JP2005247354A - スープ食品用カップ - Google Patents
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Abstract
【課題】 カップ本体の成形を能率良く行うことが可能になるとともに、び管理が容易なる等の各種の効果を有するスープ食品用カップを提供すること。
【解決手段】 カップ本体11は、外側の発泡層と、内側のソリッド層とにより2層構造をなしている。発泡層の外周面にはコート紙等よりなる表装シート14が巻回されて、接着剤(図示しない)により貼着されており、その表装シート14の外周面には所要の印刷が施されている。カップ本体の上端開口にはカール部15が形成され、そこには蓋板が接着剤により貼着されて、カップ本体の上端開口が閉鎖される。カップ本体11の内面がソリッド層により構成されているため、カップ本体11を深絞りする場合、中子との間の摩擦が小さく、カップ本体11の成形を円滑に、能率良く行うことが可能になる。
【選択図】 図2
【解決手段】 カップ本体11は、外側の発泡層と、内側のソリッド層とにより2層構造をなしている。発泡層の外周面にはコート紙等よりなる表装シート14が巻回されて、接着剤(図示しない)により貼着されており、その表装シート14の外周面には所要の印刷が施されている。カップ本体の上端開口にはカール部15が形成され、そこには蓋板が接着剤により貼着されて、カップ本体の上端開口が閉鎖される。カップ本体11の内面がソリッド層により構成されているため、カップ本体11を深絞りする場合、中子との間の摩擦が小さく、カップ本体11の成形を円滑に、能率良く行うことが可能になる。
【選択図】 図2
Description
この発明は、スープ食品のためのカップに関するものである。なお、ここで、スープ食品とは、スープそのもの、汁粉等のスープ状食品、スープを有する麺類等、カップ内に湯等の飲料水を注いで、その状態で飲食に供するものをいう。
この種の容器は、特許文献1(実開昭49−84385号公報)や、特許文献2(実開昭52−30301号公報)、あるいは特許文献3(実開平4−62609号公報)に記載されている。
実開昭49−84385号公報
実開昭52−30301号公報
実開平4−62609号公報
前記の特許文献1,2に記載されたカップは、1層の発泡材よりなるカップ本体の外周に表装紙が貼着されて構成されている。このため、この特許文献1,2に記載されたカップは、以下のような問題がある。
すなわち、カップ製造に際しては、カップの内面に粗面状をなす発泡材の表面が露呈しているため、中子を用いてカップを深絞り成形する場合、発泡材の内周面と中子との間の摩擦抵抗が大きくなって型抜きを円滑に行い得ず、その成形を効率よく行い得ない場合がある。
また、カップの上面開口に蓋をする場合、粗面状の発泡材の上向き表面に同蓋が貼着されることになるため、蓋とカップ本体との間に微少な隙間が無数に形成され、その隙間から空気中の水分がカップ本体内に侵入して、カップ本体内における乾麺等の食品の風味や食感等を損なうおそれがある。また、前記隙間を介して空気が出入りするため、食品の酸化が進み、前記と同様に風味や食感等を損なうおそれがある。さらに、蓋を剥がす際に、発泡材の表面が引き剥がされるため、その引き剥がされた部分の表面が荒れたり、発泡材の微少な細片や粉がカップ本体内に侵入したりするおそれがある。そして、表面が荒れた場合には、その部分に口を付けたときの感触が悪くなるし、発泡材の細片や粉がカップの内部に侵入した場合には、消費者がそれを嫌悪しないとは限らない。
加えて、蓋を開けた際に、カップ本体の内面が視認されるが、この場合、カップ本体の内周面は前述のように粗面状表面であるため、見栄えが悪く、商品価値を損なうものである。
さらに、粉体よりなるスープの素が、粗面状をなす発泡材の内部表面の無数の凹部に入り込んでしまい、湯をカップ内に注いだ場合に、凹部内に入り込んだスープの素はすぐには溶けず、時間が経過してから溶け出し、つまり、スープの残りが少なくなってから溶け出して、スープ味が濃くなってしまうことになる。
しかも、カップ本体の内面が発泡材の柔らかい面で形成されているため、その内面は箸やフォークによって傷つきやすい。
特許文献3(実開平4−62609号公報)に記載のカップは、そのカップ本体が内側の紙容器と、その紙容器に外周に被せられた紙容器と相似形の発泡材容器と、その発泡材容器の外周面に貼り合わされた表装紙とよりなるものである。
特許文献3(実開平4−62609号公報)に記載のカップは、そのカップ本体が内側の紙容器と、その紙容器に外周に被せられた紙容器と相似形の発泡材容器と、その発泡材容器の外周面に貼り合わされた表装紙とよりなるものである。
