JP2005247979A - 楕円球状有機ポリマー粒子およびその製造方法 - Google Patents

楕円球状有機ポリマー粒子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 光散乱性および集光性等の光学特性、滑り性等の摩擦特性などの向上を図ることができる、高アスペクト比を有する楕円球状有機ポリマー粒子を提供すること。
【解決手段】 1つの連続する曲面を有する楕円球状有機ポリマー粒子であって、イオン性官能基を有するとともに、粒子の長軸方向と直交する方向から光を照射して得られる投影二次元図の長径(L1)と短径(D1)とから算出されるアスペクト比(P1)=長径(L1)/短径(D1)が(P 1 )≧1.8を満たす楕円球状有機ポリマー粒子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、楕円球状有機ポリマー粒子およびその製造方法に関する。
ミクロンサイズの高アスペクト比を有する粒子またはフィラーは、充填剤や検体として電子・電気材料、光学材料、建築材料、生物・医薬材料、化粧料等の種々の分野で使用されている。
一般に汎用されている高アスペクト比を有する粒子の多くは、金属酸化物等の無機材料からなるものである。
このような無機材料は、比重が有機物に比べて大きいため、フィルムや成形品等の使用用途によっては均一に分散させることが難しいだけでなく、樹脂と馴染みにくいことから、成形品や、その性能に不都合が生じる場合があった。
ところで、近年、樹脂粒子の開発が進むにつれ、従来汎用されていた、粉砕法および溶液重合法等から得られる不定形または球状粒子とは異なる、円板状や扁平状などの特異な形状を有する樹脂粒子が開発されている(特許文献1:特公平6−53805号公報、特許文献2:特開平5−317688号公報、特許文献3:特開2000−38455号公報等)。
これらの粒子は、隠蔽性、白色度、光拡散性等の各特性において、従来の球状粒子よりも優れていることから、静電荷現像剤(特許文献4:特開平8−202074号公報)、情報記録紙等の紙用の塗料・コーティング剤(特許文献5:特開平2−14222号公報)、接着剤(特許文献6:特許第2865534号公報)、光拡散シート(特許文献7:特開2000−39506号公報)などの様々な分野に応用されている。
その一方で、いずれの粒子も板状であるが、タルク,マイカ等の無機化合物からなる板状粒子と比較した場合、滑り性、集光性、光拡散性等の顕著な向上は未だ達成できていない。
そこで、これらの特性を向上すべく、最近、境界線を基準に二つの曲面で形成した特異的な形状を有する樹脂粒子が報告され(特許文献8:国際公開第01/070826号パンフレット)、この樹脂粒子を用いて、滑り性、集光性、光拡散性等の向上が検討されている。
これら各特性は、粒子の大きさやアスペクト比にも大きく左右されるものであるが、特許文献8の方法では、高アスペクト比かつミクロンサイズの粒子を製造することは困難であり、大きさおよび形状の両面において、さらなる改良が求められている。
また、高アスペクト比を有する有機物粒子は、例えば、溶融、紡糸および切断の各工程からなる機械的手法により製造することも可能であるが、この方法では、粒子サイズをミクロンサイズまで小さくすることは技術的に困難であるだけでなく、量産化する場合には時間と労力を要する。しかも、このような機械的方法では、中央部分が太く両極に向かうにつれて細くなるような高精度の楕円球状粒子を、破断面の無い状態で得ることは困難である。
以上のように、光散乱性および集光性等の光学特性、滑り性等の摩擦特性、付着性、固着性、成形品の耐衝撃強度および引張り強度等の材料力学上の特性、現像剤の荷電性を維持したままでのクリーニング特性、塗料の艶消し性、隠蔽性等の様々な特性を向上し得る可能性を持つ、高アスペクト比かつミクロンサイズの滑らかな球面を有する楕円球状有機物粒子は、現在までのところ知られていない。
特公平6−53805号公報 特開平5−317688号公報 特開2000−38455号公報 特開平8−202074号公報 特開平2−14222号公報 特許第2865534号公報 特開2000−39506号公報 国際公開第01/070826号パンフレット
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、光散乱性および集光性等の光学特性、滑り性等の摩擦特性などの向上を図ることができる、高アスペクト比を有する楕円球状有機ポリマー粒子およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、イオン性官能基が導入された、1つの連続する曲面を有する楕円球状有機ポリマー粒子において、この粒子の長軸方向と直交する方向から光を照射して得られる投影二次元図の長径(L1)と短径(D1)とから算出されるアスペクト比(P1)を1.8以上とすることで、光散乱性および集光性等の光学特性等を著しく向上し得ることを見出すとともに、この楕円球状有機ポリマー粒子が溶液重合法、好ましくは、分散重合法により、化学的に簡便かつ効率的に製造できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1.1つの連続する曲面を有する楕円球状有機ポリマー粒子であって、イオン性官能基を有するとともに、前記粒子の長軸方向と直交する方向から光を照射して得られる投影二次元図の長径(L1)と短径(D1)とから算出されるアスペクト比(P1)=長径(L1)/短径(D1)が(P 1 )≧1.8を満たすことを特徴とする楕円球状有機ポリマー粒子、
2.前記長径(L1)が、0.001〜10000μmであることを特徴とする1の楕円球状有機ポリマー粒子、
3.前記イオン性官能基が、アニオン性官能基であることを特徴とする1または2の楕円球状有機ポリマー粒子、
4.前記イオン性官能基が、対イオンを有する塩であることを特徴とする1または2の楕円球状有機ポリマー粒子、
5.前記アニオン性官能基が、対イオンとして金属カチオンを有することを特徴とする3の楕円球状有機ポリマー粒子、
6.1または2の楕円球状有機ポリマー粒子の製造方法であって、イオン性官能基および重合性基を有する第1の有機モノマーと、これと重合可能な第2の有機モノマーとを溶液重合させることを特徴とする楕円球状有機ポリマー粒子の製造方法、
7.前記第1および第2の有機モノマーが、合計1〜80質量%含まれる溶液を用いることを特徴とする6の楕円球状有機ポリマー粒子の製造方法、
8.さらに分散剤が存在する溶液中で分散重合させることを特徴とする6または7の楕円球状有機ポリマー粒子の製造方法
を提供する。
