JP2005245446A - 光学的分取方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 所望の活性を有する遺伝子生成物をコードする1つ以上の遺伝子エレメントを単離する方法を提供する。
【解決手段】 遺伝子産物がそれらをコードする遺伝子に連結されるように、該遺伝子エレメントを発現させ、それらの各遺伝子産物を産生させ、遺伝子エレメントをマイクロカプセル内に区画化し、そして遺伝子エレメントの光学特性の変化により、所望の活性を有する遺伝子産物を産生する遺伝子エレメントを分取する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、分子ライブラリーをin vitroにおける進化に使用するための方法に関する。特に本発明は、核酸とコードされる遺伝子産物の活性が区画化によって連結している遺伝子産物をコードする核酸を選択する方法に関する。
進化には、遺伝子の多様性(核酸の多様性)、およびその後の有益な特性をもたらす核酸の選択が必要である。生物の核酸とコードされる遺伝子産物の活性は物理的に連結しているので(核酸はそれらがコードする細胞内に閉じ込められている)、度重なる突然変異および選択により、生物が適合性を高めながら進歩的に生存し続けることが可能である。核酸またはタンパク質の迅速な進化に関するシステムは、核酸とコードされる遺伝子産物の活性が連結しており、遺伝子産物の活性が選択可能であるこのプロセスを分子レベルで模倣することが有利である。
分子生物学の最近の進歩により、いくつかの分子を、それらをコードする核酸とともにそれらの特性に基づいて、同時に選択することが可能となった。選択された核酸は、その後さらなる解析もしくは使用のためにクローン化でき、または突然変異と選択をさらに繰り返させることができる。
これらの方法に共通なのは、核酸の大きなライブラリーを樹立することである。所望の特性(活性)を有する分子は、所望の生化学的または生物学的活性(例えば結合活性)などのコードされる遺伝子産物の所望の活性について選択する選択方式によって単離することができる。
ファージ展示技術は、核酸とコードされる遺伝子産物の活性の間の本質的な連結を提供することにより展示されたタンパク質の選択を可能とする媒介物を提供することで大きな成功をもたらした(Smith, 1985; Bass et al , 1990; McCaffenyら、1990、概説のためにはClacksonおよびWells, 1994を参照)。繊維状ファージ粒子は、外部にタンパク質を有し、内部にそれらをコードする遺伝エレメントを有する遺伝子展示パッケージの役割を果たす。核酸とコードされる遺伝子産物の活性との間の強固な連結は、細菌内でのファージの構築により得られる。個々の細菌は多重感染することはめったにないので、ほとんどの場合、個々の細菌から産生されたすべてのファージは同じ遺伝子エレメントを有し、かつ同じタンパク質を展示する。
しかしながら、ファージ展示法は細菌内でのin vivoの核酸ライブラリーの作製に基づく。従って、ファージ展示技術において可能なライブラリーのサイズに対する実質的な限界は、切り出し可能な繊維状ファージレプリコンを有するλファージベクターの利点を持ってしても、107〜1011のオーダーである。この技術は、結合活性を有する分子の選択に主として適用されてきた。触媒活性を有する少数のタンパク質もこの技術を利用して単離されているが、その選択は、直接所望の触媒活性についてではなく、遷移状態の類似体への結合(WiderstenおよびMannervik, 1995)、または自殺インヒビター(suicide inhibitor)との反応(Soumillionら、1994; Jandaら、1997)のいずれかについてであった。より最近になって、産物の形成によるファージ展示法を利用して選択された酵素の例がいくつか見られるが(Atwell & Wells, 1999; Demartisら、1999; Jestinら、1999; Pederson,ら、1998)、これらの全てにおける選択は複数回繰り返すためのものではなかった。
特定のペプチドリガンドが、lacリプレッサーLacIのC末端に結合したペプチドの大きなライブラリーを利用したアフィニティ選択によりレセプターへの結合について選択されている(Cullら、1992)。大腸菌内で発現させると、該リプレッサータンパク質は、プラスミド上のlacオペレーター配列に結合することにより、リガンドを、それをコードするプラスミドに物理的に連結させる。
完全にin vitroであるポリソーム展示システムも報告されており(Mattheakisら、1994: HanesおよびPluckthun, 1997)、これでは、新たに生成したペプチドがリボソームを介してそれらをコードするRNAに物理的に結合する。RNA-ペプチド融合物を形成することにより遺伝子型を表現型に連結させる、別の完全にin vitroであるシステム(Roberts およびSzostak, 1997; Nemoto et aI., 1997)も報告されている。
しかし上記のシステムの範囲はタンパク質の選択に限定されており、さらに結合以外の活性、例えば触媒または調節活性についての直接の選択を可能とするものではない。
SELEX(指数関数的濃縮によるリガンドの系統的進化;Tuerkand Gold, 1990)とも呼ばれるin vitroのRNAの選択および進化(EllingtonおよびSzostak, 1990)は、結合および化学活性の両方についての選択を可能とするが、核酸についてのみである。結合について選択する場合は、核酸のプールを固定化基質とともにインキュベートする。結合していないものは洗い流した後、結合物を切り離して増幅し、より優れた結合配列を濃縮するためにステップを反復して全工程を繰り返す。この方法は触媒RNAおよびDNAの単離を可能とするためにも採用される(GreenおよびSzostak, 1992; 概説にはChapmanおよびSzostak, 1994; Joyce, 1994; Goldら、1995; Moore, 1995を参照)。
しかし、SELEXを使用すると「触媒」活性または結合活性についての選択のみが可能であり、これは同一分子が遺伝子情報を担持すること、および触媒または結合分子(アプタマー)であることという2重の役割を演じるからである。「自己触媒作用」について選択する場合、同一分子が基質であるという第3の役割を果たさなければならない。遺伝子エレメントが基質および触媒の両方の役割を果たさなければならないので、選択は一回だけの事象についてのみ可能である。この「触媒」は、この工程においてそれ自体修飾されるので、それは定義上、真の触媒ではない。さらに、SELEXの手順を用いて、タンパク質を選択できない場合もある。従って選択可能な触媒、基質および反応の範囲は厳しく制限される。
上記の方法のうち突然変異および選択の反復工程を可能とするものは、通常、進化の過程に基づく機序、すなわち変異の繰り返し、所望の活性についての累積的な選択、および複製を、in vitroで模倣するものである。しかし、これまでに開発された方法には、天然に見られるものに匹敵する多様性および機能的効能を有する分子を提供するものはない。さらに、生化学的および生物学的活性(例えば結合、触媒および調節活性)の全ての範囲に作用するために核酸およびタンパク質の両方を進化させることができ、所望の産物または活性を導く複数のプロセスを組み合わせることができる人工の「進化」システムはない。
従って、上記の制限を克服するin vitroの系に対する大きな需要がある。
TawfikおよびGriffiths (1998)、および国際特許出願PCT/GB98/01889において、我々は、遺伝子型と表現型を分子レベルで連結するためのマイクロカプセル中の区画化を用いて上記の制限の多くを克服するin vitroの進化のためのシステムを記載する。
TawfikおよびGriffiths (1998)、および国際特許出願PCT/GB98/01889のいくつかの実施形態においては、遺伝子産物の所望の活性によりそれをコードする(かつ、同一マイクロカプセル内にある)遺伝子エレメントを修飾する。その後、修飾された遺伝子エレメントを以後のステップで選択できる。
本明細書においては、遺伝子エレメントの修飾がエレメントそれ自体の光学特性の変化を引き起こし、これまでに記載された方法に対して多くの利点を有する別の発明を記載する。
本発明の第1の態様によれば、その発現により直接または間接的に前記遺伝子産物をコードする遺伝子エレメントの光学特性の修飾を生じる所望の活性を有する遺伝子産物をコードする1つ以上の遺伝子エレメントを単離する方法であって、
(a) 遺伝子エレメントをマイクロカプセル中に区画化し;
(b) マイクロカプセル内で遺伝子エレメントを発現させてそれらのそれぞれの遺伝子産物を産生させ;
(c) 遺伝子エレメントの変化した光学特性に従って所望の活性を有する遺伝子産物を産生する遺伝子エレメントを分取する;
ステップを含む前記方法を提供する。
本発明のマイクロカプセルは、遺伝子エレメントおよび遺伝子産物を、それらが物理的に連結したまま保持されるように区画化する。
本明細書にいう遺伝子エレメントとは、核酸を含む分子または分子構築物である。本発明の遺伝子エレメントは任意の核酸(例えばDNA、RNA、それらの天然または人工の任意の類似体)を含み得る。遺伝子エレメントの核酸成分はさらに、タンパク質、化学物質および化学基を含む1個以上の分子もしくは構造物、ビーズ(非磁性、磁性および常磁性ビーズを含む)などの固相支持体などに、共有結合または非共有結合により結合されていてもよい。本発明の方法においては、これらの構造物もしくは分子は、所望の活性を有する遺伝子産物をコードする遺伝子エレメントの分取および/または単離に役立つように設計することができる。
本明細書にいう発現とは、最も広義の意味において使用され、遺伝子エレメントに含まる核酸がその遺伝子産物に変換されることを示す。従って、核酸がDNAである場合、発現とはDNAのRNAへの転写をいい、このRNAがタンパク質をコードする場合、発現はRNAのタンパク質への翻訳も意味し得る。核酸がRNAである場合、発現とは、このRNAのさらに別のRNAコピーへの複製、RNAのDNAへの逆転写、そして場合によってはこのDNAのさらに別のRNA分子への転写、並びに場合によってはこれらの生成したRNA種のいずれかのタンパク質への翻訳を意味し得る。従って、好ましくは、発現は、転写、逆転写、複製および翻訳からなる群から選択される1つ以上の工程によって行われる。
遺伝子エレメントの発現は、本発明のマイクロカプセル内で、DNA、RNAもしくはタンパク質、非天然の塩基もしくはアミノ酸を含む核酸またはタンパク質(遺伝子産物)について行われ、その結果遺伝子産物は遺伝子エレメントと同一のマイクロカプセル内に閉じ込められる。
遺伝子エレメントとそれによりコードされる遺伝子産物は、それぞれの遺伝子エレメント、および遺伝子エレメントによってコードされる各遺伝子産物が同一のマイクロカプセル内に閉じ込められることにより連結する。従って、1つのマイクロカプセル内の遺伝子産物は、他のいずれのマイクロカプセル内においても変化しえない。さらに、以下に記載するように、さらに別の連結手段を利用して遺伝子産物を、それらをコードする遺伝子エレメントに連結してもよい。
用語「マイクロカプセル」は、当技術分野において通常それが有する意味に従って本明細書において使用されるものであり、さらなる説明は後述する。しかし本質的には、マイクロカプセルは、その境界が本明細書に記載する分子的機構を有する成分の交換を制限し、それにより、遺伝子エレメントをそれらがコードする遺伝子産物の機能に従って分取することを可能にする人工的な区画である。
好ましくは、本発明の方法において使用されるマイクロカプセルは、非常に多数産生することができ、それにより遺伝子産物のレパートリーをコードする遺伝子エレメントのライブラリーを区画化することができるものである。
本明細書にいう遺伝子エレメントの光学特性の変化とは、吸収、発光、燐光もしくは蛍光の変化を含む電磁放射の吸収または放出のあらゆる変化をいう。そのような特性はいずれも「光学」の用語に含まれる。遺伝子エレメントは、例えば発光、蛍光または燐光活性化ソーティングにより分取することができる。好ましい実施形態においては、遺伝子エレメントを分取するためにフローサイトメトリーが使用され、例えば光散乱(Kerker, 1983)および蛍光分極(Rowlandら、1985)を使用してフローソーティングを実施することができる。非常に好ましい実施形態においては、遺伝子エレメントを、蛍光活性化セルソーター(FACS)(Norman, 198O; MackenzieおよびPinder, 1986)を使用して分取する。
光学特性の変化は直接的または間接的であってよい。従って、かかる変化は、遺伝子エレメントそれ自体の光学特性の変化をもたらすこともあり、または間接的にそのような変化をもたらすこともある。例えば、遺伝子エレメントの修飾により、遺伝子エレメントの光学活性のあるリガンドに結合する能力を変化させることができ、これにより間接的にその光学特性が変化する。
または、イメージング技術を使用して遺伝子エレメントの薄片をスクリーニングし、例えば、所望の特性を有する遺伝子エレメントが位置する領域を物理的に単離し、または所望ではない遺伝子エレメントの削除により所望の特性を有する遺伝子エレメントを濃縮することができる。遺伝子エレメントは発光、燐光または蛍光により検出することができる。
本発明の第1の態様の好ましい実施形態によれば、遺伝子エレメントの分取は本質的に2つの技術のうちの1つにより行うことができる。
(I) 最初の実施形態においては、遺伝子エレメントは、1つ以上の共通の区画へマイクロカプセルをプールした後に分取される。この実施形態においては、所望の活性を有する遺伝子産物がそれをコードする遺伝子エレメント(同一のマイクロカプセル中に存在する)を修飾し、その修飾された光学特性により後のステップにおける該遺伝子エレメントの選択を可能とする。反応を停止し、その後マイクロカプセルを破壊して個々のマイクロカプセルの内容物をすべてプールする。マイクロカプセル内の遺伝子エレメントの修飾は、遺伝子エレメントの光学特性の改変を直接的にもたらし得る。または、この修飾により、遺伝子エレメントがマイクロカプセルの外部でさらに修飾されてその光学特性の変化をもたらすことができる。改変された光学特性を有する遺伝子エレメントの選択により、所望の活性を有する遺伝子産物をコードする遺伝子エレメントを濃縮することができる。従って、本発明は、ステップ(b)で、所望の活性を有する遺伝子産物がそれをコードする遺伝子エレメントを修飾し、該遺伝子エレメントの光学特性の変化の結果として遺伝子エレメントの単離を可能とする、本発明の第1の態様による方法を提供する。いうまでもなく修飾は直接的なものでもよく、その場合、それは遺伝子産物の遺伝子エレメントに対する直接の作用によって生起され、また一連の反応による間接的なものでもよく、その場合は、一連の反応の中の所望の活性を有する遺伝子産物が関与する1つ以上の反応により、遺伝子エレメントが修飾されるものと理解される。
(II) 第2の実施形態においては、遺伝子エレメントを多段階的工程により分取でき、その操作は、少なくとも2つのステップを含み、例えば、遺伝子エレメントを少なくとも2つの別々の反応が起こりうるような条件に暴露することを可能とする。当業者には明らかなように、本発明の第1のマイクロカプセル化ステップは、遺伝子エレメントの発現、すなわち転写、転写および/または翻訳、複製等を可能とする条件にすることが有利である。これらの条件下では、例えば遺伝子産物がこれらの条件の下では活性を示さないかもしれないこと、または発現システムが妨害活性を含んでいることにより、特定の遺伝子産物活性について選択できないことがあり得る。従って本発明は、ステップ(b)が、マイクロカプセル内で遺伝子エレメントを発現してそれらのそれぞれの遺伝子産物を生成し、各遺伝子産物をそれらをコードする遺伝子エレメントに連結させ、それにより形成された複合体を単離することを含む、本発明の第1の態様による方法を提供する。これにより、遺伝子産物活性によって分取する前に、遺伝子エレメントおよびそれらに結合した遺伝子産物をカプセルから単離することが可能となる。好ましい実施形態においては、所望の活性を有する遺伝子産物をコードする遺伝子エレメントを単離する前に、複合体を別の区画化ステップに供する。このさらなる別の区画化ステップは、マイクロカプセル内で行うことが有利であり、遺伝子エレメントおよびそれらのそれぞれの遺伝子産物が物理的に連結している環境内で、異なる条件の下で、さらなる反応を起こすことができる。遺伝子エレメントの最終的な分取は上記の実施形態(I)に従って行うことができる。
「第2のカプセル化」は、ファージ展示法、ポリソーム展示法、RNA-ペプチド融合法またはlacリプレッサーペプチド融合法などのその他の手段により遺伝子産物と連結された遺伝子エレメントを用いて行うこともできる。
選択された遺伝子エレメントを、場合によっては、その後反復するステップにおいてより厳密な分取工程に供してもよく、本発明の方法を全体として再適用するか、または選択したステップのみを再適用してもよい。条件を適当に調整することにより、より最適化された活性を有する遺伝子産物をコードする遺伝子エレメントを各選択工程後に単離できる。
さらに、分取の最初の工程の後に単離された遺伝子エレメントを、上記の本発明の方法のステップを反復して分取を繰り返す前に突然変異誘発に供してもよい。各突然変異誘発後、いくつかの遺伝子エレメントは、遺伝子産物の活性が増強されるように改変される。
さらに、選択された遺伝子エレメントを発現ベクターにクローン化し、遺伝子エレメントおよびそれらの産物のさらなる特性解析をすることができる。
第2の態様においては、本発明の第1の態様によって選択された産物を提供する。この文意において使用する「産物」とは、本発明による選択が可能な遺伝子産物または遺伝子エレメント(もしくはそれに含まれる遺伝情報)を示し得るものをいう。
第3の態様においては、本発明は遺伝子産物の調製方法を提供し、該遺伝子産物の発現は直接または間接的にそれをコードする遺伝子エレメントの光学特性の変化をもたらすものであり、前記方法は、
(a) 遺伝子産物をコードする遺伝子エレメントを調製し;
(b) 遺伝子エレメントをマイクロカプセル中に区画化し;
(c) マイクロカプセル内で遺伝子エレメントを発現させてそれらのそれぞれの遺伝子産物を産生させ、
(d) 遺伝子エレメントの変化した光学特性を用いて、所望の活性を有する遺伝子産物を産生する遺伝子エレメントを分取し;
(e) 所望の活性を有する遺伝子産物を発現させる;
ステップを含む。
第3の態様によれば、ステップ(a)は、好ましくは、遺伝子エレメントのレパートリーを調製することを含み、各遺伝子エレメントが潜在的に異なる遺伝子産物をコードするものとする。レパートリーは、ファージ展示法などの方法による選択を意図するライブラリーの生成に使用されるものなどの、従来の技術によって生成することができる。所望の活性を有する遺伝子産物を、他の遺伝子産物とは異なる方法で遺伝子エレメントの光学特性を修飾する能力により、本発明に従い、レパートリーから選択できる。例えば、所望の遺伝子産物は、他の遺伝子産物より高度に、または全く修飾しないことを含めてより低い程度で光学特性を修飾できる。
第4の態様においては、本発明は、遺伝子産物の活性を調節することができる化合物をスクリーニングする方法を提供し、該遺伝子産物の発現が直接または間接的にそれをコードする遺伝子エレメントの光学特性の修飾をもたらすものであって、該方法は、
(a) 遺伝子産物をコードする遺伝子エレメントのレパートリーを調製し;
(b) 遺伝子エレメントをマイクロカプセル中に区画化し;
(c) マイクロカプセル内で遺伝子エレメントを発現させてそれぞれの遺伝子産物を産生させ、
(d) 遺伝子エレメントの変化した光学特性を使用して、所望の活性を有する遺伝子産物を産生する遺伝子エレメントを分取し;そして、
(e) 所望の活性を有する遺伝子産物を化合物と接触させ、化合物による遺伝子産物の活性の調節をモニターする;
ステップを含む。
上記方法は、さらに
(g) 遺伝子産物の活性を調節することができる化合物を同定し、その化合物を合成する;
ステップを含むことが有利である。
この選択システムは、触媒、調節もしくは結合活性を有するRNA、DNAまたはタンパク質分子を選択するために構成することができる。
(A) 一般的説明
本発明のマイクロカプセルは、本発明の実施を可能とするのに適切な物理的性質を必要とする。
第1に、遺伝子エレメントと遺伝子産物がマイクロカプセルの間で拡散しないことを確実にするために、各マイクロカプセルの内容物は好ましくは周囲のマイクロカプセルの内容物から隔離されており、実験期間中マイクロカプセルの間での遺伝子エレメントおよび遺伝子産物の交換が全くまたはほとんどないようにする。
第2に、本発明の方法は、マイクロカプセル1個当たり限定された数のみの遺伝子エレメントが存在することを必要とする。これにより、個々の遺伝子エレメントの遺伝子産物が他の遺伝子エレメントから隔離される。従って、遺伝子エレメントおよび遺伝子産物の間の結合は高度に特異的なものとなる。濃縮倍率は、平均で1のマイクロカプセル当たり1個またはそれより少数の遺伝子エレメントで最大となり、個々の遺伝子エレメントの遺伝子産物はその他のすべての遺伝子エレメントの生成物から単離されるので、核酸とコードする遺伝子産物の活性との間の連結は可能な限り強固なものとなる。しかし、平均で、1個のマイクロカプセル当たりに1個の遺伝子エレメントまたはそれより少ない遺伝子エレメントという理論的に最適な状況を使用しなくても、1のマイクロカプセル当たり5、10、50、100のもしくは1000個、またはそれ以上の遺伝子エレメントの比率も、大きなライブラリーの分取において有益である。後に、異なる遺伝子エレメント分布により新たなカプセル化を含む分取を反復することにより遺伝子エレメントのより厳密な分取が可能となる。1個のマイクロカプセル当たり、単一またはより少数の遺伝子エレメントであることが好ましい。
第3に、マイクロカプセルの形成および組成は、遺伝子エレメントの発現機構および遺伝子産物の活性の機能を破壊しないことが有利である。
当業者には明らかなように、適切なシステムは本発明の各用途における必要条件の詳細な性質に依存する。
広範な種類のマイクロカプセル化法が利用可能であり(Benita, 1996を参照)、本発明により使用されるマイクロカプセルを作成するために使用することができる。実際に、200を越えるマイクロカプセル化方法が文献に見られる(Finch, 1993)。
そのようなものとしては膜に封入された水性小胞、例えば脂質小胞(リポソーム)(New, 1990)および非イオン性界面活性剤小胞(van Halら、1996)が挙げられる。これらは非共有結合により構築された分子の単一または複数の二重層の閉鎖膜カプセルであり、各二重層は水性区画により隣接するものから分離されている。リポソームの場合、膜は脂質分子で構成され、該分子は通常リン脂質からなるが、コレステロール等のステロールも膜に組込まれている(New, 1990)。RNAおよびDNAの重合を含む様々な酵素触媒性生化学反応をリポソーム中で行うことができる(Chakrabartiら、1994; Oberholzerら、1995a; Oberholzerら、1995b; Waldeら、1994; Wick & Luisi, 1996)。
膜に封入された小胞系においては、殆どの水相は小胞の外部にあり、従って区画化されていない。この間を埋めている水相を除去するか、あるいはその中の生物学的な系が阻害または破壊し(例えばDNaseもしくはRNaseによる核酸の消化によって)、反応がマイクロカプセルに限定されるようにする(Luisi, 1987)。
その他の種々の方法により生成されたマイクロカプセル中での酵素により触媒される生化学的反応も示されている。多くの酵素は逆性ミセル溶液中で活性があり(Bru & Walde, 1991; Bru & Walde, 1993; Creaghら、1993; Haberら、1993: Kumerら、1989; Luisi & B., 1987; Mao & Walde, 1991; Maoら、1992; Perezら、1992; Waldeら、1994; Waldeら、1993; Waldeら、1988)、例えばAOT-イソオクタン-水系において活性がある(Menger & Yamada, 1979)。
マイクロカプセルは界面重合および界面複合化(Whateley, 1996)によっても生成することができる。この種のマイクロカプセルは強固な非浸透性の膜または半透膜を有してよい。硝酸セルロース膜、ポリアミド膜および脂質ポリアミド膜で仕切られた半透性のマイクロカプセルは、いずれも複数の酵素系を含む生化学的反応を支持できる(Chang, 1987; Chang 1992: Lim, 1984)。アルギネート/ポリリシンマイクロカプセル(Lim & Sun, 1980)は、非常に穏やかな条件下で形成することができ、非常に生物学的適合性が高く、例えば生細胞または生組織をカプセル化するのに有効な方法を提供することが判明している(Chang, 1992; Sunら、1992)。
例えばエマルジョンのようなコロイド系内の水性環境の相分離に基づく、膜質ではないマイクロカプセル化システムも使用することができる。
好ましくは、本発明のマイクロカプセルはエマルジョンから形成され、これは2種の非混和性液相の不均質系であり、1つの相が他方に顕微鏡サイズまたはコロイドサイズの小滴として分散しているものである(Becher, 1957; Sherman. 1968; Lissant, 1974; Lissant, 1984)。
