JP2005245051A - モータ制御装置の制御パラメータ算出方法およびモータ制御装置 - Google Patents

モータ制御装置の制御パラメータ算出方法およびモータ制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 安定で応答が滑らかでかつ制御応答性の高いモータ制御装置の制御パラメータを高速に算出する制御パラメータの算出方法及び制御パラメータ算出方法を用いたモータ制御装置を提供する。
【解決手段】 速度指令とモータの検出速度が一致するよう第1のトルク指令を生成する速度制御手段と第1のトルク指令又は第1のトルク指令をフィルタ処理した結果である第2のトルク指令に応じてモータを駆動するトルク制御手段とを有するモータ制御装置の制御パラメータを算出する。第1又は第2のトルク指令からモータ速度までの周波数特性である負荷周波数特性を求め(S1)、所定の位相余裕αを用い、負荷周波数特性の位相が−180+α[deg]以下になる周波数領域でのゲインの最大値を求め(S2)、そのゲインの最大値に基づき速度制御手段の制御パラメータ(速度応答周波数)を算出する(S3)。
【選択図】図2

Description

本発明は、モータ制御装置の制御パラメータを算出する方法およびその方法により算出された制御パラメータを用いてモータを制御する装置に関する。制御パラメータには、速度制御器の制御パラメータである速度応答周波数、ノッチフィルタの設定パターン、トルクフィルタカットオフ周波数が含まれる。
従来のモータ制御装置としては、機械系の推定反共振周波数および制御対象の周波数応答の推定値を用い速度比例フィードバック回路のゲインを調整するものがある。例えば特許文献1に記載されている。
図29は従来の電動機制御装置の構成を示したブロック図である。電動機501は電動機トルクτMによって回転駆動される。負荷機械502は電動機501によって駆動される。トルク伝達部503は電動機501と負荷機械502を連結する。回転検出器504は電動機回転位置xMおよび電動機回転速度vMを検出する。電動機501と、負荷機械502と、トルク伝達部503と、回転検出器504とにより機械系505が構成される。トルク制御回路506は電動機トルクτMをトルク指令信号τrに一致させる。機械系505とトルク制御回路506とが制御対象507となる。
電動機501の位置を制御するときはスイッチ526をa)に切り替える。位置指令信号発生回路508は位置指令信号xrを発生する。フィードフォワード回路512bは位置指令信号xrを入力し、位置指令信号xrに対する電動機501の動作の応答目標信号として応答目標位置信号xfと応答目標速度信号vfと電動機501の動作が応答目標信号に一致するようにフィードフォワード的に演算されるトルク信号をフィードフォワードトルク信号τfとして出力する。
図30にフィードフォワード回路512bの詳細を示す。モデル位置制御回路520bは位置指令xrとモデル位置信号xaの差信号を入力し、モデル位置ゲインKrpを乗じてモデル速度信号vraを出力する。モデル速度制御回路519bはモデル速度指令信号vraとモデル速度信号vaの差信号を入力し、モデル速度ゲインKrvを乗じてモデルトルク信号τaを出力する。剛体イナーシャモデル回路517bはモデルトルク信号τaを入力し、機械系505のイナーシャ推定値Jeを用いてモデル速度信号vaを出力する。積分回路518はモデル速度信号vaを入力し、積分したモデル位置信号xaを出力する。そして、モデル位置信号xa、モデル速度信号va、モデルトルク信号τaをそれぞれ、目標応答位置信号xf、目標応答速度信号vf、フィードフォワードトルク信号τfとして出力する。
図29において、位置制御回路513bでは応答目標位置信号xfと実際の電動機回転位置xMとの差信号を補償位置信号xcとして、また応答目標速度信号vfと実際の電動機回転速度vMとの差信号を補償速度信号vcとしてそれぞれフィードバック補償回路511bに入力する。フィードバック補償回路511b内で、位置補償回路510bは補償位置信号xcを入力し、位置ゲインKp、位置積分ゲインKpIを用いてPI演算を行い位置補償速度信号vcxを出力し、速度補償回路509bは位置補償速度信号vcxと補償速度信号vcの和信号を入力し、速度ゲインKvを乗じて補償トルク信号τcを出力する。
位置制御回路513bはフィードフォワードトルク信号τfと補償トルク信号τcの和信号をトルク指令信号τrとしてトルク制御回路506に入力し、トルク制御回路506は電動機トルクτMがトルク指令信号τrに一致するように制御することにより電動機501に動作を制御する。
次に、位置制御回路513bの調整方法について説明する。調整する場合、スイッチ526をb)に切り替え、駆動試験用トルク指令信号発生回路527が、例えば疑似ランダム信号などのトルク指令信号τrを制御対象507に出力して駆動試験を行い、その時のトルク指令信号τrと電動機回転速度vMを自動調整回路528aに入力する。
図31に自動調整回路528aの詳細を示す。高次モデル同定部529はトルク指令信号τrと電動機回転速度vMを入力し、内蔵している高次の伝達関数モデルのパラメータを例えば最小二乗法を用いて計算することにより、制御対象507のトルク指令信号τrから電動機回転速度vMまでの伝達関数の詳細な同定を行い、同定結果の高次モデルを出力する。
機械パラメータ推定部530aは、高次モデル同定部529が出力した高次モデルを入力し、最も小さい複素零点の絶対値を推定反共振周波数ωzeとして選び、高次モデルの低周波領域のゲイン特性から総イナーシャを推定して推定イナーシャJeとし、上記の推定反共振周波数ωzeと推定イナーシャJeを出力する。
二慣性系最適ゲイン計算部531は上記の推定反共振周波数ωzeと推定イナーシャJeを入力し、推定反共振周波数ωze、推定イナーシャJe、0.5以上1以下の定数nω、の3つの積を二慣性系最適ゲインKoptとして計算し、出力する。
周波数応答推定部532は、上記同定結果の高次モデルを入力し、その周波数応答を計算し出力する。
限界ゲイン推定部533は周波数応答推定部532の出力した周波数応答を入力し、予め設定した0以上の設定位相余裕θmと、1以上の設定ゲイン余裕Gmを用いて、周波数応答の位相が−180+θm[deg]となる最も低い周波数より高周波領域における最大ゲインGmaxを求め、設定ゲイン余裕Gmと最大ゲインGmaxの積の逆数を限界ゲインKmaxとして計算し、出力する。
制御パラメータ決定部534aは、上記二慣性系最適ゲインKoptと上記限界ゲインKmaxと上記の推定反共振周波数ωzeと推定イナーシャJeを入力し、KoptとKmaxのうち小さい方を速度補償回路509bの速度ゲインKvとして決定し、速度ゲインKvを用いてフィードバック補償回路511bの位置ゲインKpおよび位置積分ゲインKpIを計算し決定する。また、フィードフォワード回路512bの制御パラメータも所定の計算式で算出し決定する。そして適当な調整手段を用い、位置制御回路513bの制御パラメータを自動調整回路528aで決定した調整パラメータに調整する。
特許第3274070号
しかしながら、従来のモータ制御装置では以下の課題がある。位置制御回路における速度補償回路の速度ゲインを、二慣性系最適ゲインKoptと限界ゲインKmaxのうち、小さい方としている。ここで、二慣性系最適ゲインKoptは、制御対象の推定された高次モデルの最も小さい反共振周波数である推定反共振周波数ωze、推定された高次モデルの低周波領域のゲイン特性から推定された推定イナーシャJe、0.5以上1以下の定数nω、の3つの積から算出しているが、定数nωの導出については二慣性系についてのみ考察して設定しているため、制御対象が多慣性系で、最低反共振周波数におけるゲインの深さが浅く機械系の振動に対する影響が小さい場合などでは、算出されるKoptでは十分な制御応答性を得られない。また、高次モデルから反共振周波数を算出する場合、伝達関数の極と零点をお互いにうち消し合う極・零点消去が起こる場合もあり、その場合、最も小さい反共振周波数である推定反共振周波数の算出が困難な場合もある。
また、機械共振を有し、共振抑制のノッチフィルタを適用することによって制御応答性を上げることが可能な制御対象の場合、そのような考慮がされていないため算出されたKmaxでは十分な制御応答性を得られない。
また、Kmaxの算出において位相余裕αを用いて、周波数応答の位相が−180+α[deg]となる最も低い周波数より高周波領域において最大ゲインGmaxを求めており、最大ゲインGamxの探索範囲が広く探索時間が長くなる。
本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、安定で応答が滑らかでかつ制御応答性の高いモータ制御を実現するために好適な制御パラメータを高速に算出可能とする制御パラメータの算出方法、及び、その算出方法により算出された制御パラメータを用いてモータ制御を行う装置を提供することを目的とする。
本発明に係る制御パラメータ算出方法は、速度指令とモータの検出速度が一致するよう第1のトルク指令を生成する速度制御手段と、第1のトルク指令もしくは第1のトルク指令を1つ以上のフィルタを通した結果である第2のトルク指令に応じて前記モータを駆動するトルク制御手段とを有するモータ制御装置の制御パラメータを算出する。