本発明の楕円球状有機ポリマー粒子は、1つの連続する曲面を有するとともに、1.8以上という高いアスペクト比を有しているから、高い光の拡散性を有するものであるだけでなく、光の透過性が高い状態で光を拡散することができる。
また、主成分が有機成分であるから、樹脂添加剤として用いた場合、樹脂の屈折率を容易に変更することができる。
有機ポリマー粒子であり、無機粒子に比べて比重が小さいから、樹脂の添加剤として用いた場合、被添加物である樹脂中での分散性および樹脂との親和性に優れるため、フィルム等の樹脂成形品の強度等機械的物性の向上を図ることができる。
また、主成分が有機成分であるから、粒子表面を容易に無機または有機コーティング処理することができる結果、機能性のカプセルを作製することができ、しかもイオン性官能基を有する粒子であるから、この官能基を修飾することで、多機能な粒子を作製することができる。
さらに、主成分が有機成分であるから、顔料、染料等を用いた着色が容易に行え、塗料やトナー材料など着色材料分野にも応用できる。
このような高アスペクト比の楕円球状有機ポリマー粒子は、メッキ加工処理や真空放電蒸着等することにより、電磁波シールド用のフィラー、プラスチック材等に導電性を付与する導電性フィラー、並びに液晶ディスプレイパネルの電極と駆動用LSIとの接続、LSIチップの回路基板への接続、およびその他の微小ピッチの電極端子間を接続するための導電材料等の導電素材に用いられる導電性粒子として、新たな応用が可能である。
本発明の楕円球状有機ポリマー粒子は高アスペクト比を有し、しかもミクロンサイズとすることも容易であるから、充填剤や検体等として、電子・電気材料、光学材料、建築材料、生物・医薬材料、化粧料等様々な分野で応用可能である。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係る楕円球状有機ポリマー粒子は、1つの連続する曲面を有する楕円球状有機ポリマー粒子であって、イオン性官能基を有するとともに、粒子の長軸方向と直交する方向から光を照射して得られる投影二次元図の長径(L1)と短径(D1)とから算出されるアスペクト比(P1)=長径(L1)/短径(D1)が(P 1 )≧1.8を満たすことを特徴とする。
ここで、「1つの連続する曲面」とは、境界線や破断等のない、滑らかな曲面をいう。
本発明において楕円球状有機ポリマー粒子の長軸方向と直交する方向から光を照射して得られる投影二次元図におけるアスペクト比(P 1 )は、(P 1 )≧1.8であるが、光の拡散性能および組成物化した場合における楕円球状有機ポリマー粒子の形状の維持(硬度)という観点から、2.0≦(P 1 )≦20が好ましく、2.2≦(P 1 )≦15がより好ましく、2.5≦(P 1 )≦10が最適である。
さらに、楕円球状有機ポリマー粒子の粒子の長軸方向から見た場合の形状(すなわち長軸方向から光を照射して得られる投影二次元図の形状と同義)は、略円形状または長径と短径との比が1に近い楕円形状であることが好ましい。
本発明の楕円球状有機ポリマー粒子の長軸方向と直交する方向から光を照射して得られる投影二次元図における長径(L1)は、0.001〜10000μmであり、0.05〜10000μmが好ましく、0.1〜1000μmがより好ましく、0.5〜500μmがより一層好ましく、1〜200μmが最適である。長径(L1)が10000μm超える粒子を作製することもできるが、紡糸等を用いた機械的手法で作製可能な領域であり、そのメリットは少ない。一方、長径(L1)が0.001μm未満であると、粒子径が小さすぎるために、他の粒子と凝集し易くなり、単分散化した粒子が得られない可能性が高い。
有機ポリマー粒子が有するイオン性官能基としては、アニオン性官能基、カチオン性官能基のどちらでもよい。アニオン性官能基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基およびこれらの塩などが挙げられる。カチオン性官能基としては、アミノ基、イミダゾール基、ピリジン基、アミジノ基およびこれらの塩などが挙げられる。
特に、汎用品が多く、種類が豊富であり、かつ楕円状粒子の大きさ、形状等を効率良く制御できることから、アニオン性官能基が好適であり、分子内への導入が容易であるとともに、安定性および安全性に優れていることから、中でも、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基およびこれらの誘導体から選ばれる一種以上の官能基であることが好ましい。
これらのイオン性官能基の対イオンとなりうる化合物としては、アニオン性官能基に対しては金属カチオン、アンモニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ホスホニウムカチオン等が挙げられ、カチオン性官能基に対しては塩化物、臭化物、ヨウ化物等のハロゲン化物イオン等が挙げられる。
アニオン性官能基を用いる場合、製造コストおよび種類の豊富さと楕円状粒子の精度、大きさ、形状等を効率良く制御できることを考慮すると、対イオンとして、特に、金属カチオンが好適である。
金属カチオンとしては、リチウム,ナトリウム,ルビジウム,セシウム等のアルカリ金属カチオン、マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,バリウム等のアルカリ土類金属カチオン、アルミニウム等のその他の非遷移金属カチオン、亜鉛,銅,マンガン,ニッケル,コバルト,鉄,クロム等の遷移金属等の酸化物、水酸化物、炭酸化物等の遷移金属含有カチオンが挙げられる。
なお、イオン性官能基の導入方法としては、特に限定されるものではなく、非イオン性モノマーを原料として得られた樹脂を後から変性する方法、イオン性官能基を含有するモノマーを原料として重合させる方法が挙げられる。イオン性官能基導入の確実性および容易性、並びに製造コストの低減化を図るとともに、高アスペクト比の楕円球状有機ポリマー粒子を確実に得ることを考慮すると、後者の方法が好適である。
また、粒子を構成するポリマーの分子量としては、特に限定されるものではなく、通常、重量平均分子量で、1,000〜3,000,000程度である。なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーによる測定値である。
以上のような楕円球状有機ポリマー粒子は、イオン性官能基および重合性基を有する第1の有機モノマーと、これと重合可能な第2の有機モノマーとを溶液重合させることで製造することができる。ここで、イオン性官能基を有さないモノマーを用いると、得られる粒子は球状粒子となり易く、上記のようなアスペクト比を有する楕円球状粒子が得られない可能性が高い。この理由は定かではないが、イオン性官能基がモノマー中に存在することで、粒子形成時に表面張力が変化することに起因するものと推測される。
