JP3041687B2 - 接着剤用改質剤およびホットメルト接着剤組成物 - Google Patents

接着剤用改質剤およびホットメルト接着剤組成物

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JP3041687B2
JP3041687B2 JP10216498A JP21649898A JP3041687B2 JP 3041687 B2 JP3041687 B2 JP 3041687B2 JP 10216498 A JP10216498 A JP 10216498A JP 21649898 A JP21649898 A JP 21649898A JP 3041687 B2 JP3041687 B2 JP 3041687B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は接着剤用の添加剤
(以下、接着剤用改質剤ということがある。)およびそ
れを用いたホットメルト接着剤組成物に関する。さらに
詳しくは、優れた接着力、凝集力、保持力および可塑剤
保持性を与え、特にポリオレフィン樹脂成形品の接着に
適したホットメルト接着剤を与えることのできる接着剤
用の添加剤およびそれを用いたホットメルト接着剤組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィン系のフィルム、不
織布、樹脂成形品等の接着に用いられるホットメルト接
着剤としては、スチレン−エチレン−プロピレン−スチ
レンブロック共重合ゴムあるいはスチレン−ブタジエン
−スチレンブロック共重合ゴムに、粘着付与樹脂成分お
よびプロセスオイル等のSP値の低い液状可塑剤を添加
する方法等が知られている(例えば、特開平3−160
083号および特開平8−60121号各公報)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のも
のはホットメルト接着剤として使用した場合、オープン
タイムを長くしたり、溶融粘度を低下させたりすること
ができるが、凝集力や保持力が不足し、オレフィン系樹
脂成形品等の被着体に対する接着力が低下するなどの問
題が生じる。また、経時的に液状可塑剤が被着体に滲み
出す(可塑剤保持性が悪い)などの問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、これらの問
題点を解決し、接着力および凝集力に優れ、可塑剤保持
性の良好な接着剤組成物を得るべく鋭意検討した結果、
本発明に到達した。すなわち、本発明のゴム、粘着付与
樹脂および可塑剤からなる接着剤用の可塑剤保持性改良
添加剤の特徴は、スチレン、α−メチルスチレン、アル
キル基の炭素数1〜4のアルキルスチレン、ハロゲン化
スチレン、N,N−ジエチルアミノスチレンおよびジビ
ニルベンゼンから選ばれるスチレン系モノマー(a1)
30〜90重量%と、脂肪族ジエンおよび脂環族ジエン
から選ばれる炭素数4〜20の脂肪族もしくは脂環族不
飽和炭化水素化合物(a2)10〜70重量%と、その
他のモノマー(a3)0〜10重量%とからなり、数平
均分子量が500〜5,000であり、ガラス転移温度
(Tg)が20℃以下かつ溶解度パラメーター値(SP
値)が8〜11である共重合体(A)からなる点にあ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の接着剤用改質剤におい
て、共重合体(A)を構成するスチレン系モノマー(a
1)の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、スチレン誘導体[例えばアルキル基の炭素数1〜4
またはそれ以上のアルキルスチレン(例えばビニルトル
エン、エチルスチレン、t−ブチルスチレン等)、ハロ
ゲン化スチレン(例えばクロロスチレン、ブロモスチレ
ン、フルオロスチレン等)、アミノ基含有スチレン(例
えばN,N−ジエチルアミノスチレン等)、ジビニルベ
ンゼン等]などが挙げられる。これらのうち特に好まし
いものはスチレンである。
【0006】炭素数4〜20(好ましくは4〜16)の
脂肪族もしくは脂環族不飽和炭化水素化合物(a2)の
具体例としては、脂肪族ジエン(ブタジエン、イソプレ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−
ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、
1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オ
クタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエンな
ど);脂環族ジエン(シクロペンタジエン、ジシクロペ
ンタジエン、メチルシクロペンタジエン、エチリデンノ
ルボルネン、ビニリデンノルボルネンなど);およびこ
れらの2種以上の混合物が用いられる。これらのうち好
ましいものはブタジエン、ジシクロペンタジエンおよび
エチリデンノルボルネンである。
【0007】共重合体(A)において上記(a1)およ
び(a2)と共に必要によりその他のモノマー(a3)
を併用することができる。該その他のモノマー(a3)
の具体例としては、たとえば、アルキル基の炭素数が1
〜24のアルキル(メタ)アクリレート[例えばメチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メ
タ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート
等];炭素数6〜12のシクロアルキル(メタ)アクリ
レート[例えばシクロヘキシル(メタ)アクリレート
等];炭素数7〜21のアラルキル(メタ)アクリレー
ト[例えばベンジル(メタ)アクリレート等];ヒドロ
キシル基含有(メタ)アクリレート[例えば2−ヒドロ
キシルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、ポリアルキレン(炭素数
2〜4)グリコール(重合度2〜10またはそれ以上)
モノ(メタ)アクリレート等];アミノ基含有(メタ)
アクリレート[例えばジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト等];不飽和カルボン酸[例えば(メタ)アクリル
酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、フマール酸、
(無水)イタコン酸、これらのジカルボン酸のモノもし
くはジアルキル(炭素数1〜20)エステル(モノエチ
ルマレート、モノブチルフマレート、ジエチルマレー
ト、ジオクチルマレート、ジブチルフマレート等)
等];不飽和ジカルボン酸のイミド化物[例えばマレイ
ミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、
N−フェニルマレイミド等];エポキシ基含有(メタ)
アクリレート[例えばグリシジル(メタ)アクリレート
等];およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのうち好ましいものはアルキル(メタ)アクリレ
ート、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸およびマレ
イン酸ジアルキルエステルであり、さらに好ましいもの
はアルキル基の炭素数が12〜18のアルキル(メタ)
アクリレートであり、特に好ましいものはオクタデシル
(メタ)アクリレートである。
【0008】共重合体(A)を構成する(a1)の量は
通常30〜90重量%、好ましくは50〜80重量%で
あり、(a2)の量は通常10〜70重量%、好ましく
は20〜50重量%である。また、必要により用いられ
る(a3)の量は10重量%以下好ましくは2〜5重量
%である。(a1)の量が30重量%未満では(A)を
配合して得られる接着剤組成物の凝集力および保持力が
低下する傾向となり、90重量%を超えると得られる接
着剤組成物が硬くなり接着性が低下する傾向となる。
(a2)の量が10重量%未満では(A)を配合して得
られる接着剤組成物が硬くなり接着性が低下し、70重
量%を超えると接着剤組成物の十分な樹脂強度が得られ
ない傾向となる。また、(a3)の量が10重量%を越
える場合は接着剤組成物の熱安定性が低下する傾向とな
る。
【0009】共重合体(A)は前述の構成モノマーを溶
液重合、バルク重合等の公知の方法で重合することによ
り得ることができる。該(A)の製造方法は特に限定さ
れないが、例えば下記(1)〜(3)の方法が例示でき
る。
【0010】(1)加熱した溶剤中に重合開始剤の存在
下でモノマーを連続的または断続的にに供給し、重合終
了後溶剤および必要により未反応モノマーを常圧または
減圧下で留去して(A)を得る方法(溶液重合法)。該
溶液重合に使用される溶剤としては、芳香族炭化水素系
溶剤(トルエン、キシレン、クメン等)、脂肪族炭化水
素系溶剤(n−ヘキサン、n−オクタン、n−デカン
等)、脂環式炭化水素系溶剤(シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサン等)、ハロゲン系溶剤(クロロホルム、
四塩化炭素、ジクロロエタン等)、ケトン系溶剤(アセ
