JP2005248017A - 滑り止め加工用ホットメルト組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 23℃における硬さが5〜70であり、軟化点が100〜160℃であり、かつ180℃における溶融粘度が1〜100Pa・sであることを特徴とする滑り止め加工用ホットメルト組成物を用いる。
【選択図】 なし
Description
すなわち本発明は、23℃における硬さが5〜70であり、軟化点が100〜160℃であり、かつ180℃における溶融粘度が1〜100Pa・sであることを特徴とする滑り止め加工用ホットメルト組成物;及び本組成物を繊維又は樹脂加工品に塗工した滑り止め加工品である。
(1)滑り止め性、加工性及び基材密着性のバランスに優れる。
(2)耐熱性に優れるため、高温雰囲気下においても樹脂が凝集破壊しにくい。
(3)可塑剤保持性が良好であるため、塗工基材及び非接触体への可塑剤の移行が
少ない。
23℃における硬さはJIS K6301−1995のスプリング式硬さ試験(A形)により測定される。
硬さ試験の測定条件:9.81Nの荷重で垂直に加圧面を押しあて5秒後の目盛りを読みとる。
軟化点はJIS K6863に準拠して環球法により測定される。
180℃溶融粘度は、以下の方法で測定する。
測定方法;内径16mm×高さ105mmの試験管に約8gのサンプルを投入し、オイルバス中で180℃に20分温調し、SB型粘度計(JIS K7117−1987、SB4号スピンドル、例えば、東機産業社製のBL型粘度計及び4号ローター)をセットして更に10分温調した後、ローターを所定の回転数で回転させ10分後の溶融粘度を読み取る。
ジエン(共)重合体には、炭素数4〜18のジエンからなる単量体(例えばブタジエン、イソプレン等)又はこれと他の単量体(ジエンと他の単量体の重量比 0.1〜100:0〜99.9)を構成単位とする(共)重合体及びその水素化体が含まれる。他の単量体としては、炭素数8〜20の芳香族ビニル単量体(例えばスチレン等)、炭素数2〜8のオレフィン(例えばエチレン、プロピレン等)、炭素数3〜20の不飽和ニトリル(例えばアクリロニトリル等)等が挙げられる。
これらのうち好ましいのはジエン(共)重合体及びその水素化体であり、より好ましいものはSBS、SIS、SEPS、SEBSであり、特に好ましいものは耐熱性、可塑剤保持性に優れるSEEPSである。
上記又は下記に記載のMn及び重量平均分子量(以下Mwと記す。)は、ポリスチレンを標準としてゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法で求められる値である。
(B)の含量は、(A)〜(D)の合計重量に基づいて、基材密着性の観点から、下限は好ましくは1であり、より好ましくは2であり、特に好ましくは3である。また上限は好ましくは30であり、より好ましくは25であり、特に好ましくは20である。
(C)の含量は、(A)〜(D)の合計重量に基づいて、耐熱性、凝集力及び溶融粘度の観点から、下限は好ましくは1であり、より好ましくは2であり、特に好ましくは3である。また上限は好ましくは40であり、より好ましくは35であり、特に好ましくは30である。
(D)の含量は、(A)〜(D)の合計重量に基づいて、凝集力と溶融粘度の観点から、下限は好ましくは25であり、より好ましくは30であり、特に好ましくは35である。また上限は好ましくは80であり、より好ましくは75であり、特に好ましくは70である。
また、吸着剤及び充填剤では、0.01〜40重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜15重量%である。
また、顔料、染料及び香料では、0.005〜2重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜1重量%である。
また、混合装置としては加熱溶融混練機を用いることができる。加熱溶融混練機としては、その様式形状等は特に限定されるものではないが、例えば撹拌機付き加圧反応器、圧縮性の高い形状のスクリュー又はリボン状撹拌機を有する混合機、ニーダー、一軸又は多軸押出機、ミキサー等を挙げることができる。混合温度は通常80〜200℃であり、樹脂劣化を防ぐため窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
また、被着体に適用するときの溶融温度は120〜220℃が好ましく、溶融粘度は0.5〜500Pa・sが好ましく、より好ましくは1〜100Pa・s(すなわち、0.5Pa・s以上が好ましく、より好ましくは1Pa・s以上、また500Pa・s以下が好ましく、100Pa・s以下がより好ましい)である。