溶液重合としては、(1)水溶液中で行う乳化または懸濁重合、(2)非水系有機溶媒中または水と非水系有機溶媒との混合溶媒中、分散剤の存在下で行う分散重合、(3)上記(1)または(2)とシード法を組み合わせる方法などが挙げられるが、粒子径が制御し易く、洗浄などの後工程で処理が容易となるという点から、分散重合を用いることが好ましい。
第1の有機モノマーが有するイオン性官能基としては、アニオン性官能基を有するモノマー、カチオン性官能基を有するモノマーのどちらであってもよい。また、重合性基としては、重合可能な官能基であれば、特に限定されるものではなく、炭素−炭素不飽和結合、水酸基、アミノ基、エポキシ基、チオール基、イソシアネート基、オキサゾリン基、カルボジイミド基等の反応性官能基が挙げられる。
第1の有機モノマーのうち、アニオン性官能基を有するモノマーとしては、例えば、モノカルボン酸系モノマー、ジカルボン酸系モノマー、スルホン酸系モノマー、硫酸エステル系モノマー、フェノール性水酸基含有モノマー、リン酸系モノマー等が挙げられる。
モノカルボン酸系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノC1〜8アルキルエステル、イタコン酸モノC1〜8アルキルエステル、ビニル安息香酸およびこれらの塩などが挙げられる。
ジカルボン酸系モノマーとしては、(無水)マレイン酸、α−メチル(無水)マレイン酸、α−フェニル(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびこれらの塩などが挙げられる。
スルホン酸系モノマーとしては、エチレンスルホン酸,ビニルスルホン酸,(メタ)アリルスルホン酸等のアルケンスルホン酸、スチレンスルホン酸,α−メチルスチレンスルホン酸等の芳香族スルホン酸、C1〜10アルキル(メタ)アリルスルホコハク酸エステル、スルホプロピル(メタ)アクリレート等のスルホC2〜6アルキル(メタ)アクリレート、メチルビニルスルフォネート,2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸,2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸,3−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸,3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸,2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸,3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有不飽和エステルおよびこれらの塩などが挙げられる。
硫酸エステル系モノマーとしては、ポリオキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル化物等の(メタ)アクリロイルポリオキシアルキレン(重合度2〜15)硫酸エステルおよびこれらの塩などが挙げられる。
フェノール性水酸基含有モノマーとしては、ヒドロキシスチレン、ビスフェノールAモノアリルエーテル、ビスフェノールAモノ(メタ)アクリルエステルおよびこれらの塩などが挙げられる。
リン酸基系モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート,フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル燐酸モノエステル、ビニルリン酸などが挙げられる。
なお、この場合、塩としては、ナトリウム塩,カリウム塩等のアルカリ金属塩、トリエタノールアミン等のアミン塩、テトラC4〜18アルキルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩等などが挙げられる。
一方、カチオン性官能基を有するモノマーとしては、1級アミノ基含有モノマー、2級アミノ基含有モノマー、3級アミノ基含有モノマー、第4級アンモニウム塩基含有モノマー、複素環含有モノマー、ホスホニウム基含有モノマー、スルホニウム基含有モノマー、スルホン酸基含有重合性不飽和モノマーなどが挙げられる。
1級アミノ基含有モノマーとしては、(メタ)アリルアミン,クロチルアミン等のC3〜6アルケニルアミン、アミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノC2〜6アルキル(メタ)アクリレート、ビニルアニリン,p−アミノスチレン等の芳香環と1級アミノ基を有するモノマー、エチレンジアミン、ポリアルキレンポリアミンなどが挙げられる。
2級アミノ基含有モノマーとしては、t−ブチルアミノエチルメタクリレート,メチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のC1〜6アルキルアミノC2〜6アルキル(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アリルアミン等のC6〜12のジアルケニルアミン、エチレンイミン、ジアリルアミンなどが挙げられる。
3級アミノ基含有モノマーとしては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート,N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート,N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート,N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート,N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート等のジC1〜4アルキルアミノC2〜6アルキル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド,N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジC1〜4アルキルアミノC2〜6アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノスチレン等の芳香環と3級アミノ基とを有するモノマーなどが挙げられる。
第4級アンモニウム塩基含有モノマーとしては、C1〜12アルキルクロライド,ジアルキル硫酸,ジアルキルカーボネート,ベンジルクロライド等の4級化剤を用いて3級アミンを4級化したものが挙げられる。