従って、カップの製造に際しては、特許文献1,2の場合とは異なり、前述した中子との間の摩擦抵抗が大きいという問題は生じないが、カップ本体が紙容器と合成樹脂製の発泡材容器というまったく別材質のものを2種使用しているので、それぞれ単独に成形する必要があって、製造工程が複雑になり、資材管理も煩雑になる。加えて、紙容器は、そのままでは、湯を注いだときに水分によって膨潤するため、表面にフィルムを貼ったりした等の防水加工を施したものを用いる必要があって、製造工程や資材管理等等のさらなる煩雑化を招くことになる。しかも、紙容器は形状変化性に難があって、皺が発生しやすく、外観品質が低下しやすいという問題もあった。
この発明は、これらの問題点を解消することができるスープ食品用カップを提供することにある。
請求項1に記載の発明においては、有底円筒状をなす合成樹脂製のカップ本体と、そのカップ本体の外周壁に接着剤を介して巻着された表装シートとを備えたスープ食品用カップにおいて、前記カップ本体を、内周側のソリッド層と、そのソリッド層と一体化された外周側の発泡層とにより構成したことを特徴とする。
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の発明において、発泡層の外周にさらにソリッド層を設けたことを特徴とする。
この発明によれば、カップ本体の内面がソリッド層により構成されているため、中子との間の摩擦が小さく、カップ本体の成形を能率良く行うことが可能になるとともに、カップ本体として、紙等のような別材質のものを使用することがないため、製造及び管理が容易である。また、この発明によれば、カップ本体の上面にソリッド層が位置するため、蓋板とカップ本体とを隙間なく密着させることができて気密を有効に保持でき、空気中の水分等よって乾麺等の食品の風味や食感等が損なわれるおそれを抑制できる。さらに、この発明においては、カップ本体の内周面が平滑なソリッド層によって構成されているため、カップ本体の内面の見栄えが良く、しかも、粉体よりなるスープの素が入り込む凹凸がほとんど存在しないため、湯をカップ内に注いだ場合に、凹部内のスープの素がすぐに溶け、最後のほうになってからスープ味が濃くなるようなことはない。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図3に従って説明する。
有底円筒状をなすカップ本体11は、外側の厚めの発泡層12と、内側の薄めのソリッド層13とにより2層構造をなしている。前記発泡層12とソリッド層13とは同じ材質よりなり、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の材質よりなる。また、ソリッド層13はフィルムよりなり、発泡層12に対して熱溶着されて一体化される。なお、発泡層12とソリッド層13との間に接着剤を介在させて、成形時の熱を利用して接着により発泡層12とソリッド層13とを一体化させてもよい。
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図3に従って説明する。
有底円筒状をなすカップ本体11は、外側の厚めの発泡層12と、内側の薄めのソリッド層13とにより2層構造をなしている。前記発泡層12とソリッド層13とは同じ材質よりなり、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の材質よりなる。また、ソリッド層13はフィルムよりなり、発泡層12に対して熱溶着されて一体化される。なお、発泡層12とソリッド層13との間に接着剤を介在させて、成形時の熱を利用して接着により発泡層12とソリッド層13とを一体化させてもよい。
前記発泡層12の外周面にはコート紙等よりなる表装シート14が巻回されて、接着剤(図示しない)により貼着されており、その表装シート14の外周面には所要の印刷が施されている。この表装シート14としては合成樹脂フィルム製のものが用いられてもよい。この合成樹脂フィルムが透明である場合には、印刷を裏面に設けてもよい。
前記カップ本体11の上端開口にはカール部15が形成され、そこには蓋板16が接着剤(図示しない)により貼着されて、カップ本体11の上端開口が閉鎖されている。そして、この状態で、カップ全体が透明な合成樹脂フィルム(図示しない)により包装されている。この包装は、熱によりシュリンクされる合成樹脂フィルムが用いられる。なお、カップ本体11の上面開口を閉鎖する蓋板16は、設けられない場合もあり、この場合には、この場合には、カップ本体11の上面開口は、前記合成樹脂フィルムのみにより閉鎖される。さらに、蓋板として、合成樹脂よりなる扁平キャップ状(透明なものが多い)のものが用いられる場合もあり、この場合、蓋板はカップ本体11の上端に着脱可能に被せられるのみで、カップ本体11に貼着されることはない。
