JP5354305B2 - 貴金属の回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、貴金属であるAu、Pt及びRhの回収方法に関するものである。
従来から、廃電子基板、廃電子部品および廃触媒などの貴金属含有廃棄物からAuやPtなどの貴金属を回収する方法として、これらの廃棄物を焼却した後、その焼却灰などから貴金属を回収する方法が実施されている。焼却灰からの貴金属の回収法としては、銅製錬などの既存のプロセスを利用する方法や、貴金属をシアンや王水などの強力な酸により溶出する方法が知られている(例えば、非特許文献1)。
また、貴金属をカルシウムやマグネシウムなどの卑金属の蒸気と接触させて合金化させた後、得られた合金を王水等に溶解して塩を生成した後、この塩を加熱分解して粉末状の貴金属を回収する方法が知られている(例えば、非特許文献2及び3)
J.Cui,L.Zhang,"Metallurgical recovery of metals from electronic waste:A review",Journal of Hazardous materials,in press. H.Okabe,et al.,"Platinum Recovery Using Calcium Vapor Treatment",Material Transactions,Vol.44,No.7(2003),pp.1386−1392 H.Okabe,et al.,"Recovery Platinum Using Magnesium Vapor",J.Matar.Res.,Vol.18,No.8,Aug,2003,pp.1960−1967
しかしながら、銅製錬などの既存のプロセスを利用する方法では、既存プロセスを阻害しないようにするために処理可能な量に制限がある。また、廃棄物を焼却する際には、ダイオキシン等の有害物質の発生も考慮しなければならない。一方、非特許文献1に記載のように強力な酸を用いる方法では、重金属やシアンを含む強力な酸の廃液やスラッジ等の処理が問題となる。さらに、非特許文献2及び3に記載の方法では、合金化の工程、塩生成の工程、加熱による回収工程等の多くの工程が必要となって回収プロセスが複雑となり、回収コストが増大してしまうという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであって、既存プロセスに依存せず、処理が問題となる廃棄物を発生させない、貴金属としての金、白金及びロジウムの回収方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成すべく、本発明は、基材上に直接又は下地層を介して金、白金及びロジウムの少なくとも一つを含む貴金属層が形成された複合材から金、白金及びロジウムの少なくとも一つの貴金属を回収する方法であって、前記貴金属層に亜鉛、カルシウム及びマグネシウムのうち少なくとも一つの卑金属を作用させ、前記貴金属層を、前記卑金属を含む貴金属合金層に変換する第1工程と、前記貴金属合金層に含まれる前記卑金属を溶解液により溶出させ、前記貴金属合金層を前記貴金属の富化層に変換する第2工程とを具えることを特徴とする、貴金属の回収方法に関する。
この回収方法によれば、第1工程において貴金属層に亜鉛、カルシウム及びマグネシウムの少なくとも一つの卑金属を作用させて合金化し、その後の第2工程で卑金属を溶出させて多数のクラックが導入された貴金属の富化層を得ることができる。したがって、富化層は外力を加えずとも一部分あるいは総てが自然に剥離し、又は必要に応じて基材又は下地層から例えば衝撃や振動などの外力を加えて強制的に一部分あるいは総てを剥離し、このようにして分離された貴金属富化体を公知の貴金属の分離回収工程に供することで、高効率に貴金属を回収することができる。
この場合、分離した貴金属富化体は、銅製錬等の既存プロセスに投入する必要が無いので、溶媒抽出法等に直接供することができる。そのため、既存プロセスを利用することによる制限を受けることがない。また、上述のような卑金属は強力な酸を用いなくても容易に溶出させることができるので、処理が問題となる廃棄物を発生させることもない。
なお、本発明の一態様においては、前記第1工程において、前記貴金属層に対して卑金属の蒸気を接触させることができる。この場合、回収対象である複合材が複雑な形状である場合にも、その表面に形成されている前記貴金属層を均一にムラ無く合金化することができる。これにより、複合材から高い回収率で貴金属を回収することができる。
また、本発明の一態様においては、卑金属の蒸気圧を10−6atm以上とすることが好ましい。このような範囲とすることで、貴金属層を現実的な処理時間内に合金化することができる。
また、本発明の一態様においては、前記第1工程において、前記貴金属合金層の少なくとも一部を、前記下地層を構成する金属と前記卑金属とを含む金属合金層に変換する。この場合、前記貴金属合金層の全体を確実に貴金属富化層に変換することができ、上述した本発明の工程を経ることにより、貴金属のほぼ総てを回収することができる。
例えば、前記金属下地層が銅又はニッケルを含んでおり、前記第1工程において形成される前記貴金属合金層がAu−Zn―Cu合金層又はAu−Zn−Ni合金層であり、前記貴金属合金層が、その厚さ方向の前記基材側において銅富化又はニッケル富化であり、前記基材と反対側において金富化であるような場合である。
すなわち本発明では、貴金属層の表面から亜鉛を作用させて合金化するため、基材の表面側に高濃度の金を含む貴金属合金層を形成することができる。この貴金属合金層を第2工程で剥離しやすい状態とするので、高効率に金を回収することができる。
一方、前記貴金属層が金である場合、前記第1工程において形成される前記貴金属合金層は、Au−Zn合金層、Au―Ca合金層、Au−Mg合金層から選ばれる少なくとも一つとすることができる。これは、金属下地層が用いられない場合に、上述のようにして合金化を行って前記貴金属合金層を形成した際においても、基材の構成元素が含まれる余地がない場合があるためである。
