JP2005247614A - 有機無機ハイブリッドガラス状物質とその製造方法 - Google Patents

有機無機ハイブリッドガラス状物質とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性、気密性能や低融点特性に加え、表面平滑性を有する材料はこれまで開発されていなかった。
【解決手段】その軟化温度が50〜400℃で溶融特性を有する有機無機ハイブリッドガラス状物質において、表面平滑性が10nm以下かつ撥水性を有する成形材料と接触させて製造する有機無機ハイブリッドガラス状物質の製造方法。接触させるときの成形温度は(軟化温度−20℃)〜600℃、その表面ぬれ性が接触角測定で90度以上130度以下の範囲の成形材料を用いる特徴を有す。上記の方法で製造された有機無機ハイブリッドガラス状物質。表面平滑性が10nm以下の平面又は曲面を有する、ガラス状物質の一部又はすべてに不規則網目構造を有する特徴も有す。
【選択図】 なし

Description

本発明は、表面平滑性の良好な有機無機ハイブリッドガラス状物質とその製造方法に関する。
600℃以下で軟化する材料としては、高分子材料や低融点ガラスなどが有名であり、古くから封着・封止材料、パッシベーションガラス、釉薬など、多くのところで用いられてきた。高分子材料と低融点ガラスでは、その諸物性が異なるので、その使用できる環境に応じて使い分けられてきた。一般的には、耐熱性や気密性能が優先される場合にはガラスが、耐熱性や気密性能以外の特性が優先される分野では高分子材料に代表される有機材料が使われてきた。しかし、昨今の技術進歩に伴い、これまで要求されなかった特性も着目され、その特性をもった材料の開発が期待されている。
このため、耐熱性や気密性能を増能させた高分子材料や、軟化領域を低温化させたガラスいわゆる低融点ガラスの開発が積極的になされている。特に、耐熱性や気密性能が要求される電子材料市場において、PbO-SiO2-B2O3系あるいはPbO-P2O5-SnF2系ガラスなどに代表される低融点ガラスは、電子部品の封着、被覆などの分野で不可欠の材料となっている。また、低融点ガラスは高温溶融ガラスに比べ、その成形加工に要するエネルギーひいてはコストを抑えられるため、省エネルギーに対する昨今の社会的要請とも合致している。さらに、光機能性能の有機物を破壊しない温度で溶融することが可能ならば、光機能性有機物含有(非線形)光学材料のホストとして光スイッチなどの光情報通信デバイスなどへの応用が期待される。このように、一般的な溶融ガラスの特徴である耐熱性や気密性能を有し、かつ高分子材料のように種々の特性を得やすい材料は多くの分野で要望され、特に低融点ガラスにその期待が集まっている。さらに、有機無機ハイブリッドガラスも低融点ガラスの一つとして着目されている。
低融点ガラスでは、例えば、Sn−Pb−P−F−O系ガラス(例えば、非特許文献1参照)に代表されるTickガラスが有名であり、100℃前後にガラス転移点を持ち、しかも優れた耐水性を示すので、一部の市場では使われてきている。しかしながら、この低融点ガラスはその主要構成成分に鉛を含むので、昨今の環境保護の流れから代替材料に置き換える必要性がでてきている。さらには、Tickガラスに対する要求特性も大きく変化していると同時に、その要望も多様化している。
一般的なガラスの製造方法としては、溶融法と低温合成法が知られている。溶融法はガラス原料を直接加熱することにより溶融してガラス化させる方法で、多くのガラスがこの方法で製造されており、低融点ガラスもこの方法で製造されている。しかし、低融点ガラスの場合、融点を下げるために、鉛やアルカリ、ビスマスなどの含有を必要とするなど、構成できるガラス組成には多くの制限がある。
一方、非晶質バルクの低温合成法としては、ゾルゲル法、液相反応法及び無水酸塩基反応法が考えられている。ゾルゲル法は金属アルコキシドなどを加水分解−重縮合し、500℃を超える温度(例えば、非特許文献2参照)、通常は700〜1600℃で熱処理することにより、バルク体を得ることができる。しかし、ゾルゲル法で作製したバルク体を実用材料としてみた場合、原料溶液の調製時に導入するアルコールなど有機物の分解・燃焼、又は有機物の分解ガス若しくは水の加熱過程における蒸発放出などのために多孔質となることが多く、耐熱性や気密性能には問題があった。このように、ゾルゲル法によるバルク製造ではまだ多くの問題が残っており、特に低融点ガラスをゾルゲル法で生産することはなされていない。
