいき過ぎないようにコントロールするためである。このような染色前処理工程を経ることで親和性が高められる結果、皮革の表面にインクジェットで噴射された染料や顔料のドット1つ1つを均一化できる結果、部分的な皮革繊維の違いに左右されることなく染色できるようになる。また、仮に染色時に、皮革の繊維中のアミノ基や鞣し剤に結合し得なかった余剰の染料や顔料が皮革表面に残った場合であっても、スプレーされたポリウレタンやアクリル樹脂によりこれらの余剰の染料や顔料を皮革の表面に固着させることができる。その結果、染色後の色落ちが抑制でき、また、染料や顔料の噴射量に幾分幅を持たせることができるため、染色の調整が容易となる。
たとえば、水750〜820gに乳化剤としての界面活性剤50g、イソプロピルアルコールおよび又はエチルアルコール50g、微粒子状のポリウレタン50〜100g、微粒子状のアクリル樹脂30〜50gからなる混合液とする。なお、ポリウレタンやアクリルは結合の小さな微粒子のものの方が適するので微粒子とする。
これらの染色前処理液はスプレーされた瞬間に揮発してしまうと均一に前処理ができないため、アルコール類については、気温に応じて揮発性の高いイソプロピルアルコールにエチルアルコールを入れる割合は適宜変更する。
染料または顔料:
染料にはスルホン酸基(−SO3H)又はカルボン酸基(−COOH)を有する酸性染料を用いる。顔料にはできるだけ360dpi、とりわけ720dpiを超える微細なドットをインクジェットにより噴射可能な微粒子の有機又は無機の顔料とし、これを皮革に固定するためにアクリル樹脂又はポリウレタン樹脂に含有させた溶液を用いる
ところで、本発明でスルホン酸基又はカルボン酸基を有する酸性染料を使用する理由は、通常の染色で使用する染料の硫化染料、酸性染料、含金属染料の混合物をもしくは塩基染料と比べ、本発明におけるスルホン酸基又はカルボン酸基を有する酸性染料の方が皮革の繊維中のアミノ基や鞣し剤のジルコニウム、アルミニウムあるいはクロムと結合しやすいためである。微細な染色をする際には、余剰な染料を少なくした方が精細に仕上がるため、結合の高い染料の選択はインクジェットの噴出量を減らす意味でも重要である。
さらに、上記の本発におけるスルホン酸基又はカルボン酸基を有する酸性染料は繊維中のアミノ基(NH3)に結合し、色の鮮やかさに優れているのに対し、含金属染料は繊維中のカルボキシル基(COOC−)に結合するが色の鮮やかさに欠ける。このように酸性染料は繊維中での色の深みや発色性が富むが、耐光性が弱いので、耐光性をよくするために、さらに微粒子の有機や無機の顔料を上記したようにアクリル樹脂又はポリウレタン樹脂に含有させた溶液として適宜加えてもよい。
染色方法:
染色方法はインクジェットプリンターを使用し、拡げた皮革の任意の片面上に、スルホン酸基(−SO3H)又はカルボン酸基(−COOH)を有する酸性染料を射出する。
この場合、360dpi、とりわけ720dpi以上の射出能力を有するインクジェットプリンターを用いることで、単一色、多色、淡色やグラデーション、精細画像、文字といった細密な柄を適宜選択して、染料を射出して描画することができる。余剰染料による滲みを防止して鮮明な描画が得られるように、射出する染料は皮革と結合しうる量となるように適宜噴出量を調整するものとする。
後処理:撥水性樹脂薄膜を形成せしめる染色後処理工程
染色後処理工程は、染色後の皮革表面上に、微粒子状のポリウレタン、アクリル樹脂、硝化綿エマルジョンのいずれか1種以上と、フッ素系又はパラフィン系の撥水剤とを混合した溶液をスプレーして撥水性の樹脂薄膜を形成せしめる。
スプレー塗布により薄い樹脂膜を形成せしめることで、噴射された染料のうち皮革表面と結合しきれなかった余剰物を薄膜にて覆うことによって、色止めすると同時に、撥水加工とすることで、汚れを付きにくくする。もっとも、形成される膜厚はわずか20〜30μm程度であるので薄い表面処理を施すにすぎず、いわゆる皮革の風合いをそこなうような厚い皮膜を形成せしめるものではなく、エナメルのような物とは全く異なる。
たとえば、微粒子ポリウレタンまたはアクリル樹脂のいずれかを200〜400g、ワックス・カゼイン20〜50g、フッ素系又はパラフィン系撥水剤30〜50g、水500〜750gの混合液を染色後の皮革にスプレーにより均一に塗布し、80℃のアイロン掛けをして表面に薄膜を形成せしめる。
その後、硝化綿エマルジョン200〜250g、フッ素系又はパラフィン系撥水剤50〜100g、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)150〜200g、トルエンシンナー450〜500gの混合液を染色後の皮革にスプレーにて均一に塗布し、80℃のアイロン掛けをして薄膜を形成せしめる。若しくはこれに代えて、200〜500gの微粒子ポリウレタン樹脂又はアクリル樹脂を単一若しくは2種類を組み合わせ、20〜50gのフッ素系又はパラフィン系撥水剤、5〜30gの樹脂架橋剤(硬化剤)、420〜775gの水の混合液をスプレーにて均一に塗布し、80℃のアイロン掛けをして薄膜を形成せしめる。