例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド,2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムブロマイド,(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロライド,(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド,(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルモルホリノアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリレート系第4級アンモニウム塩、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムクロライド,(メタ)アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムブロマイド,(メタ)アクリロイルアミノエチルトリエチルアンモニウムクロライド,(メタ)アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリルアミド系第4級アンモニウム塩、ジメチルジアリルアンモニウムメチルサルフェート,トリメチルビニルフェニルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウム(メタ)アクリレート、トリメチルベンジルアンモニウム(メタ)アクリレート、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムジメチルホスフェート等のその他の第4級アンモニウム塩基含有モノマーが挙げられる。
複素環含有モノマーとしては、N−ビニルカルバゾール,N−ビニルイミダゾール,N−ビニル−2,3−ジメチルイミダゾリン,N−メチル−2−ビニルイミダゾリン,2−ビニルピリジン,4−ビニルピリジン、N−メチルビニルピリジン、オキシエチル−1−メチレンピリジン等が挙げられる。
ホスホニウム基含有モノマーとしては、グリシジルトリブチルホスホン等が挙げられる。
スルホニウム基含有モノマーとしては、2−アクリロキシエチルジメチルスルホン、グリシジルメチルスルホニウム等が挙げられる。
スルホン酸基含有重合性不飽和モノマーとしては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などの(メタ)アクリルアミド−アルカンスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリレートなどのスルホアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記カチオン性官能基を有するモノマーは、塩酸塩,リン酸塩等の無機酸塩、ギ酸塩,酢酸塩等の有機酸塩として用いることもできる。
また、以上で説明したアニオン性官能基を有するモノマーおよびカチオン性官能基を有するモノマーは、それぞれ1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
なお、以上の説明において「C」は炭素数を意味する。
上述のイオン性官能基を有する第1の有機モノマーと重合可能な第2の有機モノマーとしては、第1の有機モノマーが有する重合性基に応じて適宜なモノマーを選択すればよく、例えば、(i)スチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレンなどのスチレン類、(ii)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチルアクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸エステル類、(iii)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類、(iv)アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの(メタ)アクリル酸誘導体、(v)ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類、(vi)ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類、(vii)N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物、(viii)フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、またはアクリル酸トリフルオロエチル、アクリル酸テトラフルオロプロピレルなどのフッ素アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる。
また、第1の有機モノマーの重合性基によっては、水酸基、アミノ基、エポキシ基、チオール基、イソシアネート基、オキサゾリン基、カルボジイミド基等の反応性官能基を有するモノマーも用いることができる。
なお、これらの有機モノマーは、1種単独で、または2種類以上組み合わせて用いることができる。
第1の有機モノマー、第2の有機モノマーとしては、特に、下記のα群から選ばれる少なくとも1種と、β群から選ばれる少なくとも1種との組み合わせを好適に採用することができる。
(1)第1の有機モノマーα群
スチレン系スルホン酸塩、スチレン系カルボン酸塩、(メタ)アクリル酸塩、(メタ)アクリル酸エステル系カルボン酸塩、(メタ)アクリル酸エステル系スルホン酸塩、ビニル系スルホン酸塩、ビニル系カルボン酸塩、(メタ)アクリル系スルホン酸塩、(メタ)アクリル系カルボン酸塩
(2)第2の有機モノマーβ群
スチレン系モノマー、(メタ)アクリル系モノマー
本発明の楕円球状有機ポリマー粒子の製造にあたり、上記第1の有機モノマーと、第2の有機モノマーとの使用比率は、特に限定されるものではなく、例えば、質量比で第1の有機モノマー:第2の有機モノマー=1:99〜99:1とすることができる。得られる粒子のアスペクト比をより高め、理想的な楕円球状に近づけるということを考慮すると、これらの使用比率は、第1の有機モノマー:第2の有機モノマー=5:95〜50:50が好ましく、10:90〜40:60がより好ましい。
また、反応溶液中における、第1の有機モノマーと第2の有機モノマーとの合計の含有量(以下、重合成分含有量という)は、得られる粒子のアスペクト比をより高め、理想的な楕円球状の粒子を効率よく製造するという点から、全反応溶液中1〜80質量%とすることが好ましく、より好ましくは、5〜50質量%、さらに好ましくは10〜30質量%である。
