JP7352413B2 - ホットメルト接着シート - Google Patents
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Description
ホットメルト接着シートとしては、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマーを含むシール材などが知られている(例えば、特許文献1)。
ところで、自動車部品どうしや電子部品どうしを所望の位置で精度良く接着させるために自動車部品に仮着させやすいホットメルト接着シートが求められ得る。すなわち、常温において適度な粘着性を有するホットメルト接着シートが求められ得る。
ここで、粘着性を高めるには、低分子量のスチレン系熱可塑性エラストマーを接着層に含ませることが考えられる。
しかし、単に、低分子量のスチレン系熱可塑性エラストマーを接着層に含ませただけでは、高温下において接着層の接着性が低いものとなることが懸念される。特に、近年、ハイブリッド車や電気自動車の需要の高まりから、自動車内に配される電装部品が増加しており、自動車部品どうしの接着に用いられたホットメルト接着シートの周囲が、電装部品からの熱によって高温の環境となりやすくなっている。
よって、ホットメルト接着シートは、高温下においても接着性に優れることが求められ得る。
しかしながら、常温において適度な粘着性を有し、且つ、高温下において接着性に優れるホットメルト接着シートについては、これまで十分に検討がなされていない。
前記ホットメルト接着剤は、スチレン系ブロック共重合体と、テルペン変性フェノール樹脂と、水添脂環族炭化水素系石油樹脂、及び、水添芳香族炭化水素系石油樹脂の少なくとも一方の水添炭化水素系石油樹脂とを含む。
前記スチレン系ブロック共重合体は、スチレン-エチレン・エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体を含むことが好ましい。
前記ホットメルト接着剤は、第1スチレン系ブロック共重合体と、該第1スチレン系ブロック共重合体よりもスチレン含有割合が低い第2スチレン系ブロック共重合体とを含むことが好ましい。
前記第1スチレン系ブロック共重合体は、スチレン-エチレン・エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体であり、
前記第2スチレン系ブロック共重合体は、スチレン-エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体であることが好ましい。
本実施形態に係るホットメルト接着シートは、ポリマーシートで形成された基材層と、該基材層の一方面に設けられ、かつ、被着体に接着される接着層とを有する2層構造となっている。
なお、上記のごとく2層構造を有するホットメルト接着シートを用いて2つの被着体を接着する場合には、例えば、接着層が外側を向くようにホットメルト接着シートを折り畳んで、ホットメルト接着シートに外側を向く2面の接着面を形成させて使用することができる。
前記ホットメルト接着剤は、スチレン系ブロック共重合体と、テルペン変性フェノール樹脂と、水添脂環族炭化水素系石油樹脂、及び、水添芳香族炭化水素系石油樹脂の少なくとも一方の水添炭化水素系石油樹脂とを含むことが重要である。
プロピレンを構成単位に含むソフトセグメントを有するスチレン系ブロック共重合体としては、例えば、スチレン-イソプレンブロック共重合体(SI)の水素化物(スチレン-エチレン・プロピレン共重合体(SPR))、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)の水素化物(スチレン-エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS))、スチレン-ブタジエン・イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIPBS)の水素化物(スチレン-エチレン・エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS))などが挙げられる。
また、その他のスチレン系ブロック共重合体としては、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-エチレン・ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)などが挙げられる。