トン、メチルエチルルケトン等)、エーテル系溶剤(ジ
オキサン、ジベンジルエーテル)、エステル系溶剤(酢
酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル)等およびこ
れらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。上記溶液重合
温度は通常80〜240℃の範囲であり、使用する重合
開始剤の種類、その量および目的とする分子量に応じて
適宣選択することができる。溶剤および必要により未反
応モノマーを留去する温度は、留去する溶剤またはモノ
マーの種類によって異なるが、通常100〜200℃で
ある。
【0011】(2)モノマー単独または予め重合して得
られた(A)をモノマーに溶解した溶液に重合開始剤を
加え、これを加熱して重合した後、必要により未反応モ
ノマーを常圧または減圧下で留去して(A)を得る方法
(バルク重合法)。上記バルク重合温度は通常80〜2
40℃の範囲であり、使用する開始剤の種類、その量お
よび目的とする分子量に応じて適宣選択することができ
る。
【0012】(3)後述するホットメルト接着剤の構成
成分である(B)、(C)及び(D)から選ばれる1種
以上の溶融物中に、重合開始剤の存在下で、モノマーを
連続的もしくは断続的に供給して重合させ、重合終了後
必要により未反応モノマーを常圧または減圧下で留去し
て(A)および他の成分からなる混合物を得る方法(共
存バルク重合法)。上記共存バルク重合の重合温度は通
常80〜240℃の範囲であり、使用する重合開始剤の
種類、その量および目的とする分子量に応じて適宣選択
することができる。
【0013】共重合体(A)の製造に用いられる重合開
始剤としては、ラジカル重合に通常使用されるアゾ系重
合開始剤および有機パーオキサイド系重合開始剤が挙げ
られる。アゾ系重合開始剤としては、たとえば、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビ
ス(2,4ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾ
ビス(2−メチルブチロニトリル)等が挙げられる。有
機パーオキサイド系重合開始剤としては、たとえば、パ
ーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキ
ルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パ−オキ
シエステル等の有機過酸化物、たとえばベンゾイルパー
オキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパ
ーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロ
ピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ
クミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパー
オキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサ
ン、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタ
レート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオ
キシシクロヘキシル)プロパン等が挙げられる。これら
のうち好ましいものは有機パーオキサイド系重合開始剤
であり、特に好ましいものはt−ブチルパーオキシベン
ゾエート、ジ−t−ブチルパーオキサイドおよびジクミ
ルパーオキサイドである。重合開始剤の使用量は、全モ
ノマーの重量に対して通常0.1〜20重量%、好まし
くは0.5〜15重量%である。
【0014】共重合体(A)の製造に際して、分子量を
調整するために必要により連鎖移動剤を用いることがで
きる。該連鎖移動剤としては、たとえばメルカプタン
(たとえばt−ブチルメルカプタン、n−ドデシルメル
カプタン等)、ジスルフィド(たとえばビス−2−アミ
ノ−フェニルジスルフィド、ジイソプロピルザントゲン
ジスルフィド等)、ジアゾチオエーテル(たとえばp−
メトキシフェニルジアゾチオ−2−ナフチルエーテル
等)、有機ハロゲン化物(たとえば四塩化炭素、四臭化
炭素、クロロホルム等)等が挙げられ、連鎖移動恒数が
0.01以上のものが好ましい。連鎖移動剤の使用量
は、全モノマーの重量に対して通常10重量%以下、好
ましくは0.1〜8重量%である。
【0015】共重合体(A)のDSC法によるガラス転
