JP2005248280A - 貴金属の回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 多量の酸や銅精練などの工程を必要とせず、高い選択性を持って貴金属を回収する方法を提供する。
【解決手段】 本発明の貴金属の回収方法は、貴金属、及び/又はその化合物を担持した基材1から前記貴金属を回収する方法であって、前記貴金属粒子2と回収媒体金属蒸気3とを接触させて貴金属化合物3aを形成する工程と、前記貴金属化合物3aを溶解して浸出溶液を作製する工程とにより、前記基材1に含まれる酸化物と前記貴金属化合物3aとを分離することを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、貴金属の回収方法に関するものである。
電子材料や触媒などのスクラップ中の貴金属を分離、回収する場合、スクラップ全体を溶解あるいは熱分解し、目的の貴金属を抽出、分離する手法が従来行われてきた。これは、貴金属が共存するスクラップよりも化学的に安定であるため、貴金属のみを選択的に溶解させることが困難なためである。現状では、少量の貴金属が含まれるスクラップからの回収を行う場合、スクラップ全体を溶解させるために多量の酸を必要とし、同時に有用でない金属を含む多量の廃液が発生する。
一方、銅や水銀などを抽出剤(コレクターメタル)として利用し、貴金属を回収する手法も古くから行われており、乾式銅精練プロセスが利用できる場合、銅中の貴金属の回収を容易に行えるため、銅を抽出剤として利用することができるが、地域や状況によっては銅精練プロセスを利用できない場合がある。また、水銀を抽出剤として利用することは環境保全の観点から好ましくない。
そこで本発明者らは、多量の酸や銅精練プロセスを用いることなく貴金属を回収できる方法として、活性金属蒸気を用いて貴金属を分離する方法を既に提供している(特許文献1参照)。
特開2003−247030号公報
上記特許文献1に記載の貴金属の回収方法によれば、多量の酸を使用することなく、また銅精練プロセスを使用することなく容易に貴金属を回収することが可能である。ところが、回収対象である基材の材質によっては、活性金属との親和性が高すぎるために基材の一部が浸出溶液に溶け出し、貴金属回収に際しての選択性が低下し、その結果回収率が低下するおそれがあることが本発明者らの研究により判明した。
従って本発明の目的は、多量の酸や、銅精練プロセスを使用することなく、また基材の材質によらず高い選択性をもって貴金属の回収を行うことができる方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために、貴金属、及び/又はその化合物を含む基材から前記貴金属を回収する方法であって、前記貴金属と、回収媒体金属とを接触させて貴金属化合物を形成する工程と、前記貴金属化合物を溶解して浸出溶液を作製する工程とにより、前記基材に含まれる酸化物と前記貴金属化合物とを分離することを特徴とする貴金属の回収方法を提供する。
この回収方法によれば、基材に担持された貴金属と回収媒体金属とを反応させることで貴金属化合物を生成し、この貴金属化合物を酸などにより溶解して基材から分離するに際して、基材に含まれる酸化物と貴金属化合物とを分離するようになっているので、特に自動車用途の触媒等、酸化物担体上に貴金属の触媒が担持されているものから貴金属を回収するために用いて好適な貴金属の回収方法となる。
また本発明は、貴金属、及び/又はその化合物を含む基材から前記貴金属を回収する方法であって、前記貴金属と、回収媒体金属とを接触させて貴金属化合物を形成する工程と、前記貴金属化合物を溶解して浸出溶液を作製する工程とを含み、前記貴金属化合物を形成する際に、前記回収媒体金属として、処理温度で前記貴金属のみと選択的に反応する金属を用いることを特徴とする貴金属の回収方法を提供する。
この回収方法によれば、回収媒体金属として、貴金属化合物を形成する際に貴金属と選択的に反応する金属を用いるので、基材からの貴金属の回収を高い選択性をもって行うことができ、高効率に貴金属を回収することができる。
本発明に係る貴金属の回収方法では、前記貴金属化合物を形成する工程は、前記基材と前記回収媒体金属の蒸気とを接触させる気相反応工程であることが好ましい。この回収方法によれば、多孔質体等の複雑な形状の基材に担持された貴金属を回収する場合にも、貴金属化合物の形成を効率的に行うことができ、高効率に貴金属の回収を行うことが可能になる。