一方、前記貴金属層が白金及びロジウムの少なくとも一方である場合、前記第1工程において形成される前記貴金属合金層は、Pt−Zn合金層、Pt―Ca合金層、Pt−Mg合金層、Pt−Zn合金層、Rh−Ca合金層及びRh−Mg合金層から選ばれる少なくとも一つとすることができる。これは、前記貴金属として白金及びロジウムが対象となる場合は、前記複合材の構成として、一般的には金属下地層は用いられず、基材もセラミック等から構成される場合が多い。したがって、上述のようにして合金化を行って前記貴金属合金層を形成した際においても、金属下地層及び基材の構成元素が含まれる余地がない場合があるためである。
さらに、本発明の一態様においては、前記第2工程において、卑金属を優先的に溶解する溶解液を用いる。例えば塩酸、硫酸、硝酸または中性塩の溶解液を用いることができる。また卑金属が亜鉛の場合にはアルカリの溶解液を用いることができる。この場合、特に金属下地層の構成成分が一緒に剥離されるのを防止でき、剥離した前記貴金属富化層における前記貴金属の濃度を相対的に高めることができる。特に上記貴金属が金であり下地層が銅である場合に極めて有効であり、上記貴金属が金であり下地層がニッケルである場合にも有効である。
さらに、本発明の一態様においては、前記第2工程において、前記金属下地層と反応しない溶解液を用いる。例えば、金属下地層が銅の場合に塩酸、硫酸などを用いることができる。また、例えば金属下地層が銅又はニッケルであって卑金属が亜鉛の場合にはアルカリの溶解液を用いることができる。この場合、上記貴金属富化層を剥離する際に金属下地層の構成成分が一緒に剥離されるのを防止でき、剥離した前記貴金属富化層における前記貴金属の濃度を相対的に高めることができる。また、金属下地層が溶出することによる溶解液の浪費を防ぐことができる。
さらに、本発明の一態様においては、前記第2工程において、前記金属下地層に含まれる金属元素と卑金属とを溶解する溶解液を用いる。例えば、硝酸、熱硫酸などを用いることができる。この場合、上記貴金属富化層を剥離する際に金属下地層の一部または全部も溶解させることにより前記貴金属富化層が残存することになり、結果として容易に分離ができる。
また、本発明の一態様においては、前記第2工程において、前記貴金属合金層と前記溶解液との接触時間及び溶解液の濃度の少なくとも一方を調整することで、前記貴金属富化層の分離厚さを制御する。この場合、前記貴金属富化層の表面から任意の厚さの部位のみを剥離して分離することができ、かかる部分のみに含まれる貴金属を回収することができる。また、金属下地層を含む場合に、この金属下地層と貴金属合金層の溶出度合いを制御することができる。
また、本発明の一態様においては、前記金富化層の少なくとも一部を、前記基材から分離する第3工程を有することが好ましい。本発明において、貴金属富化層を分離する工程を設けてもよい。なお、第2工程においてAu富化層に多くのクラックが導入されるため、Au富化層は極めて分離しやすい。したがって、この第3工程は、例えば衝撃や振動などの軽微な物理的処理で構わない。
さらに、本発明の一態様においては、前記第1工程において、前記貴金属層に前記卑金属を作用させる際の温度を、300℃以上400℃以下とすることができる。このような温度範囲とすることで、前記貴金属層を確実に合金化することができ、しかも基材等にダメージを与えることなく第1工程を実施することができる。また、基板の構成元素の拡散をも抑制することができる。
さらに、本発明の一態様においては、前記第1工程において、前記貴金属層に前記卑金属を作用させる際の温度(300℃以上400℃以下に限定されない)や蒸気圧を制御することなどにより、生成する合金層中の卑金属濃度を制御することができる。その結果、卑金属が高濃度の合金層にすることで、第2工程において卑金属の溶出量が増加し、自然に剥離する貴金属富化体を得ることが容易になる。
本発明によれば、高濃度の金、白金、ロジウムなどの貴金属を含む貴金属富化体を基材から回収できるので、銅製錬等の既存プロセスに投入する必要が無く、溶媒抽出法等に直接供することができる。そのため、既存プロセスを利用することによる制限を受けることがない。また、本発明では、上記貴金属に対して卑金属を作用させて貴金属合金層を形成し、その後、前記卑金属を溶出させるようにしているが、前記卑金属は強力な酸を用いなくても容易に溶出させることができるので、処理に問題がある廃棄物を発生させることもない。
第1の実施形態に係る金の回収方法の工程図である。 Au−Zn二元系状態図である。 第2の実施形態に係る白金(ロジウム)の回収方法の工程図である。 第1の実施形態における第1工程に係る変形例を示す工程図である。 第1実施例で用いた複合材の断面SEM写真である。 第1実施例で用いた電着装置の概略構成図である。 亜鉛層が形成された複合材の断面SEM写真である。 第1実施例で用いた加熱装置の概略構成図である。 加熱処理後の複合材の断面SEM写真である。 第1実施例で用いた電解装置の概略構成図である。 亜鉛溶出処理後の複合材及び剥片のSEM写真である。 浸漬電位の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
第1の実施形
図1は、本発明の一実施の形態である金(貴金属)の回収方法の工程図である。
図1に示すように、本実施形態の金(貴金属)の回収方法は、銅板11(基材又は下地層)上に形成された金層12(貴金属層)を有する複合材10を亜鉛(卑金属)蒸気20に曝すことで、金層12をAu−Zn−Cu合金層12a(貴金属合金層)に変換する第1工程(図1(a)、(b))と、Au−Zn−Cu合金層12aが形成された銅板11(基材又は下地層)を溶解液31に浸漬することでAu−Zn−Cu合金層12aから亜鉛(卑金属)を溶出させ、金富化層12b(貴金属富化層)に変換する第2工程(図1(c))と、を有する。