本発明は、3時間以上にわたる長時間の前鞣し処理し、本鞣しにより皮革を白色に鞣した後にクロム鞣し剤を少量添加することにより微妙に青みがかった白色をうることにより、見た目の純白さが強調される皮革素材となる結果、インクジェットで精細な染色を施したときに色映えする鮮やかな染色が可能となり、かつ、加脂工程や陽電荷とする工程などによって酸性染料との結合性の高い皮革素材が得られるので、染色およびその前後の処理とあいまって、染料と皮革との結合性が高く、各ドットが均一で、滲みのない、かつ色落ちしない染色が可能となる。その結果、従来のインクジェットによる皮革染色に比べて非常に精細かつ鮮明で色映えする染色のなされた皮革を得ることができ、グラフィック染色に適しているなど、優れた効果を奏するものである。
本発明を実施するための最良の形態について以下の実施例を通じて説明する。図1は本発明の実施手順のフロー図である。
第1日目に、原皮に対し、質量%で300%の16℃の水で原皮を水漬けして前水戻し後に、ドラムやパドルを用いて300%の16℃の水と0.8%のソーダ灰、0.6%の戻し剤、0.15%の脱脂剤を加えて2時間回転して撹拌処理し、さらに一昼夜2時間に15分撹拌しながら水漬けして本水戻しをする。
第2日目は、水洗後、原皮に対し、質量%で200%の16℃の水に石灰1.0%、水酸化ナトリウム1.2%をドラムやパドルに加えて30分間撹拌して30分間停止し、さらに石灰2.0%、脱脂剤0.2%、硫化ナトリウム1.0%を投入し、2時間おきに5分撹拌しながら一昼夜、脱毛・石灰処理をする。
第3日目は、さらに石灰を1.0%追加し、5分間撹拌処理した後、3時間おきに1分間撹拌させながら、一昼夜、再石灰処理をする。
第4日目は、水洗後、脱毛・石灰処理として、16℃の水80%に硫安0.5%、脱脂剤0.1%を加えて10分撹拌し、続いて、硫安1.5%を添加し40分間撹拌し、さらにべーチング剤(膠解剤)0.3%を投入して50分間撹拌し、計100分間撹拌させてpH8.5とした後、30分間水洗する。次に浸酸(ピックル)として、16℃の水80%に、塩7.0%加えて10分間撹拌して9.0ボーメとし、次いで、ギ酸(1:10)0.6%を2回に分けて注入しそれぞれ10分間ずつ撹拌し、さらに、硫酸(1:10)3回に分け注入しそれぞれ10分、10分、75分間ずつ撹拌してpH2.6〜2.8へと酸性化したうえで一昼夜留め置きする。
第5日目は、20℃の水100%に塩10%加えて10分間撹拌し、過マンガン酸カリ0.2%を加えて20分間撹拌し、酸性亜硫酸ソーダ2%を加えて30分間の計1時間ほど処理してホルスタイン種の皮革などの白黒の地模様を漂白して目立たなくする。次いで水洗後、20℃の水100%に塩10%投入後10分撹拌の後、成植物油0.5%と、処理する皮革の質量(石灰皮質量)に対して合結合分子の小さい第1前鞣し用の合成タンニン剤2.0%を投入してpH2.8とし、一回目の前鞣しを一昼夜実施する。
第6日目は、第1前鞣ししたpH2.8の溶液に、酢酸ソーダ1.0%を加えて20分攪拌し、さらに重曹0.5%を投入しては30分間攪拌する重曹の投入・撹拌行為を数回を繰り返しながら徐々にpHを6.1までゆるやかに上昇させ、次いで処理する皮革の質量(石灰皮質量)に対して結合分子が細かく分散機能を有する第2前鞣し用の合成タンニン剤2.0%を投入してpHは5.0とし、60分間回転攪拌することでさらに前鞣しを施した。
排水後、300%の20℃の水にて水洗し、引き続き100%の20℃の水に2.0%の酢酸ソーダを加え、さらに処理する皮革の質量(石灰皮質量)に対して8.0%の鞣比力の高い本鞣し用の合成タンニン剤を投入し、20分間ほど回転させて本鞣しをし、さらに酸化チタンペースト2.0%、スルホン化油5%、硫酸化油3%を添加後90分回転させ、次に50℃の水200%にギ酸を1.5%投入して15分間回転させてレタンしてpHを3.8とする。さらに、水洗後、水切りした後、50℃の水150%に5.0%の合成油からなる加脂剤を投入し、40分回転させ、その後、クロム鞣し剤と防カビ剤をそれぞれ0.1%ずつ投入して20分回転させ、さらに2.0%のギ酸を投入してpHを3.0とし10分回転させた。次いで水洗、水絞り、伸ばし、乾燥を経て、インクジェット染色に適した白色皮革素材を得た。