すなわち、重合成分含有量が、80質量%を超えると、当該成分が過剰となりすぎて溶液中でのバランスが崩れ、球状粒子となり易く、その結果、単分散化した楕円球状粒子を得ることが困難になる。一方、1質量%未満であると、目的とする形状の粒子は得られるものの、反応が完結するまでに長時間を要し、実用的ではない。
重合時の反応温度は、使用する溶媒の種類によっても変わるものであり、一概には規定できないが、通常、−100〜200℃程度であり、好ましくは0〜150℃、さらに好ましくは40〜100℃である。
また、反応時間は、粒子の楕円球状化がほぼ完結するのに要する時間であれば特に限定されるものではなく、モノマー種およびその配合量、イオン性官能基の種類、溶液の粘度およびその濃度等に大きく左右されるが、目的とする楕円球状の粒子を理想的な形状で、かつ、効率的に製造することを考慮すると、例えば、40〜100℃の場合、2〜24時間、好ましくは8〜16時間程度がよい。
重合反応に使用する溶媒としては、一般的に汎用されている各種溶媒から重合成分の溶解能などに応じて適宜選択して用いればよい。
例えば、水;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、t−ペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチルブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレンブリコールモノブチルエーテル等のエーテルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル類;ペンタン、2−メチルブタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、デカン、ノナン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、p−メンタン、ジシクロヘキシル、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の脂肪族または芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、テトラブロムエタン等のハロゲン化炭化水素類;エチルエーテル、ジメチルエーテル、トリオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;メチラール、ジエチルアセタール等のアセタール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の脂肪酸類;ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリル等の硫黄、窒素含有有機化合物類;イオン性液体等が挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で、または2種類以上混合して用いることができる。
イオン性液体としては、カチオンおよびアニオンを含んで構成されるイオン性の液体であれば特に限定されるものではない。カチオンとしては、例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムイオン、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムイオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、N−プロピルピリジニウムイオン、N−ブチルピリジニウムイオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムイオン、1−ブチル−2,4−ジメチルピリジニウムイオン等が挙げられる。アニオンとしては、例えば、BF4 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、AlCl4 -、HSO4 -、ClO4 -、CH3SO3 -、CF3SO3 -、CF3CO2 -、(CF3SO22-、Cl-、Br-、I-等が挙げられる。
特に上記第1および第2のモノマーを容易に分散または溶解させるとともに、これらの共重合性を向上し得るという点から、水、水溶性有機溶媒または水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いることが好ましい。ここで、水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
なお、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒とする場合、これらの混合割合は、質量比で水:水溶性有機溶媒=1:99〜99:1、好ましくは10:90〜70:30、特に20:80〜50:50とすることが好ましい。
ラジカル重合反応を行う際に用いられる重合開始剤としては、公知の種々の重合開始剤を用いることができ、例えば、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライド、2,2′−アゾビス−2−シアノプロパン−1−スルホン酸二ナトリウム等のアゾ系化合物などの、各種油溶性、水溶性、イオン性の重合開始剤が挙げられる。これらの重合開始剤は、1種単独で、または2種類以上混合して用いることができる。
楕円球状有機ポリマー粒子の製造の際には、重合方法に応じて(高分子)分散剤、安定剤、乳化剤(界面活性剤)等を、重合成分の合計質量に対し、0.01〜50質量%の適宜な量で配合することもできる。
分散剤および安定剤としては、ポリヒドロキシスチレン、ポリスチレンスルホン酸、ビニルフェノール−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルフェノール−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のポリスチレン誘導体;ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポチエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート等のポリ(メタ)アクリル酸誘導体;ポリメチルビニルエーテル、ポリエチルビニルエーテル、ポリブチルビニルエーテル、ポリイソブチルビニルエーテル等のポリビニルアルキルエーテル誘導体;セルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリ酢酸ビニル等のポリ酢酸ビニル誘導体;ポリビニルピリジン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリ−2−メチル−2−オキサゾリン等の含窒素ポリマー誘導体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリハロゲン化ビニル誘導体;ポリジメチルシロキサン等のポリシロキサン誘導体等の各種疎水性または親水性の分散剤、安定剤が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