さらに、液相反応法は収率が低いために生産性が低いという問題の他、反応系にフッ酸などを用いることや薄膜合成が限度とされていることなどから、現実的にバルク体を合成する手法としては不可能に近い状態にある。
無水酸塩基反応法は、近年開発された手法であり、低融点ガラスの一つである有機無機ハイブリッドガラスの製作も可能(例えば、非特許文献3参照)であるが、まだ開発途上であり、すべての低融点ガラスが製作できているわけではない。
したがって、多くの低融点ガラスの製造は、低温合成法ではなく、溶融法により行われてきた。このため、ガラス原料を溶融する都合上からそのガラス組成は制限され、生産できる低融点ガラスとなると、その種類は極めて限定されていた。
なお、現時点では耐熱性や気密性能から、低融点ガラスが材料として有力であり、低融点ガラスに代表される形で要求物性が出されることが多い。しかし、その材料は低融点ガラスにこだわるものではなく、要求物性が合致すれば、ガラス以外の低融点あるいは低軟化点物質で大きな問題はない。
さらに、上記の特性に加え、表面平滑性を有す材料も期待されている。例えば、透明性が良好でも表面平滑性が悪ければ、光が乱反射し、結果として光透過性が悪化するからである。
公知技術をみれば、ゾルゲル法による石英ガラス繊維の製造方法(例えば、特許文献1参照)が、ゾルゲル法による酸化チタン繊維の製造方法(例えば、特許文献2参照)が、さらにはゾルゲル法による半導体ドープマトリックスの製造方法(例えば、特許文献3参照)が知られている。また、溶融法によるP−TeO−ZnF系低融点ガラスが知られている(例えば、特許文献4参照)。
特開昭62-297236号公報 特開昭62-223323号公報 特開平1-183438号公報 特開平7-126035号公報 P.A.Tick, Physics and Chemistry of Glasses, 14, 1140(1989). 神谷寛一、作花済夫、田代憲子,窯業協会誌,618−618,84(1976). 高橋雅英、新居田治樹、横尾俊信,New Glass, 8-14,17(2002).
多くの低軟化点材料、特に低融点ガラスの製造は、溶融法により行われてきた。このため、そのガラス組成には多くの制限があり、ガラス原料を溶融する都合上、生産できる低融点ガラスは極めて限られていた。
一方、低温合成法のゾルゲル法で製造した場合、緻密化のために500℃以上の処理温度が必要となるが、その温度で処理すると低融点ガラスとはならないので、結果として耐熱性や気密性能の良好な低融点ガラスを得ることはできなかった。特に、電子材料分野では、厳しい耐熱性や気密性能と低融点化に対応する低融点ガラス又はガラス以外の低融点材料もこれまで見出されていなかった。
特開昭62-297236号公報、特開昭62-223323号公報及び特開平1-183438号公報で開示された方法は、高温溶融でのみ対応可能であった材料生産を低温でも可能としたという功績はあるが、低融点ガラスを製造することはできない。また、ゾルゲル処理後には、500℃以上での処理も必要である。一方、特開平7-126035号公報の方法では、転移点が3百数十℃のガラスを作製できることが開示されている。しかし、それ以下の転移点をもつガラスを鉛やビスマスなどを始めとする低融点化材料なしで製作した例はこれまでなかった。
すなわち、これまでの低融点ガラスの製造方法では、厳しい耐熱性や気密性能と低融点特性を同時に満たすガラスを作ることはできなかった。また、ガラス以外の材料でもこのような特性を満たすものはなかった。
本発明者らは、新しい手法による有機無機ハイブリッドガラス状物質を開発し、特許出願した(特願2003-69327号)。しかし、この有機無機ハイブリッドガラス状物質は耐熱性、気密性能及び低融点特性を有することはできるが、表面平滑性を良好にすることはできなかった。ゾルゲル法の応用として開発された有機無機ハイブリッドガラスは、接着性が高い傾向にあるので、成形後の離型性に問題があった。このため、ゾルゲル法又はその応用方法で製作された物質については、薄膜状としたり、温度を例えば350℃以上として成形を行ってきた。