エマルジョンは非混和性液体の任意の適当な組合せから調製できる。好ましくは、本発明のエマルジョンは、微細に分割された小滴の形で存在する相(分散、内部または不連続相)として水(生化学的成分を含む)を含み、該小滴が懸濁されるマトリックスとして疎水性の非混和性液体(油)を含む(非分散、連続または外部相)。このようなエマルジョンは「油中水型」(W/O)と称される。これは別々の小滴(内部相)中に生化学的成分を含む水相全体が区画されているという利点を有する。疎水性油である外部相は、一般には生化学的成分を全く含んでおらず、従って不活性である。
エマルジョンは1つ以上の界面活性剤を添加することによって安定化することができる。そのような界面活性剤は乳化剤と呼ばれ、水/油界面で相の分離を防止する(または少なくとも遅延させる)ように作用する。多数の油および多数の乳化剤を油中水型エマルジョンの生成のために使用することができ、最近の文献においては16,000の界面活性剤が挙げられており、それらの多くを乳化剤として使用することができる(AshおよびAsh, 1993)。適当な油としては、軽質流動パラフィン、およびソルビタンモノオレエート(SpanTM8O; ICI)およびポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(TweenTM8O; ICI)のような非イオン性界面活性剤(Schick, 1966)が挙げられる。
アニオン性界面活性剤を使用することも有益である。適当な界面活性剤としては、コール酸ナトリウムおよびタウロコール酸ナトリウムが挙げられる。特に好ましいのはデオキシコール酸ナトリウムであり、好ましくは0.5% w/v以下の濃度で使用する。そのような界面活性剤を含有させると、遺伝子エレメントの発現および/または遺伝子産物の活性を増加させることができる場合がある。ある種のアニオン性界面活性剤を非エマルジョン化反応混合物に添加すると翻訳が完全に阻害されてしまう。しかし、エマルジョン化の際に界面活性剤は水相から界面に移動し、活性が復活する。エマルジョン化する混合物にアニオン性界面活性剤を添加することにより、区画化された後にのみ反応が進行するようにすることができる。
エマルジョンの生成には、相を強制的に混合するために一般に機械力を加えることが必要である。これを行うためには、種々の機械装置を使用する種々の方法があり、そのような装置としては、攪拌機(磁気攪拌棒、プロペラおよびタービンスターラー、パドル装置および泡立て器等)、ホモジナイザー(ローターステーターホモジナイザー、高圧バルブホモジナイザー、ジェットホモジナイザー等)、コロイドミル、超音波および膜乳化装置(Becher, 1957; Dickinson, 1994)等が挙げられる。
油中水型エマルジョン中に形成された水性マイクロカプセルは一般に安定であり、マイクロカプセル間での遺伝子エレメントまたは遺伝子産物の交換はあるとしてもわずかである。さらに本発明者は、いくつかの生化学的反応がエマルジョンマイクロカプセル内で進行することを示した。さらに、複雑な生化学的プロセス、特に遺伝子転写および翻訳もエマルジョンマイクロカプセル内で活性を有する。何千リットルという工業的規模までの容量でエマルジョンを作成する技術がある(Becher, 1957: Sherman, 1968; Lissant, 1974; Lissant, 1984)。
好ましいマイクロカプセルのサイズは、本発明により行われる任意の個々の選択的プロセスの詳細な必要条件により変化する。すべての場合において、遺伝子産物の効率的な発現および遺伝子産物の反応性を達成するための、遺伝子ライブラリーサイズ、要求される濃縮および個々のマイクロカプセル中の成分の必要な濃度の間の最適なバランスが存在する。
発現の過程は本発明により提供される個々のマイクロカプセル内で起こる。in vitroでの転写および転写/翻訳の組み合わせは、いずれもナノモル濃度未満のDNA濃度では効率が低下する。各マイクロカプセル中に存在するDNA分子が限定された数だけが必要であるため、これにより可能なマイクロカプセルのサイズの実際的な上限が設定される。好ましくは、マイクロカプセルの平均容量は5.2 x 10-16 m3未満(10μm未満の直径の球状のマイクロカプセルに対応する)、より好ましくは6.5 x 10-17 m3未満(直径5 μm)、より好ましくは約4.2 x 10-18 m3(直径2 μm)、理想的には約9 x 10-18 m3(直径2.6 μm)である。
マイクロカプセル中の有効なDNAまたはRNA濃度は、当技術分野で周知の種々の方法により人為的に増加させることができる。このような方法としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)の容量排除化学物質(volume excluding chemicals)の添加、および種々の遺伝子増幅法、例えば、大腸菌(Roberts, 1969; BlattnerおよびDahlberg, 1972; Robertsら、1975; Rosenbergら、1975)、真核生物(Weilら、1979; Manleyら、1983)、およびT7、T7、およびSP6のようなバクテリオファージ(Meltonら、1984)からのRNAポリメラーゼを使用した転写、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(Saikiら、1988)、Qbレプリカーゼ増幅(Mieleら、1988; Cahillら、1991; ChetverinおよびSpirin, 1995; Katanaevら、1995)、リガーゼ連鎖反応(LCR)(Landegrenら、1988; Barany, 1991)、および自己維持配列複製系(Fahyら、1991)および鎖置換増幅(Walkerら、1992)等が挙げられる。PCRおよびLCRのような熱サイクルを必要とする遺伝子増幅技術は、エマルジョンおよびin vitro転写または転写/翻訳を組み合わせた系は熱に対して安定である場合(例えば、転写/翻訳の組み合わせ系がThermus aquaticusのような熱安定性生物に由来しうる場合など)に使用できる。
局所的有効核酸濃度を増加させることによって、より大きなマイクロカプセルを有効に使用することができる。これによりマイクロカプセル容量が約5.2 x 10-16 m3(直径10μmの球に相当する)に好ましい実際的な上限が与えられる。マイクロカプセルのサイズは、マイクロカプセル内で起こることが必要な生化学的反応の必要な成分をすべて収容することができるように十分に大きいことが好ましい。例えば、in vitroでは、転写反応および組み合わせた転写/翻訳反応のいずれも約2 mMの全ヌクレオチド三リン酸濃度を必要とする。
例えば、単一の500塩基の短いRNA分子に遺伝子を転写するためには、1個のマイクロカプセルあたり最低500分子のヌクレオチド三リン酸(8.33 x 10-22モル)を必要とする。2 mM溶液を構成するためには、この数の分子が容量4.17 x 10-19リットル(4.17 x 10-22 m3、球状の場合93 nmの直径を有する)のマイクロカプセルに含まれることになる。
さらに、特に翻訳を含む反応の場合には、翻訳が生じるのに必要なリボソームは、それ自体約20 nmの直径を有することに留意しなければならない。従って、マイクロカプセルの直径の好ましい下限は、約0.1 μm(100 nm)である。
従って、マイクロカプセル容量は好ましく5.2 x 10-22 m3〜5.2 x 10-16 m3の間にあり、これは直径0.1 μm〜10 μmの球体に相当し、より好ましくは、約5.2 x 10-19 m3〜6.5 x 10-17 m3(直径1 μm〜5 μm)の間である。直径2.6 μmの球状物が最も有利である。
区画の好ましい大きさ(平均直径2.6 μmの小滴)が、細菌の大きさ(例えばエスケリッチア(Escherichia)菌は1.1〜1.5 x 2.0〜6.0μmの桿菌であり、アゾトバクター(Azotobacter)菌は直径1.5〜2.0μmの卵形の細胞である)に非常に近いものであることは偶然のことではない。その最も単純な形では、ダーウィン学派による進化論は「1遺伝子型1表現型」機構に基づくものである。単一の区画化された遺伝子またはゲノムの濃度については、直径2 μmの区画中では0.4 nMであるが、5 μmの直径の区画中では25 pMに低下する。原核生物の転写/翻訳機構は直径約1〜2 μmの区画の中で機能的に進化し、この場合単一遺伝子はおよそナノモル濃度である。直径2.6μmの区画中の単一の遺伝子は0.2 nMの濃度にある。この遺伝子濃度は、効率的な翻訳には十分に高い。そのような容量に区画化することにより、遺伝子産物の単一の分子だけが形成された場合でも、該分子が約0.2 nMで確実に存在することが可能であり、これは遺伝子産物が遺伝子エレメントそれ自体の修飾活性を有することが必要である場合に重要である。従ってマイクロカプセルの容量は、遺伝子エレメントの転写および翻訳のための必要条件のみならず、本発明の方法における遺伝子産物に必要とされる修飾活性をも考慮して選択される。
エマルジョンマイクロカプセルのサイズは、単に、選択系の必要条件によりエマルジョンを形成するために使用するエマルジョン化の条件を調整することにより変更できる。マイクロカプセルサイズがより大きくなると、所定の遺伝子エレメントライブラリーをカプセル化するために必要とされる容量が大きくなるので、最終的な制限要因がマイクロカプセルのサイズであり、すなわち単位容量あたりに存在し得るマイクロカプセルの数であることによる。
マイクロカプセルのサイズを、転写/翻訳系の必要条件に注意を払うだけでなく、遺伝子エレメントのために使用する選択系の必要条件も考慮して選択する。すなわち、化学修飾系のような選択系の成分は、転写/翻訳には最適でない反応容量および/または試薬濃度を必要とし得る。本明細書に記載するように、そのような必要条件は第2の再カプセル化ステップによって適用させることができ、さらにそれらは全体として転写/翻訳および選択を最大化するためにマイクロカプセルのサイズを選択することにより適用させることができる。例えば本明細書に記載するように、最適のマイクロカプセル容量および試薬濃度は経験的に決定することが好ましい。
本発明の「遺伝子エレメント」は上記した通りである。好ましくは、遺伝子エレメントは、DNA分子、RNA分子、合成塩基のみからなる、または天然および合成の塩基の混合物からなる部分的にまたは完全に人工的な核酸分子からなる群から選択される分子または構築物であり、これらはポリペプチドに結合していてもよく、またはその他の分子基または構築物に結合していてもよい。有利には、他の分子基または構築物は、核酸、ポリマー物質、特にビーズ(例えばポリスチレンビーズ)、および磁性または常磁性のビーズのような磁性または常磁性の物質からなる群から選択することができる。
遺伝子エレメントの核酸部分は、遺伝子産物の効率的な発現に必要とされる適切な調節配列(例えばプロモーター、エンハンサー、翻訳開始配列、ポリアデニル化配列、スプライシング部位等)を含んでよい。
以下の記載から明らかなように、多くの場合、ポリペプチドもしくその他の分子基または構築物は、遺伝子エレメントの光学特性を変化させるために直接もしくは間接的に遺伝子産物に結合するか、またはそれと反応するリガンドもしくは基質である。これにより、遺伝子産物の活性に基づいて遺伝子エレメントの分取が可能となる。リガンドまたは基質は、当業者には明らかな種々の手段により、核酸に結合させることができる(例えば、Hermanson, 1996を参照)。
核酸分子をリガンドまたは基質に結合し得る1つの方法は、ビオチン化によるものである。これは、5’-ビオチン化プライマーを使用するPCR増幅を行い、ビオチンと核酸を共有結合により結合させて行うことができる。
リガンドまたは基質は当業者には明らかな種々の手段により修飾された核酸に結合することができる(例えばHermanson, 1996参照)。ビオチン化された核酸を、アビジンまたはストレプトアビジンでコートされているために非常に高いアフィニティで該核酸に結合するポリスチレンまたは常磁性のマイクロビーズ(直径0.02〜約5.0μm)に結合させることができる。このビーズは、任意の適切な方法、例えばビオチン化基質の添加または共有結合させることにより、基質またはリガンドで誘導化できる。
または、ビオチン化核酸は、チログロブリン(669Kd)またはフェリチン(440Kd)のような大きなタンパク質分子と複合体化したアビジンまたはストレプトアビジンに結合できる。この複合体は、例えばリシンのε-アミノ基に共有結合することにより、または、ビオチン-アビジンのような共有結合ではない相互作用により、基質もしくリガンドで誘導化できる。
基質は、遺伝子エレメントには結合していないが、光活性化などのそれを活性化する別のステップを必要とする不活性な「タグ」(例えば「ケージド」ビオチンアナログのもの(Sandburgら、1995; PirrungおよびHuang, 1996))を含む形態で存在してもよい。選択される触媒はその後基質を産物に変換する。その後「タグ」は活性化され、タグ結合分子(例えばアビジンまたはストレプトアビジン)が結合した「タグ」を付された基質および/または産物は核酸と複合体を形成する。従って「タグ」を介して核酸に結合した産物に対する基質の比率は、溶液中の基質および産物の比率を反映する。
これに替わる方法としては、核酸を産物特異的抗体(またはその他の産物特異的分子)に結合させることである。この方法では、基質(または基質の1つ)が、遺伝子エレメントに連結していない各マイクロカプセル中に存在するが、分子「タグ」(例えば、ビオチン、DIGもしくはDNPまたは蛍光基)を有する。選択される触媒が基質を産物に変換されるとき、産物は「タグ」を保持しており、その後産物に特異的な抗体によってマイクロカプセル中で捕獲される。この方法では、基質を産物に変換することができる酵素をコードするか産生する場合にのみ、遺伝子エレメントが「タグ」に結合することになる。
用語「単離する」、「分取する」および「選択する」並びにそれらの変化形を本明細書で使用する。単離とは、本発明においては、ある物質を不均質な集団、例えば混合物から分離し、単離工程の前に共に存在した少なくとも1の物質を含まなくなるようにする工程をいう。好ましい実施形態においては、単離は、実質的に均質になるまで物質を精製することをいう。物質を分取するとは、所望の物質を所望ではない物質に対して優先的に単離する工程をいう。これが所望の物質の単離に関する限り、用語「分離する」および「分取する」は同義である。本発明の方法によれば、所望の遺伝子エレメントを含む遺伝子エレメントのプール(ライブラリーまたはレパートリー)からの所望の遺伝子エレメントを分取することが可能となる。選択とは、物質の特定の特性によりその物質を単離する工程(分取する工程を含む)を示すために使用する。
非常に好ましい用途においては、本発明の方法は、遺伝子エレメントのライブラリーを分取するのに有用である。従って本発明は、前記の本発明の態様による方法を提供し、該方法においては、遺伝子エレメントは、遺伝子産物のレパートリーをコードする遺伝子エレメントのライブラリーから分離される。ここで用語「ライブラリー」、「レパートリー」および「プール」は当技術分野におけるそれらの通常の意味に従って使用するものである。例えば、遺伝子エレメントのライブラリーは、遺伝子産物のレパートリーをコードする。一般に、ライブラリーは遺伝子エレメントのプールから構築され、分取を促進する特性を有する。
本発明を使用する遺伝子エレメントライブラリーからの遺伝子エレメントの最初の選択は、多くの場合、多数の変異体遺伝子エレメントのスクリーニングを必要とする。遺伝子エレメントのライブラリーは種々の方法により製造することができ、以下のものが含まれる。
天然の遺伝子エレメントのプールは、ゲノムDNAまたはcDNAからクローン化することができ(Sambrookら、1989)、例えば、ファージ抗体ライブラリーは、免疫化されたまたは免疫化されていない供与体から得た抗体遺伝子のPCR増幅したレパートリーによって作製され、機能的な抗体断片の非常に有効な供給源であることが判っている(Winterら、1994; Hoogenboom, 1997)。遺伝子のライブラリーは、コード遺伝子の全体(例えばSmith, 1985; ParmleyおよびSmith, 1988参照)もしくは一部(例えばLowmanら、1991参照)からなるものとしてもよく、またはランダム化もしくはドープ化(doped)合成オリゴヌクレオチドからなる遺伝子のプール(例えばNissim et aI, 1994参照)からなるものとしてもよい。ライブラリーはまた、in vivoにおける種々の技法により遺伝子エレメントまたは遺伝子エレメントのプールに、変異を「ランダム」に導入することによっても作製することができ、そのような方法としては、大腸菌mutD5のような細菌のミューテーター株を使用する技法(Liaoら、1986; Yamagishiら、1990; Lowら、1996)、Bリンパ細胞の抗体超突然変異系を使用する方法(Yelamos et aI., 1995)などがある。ランダム変異は、化学的突然変異原、およびイオン化(ionizing)またはUV照射(Friedbergら、1995)、または突然変異原塩基類似体の導入(Freese, 1959; Zaccoloら、1996)によりin vivoおよびin vitroのいずれにおいても導入することもできる。ランダムな突然変異はまた、例えば誤読の多い(error-prone)ポリメラーゼ(Leungら、1989)を使用することによりポリマー化の間にin vitroで導入することもできる。
多様性はさらに、in vivo(Kowalczykowskiら、1994参照)またはin vitro (Stemmer, 1994a; Stemmer, 1994b)での相同組換えを使用して導入することができる。
従って、本発明の別の態様によれば、
(a) 本発明の遺伝子エレメントライブラリーから遺伝子の1つ以上のエレメントを選択し、
(b) 遺伝子産物へのレパートリーをコードする遺伝子エレメントの別のライブラリーを生成するために選択された遺伝子エレメントに変異を起こさせ、
(c) 増強された活性を有する遺伝子産物を得るためにステップ(a)および(b)を繰り返す、
ステップを含む、in vitroでの進化の方法が提供される。
変異は、上記のような遺伝子エレメントに導入することができる。
本発明の遺伝子エレメントは、酵素、好ましくは薬学的または工業的利益を有するもの、活性化剤または阻害剤、特には、細胞シグナル伝達機構、抗体およびその断片、ならびに診断および治療への適用に適したその他の結合物(例えば転写因子)等の生物学的系のものであることが有利である。従って、好ましい形態においては、本発明は、臨床的にまたは産業上において有用な産物の同定および単離を可能とする。本発明の別の態様では、本発明の方法によって単離された産物が提供される。
適切なカプセル化条件を選択することが望ましい。スクリーニングするライブラリーの複雑さおよびサイズによって、カプセル化方法を設定し、マイクロカプセル当たり1または1未満の遺伝子エレメントがカプセル化されるようにすることが有利であり得る。これにより最大の解析能が得られる。しかし、ライブラリーがより大きくおよび/またはより複雑な場合、これは実行不可能である場合があり、複数の遺伝子エレメントを一緒にカプセル化し、本発明の方法を繰り返して適用することにより所望の活性の分取を達成することが好ましい場合がある。カプセル化方法を組合せて使用すると所望の濃縮が得られる場合がある。
理論的な研究により、より多数の遺伝子エレメント変異体を調製することにより、所望の特性を有する分子が作製される可能性がより高くなることが示されている(これが抗体のレパートリーにどのように適用されるかについての記載はPerelsonおよびOster, 1979を参照)。近年、より大きなファージ-抗体レパートリーがより小さいレパートリーより優れた結合アフィニティを有するより多くの抗体を与えることも実際に確認されている(Griffithsら、1994)。頻度の低い変異体が生成され、それを選択されることが可能であるようにするため、大きなライブラリーサイズが望ましい。従って、最適な小さいマイクロカプセルを使用することが有益である。
in vivoでのステップを必要とする方法(ファージ展示システムおよびLacIシステム系)を使用して現在までに作成された最大のレパートリーは、1.6 x 1011個のクローンのファージペプチドライブラリーであり、これは15リットルの細菌培養を必要とした(Fischら、1996)。SELEX実験は、非常に多数の変異体(1015個まで)について行われることが多い。
本発明を使用する場合、直径2.6 μmの好ましいマイクロカプセルにおいて、20 mlのエマルジョン中で1 mlの水相を使用して少なくとも1011個のレパートリーサイズの選択が可能である。
上記の遺伝子エレメントに加えて、本発明のマイクロカプセルは、実施する分取プロセスに必要な別の成分を含む。該系のその他の成分は、例えば、遺伝子エレメントの転写および/または翻訳に必要なものを含む。これらは、特定の系の必要条件について、修飾された遺伝子産物の選択を可能とするために、適切なバッファー、in vitro転写/複製系、および/または必要な成分を全て含むin vitro翻訳系、酵素、補因子、RNAポリメラーゼ、ヌクレオチド、核酸(天然または合成)、トランスファーRNA、リボソームおよびアミノ酸、および対象となる反応の基質から選択される。
適切なバッファーは、その中では生物学的系の所望の成分がすべて活性であるものであり、従ってそれぞれの特定の反応系の必要条件に依存するものである。生物学的および/または化学反応に適するバッファーは当技術分野で公知であり、その内容は種々の実験書、例えばSambrookら、1989に記載されている。
in vitroでの翻訳系は通常細胞抽出物を含むものであり、細菌(Zubay, 1973; Zubay, 1980; Lesleyら、1991; Lesley, 1995)、ウサギ網状赤血球(PelhamおよびJackson, 1976)、または小麦麦芽 (Andersonら、1983)からのものが典型的なものである。多くの適切な系が市販品として利用可能であり(例えばPromega社製のもの)、転写/翻訳の組み合わせを可能とするものが含まれる(すべての細菌の系および網状赤血球、ならびにPromega社製の小麦麦芽TNTTM抽出システムなど)。使用されるアミノ酸の混合物は、所望ならば、合成アミノ酸を含んでよく、そのことにより、ライブラリー内で生成可能なタンパク質の数または種類を増加させることができる。これは人工アミノ酸にtRNAを割り当てて、選択されるタンパク質のin vitro翻訳にこれらのtRNAを使用することにより行うことができる(Ellmanら、1991; Benner, 1994; Mendelら、1995)。
各選択の実施後に、対象の分子をコードするものについての遺伝子エレメントのプールの濃縮度を、区画化されていないin vitro転写/複製または転写/翻訳を組み合わせた反応によって分析することができる。選択されたプールは、適切なプラスミドベクターにクローン化され、RNAまたは組換え体タンパク質を個々のクローンから製造しさらに精製して分析する。
好ましい形態では、マイクロカプセルの内部環境は、エマルジョンの油相に試薬を添加することによって変化させることができる。かかる試薬は、油相を通ってマイクロカプセルの水性環境に拡散する。好ましくは、該試薬は少なくとも部分的には水溶性であり、その一部が油相からマイクロカプセルの水性環境に供給されるものである。試薬は油相に実質的に不溶性であることが有利である。該試薬は、好ましくは機械的混合、例えば攪拌によって油相に混合される。
油相を介して添加することができる試薬としては、基質、バッファー成分、因子等がある。特に、マイクロカプセル内部のpHは、油相に酸性または塩基性成分を添加することによりin situで変化させることができる。
さらに本発明は遺伝子産物を製造する方法に関し、ここで該遺伝子産物をコードする遺伝子エレメントは本発明の方法によってすでに分取されたものである。明らかに、遺伝子エレメントはそれ自体、慣用の手段によって直接発現させて遺伝子産物を製造することができる。しかし、当業者には明らかなように、別の方法も採用することができる。例えば、遺伝子産物に導入された遺伝子情報は、適切な発現ベクターに導入し、そこから発現させることができる。
本発明はさらに、慣用のスクリーニング法を使用して、本発明の第1の態様によって同定された遺伝子産物と相互作用することができる化合物を同定することについて記載する。好ましい実施形態においては、遺伝子産物をコードする核酸をベクターに導入し、適切な宿主細胞に導入して該遺伝子産物を発現する形質転換細胞系を製造する。その後、得られた細胞系を、遺伝子産物の機能に影響を及ぼす潜在的薬剤の効果の定性的および/または定量的で再現可能な分析のために作製することができる。すなわち、遺伝子産物を発現する細胞は、遺伝子産物の機能を調節する化合物、特に定分子量化合物の同定のために使用することができる。従って、遺伝子産物を発現する宿主細胞は薬剤をスクリーニングするのに有用であり、本発明の別の目的は、遺伝子産物の活性を調節する化合物の同定法を提供することであり、該方法は、遺伝子産物をコードする不均質なDNAを含み、機能的な遺伝子産物を生成する細胞を少なくとも1の化合物もしくは化合物の混合物または前記遺伝子産物の活性を調節する能力を判定することが求められているシグナルに暴露し、その後、その調節により起こる変化について細胞をモニターすることを含む。このようなアッセイにより、遺伝子産物のアゴニスト、アンタゴニスト、および/またはアロステリック調整剤のような調製剤を同定することが可能となる。本明細書で使用する、遺伝子産物の活性を調整する化合物またはシグナルとは、その化合物またはシグナルの存在下で(その化合物またはシグナルの非存在下と比較して)、遺伝子産物の活性が異なっているような、遺伝子産物の活性を変化させる化合物をいう。