本発明に係る貴金属の回収方法では、前記回収媒体金属として、処理温度で10−4atm以上の蒸気圧を有する金属を用いることが好ましい。上記範囲の蒸気圧を有する金属を用いることで、貴金属と反応させるに十分な蒸気圧を保持することができ、貴金属との反応を促進させることができるとともに、反応速度を高めて処理時間を短縮することができる。
本発明に係る貴金属の回収方法では、貴金属化合物を形成する際に、前記回収媒体金属として鉄又は亜鉛を用いることが好ましい。これらの金属を回収媒体金属として用いるならば、基材上の貴金属との反応を高い選択性をもって進行させることができ、特に酸化物を含む基材に担持された貴金属の回収を行う場合に有効である。
本発明に係る貴金属の回収方法では、前記貴金属化合物を形成する際に、前記回収媒体金属としてナトリウム又はカリウムを用いることもできる。これらの金属を用いた場合にも、高い選択性をもって貴金属化合物を形成することができ、効率的に貴金属の回収を行うことが可能になる。
本発明に係る貴金属の回収方法では、前記回収媒体金属の蒸気と前記基材とを接触させるに際して、金属蒸気源を加熱して発生させた金属蒸気を用い、前記金属蒸気源は、前記回収媒体金属、又はその酸化物又は炭化物、あるいはこれらと炭素との混合物である回収方法とすることができる。上記構成の金属蒸気源から回収媒体金属の蒸気を発生させることで、反応室を汚染する不純物をほとんど含まない高純度の金属蒸気を発生させることが可能になり、もって貴金属の回収効率を高めることができる。
本発明に係る貴金属の回収方法では、前記基材は、アルミニウム酸化物及び/又はシリコン酸化物を含むものであってもよい。本発明によれば、上記酸化物と貴金属とを高効率に分離することができる。特に、金属酸化物の多孔質体に貴金属を担持した触媒からの貴金属の回収に用いて好適な回収方法である。
本発明に係る貴金属の回収方法では、前記基材として複数種の貴金属を含むものを用い、前記回収媒体金属との接触により複数種の貴金属化合物を形成し、該複数種の金属化合物を溶解して浸出溶液を作製することもできる。本発明に係る回収方法によれば、液体あるいはガスを貴金属の抽出剤として使用するため、複数種の貴金属を含む基材から一様に貴金属を分離することが可能である。従って、例えば触媒と電子材料とを同時に処理することもでき、PtとRh、PtとAu等の複数の貴金属を含む被処理物も一括に処理することが可能である。
以上説明したように、本発明に係る貴金属の回収方法によれば、貴金属及び/又はその化合物を含む基材の貴金属から選択的に貴金属化合物を形成し、かつこの貴金属化合物を迅速に酸に溶解させることができるので、得られた浸出溶液から効率よく貴金属を回収することができる。
次に、本発明に係る貴金属の回収方法において、前記金属化合物を生成する工程が、前記金属の気相雰囲気中で、前記基材上の貴金属と前記金属とを反応させる気相反応工程とするならば、自動車用触媒などの複雑な形状を有するスクラップから貴金属の回収を行う場合にも、貴金属化合物を効率よく形成することが可能であり、もって貴金属の回収効率を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係る貴金属の回収方法の一実施の形態を示す断面工程図であり、図2は従来法とともに本発明の回収方法の工程を示すフロー図である。
本実施形態では、図2に示す本発明に係る回収方法のうち「手順1」の方法を用いて、図1Aに示す基材1上に担持された貴金属粒子2を回収する場合の回収工程について説明する。図1Aに示す貴金属を含む基材1は、例えば自動車等の触媒や、電子機器部品、装飾品等の貴金属担持部分を概念的に示すものである。さらに図1Aは基材1の貴金属粒子2と回収媒体金属が反応する場合を例示しているが、貴金属は面状であっても、複雑に入り組んだ構造(例えば絶縁材料の多孔質体など)でも構わない。また、本回収法により効果的に回収できる貴金属粒子2としては、Au,Ag,Pt,Rh,Pd,Ir等である。
本発明に係る回収方法により基材1から貴金属粒子2を回収するには、まず、図1Bに示すように基材1を回収媒体金属蒸気3中に導入する(図2に示す合金化工程S1)。この回収媒体金属の蒸気は、反応室内で金属蒸気源を高温に加熱して発生させることができる。前記金属蒸気源としては、Zn,Fe,Na,K,Pb等の金属、あるいはその酸化物、炭化物、さらにはこれらに必要に応じて炭素等を添加したものを例示することができる。より詳細には、金属蒸気源として、例えば亜鉛酸化物(ZnO等)、鉄、ナトリウム酸化物(NaO)と、炭素との混合物を用いることができ、それぞれZn蒸気、Fe蒸気、Na蒸気を発生させる金属蒸気源として機能する。