本発明の第1の態様において、制御パラメータ算出方法は、第1のトルク指令入力点もしくは前記第2のトルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性である負荷周波数特性を得るステップと、0以上の所定値である位相余裕α[deg]を用いて、前記負荷周波数特性の位相が−180+α[deg]以下になる周波数領域でのゲインの最大値に基づいて、前記速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数を算出するステップとを含む。
本発明の第2の態様において、制御パラメータ算出方法は、第1のトルク指令入力点もしくは前記第2のトルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性を得るステップと、負荷周波数特性の共振周波数に応じたノッチフィルタの設定パターンを複数算出するステップと、複数の設定パターンから順次一の設定パターンを選択しながら、0以上の所定値である位相余裕α[deg]を用いて、選択された設定パターン毎にノッチフィルタの周波数特性を前記負荷周波数特性に加えて制御対象周波数特性を得るステップと、設定パターン毎に、制御対象周波数特性の位相が−180+α[deg]以下になる周波数領域における制御対象周波数特性のゲインの最大値に基づいて、速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数を算出するステップと、設定パターン毎に、算出した速度応答周波数を、関連する設定パターンに対応づけるステップと、設定パターン毎に算出された複数の速度応答周波数のうち最大となる速度応答周波数を求めるステップとを含む。
本発明の第3の態様において、制御パラメータ算出方法は、第1のトルク指令入力点もしくは前記第2のトルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性である負荷周波数特性を得るステップと、負荷周波数特性を用いて算出される速度閉ループまたは位置閉ループの周波数特性に基づいて、速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数を算出するステップとを含む。
本発明の第4の態様において、制御パラメータ算出方法は、第1のトルク指令入力点もしくは前記第2のトルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性である負荷周波数特性を得るステップと、負荷周波数特性を用いて算出される速度閉ループまたは位置閉ループの周波数特性である閉ループ周波数特性から、閉ループ周波数特性のゲインが負の所定値となる最も低い周波数ωをカットオフ周波数とする一次遅れ要素の周波数特性と、負荷周波数特性の反共振周波数および反共振周波数における深さに応じた周波数特性である反共振周波数特性とを減じるステップと、その減じられた閉ループ周波数特性のゲイン最大値が所定値以下になる、速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数を1つ以上算出するステップと、算出された1つ以上の速度応答周波数のうち最大となる速度応答周波数を求めるステップとを含む。
本発明の第5の態様において、制御パラメータ算出方法は、第1のトルク指令入力点もしくは前記第2のトルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性である負荷周波数特性を得るステップと、負荷周波数特性の共振周波数に応じたノッチフィルタの設定パターンを複数算出するステップと、複数の前記設定パターンから順次一の設定パターンを選択し、選択した設定パターンに応じたノッチフィルタの周波数特性を負荷周波数特性に加えて得られる制御対象周波数特性を用いて算出される速度閉ループまたは位置閉ループの周波数特性に基づいて速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数を算出するステップと、算出した速度応答周波数を、選択した設定パターンに関連づけるステップと、設定パターン毎に算出された速度応答周波数のうち最大となる速度応答周波数を求めるステップとを含む。
本発明の第6の態様において、制御パラメータ算出方法は、第1のトルク指令入力点もしくは前記第2のトルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性である負荷周波数特性を得るステップと、負荷周波数特性の共振周波数に応じたノッチフィルタの設定パターンを複数算出するステップと、複数の設定パターンの中から順次一の設定パターンを選択しながら、選択された設定パターンに応じたノッチフィルタの周波数特性を前記負荷周波数特性に加えて算出される制御対象周波数特性と、制御対象周波数特性を用いて算出される速度閉ループまたは位置閉ループの周波数特性である閉ループ周波数特性とに基づいて速度応答周波数を算出するステップと、設定パターン毎に、算出された速度応答周波数を、関連する設定パターンに対応づけるステップと、各設定パターンに対して算出された速度応答周波数のうち最大となる速度応答周波数を求めるステップとを含む。
本発明の第7の態様において、制御パラメータ算出方法は、第1のトルク指令入力点もしくは前記第2のトルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性である負荷周波数特性を得るステップと、負荷周波数特性の共振周波数に応じたノッチフィルタの設定パターンを複数算出するステップと、複数の前記設定パターンの中から一の設定パターンを順次選択しながら、選択された設定パターンに応じたノッチフィルタの周波数特性を前記負荷周波数特性に加えて制御対象周波数特性を算出するステップと、選択された設定パターン毎に、0以上の値である位相余裕α[deg]を用いて制御対象周波数特性の位相が−180+α[deg]以下になる周波数領域での最大ゲインに基づいて速度制御手段の制御パラメータである第1の速度応答周波数を算出するステップと、選択された設定パターン毎に、第1の速度応答周波数以下の領域において、制御対象周波数特性を用いて算出される速度閉ループまたは位置閉ループの周波数特性である閉ループ周波数特性から、閉ループ周波数特性のゲインが負の所定値になる最も低い周波数をカットオフ周波数とする一次遅れ要素の周波数特性と、負荷周波数特性の反共振周波数および反共振周波数における深さに応じた周波数特性である反共振周波数特性とを減じるステップと、選択された設定パターン毎に、減じられた閉ループ周波数特性のゲイン最大値が所定値以下となる速度応答周波数のうち最大となる速度応答周波数を前記速度制御手段の制御パラメータである第2の速度応答周波数として算出するステップと、選択された設定パターン毎に、第2の速度応答周波数を、関連する設定パターンに対応づけるステップと、設定パターン毎に算出された第2の速度応答周波数の中から最大の速度応答周波数を求めるステップとを含む。
上記第4または第7の態様において、負荷周波数特性のN個の反共振周波数をωz(n=1、2、…N)とし、粘性係数をdzn(n=1、2、…N)とするとき、反共振周波数特性は次式で表される伝達関数に基づく周波数特性であってもよい。
Figure 2005245051
また、本発明に係る別の制御パラメータ算出方法は、速度指令とモータの検出速度が一致するよう第1のトルク指令を生成する速度制御手段と、第1のトルク指令に1次のローパスフィルタを含む1つ以上のフィルタ処理を行うフィルタ手段と、フィルタ手段の出力である第2のトルク指令に応じてモータを駆動するトルク制御手段とを有するモータ制御装置の制御パラメータを算出する方法である。その別の制御パラメータ算出方法は、検出速度の最小分解能分の変化に対する第2のトルク指令の変化が所定値以下となるような、フィルタ手段のローパスフィルタのカットオフ周波数を算出するステップと、算出したカットオフ周波数を出力するステップとを含む。この場合、速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数の4倍以上の周波数を持ち、かつ検出速度の最小分解能分の変化に対する第2のトルク指令の変化が所定値以下となる、ローパスフィルタのカットオフ周波数を算出してもよい。
上記の制御パラメータ算出方法において、最終的に算出された速度応答周波数、それに関連する設定パターン、及びカットオフ周波数を表示手段に表示させてもよい。
本発明に係るモータ制御装置は、上記の制御パラメータ算出方法により算出したパラメータを用いて速度制御手段の制御パラメータを調整する。
本発明によれば、トルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性である負荷周波数特性を用い、位相余裕α[deg]を用いて、負荷周波数特性の位相が−180+α[deg](αは0以上の値)以下になる周波数領域での最大ゲインに基づいて、速度制御器の制御パラメータである速度応答周波数を算出する。これにより最大ゲインGmaxを探索する領域を必要最低限にすることができ、短時間で、安定かつ応答性の高い速度応答周波数の算出ができる。