細胞に基づくスクリーニングアッセイは、リポータータンパク質、すなわちβ-ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ (CAT)、グリーン蛍光タンパク質(GFP)またはルシフェラーゼのような容易にアッセイできるタンパク質の発現が遺伝子産物に依存する細胞系を、構築することにより設計することができる。このようなアッセイにより、直接遺伝子産物の機能を調整する化合物、例えば遺伝子産物に拮抗する化合物、または遺伝子産物の活性のために必要なその他の細胞の機能を阻害または強化する化合物を検出することが可能となる。
本発明はまた、細胞内で起こる遺伝子産物に依存的な過程に外因的な影響を及ぼす方法を提供する。組換え遺伝子産物を産生する宿主細胞、例えば哺乳動物細胞を被験化合物に接触させ、そして被験化合物の存在下および非存在下で遺伝子産物に媒介される応答を比較するか、または被験細胞または対照細胞(すなわち遺伝子産物を発現しない細胞)の、遺伝子産物が媒介する応答を化合物の存在に関連付けることによりその調節効果を評価することができる。
さらなる態様では、本発明は、ポリペプチドによって促進される少なくとも1つのステップを含む製造工程を最適化する方法に関する。例えば、このステップは触媒ステップを含むものであってよく、これは酵素によって促進される。すなわち本発明は、
(a) 少なくとも1つのステップがポリペプチドによって促進される合成プロトコルを提供し、
(b) その発現により直接または間接的に遺伝子エレメントの光学特性の改変を生じる、前記ステップを促進するポリペプチドの変異体をコードする遺伝子エレメントを調製し、
(c) マイクロカプセル中に該遺伝子エレメントを区画化し、
(d) マイクロカプセル内で遺伝子エレメントを発現させ、各遺伝子産物を産生させ、
(e) 遺伝子エレメントの変化した光学特性を使用して、所望の活性を有するポリペプチド遺伝子産物を産生する遺伝子エレメントを分取し、そして、
(f) (g)で合成の当該ステップを促進すると同定されたポリペプチド遺伝子産物を使用して1つ以上の化合物を調製する、
ステップを含む化合物の調製方法を提供する。
本発明により、化合物の調製に関与する酵素を、最適な活性について選択することにより最適化することができる。この方法は、スクリーニングされるポリペプチドの変異体の調製を含み、これは本明細書でいうポリペプチドのライブラリーに相当する。変異体は、本明細書の別項に記載したようなライブラリーと同様の方法で調製することができる。
(B) 選択方法
系は、触媒、調節または結合活性を有するRNA、DNAまたはタンパク質遺伝子産物分子を選択するために構成することができる。
(i) 結合についての選択
特定のリガンドに対するアフィニティを有する遺伝子産物についての選択の場合、マイクロカプセル中で遺伝子エレメントはリガンドを介して遺伝子産物と連結させることができる。すなわち、リガンドに対してアフィニティを有する遺伝子産物だけが遺伝子エレメントに結合し、リガンドを介して結合した遺伝子産物を有する遺伝子エレメントだけが変化した光学特性を獲得し、これにより選択ステップでそれらが保持されるようにされる。従ってこの態様においては、遺伝子エレメントは遺伝子産物に対するリガンドと連結した遺伝子産物をコードする核酸を含む。
リガンドに遺伝子産物が結合した後の遺伝子エレメントの光学特性の変化は種々の方法で誘導することができ、以下のものが挙げられる。
(1) 遺伝子産物それ自体が特殊な光学特性を有し得、例えばそれは蛍光性である(例えば、グリーン蛍光タンパク質(Lorenz et al., 1991)。
(2) 遺伝子産物の光学特性が、リガンドに結合する際に改変され得、例えば遺伝子産物の蛍光が結合時に消光または増強される(Guixe et al., 1998; Qi and Grabowski, 1998)。
(3) リガンドの光学特性が、遺伝子産物に結合する際に改変され得、例えばリガンドの蛍光は結合時に消光または増強される(Voss, 1993; Masui and Kuramitsu, 1998)。
(4)リガンドおよび遺伝子産物両方の光学特性が、結合する際に改変され得、例えばリガンドから遺伝子産物に(あるいはその逆)蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が起こり得、その結果、「供与体」吸収波長で励起された場合、「受容体」発光波長における発光が起こる(Heim & Tsien, 1996; Mahajan et al., 1998: Miyawaki et al., 1997)。
この態様においては、リガンドを介した遺伝子産物の遺伝子エレメントへの結合に直接光学特性の変化を誘導する必要はない。選択される遺伝子産物はいずれも選択されることになる推定上の結合ドメイン、及び共通の特徴、すなわちタグを含み得る。各マイクロカプセル中の遺伝子エレメントは物理的にリガンドと連結する。遺伝子エレメントから産生された遺伝子産物は、リガンドに対してアフィニティを有する場合にリガンドに結合し、遺伝子産物をコードしていた同一遺伝子エレメントに物理的に連結することになり、その結果、遺伝子エレメントに「タグ」が付されることになる。反応の終了時点で、すべてのマイクロカプセルを合わせ、すべての遺伝子エレメント及び遺伝子産物を1つの環境中にプールする。所望の結合を示す遺伝子産物をコードする遺伝子エレメントは、特異的に「タグ」に結合又は反応する試薬を加えることにより選択することができ、それにより遺伝子エレメントの光学特性の変化を誘導し、そこで分取することが可能となる。例えば、蛍光標識された抗「タグ」抗体を使用することができる。あるいは抗「タグ」抗体の後に、その第1の抗体に結合する第2の蛍光標識された抗体を使用することができる。
別の態様においては、リガンドに結合する遺伝子産物が、リガンドを、例えば、遺伝子エレメントの光学特性を別に改変するようなさらなる結合相手から単に隠すことに基づいて、遺伝子エレメントを分取することができる。この場合、未改変の光学特性を有する遺伝子エレメントが選択されることになる。
別の態様においては、本発明は本発明の第1の形態による方法であって、ステップ(b)において、遺伝子産物がそれらをコードする遺伝子エレメントに結合する方法を提供する。遺伝子産物は結合された遺伝子エレメントとともに、所望の結合活性を有する遺伝子産物にリガンドが結合する結果、分取される。例えば、遺伝子産物はいずれも、共有結合または非共有結合により遺伝子エレメントに結合する不変領域、及び所望の結合活性を生成するように変化させられる第2の領域を含むことができる。
別の態様においては、遺伝子産物に対するリガンドはそれ自体遺伝子エレメントによりコードされ、遺伝子エレメントに結合する。言い換えると、遺伝子エレメントは2つの(あるいは実際にはより多い)遺伝子産物をコードし、少なくともその1つが遺伝子エレメントに結合し、そしてそれらは互いに結合する能力を有するものである。遺伝子産物がマイクロカプセル中で相互作用した場合にのみ、その分取を可能とする光学特性の変化を最終的に生じるような形で遺伝子エレメントが修飾される。この態様は、例えば、互いに結合するタンパク質の対をコードする遺伝子の対について遺伝子ライブラリーを探索するのに使用される。
蛍光は、Tyramide Signal Amplification(TSATM)増幅を使用して遺伝子エレメントを蛍光性にすることにより増強することができる。これは、遺伝子エレメントに結合し、フルオレセイン-チラミンの、その後(局所的に)遺伝子エレメントと反応するフリーラジカル形態への変換を触媒するペルオキシダーゼ(別のタンパク質と連結した)を使用する。TSAを実施するための方法は当分野で知られており、キットはNENから市販されている。
TSAは、遺伝子エレメントの蛍光の直接の増加を生じるように構成することができ、あるいは第2の蛍光分子あるいは分子の配列により結合される遺伝子エレメントにリガンドが結合され、それらのうちの1つ以上が蛍光性であるように構成することができる。
(ii) 触媒作用についての選択
選択が触媒作用についてのものである場合、各マイクロカプセル中の遺伝子エレメントは反応の基質を含み得る。遺伝子エレメントが触媒として作用し得る遺伝子産物をコードする場合、遺伝子産物が、基質の生成物への変換を触媒することになる。従って、反応の終了時には、遺伝子エレメントは、触媒された反応の生成物と物理的に連結している。
ある場合においては、基質が遺伝子エレメントの成分でないことが望ましい場合がある。この場合、基質は、光活性化(例えば「ケージド」ビオチン類似体(Sandburg et al., 1995; Pirrung and Huang, 1996)のもの)のようなさらにそれを活性化するステップを必要とする不活性な「タグ」を含む。選択される触媒はその後基質を生成物に変換する。その後、「タグ」は活性化され、「タグ」を付された基質及び/またはタグ結合分子(例えばアビジンまたはストレプトアビジン)が結合した生成物は核酸と複合化する。従って、「タグ」を介して核酸に結合された生成物の基質に対する比率は溶液中の基質及び生成物の比率を反映する。
結合した生成物を有し、所望の触媒活性を有する遺伝子産物をコードする遺伝子エレメントの光学特性は、
(1) 例えば、
(a) 異なる光学特性を有する基質及び生成物(多くの蛍光原酵素基質が市販品として利用可能であり(例えば、Haugland, 1996を参照)、グリコシダーゼ、ホスファターゼ、ペプチダーゼ及びプロテアーゼ等がある(Craig et al., 1995; Huang et al., 1992; Brynes et al., 1982; Jones et al., 1997; Matayoshi et al., 1990; Wang et al., 1990))、または
(b) 同様の光学特性を有する基質及び生成物であるが、生成物のみが遺伝子エレメントに結合しあるいはそれと反応し、基質はしない、基質及び生成物
のために、基質-遺伝子エレメント複合体には見られない光学特性を有する生成物-遺伝子エレメント複合体、
(2) 生成物に特異的に結合するかそれと反応し、それによりその分取を可能とする遺伝子エレメントの光学特性の変化を誘導する試薬を添加すること(これらの試薬はマイクロカプセルを破壊し遺伝子エレメントをプールする前あるいは後に添加することができる)、のいずれかにより修飾することができる。試薬は、
(a) 基質及び生成物の両方が遺伝子エレメントに結合している場合は、生成物に特異的に結合するかそれと反応し、基質とはせず、
(b) 生成物のみが遺伝子エレメントに結合し、またはそれと反応し、基質はしない場合は、任意に基質及び生成物の両方に結合する。
触媒分子をコードする、プールされた遺伝子エレメントは、改変された光学特性を有する遺伝子エレメントについて選択することによりその後濃縮することができる。
代替的方法としては、核酸を生成物特異的抗体(あるいはその他の生成物特異的分子)に結合することがある。この方法では、基質(または基質の1つ)が、遺伝子エレメントに連結されていない各マイクロカプセル中に存在するが、分子「タグ」(例えば、ビオチン、DIGもしくはDNPあるいは蛍光性基)を有する。選択される触媒が基質を生成物に変換すると、生成物は「タグ」を保持し、その後生成物特異的抗体によってマイクロカプセル中で捕獲される。このようにして、遺伝子エレメントは「タグ」に結合するようになるだけの状態において基質を生成物に変換することができる酵素をコードするか生産する。全ての反応を停止し、マイクロカプセルを合わせると、活性な酵素をコードする遺伝子エレメントには「タグ」が付されており、例えば「ダグ」が蛍光性基である場合は、変更された光学特性を既に有し得る。あるいは、「タグ」が付された遺伝子の光学特性の変化は、「タグ」に結合する蛍光で標識されたリガンド(例えば蛍光標識されたアビジン/ストレプトアビジン、蛍光性である抗「タグ」抗体、あるいは蛍光標識された第2の抗体により検出することができる非蛍光性抗「タグ」抗体)を加えることにより誘導することができる。
あるいは、選択は、最初の反応を、同じマイクロカプセル中で起こる後続の反応につなぐことにより間接的に行うことができる。これを行う一般的な2つの方法がある。最初の態様においては、第1の反応の生成物を、第1の反応の基質とは反応しない分子と反応させ、あるいはそれにより結合させる。第2には、結合された反応が、第1の反応の生成物の存在下のみで進行するものとする。所望の活性を有する遺伝子産物をコードする遺伝子エレメントは、その後、第2の反応の生成物の特性を使用して上記のように遺伝子エレメントの光学特性の変化を誘導することにより精製することができる。
あるいは、選択される反応の生成物は、第2の酵素触媒反応の基質あるいは共因子とすることができる。第2の反応を触媒する酵素は、マイクロカプセル中でその場で翻訳するか、あるいはマイクロカプセル化に先立って反応混合物中に導入することができる。第1の反応が進行する場合にのみ、結合された酵素が、上記のように遺伝子エレメントの光学特性の変化を誘導するために使用することができる生成物を生成する。
この結合の概念は、基質として、前の反応の生成物をそれぞれ使用する複数の酵素を導入するように具体化することができる。これにより、固定された基質とは反応しない酵素の選択を可能となる。また、1の反応の生成物が、選択可能な生成物を生じる第2の反応または一連の反応の触媒あるいは共因子である場合には、シグナル増幅により感度を増加するように設計することができる(例えばJohannsson and Bates, 1988: Johannsson, 1991参照)。さらに、酵素カスケード系は、酵素の活性化剤の製造あるいは酵素阻害剤の破壊に基づくものとすることができる(Mize et al., 1989参照)。結合は、同じ生成物を生成する酵素の群全体に共通の選択系を使用することができ、単一のステップで実行することができない複雑な化学的変換の選択を可能とするという利点を有する。
従ってそのような結合の方法は、最初の1つのステップ、次いで次のステップと選択して改良する、段階型のin vitroにおける新規な「代謝経路」の開発を可能とする。選択の戦略は経路の最終生成物に基づくものであり、それまでの全てのステップは、反応の各ステップについて新たな選択系を設定することなく独立にあるいは連続的に開発することができる。
言い換えれば、所望の触媒活性を有する遺伝子産物をコードする1以上の遺伝子エレメントを単離する方法が提供され、該方法は、
(1) 遺伝子エレメントを発現してそれらのそれぞれの遺伝子産物を与え、
(2) 遺伝子産物に、基質から生成物への変換を触媒させ、これは所望の活性に従って直接選択可能なものであってもなくてもよく、
(3) 任意に第1の反応を後続の1以上の反応に結合し、各反応は先の反応の生成物により調節され、最終的な選択可能な生成物を生じるものとし、
(4) 触媒作用の選択可能な生成物を遺伝子エレメントに、
a) 生成物が遺伝子エレメントに結合したままとなるように基質を遺伝子エレメントに結合すること、
b) 生成物上に保持される基質に結合された適当な分子「タグ」により選択可能な生成物を遺伝子エレメントと反応させるかそれに結合すること、あるいは、
c) 生成物特異的反応または生成物との相互作用によって選択可能な生成物(ただし基質ではない)を遺伝子エレメントに結合すること
のいずれかにより連結し、
(5) その特有の光学特性、あるいは生成物に特異的に結合するかそれと特異的に反応し、それにより遺伝子エレメントの光学特性の変化を生起する試薬を加えることのいずれかによって、それが結合する遺伝子エレメントとともに触媒作用の生成物を選択するステップを含み、ステップ(1)〜(4)において各遺伝子エレメント及び各遺伝子産物はマイクロカプセル中に含まれているものとする。
(iii) 酵素基質特異性/選択性についての選択
基質特異性あるいは選択性を有する酵素をコードする遺伝子エレメントは、1の基質との反応についてのポジティブ選択、及び別の基質との反応についてのネガティブ選択を行うことにより特異的に濃縮することができる。そのような組み合わされたポジティブ及びネガティブ選択プレッシャーは、部位選択的及び立体選択的酵素(例えば、同じ基質の2つの対掌体を識別することができる酵素)の単離において非常に重要である。例えば、2種の基質(例えば異なる2種の対掌体)を異なるタグ(例えば2種の異なる蛍光団)でそれぞれ標識し、酵素触媒反応によりタグが遺伝子エレメントに結合されるようにする。2種のタグが遺伝子エレメントに異なる光学特性を与える場合、酵素の基質特異性は遺伝子エレメントの光学特性から決定することができ、好ましくない特異性を有する(あるいはない)遺伝子産物をコードする遺伝子エレメントは拒絶される。異なる光学特性を有するタグ特異的リガンド(例えば、異なる蛍光団で標識されたタグ特異的抗体)を加える場合は、光学活性の変化を与えないタグも使用できる。
(iv) 調節についての選択
同様の系を酵素の調節特性についての選択に使用することができる。
生化学的プロセスの活性化剤あるいは抑制剤として作用する調節分子についての選択の場合は、生化学的プロセスの成分は各マイクロカプセル中でin situで翻訳することができ、あるいはマイクロカプセル化の前の反応混合物中に導入することができる。選択される遺伝子エレメントが活性化剤をコードする場合、触媒作用に関して上記したように、調節された反応の生成物について選択を行うことができる。阻害剤が望まれる場合は、選択は、制御された反応の基質に特異的な化学的特性についてのものとすることができる。
従って、所望の調節活性を示す遺伝子産物をコードする1以上の遺伝子エレメントを分取する方法が提供され、該方法は、
(1) 遺伝子エレメントを発現してそれらのそれぞれの遺伝子産物を与え、
(2) 遺伝子産物に、所望の活性に従って、選択可能な分子が生成あるいは生存するように、生化学的反応あるいは一連のつながった反応を活性化あるいは阻害させ、
(3) 選択可能な分子を遺伝子エレメントに、
a) 遺伝子エレメントに結合した、選択可能な分子、またはそれから誘導された基質を有すること、
b) 生成物上に保持された基質に結合された適当な分子「タグ」により、選択可能な生成物を遺伝子エレメントと反応させるかそれに結合すること、あるいは、
c) 生成物特異的反応または生成物との相互作用によって、触媒作用の生成物(ただし基質ではない)を遺伝子エレメントに結合すること
のいずれかにより連結し、
(4) その特有の光学特性、あるいは生成物に特異的に結合するかそれと特異的に反応し、それにより遺伝子エレメントの光学特性の変化を誘導する試薬を加えることのいずれかによって、それが結合する遺伝子エレメントとともに選択可能な生成物を選択するステップを含み、ステップ(1)〜(3)において各遺伝子エレメント及び各遺伝子産物はマイクロカプセル中に含まれているものとする。
(v) 遺伝子産物の光学特性についての選択
マイクロカプセル中において、例えば遺伝子エレメントの一部であるリガンドに結合する遺伝子産物の共通のエレメントを介して、遺伝子産物が再び遺伝子エレメントに結合される場合は、遺伝子産物の固有の光学特性について選択することが可能である。遺伝子エレメントをプールした後、結合した遺伝子産物の光学特性を使用して分取することができる。この態様は例えば、改善された蛍光及び/または新規な吸収及び発光スペクトルを有する、グリーン蛍光タンパク質(GFP)(Cormack et al., 1996; Delagrave et al., l995: Ehrig et al., 1995)の変異体を選択するために使用することができる。
(vi) 遺伝子エレメントのフローソーティング
本発明の好ましい態様においては、遺伝子エレメントはフローサイトメトリーにより分取される。種々の光学特性を分取を開始するために使用することができ、光散乱(Kerker, 1983)及び蛍光分極(Rolland et al., 1985)等が挙げられる。非常に好ましい態様においては、遺伝子エレメントの光学特性の差が蛍光の差となり、遺伝子エレメントは、蛍光活性化セルソーター(Norman, 1980: Mackenzie and Pinder, 1986)あるいは同様の装置を使用して分取される。非常に好ましい態様においては、 遺伝子エレメントは非蛍光性の非磁性(例えばポリスチレン)あるいは常磁性マイクロビーズ(Fornusek and Vetvicka, 1986参照)に含まれ、それらは最適には0.6〜1.0μmの直径を有し、遺伝子及び蛍光シグナルを発生するのに関与する基の両方が結合される。
(1) 古くからのメーカーから市販されている蛍光活性化セルソーター装置(例えばBecton-Dickinson, Coulter)は、毎時108までの遺伝子エレメント(事象)を分取することが可能である。
(2) 各ビーズからの蛍光信号は、ビーズに結合した蛍光分子の数に厳密に対応する。現在、1の粒子当たり数百という少数の蛍光性分子を定量的に検出することができる。
(3) 蛍光検出器の広範な動力学的範囲(典型的には4 log単位)により分取工程の厳密さを容易に設定することができ、これにより最初のプールから最適な数の遺伝子エレメントを回収することが可能となる(行う選択により、ゲートは、蛍光の僅かな差を有するビーズを分離するか、あるいは蛍光の大きな差を有するものを分離するためだけのものとすることができる)。
(4) 市販されている蛍光活性化セルソーター装置は、異なる2つまでの波長で同時に励起し、異なる4つまでの波長で蛍光を検出することができ(Shapiro, 1983)、2(あるいはそれ以上の)異なる蛍光性マーカーを有する遺伝子エレメントの標識化をモニターすることによりポジティブ及びネガティブ選択を同時に行うことができ、例えば、2種の代替的な酵素基質(例えば、2種の異なる対掌体)を異なる蛍光タグで標識すると、遺伝子エレメントは使用した基質により異なる蛍光団で標識することができ、対掌体選択性を有する酵素をコードする遺伝子のみが選択される。
(5) 非常に均一な誘導化あるいは非誘導化非磁性及び常磁性微粒子(ビーズ)は多数の供給元から市販されている(例えばSigma及びMolecular Probes) (Fornusek and Vetvicka, 1986)。
(vii) 多段階法
本発明によれば、1つのマイクロカプセル内で起こるすべての反応による、転写/複製及び/または翻訳、及び選択のすべてのプロセスを単一のステップにおいて行う必要はないことは理解されるであろう。選択方法は2ステップ以上を含んでもよい。まず、遺伝子エレメントライブラリーの各遺伝子エレメントの転写/複製、及び/または翻訳は、最初のマイクロカプセルにおいて起こるものとすることができる。その後、各遺伝子産物は、例えば、抗体のような遺伝子産物特異的リガンドを介して、それをコードする遺伝子エレメント(同じマイクロカプセル中に存在する)と連結する。その後、マイクロカプセルを破壊し、それらのそれぞれの遺伝子産物に結合された遺伝子エレメントを任意に精製する。あるいは、遺伝子エレメントは、カプセル化に依存しない方法を使用してそれらのそれぞれの遺伝子産物に結合することができる。例えばファージディスプレイ(Smith, G.P., 1985)、ポリソームディスプレイ(Mattheakkis et al., 1994)、RNA-ペプチド融合物(Roberts and Szostak, 1997)あるいはlacリプレッサー-ペプチド融合物(Cull, et al., 1992)等である。
前記方法の第2のステップでは、その遺伝子産物に結合された、精製された各遺伝子エレメントは、選択される反応の成分を含む第2のマイクロカプセル中に入れる。その後この反応を開始する。反応終了後に、マイクロカプセルを再び破壊し、修飾された遺伝子エレメントを選択する。多くの個々の成分及び反応ステップが使用される複雑な多段階反応の場合には、1以上の介在ステップを、遺伝子産物の生成と遺伝子エレメントへの連結の最初のステップと、遺伝子エレメントの選択可能な変化を生じる最終ステップとの間に行ってもよい。
必要ならば、第2マイクロカプセル内の遺伝子エレメントからの遺伝子産物の放出を種々の方法で達成することができ、例えば、結合部位に対する低分子量産物による特異的競合、あるいは、触媒ドメインから遺伝子産物の結合ドメインに連結するリンカー領域の酵素的(特異的プロテアーゼを使用する)あるいは自己触媒的(インテグリンドメインを使用する)開裂が挙げられる。
(viii) レポーター遺伝子のin situ発現の活性化による選択
遺伝子エレメントによりコードされる所望の結合、触媒または調節活性が、直接または間接的に、すべてのマイクロカプセル中にある「リポーター遺伝子」の発現の活性化を生じるように系を構成することができる。所望の活性を有する遺伝子産物だけがリポーター遺伝子の発現を活性化する。本明細書に記載した方法のいずれかで、リポーター遺伝子発現から得られた活性により、遺伝子エレメント(あるいはそれを含む区画)の選択が可能となる。