このように、上述した耐熱性、気密性能や低融点特性に加え、表面平滑性を有する材料はこれまで開発されていなかった。
本発明は、その軟化温度が50〜400℃で溶融特性を有するの有機無機ハイブリッドガラス状物質において、表面平滑性が10nm以下かつ撥水性を有する成形材料と接触させて製造する有機無機ハイブリッドガラス状物質の製造方法である。
また、接触させるときの温度は(軟化温度−20℃)〜600℃の範囲とする上記の有機無機ハイブリッドガラス状物質の製造方法である。
また、接触する場合にプレス成形する上記の有機無機ハイブリッドガラス状物質の製造方法である。
また、その表面ぬれ性が接触角測定で90度以上130度以下の範囲の成形材料を用いる上記の有機無機ハイブリッドガラス状物質の製造方法である。
さらに、上記の方法で製造された有機無機ハイブリッドガラス状物質である。
さらにまた、表面平滑性が10nm以下の平面又は曲面を有す上記の有機無機ハイブリッドガラス状物質である。
さらにまた、ガラス状物質の一部又はすべてに不規則網目構造を有する上記の有機無機ハイブリッドガラス状物質である。
本発明により、これまで製作することが極めて難しいとされてきた耐熱性や気密性能と低軟化特性を同時に満たし、表面平滑性の良好な材料を得ることができる。
本発明は、その軟化温度が50〜400℃で溶融特性を有する有機無機ハイブリッドガラス状物質において、表面平滑性が10nm以下かつ撥水性を有する成形材料と接触させて製造する有機無機ハイブリッドガラス状物質の製造方法である。本発明の有機無機ハイブリッドガラス状物質は、原料とする金属アルコキシド、水、酸触媒及びアルコールによる混合工程の後、加熱反応工程、溶融工程及び熟成工程を経て製造され、その軟化温度が50〜400℃で溶融特性を有する特徴をもつ。熟成工程後、成形部材の中に入れられて成形される。成形材料の表面平滑性が10nm以下としたのは、表面平滑性が10nmよりも大きいと、離型性が悪くなるので結果として表面の平滑性が下がり、平滑性の悪い有機無機ハイブリッドガラス状物質表面での乱反射が大きくなる問題があるからである。なお、下限値は低ければ低いほど良いが、現在の撥水膜生成技術では実際に得られるのは0.5nm程度であり、それよりも平滑性を上げようとすると生産性が大幅に悪化する。従って、より好ましい表面平滑性は0.5〜5nm、さらに好ましくは0.5〜2nmである。また、成形材料の表面は撥水性を有すことが好ましい。撥水性を有することにより、離型性を向上させることができるからである。
なお、有機無機ハイブリッドガラス状物質の軟化温度は、10℃/minで昇温したTMA測定から判断することができる。すなわち、上記条件で収縮量を測定し、収縮量の変化開始温度を軟化温度とする。また、表面平滑性は原子間力顕微鏡で25μmx25μmの測定領域とし、256x256の測定点とする。参考までに、ラインスピードは1〜4ライン/秒程度が好ましい。
また、接触させるときの成形温度は(軟化温度−20℃)〜600℃の範囲とすることが好ましい。成形温度が(軟化温度−20℃)よりも低いと、その表面平滑性が下がり、所定の平滑性を得られないという問題が発生する。一方、成形温度が600℃を越すと、有機無機ハイブリッドガラス状物質の特性が変化し、表面平滑性も良いものが得られない。また、冷却するのに時間を要し、破壊も発生しやすく、生産性が悪くなる。より好ましくは(軟化温度+10℃)〜500℃、さらに好ましくは(軟化温度+30℃)〜430℃の範囲である。
また、成形工程では、平面状のものを作成する場合にそのまま成形材料の平滑性とガラス状物質自身の表面張力を利用して成形しても良いが、特に曲面を有する物質の場合にはプレス部材を用いてプレス成形するのが好ましい。その場合、金属、セラミックス、ガラス及びプラスチック等多くの材料の型が使用できる。この場合、プレス型の両側が必ずしも同じ材料である必要はなく、片側は別の材料であっても良い。但し、少なくとも片側の型の表面は撥水処理がなされることが必要である。また、撥水処理前にこれらの材料の表面を鏡面研磨することにより、表面平滑性の良好な有機無機ハイブリッドガラス状物質を得ることができる。例えば、撥水コーティングがなされていれば、上述した材料の金属、ガラス、プラスチック等には、拘らない。