また、本発明によれば、トルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性である負荷周波数特性を用い、負荷周波数特性の共振周波数に応じたノッチフィルタの設定パターンを複数算出し、複数の設定パターンから順次選択し、位相余裕α[deg]を用いて、選択された設定パターンに応じたノッチフィルタの周波数特性を負荷周波数特性に加えて得られる周波数特性の位相が−180+α[deg](αは0以上の値)以下になる周波数領域での最大ゲインに基づいて、速度制御器の制御パラメータである速度応答周波数を算出して選択された設定パターンに対応づけ、算出された速度応答周波数のうち最大となる速度応答周波数およびその速度応答周波数に対応づけられた設定パターンを算出する。これにより、共振特性のある制御対象に対し、発振をさせず、かつ応答性の高い速度応答周波数および共振抑制のノッチフィルタの算出ができる。
また、本発明によれば、トルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性である負荷周波数特性を用いて算出される速度閉ループまたは位置閉ループの周波数特性に基づいて、速度制御器の制御パラメータである速度応答周波数を算出する。これによって、制御対象の振動を抑制し、かつ応答性の高い速度応答周波数の算出ができる。
また、本発明によれば、トルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性である負荷周波数特性を用い、負荷周波数特性の共振周波数に応じたノッチフィルタの設定パターンを複数算出し、複数の設定パターンから順次選択し、選択された設定パターンのノッチフィルタの周波数特性を前記負荷周波数特性に加えて得られる制御対象周波数特性を用いて算出される速度閉ループまたは位置閉ループの周波数特性に基づいて速度制御器の制御パラメータである速度応答周波数を算出して選択された設定パターンに関連づけし、算出された速度応答周波数のうち最大となる速度応答周波数およびその速度応答周波数に関連づけられた設定パターンを算出する。これにより、共振特性のある制御対象に対し、制御対象の振動を抑制し、かつ応答性の高い速度応答周波数および共振抑制のノッチフィルタの算出ができる。
また、本発明によれば、トルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性である負荷周波数特性を用い、負荷周波数特性の共振周波数に応じたノッチフィルタの設定パターンを複数算出し、複数の前記設定パターンから順次選択し、選択された設定パターンに応じたノッチフィルタの周波数特性を負荷周波数特性に加えて算出される制御対象周波数特性と、および前記制御対象周波数特性を用いて算出される速度閉ループまたは位置閉ループの周波数特性である閉ループ周波数特性と、に基づいて速度応答周波数を算出して速度応答周波数を選択された設定パターンに対応づけし、算出された速度応答周波数のうち最大である速度応答周波数およびその速度応答周波数に対応づけられた設定パターンを算出する。これにより、共振特性のある制御対象に対し、制御対象の振動を抑制し、かつ応答性の高い速度応答周波数および共振抑制のノッチフィルタの算出ができる。
また、本発明によれば、検出速度の最小分解能分の変化に対するトルク指令の変化が所定値以下となるフィルタ部のローパスフィルタのカットオフ周波数を算出する。これにより、検出速度の最小分解能に起因する音や振動を抑制することができるフィルタ部のローパスフィルタのカットオフ周波数の算出ができる。
また、本発明によれば、速度制御器の制御パラメータである速度応答周波数の4倍以上かつ検出速度の最小分解能分の変化に対するトルク指令の変化が所定値以下となるフィルタ部のローパスフィルタのカットオフ周波数を算出する。これにより、検出速度の最小分解能に起因する音や振動を抑制することができ、かつ制御安定性を有するフィルタ部のローパスフィルタのカットオフ周波数の算出ができる。
以下、本発明に係るモータ制御装置及びモータ制御装置の制御パラメータ算出装置の実施形態を添付の図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明に係る、モータ制御装置の制御パラメータ算出装置を含むシステムの全体構成図である。モータ制御装置の制御パラメータ算出装置13はコンピュータからなり、所定の制御プログラムを実行することにより以下に説明する機能を実現する(以下の実施形態においても同じ)。その制御プログラムはROM、CD−ROM、DVD―ROM等の情報記録媒体や通信回線を通じて提供され得る。制御パラメータ算出装置13はディスプレイ14に接続されている。
制御パラメータ算出装置13はモータ駆動装置5に接続され、所定の情報を入力し、その情報に基づいて制御パラメータを算出する。
モータ駆動装置はモータ1を駆動する。モータ1には、それにより駆動される負荷2が接続されている。さらに、モータ1には位置検出器3が接続されており、位置検出器3は、モータ1の回転子位置θmを検出し、出力する。モータ1、負荷2、位置検出器3、モータ1と負荷2の連結部分およびモータ1と位置検出器3の連結部分により、機械系4が構成される。
モータ駆動装置5は、速度検出器6、位置制御器7、速度制御器8、スイッチ9、トルク制御器11及び周波数特性測定用トルク指令作成器12を備える。速度算出器6は位置検出器3の出力である回転子位置θmを入力し、モータ1の速度vmを算出し出力する。
ここで、モータ駆動装置5がモータ1を位置制御する時の動作を説明する。
モータ1を位置制御する時は、スイッチ9をa)の方に切り替えられる。位置指令θrが入力されると、モータ位置θmとの差分が位置制御器7に入力される。位置制御器7は位置指令θrとモータ位置θmとが一致するよう速度指令vrを算出し、出力する。位置制御器7は、例えば、位置比例ゲインをKpとして次式に示す比例演算を行う。
Figure 2005245051
速度制御器8は、位置制御器7からの速度指令vrと、速度算出器6からのモータ速度vmとの差分を入力し、速度指令vrとモータ速度vmとが一致するよう第1のトルク指令τr1を算出し、出力する。速度制御器8は、例えば、速度比例ゲインをKvとして(数5)に示す比例演算を行う。
Figure 2005245051
トルク制御器11は第1のトルク指令τr1を入力し、第1のトルク指令τr1を電流指令に変換し、電流指令とモータ1に流れる電流とが一致するよう電流制御を行うことによりモータ1を駆動する。
ここで、位置制御器7及び速度制御器8における位置比例ゲインKpと速度比例ゲインKvの関係について説明する。
機械系4の総イナーシャをJaとし、機械特性が剛体とほぼ等しいとする。この時、速度制御器8の制御パラメータである速度応答周波数ωv[rad/s]を用いて、速度比例ゲインKv、位置比例ゲインKpを(数6)、(数7)で与えると、位置フィードバックループの閉ループ伝達関数は(数8)のように重根を持ち、オーバーシュートのない良好な応答となる。
Figure 2005245051
Figure 2005245051
Figure 2005245051
すなわち、速度応答周波数ωvを算出できれば、(数6)、(数7)を用いることによりオーバーシュートのない良好な応答位置比例ゲインKpと速度比例ゲインKvを算出できることが分かる。そこで、本実施形態では、モータ制御装置の制御パラメータとして速度応答周波数ωvを算出する。
次に、モータ制御装置の制御パラメータである速度応答周波数ωvの算出について説明する。
まず、スイッチ9をb)の方に切り替える。この状態で、周波数特性測定用トルク指令作成器12は、例えばM系列信号など複数の周波数成分を含む第1のトルク指令τr1を出力し、モータ1を駆動する。その時の第1のトルク指令τ1とモータ速度vmが、制御パラメータ算出装置13に入力される。制御パラメータ算出装置13では、図2に示すフローチャートのプログラムが実行され、モータ制御装置の制御パラメータとして速度応答周波数ωvを算出する。以下、図2のフローチャートに示す処理について説明する。
まず、入力した第1のトルク指令τ1とモータ速度vmをサンプリングし、第1のトルク指令τ1からモータ速度vMまでの周波数特性を算出して得る(ステップS1)。以下このようにして求めた周波数特性を「負荷周波数特性」と呼ぶ。負荷周波数特性は、例えば、サンプリングした第1のトルク指令τr1およびモータ速度vMをそれぞれフーリエ変換し、モータ速度vmのフーリエ変換結果から算出されるゲイン特性および位相特性から、第1のトルク指令τr1のフーリエ変換結果から算出されるゲイン特性および位相特性をそれぞれ減じて得る。
次に、位相余裕α[deg]を用いて、得られた負荷周波数特性の位相が−180+α[deg]以下の周波数領域における最大ゲインGmax[dB]を算出する(ステップ2)。位相余裕α[deg]は0[deg]以上の所定の値に設定する。
そして、最大ゲインGmax[dB]に基づいて速度応答周波数ωvを算出する(ステップ3)。
ここで、上記のステップS2、S3の処理を具体的に説明する。