例えば、リポーター遺伝子の活性化は、「2ハイブリッド系」(Fields and Song, 1989)に類似した方法での遺伝子産物の結合活性の結果とすることができる。活性化は、所望の遺伝子産物によって触媒される反応の生成物からも得られる。例えば、反応生成物は、リポーター遺伝子の転写誘導物質とすることができる。例えば、アラビノースをaraBADプロモーターからの転写を誘導するために使用することができる。所望の遺伝子産物の活性が、リポーター遺伝子の発現を生じる転写因子の修飾を生じるものとすることもできる。例えば、所望の遺伝子産物がキナーゼあるいはホスファターゼである場合、転写因子のリン酸化あるいは脱リン酸化によりリポーター遺伝子発現の活性化が起こる。
(ix) 増幅
本発明のさらに別の態様によれば、前記方法は遺伝子エレメントを増幅するステップをさらに含む。選択的な増幅を、所望の遺伝子産物をコードする遺伝子エレメントの濃縮のための手段として使用することができる。
上記の全ての構成において、遺伝子エレメントに含まれる遺伝子情報を増幅することができ、その工程は反復するステップで繰り返すことができる。増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(Saiki et al., 1988)によるもの、あるいはQbレプリカーゼ増幅(Cahill, Foster and Mahan, 1991; Chetverin and Spirin, 1995; Katanaev, Kurnasov and Spirin, 1995)、リガーゼ連鎖反応(LCR)(Landegren et al., 1988; Barany, 1991)、自己維持配列複製系(Fahy, Kwoh and Gingeras, 1991)及び鎖置換増幅(Walker et al., 1992)等の種々のその他の遺伝子増幅法のいずれかによるものとすることができる。
本発明の種々の形態及び態様を以下の実施例において例示する。本発明の範囲から逸脱することなく詳細部分についての改変を行うことができることは理解されるであろう。
本文中に挙げた文献は全て引用により本明細書の一部とする。
実施例1
酵素は、溶液中の遺伝子および常磁性ミクロビーズに結合した遺伝子から同じ効率で発現されうる
光学特性の変化を利用することによる遺伝的エレメントの選択のための1つの方法は、該遺伝子が結合するミクロビーズを該遺伝的エレメントが含むというものである。本実施例においては、酵素(大腸菌(E. coli)ジヒドロ葉酸レダクターゼ)の遺伝子がいかに常磁性ビーズに連結し、溶液中の場合と全く同じ効率でin vitroで翻訳されうるのかを示す。
ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)をコードする大腸菌(E. coli)folA遺伝子を、オリゴヌクレオチドEDHFRFoおよびEDHFRBaを使用してPCR増幅する。ついでこのDNAを、lacプロモーターおよびT7 RNAポリメラーゼプロモーターの下流の、HindIIIおよびKpnIで消化されたpGEM-4Zベクター(Promega)中にクローニングする。オリゴヌクレオチドEDHFRBaは、DHFR開始コドンの上流に効率的ファージT7遺伝子10翻訳開始部位を付加する。
DNA配列決定は、正確なヌクレオチド配列を有するクローンを同定する。このクローン(pGEM-folA)で形質転換された細菌は、IPTGで誘導されると活性DHFR(lacプロモーターから駆動される)を過剰発現することが判明している。
ついでpGEM-folAプラスミド中のfolA遺伝子を、プライマーfolA-FWおよびfolA-BWを使用してPCR増幅し、HindIIIおよびXhoI内で得られたそのDNA断片の消化を行ない、それを、HindIII/XhoIで消化されたpET23a発現ベクター(Novagen)中にサブクローニングして、構築物pET23a/folAを得る。PCR増幅されたfolA遺伝子の配列を配列決定により確認した。
pET23a/folAを、5'ビオチン化プライマーpETfor.bおよびpETrev.bで更に増幅し、該PCR混合物中への10μCi α35-dATP(Amersham Pharmacia Biotech, U.K.)の添加により放射能標識した。得られた1765bpの二重ビオチン化断片T7-folAを、Qiagenキットを使用してゲル精製し、分光光度的に定量した。該産物の比活性は、Beckman LS6000SCシンチレーションカウンター上での測定では210000 CPM/pmol T7-folA DNAであった。該プラスチックへの非特異的結合を除去するために、このDNAの10nMおよび1nM希釈液を、1mg/mlのHindIIIで消化されたラムダDNA中で調製した。ついでこのPCR断片を使用して、直鎖状鋳型用に設計された原核性in vitro共役転写/翻訳系を設計した(Lesley, BrowおよびBurgess, 1991)。この系の市販の調製物は、T7 RNAポリメラーゼ(103単位)を添加して使用する(E. coli S30 Extract System for Linear Templates; Promega)。
該DNA断片を、ビオチン化プロテインA(Sigma)で予め部分的にコートされたストレプトアビジン-常磁性ビーズ(0.74μm径のSera-Magビーズ, ビオチン結合能46nmol/mg, Seradyn, USA)に結合させる。2μlの80μMビオチン化プロテインAを、100μl(1mg)のビーズに加えて室温で1時間結合させ、1回洗浄し、ウサギIgG(ビーズ1mg当たり10μlの1mg/ml抗体(TBS/0.1% Tween-20 (TBST)中))で室温で1時間コートする。ついでビーズをTBS/Tで2回洗浄した後、放射能標識ビオチン化T7-folA DNAを加えて室温で1時間結合させた。結合したT7-folA DNAの量を、ビーズのアリコートに結合した放射能を計数することにより算出した。該全DNAの〜50%が結合した。
ビーズ上に結合したDNA断片または未結合DNA断片を、S30 Extract Systemに直接加える。反応を37℃で2時間インキュベートする。
既に記載されているとおりに(Williamsら, 1979; Maら, 1993)、NADPHからNADPへの酸化を340nmで10分間の時間経過にわたり分光光度的にモニターすることにより、ジヒドロ葉酸レダクターゼ活性をアッセイする。クエンチされた各in vitro翻訳反応液2μlを150μlのバッファーA(100mMイミダゾール, pH7.0, 10mM β-メルカプトエタノール)および20μlの1mM NADPHに加える。1分後に20μlのジヒドロ葉酸(1mM)(H2F)を加え、ThermoMaxマイクロプレートリーダー(Molecular Devices)を使用して該反応を340nmでモニターする。So>>KMの条件下の初期速度(vmax)により、活性を算出する。
該DNAが遊離している場合、または該DNAが末端ビオチンを介してストレプトアビジンコート化ビーズに結合している場合に産生された活性DHFRの量における有意な相違は存在しない(図1を参照されたい)。
実施例2
蛍光タンパク質(GFP)は、油中水型エマルションの水性区画中に封入された単一のミクロビーズに結合した遺伝子からin vitroで翻訳され、その翻訳された遺伝子産物は該ミクロビーズに再結合してそれを蛍光性にしうる
遺伝的要素の選択のための1つの方法は、ミクロビーズに連結した遺伝子を該遺伝的要素が含み、該産物が該マイクロカプセル中のミクロビーズ上に再結合して、その分取を可能にするミクロビーズの光学特性の変化を直接的または間接的にもたらすというものである。
本実施例においては、油中水型エマルションの水性画分内に封入された単一のミクロビーズに結合した遺伝子から蛍光タンパク質(グリーン蛍光タンパク質、すなわちGFP)がin vitroで転写および翻訳され、その翻訳された遺伝子産物が該ミクロビーズに再結合してそれを蛍光性にしうることを示す。
pBS/GFP6プラスミド(Siemeringら, 1996)中のGFPを、プライマーGFP-FWおよびGFP-BWを使用してPCR増幅し、HindIIIおよびXhoI内で得られたそのDNA断片の消化を行ない、それを、HindIII/XhoIで消化されたpET23a発現ベクター(Novagen)中にサブクローニングして、構築物pET23a/GFPを得た。PCR増幅されたGFP遺伝子の配列を配列決定により確認した。pET23a/GFPを、5'ビオチン化プライマーpETfor.bおよびpETrev.bで更に増幅した。得られた2038bpの二重ビオチン化断片T7-GFPを、Qiagenキットを使用してゲル精製し、分光光度的に定量した。該プラスチックへの非特異的結合を除去するために、このDNAの10nMおよび1nM希釈液を、1mg/mlのHindIIIで消化されたラムダDNA中で調製した。ついでこのPCR断片を使用して、直鎖状鋳型用に設計された原核性in vitro共役転写/翻訳系を設計した(Lesley, BrowおよびBurgess, 1991)。この系の市販の調製物は、T7 RNAポリメラーゼ(103単位)を添加して使用する(E. coli S30 Extract System for Linear Templates; Promega)。
対照として、ビオチン化された1765bpのDNA断片T7-folA(実施例1と同様にしてPCRにより合成した)を使用して、非蛍光タンパク質DHFRの合成を設計した。
150μlのProActiveストレプトアビジンコート化常磁性ビーズ(Bangs Laboratories, ビーズ2×107個/μl)を5mM Tris 7.4/1M NaCl/0.1% Tween20に懸濁させ、50μlの3つのアリコートに分割した。0.5μlの0.2μM DNA(T7-folAまたはT7-GFP)を各ビーズアリコートに加え、43℃で15分間インキュベートし、25mM NaH2PO4、125mM NaCl、0.1% Tween20, pH7.0(PBS/0.1% Tween20)中で3回洗浄し、40μlのTBSTに再懸濁させ、10μlの80μMビオチン化プロテインA(Sigma)を加えた(15μMの最終濃度とした)。室温で30分間インキュベートした後、該ビーズをPBS/0.1% Tween20中で3回洗浄し、20μlの1:10希釈ウサギ抗GFPポリクローナル抗体(Clontech)または1mg/ml非免疫化ウサギIgG(Sigma)に再懸濁させた。室温で30分間インキュベートした後、該ビーズをPBS/0.1% Tween20中で3回洗浄し、E. coli S30 Extract System for Linear Templates(Promega)からの15μlのS30予混体に再懸濁させ、超音波浴中で1分間超音波処理し、ついで該S30 in vitro翻訳混合物の残りを加え(氷上)、T7 RNAポリメラーゼ(103単位)で添加した。
その50μlの氷冷in vitro翻訳反応液を(10μlの5つのアリコート中で〜2分間かけて)、マグネティックバー(8×3mm、ピボットリング付き; Scientific Industries International, Loughborough, UK)で攪拌しながら、0.95mlの氷冷油相(5mlのCostar Biofreeze Vial (#2051)中、鉱油(Sigma. #M-5904)に4.5% (v/v) Span 80 (Fluka)を、次いで0.5% (v/v) Tween 80(SigmaUltra; #P-8074)を溶解することにより新たに調製したもの)に徐々に加えた。攪拌(1150rpm)を氷上で更に3分間継続した。ついで反応を32℃で3時間インキュベートした。
2μlのエマルションを、13mm円形カバーグラス下の顕微鏡スライド上に広げ、RTEA CCD-1300-Y CCDカメラ(Princeton Instruments)を備えたAxioplan顕微鏡(Zeiss)上で20×Neofluar対物レンズを使用して可視化した。フルオレセイン用の標準的な励起・発光フィルターを使用し、像をIPLabソフトウェアで処理した。
図2から理解されうるとおり、ミクロビーズを抗GFP抗体でコートした場合には、該エマルションの水性区画中に封入された単一のミクロビーズに結合した遺伝子から翻訳されたGFPが該ミクロビーズにin situで結合する。この結合は、該ビーズ上で蛍光が濃縮されるにつれて、表面蛍光(epifluorescence)顕微鏡検査により観察される。GFP遺伝子または抗GFP抗体のいずれかが存在しない場合には、ビーズの蛍光は全く観察されない。
実施例3
蛍光タンパク質(GFP)は、油中水型エマルションの水性区画中に封入された単一のミクロビーズに結合した遺伝子からin vitroで翻訳され、その翻訳された遺伝子産物は該ミクロビーズに再結合し、該ミクロビーズの蛍光の増加はフローサイトメトリーにより検出されうる
150μlのストレプトアビジンコート化ポリスチレンビーズ(直径1μM; Bangs Laboratories, ビーズ2×107個/μl)を5mM Tris 7.4/1M NaCl/0.1% Tween20に懸濁させ、50μlの3つのアリコートに分割した。0.5μlの0.2μM DNA(T7-folAまたはT7-GFP)を各ビーズアリコートに加え、43℃で15分間インキュベートし、25mM NaH2PO4、125mM NaCl、0.1% Tween20(pH7.0)(PBS/0.1% Tween20)中で3回洗浄し、40μlのTBSTに再懸濁させ、10μlの80μMビオチン化プロテインA(Sigma)を加えた(15μMの最終濃度とした)。室温で30分間インキュベートした後、該ビーズをPBS/0.1% Tween20中で3回洗浄し、20μlの1:10希釈ウサギ抗GFPポリクローナル抗体(Clontech)または1mg/ml非免疫化ウサギIgG(Sigma)に再懸濁させた。室温で30分間インキュベートした後、該ビーズをPBS/0.1% Tween20中で3回洗浄し、E. coli S30 Extract System for Linear Templates(Promega)からの15μlのS30予混体に再懸濁させ、超音波浴中で1分間超音波処理し、ついで該S30 in vitro翻訳混合物の残りを加え(氷上)、T7 RNAポリメラーゼ(103単位)を添加した。その50μlの氷冷in vitro翻訳反応液を(10μlの5つのアリコート中で〜2分間かけて)、マグネティックバー(8×3mm、ピボットリング付き; Scientific Industries International, Loughborough, UK)で攪拌しながら、0.95mlの氷冷油相(5mlのCostar Biofreeze Vial (#2051)中、鉱油(Sigma. #M-5904)に4.5% (v/v) Span 80 (Fluka)を、次いで0.5% (v/v) Tween 80(SigmaUltra; #P-8074)を溶解することにより新たに調製したもの)に徐々に加えた。攪拌(1150rpm)を氷上で更に3分間継続した。ついで反応を32℃で3時間インキュベートした。該反応混合物を回収するために、該エマルションを3,000gで5分間遠心し、該油相を除去すると、濃縮されている(が無傷のままである)エマルションが該バイアルの底に残った。PBSおよび2mlの水飽和エーテルを加え、該混合物をボルテックスし、短時間の遠心分離を行い、該エーテル相を除去した。ビーズをPBSで2回洗浄し、最後にPBSにビーズ108個/mlで再懸濁させた。488nmでの励起およびフルオレセイン発光フィルターを用いるFACScaliburフローサイトメーター(Becton Dickinson)を使用して、104個のビーズを分析した。該エマルションの水性区画中に封入された単一のミクロビーズに結合した遺伝子から翻訳されたGFPは、該ミクロビーズを抗GFP抗体でコートした場合には該ミクロビーズにin situで結合する。該ミクロビーズへのGFPの結合はそれを蛍光性にし(図2)、GFPが結合しているビーズは、そうでないビーズからフローサイトメトリーにより明らかに区別されうる(図3)。
実施例4
酵素触媒反応の生成物は常磁性ビーズ上に捕捉され、生成物で誘導体化されたビーズはフローサイトメトリーにより同定されうる
酵素ヒトグルタチオンS-トランスフェラーゼM2-2(GST M2-2)により触媒される反応を行なって、ビオチン化生成物を生じさせた(図4)。使用した2つの基質は、1-クロロ-2,4-ジニトロベンゼン(CDNB; Sigma)および還元型ビオチン化グルタチオン(ビオチン-GSH)であった。得られた生成物(ビオチン-GS-DNP)は、ストレプトアビジンコート化常磁性微粒子への結合を可能にするビオチンを一方の末端に有し、そして抗DNP抗体が結合しうる2,4-ジニトロフェノール(DNP)基を有する。1mlのDMF中の100mgのビオチンアミドカプロアートN-ヒドロキシスクシンイミドエステル(ビオチン-NHS; Sigma)を1mlの水、30μlの12.5N NaOHおよび1mlのDMF中の酸化型グルタチオン(Fluka)の溶液に加えることにより、ビオチン-GSHを合成した。該ビオチン-NHSは、100μlのアリコート中、氷上で20分間かけて加えた。ついで該pHを1N NaOHで7.0に調節した。該反応中に生成したシロップ様沈殿物を、室温に加温しボルテックスし300μlの水を加えることにより溶解した。攪拌を室温で2時間継続し、該pHを1N NaOHの添加により7.0に戻し、室温で一晩攪拌した。ついでNaOHを使用して該pHを7.5に戻し、該反応液を室温で更に30分間攪拌し、ついで500μlの1M DTTの添加後に更に30分間インキュベートした。該溶媒を真空下で蒸発させ、該生成物を、C8カラムおよび10〜40%アセトニトリル、0.1% TFAの勾配を用いる逆相HPLCにより精製した。0.1M KH2PO4, 1mM EDTA(pH6.5)中に1μgの精製組換えGST M2-2、500μM CDNBおよび200μMビオチン-GSHを含有する100μlの反応液中、ビオチン-GS-DNPを酵素的に合成した。インキュベーションは25℃で1時間であった。340nmにおける吸光度の増加を追跡することによる判定によれば、該反応は実質的に完了していた。また、対照反応を、1)GSTの不存在下、2)CDNBの不存在下、および3)ビオチン-GSHの不存在下で行なった。反応液を5mM Tris-HCl、0.5mM EDTA、1.0M NaCl(pH7.4)(B/Wバッファー)中に200倍希釈した(1μMビオチンの最終濃度を得た)。50μlの該希釈化反応液を、29.3μg(108微粒子)の0.737μm径Sera-Mag(商標)ストレプトアビジンコート化磁性微粒子(MG-SA; Seradyn)を含有する50μlのB/Wバッファーと混合し、室温で1時間インキュベートした。微粒子を、磁石(Dynal MPC-96)を使用してマイクロタイタープレート(Falcon 3911)中で分離し、10mM Tris-HCl、1mM EDTA、2.0M NaCl(pH7.4)(2×B/Wバッファー)で3回、ついでPBS、0.1% Tween 20で2回洗浄した。該微粒子を、PBS/0.1% Tween 20中のマウス抗ジニトロフェノールモノクローナル抗体SPE 21-11(Zelig Eshhar教授からの贈呈物)の1:2500希釈液に再懸濁させ、室温で45分間インキュベートした。該微粒子をPBS/0.1% Tween 20中で3回洗浄し、15μg/mlフルオレセイン(FITC)結合F(ab')2フラグメントヤギ抗マウスIgG. F(ab')2フラグメント(Jackson; 115-096-006)を含有するPBS/0.1% Tween 20に再懸濁させ、室温で30分間インキュベートした。該微粒子をPBS/0.1% Tween 20中で4回洗浄し、1mlのPBS/0.1% Tween 20に再懸濁させ、2×105個の微粒子を、FACScanフローサイトメーター(Becton Dickinson)を使用して分析した。図5から理解されうるとおり、全3個の対照反応(GSTの不存在下、GDNBの不存在下およびビオチン-GSHの不存在下)からのビーズの蛍光強度の分布における相違は存在せず、この場合の平均蛍光は約3である。これとは対照的に、該酵素触媒反応からのビーズは、10倍以上高い34の平均蛍光を有する。実際のところ、示されているゲート(gate)を使用した場合(図5)、該酵素触媒反応からの(かつ該ビオチン化生成物でコートされた)ビーズの81.1%が該ゲート中に存在し、一方、該対照反応においては、ビーズのせいぜい0.06%が該ゲート中に存在するにすぎない。したがって、該GST触媒反応の生成物でコートされたビーズは、そうでないビーズから容易に分取されうる。
実施例5
グルタチオンS-トランスフェラーゼM2-2(GST M2-2)は基質としてケージドビオチン化グルタチオンを利用し、ついでケージドビオチン化生成物はUV照射により脱ケージされ、アビジンコート化ビーズ上に捕捉され、フローサイトメトリーにより検出されうる
ケージドビオチン(5)およびその誘導体(7)の合成は、公開されているプロトコール(PirrungおよびHuang, 1996; Sundbergら (1995))に基づくものであった。しかしながら、後記のとおり、これらのプロトコールの有意な改変を、該合成のいくつかの工程において行なった。
ビオチンメチルエステル(3, ビオチン-OMe)は、Sundbergら (1995)に記載されているのと実質的に同じ方法で調製した(図6を参照されたい)。
メチルニトロピペロニルアルコール(1, MeNPOH)
3',4'-(メチレンジオキシ)-6'-ニトロアセトフェノン(Lancaster; 6.2g, 29.6mmol)を、THF(100ml)とエタノール(100ml)との混合物に溶解した。水素化ホウ素ナトリウム(1.12g, 29.6mmol)を加え、該溶液を室温で3時間攪拌した。TLC(シリカコート化プレート上: 溶媒-DCM中の3%メタノール)は、出発物質(Rf=0.8)から該アルコール(Rf=0.6)への完全な変換を示した。水素の発生が止まるまで、塩酸(1N)をゆっくり加え、該溶媒を真空下で蒸発させた。残留固体をDCM(500ml)に溶解し、ブライン(40ml)で洗浄した。該有機相を乾燥(MgSO4)させ、該溶媒を真空下で除去した。熱DCMおよびへキサンからの再結晶により、6.1gの1(黄色結晶性固体)を得た。
O-メチルニトロピペロニル-カルボニルイミダゾール(2, MeNPO-CO-Im)
メチルニトロピペロニルアルコール(1.69g, 8mmol)を(いくつかに分けて20分間かけて)、カルボニルジイミダゾール(CDI, 2.6g, 16mmol)のDCM(50ml)溶液に加えた。該溶液を3時間攪拌し、その後、TLCは、該アルコール(DCM中の3%メタノールにおいてRf=0.6)から生成物(Rf=0.45)への完全な変換を示した。DCM(100ml)および水(30ml)を加え、該反応混合物を分液漏斗に移した。該混合物を混合し、該水相のpHが6未満になるまで1N HClを(1mlのアリコートで)加えた。該水相を除去し、更に水(30ml)を加え、混合しながらpH 6まで酸性化した。最後に、該DCM相をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、該溶媒を真空下で除去した。該残留固体を熱DCMおよびへキサンから再結晶して、2.2gの2(黄色結晶性固体)を得た。
N-(O-メチルニトロピペロニル-カルボニル)-ビオチンメチルエステル(4, MeNPO-CO-ビオチン-OMe)
水素化ナトリウム(油中の60%懸濁液; 100mg, 2.5mmol)を、氷上の無水DCM(10ml)中のビオチン-OMe(517mg, 2mmol)およびMeNPO-CO-Im(305mg, 1mmol)の攪拌懸濁液に加えた。該溶液を氷上で30分間および室温で30分間攪拌した。TLCは、MeNPO-CO-Im(DCM中の5%メタノールにおいてRf=0.6)の完全な消失および該生成物(Rf=0.45)の出現を示した。痕跡量のアルコール1(Rf=0.7)およびRf=0.95の副生成物(おそらくジ-MeNPO-カーボネート)も観察された(生成物と前記副生成物との比率は調製物によって様々であった。該出発物質を注意深く乾燥させ該反応を氷上で行なうと、一般に、該生成物の収率は、より高くなった)。
該反応が完了したら、DCMを加え(100ml)、該溶液を1M NaH2PO4で3回抽出した。該有機相を乾燥(MgSO4)させ、該溶媒を真空下で除去した。残留シロップを熱DCM(約5ml)に溶解し、ヘキサン(約5ml)を曇り点まで加え、該溶液を4℃で一晩放置した。これにより、白色結晶性固体としての過剰の該ビオチン-OMeの沈殿が生じた(これをエーテルで洗浄し、乾燥させ、後続の反応に使用した)。該濾液を真空中で濃縮し、シリカ上のクロマトグラフィー(DCM中の1.5〜3%メタノール)により精製して、4を黄色泡状物として得た(385mgまでの収量、すなわち出発物質としての2のモル等量に基づけば80%)。
N-(O-メチルニトロピペロニル-カルボニル)-ビオチン(5, MeNPO-CO-ビオチン-OH)