本実施形態におけるスチレン系ブロック共重合体は、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂に対する優れた接着性を前記接着層に発揮させる上において、基本構造の両末端にポリスチレンブロックを有し、この2つのポリスチレンブロックの間に前記ソフトセグメントを有していることが好ましい。
したがって、本実施形態におけるスチレン系ブロック共重合体としては、スチレン-エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン-エチレン・エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン-エチレン・ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)などが好ましい。
一方で、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂に対する親和性は、主としてソフトセグメントによって発揮されるため、前記スチレン系ブロック共重合体におけるハードセグメントの含有量は一定以下であることが好ましい。
より具体的には、前記スチレン系ブロック共重合体におけるスチレン含有量は、15質量%以上、18質量%以上より好ましく、20質量%以上であることが特に好ましい。
前記スチレン系ブロック共重合体におけるスチレン含有量は、40質量%以下であることが好ましく、35質量%以下であることがより好ましく、32質量%以下であることが特に好ましい。
前記スチレン系ブロック共重合体の質量平均分子量は、40万以下であることが好ましく、38万以下であることがより好ましい。
なお、前記質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定(GPC)によって求められるスチレン換算での質量平均分子量を意味する。
このように構成されることにより、仮着後に、被着体からの接着層の浮きを比較的生じ難くすることができる。
また、前記第1スチレン系ブロック共重合体におけるスチレンの含有割合は、40質量%以下であることが好ましく、32質量%以下であることがより好ましい。
前記第1スチレン系ブロック共重合体の質量平均分子量は、40万以下であることが好ましく、38万以下であることがより好ましい。
なお、前記質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定(GPC)によって求められるスチレン換算での質量平均分子量を意味する。
また、前記第2スチレン系ブロック共重合体におけるスチレンの含有割合は、15質量%以上であることが好ましく、18質量%以上であることがより好ましい。
前記第2スチレン系ブロック共重合体の質量平均分子量は、40万以下であることが好ましく、38万以下であることがより好ましい。
また、本実施形態に係るホットメルト接着シートが前記第1スチレン系ブロック共重合体及び前記第2スチレン系ブロック共重合体を含む場合、本実施形態に係るホットメルト接着シートは、前記第1スチレン系ブロック共重合体及び前記第2スチレン系ブロック共重合体を100質量部としたときに、前記第2スチレン系ブロック共重合体を60質量部以下含んでいることが好ましい。
具体的には、前記水添炭化水素系石油樹脂は、JIS K 0070-1992「化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価及び不けん化物の試験方法」に従って測定されるよう素価が15g/100g以下であることが好ましく、10g/100g以下であることがより好ましい。
前記水添炭化水素系石油樹脂は、タッキファイヤーであることが好ましい。
なお、本実施形態において、軟化点は、JIS K2207-1996「石油アスファルト」などに記載の「軟化点試験方法(環球法)」によって測定することができる。
また、本実施形態に係るホットメルト接着シートは、前記テルペン変性フェノールを含有することにより、高温接着性に優れたものとなる。
本実施形態に係るホットメルト接着シートは、前記スチレン系ブロック共重合体100質量部に対して、前記テルペン変性フェノール樹脂を15質量部以下含有することが好ましく、12質量部以下含有することがより好ましい。
また、本実施形態に係るホットメルト接着シートが前記第1スチレン系ブロック共重合体及び前記第2スチレン系ブロック共重合体を含む場合、本実施形態に係るホットメルト接着シートは、前記第1スチレン系ブロック共重合体及び前記第2スチレン系ブロック共重合体の100質量部に対して、前記水添脂環族炭化水素系石油樹脂を90質量部以下含むことが好ましく、80質量部以下含むことがより好ましい。