ナイキストの安定定理より、フィードバック系の一巡伝達関数の周波数特性において、位相が−180[deg]以下となる周波数領域でゲインが0[dB]以下ならば安定が保証される。図3に、図1で示す構成において速度フィードバックループ部に関する構成要素のみを示す。第1のトルク指令τr1の入力点からモータ速度vmの出力点までの伝達関数をH1(s)とする。速度制御器8は(数5)で示す比例演算を行うとすると、速度制御器8の伝達関数はKvとなる。従って、図3に示す速度フィードバックループ部の一巡伝達関数は(数9)で表される。
Figure 2005245051
図4に、第1のトルク指令τr1の入力点からモータ速度vmの出力点までの伝達関数H1(s)の周波数特性を示す。図4(a)はゲイン特性、(b)は位相特性である。この時、速度フィードバックループ部の一巡伝達関数の周波数特性は、位相特性(図4(b)参照)はH1(s)の位相特性と変わらず、ゲイン特性(図4(a)参照)はKvによって全体が上下に変化する。
そこで、まず、ステップS1で得られた周波数特性H1(s)において、位相余裕α[deg]を用いて、位相が−180+α[deg]以下となる周波数領域を求める。図4においては区間Aと区間Bが、この周波数領域となる。そしてその区間における最大ゲインGmax[dB]を求める。このように、最大ゲインGmaxを求める区間を必要最低限の領域としているため、位相が−180+α[deg]となる最も低い周波数より高い領域を用いる場合よりも処理時間を短縮できる。
また、前述したように、一巡伝達関数のゲイン特性はKvによって上下するが(数9参照)、正であるゲイン余裕β[dB]を用いて、次式(数10)を満たすようにKvを求めれば、速度フィードバックループの一巡伝達関数の周波数特性において、位相が−180+α[deg]以下となる周波数領域でゲインが−β[dB]以下となり安定性は保証される。
Figure 2005245051
Kvが大きいほど速度フィードバックの応答性も高いので、(数10)を満たす最大値をKvとして算出する。Kvの算出式を(数11)に示す。
Figure 2005245051
また、機械系4の総イナーシャをJaとすると、速度制御器7の制御パラメータである速度応答周波数ωv[rad/s]は、(数6)を変形した(数12)で算出できる。
Figure 2005245051
なお、機械系4の総イナーシャJaはステップS1で得られた負荷周波数特性の低域でのゲインから計算できる。あるいは、前もって測定しておいた値を用いてもよい。
以上のようにして算出された速度応答周波数ωvを、制御パラメータ算出装置13に接続されたディスプレイ14に表示する(ステップS4)。図5に表示例を示す。ディスプレイ14には算出された速度応答周波数ωvだけでなく、周波数特性等もあわせて表示してもよい。
なお、本実施形態では、位置制御装置に対して速度応答周波数の算出を行ったが、速度制御装置に対して行うとしても同様の効果が得られる。
また、本実施形態において、第1のトルク指令τr1に対して所定のフィルタ処理を行い第2のトルク指令を出力するフィルタをトルク制御器11の前段に挿入してもよい。このフィルタはローパスフィルタやノッチフィルタを含んでもよい。このとき、第1のトルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性の代わりに、第2のトルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性を算出し、その算出した周波数特性にフィルタ部の周波数特性を加算したものを用いてもよい。このとき、ステップS1において、第2のトルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性を算出してもよく、または、入力してもよい。
以上のようにして、モータ制御装置の制御パラメータ設定において、安定性が保証できる最大の速度応答周波数ωvを短時間で知ることができる。そして、求めた最大の速度応答周波数ωvと、(数6)、(数7)とを用いて速度比例ゲインKv、位置比例ゲインKpを決定することにより、安定性が保証され、かつ応答性よい設定を実現できる。
以上に説明した本実施形態の制御パラメータ算出装置のモータ制御装置への適用例を図6に示す。図6に示すモータ制御装置51は、図1に示すモータ駆動装置の構成要素に加え、さらに、制御パラメータ調整部15を備えている。制御パラメータ調整部15はコンピュータからなり、図1に示す制御パラメータ算出装置13と同様の機能を有しており、さらに、算出した速度応答周波数ωvに基づいて速度比例ゲインKvおよび位置比例ゲインKpを例えば(数6)、(数7)を用いて調整する機能を有している。
(実施の形態2)
本発明に係る制御パラメータ算出装置の第2の実施形態を示す。図7に、第2の実施形態における、モータ制御装置の制御パラメータ算出装置を含むシステムの全体構成を示す。本実施形態のモータ駆動装置5bは図1に示す構成に加えて、スイッチ9とトルク制御器11の間に第1のフィルタ部10をさらに備えている。第1のフィルタ部10は、第1のトルク指令τr1を入力し、所定のフィルタ処理を行った後、第2のトルク指令τr2を出力する。トルク制御器11は第2のトルク指令τr2にしたがいモータ1を駆動する。
本実施形態の制御パラメータ算出装置13bは、負荷周波数特性から得られる共振周波数に基づいてノッチフィルタの設定パターンを複数算出し、各設定パターンにおいて算出される安定な速度応答周波数のうち最大の速度応答周波数を算出する。これにより、モータ制御装置の制御パラメータ設定において、安定性が保証できる最大の速度応答周波数ωvを短時間で知ることができるとともに、最適なノッチフィルタの設定パターンも認識できる。
本実施形態の制御パラメータ算出装置13bが実行する処理を図8に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、入力した第1のトルク指令τr1とモータ速度vmをサンプリングし、第1のトルク指令τr1の入力点からモータ速度vmの出力点までの負荷周波数特性を算出して得る(ステップS11)。負荷周波数特性の算出方法は実施の形態1で示したとおりである。なお、上記サンプリングは第1のフィルタ部10にノッチフィルタが含まれていない状態で行う。
ステップS11で得られた負荷周波数特性のゲイン特性から共振周波数を算出し、算出した共振周波数を減衰周波数とするノッチフィルタの設定パターンを算出する(ステップS12)。共振周波数の算出は、負荷周波数特性のゲイン特性の変曲点を探索する方法などで得ることができる。ノッチフィルタはその中心周波数(減衰周波数)を共振周波数に合わせ速度制御ループ(具体的にはフィルタ部10)内に配置することにより、共振周波数におけるゲインピークを抑圧することができるので、制御の応答性を上げることが可能となる。ノッチフィルタの設定パターンの算出では、最大いくつのノッチフィルタを同時に付加(配置)できるかを予め設定しておき、どのような付加パターンがあるかを求める。なお、付加パターンにはノッチフィルタを付加しない場合も含める。図9に、最大2個のノッチフィルタが付加可能であり、3つの共振周波数fp1、fp2、f3が算出された場合に算出される設定パターンを示す。この場合、図9に示すように、ノッチフィルタが付加されない場合(1とおり)、ノッチフィルタが1個付加される場合(3とおり)、ノッチフィルタが2個付加される場合(3とおり)の7とおりの設定パターンが求められる。
次に、全ての設定パターンに対し、各設定パターンのノッチフィルタを付加した場合について、最大の速度応答周波数ωvを求める(ステップS13〜S16)。
具体的には、最初に、未だ速度応答周波数ωvが求められていない設定パターンがあるかどうかを判断する(ステップS13)。未だ速度応答周波数ωvが求められていない設定パターンがない場合はステップS17へ進む。
未だ速度応答周波数ωvが求められていない設定パターンがある場合、その設定パターンの中から1つを選択し、選択した設定パターンのノッチフィルタの周波数特性を負荷周波数特性に加算して周波数特性(以下「制御対象周波数特性」と呼ぶ。)を算出する(ステップS14)。例えば、選択された設定パターンが図9に示すNo.5のパターンの場合、中心周波数をfp1としたノッチフィルタの周波数特性と、中心周波数をfp2としたノッチフィルタの周波数特性とを、ステップS11で求めた負荷周波数特性に加算して制御対象周波数特性を算出する。
次に、0[deg]以上の所定値である位相余裕α[deg]を用いて、得られた制御対象周波数特性の位相が−180+α[deg]以下となる周波数領域における、制御対象周波数特性のゲインの最大値(最大ゲイン)Gmax[dB]を算出する(ステップS15)。算出した最大ゲインGmax[dB]に基づいて速度応答周波数ωvを算出し、選択された設定パターンと関連づけて記憶しておく(ステップS16)。実施の形態1で説明したとおり、ナイキストの安定定理より、フィードバック系の一巡伝達関数の周波数特性において、位相が−180[deg]以下となる周波数領域でゲインが0[dB]以下ならば安定は保証される。よって、本実施形態では、基本的に実施の形態1のステップS2およびステップS3と同様の処理を行っている。実施の形態1と異なるのは、負荷周波数特性の代わりに制御対象周波数特性を用いる点と、算出された速度応答周波数ωvに選択された設定パターンを関連づける点である。全ての設定パターンについて速度応答周波数ωvを算出するまで、ステップS13からステップS16までの処理を繰り返す。