本発明において金の回収対象となる複合材10としては、図1に示す銅基板11上に金層12が形成されたものに限られない。すなわち、一部に貴金属層が形成されているものであれば回収対象とすることができる。例えば、種々の廃電子基板、廃電子部品などや触媒等に用いられるセラミックス構造物、タービン等に用いられる合金構造物、真空装置に用いられるシールド材、チャンバー壁材等が含まれる。
基材(基板)11の材種は特に限定されず、例えば、金属、プラスチック(樹脂)、ガラス、シリコン、ガラスエポキシ樹脂などが含まれる。さらには、基材の形状は板状に限らず、貴金属層に亜鉛が作用しうる形状であればよい。
基材(基板)11上に形成されている貴金属層12は、純金膜であっても、例えばAuSn、AuNi、AuCu等の金合金膜であってもよい。また、貴金属層12が、基材上に形成された金属下地層上に形成されている形態であってもよい。金属下地層としては、銅、ニッケル、クロムや、例えばNiP、NiB等のニッケル合金、あるいはこれらの積層膜などを例示することができる。
電子基板の配線等においては、典型的には、金属下地層として銅膜あるいは銅/ニッケル積層膜が設けられ、かかる金属下地層の表面に金層が形成されている。また、タービン等であれば、溶接に用いられている金ロウなどが本発明に係る貴金属層に該当する。さらに、真空装置のシールド材、チャンバー壁材では、貴金属のスパッタ成膜等の用途に用いられる場合にそれらの表面に貴金属層が形成される。
図1(a)、(b)に示す第1工程では、複合材10を図示略の密閉容器に収容し、密閉容器の内部空間に亜鉛蒸気を供給することで、複合材10の金層12と亜鉛蒸気とを反応させ、図1(b)に示すように、金層12をAu−Zn−Cu合金層12aに変換する。
密閉容器としては、十分な亜鉛蒸気圧が得られる程度に外気と遮断可能な容器であれば問題なく適用できるが、排気手段(真空ポンプ)を具備した真空チャンバーを用いることが好ましい。真空チャンバー内で亜鉛蒸気に曝すことで、金層12への不純物の混入を防ぐことができ、また亜鉛蒸気圧の制御が容易になる。
さらに、密閉容器は、金層12を加熱する加熱手段(ヒータ)を備えている。金層12の温度を制御することで、Au−Zn−Cu合金層12aを効率良く生成させることができ、また生成するAu−Zn−Cu合金層12aの組成を制御することも可能である。
第1工程におけるZn蒸気圧は、10−6atm以上とすることが好ましい。10―6atm未満の蒸気圧では、金層12と亜鉛との反応に長時間を要し、実用的な処理速度が得られない。また、金層12中への亜鉛の拡散が不十分になったり、Au−Zn−Cu合金層12aの亜鉛含有量が低下したりするために、第2工程において生成する金富化層12bへのクラック導入が不十分になり、金の回収率が低下する可能性もある。より好ましくは、Zn蒸気圧は10−4atm以上であり、さらに好ましくは10−3atm以上である。
亜鉛蒸気は、複合材10を配置した密閉容器中に亜鉛源(純亜鉛や亜鉛合金)を配置し、これを加熱することで発生させることができる。Au−Zn−Cu合金層12aへの不純物の混入を防ぐ観点から、亜鉛源には純亜鉛を用いることが好ましい。また、10−6atm以上の亜鉛蒸気圧を得るためには、亜鉛源の温度を300℃以上とすることが好ましい。
また第1工程において、複合材10(金層12)の温度は、400℃以下とすることが好ましい。400℃を超える温度では、金層12に銅基板11から拡散する銅の量が増える。これにより、生成するAu−Zn−Cu合金層12a中の銅濃度が上昇し、金濃度が相対的に低下するため、複合材10から回収される金富化層12bの金濃度が低下してしまう。また、金層12がガラスエポキシ基板やプラスチック基板等に形成されている場合には、400℃以上に加熱すると基板が灰化するおそれがある。
以上から、第1工程における温度条件は、複合材10及び亜鉛源の温度を、300℃以上400℃以下の温度範囲とすることが好ましい。
さらに、前記第1工程において、前記貴金属層に前記卑金属を作用させる際の温度(300℃以上400℃以下に限定されない)や蒸気圧を制御することなどにより、生成する合金層中の卑金属濃度を制御することができる。その結果、卑金属が高濃度の合金層にすることで、第2工程において卑金属の溶出量が増加し、自然に剥離する貴金属富化体を得ることが容易になる。
上記の第1工程では、亜鉛蒸気圧と温度の条件設定により、生成するAu−Zn−Cu合金層12aの組成を制御することができる。図2は、Au−Zn二元系状態図である。
本実施形態の場合、金層12と亜鉛蒸気との反応により、種々の組成のAuZn合金を含むAu−Zn−Cu合金層12aを生成することができる。すなわち、金層12中に拡散される亜鉛量により、AuZn(β相)、AuZn(γ相)、AuZn(γ2相)のいずれか又は複数を含むAu−Zn−Cu合金層12aを生成させることができる。具体的には、複合材10に供給する亜鉛蒸気圧を高くすることで、亜鉛含有量の多いAu−Zn−Cu合金層12a、すなわちAuZn(γ相)、AuZn(γ2相)を含む合金層を生成することができる。
このような亜鉛富化の合金層においては、後に説明する亜鉛の溶出過程において、Znの溶出量が多くなるので比較的多量のクラックが入るようになる。したがって、銅板11からの剥離をより簡易に行うことができる。
また、第1工程の処理時間は、金層12をAu−Zn−Cu合金層12aに変換する割合に応じて適宜に設定することができる。Au−Zn−Cu合金層12aに変換する割合は、具体的には、Au層12の厚さ、亜鉛蒸気圧及び処理時間等によって決定することができる。また、Au−Zn−Cu合金層12aの得ようとする合金相の種類に応じて決定することができる。なお、本実施形態では、金層12の全体をAu−Zn−Cu合金層12aに変換している。したがって、複合材10からの金の回収率を高めることができる。