移温度(Tg)は通常20℃以下、好ましくは5〜−3
0℃またはそれ以下である。Tgが20℃を超えると該
(A)を配合して得られる接着剤組成物が硬くなり低温
での接着力が低下する。
【0016】共重合体(A)の数平均分子量(Mn)
は、通常500〜5,000、好ましくは1,000〜
3,000である。Mnが500未満では接着剤の凝集
力および保持力が弱くなり、5,000を超えるとゴム
(B)との相溶性が悪くなるため接着力が低下する。ま
た、該(A)の重量平均分子量(Mw)は、通常1,0
00〜10,000、好ましくは1,500〜5,00
0であり、分子量分布(Mw/Mn)は通常1.3〜
2.5、好ましくは1.5〜2である。上記Mnおよび
Mwはポリスチレンを標準としてゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)法で求められる値であ
る。
【0017】共重合体(A)の溶解度パラメータ値(S
P値)は通常8〜11、好ましくは8.2〜10、特に
好ましくは8.4〜9.5である。SP値が8未満また
は11を超えると、後述のゴム(B)や可塑剤(D)と
の相溶性が悪くなり接着力が低下したり可塑剤保持性が
悪くなる場合がある。なお、該SP値はFedors法
[Polym.Eng.Sci.14(2)152,
(1974)]によって算出される値である。
【0018】上記共重合体(A)からなる本発明の接着
剤用改質剤には、必要に応じて酸化防止剤{たとえばヒ
ンダードフェノール系化合物〔たとえばペンタエリスチ
ル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル
−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート等〕、リン系化合物〔たとえばト
リス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイ
ト等〕、イオウ系化合物(たとえばペンタエリスチル−
テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジラ
ウリル−3,3’−チオジプロピオネート等〕等}、紫
外線吸収剤{たとえばベンゾトリアゾール系化合物〔た
とえば2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシ
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2
−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等〕}、光
安定剤{ヒンダードアミン系化合物〔たとえば(ビス−
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバ
ケート等〕}、吸着剤(アルミナ、シリカゲル、モレキ
ュラーシーブ等)、有機もしくは無機充填剤、顔料、染
料、香料等を含有させることができる。これらの添加物
の配合量は該共重合体(A)の重量に対して通常10重
量%以下である。
【0019】本発明のホットメルト接着剤組成物を構成
するゴム(B)としては、たとえばジエン(共)重合体
(スチレン−ジエン共重合体およびその水素化体、ブタ
ジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム等)、エチレ
ン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。上記スチレ
ン−ジエン共重合体およびその水素化体の具体例として
は、スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム(SB
S)、スチレン−イソプレンブロック共重合ゴム(SI
S)、スチレン−ブタジエンランダム共重合ゴム(SB
R)、これらのジエン共重合ゴムのジエン部分の一部ま
たは全部が水素化された水素化体[スチレン−(エチレ
ン−プロピレン)ブロック共重合ゴム(SEPS;SB
Sの水素化体)、スチレン−(エチレン−ブテン)ブロ
ック共重合ゴム(SEBS;SISの水素化体)、水素
化SBR等]等が挙げられる。エチレン−αオレフィン
共重合体の具体例としては、エチレンとαオレフィン
(例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−
メチル−1−ペンテン等)との共重合ゴム、エチレンと
αオレフィンと非共役ジエンとの三元共重合ゴム等が挙
げられる。これらのうち好ましいものはスチレン−ジエ
ン共重合体およびその水素化体であり、特に好ましいも