全ての設定パターンについて速度応答周波数ωvが算出されると、その中で最大となる速度応答周波数ωvを求め、速度応答周波数ωvの最大値と、速度応答周波数ωvの最大値と関連づけられた設定パターンとをディスプレイ14に表示する(ステップS17)。
以上のように、ステップS13からステップS16までの処理を繰り返すことにより算出された各設定パターンに対する速度応答周波数ωvの中で最大値を求め、この最大値に関連づけられている設定パターンの情報とともにディスプレイ14に表示する。表示例を図5に示す。ディスプレイ14には算出された速度応答周波数ωv、設定パターンの減衰周波数だけでなく、周波数特性等をともに表示してもよい。
これにより、モータ制御装置の制御パラメータ設定において、安定性が保証できる最大の速度応答周波数ωvを短時間で得られ、(数6)、(数7)を用いて安定性が保証され、かつ応答性よい設定を得ることができる。さらに同時に最適なノッチフィルタの設定も可能となる。
また、本実施の形態では、位置制御装置に対して速度応答周波数の算出を行ったが、速度制御装置に対して行っても同様の効果が得られる。
以上に説明した本実施形態の制御パラメータ算出装置のモータ制御装置への適用例を図10に示す。図10に示すモータ制御装置51bは、図7に示すモータ駆動装置5bの構成要素に加え、さらに制御パラメータ調整部15bを備えている。制御パラメータ調整15bは、図7に示す制御パラメータ算出装置13bと同様の機能を有している。制御パラメータ調整部15bは、さらに、算出した速度応答周波数ωvの最大値に基づいて速度比例ゲインKvおよび位置比例ゲインKpを例えば(数6)、(数7)を用いて調整し、速度応答周波数ωvの最大値に関連づけられた設定パターンに応じたノッチフィルタを第1のフィルタ部10等の速度フィードバックループ内に付加する。
(実施の形態3)
本発明に係る制御パラメータ算出装置の第3の実施形態を示す。本実施形態の制御パラメータ算出装置は、位置閉ループの周波数特性を用いて、応答が滑らかな速度応答周波数を算出する。また、周波数特性から得られる共振周波数に基づいてノッチフィルタの設定パターンを算出し、各設定パターンにおいて算出される応答が滑らかな速度応答周波数のうち、最大値を算出し関連づけられた設定パターンとともにディスプレイに表示する。これにより、モータ制御装置の制御パラメータ設定において、応答が滑らかな最大の速度応答周波数を短時間で知ることができ、同時にノッチフィルタの設定も知ることができる。
本実施形態における、モータ制御装置の制御パラメータ算出装置を含むシステムの全体構成図は図7と同じである。
本実施形態の制御パラメータ算出装置の処理を図11に示すフローチャートを用いて説明する。なお、ステップS22からステップS24は、図8に示すステップS12からステップS14と同様の処理を行っている。
最初に、ステップS21において、実施の形態2で説明したステップS11の処理に加え、さらに、算出された負荷周波数特性から反共振周波数と粘性係数を算出する。具体的には以下の処理を行う。まず入力した第1のトルク指令τr1とモータ速度vmをサンプリングし、第1のトルク指令τr1の入力点からモータ速度vmの出力点までの負荷周波数特性を算出して得る。なお、上記サンプリングは第1のフィルタ部10にノッチフィルタが含まれていない状態で行う。次に、算出した負荷周波数特性から第1のフィルタ部10に設定されたフィルタの周波数特性を減じて機械系4の周波数特性を求める。機械系4の周波数特性のゲイン変曲点から反共振周波数を算出し、算出した反共振周波数におけるゲインの深さから粘性係数を算出する。機械系4の伝達関数が(数13)で表される時、反共振周波数の粘性係数は(数13)のdzi(n=1、2…)である。
Figure 2005245051
(数13)において、Jaは機械系の総イナーシャ、ωzは反共振周波数、ωpは共振周波数、da、dpiはそれぞれ別の粘性係数である。
次に、ステップS21で得られた負荷周波数特性のゲイン特性から共振周波数を算出し、算出した共振周波数を反共振周波数とするノッチフィルタの設定パターンを算出する(ステップS22)。
次に、全ての設定パターンに対し、各設定パターンのノッチフィルタをフィルタ部10に付加した場合について、位置閉ループ周波数特性に基づいて速度応答周波数ωvを求める(ステップS23〜S25)。
具体的には、最初に、未だ速度応答周波数ωvが求められていない設定パターンがあるかどうかを判断する(ステップS23)。未だ速度応答周波数ωvが求められていない設定パターンがない場合はステップS26へ進む。
未だ速度応答周波数ωvが求められていない設定パターンがある場合、設定パターンの中から1つを選択し、選択した設定パターンに対して制御対象周波数特性を算出する(ステップS24)。
次に、位置閉ループ周波数特性に基づいて速度応答周波数ωvを算出し、設定パターンと関連づけて記憶する(ステップS25)。ステップS25の詳細については後述する。
設定パターンで未選択のものがなくなるまでステップS23からステップS25までの処理を繰り返す。全ての設定パターンについて速度応答周波数が求められると、各設定パターンに対して求められた速度応答周波数のうち最大値を求め、その速度応答周波数の最大値と、それに関連づけられている設定パターンの情報とをディスプレイ14に表示する(ステップS26)。表示例を図5に示す。ディスプレイ14には算出された速度応答周波数の最大値、関連づけられている設定パターンの減衰周波数だけでなく、周波数特性等をともに表示してもよい。
以下、ステップS25の処理の詳細について説明する。
まず、位置閉ループ周波数特性の算出について説明する。速度応答周波数が設定されれば、位置比例ゲインKp、速度比例ゲインKvを、実施の形態1で説明した(数6)および(数7)等で算出できる。この時、制御対象周波数特性の伝達関数をH2(s)とすると、速度開ループの伝達関数H3(s)、速度閉ループの伝達関数H4(s)、位置開ループの伝達関数H5(s)、位置閉ループの伝達関数H6(s)は、それぞれ次式で算出できる。
Figure 2005245051
Figure 2005245051
Figure 2005245051
Figure 2005245051
ステップS24が終わった時点で得られている制御対象周波数特性は伝達関数としては得られていないので、ゲインと位相から複素平面のベクトルに変換した後、(数14)から(数17)を用いて演算し、再びゲインと位相データへと変換することにより位置閉ループの周波数特性を算出する。
次に速度応答周波数ωvの算出について詳細を説明する。
まず、一次遅れ要素の伝達関数および二次要素の伝達関数の周波数特性とインディシャル応答について説明する。(数18)で示す一次遅れ要素の伝達関数の、周波数特性のゲイン特性を図12に、インディシャル応答を図13に示す。
Figure 2005245051
(数18)の特性根、すなわち分母式=0の解は実根の−ω1である。インディシャル応答は図13に示すようにオーバーシュートのない滑らかなものである。
次に、(数19)で示す二次要素の伝達関数の、周波数特性のゲイン特性を図14に、インディシャル応答を図14に示す。
Figure 2005245051
(数19)において、ζは0から1の間の値とする。(数19)の特性根は複素根である次式である。
Figure 2005245051
ここでjは虚数単位である。インディシャル応答は図15に示すように振動的になりオーバーシュートを生じる。ζが0に近いほど図14におけるゲインの盛り上がり部分も大きくなり、図15におけるオーバーシュートの振幅も大きくなる。
さて、制御理論より位置制御系の過渡応答特性は、位置閉ループの特性根によって決まる。つまり、過渡応答特性に対して、特性根を複素平面上にプロットした時、最も虚軸に近い根の影響が大きい。それが実根であれば応答はオーバーシュートのない滑らかなものになり、複素根であれば応答は振動的でオーバーシュートを生じる。簡単な例として、位置閉ループの伝達関数HC(s)が(数21)で示された一次の伝達関数と二次の伝達関数の積であるとする。
Figure 2005245051
(数21)において、ζは0から1の間の値である。ここで、ω1<ω2の場合とω1>ω2の場合のインディシャル応答をそれぞれ図16に示す。ω1<ω2の場合の応答を実線で、ω1>ω2の場合の応答を破線で示す。ω1<ω2の場合(実線)、特性根のうち実根の方が複素平面上で虚軸に近く応答に最も影響を与えるため、応答は滑らかであり、ω1>ω2の場合(破線)、特性根のうち複素根の方が複素平面上で虚軸に近く応答に最も影響を与えるため、応答は振動的でありオーバーシュートを生じる。また、一次遅れ要素と二次要素の積なので、伝達関数HC(s)の周波数特性のゲイン特性は各々の周波数特性のゲイン特性の和になる。従って、ω1<ω2の場合の周波数特性のゲイン特性は図17に示すように、ω1>ω2の場合の周波数特性のゲイン特性は図18に示すようになる。両図の大きな違いは最大ゲインが、図17では0dBを超えておらず、図18では0dBを超えていることである。よって振動的な応答になるか否かは、周波数特性のゲイン特性から判断することができる。