金層12の全体をAu−Zn−Cu合金層12aに変換する場合、銅板11に達するまで亜鉛を拡散させる。この場合、銅板11とAu−Zn−Cu合金層12aとの間にCuZn合金の層が形成される。そして、第2工程において亜鉛を溶出させると、CuZn合金層の部分にもクラックが導入され、Cu基板11から剥離しやすい状態となる。この場合には、金富化層12bとCuZn合金層との界面、CuZn合金層と銅板11との界面の双方で剥離が生じ、部分的にCuZn合金層を含む金富化層12bが銅板11から分離される。これにより、より確実に金富化層12bを銅板11から分離することができ、分離後の銅板11に残る金量を少なくすることができる。
亜鉛蒸気処理によって生成されるAuZn合金の厚さWは、亜鉛蒸気と金層12との接触時間tに対して、以下の式で示される。
(式) W=k√t
上記の式において、kは相成長速度定数と呼ばれる定数であり、化合物の種類と温度に依存する。
本発明者が行った実験の結果によれば、生成されるAuZn合金がγ相(AuZn)である場合の相成長速度定数は、300℃において6×10−6m/s1/2、400℃において9×10−6m/s1/2であった。したがって、金層12の厚さが20μmである場合には、亜鉛蒸気との接触により厚さ約52μmのAuZn合金の層が生成するので、A金層12の合金化にかかる時間は、300℃で約70秒、400℃で約30秒となる。
ただし、この処理時間は、複合材10や亜鉛源の昇温時間を考慮していないため、第1工程全体としての処理時間はこれらの昇温時間に律速されるものと考えられる。
なお、本実施形態のように銅板11上に金層12が形成されている場合や、銅を含む金属下地層上に金層12が形成されている場合には、金層12と銅板11(あるいは金属下地層)の相互に金、銅が拡散するため、金層12の表面から拡散した亜鉛との反応により生成するAu−Zn−Cu合金層12aは、その表層側が金富化であり、銅板11側が銅富化である組成分布を有した合金層となる。また、金属下地層がニッケルを含むものである場合にも、銅と同様に、ニッケル濃度が金属下地層側で高いAu−Zn−Ni合金層が形成される。
次に、図1(c)に示す第2工程では、Au−Zn−Cu合金層12aが形成された銅基板11を溶解液に浸漬し、Au−Zn−Cu合金層12a中の亜鉛を溶解液に溶出させる。これにより、図1(c)に示すように、Au−Zn−Cu合金層12aから亜鉛が除去され、相対的に金濃度の高い金富化層12bが銅板11上に形成される。金富化層12bは、亜鉛が除去された部分が空隙となり、この空隙を起点として多くのクラック15が発生したポーラスな(多孔の)膜となっており、容易に剥離可能な状態となっている。そのため、図1(d)に示すように、Au−Zn−Cu合金層12aの性状によっては、亜鉛溶出処理中に金富化層12bの一部又は全部が剥落することもある。
なお、Au−Zn−Cu合金層12a中の亜鉛含有量が多いほど、金層12に対する体積増加率が大きくなるため、亜鉛溶出後にクラックが多く導入された金富化層12bを生成することができ、より剥離しやすい金富化層12bを得ることができる。したがって、第1工程における亜鉛蒸気圧の制御によりAu−Zn−Cu合金層12aにおける亜鉛含有量を制御することで、金富化層12bの剥離の容易さを制御可能である。
第2工程で用いる溶解液は、少なくとも亜鉛を溶出させられるものであれば、酸、アルカリ、中性塩のいずれを用いてもよい。亜鉛は、酸、アルカリ、中性塩のいずれを用いても溶出させることができるため、基材や金属下地層の材質に応じて溶解液を選定するとよい。
溶解液の具体例としては、塩酸、硝酸、硫酸、熱硫酸等の酸、アルカリ又はアルカリ土類金属の水酸化物の水溶液(水酸化ナトリウム水溶液など)、塩化第二鉄等の中性塩の水溶液などを挙げることができる。Au−Zn−Cu合金層12aは銅板11上に形成されている本実施形態の場合や、銅、ニッケルの金属下地層上に金層が形成されている場合に、銅基板11や金属下地層を溶解させないようにするには、塩酸や硫酸、アルカリを選択すればよい。
一方、亜鉛とともに銅板11や金属下地層の一部を溶出させる場合には、硝酸や塩化第二鉄水溶液を選択すればよい。亜鉛とともに銅板11や金属下地層の一部を溶出させることで、金富化層12bがさらに剥離しやすくなり、場合によっては金富化層12bを剥離する工程が不要になる。
上記のように、本発明では種々の溶解液を用いることができるが、廃液処理等の観点からは、塩酸や硫酸を用いることが好ましい。
溶解液の濃度や温度は、溶解液の種類に応じて適宜設定すればよい。例えば塩酸、硫酸、硝酸のいずれかを用いる場合には、0.1mol/l以上の濃度(pH1以下)であれば亜鉛の溶出処理には十分である。
また、溶解液の温度は、室温から70℃の範囲で適宜設定することができる。溶解液を高温にすれば第2工程の処理時間を短縮することができるが、70℃を超えると塩酸、硝酸からHCl、NOが蒸発しやすくなり、硫酸が熱濃硫酸となって性質が変化しやすくなる。したがって、処理効率と酸の安定性を勘案すると、溶解液の温度は、室温以上50℃以下の範囲とすることが好ましい。
また、第2工程の処理時間は、Au−Zn−Cu合金層12aの厚さに依存する。金層12が20μm程度であり、形成されるAu−Zn−Cu合金層12aがγ相(AuZn)である場合には、Au−Zn−Cu合金層12aの厚さは52μm程度となる。このAu−Zn−Cu合金層12aの場合には、1〜2時間程度の浸漬処理(硝酸)でほとんどの亜鉛を溶出させることができる。
Au−Zn−Cu合金層12aの厚さが2倍になると、処理時間は理論上4倍となり、厚さが3倍になると処理時間は9倍になる。しかし本発明の場合、亜鉛の溶出に伴ってAu−Zn−Cu合金層12aの表面からクラックが形成され、Au−Zn−Cu合金と溶解液との接触面積が増加するので、実際の処理時間は上記の理論値よりも大幅に短縮される。