また、本実施形態に係るホットメルト接着シートが前記第1スチレン系ブロック共重合体及び前記第2スチレン系ブロック共重合体を含む場合、本実施形態に係るホットメルト接着シートは、前記第1スチレン系ブロック共重合体及び前記第2スチレン系ブロック共重合体の100質量部に対して、前記テルペン変性フェノール樹脂を15質量部以下含むことが好ましく、12質量部以下含むことがより好ましい。
なお、粘着力は、室温(23℃)の環境下でタック試験(ASTMD2979(転倒試験機による接着剤の感圧粘着性試験法))を行うことで求めることができる。
具体的には、まず、接着層が上側となるようにホットメルト接着シートを水平な台に載置する。
次に、円柱状のプローブ(φ2mm、材質:SUS304)を接着層の表面に一定荷重(300gf/2mmφ)をかけながら、1秒間接触させる。
そして、プローブを接着面から垂直方向に引き離すのに要する力(kN/m2)を粘着力として求める。
なお、プローブの押し込み速度を5mm/minとし、引き離し速度を120mm/minとし、試験距離(接着層の表面からプローブを引き離す際の接着層の表面とプローブとの間の距離)を1.0mmとする。
なお、85℃におけるピール強度は、以下のようにして求めることができる。
まず、ホットメルト接着シートから幅10mmの短冊状試料を切り出す。
次に、該短冊状試料の接着層をSUS板(厚み:0.4mm)の表面に熱プレスにより熱接着させ、室温になるまで冷却させることにより、試験体を得る。
そして、試験体を85℃の環境下に7分間置く。
そして、引張り試験機を用い、85℃の環境下、300mm/minの試験速度で、SUS板からホットメルト接着シートを引っ張ることで、180度ピール試験を実施し、85℃の環境下におけるピール強度(N/10mm)を求める。
ホットメルト接着シートは、接着層のみを有する単層構造であってもよいし、基材層の両面に接着剤層が積層された3層構造であってもよい。
要すれば、本発明に係るホットメルト接着シートは、単層または多層で形成され、少なくとも、接着層を有していればよい。
なお、接着層のみを有する単層構造のホットメルト接着シートを用いて2つの被着体を接着させる場合には、ホットメルト接着シートの互いに対向する2つの接着面に、各被着体を接着させる。
以下のスチレン系ブロック共重合体、及び、以下の水添炭化水素系石油樹脂を下記表1に示す配合で有機溶媒中に含有させたワニスを調製した。
そして、該ワニスをポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:50μm)にコーティングした後に乾燥させて、乾燥厚み約50μmの接着層を有する、実施例1~10及び比較例1~4のホットメルト接着シートを作製した。
SEEPS:スチレン-エチレン・エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体(質量平均分子量:26万、スチレン含有量:30質量%)
SEPS:スチレン-エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体(質量平均分子量:25万、スチレン含有量:20質量%)
SEBS:スチレン-エチレン・ブチレン-スチレンブロック共重合体(質量平均分子量:16万、スチレン含有量:30質量%)
脂環族飽和炭化水素石油樹脂(a)(軟化点:90℃)
脂環族飽和炭化水素石油樹脂(b)(軟化点:100℃)
脂環族飽和炭化水素石油樹脂(c)(軟化点:115℃)
脂環族飽和炭化水素石油樹脂(d)(軟化点:125℃)
水添芳香族炭化水素系石油樹脂(軟化点:100℃)
テルペン変性フェノール樹脂(軟化点:133℃)
ホットメルト接着シートの接着層において、室温(23℃)の環境下でタック試験(ASTMD2979(転倒試験機による接着剤の感圧粘着性試験法))を行った。
具体的には、まず、接着層が上側となるようにホットメルト接着シートを水平な台に載置した。
次に、円柱状のプローブ(φ2mm、材質:SUS304)を接着層の表面に一定荷重(300gf/2mmφ)をかけながら、1秒間接触させた。
そして、プローブを接着面から垂直方向に引き離すのに要する力(kN/m2)を粘着力として求めた。
なお、プローブの押し込み速度を5mm/minとし、引き離し速度を120mm/minとし、試験距離を1.0mmとした。
また、仮着性を以下の基準で評価した。
◎:粘着力が320kN/m2以上であった場合
○:粘着力が20kN/m2以上320kN/m2未満であった場合
△:粘着力が15kN/m2以上20kN/m2未満であった場合