乳化剤(界面活性剤)としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、脂肪酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン系乳化剤;アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルベタイン、アミンオキサイド等のカチオン系乳化剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等のノニオン系乳化剤等が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明においては、重合反応の際に、得られる粒子の用途などに応じて、重合成分の合計質量に対し、0.01〜80質量%の適宜な量で架橋剤を配合することもできる。
架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、グリセロールアクロキシジメタクリレート、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルフォン等の化合物が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
また、重合反応の際に、得られる粒子の用途などに応じて、触媒(反応促進剤)を配合することができる。配合量は、粒子物性に悪影響を及ぼさない適宜な量、例えば、重合成分の合計質量に対し、0.01〜20質量%とすることができる。
触媒としては、正触媒であれば特に限定されるものではなく、公知のものから適宜選択して使用することができる。具体例としては、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、トリフェニルアミン等の3級アミン類;トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム化合物類;トリフェニルホスフィン、トリシクロホスフィン等のホスフィン類;ベンジルトリメチルホスホニウムクロライド、等のホスホニウム化合物類;2−メチルイミダゾール、2−メチル−4−エチルイミダゾール等のイミダゾール化合物類;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸リチウム等のアルカリ金属炭酸塩類;有機酸のアルカリ金属塩類;三塩化ホウ素、三弗化ホウ素、四塩化錫、四塩化チタン等のルイス酸性を示すハロゲン化物類またはその錯塩類等の触媒が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
また、重合反応の際に、得られる楕円状粒子の大きさ、形状、品質等を調整する目的として、水またはその他の極性溶媒に溶解し得、陽イオンと陰イオンとに電離してその溶液が電気伝導性を示す化合物を添加することも可能である。
具体例としては、塩類、無機酸、無機塩基、有機酸、有機塩基、イオン性液体等が挙げられる。配合量は、粒子物性に悪影響を及ぼさない適宜な量、例えば、重合成分の合計質量に対し、0.01〜80質量%とすることができる。
以上説明した本発明の製造方法は、溶液重合という粒子径を制御可能な方法であるため、精密に形状、粒子径等の設計が可能であり、その結果、破断面(または境界線)がなく、一つの連続した滑らかな曲面で覆われ、所定のアスペクト比を有する楕円球状有機ポリマー粒子が得られることになる。
なお、この製法を用いると、得られた楕円球状有機ポリマー粒子に対して、直接、その他の有機化合物等を結合等させることができるから、連続的かつ効率的にコア/シェル型構造粒子を得ることもできる。
本発明の製造方法を実施した場合、得られる粒子の全てが目的とする楕円球状有機ポリマーとなるわけではないが、通常、得られた楕円球状有機ポリマー粒子をランダムに100個抽出した場合、各粒子の長軸方向と直交する方向から光を照射して得られる投影二次元図の長径(L1)と短径(D1)とから算出されるアスペクト比(P1)=長径(L1)/短径(D1)の平均(P 1a )が、(P 1a )≧1.5を満たすものである。実用的な面からいうと、このアスペクト比の平均は、好ましくは、(P 1a )≧1.8、より好ましくは2.0≦(P 1a )≦20、より一層好ましくは2.2≦(P 1a )≦15、さらに好ましくは2.5≦(P 1a )≦12である。
また、同じくランダムに粒子100個を抽出した場合における各粒子のアスペクト比(P1)のバラツキ度(A)(%)=(P1)の標準偏差/(P1a)×100が、通常、(A)≦50を満たすものである。実用的な面からいうと、このアスペクト比のバラツキ度は、好ましくは(A)≦30、より好ましくは(A)≦20である。
また、楕円形状有機ポリマー粒子を、その長軸方向から見た場合に形状が真円状に近いものが好ましい。真円状に近いかどうかは、例えば粒子の長軸方向から光を照射して得られる投影二次元図より測定する方法がある。この場合、粒子の長軸方向から光を照射して得られる投影二次元図における長径(L2)と短径(D2)から算出されるアスペクト比(P2)が、1.2≧(P2)≧1.0であることが好ましい。
また、長軸方向から光を照射して得られる投影二次元図により求めることが困難な場合は以下の方法により測定することもできる。
すなわち、例えば、水平方向の軸を回動軸として有する基準面上に、楕円球状有機ポリマー粒子を当該粒子の長軸方向が上記回動軸に沿うように載置した状態で、回動軸周りに上記基準面を45°回動させた場合に得られる投影二次元図の長径(L1)および短径(D1-45°)から算出されるアスペクト比(P1-45°)と、上記アスペクト比(P1)と、を用い、長軸方向から光を照射して得られると想定した投影二次元図の球状化指数(Q1)を次式により算出する。
(1)(P1-45°)≦(P1)の場合
(Q1)=(P1-45°)/(P1
(2)(P1)<(P1-45°)の場合
(Q1)=(P1)/(P1-45°
この球状化指数が1に近い程、楕円球状粒子を長軸方向と直交するように切断した場合にその断面は真円状に近いものとなり、3次元化した場合に楕円球状のポリマー粒子であることを意味する。
本発明の楕円球状有機ポリマー粒子は、上記球状化指数の平均値(Q1a)が、通常、0.7≦(Q1a)≦1.0を満たすものであり、好ましくは0.8≦(Q1a)≦1.0、より好ましくは0.9≦(Q1a)≦1.0、最良は0.95≦(Q1a)≦1.0である。