プレス成形の場合の成形温度は有機無機ハイブリッド状物質の軟化温度から50℃高い範囲が望ましい。例えば、軟化温度が180℃の有機無機ハイブリッド状物質の場合、その成形温度は180℃〜230℃であり、一般的には200℃前後で成形される。
成形材料は400℃以上の耐熱性を有することが好ましい。成形材料の耐熱性が400℃よりも低いと、溶融・熟成した有機無機ハイブリッドガラス状物質を成形用の型枠に入れた後に劣化し、結果的に有機無機ハイブリッドガラス状物質の表面平滑性が下がるからである。また、成形材料の熱膨張係数は、例えばJIS R3102による測定で、(50〜1000)x10−7/℃程度であることが好ましい。有機無機ハイブリッドガラスの熱膨張係数は、一般の板ガラスよりは熱膨張係数が大きい一方、ばらつきも大きいので、上記の範囲にあることが好ましい。
成形材料に塗布する撥水膜は100℃以上、より好ましくは150℃以上、さらに好ましくは200℃以上の耐熱性を有することが好ましい。成形材料に塗布する撥水膜の耐熱性が100℃よりも低いと、溶融・熟成した有機無機ハイブリッドガラス状物質を成形用の型枠に入れた後に劣化し、結果的に有機無機ハイブリッドガラス状物質の表面平滑性が下がるからである。
また、表面のぬれ性は、接触角の測定において、成形材料表面での接触角が90度以上130度以下であることが好ましい。成形材料表面での接触角が90度未満の場合、離型性の悪化に伴い表面平滑性が低下し有機無機ハイブリッドガラス状物質表面での乱反射が大きくなる問題が発生する。一方、成形材料表面での接触角を120度以上とする場合表面を凹凸にする必要があるため、結果として接触角が120度を越えると、表面平滑性が低下し有機無機ハイブリッドガラス状物質表面での乱反射が大きくなる問題が発生する。より好ましくは、100度以上120度以下である。
さらに、上記のいずれかに記載の方法で製造された有機無機ハイブリッドガラス状物質である。
さらにまた、表面平滑性が10nm以下で平面又は曲面を有す有機無機ハイブリッドガラス状物質であることが好ましい。表面平滑性が10nmよりも大きいと、離型性が悪くなるので結果として表面の平滑性が下がり、平滑性の悪い有機無機ハイブリッドガラス状物質表面での乱反射が大きくなる問題があるからである。
さらにまた、ガラス状物質の一部又はすべてに不規則網目構造を有する上記の有機無機ハイブリッドガラス状物質である。
なお、本発明の有機無機ハイブリッドガラス状物質は溶融特性を有する。一般的に、ゾルゲル法で製造された製品は溶融性を有しないが、原料や製造方法を限定することにより、溶融性を有する材料、すなわち溶融性を有する有機無機ハイブリッドガラス状物質とすることができ、この特性も利用することにより平滑性の良い有機無機ハイブリッドガラス状物質とすることができる。
以下、原料や製造方法をついて述べる。本発明の有機無機ハイブリッドガラス状物質は、原料とする金属アルコキシド、水、酸触媒及びアルコールによる混合工程の後、加熱反応工程、溶融工程及び熟成工程を経て製造されることが好ましい。
混合工程で用いる水は、原料とする金属アルコキシドのモル比で1〜1000倍とすることが好ましい。水と原料とする金属アルコキシドのモル比が1倍未満では、加水分解反応が極めて遅くなるという問題が発生する。一方、水と原料とする金属アルコキシドのモル比が1000倍を越すと、生産性が下がる。
従来のゾルゲル法では、薄膜状ゾルゲル膜を形成させるときに多めの水を使うことはあるが、バルク状とする場合はできるだけ少なくする、例えばモル比で原料の3〜4倍程度とされていた。水の量をできるだけ少なくする理由としては、急速な加水分解及び不安定ゾルの生成を抑制するという基本的な問題に対処するためであり、ゾルゲル法における加水分解の制御は極めて重要であった。すなわち、ゾル中に水分濃度が高い部分が生ずると、粒子の沈殿が起こり、不均質なゲルとなることがある。さらに、ゲルの乾燥工程を短くするという生産上の理由もあった。