MeNPO-CO-ビオチン-OMe(940mg; 1.73mmol)を25mlの0.5N HClおよびジオキサン(4:6; アルゴンでフラッシュされたもの)に溶解した。該溶液を、アルゴン下、44℃で24時間攪拌した。該溶媒を真空下で約1mlまで減少させ、水を加え(10ml)、得られた混合物を凍結乾燥させた。得られた固体を、2%メタノール(20ml)を含有するDCMに溶解し、木炭を加えた。該混合物を数分間煮沸し、濾過した。TLC(DCM中の10%メタノール)は、該加水分解生成物(Rf=0.2)の出現および約5%の出発物質(MeNPO-CO-ビオチン-OMe; Rf=0.9)を示した。該溶媒を真空下で除去して黄色固体を得、それを真空下で乾燥させた(約95%の5および5%の4の860mg)。より高濃度のHCl(例えば、1N)およびより高温(例えば、共溶媒としてのTHFとの還流)は、該メチルエステルの完全な加水分解を引き起こした。しかし、有意な量のアルコール1およびビオチンも認められ、これは、これらの条件下での該カルバマートの加水分解を示している。メチルエステル4および特にその加水分解生成物(5)が酸化に感受性であることが判明したことに注目すべきである。5の溶液の加温または更には保存(空気の存在下)は褐色化を引き起こした。同様に、シリカ上でのクロマトグラフィーによる5(例えば7の誘導体)の精製を試みたところ、酸化による非常に高い損失が生じた。
N-(N-(O-メチルニトロピペロニル-カルボニル)-ビオチン)-3-アミノプロピオン酸tert-ブチルエステル(6, MeNPO-CO-ビオチン-β-Ala-OBu t
MeNPO-CO-ビオチン-OH(約5%のMeNPO-CO-ビオチン-Omeを含有する860mg; 約1.6mmol)を20mlの無水DCMに溶解した。β-アラニンtert-ブチルエステル(H-β-Ala-OBut)塩酸塩(Bachem; 362mg; 2mmol)、N-ヒドロキシスクシンイミド(172mg; 1.5mmol)およびトリエチルアミン(280μl; 2mmol)を加えた。該攪拌溶液を氷上で冷却し、EDCIを加えた(420mg; 2.2mmol)。該反応を4℃で24時間および室温で2時間攪拌した。TLC(DCM中の5%メタノール)は、該生成物(Rf=0.3)の出現および残存未反応物MeNPO-CO-ビオチン-OMe(Rf=4.5)を示した。該反応液をDCM(30ml)で希釈し、1M NaH2PO4で3回および飽和NaHCO3で1回抽出した。該有機相を乾燥(Na2SO4)し、該溶媒を真空下で除去した。残留シロップをシリカ上のクロマトグラフィー(DCM中の3.0〜4.5%メタノール)により精製して、640mgの6(黄色泡状物)を得た。
N-(N-(O-メチルニトロピペロニル-カルボニル)-ビオチン)-3-アミノプロピオン酸(7, MeNPO-CO-ビオチン-β-Ala-OH)
tert-ブチルエステル6(510mg; 0.84mmol)を15mlの0.5N HClおよびジオキサン(4:6; アルゴンでフラッシュされたもの)に溶解した。該溶液を、アルゴン下、52℃で24時間攪拌した。水を加え(10ml)、得られた溶液を凍結乾燥させて、加水分解生成物(7)と出発物質(6; 約10%)とを含有(TLCによる判定)する固体を得た。この混合物を、シリカ上のカラムクロマトグラフィー(アセトン中の10%メタノールおよび0.1%酢酸)により精製して、60mgの7を得た(低収率は、主に、シリカ上での7の酸化の結果であった)。
N-(N-(N-(O-メチルニトロピペロニル-カルボニル)-ビオチン)-3-アミノプロピオニル)-グルタチオン(8, MeNPO-CO-ビオチン-β-Ala-GSH)
カルボニルジイミダゾール(20mg, 120μmol)を、MeNPO-CO-ビオチン-β-Ala-OH(7, 49mg, 89μmol)のDMF(1.5ml)溶液に加えた。該溶液を室温で30分間攪拌し、ついで数個のアリコートとして、氷上で攪拌されたDMF(2ml)+水(0.15ml)中の酸化型グルタチオン(62mg, 100μmol)およびトリエチルアミン(55μl, 0.4mmol)の溶液に加えた。該溶液を氷上で30分間、ついで室温で攪拌した。該溶液が透明になるまでトリエチルアミンを加え(25μl)、ついで該反応液を室温で更に2時間攪拌した。ついでDTTを加え(0.25mlの1M溶液; 0.25mmol)、該溶液を室温で10分間攪拌した。前記反応の生成物を、0.1%トリフルオロ酢酸の存在下の水-アセトニトリル勾配を使用するRP-8分取カラム上の逆相HPLCにより精製した。8に対応するピーク(保持時間=28.6分)を集めた。ついで該生成物を凍結乾燥により単離し、逆相HPLC(同じカラムおよび溶媒系を用いるもの)上で再び精製した。分析用逆相HPLCを使用する2回目のHPLC精製の後の該生成物の分析は、8に対応するUVスペクトルを有する生成物(>95%)示した(特に、355nmのλmaxはケージドビオチンのO-メチルニトロピペロニル-カルボニル基の存在を示した)。8の濃度を、該グルタチオンに由来する遊離チオール基の滴定(Hermanson, 1996に記載のとおりにDTNB, 5,5'-ジチオビス(2-ニトロ安息香酸)を使用するもの)により、そしてまた、355nmの吸光度(該ケージドビオチンに対応)により測定した。これらの互いに独立した測定は共に、実験誤差範囲内の同じ結果を与えた。
また、精製された8は、同一条件下でグルタチオンの場合に認められるものより約10倍遅い速度のCDNBの求電子置換におけるヒトM2-2 GSTの基質であることが判明した(340nmの吸光度の変化によりモニターした; HabigおよびJakoby, 1981)。
還元型MeNPO-CO-ビオチン-β-Ala-GSH(ケージドビオチン-βala-GSH)を、1-クロロ-2,4-ジニトロベンゼン(CDNB; Sigma)または4-クロロ-3-ニトロ安息香酸(CNB, Acros)のいずれかと反応させた。得られたケージド生成物は、アビジンにもストレプトアビジンにも結合しない。しかし、紫外線による光化学的脱ケージ後は、該生成物は、アビジンまたはストレプトアビジンコート化微粒子に結合するビオチンを一方の末端に、そして適当な抗DNPまたは抗3-ニトロ安息香酸抗体が結合しうる2,4-ジニトロフェノール(DNP)または3-ニトロ安息香酸基のいずれかを有する(図7および8を参照されたい)。
5μl(108個のビーズ)の1.0μm径非蛍光性ニュートラビジン(neutravidin)標識ミクロスフェア(Molecular Probes, F-8777)を、マイクロフュージ中、10,000gで3分間遠心し、該上清を除去した。該ビーズを5μlの0.1M KH2PO4(pH6.5)、1mM EDTA、2mMジチオトレイトール、10μMケージドビオチン-βala-GSHおよび500μM CDNBと500μM CNBとのいずれかに再懸濁させた。その5μlの反応混合物は、0.75μgの精製組換えヒトGST M2-2を含有するか、またはいずれの酵素も含有しなかった。
反応液を25℃で30分間(CDNB反応液)または4時間(CNB反応液)インキュベートし、ついでそれらを35μlの0.1M酢酸ナトリウム(pH5.0)の添加により停止させ、氷に移した。ついで各反応液をそれぞれ20μlの2つのアリコートに分割し、そのうちの1つを氷冷アルミニウムブロック表面上のパラフィルム層上にスポットとして配置した。ついでこのスポットに、約6cmの距離に維持されたB 100 AP UVランプ(UVP)で2分間照射した。もう一方のアリコートは未照射のままとした。ついですべてのサンプルを室温で30分間インキュベートし、ついで0.45μm MultiScreen-HVフィルタープレート(Millipore, MAHVN4510)中、200μlのPBS、0.1% Tween 20中で3回洗浄した(各洗浄の合間に十分に再懸濁させた)。
ついでビーズを、20ng/μl Alexa-488標識ウサギ抗DNP抗体(Dako, #V0401)、20ng/μl Alexa-488標識抗CNB抗血清を含有する200μlのPBS、0.1% Tween 20に再懸濁させ、室温で1時間インキュベートした。該抗CNB抗血清は、DMF中の4-(ブロモメチル)-3-ニトロ安息香酸(CNB-CH2Br)の200mM溶液のアリコートを50mMホウ酸塩(pH8.8)中のウシ血清アルブミン(BSA)またはキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)の5mg/ml溶液に加えることにより(タンパク質1mg当たり1.5〜6μmolのCNB-CH2Brを得る)調製したCNB-CH2-KLHコンジュゲートで免疫することによりウサギにおいて惹起させた。該反応混合物を室温で6時間攪拌し、得られたタンパク質コンジュゲートをリン酸緩衝食塩水(PBS)に対して4℃で十分に透析した。コンジュゲート化のレベル(ハプテン密度、すなわちHd)を、該コンジュゲートの光学密度を355nmで測定することにより求めた。該タンパク質サンプルに加えたCNB-CH2Brの量に応じて、これらは、BSA 1分子当たり7〜11個のCNB-CH2基、およびKLH 1分子当たり9.4〜24.3個のCNB-CH2基となることが判明した。14.2のHdを有するCNB-CH2-KLHコンジュゲートを使用して、公開されているプロトコール(Tawfikら, 1993; Tawfikら, 1997)を用いてウサギを免疫した(Weizmann Institute of Science, RehovotのZ Eshhar教授による)。血清を、コンジュゲートCNB-CH2-BSA(Hd=11)およびBSAへの結合に関してELISAにより試験した。両方の免疫ウサギからの最初の採血は(50倍以上希釈した場合)、CNB-CH2-BSAコンジュゲートと共にインキュベートした場合には高いシグナルを及びBSAでは非常に低いバックグラウンド(<5%)を与える所望の選択性を示した。HiTrap Protein Aカラム(Pharmacia)を使用して、抗CNB血清を精製した。抗CDNBおよび抗CNBの両方の抗体を、Alexa Fluor 488タンパク質標識キット(Molecular Probes)で、該製造業者の説明書に従い標識した。
該ビーズを、前記の200μlのPBS、0.1% Tween 20で3回洗浄し、ついで1ml PBS、0.1% Tween 20に再懸濁させ、FACScanフローサイトメーター(Becton Dickinson)を使用して10,000事象を分析した。
図9から理解されうるとおり、該ケージドビオチン部分はUV照射に際して脱ケージされ、ビーズに結合する。UV照射の不存在下であっても、ケージドビオチン-βala-GSHとCDNBとのGST M2-2触媒反応の後に、平均ビーズ蛍光における19倍の増加が認められた。これは、アビジンからの2-アニロナフタレン-6-スルホン酸(2,6-ANS)の置換を測定するために蛍光分析を用いることにより測定した場合(Mockら, 1985)、ケージドビオチン-βala-GSHの調製物中の約4%ビオチン-βala-GSHの見掛け存在量と相関する。これらの結果は、照射後に認められるシグナルの15%程度の、「暗所中」(すなわち、UV光の不存在下)のアビジンへのケージドビオチンの既に認められているバックグラウンド固定化(Sundbergら 1995)と符合する。既に認められている「暗所(dark)」シグナルは、該ケージドビオチン調製物中の痕跡量のビオチンの混入、または該リンカーを含む該ケージドビオチンの成分とアビジンとの間の弱い相互作用のいずれかによるものであった(Sundbergら 1995)。UV照射後、GSTの存在下および不存在下でインキュベートされたビーズの平均蛍光において大きな相違が認められた。GSTの存在下の平均ビーズ蛍光は、基質としてCDNBおよびCNBを使用した場合、GSTの不存在下で認められるもののそれぞれ84倍および56倍であった(図9)。
実施例6
油中水型エマルジョンの水滴中に区画化されたグルタチオンS-トランスフェラーゼM2-2(GST M2-2)はケージドビオチン化グルタチオンと4-クロロ-3-ニトロ安息香酸(CNB)との反応を触媒する。生成したケージドビオチン化生成物は区画化されたままであり、ついで該区画中でUV照射により脱ケージされ、同一区画中でアビジンコート化ビーズ上で捕捉され、該生成物コート化ビーズはフローサイトメトリーにより検出されうる。
1.0μm径の非蛍光ニュートラビジン(neutravidin)標識ミクロスフェア(Molecular Probes, F-8777)または0.93μm径のストレプトアビジンコート化ポリスチレンビーズ(Bangs Laboratories)の20μlアリコート(4×108個のビーズ)をそれぞれ、マイクロフュージ中、2,600g(6,500rpm)で3分間遠心した。該上清を除去し、該ビーズを氷上で20μlの0.1M KH2PO4(pH6.5)、1mM EDTA、2mMジチオトレイトール、50μMケージドビオチン-βala-GSH(3μgの精製組換えヒトGST M2-2を含有するか、いずれの酵素も含有しないもの)に再懸濁させた。
ついで6つの反応混合物を、TawfikおよびGriffiths (1998)に記載されているのと実質的に同じ方法で、以下のとおりに乳化させた:
a) Bangsビーズ、GST無し
b) Bangsビーズ、+GST
c) Molecular Probesビーズ、GST無し
d) Molecular Probesビーズ、+GST
e) Bangsビーズ、GST無し
F) Molecular Probesビーズ、GST無し。
該油相は、鉱油(Sigma, #M-5904)に4.5% (v/v) Span 80(Fluka)を次いで0.5% (v/v) Tween 80(SigmaUltra; #P-8074)を溶解させることにより新たに調製した。マグネティックバー(8×3mm、ピボットリング付き; Scientific Industries International, Loughborough, UK)で攪拌しながら、5ml Biofreeze Vial(Costar, #2051)中の0.4mlの氷冷油相に氷冷反応混合物を徐々に(4μlの5アリコートとして約2分かけて)加えた。攪拌(1150rpm)を氷上で更に1分間継続した。
8μlのエマルジョンd)を0.4mlのエマルジョンe)に加え、8μlのエマルジョンb)を0.4mlのエマルジョンf)に加え(1:50希釈液を得)、該エマルジョン混合物を5秒間ボルテックスして混合した。
以下の6つの反応混合物を、未乳化のままとした:
a) Bangsビーズ、GST無し
b) Bangsビーズ、+GST
c) Molecular Probesビーズ、GST無し
d) Molecular Probesビーズ、+GST
e) Bangsビーズ、GST無し
F) Molecular Probesビーズ、GST無し。
0.4μlのd)を20μlのe)に加え、0.4μlのb)を20μlのf)に加えた(1:50希釈液を得た)。
エマルジョンおよび未乳化反応物の両方を25℃で15分間インキュベートした。ついで0.8μlの500mM CNB(無水アルコール中)をそれぞれ0.4mlのエマルジョンに加え、該エマルジョンを5秒間ボルテックスした(該CNBは、該鉱油を介して該水性区画に移される)。5μlの5mM CNB(0.1M KH2PO4、1mM EDTA (pH6.5)中)を該未乳化反応物に加えた。
すべての反応において25℃で4時間インキュベートした。
25mM酢酸および4.5% Span 80(Fluka)、0.5% Tween 80(Sigma Ultra)(Sigma Mineral Oil for Molecular Biology中)を含有する200μlのSigma Mineral Oil for Molecular Biology(M-5904)と共に該エマルジョンをボルテックスすることにより、該水滴のpHを低下させて該GST触媒反応を停止させた。該未乳化反応は、25μlの0.5M酢酸を加えることにより停止させた。
すべての反応液を、氷水上に浮遊する24ウェル平底プレート(Corning, #25820)に移し、それを、約6cmの距離に維持されたB 100 AP UVランプ(UVP)で2分間照射した。ついですべてのサンプルを室温で30分間インキュベートした。
該エマルジョンを1.5mlマイクロフュージチューブに移し、マイクロフュージ中、13.5k rpmで1分間遠心し、該油相を除去すると、濃縮された(しかし元のままの)エマルジョンが該チューブの底に残った。200μlの0.1M酢酸ナトリウム(pH5.0)を加え、1mlへキサンで4回抽出し各ヘキサン添加の合間にボルテックスすることにより該エマルジョンを破壊した。Speedvac(Farmingdale, NY)中の真空下、室温で10分間遠心することにより、残留へキサンを除去した。
ついですべてのサンプルを、0.45μm MultiScreen-HVフィルタープレート(Millipore, MAHVN4510)中、200μl PBS、0.1% Tween 20で3回洗浄した(各洗浄の合間に十分に再懸濁させた)。ついでビーズを200μl PBS、0.1% Tween 20に再懸濁させた。ついで25μl(約5×107個のビーズ)を、20ng/μl Alexa-488標識抗DNP抗体または20ng/μl Alexa-488標識抗CNB抗体を含有する200μlのPBS、0.1% Tween 20に加え(実施例5を参照されたい)、室温で1時間インキュベートした。該ビーズを前記のとおりに200μlのPBS、0.1% Tween 20で3回洗浄し、ついで1mlのPBS、0.1% Tween 20に再懸濁させ、FACScanフローサイトメーター(Becton Dickinson)を使用して300,000事象を分析した。
GSTも該GST触媒反応生成物(ケージドビオチン-βAla-NB)も区画化されなかった未乳化混合物においては、すべてのビーズは同様に低い蛍光を有する(図10、パネルBおよびD)。これとは対照的に、GSTと該GST触媒反応生成物(ケージドビオチン-βAla-NB)との両方が区画化されていた該エマルジョン混合物においては、2つのビーズ集団(一方は低い蛍光のもの、もう一方はより高い蛍光のもの)が視覚的に明らかに認められうる(図10、パネルCおよびE)。R1およびR2のゲーティング(gating)は、BangsおよびMolecular Probesビーズの大部分がそれらの若干異なる光散乱特性に基づいて分離されるのを可能にする(図10、パネルA)。R1を通過するBangsビーズとMolecular Probesビーズとの比は68%:0.1%であり、R2を通過する比は0.08%:87%である。これらのゲートを使用した場合、高い蛍光を有するビーズは酵素GSTと共に区画化されたものであることが明らかである。したがってビーズ、酵素および反応生成物の区画化は乳化により得られ、酵素を含有する区画中に存在するビーズは、そうでないビーズから、それらの蛍光特性により区別されうる。
実施例7
ヒトGST M2-2は、油中水型エマルジョンの水性区画中でin vitroで転写および翻訳されることが可能であり、共区画化(co-compartmentalised)ミクロスフェアの蛍光特性の変化を引き起こす反応を触媒する。
ヒトグルタチオンS-トランスフェラーゼM2-2(GST M2-2)をコードする遺伝子を、オリゴヌクレオチドGSTM2-2FoおよびGSTM2-2Bcを使用するPCRにより、pGEM-3Z中のヒトGST M2-2 cDNAクローン(Baezら, 1997)から増幅する。該PCR断片を、lacプロモーターおよびT7 RNAポリメラーゼプロモーターの下流の、HindIIIおよびKpnIで消化されたベクターpGEM-4Z(Promega)中にクローニングする。オリゴヌクレオチドGSTM2-2Bcは、メチルトランスフェラーゼ遺伝子開始コドンの上流に効率的ファージT7遺伝子10翻訳開始部位を付加する。DNA配列決定によって、pGEM-hGSTM2-2と称される正確なヌクレオチド配列を有するクローンを同定する。前記pGEM-hGSTM2-2プラスミドを、前記のとおりにプライマーLMB2およびLMB3を使用するPCRにより増幅して、T7 RNAポリメラーゼプロモーター、ファージT7遺伝子10翻訳開始部位および該GST遺伝子を保有する826塩基対のPCR断片(GSTM2-2.LMB2-3)を得る。Wizard PCR Perps(Promega)を使用して、該PCR断片を直接精製する。
1.0μm径の非蛍光ニュートラビジン標識ミクロスフェア(Molecular Probes, F-8777)の60μlアリコート(1.2×109個のビーズ)を、マイクロフュージ中、10,000gで3分間遠心した。該上清を除去し、氷上で直鎖状鋳型用に設計された原核性in vitro共役転写/翻訳系(Lesleyら, 1991)の60μlに該ビーズを再懸濁させた。12.5mM酢酸(pHを約7.0に低下させるためのもの)、T7 RNAポリメラーゼ(2,000単位)、12.5μg/ml λ DNA-HindIII消化物(New England Biolabs)、50μMケージドビオチン-βala-GSHおよび所望により使用する5nM GSTM2-2.LMB2-3 DNAまたは50μl当たり5.0μgの精製組換えヒトGST M2-2(またはいずれも使用しない)で補足されたこの系の市販の調製物(E. coli S30 Extract System for Linear Templates; Promega)を使用する。
5μlアリコートを各反応混合物から取り出し、未乳化のままとした。50μlの残存反応混合物を、TawfikおよびGriffiths (1998)に記載されているのと実質的に同じ方法で乳化した。
該油相は、鉱油(Sigma, #M-5904)に4.5% (v/v) Span 80(Fluka)を次いで0.5% (v/v) Tween 80(SigmaUltra; #P-8074)を溶解させることにより新たに調製した。マグネティックバー(8×3mm、ピボットリング付き; Scientific Industries International, Loughborough, UK)で攪拌しながら、5ml Biofreeze Vial(Costar, #2051)中の1.0mlの氷冷油相に氷冷反応混合物を徐々に(10μlの5アリコートとして約2分かけて)加えた。攪拌(1150rpm)を氷上で更に1分間継続した。
エマルジョンおよび未乳化反応液の両方を25℃で45分間インキュベートして、翻訳を進行させた。ついで5μlの100mM 1-クロロ-2,4-ジニトロベンゼン(CDNB)(無水エタノール中)を各1.0mlエマルジョンに加え、該エマルジョンを5秒間ボルテックスした(該CDNBは、該鉱油を介して該水性区画に移される)。1.0μlの2.5mM CDNB(水中)を未乳化反応液に加えた。CDNBはin vitro翻訳を抑制し、翻訳が完了した後でそれをこのように加えるとGSTの収率が最大になる。
すべての反応は25℃で30分間インキュベートした。ついで25mM酢酸および4.5% Span 80(Fluka)、0.5% Tween 80(Sigma Ultra)(Sigma Mineral Oil for Molecular Biology中)を含有する500μlのSigma Mineral Oil for Molecular Biology(M-5904)と共に該エマルジョンをボルテックスすることにより、該水滴のpHを低下させて該反応を停止させた。該未乳化反応は、5μlの0.5M酢酸および20μlの0.1M酢酸ナトリウム(pH5.0)を加えることにより停止させた。
すべての反応液を、氷水上に浮遊する24ウェル平底プレート(Corning, #25820)に移し、それを、約6cmの距離に維持されたB 100 AP UVランプ(UVP)で2分間照射した。ついですべてのサンプルを室温で30分間インキュベートした。
該エマルジョンを1.5mlマイクロフュージチューブに移し、マイクロフュージ中、13.5k rpmで1分間遠心し、該油相を除去すると、濃縮された(しかし元のままの)エマルジョンが該チューブの底に残った。200μlの0.1M酢酸ナトリウム(pH5.0)を加え、1mlへキサンで4回抽出し各ヘキサン添加の合間にボルテックスすることにより該エマルジョンを破壊した。Speedvac(Farmingdale, NY)中で真空下、室温にて10分間遠心することにより、残留へキサンを除去した。
ついで該破壊エマルジョンおよび該未乳化反応からの約5×107個のビーズを、0.45μm MultiScreen-HVフィルタープレート(Millipore, MAHVN4510)中、200μlのPBS、0.1% Tween 20で3回洗浄した(各洗浄の合間に十分に再懸濁させた)。ついでビーズを、10ng/μl Alexa-488標識抗DNP抗体を含有する200μlのPBS、0.1% Tween 20に再懸濁させ(実施例5を参照されたい)、室温で1時間インキュベートした。該ビーズを前記のとおりに200μlのPBS、0.1% Tween 20で3回洗浄し、ついで1mlのPBS、0.1% Tween 20に再懸濁させ、FACScanフローサイトメーター(Becton Dickinson)を使用して10,000事象を分析した。
図11から理解されうるとおり、乳化および未乳化のどちらの反応においても、in vitro翻訳GST M2-2により触媒される反応は、酵素が存在しない場合より高い蛍光を有するビーズを与える。しかし、蛍光におけるこの相違は、効率的な蛍光活性化ソーティング(FACS)には十分ではないであろう。しかし、50μl当たり5.0μgの精製組換えGST M2-2を含有する乳化および未乳化のどちらの反応からのビーズも、in vitro翻訳GST M2-2を含有するものより一層蛍光が強く、GSTの不存在下でインキュベートしたものからのFACSによるこれらのビーズの効率的富化を可能にする。これは、野生型より高い活性の突然変異GSTがin vitroで翻訳される状況を模擬している。