位置閉ループの伝達関数がより高次の場合、応答に対する影響は特性根による影響が重なり、より複雑になる。この場合、位置閉ループの周波数応答を、位置制御系の応答に対し最も影響を与える成分とその他の成分に分ける。そして、最も影響を与える成分が滑らかな応答をする一次遅れ要素であり、その他の成分が振動的にならなければ、両者の影響を合わせても振動的な応答にはならない。
従って、位置閉ループの周波数特性のゲイン特性から、位置制御系の応答に対し最も影響を与える成分としてゲインが−3dBになる周波数をカットオフとする一次遅れ要素のゲイン特性を減じ、さらに分子に相当するゲイン特性を減じて得られるゲイン特性の最大ゲインを調べることにより、位置制御系の応答がオーバーシュートを生じるか否かを判断できる。
ステップS25の処理の詳細を図19に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、速度応答周波数ωxの初期値を設定する(ステップS251)。これは小さい値に設定する。
速度応答周波数ωxに基づいて、位置比例ゲインKp、速度比例ゲインKvを算出する(ステップS252)。例えば前述の(数6)、(数7)を用いて算出する。続いて前述の方法で、位置閉ループの周波数特性を算出する(ステップS253)。
位置閉ループの周波数特性のゲイン特性においてゲインが−3dBになる最低周波数を算出し、その周波数をカットオフとする一次遅れ要素のゲイン特性を、位置閉ループ周波数特性のゲイン特性から減算する(ステップS254)。例えば、図20(a)に示す位置閉ループ周波数特性のゲイン特性が算出されている場合、−3dBとなる最低周波数はωcである。この周波数をカットオフとする一次遅れ要素のゲイン特性を減算すると図120(b)に示すゲイン特性が得られる。
次に、ステップS254で得られた周波数特性のゲイン特性から反共振周波数特性のゲイン特性を減ずる(ステップS255)。ここで反共振周波数特性は、機械系4の伝達関数の分子のみの周波数特性を指す。機械系4の伝達関数は(数22)で表されるとする。
Figure 2005245051
(数22)において、Jaは機械系の総イナーシャ、ωziは反共振周波数、ωpiは共振周波数、da、dzi、dpiはそれぞれ粘性係数である。この伝達関数に対し速度制御器8、位置制御器7が、それぞれ(数6)、(数7)で与えられるゲインを有する比例制御を行うとすると、位置閉ループの伝達関数は(数23)で示すものとなる。
Figure 2005245051
(数22)と(数23)を比較すると分子は同じである。従って、機械系4の伝達関数における分子に相当する周波数特性を求めれば、位置閉ループの周波数特性の伝達関数における分子に相当する周波数特性を求めていることと等しくなる、(数22)の分子の周波数特性は反共振周波数ωziと粘性係数dziが分かれば求められる。これらは前述のステップS21ですでに求められている。
次に、ステップS255で得られたゲイン特性の最大ゲインが所定値を超えたかどうかを調べる(ステップS256)。設定した速度応答周波数ωxが低い場合は位置制御系の応答性が低いので滑らかな応答となり最大ゲインは0dBとなる。一方、速度応答周波数ωxが高すぎると振動的な応答になるので最大ゲインは正の値となる。所定値を0dB近傍の正の値に設定し、最大ゲインが所定値を超えたら、1つ前に設定した速度応答周波数ωxが滑らかな応答が得られる最大の速度応答周波数ωxであると判断し、ステップS258へ進む。ステップS255で得られた周波数特性の最大ゲインが所定値を超えていない場合はステップS257へ進む。
ステップS257では、速度応答周波数設定値ωxを所定値だけ増加させてステップS252へ戻る。増加幅が大きすぎると、次のサイクルのステップS256で算出される最大ゲインが一気に所定値を超えてしまうので徐々に上げていくのが望ましい。
最後に、ステップS256で滑らかな応答が得られる最大の速度応答周波数であると判断された速度応答周波数ωxを、ステップ24で選択された設定パターンに関連づけて記憶する(ステップS258)。
以上のように、本実施形態の制御パラメータ算出装置により、モータ制御装置の制御パラメータ設定において、応答が滑らかである最大の速度応答周波数ωvを短時間で知ることができ、さらに、(数6)、(数7)を用いて安定性が保証され、かつ応答性よい設定を実現できる。同時に最適なノッチフィルタも設定できる。
また、応答の判断に周波数特性のゲイン特性を用いることにより、特性根の算出を必要としない。従って、負荷周波数特性や機械周波数特性の伝達関数を算出する必要がないため計算量を減らすことができる。さらに、周波数特性のゲイン特性を用いることにより、伝達関数を用いた場合に生じる極−零点消去の影響を考慮する必要なく特性根の状態を判断できる。極−零点消去とは、伝達関数において分子=0の解と特性方程式の根の間で近いものが存在し、お互いをうち消し合う状態のことを指す。この場合、消去される特性方程式の根は虚軸に近くても応答への影響は小さい。周波数特性のゲイン特性には極−零点消去がされた状態が現れるので特に考慮する必要はない。
また、本実施形態の制御パラメータ算出装置も、前述の実施形態と同様、モータ制御装置に適用することができる。モータ制御装置は例えば図10に示すような構成で実現できる。この場合、制御パラメータ調整部15bがステップS21からステップS25の処理を行い、算出された速度応答周波数ωvの最大値に基づいて速度比例ゲインKvおよび位置比例ゲインKpを調整し、算出された速度応答周波数ωvの最大値に関連づけられた設定パターンに応じたノッチフィルタを第1のフィルタ部10等の速度フィードバックループ内に付加するようにする。
(実施の形態4)
本発明に係る制御パラメータ算出装置の第4の実施形態を示す。本実施形態においては、速度開ループの周波数特性と位置閉ループの周波数特性を用いて安定で応答が滑らかな速度応答周波数を算出する。また、周波数特性から得られる共振周波数に基づいてノッチフィルタの設定パターンを算出し、各設定パターンにおいて算出される安定で応答が滑らかな速度応答周波数のうち、最大値を算出し関連づけられた設定パターンとともにディスプレイ部に表示する。これにより、ユーザはモータ制御装置の制御パラメータ設定において、安定が保証されかつ応答が滑らかになる最大の速度応答周波数を短時間で知ることができ、同時にノッチフィルタの設定も知ることができる。
本実施形態における、モータ制御装置の制御パラメータ算出装置を含むシステムの全体構成図は図7と同じである。
本実施形態の制御パラメータ算出装置の処理を図21に示すフローチャートを用いて説明する。なお、ステップS31からステップS34は、図11に示すステップS21からステップS24と同様の処理を行っている。
最初に、トルク指令とモータ速度をサンプリングし、負荷周波数特性を算出し、さらに、負荷周波数特性から反共振周波数と粘性係数を算出する(ステップS31)。負荷周波数特性のゲイン特性から共振周波数を算出し、算出した共振周波数に基づきノッチフィルタの設定パターンを算出する(ステップS32)。
その後、各設定パターンについて、位置閉ループ特性に基づいて速度応答周波数を算出する(ステップS33〜S37)。
具体的には、設定パターンを1つ選択し、制御対象周波数特性を算出する(ステップS34)。そして、0[deg]以上の所定値である位相余裕α[deg]を用いて、得られた負荷周波数特性の位相が−180+α[deg]以下の周波数領域における最大ゲインGmax[dB]を算出する(ステップS35)。次に、最大ゲインGmax[dB]に基づいて第1の速度応答周波数ωv1を算出する(ステップS36)。
位置閉ループ周波数特性に基づいて第2の速度応答周波数ωv2を算出し、設定パターンと関連づけて記憶する(ステップS37)。ステップS37の処理の詳細は後述する。
設定パターンで選択されていないものがなくなるまでステップS33からステップS37までの処理を繰り返す。全ての設定パターンについて第2の速度応答周波数ωv2が算出されると、各設定パターン毎に得られた第2の速度応答周波数ωv2のうち最大値を求め、その速度応答周波数の最大値とともに、それに関連づけられている設定パターンの情報をディスプレイ14に表示する。例えば、図5に示すように表示される。ディスプレイ14には算出された速度応答周波数ωv2の最大値、関連づけられている設定パターンの減衰周波数だけでなく、周波数特性や、発振限界速度応答周波数として途中で算出される第1の速度応答周波数ωv1をともに表示してもよい。
ステップ37の処理の詳細を図22に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、速度応答周波数ωxの初期値を設定する(ステップS371)。本処理で算出する第2の速度応答周波数ωv2は、十分低い周波数ωv0から安定性の保証された第1の速度応答周波数ωv1までの範囲から算出すれば十分であるので、速度応答周波数ωxの初期値は、前述の範囲の上下限値の平均値を与えるものとする。即ち次式で設定する。
Figure 2005245051