また、従来のゾルゲル法では酸触媒として塩酸や硝酸が多く用いられていた。これは、他の触媒ではゲル化時間が長くなるためであった。しかし、本発明の混合工程では酢酸を用いることが好ましい。酢酸と適量の水と同時に混合することにより、軟化特性を増大することができる。また、可視光線領域での吸収率を極めて小さくすることができるので、高透過率のガラス状物質を得ることができる。これらの効果は、酢酸と水の混合により、初めて得られる。
原料とする金属アルコキシドは有機置換基で置換されたアルコキシシランであり、有機置換基としてフェニル基、メチル基、エチル基、プロピル基(n−、i−)、ブチル基(n−、i−、t−)、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、メルカプトメチル基、メルカプトプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、3-トリフルオロアセトキシプロピル基、ビニル基、ベンジル基、スチリル基等から、アルコキシル基としてメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(n−、i−)等から成る金属アルコキシドから選ばれることが好ましい。これらは、有機無機ハイブリッドガラス状物質、特に室温以下の低軟化となる透明状物質を製造する上で極めて有用な原料である。なお、上記以外の金属アルコキシドでも良い。また、金属アセチルアセトナート、金属カルボン酸塩、金属硝酸塩、金属水酸化物、及び金属ハロゲン化物等、ゾルゲル法で使われているものであれば製造は可能である。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノ-ル、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノ-ル、2−ブタノール、1.1−ジメチル−1−エタノール等が代表的であるが、これらに限定される訳ではない。
溶融工程に入る前、すなわち、出発原料の混合工程と加熱による溶融工程との間に、加熱反応工程を有することが好ましい。この加熱反応工程は40℃以上100℃以下の温度で行われることが好ましい。この温度域以外では、その構造中に有機官能基Rを持つ金属ユニット、例えば(RSiO(4−n)/2)(n=1、2、3から選択)で表されるケイ素ユニット、さらに、詳細には、フェニル基の金属ユニット(PhSiO(4−n)/2)、メチル基の金属ユニット(MeSiO(4−n)/2)、エチル基の金属ユニット(EtSiO(4−n)/2)、ブチル基の金属ユニット(BtSiO(4−n)/2)(n=1〜3)などを適切に含有させることができないため、ガラス溶融のできる有機無機ハイブリッドガラス状物質を得ることは極めて難しくなる。
なお、この有機官能基Rは、アルキル基やアリール基が代表的である。アルキル基としては、直鎖型でも分岐型でもさらには環状型でも良い。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基(n−、i−)、ブチル基(n−、i−、t−)、ペンチル基、ヘキシル基(炭素数:1〜20)などが挙げられ、特に好ましいのはメチル基とエチル基である。さらに、アリール基としては、フェニル基、ピリジル基、トリル基、キシリル基などがあり、特に好ましいのはフェニル基である。当然ながら、有機官能基は上述のアルキル基やアリール基に限定されるものではない。
加熱による溶融工程は40℃以上500℃以下の温度で処理される。40℃よりも低い温度では、実質上溶融できない。また、500℃を超えると、網目を形成する金属元素と結合する有機基が燃焼するために所望の有機無機ハイブリッドガラス状物質を得られないばかりか、破砕したり、気泡を生じて不透明になったりする。望ましくは、100℃以上300℃以下である。