×:粘着力が15kN/m2未満であった場合
結果を下記表1に示す。
実施例及び比較例のホットメルト接着シートから幅10mmの短冊状試料を切り出した。
次に、該短冊状試料の接着層をSUS板(厚み:0.4mm)の表面に熱プレス(圧力:0.2MPa、温度:60℃、時間:5秒)により熱接着させ、室温になるまで十分に冷却させることにより、試験体を得た。
そして、引張り試験機を用い、室温(23℃)の環境下、300mm/minの試験速度で、SUS板からホットメルト接着シートを引っ張ることで、180度ピール試験を実施し、室温の環境下におけるピール強度(N/10mm)を求めた。
結果を下記表1に示す。
上記ピール試験1と同様にして、試験体を得た。
次に、試験体を85℃の環境下に7分間置いた。
そして、引張り試験機を用い、85℃の環境下、300mm/minの試験速度で、SUS板からホットメルト接着シートを引っ張ることで、180度ピール試験を実施し、85℃の環境下におけるピール強度(N/10mm)を求めた。
また、高温接着性を以下の基準で評価した。
○:85℃の環境下におけるピール強度が5.00N/10mm以上であった場合
△:85℃の環境下におけるピール強度が3.00N/10mm以上5.00N/10mm未満であった場合
×:85℃の環境下におけるピール強度が3.00N/10mm未満であった場合
結果を下記表1に示す。
また、実施例のホットメルト接着シートは、粘着力が19.7kN/m2以上と高い値を示した。
従って、本発明によれば、常温において適度な粘着性を有し、且つ、高温下において接着性に優れるホットメルト接着剤を提供し得ることがわかる。
第1スチレン系ブロック共重合体としてのスチレン-エチレン・エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)、第2スチレン系ブロック共重合体としてのスチレン-エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)、水添炭化水素系石油樹脂としての脂環式飽和炭化水素系石油樹脂(a)、及び、テルペン変性フェノール樹脂を下記表2に示す配合で有機溶媒中に含ませたワニスを調製した。
そして、このワニスをポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm)にコーティングした後に乾燥させて、乾燥厚さ約50μmの接着層を有するホットメルト接着シートを得た。
なお、SEEPSは、質量平均分子量が26万、スチレンの含有割合が30質量%であり、SEPSは、質量平均分子量が26万、スチレンの含有割合が20質量%であった。
また、脂環式飽和炭化水素系石油樹脂(a)は、軟化点が100℃であり、テルペン変性フェノール樹脂は、軟化点が135℃であった。
第1スチレン系ブロック共重合体としてのSEEPSと第2スチレン系ブロック共重合体としてのSEPSとの配合割合を下記表2に示すように変えた(SEEPSの質量部:SEPSの質量部=70:30)以外は、実施例11と同様にしてワニスを調製した後、このワニスをポリエチレンテレフタレートフィルムにコーティングして、乾燥厚さ約50μmの接着層を有するホットメルト接着シートを得た。
第1スチレン系ブロック共重合体としてのSEEPSと第2スチレン系ブロック共重合体としてのSEPSとの配合割合を下記表2に示すように変えた(SEEPSの質量部:SEPSの質量部=50:50)以外は、実施例11と同様にしてワニスを調製した後、このワニスをポリエチレンテレフタレートフィルムにコーティングして、乾燥厚さ約50μmの接着層を有するホットメルト接着シートを得た。
水添炭化水素系石油樹脂として、脂環式飽和炭化水素系石油樹脂(a)に代えて、脂環式飽和炭化水素系石油樹脂(b)を用いた以外は、実施例12と同様にして、下記表2に示す配合割合でワニスを調製した後、このワニスをポリエチレンテレフタレートフィルムにコーティングして、乾燥厚さ約50μmの接着層を有するホットメルト接着シートを得た。
なお、脂環式飽和炭化水素系石油樹脂(b)は、軟化点が115℃であった。
水添炭化水素系石油樹脂として、脂環式飽和炭化水素系石油樹脂(a)に代えて、脂環式飽和炭化水素系石油樹脂(b)を用いた以外は、実施例13と同様にして、下記表2に示す配合割合でワニスを調製した後、このワニスをポリエチレンテレフタレートフィルムにコーティングして、乾燥厚さ約50μmの接着層を有するホットメルト接着シートを得た。