実施例8
ミクロビーズに結合した遺伝子はin vitroで発現され、得られた遺伝子産物(酵素)は触媒活性を保有したままミクロビーズに結合する。
遺伝子エレメントの選択のための1つの方法は、マイクロカプセル中で翻訳されるミクロビーズに結合した遺伝子を該遺伝子エレメントが含み、その翻訳された遺伝子産物が該マイクロカプセル中のミクロビーズ上に再結合するというものである。したがって、区画化は、遺伝子産物(例えば、タンパク質または酵素)をコードする遺伝子に結合した該遺伝子産物の複合体の形成につながる。ついでこれらの複合体を、リガンドへの結合に関して(実施例12を参照されたい)、または第2区画化反応を介した酵素活性に関して選択することが可能であろう。
酵素(ホスホトリエステラーゼまたはPTE)が、ミクロビーズに結合した遺伝子からin vitroで転写および翻訳されることが可能であり、その翻訳された酵素が該ミクロビーズに再結合することを、本実施例において示す。本発明者らはまた、その翻訳された酵素が、それがビーズに結合したままで修飾され、集合し又は補因子で補完されうることを示す(本実施例においては、金属イオンをアポ酵素に加えて活性金属酵素を得る)。さらに、本発明者らは本実施例において、該酵素の触媒活性が、該酵素が該酵素コード化遺伝子と共にミクロビーズに結合したままで保有されることを示す。
ホスホトリエステラーゼ(PTE; パラオキソンヒドロラーゼとしても公知である; MulbryおよびKarns, 1989)をコードするopd遺伝子を、終結コドンとEcoRI部位とを付加するフォワードプライマー(OPD-Fo; 表1を参照されたい)およびファージT7遺伝子10翻訳部位(RBS)とHindIIIクローニング部位とを付加するバックプライマー(OPD-Bc)を使用するPCRにより、Flavobacterium sp.株ATCC 27551から増幅する。このDNAを、T7 RNAポリメラーゼプロモーターの下流のHindIIIおよびEcoRI部位を用いてpGEM-4Z中にクローニングする。DNA配列決定は、正確なヌクレオチド配列を有するクローンを同定する。このクローン(Gem-OPD)で形質転換された細菌(大腸菌(E. coli), TG1)は、塩化コバルトの存在下で培養されIPTGで誘導された場合に活性PTEを過剰発現することが判明している(Omburoら, 1992)。
また、OPD遺伝子を、N末端に付加されたFlag(商標)ペプチド(Met-Asp-Tyr-Lys-Asp-Asp-Asp-Asp-Lys; Sigma-Aldrich)と共にクローニングする。OPD遺伝子を、終結コドンおよびKpnI部位を付加するフォワードプライマー(N-Flag-OPD-Fo)ならびにNcoI部位、Flagペプチドおよび該Flagペプチドと該OPDリーディングフレームとの間の短いリンカーを付加するバックプライマー(N-Flag-OPD-Bc)を使用するPCRにより、Flavobacterium sp.株ATCC 27551から増幅する。得られたDNA断片をプラスミドpGEM-4ZNcol(KpnIおよびNcoI部位を用いる)中にクローニングする。pGEM-4ZNcolは、RBSおよびATGコドンが関連したリーディングフレームのクローニングを可能にするNcoI部位を与えるようにファージT7遺伝子10翻訳部位(RBS)およびATG開始コドンがT7 RNAポリメラーゼプロモーターの下流に付加されたp-GEM-4Zの修飾体である。pGEM-4ZNcolを与えるようにpGEM-4Z(T7 RNAポリメラーゼプロモーターの下流のHindIII部位とKpnI部位との間)中に組込まれた部分の配列を、スキームIに示す。
KpnIおよびEcoRIクローニング部位を含むpGEM-4Zの残部は、元のままであった。
Figure 2005245446
DNA配列決定は、正確なヌクレオチド配列を有するクローンを同定する。このクローン(Gem-N-Flag-OPD)で形質転換された細菌は、塩化コバルトの存在下で培養されIPTGで誘導された場合に活性PTEを過剰発現することが判明している。
前記のgem-OPDおよびgem-N-Flag-OPDプラスミドを、プライマーLMB2-ビオチンおよびLMB3を使用するPCRにより増幅して、T7 RNAポリメラーゼプロモーター、ファージT7遺伝子10翻訳開始部位およびOPDまたはN-Flag-OPD遺伝子を保持し3'末端においてビオチンで標識されたDNA断片(それぞれOPD.LMB3-2ビオチンおよびN-Flag-OPD.LMB3-2ビオチン)を得る。Wizard PCR Preps(Promega)を使用して、該PCR断片を直接精製する。
0.95μm非蛍光性ストレプトアビジン標識ミクロスフェア(Bangs、懸濁液1μl当たり約2×107個のビーズ)の懸濁液のアリコートを、マイクロフュージ中、10,000g(13,500rpm)で3分間遠心する。該上清を除去し、該ビーズをTNTバッファー(0.1M Tris 7.5、0.15M NaCl、0.05% Tween-20)に再懸濁させる。ビオチン化(BioM5, ビオチン標識抗Flag抗体; Sigma)により標識されておりアミノ末端Flagペプチドに結合しうる抗体を、平均4×104抗体/ビーズまでビーズ懸濁液に加える。得られた混合物を、時々混合しながら数時間インキュベートする。該ビーズを、それを遠心沈殿させTNTバッファーに再懸濁させることにより2回リンスする。ビオチン化DNA断片(断片OPDLMB3-2ビオチン、N-Flag-OPD.LMB3-2ビオチン、またはT7 RNAポリメラーゼプロモーターとファージT7遺伝子10翻訳開始部位とN-Flagペプチドタグをも有する異なる酵素をコードする遺伝子とを保持する断片、例えばメチルトランスフェラーゼHaeIII - N-Flag-M.HeaIII.LMB3-2ビオチン)を抗体コート化ビーズの懸濁液に加え、該混合物を4℃で一晩インキュベートする。該ビーズを、それをTNTバッファー中で遠心沈殿させ、再懸濁させることにより3回リンスする。
前記のビーズ懸濁液(約109個のビーズ)の50μlアリコートを、マイクロフュージ中、10,000gで3分間遠心させる。該上清を除去し、該ビーズを、直鎖状鋳型用に設計された原核性in vitro共役転写/翻訳系(Lesleyら, 1991)50μlに、氷上で穏やかに再懸濁させる。T7 RNAポリメラーゼ(2,000単位)で補足されたこの系の市販の調製物(E. coli S30 Extract System for Linear Templates; Promega)を使用する。該反応を25℃で1.5時間インキュベートし、マイクロフュージ中、10,000gで3分間遠心する。該上清を除去し、該ビーズを100μlの50mM Tris、10mM炭酸カリウム(pH8.0)に再懸濁させる。塩化コバルトの水溶液を1mMの濃度まで加え、該反応液を室温で数時間(または4℃で一晩)インキュベートする。該ビーズを、それをTNTバッファー中で遠心沈殿させ、再懸濁させることにより4回リンスする。
前記ビーズのアリコートを、50mM Tris(pH8.3)中の0.25mMパラオキソンの溶液に加える。該ビーズを、種々の時間にわたり時々攪拌しながら25℃でインキュベートする。該ビーズを、マイクロフュージ中、10,000gで3分間遠心し、該上清を除去し、その光学密度を405nmで測定する。ビオチン化DNA断片OPD.LMB3-2ビオチンまたはN-Flag-M.HaeIII.LMB3-2ビオチンを結合させ(ついで前記のとおりに反応させ)たビーズをパラオキソンと共にインキュベートした場合には、ビーズまたはホスホトリエステラーゼの不存在下の同一条件下で認められる光学密度に対する、光学密度の有意な変化は認められない。しかし、ビオチン化DNA断片N-Flag-OPD.LMB3-2ビオチンを結合させ(ついで前記のとおりに反応させ)たビーズをパラオキソンと共にインキュベートした場合には、405nmにおける光学密度の有意な変化が認められる。例えば、ビオチン化DNA断片N-Flag-OPD.LMB3-2ビオチンを、1nMの濃度で(後に50μlのin vitro転写/翻訳に再懸濁させる50μlビーズ懸濁液(約109個のビーズ)に)加え、前記のとおりに反応させた場合には、3時間後に認められる光学密度の変化は、パラオキソンの50%以上の加水分解(50μlの反応容積中の0.25mM)に対応する。したがって、所望の触媒活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を保持するミクロビーズ(前記実施例のホスホトリエステラーゼのもの)は、所望の触媒活性を有するタンパク質をコードしない遺伝子を保持するミクロビーズ(前記実施例のメチルトランスフェラーゼHaeIIIのもの)から明らかに区別されうる。さらに、ビオチン化DNA断片N-Flag-OPD.LMB3-2ビオチンをビーズ結合させ、転写/翻訳後に該再懸濁化ビーズに塩化コバルトを加えないこと以外は前記のとおりに反応させた場合には、405nmにおける光学密度の変化はほとんど認められない。
これらの結果は、酵素(ホスホトリエステラーゼ)が、この酵素をコードしミクロビーズに結合した遺伝子からin vitroで転写および翻訳されうることを示している。該遺伝子がタグ(前記実施例におけるN末端Flagペプチド)をコードしている場合には、その翻訳された酵素は、該遺伝子が結合しているミクロビーズに再結合する。必要に応じて、ついでその翻訳された酵素は、(それをコードする遺伝子と共に)該ミクロビーズに結合したまま修飾されうる。本実施例においては、反応性金属酵素を得るためにコバルトイオンを加える。これらの結果はまた、該酵素が、それをコードする遺伝子と共にミクロビーズに結合したままで触媒的に活性であることを示している。
実施例9
酵素は、ケージドビオチン化基質との反応を触媒し、生成したケージドビオチン化生成物はUV照射により脱ケージされ、ストレプトアビジンコート化ミクロビーズ上で捕捉される。ついでこれらのビーズはフローサイトメトリーにより検出される。
遺伝子エレメントの選択のための1つの方法は、マイクロカプセル中で翻訳されるミクロビーズに結合した遺伝子を該遺伝子エレメントが含み、その翻訳された遺伝子産物が該マイクロカプセル中のミクロビーズ上に再結合するというものである。したがって、区画化は、遺伝子産物(例えば、タンパク質または酵素)をコードする遺伝子に結合した該遺伝子産物の複合体の形成につながる。ついでこれらの複合体を、リガンドへの結合に関して(実施例12を参照されたい)、または第2区画化反応を介した酵素活性に関して選択することが可能であろう。
しかし、そのような複合体が触媒活性に関して選択されるためには、可溶性基質が固定化酵素により利用可能であるべきであり、該触媒反応が完了したら、選択されるべき酵素活性を有する生成物は、この酵素をコードする遺伝子に結合すべきである。ついで、得られた複合体は、それに結合している生成物に基づき、例えば、該生成物を認識する蛍光標識抗体を使用することにより、分取または選択されうるであろう。所望の酵素活性を有するタンパク質をコードしない遺伝子と遺伝子産物との複合体を含有する他の区画においては、該未反応基質は該遺伝子に結合するはずである。これらの複合体は、該生成物で標識されず、したがって除かれるであろう。本実施例においては、酵素(ホスホトリエステラーゼまたはPTE)が、ストレプトアビジンコート化ビーズの存在下でケージドビオチン化基質と反応しうることを示す。ついで、生成したケージドビオチン化生成物はUV照射により脱ケージされ、アビジンコート化ビーズ上で捕捉されうる。ついでこれらのビーズはフローサイトメトリーにより検出され、該ビーズは、ホスホトリエステラーゼ活性を示さない他の酵素またはタンパク質の存在下でケージドビオチン化基質と共にインキュベートされたビーズから明らかに区別される。
PTEのケージドビオチン化基質(EtNP-Bz-Glu-ケージドビオチン; 図12)は、以下のとおりに合成する。
Boc-5-アミノペンタノール:
ジ-tert-ブチルジカーボネート(20.8g; 0.095mol)を、氷上のジクロロメタン(DCM)(200ml)中の5-アミノペンタノール(10.37g; 0.1mol)の攪拌溶液に加える。添加後、該溶液は濁り、シロップが分離する。トリエチルアミン(13.8ml; 0.1mol)を滴下し、得られた溶液を氷上で10分間、ついで室温で一晩攪拌する。該溶媒を真空下で除去し、得られたシロップを酢酸エチル(500ml)に溶解し、1M Na2HPO4(pH4)で3回、飽和NaHCO3で1回、最後にブラインで抽出し、ついでMgSO4で乾燥する。該溶媒を真空下で除去し、主にBoc-5-アミノペンタノールから構成される得られたシロップ(水酸化カリウムの存在下の真空下の十分な乾燥後)を、更なる精製を行なうことなく使用する。
(11)
トリエチルアミン(3ml; 22mmol)を、アセトン中のドライアイス上で冷却されたp-ニトロフェニルホスホジクロリダート(5.15g; 20mmol)およびエタノール(1.15ml; 20mmol)の攪拌溶液に30分以内に滴下する。該溶液を室温まで徐々に加温し、さらに90分間攪拌する。ついでBoc-5-アミノペンタノール(4.3g; 約20mmol)およびトリエチルアミン(3ml; 22mmol)のDCM(20ml)溶液を滴下する。該反応を室温で10分間攪拌し、1H-テトラゾールを加え(0.35g; 5mmol)、該反応液を更に2時間攪拌する。DCMを加え(100ml)、該溶液を1M Na2HPO4(pH4)、飽和NaHCO3および最後にブラインで3回抽出し、ついでMgSO4で乾燥させる。該溶媒を真空下で除去してシロップを得、それをシリカ上のカラムクロマトグラフィー(溶媒: DCM中の1%〜2%メタノール)で精製して、3.52gの11(シロップ)を得る。
4-N-Boc-アミノメチル安息香酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル:
ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC; 5.15g; 25mmol)を、DCM(200ml)+アセトニトリル(20ml)中の4-N-Boc-アミノメチル安息香酸(Tiger, Monmouth NJ; 5.2g; 25mmol)およびN-ヒドロキシスクシンイミド(2.88g; 25mmol)の攪拌懸濁液に加える。該反応液を4℃で一晩、ついで室温で3時間攪拌する。ジシクロヘキシル尿素沈殿物を濾去し、該濾液を真空下で濃縮してシロップを得る。該シロップをクロロホルムおよびDCMに溶解し、活性炭で処理する。エーテルの添加により白色結晶性固体を得る。DCMおよび石油エーテルからの再結晶により、6.2gの4-N-Boc-アミノメチル安息香酸のN-ヒドロキシスクシンイミドエステルを得る。
(12)
トリフルオロ酢酸(TFA; 4ml)を、11(900mg; 2.07mmol)のDCM(5ml)溶液に加える。該溶液を室温で45分間放置し、該溶媒を真空下で除去する。残留シロップを、それをDCMおよびメタノールに溶解しエーテルを加えることにより粉砕する。得られた12(TFA塩; シロップ)を、水酸化カリウムの存在下、真空乾燥させ、ついで、更に精製することなく直ちに反応させる(後記を参照されたい)。
(13)
4-N-Boc-アミノメチル安息香酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(670mg; 2.2mmol)およびトリエチルアミン(0.345ml; 2.5mmol)を、DCM(15ml)中の12(前記を参照されたい)に加える。該溶液を30分間攪拌し、トリエチルアミン(0.1ml; 0.72mmol)を加え、該溶液を更に3時間攪拌する。DCMを加え(20ml)、該溶液を1M Na2HPO4(pH4)で2回、飽和NaHCO3で1回および最後にブラインで抽出し、ついでMgSO4で乾燥させる。該溶媒を真空下で除去してシロップを得、それをシリカ上のカラムクロマトグラフィー(溶媒: DCM中の5%メタノール)で精製して、0.86gの13(シロップ)を得る。
(14)
0.84gの13(14 (1.6mmol))を前記のとおりにTFAで処理して14(TFA塩; シロップ)を得、それを後記のとおりに直ちに反応させる。
(15)
Boc-Glu(OSu)-OBut(Bachem; 641mg; 1.6mmol)およびトリエチルアミン(0.235ml; 1.7mmol)をDCM(15ml)中の14(前記を参照されたい)に加える。該溶液を1時間攪拌し、トリエチルアミン(60μL; 0.43mmol)を加え、該溶液を1時間攪拌する。DCMを加え(20ml)、該溶液を1M Na2HPO4(pH4)で2回、飽和NaHCO3で1回、そして最後にブラインで抽出し、ついでMgSO4で乾燥させる。該溶媒を真空下で除去してシロップを得、それをシリカ上のカラムクロマトグラフィー(溶媒: DCM中の7%メタノール)で精製して、0.8gの15(白色結晶性固体)を得る。
EtNP-Bz-Glu(16)
0.4gの15(0.56mmol)をDCM(5ml)およびTFA(5ml)に溶解する。該溶液を室温で1時間攪拌し、該溶媒を真空下で除去する。残留シロップを、それをメタノールに溶解しエーテルを加えることにより結晶化する。再結晶(メタノールおよびエーテル中)により200mgの16を得る(TFA塩; 白色固体)。
EtNP-Bz-Glu-ケージドビオチン(17)
カルボニルジイミダゾール(6mg, 37.5μmol)をMeNPO-CO-ビオチン-OH(5, 17mg, 35μmol)のDMF(1ml)溶液に加える。該溶液を室温で60分間攪拌し、16(20mg, 30μmol)に加える。トリエチルアミン(5.5μl, 40μmol)、DMF(1ml)および水(0.5ml)を該攪拌反応混合物に、それが透明になるまで加える。該溶液を室温で2時間攪拌し、-20℃で保存する。
前記反応の生成物を、0.1%トリフルオロ酢酸の存在下で水-アセトニトリル勾配を用いるC8分取カラム上の逆相HPLCにより精製する。17に対応するピーク(保持時間=23.1分)を集める。該生成物を凍結乾燥により黄色固体として単離する。分析用逆相HPLCを用いるHPLC精製後の該生成物の分析は、17に対応するUVスペクトルを有する主生成物(>80%)を示した。特に、355nmにおけるλmaxは、該ケージドビオチンのO-メチルニトロピペロニル-カルボニル基の存在を示し(PirrungおよびHuang, 1996)、ケージドビオチンには存在しない277nmにおける「肩」は、17のp-ニトロフェニルホスフェートエステルの存在を示す。0.1M水酸化カリウム中で該p-ニトロフェニルホスフェートエステルを加水分解し遊離p-ニトロフェノールの量を測定することにより(405nmにおける光学密度)、17の濃度を確認する。
精製された17はまた、パラオキソンの場合に認められるものより僅か約6倍遅い速度でp-ニトロフェノールの遊離を引き起こすPTEの基質であることが判明している(図13; 405nmにおける光学密度の変化によりモニター)。注目すべきことに、反応完了まで進行する17の塩基触媒加水分解(およびパラオキソンのPTE触媒加水分解)とは異なり、17のPTE触媒加水分解は、該基質の半分が加水分解されるまで有意な速度で進行するにすぎない。該基質の残り半分も加水分解されうるが、それは、はるかに大量のPTEの存在下および長時間(数時間から一晩)のインキュベーションの後で生じるにすぎない。これは、おそらく、17が2つのジアステレオマー(そのキラルなホスホトリエステルに関する2つのエナンチオマーに対応)を含み、そのうちの一方だけが該酵素の有効な基質であることによるものであろう。実際のところ、PTEおよび他のキラルなホスホトリエステルに関して立体選択性が既に認められている(HongおよびRaushel, 1999)。
対応するp-ニトロフェニルホスホトリエステルの加水分解生成物であるエチル-ホスホジエステルを認識する抗体を産生させる。この目的には、後記のとおり、適当なエチルホスホジエステル誘導体を合成し、担体タンパク質にコンジュゲートさせる(図14)。
EtNPBG(18)
無水グルタル酸(180mg; 1.6mmol)およびトリエチルアミン(0.22ml; 1.6mmol)を、DCM(15ml)中の12(前記のとおり1.6mmolの11の脱保護により調製したもの)に加える。該溶液を20分間攪拌し、トリエチルアミン(0.12ml; 0.85mmol)を加え、該溶液を更に1時間攪拌する。DCMを加え(20ml)、該溶液を1M Na2HPO4(pH4)で2回抽出し、ついでMgSO4で乾燥させる。該溶媒を真空下で除去してシロップを得、それをシリカ上のカラムクロマトグラフィー(溶媒: DCM中の12.5%メタノール + 0.1%酢酸)で精製して445mgの18(シロップ)を得る。
基質コンジュゲートEtNPBG-KLHおよびEtNPBG-KLH
カルボニルジイミダゾール(CDI; 32mg, 200μmol)を、18(60mg, 134μmol)のDMF(1ml)溶液に加える。該溶液を室温で60分間攪拌する。ついで、活性化された18のアリコートを、0.1Mリン酸塩(pH8.0)中のウシ血清アルブミン(BSA)またはキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)の5mg/ml溶液に(タンパク質1mg当たり0.5〜4μmolの18となるように)加える。該反応液を室温で1時間攪拌し、得られたタンパク質コンジュゲートを4℃でリン酸緩衝食塩水(PBS)に対して十分に透析する。コンジュゲーションのレベル(ハプテン密度、すなわちHd)を、0.1M水酸化カリウム中で該透析コンジュゲートのサンプルを加水分解し遊離p-ニトロフェノールの量をモニター(405nm)することにより測定する。これらは、該タンパク質サンプルに加えられた活性化された18の量に応じて、BSA 1分子当たり8.5〜24個のEtNPBG分子、およびKLH 1分子当たり14〜63個のEtNPBG分子であることが判明している。
生成物コンジュゲートEtBG-KLHおよびEtBG-KLH
前記のEtNPBG-KLHおよびEtNPBG-KLHコンジュゲートを0.1Mカーボネート(pH11.8)に対して室温で44時間透析し、ついでPBSに対して十分に透析(4℃)する。公開されているプロトコール(Tawfikら, 1993; Tawfikら, 1997)を用いてEtBG-KLH(Hd=14)での免疫により、抗EtBG抗体をウサギにおいて惹起させた(Weizmann Institute of Science, RehovotのZ Eshhar教授からの贈呈物)。血清を、基質コンジュゲートEtNPBG-BSA(Hd=8.5)および対応生成物コンジュゲート(EtBG-BSA; Hd=8.5)の両方への結合に関してELISAにより試験する。該免疫ウサギの一方からの最初の採血は(50倍以上希釈した場合)、該生成物コンジュゲートと共にインキュベートした場合には高いシグナルを及び該基質コンジュゲートでは低いバックグラウンド(<20%)を与える所望の選択性を示す。COVApバッファー(2M NaCl、10g、1 MgSO<SUB>4・7H2O、0.04% Tween-20、10mMリン酸塩、0.1mM p-ニトロフェノール(pH6.5))中で該血清を希釈すると、選択性が更に増加し、バックグラウンドレベルは5%未満に減少する。HiTrap Protein Aカラム(Pharmacia)を使用して、抗EtBG血清を精製する。その精製されたウサギ抗体を、Alexa Fluor 488タンパク質標識キット(Molecular Probes)で、該製造業者の説明書に従い標識する。
10μl(約2×108個のビーズ)の0.95μmストレプトアビジンコート化ミクロビーズ(Bangs、懸濁液1μl当たり約2×107個のビーズ)を、マイクロフュージ中、10,000gで3分間遠心し、該上清を取り出す。該ビーズを、EtNP-Bz-Glu-ケージドビオチン(17)を含有する10μlの50mM Tris(pH8.3)に再懸濁させて、10μM、20μMまたは30μMの最終濃度とする。PTEを、OPD.LMB3-2ビオチンDNA断片(5nM)の転写/翻訳によりin vitroで発現させる。T7 RNAポリメラーゼ(2,000単位)で補足されたこの系の市販の調製物(E. coli S30 Extract System for Linear Templates; Promega)を使用し、該反応液を25℃で1.5時間インキュベートする。ついで、Trisバッファー(10mM pH8.0)中の炭酸カリウム(10mM)および塩化コバルト(1mM)を加え、4℃で一晩インキュベートすることにより、該PTEを集合させる。また、ホスホトリエステラーゼ活性を示さないもう1つの酵素(メチルトランスフェラーゼHaeIII)も、M.HaeIII.LMB3-2ビオチン断片(5nM)からの転写/翻訳によりin vitroで発現させ、ついでPTEの場合と同様にして炭酸塩およびコバルトで処理する。前記反応混合物の5μlアリコートを該ビーズ懸濁液に加え、該反応液を暗所中25℃で1時間インキュベートする。該反応を、15μlの0.1M酢酸ナトリウム(pH5.0)の添加により停止させ、氷に移す。ついで各反応液をそれぞれ15μlの2つのアリコートに分割し、そのうちの1つを氷冷アルミニウムブロック表面上のパラフィルム層上にスポットとして配置する。ついでこのアリコートを、約6cmの距離に維持されたB 100 AP UVランプ(UVP)で2分間照射する。もう一方のアリコートは暗所中に放置する。ついですべてのビーズサンプルを室温で30分間インキュベートし、0.45μm MultiScreen-HVフィルタープレート(Millipore, MAHVN4510)中、200μlのPBS、0.1% Tween 20で3回洗浄する(各洗浄の合間に十分に再懸濁させる)。ついでビーズ(約2×107)を、100ng/μl Alexa-488標識ウサギ抗EtBG抗体を含有する200μlのCOVApに再懸濁させ、室温で1時間、ついで4℃で1時間インキュベートする。該ビーズを前記のとおりに200μlのPBS、0.1% Tween 20で3回洗浄し、ついで1mlのPBS、0.1% Tween 20に再懸濁させ、FACScanフローサイトメーター(Becton Dickinson)を使用して10,000事象を分析する。