熟成工程では30℃以上400℃以下の温度で処理する。30℃よりも低い温度では、実質上熟成できない。400℃を超えると、熱分解することがあり、安定したガラス状物質を得ることは難しくなる。望ましくは、100℃以上300℃以下である。さらに、この熟成温度は、溶融下限温度よりも低い温度ではその効果が極めて小さくなる。一般的には、溶融下限温度〜(溶融下限温度+150℃)程度が望ましい。さらに、熟成に要する時間は5分以上必要である。熟成時間は、その処理量、処理温度及び反応活性な水酸基(−OH)の許容残留量により異なるが、一般的には5分未満では満足できるレベルに到達することは極めて難しい。また、長時間では生産性が下がってくるので、望ましくは10分以上1週間以内である。
溶融工程及び熟成工程を経ることにより、安定化した有機無機ハイブリッドガラス状物質を得ることができる。従来から行われてきたゾルゲル法では、前記の溶融工程がないため、当然ながらその後の熟成工程もない。また、ゲル体を経ない本発明において、溶融工程により、有機無機ハイブリッドガラス状物質を得ることはできる。しかし、その後の熟成工程を経ることにより、より安定した有機無機ハイブリッドガラス状物質を得ることができる。
加熱反応工程の上限温度は沸点が100℃を越すアルコール、例えば118℃の1−ブタノールを用いる場合では100℃以下であるが、沸点が100℃以下のアルコールでは沸点も考慮する方が望ましい。例えば、エタノールを用いる場合は、その沸点の80℃以下とした方が良い結果となる傾向にある。これは、沸点を越えると、アルコールが急激に蒸発するので、アルコール量や状態変化から均一反応が達成されにくくなるためであると考えられる。
なお、加熱による溶融工程若しくは熟成工程において、不活性雰囲気下で行ったり、加圧下又は減圧下で行なうことにより時間を短縮できる傾向にある。また、マイクロ波加熱も有効である。
以下、実施例に基づき、述べる。
実験に先立ち、直径30mmで深さ50mmの撥水コーティングされた成形容器を準備した。この成形容器はステンレス材の表面にポリジメチルシリコーンを撥水コーティングしたものである。なお、コーティング膜は、その厚さが20nm、表面平滑性が2nm、接触角が90度、耐熱温度が230℃であり、ステンレス材の熱膨張係数が120x10−7/℃であった。なお、コーティング膜の厚さは小坂研究所製サーフコーダーET4000Aで、表面平滑性はセイコー電子工業製原子間力顕微鏡SPI−3700で、接触角は協和界面科学製接触角計CA−X型で、耐熱温度は膜を加熱し撥水性能が低下する温度とした。
有機無機ハイブリッドガラス状物質の出発原料には金属アルコキシドのフェニルトリエトキシシラン(PhSi(OEt))を用いた。混合工程として室温で10mlのフェニルトリエトキシシランに約45mlの水(フェニルトリエトキシシランに対するモル比は約50)、約30mlのエタノール(フェニルトリエトキシシランに対するモル比は約10)、触媒である酢酸を約0.30ml(フェニルトリエトキシシランに対するモル比は約0.1)加え、加熱反応工程として60℃で3時間撹拌後、150℃に上げ2時間溶融した。さらに、150℃で3時間熟成した後、そのまま撥水コーティングされた成形容器の中に入れて、厚さ3.2mmで薄片状の透明状物質を得た。このとき、試料は簡単に容器から外れ、表面性を損なうことはなかった。
この透明状物質の軟化温度は129℃であり、不規則網目構造を有していたことも考慮すると、今回得た透明状物質は有機無機ハイブリッドガラス構造をとる物質、すなわち有機無機ハイブリッドガラス状物質である。
さらに、上記の表面平滑度測定装置により、得られた有機無機ハイブリッドガラスの表面を測定した。その結果、上部で約0.8nm、下部で約1nmであり、高い表面平滑性を示した。
実験に先立ち、直径30mmで深さ50mmの撥水コーティングされた成形容器を準備した。この成形容器はソーダライムガラスの材料の表面にフルオロアルキルシランを撥水コーティングしたものである。なお、コーティング膜は、その厚さが50nm、表面平滑性が1nm、接触角が105度、耐熱温度が250℃で、ソーダライムガラスの熱膨張率は95x10−7/℃であった。なお、測定は実施例1で示した装置と同様である。