第2工程を終了したならば、次に、銅板11上の金富化層12bを分離する(第3工程)。先の第2工程により生成される金富化層12bは、多数のクラックが導入されているため、非常に剥離しやすい状態となっている。したがって、この第3工程では、金富化層12bを分離できるのであれば、任意の手段を用いることができる。例えば、超音波処理やスクラッチ処理等の物理的に金富化層12bを分離する手段を好適に用いることができる。
なお、第2工程中に金富化層12bがクラックの生成によって自然剥落する場合、第3工程は、実質上第2工程に含まれることになる。
第3工程において金富化層12bが銅板11から分離される位置は、本実施形態のように、もとの複合材10の金層12全体がAu−Zn−Cu合金層12aに変換されている場合には、もとの金層12と銅板11との界面の位置となる。一方、金層12の一部のみがAu−Zn−Cu合金層12aに変換されている場合には、Au−Zn−Cu合金層12aと残留した金層12との界面になると考えられる。すなわち、表面の金層12側からの亜鉛の拡散深さに応じて、分離される金富化層12bの厚さが異なる。
本実施形態の回収方法では、先の第1工程の処理時間を調整することで、亜鉛の拡散深さを調整することができる。したがって、銅板11から分離される金富化層12bの厚さを制御することも可能である。つまり、金濃度の高い金富化層12bを得る場合には、金層12の表層側の比較的浅い位置で亜鉛の拡散を停止すれば、第2工程において銅濃度が低く、金濃度の高い金富化層12bが形成される。そして、クラックは金富化層12bにのみ導入されるので、金濃度の高い金富化層12bのみを銅板11(場合によっては金層12の合金化されなかった部位も含む)から分離することができる。
銅板11から分離した金富化層12b(剥片)は、従来公知の金分離法を用いて金と、銅及び残留した亜鉛を分離することができる。例えば、湿式法では、金富化層12bの剥片を酸に溶解させ、溶媒抽出法を用いて元素ごとに分離することができる。あるいは、金富化層12bの剥片を酸に溶解させた後、電析により金のみを回収してもよい。
一方、乾式法では、スラグ−メタル法を例示することができる。この場合、金富化層12bの剥片を酸化物とともに溶融し、金富化層12bに含まれる銅及び亜鉛をスラグに移行させることで金と分離することができる。
以上詳細に説明したように、本実施形態の金の回収方法では、第1工程において金層12を亜鉛蒸気を用いて合金化し、その後の第2工程で亜鉛を溶出させて多数のクラックが導入された金富化層12bを銅基板11上に形成するので、高濃度の金を含む金富化層12bを容易に銅基板11から分離することが可能である。分離した金富化層12bを金の分離回収工程に供することで、高効率に金を回収することができる。
そして、本実施形態で得られる金富化層12bの剥片は、銅製錬等の既存プロセスに投入する必要が無く、溶媒抽出法等に直接供することができる。したがって本実施形態の回収方法によれば、既存プロセスを利用することによる制限を受けることがなく、大量に効率良く処理することができる。
また、第1工程において亜鉛蒸気を用いて金を合金化するので、回収対象である複合材10が複雑な形状である場合にも、その表面に形成されている金層を均一にムラ無く合金化することができる。これにより、複合材10から高い回収率で金を回収することができる。また、合金化に際して、複合材10上の金層12のみを選択的に合金化することができるため、高濃度の金を含む金富化層12bの剥片を得ることができ、金の分離回収が容易になる。
また、第2工程において亜鉛の溶出に塩酸や硫酸、硝酸等を用いることができるため、例えば王水、塩素ガス及び過酸化水素などの、例えば取扱いに注意を有する酸化剤を用いる必要がない。したがって、処理困難な廃棄物を発生させることなく金の回収を実施することができる。
さらに、第1工程における合金化処理を400℃以下で行うことができ、その場合には電子基板等のプラスチックの灰化を避けることができるので、ダイオキシン等の発生も避けることができる。
なお、本実施例では、卑金属として亜鉛を用いる場合について説明したが、亜鉛に代えてカルシウムやマグネシウムを用いることもできる。この場合は、Au−Zn−Cu合金層12aの代わりにAu−Ca−Cu合金層、Au−Mg−Cu合金層が形成されることになる。
カルシウムやマグネシウムを用いる場合も、亜鉛の場合と同様に蒸気化して用いることが好ましい。この場合、カルシウム源としては、純CaやCa合金などを用いる。マグネシウム源としては、純MgやMg合金を用いる。
このように、亜鉛に代えてカルシウムやマグネシウムを用いた場合でも、金を回収する基本的な操作は上述した通りである。但し、亜鉛に比較してカルシウムやマグネシウムの蒸気圧は低いので、高い蒸気圧を得るための手段に温度を選択した場合には、プラスチック基板が灰化しない温度を選択することが好ましい。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の一実施の形態である白金及びロジウムの回収方法の工程図である。
図3に示すように、本実施形態の白金(ロジウム)の回収方法は、廃材である複合材40の種類(例えば触媒等)に応じて、例えばプラスチック(樹脂)あるいはセラミックからなる基板41に形成された白金(ロジウム)層42を有する複合材40を亜鉛蒸気20に曝すことで、白金(ロジウム)層42をPt(Rh)−Zn合金層42a(貴金属合金層)に変換する第1工程(図1(a)、(b))と、Pt(Rh)−Zn合金層42aが形成された基板41を溶解液31に浸漬することでPt(Rh)−Zn合金層42aからZnを溶出させ、白金(ロジウム)富化層42bに変換する第2工程(図1(c))と、を有する。