のはSBS、SIS、SEPSおよびSEBSである。
【0020】該ゴム(B)のASTM D1238−G
法(200℃、5,000g)によるメルトインデック
スは通常0.1〜300、好ましくは1〜100であ
る。(B)のメルトインデックスを上記範囲内とするこ
とで凝集力と接着加工性(溶融粘度)のバランスの良好
なホットメルト接着剤組成物が得られる。
【0021】本発明のホットメルト接着剤組成物を構成
する粘着付与樹脂(C)としては、ロジン/ロジン誘導
体樹脂、テルペン系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、
石油樹脂[C5留分、C9留分、C5/C9留分、ジシ
クロペンタジエン等の(共)重合体]、フェノール系樹
脂、キシレン系樹脂およびこれらの樹脂の水素化体から
選ばれる1種以上の樹脂が挙げられる。これらのうち好
ましいものは、熱安定性、臭気および色相の点でテルペ
ン系樹脂の水素化体および石油樹脂の水素化体であり、
特に好ましいものはC9留分およびC5/C9留分の
(共)重合系石油樹脂の水素化体である。
【0022】可塑剤(D)としては、パラフィン系、ナ
フテン系もしくはアロマティック系のプロセスオイル;
液状ポリブテン、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプ
レン等の液状樹脂;これらの液状樹脂の水素化体;天然
もしくは合成ワックス類(パラフィンワックス、マイク
ロクリスタリンワックス、低分子量ポリオレフィンワッ
クス等);およびこれらの2種以上の混合物が挙げられ
る。これらのうち好ましいものは、熱安定性および耐候
性に優れた組成物が得られる点からパラフィン系プロセ
スオイル、ナフテン系プロセスオイルおよびこれらの併
用である。
【0023】本発明のホットメルト接着剤組成物におけ
る該接着剤用改質剤中の共重合体(A)、(B)、
(C)および(D)の合計重量に対する(A)の含量
は、通常5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%
であり、(B)の含量は通常5〜40重量%、好ましく
は10〜30重量%であり、(C)の含量は通常10〜
70重量%、好ましくは20〜60重量%であり、
(D)の含量は通常30重量%以下、好ましくは25重
量%以下である。(A)の含量が5重量%未満では各成
分の相溶性が不十分となり、40重量%を超えると接着
剤の凝集力が低下する。(B)の含量が5重量%未満で
は接着剤の凝集力が不十分となり、40重量%を超える
と接着剤の溶融粘度が高くなるため良好な加工性が得ら
れない。(C)の含量が10重量%未満では接着剤の接
着力が低下し、70重量%を超えると接着剤が硬くなる
ため十分な接着性が得られない。(D)の含量が30重
量%を超えると接着剤の凝集力および接着力が低下する
とともにブリードが発生しやすくなる。
【0024】本発明のホットメルト接着剤組成物には、
さらに必要に応じて前記接着剤用改質剤における任意成
分として例示したものと同様の酸化防止剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、吸着剤、充填剤、顔料、染料、香料等を
含有させることができる。
【0025】本発明のホットメルト接着剤組成物の製造
方法は特に限定されないが、たとえば前記接着剤用改
質剤、(B)、(C)および必要により(D)を加熱溶
融混合する方法;有機溶剤(トルエン、キシレン等)
を加えて各成分を加熱溶解させ、均一混合した後に溶剤
を留去する方法;等を用いることができる。工業的に好
ましいのはの方法である。また、混合装置としては加
熱溶融混練機を用いることができる。該加熱溶融混練機
としては、その様式形状等は特に限定されるものではな
く、例えば圧縮性の高い形状のスクリューまたはリボン
状攪拌機を有する混合機、ニーダー、一軸または多軸押
出機、ミキサー等を挙げることができる。混合温度は通
常80〜200℃であり、樹脂劣化を防ぐため窒素ガス
等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
【0026】本発明のホットメルト接着剤組成物は、接
着力、凝集力、可塑剤保持性および加工性に優れるの
で、広範な被着体(たとえば各種プラスチック成形品、
ゴム、紙、布、金属、木材、ガラス、モルタルコンクリ
ートなど)に適用できるが、特に難接着性であるポリオ
レフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)系樹脂成
形品同士またはこれらと上記の他の被着体とを接着する
ためのホットメルト接着剤として好適である。