そして、被処理物である基材1とともに、これらの金属を反応室内へ導入し、反応室内を500〜1300℃程度とすることで、容易に回収媒体金属蒸気の雰囲気に基材1を曝すことができる。この工程により、貴金属粒子2と回収媒体金属蒸気3とが反応して、貴金属化合物3aが生成される。
本発明に係る回収方法においては、上記貴金属化合物3aの生成に際して、選択的に貴金属粒子2との化合物を形成し得る回収媒体金属蒸気3が用いられる。例えば、自動車の触媒等における典型的な触媒担体であるアルミナ(Al)やムライト(3Al・2SiO)、コージライト(2MgO・2Al・5SiO)等に含まれる酸化物とはほとんど反応せず、担体上に担持されているPtやPd、Rh等と選択的に化合物(例えばPt−ZnやRh−Zn等)を形成するものとなっている。これにより、後続の工程で酸処理した際にこれらの貴金属化合物のみを酸中に浸出させ、酸化物と貴金属とを高い選択性をもって分離させることができる。
尚、上記金属としては、貴金属との化学的親和性が高く、かつ貴金属粒子2を担持している基材とは反応し難いものである点において上記に挙げた金属を用いることが好ましいが、10−4atm以上の蒸気圧を有する金属であれば適用可能である。
貴金属粒子2と回収媒体金属の蒸気3との反応により金属化合物3aが基材1上に形成されたならば、次に、基材1上の貴金属化合物3aを酸により浸出させる(図2に示す浸出工程S3)。この浸出工程S3は、王水や塩酸、硝酸等の酸に基材1を浸漬することで、容易に行うことができる。その際の酸を30℃以上に加熱しておけば、貴金属化合物3aの浸出が促進され、より短時間での処理が可能となる。
そして、図1Bに示す貴金属化合物3aは、酸に対する溶解性が高いため、図1Dに示すように、浸出工程に供された後の基材1はほとんど溶解されずに残る。従って、上記浸出工程S3により、不要な金属が少ない金属化合物3aの溶液を得ることができる。
次に、上記浸出工程S3により得られた金属化合物3aの溶液を、図2に示す回収工程S4に供することで、貴金属を回収する。ここで、図3は本発明に係る回収方法について、回収工程S4をより詳細に示したフロー図である。溶液を処理する回収工程S4としては、例えば図3に示すように、晶析工程S41と、焼成/還元工程S42とを含む工程とすることができる。貴金属化合物3aとして亜鉛とPtとの金属化合物を形成し、王水による浸出を行う場合には、以下の方法でPtを回収することができる。
まず、晶析工程S41では、浸出工程S3で得られた溶液を加熱して液体を蒸発させた後、塩酸と、過酸化水素水とを混合した溶液に溶解させ、その後、飽和塩化アンモニウム溶液により(NHPtClの沈殿物を析出させる。そして、得られた沈殿物を濾過、乾燥させる。このときにできる沈殿物を除去した後の液体は、廃液として処理する。そして、続く焼成/還元工程S42において、上記にて得られた沈殿物を焼成することでPtを回収することができる。
上述したように、本発明に係る回収方法では、貴金属化合物3aの溶液に含まれる不純物が少ないため、溶液から高純度の貴金属を得ることができる。特に、基材に含まれる酸化物に起因する不純物が少なく、浸出溶液から貴金属を回収するに際しての回収効率を従来に比しても向上させることができる。
このように、本発明に係る貴金属の回収方法によれば、極めて高い分離性をもって基材1上から貴金属粒子2を回収することができ、従来は回収率を高めることが困難であった酸化物担体上に担持された貴金属粒子についても効率的に回収を行うことが可能である。例えば本発明に係る回収方法によれば、アルミナからなる触媒担体上に担持された触媒粒子(Pt−Pd−Rh合金等)を回収する場合に、触媒粒子のみを選択的に貴金属化合物とし、浸出工程において担体のアルミナからアルミニウムを溶出させることなく貴金属化合物のみを溶解させ、分離することができる。従って、図2に併記した従来法の如くスクラップを直接溶解する方法に比して、極めて効率よく貴金属を浸出させることができるとともに、係る溶解に要する酸の量も著しく少なくなるため、回収効率、回収コストのいずれにおいても極めて有用な回収方法となっている。
上記実施の形態では、貴金属粒子2と金属との反応を、回収媒体金属蒸気3を用いて気相で行ったが、貴金属粒子2と金属との反応により貴金属化合物を生成する工程は、気相反応に限定されず、固相あるいは液相での反応も適用することができる。上記に挙げた回収媒体金属は、貴金属との化学的親和性が極めて高いため、例えば固相で反応させるために、回収媒体金属の酸化物を用いたとしても反応温度等の反応条件を適切に設定することで、容易に上記貴金属化合物を生成させ、基材と分離することが可能になる。