以上のように構成されたスープ食品用カップは、以下のような効果を発揮する。
(1) カップ本体11の内面がソリッド層13により構成されているため、発泡材の表面が露呈している場合とは異なり、カップ本体11を深絞りする場合、中子との間の摩擦が小さく、カップ本体11の成形を円滑に、能率良く行うことが可能になる。
(1) カップ本体11の内面がソリッド層13により構成されているため、発泡材の表面が露呈している場合とは異なり、カップ本体11を深絞りする場合、中子との間の摩擦が小さく、カップ本体11の成形を円滑に、能率良く行うことが可能になる。
(2) カップ本体11として、紙等のような別材質のものを使用することがないため、製造及び管理が容易である。
(3) カール部15の上面には、ソリッド層13が位置している。従って、カップ本体11の上面のカール部15に蓋板16を貼着する場合、同蓋板16が平滑なソリッド層13の表面に貼着されることになり、蓋板16とカップ本体11とを隙間なく密着させることができる。このため、空気中の水分がカップ本体11内に侵入するのを抑制して、本体11内における乾麺等の食品の風味や食感等が損なわれるおそれを防止できる。また、空気の出入りを抑制できるため、食品の酸化を抑制でき、前記と同様に風味や食感等が損なわれるおそれを防止できる。また、蓋板16を剥がす際に、その蓋板16が貼着された部分の表面が荒れたり、発泡材の微少な細片や粉がカップ本体11内に侵入したりすることを防止できる。従って、その部分に口を付けたときの感触が悪くなったりするのを防止できる。
(3) カール部15の上面には、ソリッド層13が位置している。従って、カップ本体11の上面のカール部15に蓋板16を貼着する場合、同蓋板16が平滑なソリッド層13の表面に貼着されることになり、蓋板16とカップ本体11とを隙間なく密着させることができる。このため、空気中の水分がカップ本体11内に侵入するのを抑制して、本体11内における乾麺等の食品の風味や食感等が損なわれるおそれを防止できる。また、空気の出入りを抑制できるため、食品の酸化を抑制でき、前記と同様に風味や食感等が損なわれるおそれを防止できる。また、蓋板16を剥がす際に、その蓋板16が貼着された部分の表面が荒れたり、発泡材の微少な細片や粉がカップ本体11内に侵入したりすることを防止できる。従って、その部分に口を付けたときの感触が悪くなったりするのを防止できる。
(4) 蓋を開けた際に、カップ本体11の内周面が視認されるが、この内周面が平滑なソリッド層13によって構成されているため、カップ本体11の内面の見栄えが良い。
(5) カップ本体11の内面がソリッド層13であるため、その内面には、粉体よりなるスープの素が入り込む凹凸が現実にはほとんど存在しないため、湯をカップ内に注いだ場合に、凹部内のスープの素がすぐに溶け、最後のほうになってからスープ味が濃くなるようなことはない。
(5) カップ本体11の内面がソリッド層13であるため、その内面には、粉体よりなるスープの素が入り込む凹凸が現実にはほとんど存在しないため、湯をカップ内に注いだ場合に、凹部内のスープの素がすぐに溶け、最後のほうになってからスープ味が濃くなるようなことはない。
(6) カップ本体11の内面がソリッド層13の硬い面で形成されているため、その内面が箸やフォークによって傷つくことはほとんどない。
(7) カップ本体11の外周面が柔らかく、断熱性に富む発泡層12により構成されているため、熱さをあまり感じることがなく、カップを持ったときの感触がよく、持ちやすい。
(7) カップ本体11の外周面が柔らかく、断熱性に富む発泡層12により構成されているため、熱さをあまり感じることがなく、カップを持ったときの感触がよく、持ちやすい。
(8) 発泡層12がカップ本体11の外周面側に位置しているため、表装シート14を貼り付ける接着剤として、硬質のものを使用しても、持ったときの感触が悪くならない。
(9) 表装シート14がカップ本体11から剥がされる場合、発泡層12の外表面がむしられるようにして剥がされるため、その作業をやりやすく、分別廃棄に有効である。
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を図4に基づいて説明する。
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を図4に基づいて説明する。
この第2実施形態では、カップ本体11の外表面が発泡層12と一体化されたソリッド層17により構成されている。