なお、図3(a)に示すように、一般に白金(ロジウム)層42は、例えば複合材40を触媒等に用いた場合、当初連続した層を構成せずに、複数の不連続な島の集合体としての形状を成す。但し、図3に示す実施形態はあくまで一例であるので、用途によっては当初から連続した層を成す場合もある。
なお、基板41上に形成されている白金(ロジウム)層42は、必ずしも純白金(ロジウム)層でなくてもよく、貴金属含有合金、例えばPtPdやFePt等の合金層であってもよい。
図3(a)、(b)に示す第1工程では、複合材40を図示略の密閉容器に収容し、密閉容器の内部空間に亜鉛蒸気を供給することで、複合材40の白金(ロジウム)層42と亜鉛蒸気20とを反応させ、図1(b)に示すように、白金(ロジウム)層42をPt(Rh)−Zn合金層42aに変換する。密閉容器としては、上記第1の実施形態と同様のものを用いることができる。
また、上記第1の実施形態と同様に、第1工程における亜鉛蒸気圧は、10−6atm以上とすることが好ましく、10−4atm以上がより好ましく、10−3atm以上が特に好ましい。これは、上述したように、白金(ロジウム)層42と亜鉛との反応を促進し、実用的な処理速度を達成するため、及び白金(ロジウム)層42への亜鉛の拡散を十分に行い、白金(ロジウム)合金層42aの亜鉛含有量の低下を抑制して、第2工程において生成する白金(ロジウム)富化層42bへのクラック導入を十分に確保するためである。
なお、亜鉛蒸気の供給は、上記第1の実施形態と同様の上限で行うことができる。
上記の第1工程では、亜鉛蒸気圧と温度の条件設定により、生成するPt(Rh)−Zn合金層42aの組成を制御することができる。この場合においても、複合材40に供給する亜鉛蒸気圧を高くすることで、亜鉛含有量の多いPt(Rh)−Zn合金層42a、例えばPtZn21を生成することができる。したがって、後に説明する亜鉛の溶出過程において、亜鉛の溶出量が多くなるので比較的多量のクラックが入るようになり、基板41からの剥離をより簡易に行うことができる。
また、第1工程の処理時間は、白金(ロジウム)層42をPt(Rh)−Zn合金層42a合金層42aに変換する割合に応じて適宜に設定することができ、白金(ロジウム)層42の厚さ、Zn蒸気圧及び処理時間等によって決定することができる。また、Pt(Rh)−Zn合金層42aの得ようとする合金相の種類に応じて決定することができる。なお、本実施形態でも、白金(ロジウム)層42の全体をPt(Rh)−Zn合金層42aに変換している。したがって、複合材40からの白金(ロジウム)回収率を高めることができる。
次に、図3(c)に示す第2工程では、Pt(Rh)−Zn合金層42aが形成された基板41を溶解液に浸漬し、Pt(Rh)−Zn合金層42a中のZnを溶解液に溶出させる。これにより、図1(c)に示すように、Pt(Rh)−Zn合金層42aからZnが除去され、相対的に白金(ロジウム)濃度の高い白金(ロジウム)富化層42bが基板41上に形成される。なお、第2工程で用いる溶解液の種類及び使用条件等は、上記第1の実施形態の場合と同様である
第2工程を終了後、先の第2工程により生成される白金(ロジウム)富化層42bは、多数のクラックが導入されているため、非常に剥離しやすい状態となっているので、上記同様に、任意の手段、例えば、自然剥離、超音波処理やスクラッチ処理等の物理的に白金(ロジウム)富化層42bを分離する手段などを適宜に用いることができる。
なお、第3工程において白金(ロジウム)富化層42bが基板41から分離される位置は、第1の実施形態同様に、複合材40の白金(ロジウム)層42全体がPt(Rh)−Zn合金層42aに変換されている場合には、白金(ロジウム)層42と基板41との界面の位置となる。一方、白金(ロジウム)層42の一部のみがPt(Rh)−Zn合金層42aに変換されている場合には、Pt(Rh)−Zn合金層42aと残留した白金(ロジウム)42との界面になる。
基板41から分離した白金(ロジウム)富化層42b(剥片)は、溶媒抽出法やスラグーメタル法によって、白金(ロジウム)層42bに含まれるZnをスラグに移行させることで白金(ロジウム)と分離することができる。
このように、第2の実施形態も、基本的には第1の実施形態と同様の操作によって実施するため、上記第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、本実施形態でも、卑金属として亜鉛を用いる場合について説明したが、亜鉛に代えてカルシウムやマグネシウムを用いることもできる。この場合は、Pt(Rh)−Zn合金層42aの代わりにPt(Rh)−Ca合金層、Pt(Rh)−Mg合金層が形成されることになる。
また、カルシウム及びマグネシウムも亜鉛の場合と同様に蒸気化して用いることが好ましく、カルシウム源としては、純CaやCa合金を用いることができ、マグネシウム源としては、純MgやMg合金を用いることができる。
但し、基板41をプラスチック(樹脂)から構成する場合においては、基板41が灰化しない温度を選択する必要がある。
(変形例)
上記第1の実施形態では、第1工程において、金層12と亜鉛蒸気とを接触させることで金層12をAu−Zn−Cu合金層12aに変換する場合について説明したが、金層12を合金化する手段は、これに限られるものではなく、例えば図4に工程を示す方法を採用してもよい。図4は、第1工程に係る変形例を示す工程図である。
図4に示す変形例に係る第1工程では、まず、図4(a)、(b)に示すように、複合材10の金層12上に、亜鉛層13を成膜する。亜鉛層13は、例えば公知の電着法により形成することができる。あるいは、蒸着法やスパッタ法を用いて亜鉛層13を形成してもよい。亜鉛層13の厚さは、金層12の厚さによって適宜変更すればよい。例えば、金層12が20μmである場合には、亜鉛層13の厚さは70μm程度である。