図1に示すように、凹凸追従性を評価するための被着体10として、一辺が10mmの正方形状のポリイミドフィルム11の一方面を、厚さ10μmのエッチング樹脂膜12(エッチング樹脂は、アルカリ除去型レジストインキ114 Gray(吉川化工社製)))で覆い、該エッチング樹脂膜12に所定のパターンを焼き付けた後、前記エッチング樹脂膜12をエッチング処理したものを用いた(図1参照)。前記エッチング樹脂膜12に焼き付けるパターンは、帯状の樹脂膜部分12aの幅が0.65~0.7mmとなり、かつ、隣り合う帯状の樹脂膜部分12a同士の間隔が1.25mmとなるようなパターンとした。
この被着体10の一方面(樹脂膜部分12aが残存している面)に、実施例11~15に係るホットメルト接着シートの接着層を当接させて積層体とした後、ホットメルト接着シート側及び被着体側から前記積層体をそれぞれプレスして、被着体と実施例11~15に係るホットメルト接着シートとを仮着させた。
仮着に際して、プレス圧力は、0.8MPaとし、プレス温度は、室温(23℃)、60℃、及び、70℃とした。また、各例に係るホットメルト接着シートは、一辺が10mmの正方形状に切り出した。
被着体と実施例11~15に係るホットメルト接着シートとを仮着させた後、被着体からの実施例11~15に係るホットメルト接着シートの浮きの状態を、ホットメルト接着シート側から観察した。その結果を図2に示した。
また、この傾向は、第2スチレン系ブロック共重合体の割合が高くなるほど、顕著であった。特に、第1スチレン系ブロック共重合体及び第2スチレン系ブロック共重合体の合計を100質量部としたときに、第2スチレン系ブロック共重合体が50質量部である実施例13に係るホットメルト接着シートでは、被着体からのホットメルト接着シートの浮き上がりは殆ど認められなかった。
そして、実施例14及び15に係るホットメルト接着シートにおいても、上記したのと同様の傾向が認められた。
この結果から、表面に凹凸を有する被着体であっても、第1スチレンブロック共重合体と、第1スチレンブロック共重合体よりもスチレン含有割合が低い第2スチレンブロック共重合体とを組み合わせることにより、被着体からの仮着後におけるホットメルト接着シートの浮き上がりを抑制できることが分かった。
実施例13及び15に係るホットメルト接着シートについて、室温、60℃、及び、70℃における、被着体からの浮き面積の割合を算出した結果を以下の表3に示した。
浮き面積の割合は、実施例13及び15に係るホットメルト接着シートを被着体に仮着させた後に、図1中において確認される白色部分の面積を算出し、算出した白色部分の面積を、切り出したホットメルト接着シートの面積(100mm2)で除することにより算出した。
この結果からも、表面に凹凸を有する被着体であっても、第1スチレンブロック共重合体と、第1スチレンブロック共重合体よりもスチレン含有割合が低い第2スチレンブロック共重合体とを組み合わせることにより、被着体からの仮着後におけるホットメルト接着シートの浮き上がりを抑制できることが分かった。
実施例11~15に係るホットメルト接着シートについて、室温及び高温(85℃)環境下でのピール強度を測定した結果を、図3に示した。
この結果から、実施例11~15に係るホットメルト接着シートは、高温環境下において、接着性に優れることが確認された。
Claims (2)
- ホットメルト接着剤を含む接着層を有するホットメルト接着シートであって、
前記ホットメルト接着剤は、スチレン系ブロック共重合体と、テルペン変性フェノール樹脂と、水添脂環族炭化水素系石油樹脂、及び、水添芳香族炭化水素系石油樹脂の少なくとも一方の水添炭化水素系石油樹脂とを含み、
前記スチレン系ブロック共重合体は、スチレン-エチレン・エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体を含み、
前記スチレン-エチレン・エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体の100質量部に対して、前記水添炭化水素系石油樹脂を80質量部以上160質量部以下含み、
前記スチレン-エチレン・エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体の100質量部に対して、前記テルペン変性フェノール樹脂を3質量部以上15質量部以下含んでいる
ホットメルト接着シート。 - 前記ホットメルト接着剤は、前記スチレン系ブロック共重合体として、スチレン-エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体をさらに含む
請求項1に記載のホットメルト接着シート。
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