【0027】本発明のホットメルト接着剤組成物を被着
体に適用する方法としては、たとえばスパイラル塗工、
ビード塗工、ロール塗工、スロットコートなどの方法が
例示できるが、これらに限定されるものではない。ま
た、被着体に適用するときの溶融温度は通常100〜2
00℃であり、溶融粘度は通常1〜500Pa・sであ
る。
【0028】本発明の接着剤用改質剤はホットメルト型
接着剤用としてのみならず、有機溶剤溶液型、エマルシ
ョン型、ディスパージョン型、フィルム状等の接着剤用
改質剤としても使用可能である。また、該改質剤は各種
配合物の相溶化剤として有用であるほか、各種熱可塑性
樹脂または熱硬化性樹脂の成形性や樹脂物性の改質剤、
アスファルトの流動性改質剤等にも用いることができ
る。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下にお
いて、「部」および表1中の数値は重量部を示す。
【0030】製造例1 ステンレス製加圧反応器にキシレン3000部を投入
し、容器内を窒素置換した後、密閉下で100℃まで昇
温した。この温度でスチレン820部、ブタジエン18
0部およびベンゾイルパーオキサイド50部の混合液を
3時間かけて滴下し、さらに1時間保持し重合を完結さ
せた。ついで生成したポリマー溶液からキシレンを留去
(120℃、2kPa)して共重合体(A−1)を得
た。該(A−1)のDSC法によるTgは2℃、GPC
法による数平均分子量は1,520、分子量分布(Mw
/Mn)は1.67、SP値は9.0であった。
【0031】製造例2 製造例1において、モノマーとしてスチレン800部、
エチリデンノルボルネン100部および1−ドデセン1
00部を用いた以外は製造例1と同様にして、共重合体
(A−2)を得た。該(A−2)のDSC法によるTg
は5℃、GPC法による数平均分子量は1,640、分
子量分布(Mw/Mn)は1.72、SP値は8.5で
あった。
【0032】実施例1〜4および比較例1〜2 ジャケットの熱媒温度を160℃に設定した直径1イン
チ、L/D=10の連続混合可能な加熱溶融混練機(栗
本鉄工所製「KRC S1」)を用い、表1に示す比率
で分散した各成分の混合物を加熱溶融混練機の原料供給
口から供給し本発明の接着剤組成物および比較の接着剤
組成物を得た。
【0033】
【表1】 (記号等の説明) SBS :「クレイトンD−1155」[シェル化
学(株)製]スチレン含量40%; MI=14 SEPS :「セプトン2043」[(株)クラレ
製]スチレン含量13%; MI=5 C9 :部分水添石油樹脂(C9留分共重合体主
成分)「アルコンM−115」[荒川化学工業(株)
製] 軟化点=115℃ C5/C9 :水添石油樹脂(C5/C9留分共重合体
主成分)「アイマーブP−130」[出光石油化学
(株)製] 軟化点=130℃ OIL :パラフィン系オイル「ダイアナプロセス
オイルPW−90」[出光興産(株)製] 酸化防止剤1:ヒンダードフェノール系酸化防止剤「イ
ルガノックス1010」[チバガイギー社製] 酸化防止剤2:リン系酸化防止剤「アデカスタブ211
2」[旭電化工業(株)製] 紫外線吸収剤:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤「チ
ヌビン328」[チバガイギー社製]
【0034】性能試験例 実施例1〜4および比較例1,2で得られた各ホットメ
ルト接着剤組成物について、下記試験方法によりT型剥
離接着強度、保持力、オイル保持性および加工性を評価
した。その結果を表2に示す。表2の結果から明らかな
ように、本願発明のホットメルト接着剤は、比較例のも
のに比べてT型剥離接着強度、保持力、オイル保持性お
よび加工性のバランスが顕著に優れていることがわか
る。
【0035】試験方法 (T型剥離接着強度)各ホットメルト接着剤組成物を長
さ100mm×幅25mm×厚さ100μmのポリプロ
ピレン不織布に25mm幅でビード状に塗布(塗布温度
150℃、塗布量0.06g/m)し、同じ大きさのポ
リプロピレン不織布または長さ100mm×幅25mm
×厚さ20μmポリエチレンフィルムを張り合わせ、2
5℃雰囲気下で24時間放置した後、オートグラフを用
いて300mm/分の引張速度で剥離強度を測定しMA
X値をT型剥離接着強度とした(単位g/25mm)。 (保持力)厚さ50μmのPETフィルムの間に厚さ4
0μmのホットメルト接着剤組成物を塗布したフィルム
シ−トを長さ100mm×25mm幅にカットしたもの
を試験片とした。この試験片の一部をT型に剥離し、5
0℃雰囲気下で100gの重りを吊し、60分後に剥離
した位置を記録し、剥離した距離を測定した(単位m