その後、亜鉛層13が形成された複合材10を、例えば、400℃、60分の条件で加熱処理する。すると、亜鉛層13から亜鉛、銅板11からは銅が金層12中に拡散し、Au−Zn−Cu合金を形成する。これにより、図4(c)に示すように、金層12及び亜鉛層13がAu−Zn−Cu合金層12aに変換される。
Au−Zn−Cu合金層12aが形成された後の第2工程は、先の実施形態と同様である。変形例に係る第1工程によってAu−Zn−Cu合金層12aを形成した場合にも、第2工程において亜鉛を溶出させることで、多数のクラックが導入されたAu富化層12bを得ることができる。そして、高濃度に金を含む金富化層12bを分離し、この剥片を分離回収工程に供することで効率良く金を回収することができる。
また、上記実施形態では、第2工程において、溶解液を用いてAu−Zn−Cu合金層12aから亜鉛を溶出させる場合について説明したが、第2工程では、金を残しつつAu−Zn−Cu合金層12aから少なくとも亜鉛を除去することができる方法であれば、他の方法を採用してもよい。例えば、Au−Zn−Cu合金層12aが形成された銅板11を真空中に保持し、Au−Zn−Cu合金層12aから亜鉛を蒸発させて除去することもできる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
図5は、本実施例で用いた複合材10の断面SEM写真である。図5に示す複合材は、厚さ0.8mmの銅板11に、厚さ20μmの金箔(Au層12)を熱融着させたものである。
図6は、本実施例の第1工程で用いた電着装置の概略構成図である。図6中、REは参照極、WEは作用極、CEは対極である。作用極WEの先端に複合材10が接続されており、対極CEの先端には白金電極41が接続されている。複合材10と白金電極41は、電着浴40中に配置され、作用極WEと対極CEは定電流発生装置44(ポテンショスタット)に接続されている。参照極REの電極は、飽和KCl槽42中に配置されている。電着浴40と飽和KCl槽42は、塩橋43を介して接続されている。
本実施例における電着装置の条件は以下の通りである。
電着浴40:ZnSO・7HO 356g/l、(NHSO 30g/l
作用極WE:複合材10(25mm
対極CE :白金
参照極RE:Ag/AgCl 飽和KCl槽浸漬
塩橋43 :KCl+Agar(寒天)
本実施例では、図6に示す電着装置を用いて、図5に示した複合材10の金層12上に、厚さ70μmの亜鉛層13を形成した。電着の条件は、浴温度:45℃、電流密度:36mA/cm、処理時間:60分、とした。図7は、亜鉛層13が形成された複合材10の断面SEM写真である。
次に、図8は、本実施例の第1工程で用いた加熱装置の概略構成図である。図8に示す加熱装置は、複数のヒータHTと、ヒータHTの両端に設けられた蓋部材CPとを備えた加熱炉である。複合材10は、長さ5cmのシリカ製真空アンプルに真空封入(真空度10−6atm以下;常温)した状態で炉内に配置した。
本実施例では、亜鉛層13が形成された複合材10を、図8に示す加熱装置を用いて加熱した。加熱条件は、加熱温度:400℃、加熱時間:60分とした。図9(a)は、加熱処理後の複合材の断面SEM写真である。また図9(b)には、EDSによる組成分析結果を図9(a)の写真の各層に対応させて示した。
図9と図7とを比較すれば明らかなように、加熱処理を施すことで、図7では鮮明に分かれた層として視認されていた金層12と亜鉛層13とが消失し、AuとZnとを主成分とするAu−Zn−Cu合金層12aが形成されている。また、EDSによりAu−Zn−Cu合金層12aの組成を分析したところ、Au:36%、Zn:55%、Cu:9%であった。さらに、Au−Zn−Cu合金層12aと銅板11との間には、CuZn合金(Cu:56%、Zn:43%、Au:1%)の層が形成されていた。
以上の第1工程により、複合材10の金層12を、Au−Zn−Cu合金層12aに変換した。
次に、図10は、本実施形態の第2工程で用いた電解装置の概略構成図である。図8に示す電解装置は、電解浴50と、作用極WEと、参照極REとを備えている。作用極WEと参照極REは、ポテンショスタット54に接続されている。参照極REは飽和KCl槽52内に配置されている。電解浴50と飽和KCl槽とは塩橋53を介して接続されている。作用極WEの先端には、銅板11上にAu−Zn−Cu合金層12aが形成された複合材10Aが接続されている。
本実施例における電解装置の条件は以下の通りである。
電解浴50:HNO 63g/l(1mol/l)
作用極WE:複合材10A(Cu/Au−Zn−Cu;25mm
参照極RE:Ag/AgCl 飽和KCl槽浸漬
塩橋53 :KCl+Agar(寒天)
本実施例では、図10に示す電解装置を用いて、図9に示した複合材10AのAu−Zn−Cu合金層12aから亜鉛を溶出させたところ、処理中に複合材10Aの表面から金属片が電解浴50内に剥落した。電解条件は、浴温度:室温、処理時間:120分、とした。
図11(a)は、亜鉛溶出後の複合材10A(金属片が剥落した位置)の平面SEM写真であり、図11(b)は、溶出処理中に電解浴50から回収した剥片の平面SEM写真である。なお、図11に示す写真中に、EDSによる組成分析結果を併記した。
図11(a)に示すように、複合材10Aの表面には多くのクラックの痕跡が観測され、このクラックによって表面から金属片が剥落したものと認められる。金属片が剥落した表面は、いずれもAu含有量が1%以下であり、Au−Zn−Cu合金層12aであった部分のほぼすべてが銅板11上から剥落している。また、金属片が剥落した複合材10Aの表面は亜鉛含有量が多いことから、金属片の剥落は、図8におけるCuZn合金の層と、Au−Zn−Cu合金層12aとの界面で生じたと考えられる。
一方、図11(b)に示すように、剥片の組成はAu:84%、Zn:2%、Cu:14%であり、図8に示したAu−Zn−Cu合金層12aから亜鉛が除去された金富化の合金であることが認められた。また、剥片の表面には多くのクラックが観測された。
