JP2005248219A - 溶銑の予備処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 混銑車内の溶銑中に浸漬したランスから酸化剤等を吹込むことにより脱珪、脱燐する溶銑の予備処理に当たり、前記混銑車内の溶銑中に、2本のメンイランスを相対する向きに挿入して浸漬させ、これらのメンイランスからは前記酸化剤の量を脱燐反応末期の段階で減少させるとともに、そのメインランスの浸漬深さをさらに深くして吹込みを行う溶銑の予備処理方法。
【選択図】 図1
Description
この溶銑予備処理には、使用する処理容器(例えば、転炉、溶銑鍋、混銑車等)に応じて様々な方法がある。なかでも、混銑車あるいは溶銑鍋などの処理容器内溶銑中に浸漬したランスを使って酸化剤(酸化鉄、気体酸素など)や塩基度調整剤(石灰系フラックスなど)を吹き込む方法は、転炉で脱珪、脱燐するのに比べると酸化剤の反応効率が高く、処理コストが低いことから有利である。
(1)脱珪後のSiO2リッチなスラグを除去した後、脱燐処理を行う方法(特許文献1)
(2)溶銑を脱珪、脱燐、脱硫する際に、処理中にスラグを真空吸引設備等により連続的に強制排除する方法(特許文献2)
(3)脱珪後のスラグ排出を混銑車の傾転により行う方法(特許文献3)
(4)脱珪後のスラグ排出を行わず脱燐処理を行う場合にソーダ灰を使用する方法(特許文献4)
(5)CaO及び酸化剤を溶銑中に吹込む際に、溶銑上へ別途酸化鉄を上添加する方法(特許文献5)
(6)溶銑中に酸化剤を分散させてスラグ−メタル間反応界面積を増大させるため、吹込み流を旋回流とする特殊なランスを用いる方法(特許文献6)
(7)インジェクション・ランスを2本使用し、1本からは脱燐剤を、もう1本からは脱硫剤を吹込む方法(特許文献7)
(8)インジェクション・ランスを2本使用し、酸化剤を吹込む脱燐方法(特許文献8)
従来技術(4)は、処理剤の単価が高くコスト的に不利である。さらに、高炉の出銑[Si]が高い場合には、処理前に予備脱珪スラグの除去を行わねばならないことや、処理中のスロッピングにより処理が困難になるという問題がある。
従来技術(3)は、これらの問題を解決するために開発されたものであるが、脱燐処理段階での反応自体を促進し、スラグの排出を促進するという点についての配慮が欠けているため、脱燐速度を向上させるにはなお不十分であるという問題がある。
従来技術(5)は、添加した酸化鉄がスラグ上に未反応で残ってしまい、反応に寄与する酸化鉄の割合が少ないという問題がある。即ち、上方より添加された酸化鉄は、単にトップスラグの酸素ボテンシヤルを上昇させるにすぎず、脱燐反応に寄与する酸素源を効率よく添加したとは言いにくく、その結果として、スラグの滓化性が悪化するという問題がある。
従来技術(6)では、使用するランスの構造が複雑で単管ランスに比べて、製造コストが高いという問題がある。
従来技術(7)は、脱燐剤と脱硫剤を同時に吹込むため、脱燐反応がむしろ阻害されるという問題がある。
従来技術(8)は、インジェクション・ランスを2本使用することにより、効率よく酸化剤を吹込む予備処理方法が開示されているが、この方法を脱珪の初期から適用すると、スラグフォーミングが多発し、フォーミング防止剤の添加あるいは処理中断などスラグ沈静化処置が必要となって、処理時間の延長が起きる。さらには酸化剤吹込み効率はよいものの、酸化剤の反応効率の低下をきたすことなどの問題がある。
なお、酸化剤として、固体酸素源と気酸を併用して吹き込む場合は、キャリアガス搬送法により送給されてきた固体酸素源に気酸をランス部分で加えて吹き込みを行えばよい。
なお、図7には、この図に示すように、メインランスを1本使用するものに比べ、メインランスを2本で吹き込むときの方が、ランス先端間距離の如何にかかわらず脱P酸素効率が明らかに良好である。しかも、それは、2本ランスで行う限り、ランス先端間距離を≦0.7Lのどの範囲においても同様に効果が得られる。これは細長い混銑車の形状の混合特性に起因するものと考えられる。
図1に示すように、混銑車2内に収容した溶銑の脱珪、脱燐処理の開始に際し、混銑車2内の溶銑3中に、下端部の吹出し口1aが水平方向を指向するように設けれられた2本のメインランス1、1’を、混銑車2の長手方向(回転軸方向)を指向するような向きでかつ互いに相反する方向から挿入して浸漬させる。そして、これらのメインランス1、1’から酸化剤を吹き込むが、必要に応じ塩基度調整剤をも混合して用いる。例えば、酸化鉄(焼結鉱粉体)+石灰粉(生石灰)+気酸の混合吹込みを行うと、酸化剤(酸化鉄+気酸)の作用により、まず脱珪が進行すると共に、塩基度調整剤である石灰粉により溶銑3上に浮遊しているスラグ4の塩基度も調整される。
脱燐酸素効率=溶銑中燐の酸化に用いられた酸素量/(溶銑中に吹き込んだ全酸素量−Siの酸化に使用された酸素量)(×100%) …(1)