そして、ステップS372からステップS375は、実施の形態3で説明した図19のステップS252からステップS255と同様である。これらの処理により、位置閉ループの周波数特性から、位置閉ループの周波数特性のゲイン特性においてゲインが−3dBになる最低周波数をカットオフとする一次遅れ要素のゲイン特性と、反共振周波数特性のゲイン特性とを減じた周波数特性を得る。
次に、ステップ375で得られたゲイン特性においてゲインが最大となる値(最大ゲイン)が所定の収束条件に合致したか否かを判断する。具体的には、収束条件として、最大ゲインが予め設定しておいた0dB近傍にある正の所定範囲内に含まれるか否かを判断する。最大ゲインが所定範囲内に含まれたときに、収束したと判断する。
合致しなかった場合は、最大ゲインに応じて速度応答周波数ωxを変更し(ステップS377)、収束条件に合致するまで、上記処理ステップ372〜ステップ377を繰り返す。
速度応答周波数ωxの変更は、変更範囲の上下限値を設定しておき、その上限値と下限値の間で2分法に基づいて変更される。最大ゲインが予め設定しておいた0dB近傍の正の所定範囲よりも小さい場合、速度応答周波数の変更範囲の下限値を現在設定されている速度応答周波数にする。最大ゲインが予め設定しておいた0dB近傍の正の所定範囲よりも大きい場合、速度応答周波数の変更範囲の上限値を現在設定されている速度応答周波数にする。そして速度応答周波数ωxを変更範囲の上限値と下限値の平均値とする。このように、2分法に基づいて速度応答周波数ωvを変化させることにより、その探索範囲は狭くなっていくので、やがて収束する。
収束条件に合致すると、収束したと判断された時点の速度応答周波数ωxを第2の速度応答周波数ωv2とし、第2の速度応答周波数ωv2を、それに関連する設定パターンに関連づけて記憶する(ステップS378)。
以上のように本実施形態によれば、モータ制御装置の制御パラメータ設定において、応答が滑らかである最大の速度応答周波数を短時間で知ることができ、さらに、(数6)、(数7)を用いて安定性が保証され、かつ応答性よい設定をできる。同時に最適なノッチフィルタも試行錯誤することなく設定できる。
また、ステップS33からステップS37の処理において、探索範囲を2分法で収束させていくので計算量を減らすことができる。
また、本実施の形態では、位置制御装置に対して速度応答周波数の算出を行ったが、速度制御装置に対して行うとしても同様の効果が得られる。速度制御装置の場合、ステップS37では位置閉ループの代わりに速度閉ループの周波数特性を用いる。
また、本実施形態の制御パラメータ算出装置も、前述の実施形態と同様、モータ制御装置に適用することができる。モータ制御装置は例えば図10に示すような構成で実現できる。この場合、制御パラメータ調整部15bがステップS31からステップS37の動作を行い、算出された速度応答周波数ωvの最大値に基づいて速度比例ゲインKvおよび位置比例ゲインKpを調整し、算出された速度応答周波数ωvの最大値に関連づけられた設定パターンに応じたノッチフィルタを第1のフィルタ部10などの速度フィードバックループ内に付加するようにする。
(実施の形態5)
本発明に係る制御パラメータ算出装置の第5の実施形態を示す。本実施形態では、トルクフィルタカットオフ周波数と速度応答周波数の関係が所定条件を満たすようにする。これにより、モータ制御装置の制御パラメータ設定において、検出速度の最小分解能に起因する音や振動を抑制できるトルクフィルタカットオフ周波数を知ることができる。また、安定が保証されかつ応答が滑らかになる最大の速度応答周波数を短時間で知ることができ、同時に好適なノッチフィルタの設定も得られる。
図23に、第5の実施形態における、モータ制御装置の制御パラメータ算出装置を含むシステムの全体構成を示す。実施形態2で示したものと同じ機能を有するものは同じ番号を付している。図23に示すように、本実施形態では、モータ駆動装置52が第1のフィルタ部10の代わりに第2のフィルタ部20を備えている。
第2のフィルタ部20は、少なくとも1つの1次のローパスフィルタを有し、第1のトルク指令τr1が入力され第2のトルク指令τr2を出力する。以下、この1次のローパスフィルタを「トルクフィルタ」と呼ぶ。トルクフィルタはトルク制御器11に入力される第2のトルク指令τr2のノイズ成分を抑圧することができ、微振動や音の発生を抑制する効果がある。カットオフ周波数をωtfとした時のトルクフィルタの周波数特性を図24に示す。
本実施形態の制御パラメータ算出装置13cの処理について図25に示すフローチャートを用いて説明する。
最初に、トルク指令とモータ速度に基づき負荷周波数特性、反共振周波数及び粘性係数を求める(ステップS41)。具体的には、入力された第1のトルク指令τr1とモータ速度vmをサンプリングし、第1のトルク指令τr1の入力点からモータ速度vmの出力点までの周波数特性を算出して得る。なお、上記サンプリングは第2のフィルタ部20にノッチフィルタが含まれていない状態で行う。以下、このようにして求めた周波数特性を「第1の負荷周波数特性」と呼ぶ。第1の負荷周波数特性の算出は、例えば、サンプリングした第1のトルク指令τr1およびモータ速度vmをそれぞれフーリエ変換し、モータ速度vmのフーリエ変換結果から算出されるゲイン特性および位相特性から、第1のトルク指令τr1のフーリエ変換結果から算出されるゲイン特性および位相特性を減ずることによって得られる。さらに、第1の負荷周波数特性から反共振周波数と粘性係数を算出する。これは例えば、第1の負荷周波数特性から、第1のトルク指令τr1とモータ速度vmをサンプリングした時に第2のフィルタ部20に設定されたフィルタの周波数特性を減じて機械系4の周波数特性を求め、得られた周波数特性のゲイン変曲点から反共振周波数を算出し、算出された反共振周波数におけるゲインの深さから粘性係数を算出する。
次に、ステップS41で得られた第1の負荷周波数特性から共振周波数を算出し、共振周波数に応じたノッチフィルタの設定パターンを算出する(ステップS42)。共振周波数の算出においては、第1の負荷周波数特性のゲイン特性から変曲点を探索するなどの方法で得ることができる。設定パターンの算出は、最大いくつのノッチフィルタを同時に付加できるかを予め設定しておき、ノッチフィルタを付加しない場合も含めどのような付加のパターンがあるかを求める。
トルクフィルタのカットオフ周波数ωtfを設定し、第2の負荷周波数特性を算出する(ステップS43)。トルクフィルタのカットオフ周波数ωtfの設定は、トルクフィルタカットオフ周波数のテーブルを事前に作成しておき、そのテーブルのエントリ順に選択していく。そして、第1の負荷周波数特性から、第1のトルク指令τr1とモータ速度vmをサンプリングした時に第2のフィルタ部20に設定されたフィルタの周波数特性を減じて機械系4の周波数特性を求め、求めた機械系4の周波数特性に、カットオフ周波数がωtfであるトルクフィルタの周波数特性を加算して第2の周波数特性を算出する。
次に、安定で応答の滑らかとなる第3の速度応答周波数を算出し、設定パターンと関連づけて記憶する(ステップS44)。この処理では、例えば実施の形態4で説明した図21のステップ33からステップ37と同様の処理を行う。すなわち、各設定パターンに対して算出された速度応答周波数のうち最大値を求め、その最大値を第3の最大速度応答周波数ωv3とし、それに関連する設定パターンとともに記憶する。
次に、設定されているトルクフィルタのカットオフ周波数ωtfに基づいて、第3の最大速度応答周波数ωv3を修正する(ステップS45)。
トルクフィルタは前述した通り、トルク制御器11に入力される第2のトルク指令τr2のノイズ成分を抑圧することができ、微振動や音の発生を抑制する効果がある。しかし、カットオフ周波数ωtfを下げてノイズ抑制効果を上げすぎると、図24(b)に示したトルクフィルタの位相特性により、第2の周波数特性における位相が−180[deg]以下になる周波数域が低域へ広がる。これにより、速度比例ゲインを十分上げられなくなる。従って、ノイズ抑制効果と位相特性の悪化とのバランスをとらないと速度応答周波数を十分高くできない。
図26はトルクフィルタ(第2のフィルタ部20)を含む速度制御ブロック図である。モータをイナーシャJの剛体とする。トルク制御器11は十分応答性がありトルク指令通りのモータ電流を流せるものとする。速度制御器8は比例制御するものとし速度応答周波数をωvとする。速度比例ゲインKvは、J×ωvで与えるとすると、演算遅れを無視すれば、図24で示した速度制御系の閉ループ伝達関数は(数25)で示される。
Figure 2005245051
特性方程式は2次式である。従って図26に示す速度制御系の応答を滑らかなものとするには特性根が2つとも実解となればよい。そのための条件は二次方程式の判別式を解くことによって(数26)が得られる。
Figure 2005245051
(数26)より、速度応答周波数がトルクフィルタカットオフ周波数の1/4以下であれば応答が滑らかなものとなることが分かる。つまり、トルクフィルタカットオフ周波数は速度応答周波数の4倍以上となるのが好ましい。
一方、トルクフィルタによるノイズ抑制については以下のように考える。図24に示す速度制御系において、速度算出器6がサンプリング周期ごとに位置検出器3からの位置情報をサンプリングし、この周期時間での位置変化からモータ速度を算出する場合、位置検出器3の最小分解能とサンプリング周期が存在するため、算出されるモータ速度には最小の速度分解能δωが存在する。今、停止指令、即ち速度指令=0が入力されている時、位置がわずかに変化し速度算出器6がモータ速度δωを算出したとする。この時、速度制御器8から出力される第1のトルク指令τr1は次式で表される。