また、本実施例では、溶出処理中にポテンショスタット54による浸漬電位(作用極WEと参照極REとの電位差)の測定を行った。図12は、浸漬電位の測定結果を示すグラフである。図12の左側に示すグラフは、右側のグラフの破線で囲んだ枠内を拡大して示したものである。
図12の右図(1)に示す領域では、浸漬電位が銅が溶出する電位(0.337V)よりも低いため、主に亜鉛が溶出し、浸漬電位が急激に上昇している。一方、右図(2)に示す領域では、亜鉛に加えて銅も溶出している。なお、領域(2)において6000sを超えたあたりから浸漬電位が低下しはじめている。これは、亜鉛の溶出により形成されたクラックの多い金富化層が剥落したためである。
このように、浸漬電位をモニタすることで、亜鉛溶出処理の進行度や複合材の表面状態を推定することができる。
(実施例2)
本実施例では、金層12に亜鉛蒸気を接触させることでAuZn合金が生成することを検証した。
シリカ製の真空アンプル内に純金の薄片を純亜鉛とともに封入し、これらを加熱状態に保持することで金薄片と亜鉛蒸気とを接触させた。実験条件は以下の11通りの温度と処理時間の組み合わせとした。いずれの条件においても、金薄片の表面にAuZn層(γ相:AuZn)が生成することが確認された。また、高温、長時間の条件ほど、生成するAuZn層が厚くなることが確認された。
450℃ 120分、180分
500℃ 30分、45分、60分
550℃ 15分、30分、45分
600℃ 15分、30分、45分
なお、真空アンプルは、試料を封入する際に10−6atm以下に減圧しており、反応中の圧力は、ほぼ、反応温度における亜鉛蒸気圧であった。
450℃ 4.8×10−4atm
500℃ 1.8×10−3atm
550℃ 5.5×10−3atm
600℃ 1.5×10−2atm
以上、本発明について具体例を挙げながら詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
10,10A,40…複合材、
11 銅板(基材)
12 金層(貴金属層)
12a Au−Zn−Cu合金層(貴金属合金層)
12b 金富化層
13 亜鉛層
15 クラック
41 基板(基材)
42 白金(ロジウム)層(貴金属層)
42a Pt(Rh)−Zn合金層(貴金属合金層)
42b 白金(ロジウム)富化層

Claims (11)

  1. 基材上に下地層を介して金、白金及びロジウムの少なくとも一つを含む貴金属層が形成された複合材から金、白金及びRhの少なくとも一つの貴金属を回収する方法であって、
    前記貴金属層に亜鉛、カルシウム及びマグネシウムのうちの少なくとも一つの卑金属を作用させ、前記貴金属層を、前記卑金属を含む貴金属合金層に変換する第1工程と、
    前記貴金属合金層に含まれる前記卑金属を溶解液により溶出させ、前記貴金属合金層を前記貴金属の富化層に変換する第2工程とを具え
    前記第1工程において、前記貴金属合金層の少なくとも一部を、前記下地層を構成する金属と前記卑金属とを含む金属合金層に変換することを特徴とする、貴金属の回収方法。
  2. 前記第1工程において、前記貴金属層に対して前記卑金属の蒸気を接触させることを特徴とする、請求項1に記載の貴金属の回収方法。
  3. 前記第1工程において、前記卑金属の蒸気圧を10−6atm以上とすることを特徴とする、請求項2に記載の貴金属の回収方法。
  4. 前記下地層が銅又はニッケルを含み、前記卑金属が亜鉛であって、
    前記第1工程において形成される前記貴金属合金層がAu−Zn―Cu合金層又はAu−Zn−Ni合金層であり、その厚さ方向の前記下地層側において銅富化又はニッケル富化であり、前記下地層と反対側において金富化であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載の貴金属の回収方法。
  5. 前記貴金属層が金であって、
    前記第1工程において形成される前記貴金属合金層が、Au−Zn合金層、Au―Ca合金層、Au−Mg合金層から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載の貴金属の回収方法。
  6. 前記貴金属層が白金及びロジウムの少なくとも一方であって、
    前記第1工程において形成される前記貴金属合金層が、Pt−Zn合金層、Pt―Ca合金層、Pt−Mg合金層、Rh−Zn合金層、Rh−Ca合金層及びRh−Mg合金層から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載の貴金属の回収方法。
  7. 前記第2工程において、卑金属を優先的に溶解する溶解液を用いることを特徴とする請求項1〜のいずれか一に記載の貴金属の回収方法。
  8. 前記第2工程において、前記下地層に含まれる金属元素と卑金属を溶解する溶解液を用いることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の貴金属の回収方法。
  9. 前記第2工程において、前記貴金属合金層と前記溶解液との接触時間及び溶解液の濃度の少なくとも一方を調整することで、前記富化層の分離厚さを制御することを特徴とする、請求項7又は8に記載の貴金属の回収方法。
  10. 前記第2工程の後に前記富化層を基材又は下地層から強制的に分離することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一に記載の貴金属の回収方法。
  11. 前記第1工程において、前記貴金属層に前記卑金属を作用させる際の温度を、300℃以上400℃以下とすることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一に記載の貴金属の回収方法。
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