本発明においては、走査電子顕微鏡(S−4800、(株)日立ハイテクノロジーズ製、以下、SEMという)を用い、測定可能な倍率(300〜20,000倍)で写真を撮影し、得られた楕円球状粒子を二次元化した状態(なお、通常、楕円球状粒子は長軸方向を水平にした状態を保つ)で、各粒子の長径(L1)および短径(D1)を測定し、アスペクト比(P1)を算出する操作と、同様に前記状態から、水平方向に設けられた軸を回動軸として有する試料台上に、楕円球状有機ポリマー粒子の長軸方向が前記回動軸に沿う状態になるようにセットし、基準面、この場合においては試料台面を、前記回動軸周りに45°回動して得られる長径(L1)および短径(D1-45°)をSEMにて測定し、アスペクト比(P1-45°)を算出する操作をランダムにn=100繰り返し行い、アスペクト比の平均値(P1a)およびバラツキ度(A)、球状化指数の平均値(Q1a)を算出する。
なお、本発明の楕円球状有機ポリマー粒子には、さらに、別の微粒子を物理的、化学的に付加して複合粒子とすることもできる。
具体的には、(1)粒子製造時に微粒子を取り込ませる、(2)粒子作製後に粒子表面に存在するイオン性官能基の極性を利用して付加する、(3)付加重合、重縮合、付加縮合等の化学的結合により付加する、などの方法が挙げられる。
ここで、別の微粒子とは、母粒子となる楕円球状有機ポリマー粒子よりも小さい粒子であれば有機物、無機物の制限は無い。好ましい粒径は、楕円球状有機ポリマー粒子の大きさにもよるが、通常、0.01〜1000μm程度である。
有機粒子としては、本発明の粒子の製造に用いられる重合性モノマーからなる粒子、硬化性粒子、有機顔料等が挙げられる。
無機粒子としては、銅粉、鉄粉、金粉、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化錫、酸化銅、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化マンガン、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属、金属酸化物、水和金属酸化物、無機顔料等の無機粒子が挙げられる。
なお、これらの微粒子は、市販品をそのまま用いてもよく、予めカップリング剤等の表面処理剤で表面修飾したものを用いてもよい。
特に、本発明の楕円球状有機ポリマー粒子を光学用途に用いる場合には、屈折率の制御や、光拡散性の向上を目的として、粒径0.01〜500μmの酸化金属微粒子、中でも酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素等を付加させることが好ましい。これらは1種単独で、または2種類以上組み合わせて用いることができる。
この酸化金属微粒子の付加は、本発明の粒子の製造時に、当該微粒子を、重合成分全体に対して0.1〜50質量%配合して反応を行うことで、得られる楕円球状有機ポリマー粒子内に当該微粒子を物理的・化学的吸着等により取り込ませるなどにより行うことができる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
300mlフラスコに下記に示した化合物を下記割合で混合してなる混合物を一括して仕込み、窒素にて溶存酸素を置換した後、撹拌機で窒素気流下オイルバス温度65℃で、約15時間加熱をして、スチレン・p−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合粒子溶液を得た。
スチレン 28.9g
p−スチレンスルホン酸ナトリウム 7.2g
メタノール 82.8g
水 55.2g
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 1.0g
ポリビニルピロリドン(K−30) 15.0g
次に、この粒子溶液を公知の吸引ろ過設備を使って水−メタノール混合溶液(質量比3:7)で3〜5回程度、洗浄−ろ過を繰り返して真空乾燥後、楕円球状有機ポリマー粒子を得た。
得られた粒子100個をランダムに抽出し、SEMにて形状を観察したところ、長径(L1)の平均が45μmである1つの連続する曲面を有する楕円球状有機ポリマー粒子であることが確認された。また、アスペクト比(P1)の平均(P 1a )は2.9であり、バラツキ度(A)は19.6、球状化指数の平均(Q1a)は0.98であった。得られた楕円球状有機ポリマー粒子のSEM写真を図1に示す。
[実施例2]
300mlフラスコに下記に示した割合の混合物を一括して仕込み、窒素にて溶存酸素を置換した後、撹拌機で窒素気流下オイルバス温度65℃で約15時間加熱をして、スチレン・p−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合粒子溶液を得た。
スチレン 28.9g
p−スチレンスルホン酸ナトリウム 7.2g
メタノール 82.8g
水 55.2g
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 1.0g
ポリビニルピロリドン(K−90) 15.0g
次に、実施例1と同様に洗浄−ろ過−乾燥後、得られた粒子100個をランダムに抽出し、SEMにて形状を観察したところ、長径(L1)の平均が15μmである1つの連続する曲面を有する同様な楕円球状有機ポリマー粒子であることが確認された。また、アスペクト比(P1)の平均(P 1a )は3.2であり、バラツキ度(A)は15.1、球状化指数の平均(Q1a)は0.95であった。
[実施例3]
p−スチレンスルホン酸ナトリウムをメタクリロイロキシエチルスルホン酸ナトリウムに変更した以外は実施例1と同様にしてスチレン・メタクリロイロキシエチルスルホン酸ナトリウム共重合粒子溶液を得た。
次に、同様に洗浄−ろ過−乾燥後、得られた粒子100個をランダムに抽出し、SEMにて形状を観察したところ、長径(L1)の平均が125μmである1つの連続する曲面を有する楕円球状有機ポリマー粒子であることが確認された。また、アスペクト比(P1)の平均(P 1a )は2.3であり、バラツキ度(A)は14.7、球状化指数の平均(Q1a)は0.97であった。得られた楕円球状の粒子のSEM写真を図2に示す。
[実施例4]
メタノールをエタノールに変更した以外は実施例1と同様にしてスチレン・p−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合粒子溶液を得た。