従って、この第2実施形態においては、前記第1実施形態における(1)〜(5)の効果に加えて、以下の効果を発揮する。
従って、この第2実施形態においては、前記第1実施形態における(1)〜(5)の効果に加えて、以下の効果を発揮する。
(10) カップ本体11の外表面がソリッド層17により構成されているため、カップ本体11を透視できる透明な表装シート14を用いた場合、外観が良くなる。
(変形例)
この発明は前記第1,第2実施形態に限定されるものではなく、以下のような態様で具体化することもできる。
(変形例)
この発明は前記第1,第2実施形態に限定されるものではなく、以下のような態様で具体化することもできる。
・ カップ本体11として、発泡層12とソリッド層13とを交互に設けた多層構造とすること。
・ 表装シート14を発泡層12の一部に帯状に設けること。
・ 表装シート14を発泡層12の一部に帯状に設けること。
(他の技術的思想)
前記請求項に記載した技術的思想以外の技術的思想は以下の通りである。
(a) カップ本体は、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートのうちのいずれかから構成されている請求項1または2に記載のスープ食品用カップ。
前記請求項に記載した技術的思想以外の技術的思想は以下の通りである。
(a) カップ本体は、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートのうちのいずれかから構成されている請求項1または2に記載のスープ食品用カップ。
(b) カップ本体の上端にカール部を形成し、そのカール部の上面にソリッド層が設けられている請求項1または2に記載のスープ食品用カップ。
(c) カップ本体を、発泡層とソリッド層とを交互に設けて多層構造した請求項1または2に記載のスープ食品用カップ。
(c) カップ本体を、発泡層とソリッド層とを交互に設けて多層構造した請求項1または2に記載のスープ食品用カップ。
11…カップ本体、12…発泡層、13…ソリッド層、14…表装シート、15…カール部、16…蓋体、17…ソリッド層。
Claims (2)
- 有底円筒状をなす合成樹脂製のカップ本体と、そのカップ本体の外周壁に接着剤を介して巻着された表装シートとを備えたスープ食品用カップにおいて、
前記カップ本体を、内周側のソリッド層と、そのソリッド層と一体化された外周側の発泡層とにより構成したことを特徴とするスープ食品用カップ。 - 発泡層の外周にさらにソリッド層を設けたことを特徴とする請求項1に記載のスープ食品用カップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004059102A JP2005247354A (ja) | 2004-03-03 | 2004-03-03 | スープ食品用カップ |
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JP2005247354A true JP2005247354A (ja) | 2005-09-15 |
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ID=35028231
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010173259A (ja) * | 2009-01-30 | 2010-08-12 | Sekisui Plastics Co Ltd | 樹脂発泡シート及び発泡樹脂製容器 |
JP2010222037A (ja) * | 2009-03-24 | 2010-10-07 | Dainippon Printing Co Ltd | 断熱性容器 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH0199984A (ja) * | 1987-09-30 | 1989-04-18 | Yoshino Kogyosho Co Ltd | 食品容器 |
JPH09226851A (ja) * | 1996-02-27 | 1997-09-02 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 食品容器及び蓋 |
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2004
- 2004-03-03 JP JP2004059102A patent/JP2005247354A/ja active Pending
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