図15から理解されうるとおり、ストレプトアビジンコート化ビーズの存在下のEtNP-Bz-Glu-ケージドビオチンのPTE触媒加水分解後およびUV照射後に平均ビーズ蛍光において20倍までの増加が認められる。これは、ホスホトリエステラーゼ活性を有しない別の酵素(M.HaeIII)の存在下であること以外は実質的に同様に処理したビーズと比較した場合に認められた増加である。注目すべきことに、蛍光シグナルの相違は、PTEおよびM.HaeIIIの両方を対応遺伝子からin vitroで発現させin vitro転写/翻訳反応混合物の全内容物と共に加えた場合に認められる。
認められる平均蛍光は、高い基質濃度においては、20μMにおいて認められるものより低い。また、20μMを超える基質濃度においては、暗所で維持された反応とUV照射された反応との間で蛍光シグナルにおける相違は実質的に全く存在しない(データは示していない)。前記の反応条件下、該ビーズは、10μMを超える濃度で結合シグナルの飽和を示し始めるため(ついで蛍光標識抗EtBG抗体を加えることにより検出される生成物のもの)、これらの結果は、EtNP-Bz-Glu-ケージドビオチンの調製物におけるETNP-Bz-Glu-ビオチン混入物の存在により説明されうる。また、これらの結果は、照射後に認められるシグナルの15%程度の、「暗所中」(すなわち、UV照射の不存在下)でのアビジンへのケージドビオチンの既に認められているバックグラウンド固定化(Sundbergら 1995)と符合する。既に認められている「暗所(dark)」シグナルは、ケージドビオチン調製物中の痕跡量のビオチンの混入、または該リンカーを含む該ケージドビオチンの成分とアビジンとの間の弱い相互作用のいずれかによるものであった(Sundbergら 1995)。どちらのメカニズムも、高濃度のケージドビオチン化基質(および該ビーズの結合能以上)において該「暗所」シグナルが有意になる理由を説明しうる。それにもかかわらず、20μM以下の基質濃度においては、該「暗所」シグナルは、該照射シグナルの25%または更には10%未満(例えば、10μM EtNP-Bz-Glu-ケージドビオチン)を構成するにすぎない。このことは、EtNP-Bz-Glu-ケージドビオチンのPTE触媒加水分解のほとんどが、該基質が溶液中に存在し該ビーズに結合していない時に生じること、および得られた生成物(Et-Bz-Glu-ケージドビオチン)が、UV光での照射後に脱ケージされ、該ミクロビーズ上に固定化されることを示している。
実施例10
ビーズに結合した遺伝子はin vitroで発現され、得られた遺伝子産物(酵素)は、触媒活性を保有したまま該ミクロビーズ上に固定化される。固定化された酵素は、ケージドビオチン化基質との反応を触媒し、ついで、得られたケージドビオチン化生成物はUV照射により脱ケージされ、その形成を引き起こした酵素をコードする遺伝子と共にこれらのビーズに結合する。ついでこれらのビーズはフローサイトメトリーにより検出される。
遺伝子エレメントの選択のための1つの方法は、マイクロカプセル中で翻訳されるミクロビーズに結合した遺伝子を該遺伝子エレメントが含み、その翻訳された遺伝子産物が該マイクロカプセル中のミクロビーズ上に再結合するというものである。したがって、区画化は、遺伝子産物(例えば、タンパク質または酵素)をコードする遺伝子に結合した該遺伝子産物の複合体の形成につながる。ついでこれらの複合体を、リガンドへの結合に関して(実施例12を参照されたい)、または第2区画化反応を介した酵素活性に関して選択することが可能であろう。
そのような複合体が触媒活性に関して選択されるためには、可溶性基質が該固定化酵素により利用可能であるべきであり、該触媒反応が完了したら、選択されるべき酵素活性を有する生成物は、この酵素をコードする遺伝子に結合すべきである。ついで、得られた複合体は、それに結合している生成物に基づき、例えば、該生成物を認識する蛍光標識抗体を使用することにより、分取または選択されうるであろう。所望の酵素活性を示さない遺伝子産物と遺伝子との複合体を含有する他の区画においては、該未反応基質は該遺伝子に結合するであろう。これらの複合体は、該生成物で標識されず、したがって除かれるであろう。
酵素(ホスホトリエステラーゼまたはPTE)が、ミクロビーズに結合した遺伝子からin vitroで転写および翻訳されることが可能であり、その翻訳された酵素が該ミクロビーズに再結合することを、本実施例において示す。ついで、その翻訳された酵素は、活性部位コバルトを取込むように修飾されることが可能であり、それが該酵素コード遺伝子と共に該ミクロビーズに結合したままで、その触媒活性は維持される。ついで該固定化PTEはケージドビオチン化基質と反応し、生成したケージドビオチン化生成物はUV照射により脱ケージされ、PTEをコードする遺伝子が結合した同じアビジンコート化ビーズ上に捕捉される。ついでこれらのビーズは、フローサイトメトリーにより検出され、ホスホトリエステラーゼ活性を示さないタンパク質をコードする遺伝子を保持するビーズから明らかに区別される。
0.95μmのストレプトアビジンコート化ミクロスフェア(Bangs、懸濁液1μl当たり約2×107ビーズ)の懸濁液のアリコートを、マイクロフュージ中、10,000gで3分間遠心する。該上清を除去し、該ビーズをTNTバッファー(0.1M Tris 7.5、0.15M NaCl、0.05% Tween-20)に再懸濁させる。ビオチン化(BioM5, ビオチン標識抗Flag抗体; Sigma)されており該Flagペプチドに結合しうる抗体を、平均104抗体/ビーズまで該ビーズ懸濁液に加え、該混合物を数時間インキュベートする。該ビーズを、それを遠心し元の容積にまでTNTバッファーに再懸濁させることによりリンスする。ビオチン化DNA断片(N-Flag-OPD.LMB3-2ビオチン、またはT7 RNAポリメラーゼプロモーターと、ファージT7遺伝子10翻訳開始部位と、異なる酵素(N-Flagペプチドでもタグ付けされているもの)をコードする遺伝子とを保持する断片、例えばメチルトランスフェラーゼHaeIII - N-Flag-M.HaeIII.LMB3-2ビオチン)を抗体コート化ビーズの懸濁液に1.6nMの濃度で加え、該混合物を4℃で一晩インキュベートする。該ビーズを、それをTNTバッファー中で遠心沈殿させ、再懸濁させることにより3回リンスする。
前記のビーズ懸濁液(約109個のビーズ)の50μlアリコートを、マイクロフュージ中、10,000gで3分間遠心させる。該上清を除去し、該ビーズを、直鎖状鋳型用に設計された原核性in vitro共役転写/翻訳系(Lesleyら, 1991)50μlに、氷上で穏やかに再懸濁させる。T7 RNAポリメラーゼ(2,000単位)で補足されたこの系の市販の調製物(E. coli S30 Extract System for Linear Templates; Promega)を使用する。該反応液を25℃で1.5時間インキュベートし、マイクロフュージ中、10,000gで3分間遠心する。該上清を取り出し、該ビーズを100μlの50mM Tris、10mM炭酸カリウム(pH8.0)に再懸濁させる。塩化コバルトの水溶液を1mMの濃度まで加え、該反応を室温で2時間インキュベートする。該ビーズを、それをTNTバッファー中で遠心沈殿させ、再懸濁させることにより4回リンスする。最後に、ビーズを元の容積にまでTNTバッファーに再懸濁させる。
前記ビーズのアリコートを、50mM Tris(pH8.3)中の0.25mMパラオキソンの溶液に加える。該ビーズを、種々の時間にわたり時々攪拌しながら25℃でインキュベートする。該ビーズを、マイクロフュージ中、10,000gで3分間遠心し、該上清を除去し、その光学密度を405nmで測定する。ビオチン化DNA断片N-Flag-OPD.LMB3-2ビオチンを結合させ(ついで前記のとおりに反応させ)たビーズの場合には、ビーズもしくはホスホトリエステラーゼの不存在下、またはN-Flag-M.HaeIII.LMB3-2ビオチンDNA断片が結合しており前記のとおりに反応させたビーズの存在下であること以外は同一である条件下で行なった反応と比較して、405nmにおける光学密度の有意な変化は認められない。
つぎに、10μl(約2×108個のビーズ)の前記ビーズを、マイクロフュージ中、10,000gで3分間遠心し、該上清を除去する。該ビーズを、50mM Tris(pH8.3)中の12.5または25μM EtNP-Bz-Glu-ケージドビオチン溶液10μlに再懸濁させる。該ビーズ懸濁液を、暗所中、25℃で1.5時間インキュベートする。該反応を、10μlの0.1M酢酸ナトリウム(pH5.0)の添加により停止させ、氷に移し、それを、約6cmの距離に維持されたB 100 AP UVランプ(UVP)で2分間照射する。ついですべてのビーズサンプルを室温で30分間インキュベートし、0.45μm MultiScreen-HVフィルタープレート(Millipore, MAHVN4510)中、200μlのPBS、0.1% Tween 20で3回洗浄する(各洗浄の合間に十分に再懸濁させた)。ついでビーズ(約7×107個)を、COVAp中で1:125希釈されたウサギ抗EtBG血清125μlに再懸濁させ、4℃で一晩インキュベートする。該ビーズを200μlのCOVApで1回、ついで200μlのPBS、0.1% Tween 20(前記のとおり)で3回洗浄し、ついで200μlのPBS、0.1% Tween 20に再懸濁させる。70μlの前記ビーズ懸濁液(約2×107個)を、PBS、0.1% Tween 20中の40ng/μl FITC標識ヤギ抗ウサギFab(Jackson 115-095-006)溶液50μlに加え、室温で1時間インキュベートする。該ビーズを200μlのPBS、0.1% Tween 20(前記のとおり)で3回洗浄し、ついで1mlのPBS、0.1% Tween 20に再懸濁させ、FACScanフローサイトメーター(Becton Dickinson)を使用して10,000事象を分析する。その結果、図16において理解されるとおり、Flagペプチドでタグ付けされたホスホトリエステラーゼをコードする遺伝子が(Flagペプチドに結合する抗体と共に)結合したビーズは、ホスホトリエステラーゼ活性を有さない酵素(例えば、N-Flag-M.HaeIII)をコードする他の遺伝子が結合した遺伝子から明らかに区別されうるであろう。
実施例11
in vitroで転写および翻訳された大腸菌(E. coli)BirAは、油中水型エマルジョンの水性区画中の基質標識ミクロスフェアの蛍光特性に変化をもたらす反応を触媒する。
大腸菌(E. coli)においてin vivoでビオチン化されたプロピオニバクテリウム・シャーマニイ(Propionibacterium shermanii)由来のペプチドをコードする遺伝子を、オリゴヌクレオチドBCCP5およびBCCP3を使用してベクターPinpoint Xa-1(Promega)から増幅する。該PCR断片を、BamIIIおよびHindIIIで消化されたベクターpET-23d(FLAG)中、T7 RNAポリメラーゼプロモーターおよびファージT7遺伝子10翻訳開始部位の下流に、N末端のFLAGペプチドコード領域と読み枠を合わせて、クローニングする。このベクターをpET-23d(FLAG-BCCP)と称する。ベクターpET-23d(FLAG)は、後記スキーム2に示すとおり、N末端FLAGペプチドコード領域を含むように改変されたユニークなNcoI部位とBamHI部位との間の領域以外は、ベクターpET-23d(Novagen)と同一である。該タンパク質のC末端にヘキサヒスチジンタグを付加するために、2つのオリゴヌクレオチドBCCPHis+およびBCCPHis-をアニールさせ、ついで、SacIおよびNotIで消化されたベクターpET-23d(FLAG-BCCP)中に連結して、ベクターpET-(FLAG-BCCP-His)を得た。タンパク質FLAG-BCCP-His(FBHと称される)を、株C41(DE3)(MirouxおよびWalker, 1996)中で過剰発現させ、回収し、Ni-NTAアガロース(Qiagen)を用いて該製造業者のプロトコールに従い天然条件下で精製する。洗浄バッファー(50mM NaH2PO4, pH8.0; 300mM NaCl; 20mMイミダゾール)で4℃で1時間かけて予め平衡化した等容量のアビジン-アガロース(Sigma)と共にインキュベートすることにより、ビオチン化タンパク質を枯渇させる。ついでその懸濁液を10,000gで2分間遠心分離し、該上清を貯留し、アリコートに分け、液体窒素中(長期)または4℃で保存する。
Figure 2005245446
大腸菌(E. coli)BirAをコードする遺伝子を、オリゴヌクレオチドBirA5およびBirA3を使用するPCRにより、大腸菌(E. coli)BirA遺伝子を含有するpBluescript 2SK+ベクター(P. Wangからの贈呈物、未発表)から増幅した。該PCR断片を、KpnIおよびXhoIで消化されたベクターpGEM-4Z(K2)中、lacプロモーター、T7 RNAポリメラーゼプロモーターおよび効率的ファージT7遺伝子10翻訳開始部位の下流に、クローニングする。ベクターpGEM-4Z(K2)は、NcoI部位の下流に唯一のXhoI部位を含有するように以下のスキーム3に従い改変されたユニークなNcoI部位とKpnI部位との間の領域以外は、ベクターpGEM-4ZNcolと同一である(実施例8、スキーム1を参照されたい)。
Figure 2005245446
DNA配列決定により、pGEM-BirAと称されるその正確なヌクレオチド配列を有するクローンを同定する。前記のpGEM-BirAプラスミドを、前記のプライマーLMB2およびLMB3を使用するPCRにより増幅して、T7 RNAポリメラーゼプロモーター、ファージT7遺伝子10翻訳開始部位およびBirA遺伝子を担持する1139塩基対のPCR断片(BirA LMB2-3)を得る。Wizard PCR Preps(Promega)を使用して、該PCR断片を直接精製する。
直径1.0μmの非蛍光性ヤギ抗マウスIgG標識ミクロスフェア(Bangs Laboratories, CP03N)の60μLアリコート(1.2×109個のビーズ)を、マイクロフュージ中で、約2,600g(6,000rpm)で3分間スピンをかける。上清を除去し、ビーズを60μLの0.1M Tris-HCl(pH7.5)、0.15M NaCl、0.05% Tween-20、0.5% BSAに再懸濁した。そのビーズを再びスピンし、60μLのM5抗FLAG抗体(Sigma F4042)に再懸濁し、4℃で一晩インキュベートした。そのビーズを再び3分間スピン(2,600g)し、上清を除去し、ビーズを、30μLの0.1M Tris-HCl(pH7.5)、0.15M NaCl、0.05% Tween-20、0.5% BSAと前記のとおりに得られた30μLのFBHタンパク質との混合物(最終タンパク質濃度は約4mg/ml)に再懸濁し、室温で1時間インキュベートした。
一方、直鎖状鋳型用に設計された原核性in vitro共役転写/翻訳系(Lesleyら, 1991)の60μLアリコートを、市販のキット(E. coli S30 Extract System for Linear Templates; Promega)に加えてT7 RNAポリメラーゼ(2,000単位)、10nM BirA LMB2-3 DNA(または全くDNAを加えない)を使用して調製した。これらのアリコートを25℃で1時間インキュベートして翻訳させた。
ビーズの60μLアリコートを、マイクロフュージ中にて、2,600g(6,000rpm)で3分間スピンし、上清を除去した。それを、60μLの0.1M Tris-HCl(pH7.5)、0.15M NaCl、0.05% Tween-20、0.5% BSAに再懸濁し、再度スピンし、上清を除去した。最後に、それを、3μLの2mM d-ビオチンと3μLの0.2M ATPとを添加した前記原核性in vitro共役転写/翻訳反応の54μLアリコートに氷上で再懸濁した。
5μlアリコートを各反応混合物から取り出し、未エマルジョン化のままとした。残りの反応混合物の50μlを、TawfikおよびGriffiths (1998)に記載されているのと実質的に同じ方法でエマルジョン化した。
油相は、鉱油(Sigma, #M-5904)に4.5% (v/v) Span 80(Fluka)を、次いで0.5% (v/v) Tween 80(SigmaUltra; #P-8074)を溶解することにより、新たに調製した。磁性バー(8×3mm、ピボットリング付き; Scientific Industries International, Loughborough, UK)で攪拌しながら、5ml Biofreeze Vial(Costar, #2051)中の1.0mlの氷冷油相に氷冷反応混合物を徐々に(10μlの5アリコートとして約2分かけて)加えた。攪拌(1150rpm)を氷上で更に1分間継続した。
すべての反応物を37℃で4時間インキュベートして、ビオチン化反応を進行させた。
該エマルジョンを1.5mlマイクロチューブに移し、マイクロフュージ中、13.5k rpmで1分間スピンし、該油相を除去すると、濃縮された(しかし無傷のままの)エマルジョンが該チューブの底に残った。200μlの0.1M Tris-HCl(pH7.5)、0.15M NaCl、0.05% Tween-20、0.5% BSAを加え、1mlへキサンで4回抽出し各ヘキサン添加の合間にボルテックスすることにより該エマルジョンを破壊した。Speedvac(Farmingdale, NY)中の減圧下、周囲温度で10分間スピンすることにより、残留へキサンを除去した。
ついで該破壊エマルジョンおよび該未エマルジョン化反応物由来の約1×108個のビーズを、0.45μm MultiScreen-HVフィルタープレート(Millipore, MAHVN4510)中、100μlのTNT/BSAで2回洗浄した(各洗浄の合間に十分に再懸濁した)。ついでビーズを、1μlのストレプトアビジン-HRP溶液(NEN TSA (商標)-Directキット)を含有する50μlの0.1M Tris-HCl(pH7.5)、0.15M NaCl、0.05% Tween-20、0.5% BSAに再懸濁し、周囲温度で30分間インキュベートした。該ビーズを、前記のとおりに100μlの0.2M Tris、10mMイミダゾール(pH8.8)で2回洗浄し、ついで50μLの0.2M Tris、10mMイミダゾール(pH8.8)、0.01% H2O2に再懸濁した。1μLのフルオレセインチラミドストック溶液(製造業者の説明(NEN TSA (商標)-Directキット)に従い調製したもの)を加え、該反応を10分間進行させた。該ビーズを、前記のとおりにPBSで2回洗浄し、合計500μLのPBSに最終的に再懸濁し、それを5mlポリスチレン丸底チューブ(Falcon)に移し、FACScanフローサイトメーター(Becton Dickinson)を使用して10,000事象を分析した。
図17から理解されうるとおり、エマルジョン化反応および未エマルジョン化反応のどちらにおいても、in vitroで翻訳されたBirAにより触媒される反応は、酵素が存在しない場合より強い蛍光を有するビーズをもたらす。in vitroで翻訳されたBirAと共にエマルジョン中でインキュベートされたビーズは、エマルジョン中でインキュベートされていないビーズと比べてより蛍光性であることが分かる。
実施例12
遺伝子エレメントの蛍光の変化を用いて、結合活性を有するペプチドをコードする遺伝子エレメントを選択的に富化させることができる。蛍光標識された遺伝子エレメントはフローサイトメトリー分取により単離される。
遺伝子エレメントの選択のための1つの方法は、マイクロカプセル中で翻訳されるマイクロビーズに結合した遺伝子を該遺伝子エレメントが含んでおり、その翻訳された遺伝子産物が該マイクロカプセル中のマイクロビーズ上に再結合するというものである。したがって、区画化は、遺伝子産物をコードする遺伝子に該遺伝子産物が結合した複合体の形成につながる。ついで、該結合相互作用がマイクロビーズの蛍光に変化を引き起こせば、これらの複合体を、フローサイトメトリー分取によりリガンドへの結合に関して選択することができる。
pET-23d(FLAG)ベクターは、pET23d(Novagen)のポリリンカー領域に融合させたN末端FLAGペプチドをコードしている。pET23dをNcoI/BamHIで消化し、ゲル精製し、水に再溶解する。2種の合成リン酸化オリゴヌクレオチド(Vh Bio Ltd, Newcastle upon Tyne, U.K.)FLAGおよびFLAGasを、各1μM濃度で水中で混合し、94℃で3分間加熱し、室温まで冷ました後、該ライゲーション混合物中の消化されたベクターに付加させた。該ライゲーション反応物を未精製のまま使用して、大腸菌(E. coli)TG-1を形質転換した。該インサートを含有するクローンを、KpnI消化により同定し、配列決定(Oswel Research Product Ltd. Southampton. U.K.)により確認した。pET-23d(FLAG)のポリリンカー領域は以下のとおりである。
Figure 2005245446
ビオチン化FLAG-HA発現構築物を、PCRによりpET-23d(FLAG)ベクターから準備した。プライマーFLAGHAおよび5'ビオチン化プライマーpETrev.bを使用して、インフルエンザ赤血球凝集素由来のペプチド配列YPYDVPDYAをpET-23d(FLAG)中のFLAG-タグに付加した。その増幅産物は903塩基長であり、該構築物のコード領域は以下のとおりである。
Figure 2005245446
該選択方法における競合構築物は、プライマーpETforおよびpETrev.bを使用してpET23a/folAから増幅されたジヒドロ葉酸レダクターゼをコードする大腸菌(E. coli)folA遺伝子である。
QIAquick Gel Extractionキット(Qiagen)を使用して、PCR断片をゲル精製した。DNA濃度をUV分光測光により測定した。PCRにより調製される発現構築物の希釈液は、HindIIIで消化されたラムダファージDNAから調製された0.5mg/mlのキャリアDNA(80℃で40分間、ついでエタノール沈殿および水への溶解)を用いて作製した。
2×109個のストレプトアビジンコート化0.95μmポリスチレンビーズを含む100μlアリコートの1%懸濁液(Bangs Laboratories, Inc. CP01N)を、マイクロフュージ中で、約2,600g(6,000rpm)で3分間スピンした。上清を除去し、ビーズを100μLの0.1M Tris-HCl(pH7.5)、0.15M NaCl、0.05% Tween-20、0.5% BSA(TNTB)に再懸濁した。7μlの2mg/mlビオチン化抗FLAGモノクローナル抗体M5(Sigma)を該再懸濁化ビーズに加え、該混合物を室温で2時間インキュベートした。抗体でコートした後、該ビーズを200μlのTNTBで3回洗浄し、100μlのTNTBに再懸濁し、10μlアリコート1および2ならびに40μlアリコート3および4に分割した。(#1)純粋FLAG-HA DNAの0.7nMストック溶液、(#2)純粋folA DNAの0.7nMストック溶液、または(#3および#4)1000倍過剰のfolA DNAで希釈された純粋FLAG-HA DNAの0.7nMストック溶液のそれぞれを、HindIIIで消化されたラムダDNA中へと調製し、該ビーズアリコートにアプライした。結合反応を4℃で一晩進行させた。ビーズ1個当たりの遺伝子の最大数は、アリコート1〜3においては2、アリコート4においては0.2であった。FLAG-HA構築物でコートされたビーズを陽性対照として、folAでコートされたビーズを陰性対照として用いた。
Figure 2005245446
4℃で一晩インキュベートした後、該ビーズをTNTB中で2回洗浄し、T7 RNAポリメラーゼ(20単位/μl)を添加したS30 in vitro翻訳混合液(S30 Extract System for Linear Templates. Promega)に再懸濁した。
氷冷in vitro翻訳反応液を、磁性バー(8×3mm、ピボットリング付き; Scientific Industries International, Loughborough, UK)で攪拌しながら、0.5mlの氷冷油相(5ml用Costar Biofreeze Vial (#2051)中で、鉱油(Sigma. #M-5904)に4.5% (v/v) Span 80 (Fluka)を、次いで0.5% (v/v) Tween 80(SigmaUltra; #P-8074)を溶解することにより新たに調製したもの)に徐々に(10μlの5アリコートに分けて約2分間かけて)加えた。攪拌(1150rpm)を氷上で更に3分間継続した。ついで反応液を30℃で90分間インキュベートした。