ここに、式(1)右辺の各酸素量の単位は、Nm3/溶銑tである。
図2は、ランス浸漬深さh’(静止状態での溶銑深さ=H)と脱P酸素効率との関係を実験により求めた結果を示すものである。この図に示すように、ランス浸漬深さが深い方が、浅い場合よりも高いことがわかる。
本発明では、サブランス6のこうした作用効果により、脱燐速度の低下を招くことなく、さらに混銑車開口部2aでのランス作業障害を招くことなく、トータルコストの低い溶銑予備処理が可能になるのである。
従来、脱珪処理の段階に、スラグフォーミングによる前記開口部2aからのスラグ4が溢流して、脱珪処理の中断を余儀なくされることがあったが、本発明のような傾転操作により、適時に溢流させて排出することができるようになり、脱珪処理を中断させることなく操業の継続実施ができる。
また、従来はスラグフォーミングを抑制するために塩基度調整剤を多量に使用していたが、本発明によれば、スラグ4を溢流排出させることにより、溶銑3上のスラグ量を減少させることができるため、その使用量を大幅に削減できる。
さらに、脱燐処理段階でも、混銑車2を随時適宜の角度に傾転させておくことにより、同様に除滓でき、処理時間の短縮、塩基度調整剤など使用量の削減を図ることができる。
以上は、混銑車2の使用例で述べたが、溶銑鍋を使用する場合も同様であり、処理容器を傾転操作により傾転状態としておくことにより、同様の効果を得ることができる。
(1) 溶銑成分:(C):4.3 mass%、(Si)0.20 mass%、(P)0.19 mass%、1370℃
脱珪、脱燐処理のための酸化剤、塩基度調整剤の吹込み処理パターンを図5に示す。
この処理では、図5に示すように、メインランス1、1’ともに浸漬深さ:800〜11000 mmの深さに挿入浸漬し、酸化剤として固体酸素源である焼結鉱粉体(RD<125μm)、200 kg/min(気体換算21.6Nm3/min)で吹込んだ。なお、予備処理での温度降下を軽減するため、メインランス1、1’には、合計量(1/2づつ)気酸10Nm3/minの吹込みを併用した。そして、塩基度調整剤として生石灰を脱珪期間中スラグ塩基度がほぼ1.0になるように、200 kg/min吹込んだ。
(2) その後、温度降下を防ぐための気酸の吹込みを維持したまま、焼結鉱粉体(RD)量を増加させ、脱珪を促進させた。即ち、この段階で焼結鉱粉体(RD)量を400 kg/min増加させることにより(10分経過時点)、異常なスラグフォーミングはみられず、約12分間の処理で(Si)0.01 mass%となり、脱燐反応末期までは焼結鉱粉体量を400 kg/min(気体換算57.6Nm3/min)のままの吹込みを行った。
(3) さらにその後、脱燐処理終了の前15分前からサブランス6を用いて吹込みを開始した。サブランス6の酸素供給量QO2は、0.3Nm3/min/溶銑tとした。
(4) 脱燐処理終了10分前にメインランス1、1’の酸素供給量QO2を0.206Nm3/min/溶銑tから、0.103Nm3/min/溶銑tに減らした。
(5) 処理終了の5分前にサブランス6を溶銑面上0.5mの高さまで上昇させ、気酸を15Nm3/minで噴射した。
2 混銑車
1a 吹出し口
2a 混銑車開口部
3 溶銑
4 スラグ
6 サブランス
7 流滓ビット
Claims (5)
- 混銑車内の溶銑中に浸漬したランスから酸化剤を吹込むことにより脱珪、脱燐する溶銑の予備処理方法において、
前記混銑車内の溶銑中に、2本のメンイランスを相対する向きに挿入して浸漬させ、これらのメンイランスからは前記酸化剤の量を、脱燐反応末期の段階で減少させるとともに、そのメインランスの浸漬深さをさらに深くして、吹込みを行うことを特徴とする溶銑の予備処理方法。 - 前記脱燐反応末期とは、Pが0.008 mass%以下のレベルにあるとき、もしくは脱燐処理終了前の10分間のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の溶銑の予備処理方法。
- 溶銑浴面上に気体酸素を吹き付けることを特徴とする請求項1または2に記載の溶銑の予備処理方法。
- 酸化剤を溶銑浴面もしくは溶銑中に吹込むに当たり、メインランスの他に、そのメインランスよりも浅い位置に浸漬させるか浴面上に保持されるサブランスを使うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶銑の予備処理方法。
- 前記サブランスの浸漬深さを、溶銑の浴面下1m以内かつ前記メインランスの浸漬深さより0.1m以上浅い位置としたことを特徴とする請求項4に記載の溶銑の予備処理方法。
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