有機無機ハイブリッドガラス状物質の出発原料には金属アルコキシドのフェニルトリエトキシシラン(PhSi(OEt))を用いた。混合工程として室温で10mlのフェニルトリエトキシシランに約45mlの水(フェニルトリエトキシシランに対するモル比は約50)、約30mlのエタノール(フェニルトリエトキシシランに対するモル比は約10)、触媒である酢酸を約0.3ml(フェニルトリエトキシシランに対するモル比は約0.1)加え、加熱反応工程として60℃で1時間撹拌後、金属アルコキシドのジエトキシジフェニルシラン(PhSi(OEt))を約1ml(フェニルトリエトキシシランに対するモル比は約0.1)加えてさらに60℃で2時間撹拌した。その後150℃で2時間かけて溶融し、150℃で3時間熟成した後、そのまま撥水コーティングされた容器の中に入れ、約5秒後に上方から容器と同じ材質の蓋状材をプレスして厚さ3.5mmで薄片状の透明状物質を得た。このとき、試料は簡単に容器から外れ、表面性を損なうことはなかった。
この透明状物質の軟化温度は84℃であり、不規則網目構造を有していたことも考慮すると、今回得た透明状物質は有機無機ハイブリッドガラス構造をとる物質、すなわち有機無機ハイブリッドガラス状物質である。
さらに、上記の表面平滑度測定装置により、得られた有機無機ハイブリッドガラスの表面を測定した。その結果、上部で約2nm、下部で約2nmであり、高い表面平滑性を示した。
(比較例1)
撥水コーティングを行わなかった実施例1に準じた容器を準備した。実施例1と同様の原料及び製造方法で、溶融された有機無機ハイブリッドガラス状物質を得た。さらに、150℃で3時間熟成した後、そのまま撥水コーティングされていない成形容器の中に入れて、厚さ約3.2mmで薄片状の透明状物質を得た。しかし、試料が容器から外れにくかったので、容器を壊すことにより、標記試料を得た。
この透明状物質の軟化温度は129℃であり、不規則網目構造を有していたことも考慮すると、今回得た透明状物質は有機無機ハイブリッドガラス構造をとる物質、すなわち有機無機ハイブリッドガラス状物質であった。しかし、肉眼観察でも表面の凹凸が明確であり、その表面もわずかながら白濁していた。さらに、上記の表面平滑度測定装置により、得られた有機無機ハイブリッドガラスの表面を測定したところ、上部で約12nm、下部で約10μmであり、表面平滑性が悪いことが数値的にも確認できた。
PDPを始めとするディスプレイ部品の封着・被覆用材料、光スイッチや光結合器を始めとする光情報通信デバイス材料、LEDチップを始めとする光学機器材料、光機能性(非線形)光学材料、接着材料等、低融点ガラスが使われている分野、エポキシ等の有機材料が使われている分野に利用可能である。

Claims (7)

  1. その軟化温度が50〜400℃で溶融特性を有する有機無機ハイブリッドガラス状物質において、表面平滑性が10nm以下かつ撥水性を有する成形材料と接触させて製造することを特徴とする有機無機ハイブリッドガラス状物質の製造方法。
  2. 接触させるときの温度は(軟化温度−20℃)〜600℃の範囲とすることを特徴とする請求項1に記載の有機無機ハイブリッドガラス状物質の製造方法。
  3. 接触する場合にプレス成形することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機無機ハイブリッドガラス状物質の製造方法。
  4. その表面ぬれ性が接触角測定で90度以上130度以下の範囲の成形材料を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の有機無機ハイブリッドガラス状物質の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の方法で製造されたことを特徴とする有機無機ハイブリッドガラス状物質。
  6. 表面平滑性が10nm以下の平面又は曲面を有すことを特徴とする請求項5に記載の有機無機ハイブリッドガラス状物質。
  7. ガラス状物質の一部又はすべてに不規則網目構造を有することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の有機無機ハイブリッドガラス状物質。

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