次に、同様に洗浄−ろ過−乾燥後、得られた粒子100個をランダムに抽出し、SEMにて形状を観察したところ、長径(L1)の平均が84μmである1つの連続する曲面を有する楕円球状有機ポリマー粒子であることが確認された。またアスペクト比(P1)の平均(P 1a )は10.5であり、バラツキ度(A)は9.6、球状化指数の平均(Q1a)は0.98であった。得られた楕円球状の粒子のSEM写真を図3に示す。
[実施例5]
塩化ナトリウム1.8gを添加した以外は実施例1と同様にしてスチレン・p−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合粒子溶液を得た。
次に、同様に洗浄−ろ過−乾燥後、得られた粒子100個をランダムに抽出し、SEMにて形状を観察したところ、長径(L1)の平均が46μmである1つの連続する曲面を有する楕円球状有機ポリマー粒子であることが確認された。またアスペクト比(P1)の平均(P 1a )は4.9であり、バラツキ度(A)は15.8、球状化指数の平均(Q1a)は0.97であった。得られた楕円球状の粒子のSEM写真を図4に示す。
[比較例1]
300mlフラスコに下記に示した化合物を下記割合で混合してなる混合物を一括して仕込み、窒素にて溶存酸素を置換した後、撹拌機で窒素気流下オイルバス温度65℃で約15時間加熱をして、スチレン・アクリル酸n−ブチル共重合粒子溶液を得た。
スチレン 41.3g
アクリル酸n−ブチル 10.3g
メタノール 138.0g
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 2.4g
ポリビニルピロリドン(K−30) 9.0g
次に、同様に洗浄−ろ過−乾燥後、得られた粒子100個をランダムに抽出し、SEMにて形状を観察したところ、平均粒子径7.2μmの球状粒子であることが確認され、高アスペクトを有する楕円球状粒子は得られなかった。
[比較例2]
実施例1で使用したp−スチレンスルホン酸ナトリウムをp−メチルスチレンに変更した以外は、同様な方法でスチレン・p−メチルスチレン共重合体液を得たが、液粘度が高くなり、樹脂化してしまい粒子を得ることができなかった。
[比較例3]
比較例2の水を同量のメタノールに変更した以外は、同様な方法でスチレン・p−メチルスチレン共重合粒子溶液作製した。洗浄−乾燥後、得られた粒子100個をランダムに抽出し、SEMにて形状を観察したところ、平均粒子径2.3μmの球状粒子であることが確認され、高アスペクトを有する楕円球状粒子は得られなかった。
[比較例4]
比較例2の水を同量のエタノールに、オイルバス温度を78℃に変更した以外は、同様な方法でスチレン・p−メチルスチレン共重合粒子溶液作製した。洗浄−乾燥後、得られた粒子100個をランダムに抽出し、SEMにて形状を観察したところ、平均粒子径13.9μmの球状粒子であることが確認され、高アスペクトを有する楕円球状粒子は得られなかった。
上記各実施例および比較例のまとめを表1に示す。
Figure 2005247979
〇:1つの連続する曲面を有する楕円球状粒子
×:1つの連続する曲面を有する楕円球状粒子ではない
−:測定不可
また、上記各実施例で得られた楕円球状有機ポリマー粒子について、以下の手法により、切断面の確認を行った。
〈断面確認方法〉
実施例1で得られた粒子少量にエポキシ系包埋樹脂(Quetol812)、硬化剤(MNA、DDSA)、加速剤(DMP−30)[包埋樹脂、硬化剤、加速剤共に日新EM(株)製]を調合し、よく混ぜ合わせた後、プラスチックの型(シリコン包埋板)に入れ、80℃で3時間硬化させた。その後、型から硬化物取り出し、サンプル用ブロックを作製した。
次にウルトラミクロトーム(ライカマイクロシステムズ(株)製)を使用して、ブロックをトリミング、切削作業を行い、膜厚100nm程度の薄膜サンプルを得た。この薄膜サンプルを四酸化ルテニウムで染色して透過用サンプルを作製した。
得られた透過用サンプルを走査透過電子像((株)日立ハイテクノロジーズ製 S−4800 STEM 300〜10,000倍)でランダムに切断された粒子断面の観察を行ったところ、外形は不具合な凹凸や境界点が無く1つの連続する曲面を有するものであった。また、形状はその大半が円形状、略円形状、楕円状であった。
なお、実施例2〜5についても同様の操作にて観察を行ってみたが、外形は不具合な凹凸や境界点が無く、1つの連続する曲面を有するものであり、形状はその大半が円形状、略円形状、楕円状であった。
以上のように、イオン性官能基を有する有機モノマーを用いて製造された実施例1〜5のポリマー粒子は、1つの連続する曲面を有する楕円球状粒子であり、高アスペクト比を有し、バラツキ度も小さいものであることがわかる。
一方、イオン性官能基を有さない有機モノマーを用いて製造された比較例1,3,4のポリマー粒子は、球状粒子となり、高アスペクトを有する楕円球状粒子は得られてないことがわかる。
実施例1で得られた楕円球状有機ポリマー粒子のSEM写真を示す図である。 実施例3で得られた楕円球状有機ポリマー粒子のSEM写真を示す図である。 実施例4で得られた楕円球状有機ポリマー粒子のSEM写真を示す図である。 実施例5で得られた楕円球状有機ポリマー粒子のSEM写真を示す図である。

Claims (8)

  1. 1つの連続する曲面を有する楕円球状有機ポリマー粒子であって、
    イオン性官能基を有するとともに、
    前記粒子の長軸方向と直交する方向から光を照射して得られる投影二次元図の長径(L1)と短径(D1)とから算出されるアスペクト比(P1)=長径(L1)/短径(D1)が(P 1 )≧1.8を満たすことを特徴とする楕円球状有機ポリマー粒子。
  2. 前記長径(L1)が、0.001〜10000μmであることを特徴とする請求項1記載の楕円球状有機ポリマー粒子。
  3. 前記イオン性官能基が、アニオン性官能基であることを特徴とする請求項1または2記載の楕円球状有機ポリマー粒子。
  4. 前記イオン性官能基が、対イオンを有する塩であることを特徴とする請求項1または2記載の楕円球状有機ポリマー粒子。
  5. 前記アニオン性官能基が、対イオンとして金属カチオンを有することを特徴とする請求項3記載の楕円球状有機ポリマー粒子。
  6. 請求項1または2に記載の楕円球状有機ポリマー粒子の製造方法であって、
    イオン性官能基および重合性基を有する第1の有機モノマーと、これと重合可能な第2の有機モノマーとを溶液重合させることを特徴とする楕円球状有機ポリマー粒子の製造方法。
  7. 前記第1および第2の有機モノマーが、合計1〜80質量%含まれる溶液を用いることを特徴とする請求項6記載の楕円球状有機ポリマー粒子の製造方法。
  8. さらに分散剤が存在する溶液中で分散重合させることを特徴とする請求項6または7記載の楕円球状有機ポリマー粒子の製造方法。
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