次に、水800gに界面活性剤50g、イソプロピルアルコール50g、微粒子ポリウレタン75g、微粒子アクリル樹脂40gの混合液を上記の皮革素材にスプレーで噴射し、親和性を高めた後、予め用意しておいた精細なグラフィック画像を、染料として御国野色素社製のニューフラッシュカラーを用いて720dpiのインクジェットプリンターにて染色した後、さらに、微粒子ポリウレタン300g、ワックス・カゼイン35g、フッ素系およびパラフィン系撥水剤40g、水650gの混合液を染色後の皮革にスプレーにて均一に2回塗布し、80℃のアイロンにて150バールのプレス処理を1回して皮革をならし、本発明の方法で精細なグラフィック印刷として染色された皮革を得た。
本発明の実施手順のフロー図である。

Claims (5)

  1. 原皮を石灰処理した後、染色に適した皮革へ鞣す鞣製工程と該工程に続いて鞣した皮革に染色する染色工程を行う皮革の染色方法において、石灰処理した皮に該皮の質量の0.5〜5.0%のホルムアルデヒド剤、グルタルアルデヒド剤、合成タンニン剤の1種または2種以上の鞣し剤を含有するpH2.3〜2.8の溶液により3時間以上にわたって順次アルカリ剤を追加してpH4.5〜5.5に高めながら前鞣し処理を行い、水洗後さらに石灰処理した皮の質量の2〜15%のジルコニウム剤、アルミニウム剤、合成タンニン剤の1種または2種以上の鞣し剤による本鞣し処理を行い白色皮革素材をうる鞣し工程を行い、次いで白色皮革素材に石油原料から合成された合成油からなる加脂剤により加脂する加脂工程を行い、さらに白色皮革素材に対し質量%で0.1〜1.0%のクロム鞣し剤による追加鞣し純白化工程を行った後、pH2.8〜3.0の酸性液で処理して皮革表面を陽電荷とする工程を行うことで、インクジェット染色に適した白色皮革に処理する鞣製工程を行い、次いで水洗、乾燥して得られた白色皮革に界面活性剤、アルコール、ポリウレタン、アクリル樹脂からなる混合液を噴射して染色前処理を行い、次いでスルホン酸基又はカルボン酸基の1種又は2種を有する酸性染料の溶液若しくはこの酸性染料の溶液にアクリル樹脂又はポリウレタン樹脂に混合した微粒子顔料を加えた溶液をインクジェットにより噴射して染色し、さらにこの染色された皮革に撥水性樹脂被膜を形成せしめる後処理工程を行うことを特徴とするインクジェットにより染色した皮革の製造方法。
  2. 原皮を石灰処理した後、染色に適した皮革へ鞣す鞣製工程と該工程に続いて鞣した皮革に染色する染色工程を行う皮革の染色方法において、石灰処理した皮に該皮の質量の0.5〜5.0%のホルムアルデヒド剤、グルタルアルデヒド剤、合成タンニン剤の1種または2種以上の鞣し剤を含有するpH2.3〜2.8の溶液により3時間以上にわたって順次アルカリ剤を追加してpH4.5〜5.5に高めながら前鞣し処理を行い、水洗後さらに石灰処理した皮の質量の2〜15%のジルコニウム剤、アルミニウム剤、合成タンニン剤の1種または2種以上の鞣し剤による本鞣し処理を行い白色皮革素材をうる鞣し工程を行い、次に白色皮革素材に対し質量%で0.1〜1.0%のクロム鞣し剤による追加鞣し純白化工程を行い、さらに白色皮革素材に石油原料から合成された合成油からなる加脂剤により加脂する加脂工程を行った後、pH2.8〜3.0の酸性液で処理して皮革表面を陽電荷とする工程を行うことで、インクジェット染色に適した白色皮革に処理する鞣製工程を行い、次いで水洗、乾燥して得られた白色皮革に界面活性剤、アルコール、ポリウレタン、アクリル樹脂からなる混合液を噴射して染色前処理を行い、次いでスルホン酸基又はカルボン酸基の1種又は2種を有する酸性染料の溶液若しくはこの酸性染料の溶液にアクリル樹脂又はポリウレタン樹脂に混合した微粒子顔料を加えた溶液をインクジェットにより噴射して染色し、さらにこの染色された皮革に撥水性樹脂被膜を形成せしめる後処理工程を行うことを特徴とするインクジェットにより染色した皮革の製造方法。
  3. 白色皮革素材をうる本鞣し処理は、上記の鞣し剤にさらに酸化チタンペーストを添加した鞣し剤により行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェットにより染色した皮革の製造方法。
  4. 石油から合成された合成油は、スルホン化された自己乳化性の陰イオンを有する合成油又は硫酸化された自己乳化性の陰イオンを有する合成油の1種もしくは2種からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットにより染色した皮革の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法により製造の耐熱収縮温度が70℃であることを特徴とするインクジェットにより染色した皮革。
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