該エマルジョンを1.5mlマイクロチューブに移し、マイクロフュージ中、6.5k rpmで8分間スピンし、該油相を除去すると、濃縮された(しかし無傷のままの)エマルジョンが該チューブの底に残った。200μlの0.1M Tris-HCl(pH7.5)、0.15M NaCl、0.05% Tween-20(TNT)を加え、1mlへキサンで4回抽出し各ヘキサン添加の合間にボルテックスすることにより該エマルジョンを破壊した。該ビーズ懸濁液に周囲温度で1〜2分間通気することにより、残留へキサンを除去した。
ついで該破壊エマルジョン由来のビーズを、0.45μm MultiScreen-HVフィルタープレート(Millipore, MAHVN4510)中、100μlのTNTで2回洗浄した(各洗浄の合間に十分に再懸濁した)。ついでビーズを、100mU/mlラット抗HA-ペルオキシダーゼ,高親和性(3F10)コンジュゲート(Boehringer Mannheim)を含有するTNTBに106ビーズ/μlで再懸濁した。
該ビーズを該抗体と共に周囲温度で30分間インキュベートし、200μlのTNTで3回洗浄した後、2mlの0.2M Tris、10mMイミダゾール(pH8.8)に再懸濁した。Heat Systemsソニケーターを出力1, 95%サイクル、3.4mmチップで使用して、その懸濁されたビーズを氷上で1分間超音波処理した。該超音波処理ビーズを0.2M Tris、10mMイミダゾール(pH8.8)に108ビーズ/mlで再懸濁させた。このビーズ懸濁液に、等容量のチラミンシグナル増幅(TSA)バッファー(0.2M Tris、10mMイミダゾール(pH8.8)、0.004% H2O2、5μg/mlフルオレセインチラミン)を加えた。
フルオレセインチラミンは、Hopmanら(Anthon H.N. Hopman, Frans C.S. Ramaekers, Ernst J.M. Speel, The Jounal of Histochemistry and Cytochemistry vol 46(6), 771-777, 1998)により記載されているとおりに合成した。
該反応を、室温で5分間進行させた後、1/10量のPBS中10%ウシ血清アルブミン(BSA, Sigma)の添加により停止させる。標識反応液の2mlアリコート中のビーズをスピンダウンさせ、TNTB中で2回、およびPBS中で1回洗浄した。最後に該ビーズを2mlのPBSに再懸濁し、前記のとおりに超音波処理した。
folA、FLAG-HA、またはFLAG-HAのfolA中1000倍希釈物をコードする遺伝子でコートされたビーズを、Becton Dickinson FACScanフローサイトメーター上で分析した。
図18において、低解像度ヒストグラムAは、FLAG-HA DNA(サンプル#1)を保持するビーズが陰性対照folA(サンプル#2)より有意に強く蛍光標識されていることを示している。スパイク(spiked)混合物#3および#4は、少数の強度の蛍光性のビーズ以外は、陰性対照サンプルと大部分同様な結果である(パネルB)。サンプル#3中のビーズの0.04%およびサンプル#4中のビーズの0.02%は、陽性事象の95%をカバーする領域M1中に収まった。
領域M1中に収まったサンプル#3および#4中のビーズを、MoFlo蛍光活性化セルソーターを使用して分取した。サンプル#3および#4の両方に関して、2組の分取ビーズを得た。第1組においては、500個のビーズを1個のチューブ中に集めた。第2組においては、96個のビーズを個々に96ウェルプレートのウェル中に集めた。どちらのビーズの組も、プライマーpETrev.bおよびFLAGrev1を使用する35サイクルのPCRに付した。
該増幅産物をゲル電気泳動により分析した(図19)。産物のサイズは、FLAG-HAでは903塩基、folAでは1390bpである。
該増幅反応産物のゲル電気泳動分析は、分取経過中の顕著な富化を示している。パネルAにおいて、未分取反応物#3および#4から増幅された産物のレーン上にはFLAH-HAバンドは全く認められないが、分取ビーズ由来のサンプル中のFLAG-HAバンドは強く認められる。増幅されたDNAの性質に関する信頼性のあるデータを、単一のビーズから増幅されたDNAの分析から得た。反応#3では、96個中合計22個のビーズがDNA産物を生じ、これらの50%は純粋なFLAG-HAであった。反応#4については、9個のビーズが産物を生じ、8個がFLAG-HAであった。
反応#3に関する単一ビーズのデータは、適用した濃度(名目上、DNA 2分子/ビーズ)においては、該ビーズのほとんどが、実際上、唯一つの遺伝子を結合して有し、該遺伝子はその産物との間に明白な結合を有することを示唆している。しかしながら、陽性標識ビーズ数の相対的な多さは、回収されたビーズの約50%が偽陽性であったことを意味している。約0.1遺伝子/ビーズだけしか存在しなかったサンプル#4においては、回収されたDNAの純度は90%に近かったが、このことは、1工程でのほぼ1000倍の富化を示している。
オリゴヌクレオチド
Figure 2005245446
Figure 2005245446
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ジヒドロ葉酸レダクターゼは溶液中でin vitro翻訳された遺伝子および常磁性ビーズに結合した遺伝子から同等の効率で発現させることができる。溶液中でのfolA遺伝子のin vitro翻訳または常磁性ビーズに結合したfolA遺伝子から得られたDHFR活性を、NADPHのNADPへの酸化を340 nmにおける分光度測定によりモニターして測定し、So>>KM条件(υmax)下に初速度により活性を計算する。(◆)溶液中の遺伝子から翻訳、(■) マイクロビーズ2に結合した遺伝子から翻訳。 エマルジョンの水性区画中でカプセル化された単一のマイクロビーズに結合した遺伝子からGFPがin vitroで翻訳できること、およびマイクロビーズに再び結合させ、それを蛍光性にする翻訳された遺伝子産物を示す油中水型エマルジョンのエピ蛍光顕微鏡観察。 マイクロカプセル中でのGFP発現のフローサイトメトリー分析、および遺伝子エレメント(マイクロビーズ)へのin situでの結合。A: 反応の前のビーズの光散乱特性、ビーズの75%は単一ビーズとして流れる。B: in vitroでの翻訳反応後のビーズの光散乱特性;ビーズの約50%は単一ビーズのゲートに入っている。C: T7-GFP遺伝子および抗-GFPポリクローナル抗体でコートしたマイクロビーズ(単一ビーズに対するゲートに入ったもののみ)からの蛍光は、GFP遺伝子または抗-GFP抗体を除いたビーズからのシグナルより有意に高い。 ヒトグルタチオンS-トランスフェラーゼM2-2(GST M2-2)により触媒される1-クロロ-2.4-ジニトロベンゼン(CDNB; Sigma)の還元ビオチン化グルタチオン(ビオチン-GSH)との反応によるビオチン-GS-DNPの合成。 フローサイトメトリーによる酵素触媒反応生成物でコートした常磁性ビーズの検出。GST M2-2により触媒されるビオチン-GSHとCDNBとの反応により生成したビオチン-GS-DNPとインキュベートしたSera-MagTMストレプトアビジンコート磁性微粒子。捕捉されたビオチン-GS-DNPは、マウス抗ジニトロフェノール抗体と微粒子をインキュベートし、その後(FITC)-コンジュゲートF(ab’)2断片ヤギ抗マウスlgG、F(ab’)2断片とインキュベートすることにより検出した。洗浄後、2x105個の微粒子をフローサイトメトリーにより分析した。全試薬:ビオチン-GS-DNPとの酵素的合成において除外した試薬はなし。GSTなし:酵素GST M2-2を合成から除外した。ビオチン-GSHなし:ビオチン-GSHを合成から除外した。CDNBなし:CDNBを合成から除外した。 MeNPO-CO-ビオチン-β-Ala-GSH(ケージド-ビオチン-βala-GSH)の合成。塩化アセチル(5 ml)を無水メタノール(80 ml)に加えた。攪拌溶液を冷却させ、d-ビオチン(4 g)を加えた。一晩攪拌した後、溶媒を減圧下に蒸発させ、白色固体を得た。固体をエーテルで粉末化し、濾過して減圧下 (五酸化リンの存在において) で乾燥させ、-20℃で貯蔵した。 ケージド-ビオチン-βala-GSHの1-クロロ-2,4-ジニトロベンゾネート(CDNB)との反応およびビオチン基の光化学的脱ケージ(uncaging)。 ケージドビオチン-βala-GSHの4-クロロ-3-ニトロベンゼン(CNB)との反応およびビオチン基の光化学的脱ケージ。 ヒトGST M2-2は、溶液中のケージドビオチン-βala-GSHのCDNBおよびCNBとの反応を触媒し、反応産物はUV照射によって脱ケージされ、ビーズ上に捕捉され、蛍光標識された生成物に対する抗体およびフローサイトメトリーを使用して検出できる。A:ビーズおよび単一ビーズのゲート(R1)の光散乱特性。B: CDNBとの反応からのマイクロビーズ(R1でゲートをかけた)からの蛍光。C: CNBとの反応により得られたマイクロビーズ(R1でゲートをかけた)からの蛍光。GST M2-2を使用するかまたは使用しない反応により得られたマイクロビーズからのシグナルは、それぞれ+enzおよび-enzで示す。反応により得られたUV照射したマイクロビーズからのシグナル、およびUV照射しなかったものからのシグナルは、それぞれ+UVおよびUVで示す。 ケージド-ビオチン化-βAla-GSHおよびCNBを基質として使用することにより、フローサイトメトリーで、GST M2-2を含むエマルジョンの水性区画からのビーズを、GST M2-2を含まない区画からのビーズから識別することができる。A:直径1.0μmの蛍光性を示さないニュートラビジン標識化ミクロスフェア(Molecular Probes、F-8777)または直径0.93μmのストレプトアビジンコート化ポリスチレンビーズ(Bangs Laboratories)混合物の光散乱特性、および、単一のBangsビーズ(R1)および単一のMolecular Probesビーズ(R2)に対して設定されたゲート。B:98% Bangsビーズ(GSTを有しない)と2% Molecular Probesビーズ(GSTを有する)の非エマルジョン化混合物から得られたマイクロビーズからの蛍光。C: 98%のBangsビーズ(GSTを有しない)含有エマルジョンおよび2% Molecular Probesビーズ(GSTを有する)含有エマルジョンの2種のエマルジョンの混合物からのマイクロビーズからの蛍光。D: 98% Molecular Probesビーズ (GSTを有しない)および2% Bangsビーズ(GSTを有する)の非エマルジョン化混合物から得られたマイクロビーズからの蛍光。E: Molecular Probesビーズ(GSTを有しない)を含む98%エマルジョンおよび2% Bangsビーズ(GSTを有する)を含むエマルジョンの2種のエマルジョンの混合物から得られたマイクロビーズからの蛍光。ゲートに入らないビーズ(ゲートなし)、R1でゲートをかけたビーズ(R1)、およびR2でゲートをかけたビーズ(R2)の蛍光を重ねた。 油中水型エマルジョンの水性区画中でin vitroで転写翻訳されたヒトGST M2-2は、同時に区画化されたミクロスフェアの蛍光特性の変化を起こす反応を触媒する。A:ビーズおよび単一ビーズのゲートの(R1)光散乱特性。B: 非エマルジョン化反応により得られたマイクロビーズ(R1でゲートをかけた)からの蛍光。C: エマルジョン化反応により得られたマイクロビーズ(R1でゲートをかけた)からの蛍光。GSTM2-2.LMB2-3 DNAを使用するまたは使用しないマイクロビーズからのシグナルをそれぞれ+DNAおよびDNAで示す。組換え体GST M2-2を使用するまたは使用しないマイクロビーズからのシグナルをそれぞれ+GSTおよびGSTで示す。 ケージドビオチン化基質EtNP-BzGlu-ケージドビオチン(17)の合成。 産物Et-Bz-Glu-ケージドビオチンを生成する、PTE基質 EtNP-Bz-Glu-ケージドビオチン(17)の加水分解、および対応するビオチン化基質(EtNP-BZ-Glu-ビオチン)および生成物(EtNP-Bz-Glu-ビオチン)を生成する基質および生成物の双方の脱ケージ。 免疫化およびELISAのためのPTE基質および生成物のタンパク質コンジュゲートの調製。 PTEは、ストレプトアビジンコートビーズの存在下でEtNP-Bz-Glu-ケージドビオチンの反応を触媒し、UV照射によって脱ケージした反応生成物はビーズ上に捕捉され、蛍光標識された生成物に対する抗体およびフローサイトメトリーを使用して検出される。A: ビーズおよび単一ビーズのために選択されたゲート(R2)の光散乱特性。B: in vitroで翻訳されるOPD.LMB3-2ビオチンDNA断片(OPD)またはM.HaeIII.LMB3-2ビオチンDNA断片(M.HaeIII)の存在下での10μM EtNP-Bz-Glu-ケージドビオチンとの反応により得られたビーズ(R2でゲートをかけた)からの蛍光。C:Bと同様であるが、20μM EtNP-Bz-Glu-ケージドビオチンと反応させた。D: Bと同様であるが、50μM EtNP-Bz-Glu-ケージドビオチンと反応させた。 Flagペプチド(N-Flag-OPD.LMB3-2ビオチン)または別の酵素(N-Flag-M.HaeIII.LMB3-2ビオチン)で標識したホスホトリエステラーゼをコードする遺伝子エレメントが、Flagペプチドに結合する抗体とともに結合したビーズの存在下でのEtNP-Bz-Glu-ケージドビオチンの反応。ビーズは、本文中に記載するように反応させ、フローサイトメトリーによって分析した。A: ビーズおよび単一ビーズのために選択されたゲート(R1)の光散乱特性。B: 12.5μM EtNP-Bz-Glu-ケージドビオチンとの反応により得られたN-Flag-OPD.LMB3-2ビオチンDNA断片(OPD)またはM.HaeIII.LMB3-2ビオチンDNA断片(M.HaeIII)と結合したマイクロビーズ(R1でゲートをかけた)からの蛍光。C:Bと同様であるが、25μM EtNP-Bz-Glu-ケージドビオチンと反応させた。 in vitroで転写され翻訳された大腸菌BirAは、油中水型エマルジョンの水性区画およびバルク溶液中で基質で標識されたミクロスフェアの蛍光特性の変化を生じさせる反応を触媒する。 ソーティング実験のために調製されたサンプルのフローサイトメトリー分析。 遺伝子エレメントの蛍光活性化フローサイトメトリーソーティング。A:分取する前および後のサンプル#1〜#4。B: 96-ウェルプレートに分取されたサンプル#3から分取された個々のビーズより回収された遺伝子。C: 96-ウェルプレートに分取されたサンプル#4から分取された個々のビーズより回収された遺伝子。DNAマーカー(M)はφX174-HaeIII消化物である。

Claims (44)

  1. 所望の活性を有する遺伝子産物をコードする1つ以上の遺伝子エレメントを単離する方法であって、その発現により該遺伝子産物をコードする遺伝子エレメントの光学特性が直接または間接的に改変され得るものであり、
    (a) 遺伝子産物がそれらをコードする遺伝子に連結されるように、該遺伝子エレメントを発現させ、それらの各遺伝子産物を産生させるステップ;
    (b) 遺伝子エレメントをマイクロカプセル内に区画化するステップ;および、
    (c) 遺伝子エレメントの光学特性の変化により、所望の活性を有する遺伝子産物を産生する遺伝子エレメントを分取するステップ;
    を含む上記方法。
  2. 所望の遺伝子産物の活性により、直接または間接的に遺伝子産物をコードする遺伝子エレメントが修飾され、遺伝子エレメントの単離が可能となる、請求項1に記載の方法。
  3. 遺伝子エレメントの修飾が該遺伝子エレメントの光学特性の変化を誘導する、請求項2に記載の方法。
  4. 遺伝子エレメントの修飾により、マイクロカプセルの外部で該遺伝子エレメントがさらに修飾され、その光学特性の変化を誘導することが可能となる、請求項2に記載の方法。
  5. 遺伝子エレメントの一部がリガンドであり、所望の遺伝子産物が直接または間接的に該リガンドに結合することにより、遺伝子エレメントの単離が可能となる、請求項2に記載の方法。
  6. リガンドもまた遺伝子エレメントによりコードされる、請求項5に記載の方法。
  7. 遺伝子エレメントの一部が基質であり、所望の遺伝子産物の活性により該基質が、遺伝子エレメントの一部として保持されることにより該遺伝子エレメントの単離を可能にする生成物に、直接または間接的に変換される、請求項2に記載の方法。
  8. 所望の遺伝子産物の活性による生成物が、遺伝子エレメントと複合体を形成することにより遺伝子エレメントの単離を可能にする生成物の産生を直接または間接的にもたらす、請求項2に記載の方法。
  9. 所望の遺伝子産物の活性により、直接または間接的に区画内で第2の遺伝子の発現の変化をもたらし、該第2の遺伝子の産物の活性により、遺伝子エレメントの光学特性の変化を用いる遺伝子エレメントの単離が可能となる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. ステップ(a)が;
    遺伝子エレメントを発現させ、そのそれぞれの遺伝子産物を産生させ、該遺伝子産物をそれらをコードする遺伝子エレメントに連結させ、その結果形成される複合体を単離することを含む、請求項1に記載の方法。
  11. ステップ(c)において、前記複合体の変化した光学特性に基づいて該複合体を直接分取し、所望の活性を有する遺伝子産物をコードする遺伝子エレメントを単離する、請求項1に記載の方法。
  12. ステップ(c)において、前記複合体がさらに反応して、遺伝子エレメントの光学特性の、複合体中の所望の活性を有する遺伝子産物の存在に依存する条件的変化を誘導する、請求項1に記載の方法。
  13. 所望の活性を有する遺伝子産物をコードする遺伝子エレメントを単離するために前記複合体をさらなる区画化ステップに供する、請求項1に記載の方法。
  14. 遺伝子エレメントの光学特性の変化が、特有の光学特性を有する遺伝子産物が遺伝子エレメントに結合することに起因する、請求項1に記載の方法。
  15. 遺伝子エレメントの光学特性の変化が、特有の光学特性を有するリガンドが遺伝子産物と結合することに起因する、請求項1に記載の方法。
  16. 遺伝子エレメントの光学特性の変化が、リガンドに結合した際の遺伝子産物の光学特性の変化に起因する、請求項1に記載の方法。
  17. 遺伝子エレメントの光学特性の変化が、遺伝子産物が結合した際のリガンドの光学特性の変化に起因する、請求項1に記載の方法。
  18. 遺伝子エレメントの光学特性の変化が、結合した際のリガンドおよび遺伝子産物の双方の光学特性の変化に起因する、請求項1に記載の方法。
  19. 遺伝子エレメントの光学特性の変化が、選択された反応の基質および生成物の異なる光学特性に起因する、請求項1に記載の方法。
  20. 基質および生成物の双方が同様の光学特性を有するが、選択された反応の生成物だけが遺伝子エレメントと結合または反応するが、基質はそれと結合または反応せず、そのことにより遺伝子エレメントの光学特性が変化する、請求項1に記載の方法。
  21. さらに別の試薬が、遺伝子エレメントに結合した生成物と特異的に結合または特異的に反応するが、基質とは結合または反応せず、そのことにより遺伝子エレメントの光学特性を変化する、請求項1に記載の方法。
  22. 遺伝子産物の所望ではない活性により遺伝子エレメントの所望の活性により生じるものとは異なる光学特性の変化が起こる、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 所望ではない活性により起こる光学的変化を、遺伝子エレメントのネガティブな選択に用いる、請求項22に記載の方法。
  24. ネガティブな選択をポジティブな選択と組合せて反応特異性を改善する、請求項22に記載の方法。
  25. 改善される反応特異性が結合特異性の改善である、請求項24に記載の方法。
  26. 改善される反応特異性が、基質ならびに/または生成物に対する部位および/もしくは立体選択性の改善である、請求項24に記載の方法。
  27. 遺伝子産物のレパートリーをコードする遺伝子エレメントのライブラリーから遺伝子エレメントが単離される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 各遺伝子エレメントが2以上の遺伝子をコードし、各遺伝子産物が、遺伝子エレメントの光学特性が改変されることにより遺伝子エレメントの分取を可能とするような所望の活性を有している、請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 各遺伝子エレメントが2以上の遺伝子をコードし、該遺伝子産物が互いに結合し、遺伝子エレメントの光学特性を改変することにより遺伝子エレメントの分取が可能となる、請求項1〜28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 付加的ステップ;
    (d) ステップ(c)において単離された遺伝子エレメント中に1つ以上の変異を導入すること、
    をさらに含む、請求項1〜29のいずれか1項に記載の方法。
  31. ステップ(a)〜(d)の1つ以上を反復することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
  32. 遺伝子エレメントを増幅することをさらに含む、請求項1〜31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 油をベースとする媒体中で水性溶液の油中水型エマルジョンを形成することによりマイクロカプセル化が達成される、請求項1に記載の方法。
  34. 遺伝子エレメントがマイクロビーズに結合する遺伝子を含む、請求項1に記載の方法。
  35. マイクロビーズが非磁性、磁性、または常磁性である、請求項1に記載の方法。
  36. 遺伝子エレメントの蛍光の変化を検出することにより遺伝子エレメントを分取する、請求項1に記載の方法。
  37. 蛍光活性化セルソーター(FACS)、またはこれに類似した装置を用いて、遺伝子エレメントを分取する、請求項36に記載の方法。
  38. 基質および生成物の異なる蛍光特性が、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)によるものである、請求項36に記載の方法。
  39. 1種以上の試薬を油相に添加することによりマイクロカプセル内の環境を調整する、請求項1〜38のいずれか1項に記載の方法。
  40. 所望の遺伝子産物の活性により直接または間接的に修飾された遺伝子エレメントを、チラミドシグナル増幅(TSA(商標); NEN)によりさらに修飾して該遺伝子エレメントの光学特性を直接または間接的に変化させることにより、遺伝子エレメントの分離が可能となる、請求項1〜39のいずれか1項に記載の方法。
  41. 請求項1〜40のいずれか1項に記載の方法により単離される産物。
  42. 遺伝子産物を調製する方法であって、
    (a) 遺伝子産物をコードする遺伝子エレメントを調製するステップ;
    (b) 遺伝子エレメントを発現させ、それらの各遺伝子産物を産生させるステップ;
    (c) 遺伝子エレメントをマイクロカプセル中へ区画化するステップ;
    (d) 光学特性の変化を用いて、所望の活性を有する遺伝子産物を産生する遺伝子エレメントを分取するステップ;および、
    (e) 該所望の活性を有する遺伝子産物を発現させるステップ;
    を含む、上記方法。
  43. 遺伝子産物の活性を調節することができる1つ以上の化合物をスクリーニングする方法であって、
    (a) 遺伝子産物をコードする遺伝子エレメントを調製するステップ;
    (b) 該遺伝子エレメントを発現させ、それらの各遺伝子産物を産生させるステップ;
    (c) 該遺伝子エレメントをマイクロカプセル中へ区画化するステップ;
    (d) 光学特性の変化を用いて、所望の活性を有する遺伝子産物を産生する遺伝子エレメントを分取するステップ;および、
    (e) 所望の活性を有する遺伝子産物を化合物と接触させ、化合物による遺伝子産物の活性の調節をモニターするステップ;
    を含む、上記方法。
  44. 化合物を調製する方法であって、
    (a) 少なくとも1つのステップがポリペプチドにより促進される合成方法を提供するステップ;
    (b) 該ステップを促進するポリペプチドの変異体をコードする遺伝子エレメントを調製するステップ;
    (c) 該遺伝子エレメントを発現させ、それぞれの遺伝子産物を産生させるステップ;
    (d) マイクロカプセル内に該遺伝子エレメントを区画化するステップ;
    (e) 光学特性の変化を用いて、所望の活性を有するポリペプチド遺伝子産物を産生する遺伝子エレメントを分取するステップ;および、
    (f) ステップ(e)で関連する合成ステップを促進すると同定されたポリペプチド遺伝子産物を用いて化合物を調製するステップ;
    を含む、上記方法。
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