m)。 (オイル保持性)各ホットメルト接着剤組成物を濾紙に
塗布し0.5kg/cm2の荷重をかけ、50℃で24
時間保持後、濾紙にオイルの滲みだしの有無を目視で判
定した。 評価基準 ○:滲みだしなし、△:僅かに滲みだしあ
り、×:滲みだしあり (加工性)BH型粘度計を用いて各ホットメルト接着剤
組成物の160℃における溶融粘度を測定した(単位P
a・s)
【0036】
【表2】 (記号等の説明) PE:ポリエチレンフィルム NW:ポリプロピレン不織布
【0037】
【発明の効果】本発明の接着剤用の添加剤を用いたホッ
トメルト接着剤組成物は、従来のものに比べ下記の効果
を有する。 (1)ゴムと粘着付与樹脂および可塑剤との相溶性が向
上するため、凝集力および保持力が良好であり、広範囲
の各種被着体に対して優れた接着力を示し、特にポリオ
レフィン材料等の難接着材料に対する接着力が良好であ
る。 (2)可塑剤の保持性が良好であり、被着体への滲みだ
しがほとんどない。上記の効果を奏することから本発明
のホットメルト接着剤組成物は、各種プラスチックス、
とくにポリオレフィン樹脂成形品用のホットメルト接着
剤または粘着剤として極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−3526(JP,A) 特開 平6−228529(JP,A) 特開 平6−184249(JP,A) 特開 平5−17735(JP,A) 特開 平8−269417(JP,A) 特開 平8−48731(JP,A) 特開 昭53−117034(JP,A) 特開 昭53−138449(JP,A) 特開 平1−139665(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 1/00 - 201/10 CA(STN) REGISTRY(STN) 特許ファイル(PATOLIS)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン、α−メチルスチレン、アルキ
    ル基の炭素数1〜4のアルキルスチレン、ハロゲン化ス
    チレン、N,N−ジエチルアミノスチレンおよびジビニ
    ルベンゼンから選ばれるスチレン系モノマー(a1)3
    0〜90重量%と、脂肪族ジエンおよび脂環族ジエンか
    ら選ばれる炭素数4〜20の脂肪族もしくは脂環族不飽
    和炭化水素化合物(a2)10〜70重量%と、その他
    のモノマー(a3)0〜10重量%とからなり、数平均
    分子量が500〜5,000であり、ガラス転移温度
    (Tg)が20℃以下かつ溶解度パラメーター値(SP
    値)が8〜11である共重合体(A)からなることを特
    徴とする、ゴム、粘着付与樹脂および可塑剤からなる接
    着剤用の、可塑剤保持性改良添加剤。
  2. 【請求項2】 (A)が、(a1)50〜80重量%、
    (a2)20〜50重量%およびその他のモノマー(a
    3)0〜10重量%からなる共重合体である請求項1記
    載の添加剤。
  3. 【請求項3】 (A)のゲルパーミエションクロマトグ
    ラフィー法による分子量分布が1.3〜2.5である請
    求項1または2記載の添加剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか記載の添加剤5〜
    40重量%、ジエン(共)重合体、その(部分)水素化
    体およびエチレン−αオレフィン共重合体から選ばれる
    1種以上のゴム(B)5〜40重量%、粘着付与樹脂
    (C)10〜70重量%および可塑剤(D)30重量%
    以下からなるホットメルト接着剤組成物。
  5. 【請求項5】 可塑剤(D)が下記(1)〜(5)のい
    ずれかから選ばれる可塑剤である請求項4記載の組成
    物。 (1)パラフィン系、ナフテン系もしくはアロマティッ
    ク系のプロセスオイル (2)液状ポリブテン、液状ポリブタジエンおよび液状
    ポリイソプレンから選ばれる液状樹脂 (3)上記(2)の液状樹脂の水素化体 (4)天然もしくは合成ワックス類 (5)上記(1)〜(4)の2種以上の混合物
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載の組成物からなる
    プラスチック成形品用のホットメルト接着剤。
  7. 【請求項7】 ポリオレフィン樹脂成形品同士またはこ
    れと他の被着体とが請求項6記載のホットメルト接着剤
    で接着されてなる接着体。
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