さらに、上記実施の形態では、基材1上に金属化合物3aを形成した後、酸による浸出を行う場合について説明したが、この酸による浸出の前に、貴金属化合物3aを酸化させ、酸化後の貴金属化合物を酸により浸出させても良い。この場合の回収方法は、図2に示す「手順2」を用いて基材1上の貴金属粒子2を回収する方法である。
図2に示すように、「手順2」により貴金属の回収を行う場合、図1Bに示した貴金属化合物3aを生成する合金化工程S1までは先の「手順1」と同様であるが、本手順では、貴金属化合物3aを生成した後、図1C及び図2に示すように、貴金属化合物3aに対して酸化処理S2を施すことで、貴金属を含む複合酸化物4aを基材1上に形成する。この貴金属化合物3aの酸化処理は、例えば、400℃以上で合金を大気中の酸素と反応させ酸化させることにより容易に行うことができる。
その後、「手順1」と同様に、複合酸化物4aを浸出工程(リーチング処理)S3に供することで、複合酸化物4aを溶解して貴金属を含む溶液とし、その後晶析、焼成等の処理を含む回収工程S4に供することで、貴金属を回収することができる。尚、貴金属を含む溶液からの貴金属の回収を行う回収工程S4については、先の「手順1」と同様である。
このような「手順2」による回収工程を採用するならば、浸出工程S3における水素の発生を抑え、安全かつ迅速にリーチング処理を行うことができ、また、リーチング処理に要する酸の量も低減することができる。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
本例では、本発明に係る回収方法により、貴金属を選択的に酸に溶解させることができ、また高収率で回収できることを検証するために、各種の貴金属の紛体を試料とし、これらの試料を回収媒体金属と反応させて作製した貴金属化合物を酸に溶解させ、この溶解液から再度貴金属を回収する実験を行った。すなわち、図2及び図3に示した「手順1」に準ずる方法による貴金属回収実験を行った。貴金属化合物を生成するための金属には、Znを用い、貴金属としてはPt並びにRhを用いた。
まず、上記金属と貴金属との反応実験及び生成した化合物の酸への溶解実験について以下に説明する。図4は、本実施例で用いた反応装置を示す部分断面図であり、同図に示す反応装置100は、内部を密閉できる反応容器110を備えており、反応容器110の内部には、円筒状のステンレスコンテナ120が配設されている。ステンレスコンテナ120の内部には、ステンレスシート121及びニオブシート122により梱包された試料ホルダ124及び坩堝125が配設されており、坩堝125内には金属蒸気源140が収容され、試料ホルダ124上には貴金属試料130が配設されている。
ステンレスコンテナ(内径20mm、高さ36mm)120の底部に配置された坩堝125に、金属蒸気源140としてのZn粉を収容し、コンテナ内の金属蒸気源140の上方に配置した試料ホルダ124にPt片0.1〜1.0gを載せ、ステンレスコンテナ120を封止した。各試料における金属蒸気源の種類と、試料皿に載せたPt重量との組み合わせを表1に示す。尚、表1に示す比較試料1,2は、それぞれ単体のPt粉末及びRh粉末であり、後続の溶解試験における比較試料として用意したものである。
次に、上記にて用意したステンレスコンテナ120のうち数セット(図示では2セット)を、ステンレス鋼製の反応容器110に装入し、反応容器110の底部に脱酸剤としてスポンジチタン150を入れた後、溶接封入した。そして、封入後の反応容器110を電気炉内に設置し、表1に示す温度、時間にて、金属蒸気源140から拡散した回収媒体金属蒸気141と貴金属130とを反応させて貴金属化合物を形成した。その後、所定時間一定温度に保持した後に電気炉から取り出し冷却した。次いで、反応容器110を切断して内部のステンレスコンテナ120を取り出し、ステンレスコンテナ120から試料ホルダ124上の貴金属化合物(Pt−Zn合金、Rh−Zn合金)を回収した。
Figure 2005248280
次に、上記にて得られた各試料を、王水で溶解してPtを含む水溶液を作製した。この溶解工程において、いずれの試料も王水に良好に溶解され、Pt粉末を王水に溶解する場合に比して、極めて迅速かつ容易に溶解を行うことができ、また、溶解に必要な王水の量も大幅に少ない量であった。このことから、本発明に係る回収方法では、スクラップ等を直接溶解する従来法に比して酸の使用量を大幅に節約できることが示唆される。表2に、各サンプルの王水への溶解率を示しておく。
Figure 2005248280