表1に示す配合処方(重量部)で混合した各成分の混合物をステンレス製加圧反応器に投入し、容器内を窒素置換した後、密閉下で160℃まで昇温し、4時間撹拌下で溶融混合を行い、本発明のホットメルト組成物及び比較のホットメルト組成物を得た。
A−1:SEEPS「セプトン4033」(クラレ社製)
A−2:SEBS 「クレイトンG−1657」(クレイトンポリマージャパン社製)
B−1:テルペンフェノール樹脂「YSポリスター N−125」(ヤスハラケミカル
社製;アニリン点=30℃以下 )
B−2:水添石油樹脂「エスコレッツE−5320」(トーネックス社製;アニリン点=80℃)
C−1:低分子量ポリプロピレンワックス「ビスコール660P」(三洋化成工業社製;軟化点=1 45℃)
C−2:ポリフェニレンオキサイド「ノリルPPO SA120」(日本ジーイープラスチックス社 製;Tg=160℃)
D−1:パラフィン系オイル「ダイアナプロセスオイルPW−90」(出光興産社製)
E−1:ヒンダードフェノール系酸化防止剤「イルガノックス1010」(チバ・スペシャリティー ・ケミカルズ社製)
E−2:リン系酸化防止剤「アデカスタブ2112」(旭電化工業社製)
実施例1〜6及び比較例1〜3で得られた各ホットメルト接着剤組成物について、下記試験方法により滑り止め性、基材密着性、耐熱性、及び可塑剤保持性を評価した。その結果を表2に示す。
表2から明らかなように、本発明のホットメルト組成物は、比較例のものに比べて、基材密着性、耐熱性、可塑剤保持性優れ、滑り止め性能とのバランスが良好であることがわかる。
(i)滑り止め性
ポリプロピレン性不織布(50μm厚)に目付量が50g/m2となるように、ホットメルト組成物を190℃下でロールコ一夕ーを用いて塗布し、滑り止め評価用サンプルとした。
滑り止め性能は、JIS P8147に準じ、静摩擦係数を測定し評価した。試験方法として、水平法を用い、大きさが10cm×6cmの評価用サンプルについて、重りを1kg、移動速度を10mm/minとし、水平板としてガラス板を用いて室温で静摩擦力を測定した。この静摩擦係数が大きいほど、滑り止め性能は良好である。
(ii)基材密着性(T型剥離強度)
基材として100mm×25mm×50μm厚のPETフィルムに25mm幅で各ホットメルト組成物をビード状に塗布(塗布温度180℃、塗布量0.06g/m)し、同じ大きさのPETフィルムを張り合わせ試験サンプルとした。このサンプルを23℃雰囲気下で24時間放置した後、引張試験機[オートグラフAGS−500B(島津製作所社製)]を用いて300mm/分の引張速度で剥離強度を測定し、最大値をT型剥離強度とした(単位N/25mm)。
加圧プレス成型器を用い180℃でホットメルト組成物をプレスして、厚さ1mmのホットメルト組成物のシートサンプルを作成した。得られたサンプルを5cm×2cmに切り取り10cm×2.5cm×1mm厚のステンレス板の間にはさみ、上から500gの荷重を加えたまま、100℃において3時間保管した後、100℃で評価用サンプルをステンレス板から引き剥がし、界面の状態を目視で観察した。ホットメルト組成物がステンレス板界面で剥がれるものを合格とし、ホットメルト組成物が凝集破壊しステンレス板に残るものを不合格とした。
(iv)可塑剤保持性
耐熱性評価と同様に作成されたシートサンプルを10cm×5cmに切り取りPタイル(塩ビシート)の上に載せ、500gの荷重を加えたまま、80℃において5日間保管した後、ホットメルト組成物中の可塑剤がサンプルからPタイルヘの移行したかどうかを目視で観察することによって評価した。
ホットメルト組成物中の可塑剤がPタイルに移行したことが認められなかったものを合格とし、可塑剤の移行が認められたものを不合格とした。
Claims (6)
- 23℃における硬さが5〜70であり、軟化点が100〜160℃であり、且つ180℃における溶融粘度が1〜100Pa・sであることを特徴とする滑り止め加工用ホットメルト組成物。
- ジエン(共)重合体及びエチレン−α−オレフィン共重合体から選ばれる1種以上のゴム(A)、粘着付与樹脂(B)、軟化点向上剤(C)および可塑剤(D)からなることを特徴とする請求項1記載のホットメルト組成物。
- 前記(A)がスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体及びこれらの水素化体から選ばれる1種又は2種以上である請求項2記載のホットメルト組成物。
- 前記(B)がアニリン点が60℃以下の樹脂を含有するものである請求項2または3記載のホットメルト組成物。
- 前記(C)の軟化点又はガラス転移点(Tg)が80〜180℃である請求項2〜4の何れか記載のホットメルト組成物。
- 請求項1〜5の何れか記載のホットメルト組成物を塗工した繊維又は樹脂の滑り止め加工品。
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