次に、上記工程にて得られるPt又はRhを含む水溶液からPt、Rhを回収できることを検証するために、表3に示す合金の水溶液に対して以下の操作を行った。
まず、各合金の水溶液から硝酸を取り除くため、溶解液を140℃のホットプレートで溶液が無くなるまで加熱した。この脱硝処理後に1Nの塩酸10ml、酸化剤としてH(過酸化水素水)1mlを加えた後、飽和塩化アンモニウム(NHCl)溶液を約40ml注ぎ、黄色の(NHPtClの沈殿物を生成させた。そして、さらに反応を促進させるために飽和塩化アンモニウム溶液を追加して、その後約1時間加温状態(70〜80℃)に保持した。
その後、吸引濾過により沈殿物を濾過し、濾紙上の沈殿物を140℃のホットプレートにより乾燥させた。そして、この沈殿物をアルミナ坩堝中でガスバーナーを用いて焼成することにより、Pt及びRhを回収し、回収されたPt及びRhの重量を測定した。その結果を表3に併記する。
Figure 2005248280
表3に示すように、本発明に係る貴金属の回収方法を適用するならば、極めて高い収率で貴金属を回収できることが確認された。このように、本発明に係る貴金属の回収方法によれば、基材上に担持された貴金属を容易に、かつ選択的に浸出させることができ、また、浸出により得られる溶液から、高収率で貴金属を回収することができる。
図1は、実施形態に係る貴金属の回収方法を示す概念図である。 図2は、従来法と本発明法との工程を比較したフロー図である。 図3は、本発明に係る回収工程の一例を示すフロー図である。 図4は、実施例に係る反応装置の部分断面構成図である。
符号の説明
1…基材、2…貴金属粒子、3…回収媒体金属蒸気、3a…貴金属化合物、100…反応装置、110…反応容器、120…ステンレスコンテナ、121…ステンレスシート、122…ニオブシート、124…試料ホルダ、125…坩堝、130…基材、140…金属蒸気源、141…回収媒体金属蒸気

Claims (9)

  1. 貴金属、及び/又はその化合物を含む基材から前記貴金属を回収する方法であって、
    前記貴金属と、回収媒体金属とを接触させて貴金属化合物を形成する工程と、前記貴金属化合物を溶解して浸出溶液を作製する工程とにより、前記基材に含まれる酸化物と前記貴金属化合物とを分離することを特徴とする貴金属の回収方法。
  2. 貴金属、及び/又はその化合物を含む基材から前記貴金属を回収する方法であって、
    前記貴金属と、回収媒体金属とを接触させて貴金属化合物を形成する工程と、前記貴金属化合物を溶解して浸出溶液を作製する工程とを含み、
    前記貴金属化合物を形成する際に、前記回収媒体金属として、処理温度で前記貴金属のみと選択的に反応する金属を用いることを特徴とする貴金属の回収方法。
  3. 前記貴金属化合物を形成する工程は、前記回収媒体金属の蒸気と、前記貴金属とを接触させる気相反応工程であることを特徴とする請求項1又は2に記載の貴金属の回収方法。
  4. 前記回収媒体金属として、処理温度で10−4atm以上の蒸気圧を有する金属を用いることを特徴とする請求項3に記載の貴金属の回収方法。
  5. 前記貴金属化合物を形成する際に、前記回収媒体金属として鉄又は亜鉛を用いることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の貴金属の回収方法。
  6. 前記貴金属化合物を形成する際に、前記回収媒体金属としてナトリウム又はカリウムを用いることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の貴金属の回収方法。
  7. 前記回収媒体金属の蒸気と前記基材とを接触させるに際して、金属蒸気源を加熱して発生させた金属蒸気を用い、
    前記金属蒸気源は、前記回収媒体金属、又はその酸化物又は炭化物、あるいはこれらと炭素との混合物であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の貴金属の回収方法。
  8. 前記基材は、アルミニウム酸化物及び/又はシリコン酸化物を含むものであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の貴金属の回収方法。
  9. 前記基材として複数種の貴金属を含むものを用い、前記回収媒体金属との接触により複数種の貴金属化合物を形成し、該複数種の金属化合物を溶解して浸出溶液を作製することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の貴金属の回収方法。
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