Figure 2005245051
これが大きなトルク指令変化であるとトルク制御器11で制御するモータ電流も大きな変化となり微振動や音の発生原因になる。これをトルクフィルタによって変化を抑制することにより最小の速度分解能δω分の変化に対する音の発生を抑えることができる。図27に示すように、振幅が1のインパルス信号が入力された場合にトルクフィルタによって最大振幅A(ωtf)がどの程度になるかを予め求めておく。このとき、(数27)のインパルス入力に対するトルクフィルタ通過後のトルク指令τr2は次式で表される。
Figure 2005245051
上式のトルク指令値τr2は、速度算出器6の最小分解能分の入力変化に対するトルクフィルタの出力変化を意味し、この値が所定値以下になっていれば、速度算出器6の出力の変動に対してモータ電流変化も小さくなり微振動や音の発生を抑制できる。すなわち、本実施形態では、速度算出器6の最小分解能分の変化に対するトルク指令値τr2の変化が所定値以下となるような速度応答周波数を求める。所定値は実験的に求められる。所定値をτxとすると、トルク指令τr2の変化が所定値以下となるためには、速度応答周波数ωvは次式を満たせばよい。
Figure 2005245051
よって、ステップS45では、第3の速度応答周波数ωv3が(数26)と(数29)の両方を満たす場合は、第3の速度応答周波数ωv3を修正しない。一方、第3の速度応答周波数ωv3が(数26)と(数29)の少なくともいずれかを満たさない場合は、速度応答周波数ωvのみを変数として(数26)と(数29)の両方を満たす速度応答周波数ωvのうちの最大値を新たな第3の速度応答周波数ωv3として修正する。そして、その速度応答周波数に対してトルクフィルタカットオフ周波数も関連づけておく。
その後、トルクフィルタカットオフ周波数のテーブル中で未選択のものがないかチェックする(ステップS46)。未選択のものがある場合は、未選択のトルクフィルタカットオフ周波数の中から次のトルクフィルタカットオフ周波数を選択し(ステップS47)、上記処理を繰り返す(ステップS43〜ステップS47)。
テーブル中の全てのトルクフィルタカットオフ周波数について第3の速度応答周波数が求められると、それらのうち最大値となるものを算出し、その最大値を、それに関連する設定パターンおよびトルクフィルタカットオフ周波数とともにディスプレイ14に表示する(ステップS48、図5参照)。ディスプレイ14には算出された速度応答周波数の最大値、関連づけられている設定パターンの減衰周波数、トルクフィルタカットオフ周波数だけでなく、周波数特性や、発振限界速度応答周波数として途中で算出される第1の速度応答周波数ωv1をともに表示してもよい。また、トルクフィルタのカットオフ周波数は逆数を計算し時定数として表示してもよい。
以上のように本実施形態の制御パラメータ算出装置13cによれば、モータ制御装置の制御パラメータ設定において、応答が滑らかである最大の速度応答周波数を短時間で知ることができ、さらに、(数6)、(数7)を用いて安定性が保証され、かつ応答性よい設定を実現できる。同時にノッチフィルタも試行錯誤することなく設定できる。また、検出速度の最小分解能に起因する音や振動を抑制できるトルクフィルタカットオフ周波数をも設定できる。
また、本実施の形態では、位置制御装置に対して速度応答周波数の算出を行ったが、速度制御装置に対して行うとしても同様の効果が得られる。速度制御装置の場合、ステップ44では位置閉ループの代わりに速度閉ループの周波数特性を用いる。
また、本実施形態の制御パラメータ算出装置13cも、前述の実施形態と同様、モータ制御装置に適用することができる。モータ制御装置は例えば図28に示すような構成で実現できる。この場合、モータ制御装置53は制御パラメータ調整部15cを備え、制御パラメータ調整部15cがステップ41からステップ47の動作を行い、算出された速度応答周波数ωvの最大値に基づいて速度比例ゲインKvおよび位置比例ゲインKpを調整し、算出された速度応答周波数ωvの最大値に関連する設定パターンに応じたノッチフィルタを第2のフィルタ部20等の速度フィードバックループ内へ付加するとともに、トルクフィルタカットオフ周波数の調整をする。
なお、前述の実施形態では、負荷周波数特性を算出するために、第1のトルク指令とモータ速度をサンプリングし、フーリエ変換したが、フーリエ変換後のデータを入力して負荷周波数特性を算出するようにしてもよい。または事前に計算済みの負荷周波数特性を入力するようにしてもよい。
また、実施の形態2ないし5において、第1のフィルタ部10または第2のフィルタ部にノッチフィルタが含まれない状態で第1のトルク指令とモータ速度をサンプリングし、フーリエ変換し、負荷周波数特性を算出するとしたが、第1のフィルタ部10または第2のフィルタ部にノッチフィルタを含んだ状態で第1のトルク指令とモータ速度をサンプリングし、フーリエ変換し周波数特性を算出し、含まれているノッチフィルタの周波数特性を減じたものを負荷周波数特性として算出してもよい。
また、最終的に算出した速度応答周波数は、記憶手段に記憶したり、通信回線を通じて出力したりしてもよい。
また、ディスプレイ14と制御パラメータ算出装置13は無線通信回線を介してデータをやりとりしてもよい。
また、前述の実施形態において、フローチャートで示した各機能はプログラムにより実現されるとして説明したが、これらの機能をハードウェアで実現してもよい。
本発明のモータ制御装置の制御パラメータ算出プログラムおよびモータ制御装置は、短時間で、安定かつ応答性の高い速度応答周波数の算出ができ、部品実装機や半導体製造装置などに組み込まれるモータの制御や制御パラメータの算出に有用である。また、制御パラメータを算出し調整する機能を有するモータ制御装置に適用可能である。
実施の形態1におけるモータ制御装置の制御パラメータ算出装置を含むシステムの全体構成図 実施の形態1における制御パラメータ算出装置の動作を示すフローチャート 図1の速度フィードバックループ部のブロック図 負荷周波数特性図、(a)ゲイン特性、(b)位相特性 算出結果の表示例を示す図 実施の形態1におけるモータ制御装置の構成を示す図 実施の形態2におけるモータ制御装置の制御パラメータ算出装置を含むシステムの全体構成図 実施の形態2における制御パラメータ算出装置の動作を示すフローチャート 実施の形態2における設定パターンのテーブルを示す図 実施の形態2におけるモータ制御装置の構成を示す図 実施の形態3における制御パラメータ算出装置の動作を示すフローチャート 一次遅れ要素のゲイン特性を示す図 一次遅れ要素のインディシャル応答を示す図 二次要素のゲイン特性図 二次要素のインディシャル応答を示す図 位置閉ループのインディシャル応答を示す図 一次遅れ要素の影響の大きい時の位置閉ループのゲイン特性図 二次要素の影響の大きい時の位置閉ループのゲイン特性図 図11のフローチャートにおけるステップ25の処理の詳細を示すフローチャート 実施の形態3におけるゲイン特性図、(a)位置閉ループのゲイン特性図、(b)は(a)から一次遅れ特性を減じたゲイン特性図、(c)は(b)から反共振特性を減じたゲイン特性図 実施の形態4における制御パラメータ算出装置の動作を示すフローチャート 図21のフローチャートにおけるステップ37の処理の詳細を示すフローチャート 実施の形態5におけるモータ制御装置の制御パラメータ算出装置を含むシステムの全体構成図 トルクフィルタの周波数特性図、(a)ゲイン特性図、(b)位相特性図 実施の形態5における制御パラメータ算出装置の動作を示すフローチャート 図23の構成における速度フィードバックループ部のブロック図 トルクフィルタへの入出力を示す図 実施の形態5におけるモータ制御装置の構成を示す図 従来技術におけるモータ制御蔵置の全体構成図 従来技術におけるモータ制御蔵置のフィードフォワード回路のブロック図 従来技術におけるモータ制御蔵置の自動調整回路のブロック図
符号の説明
1 モータ
2 負荷
3 位置検出器
4 機械系
5、5b、52 モータ駆動装置
6 速度算出器
7 位置制御器
8 速度制御器
9 スイッチ
10 第1のフィルタ部
11 トルク制御器
12 周波数特性測定用トルク指令作成器
13、13b、13c 制御パラメータ算出装置(コンピュータ)
14 ディスプレイ
15、15b、15c 制御パラメータ調整部
20 第2のフィルタ部
51、51b、53 モータ制御装置

Claims (25)

  1. 速度指令とモータの検出速度が一致するよう第1のトルク指令を生成する速度制御手段と、前記第1のトルク指令もしくは前記第1のトルク指令を1つ以上のフィルタを通した結果である第2のトルク指令に応じて前記モータを駆動するトルク制御手段とを有するモータ制御装置の制御パラメータを算出する方法であって、
    前記第1のトルク指令入力点もしくは前記第2のトルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性である負荷周波数特性を得るステップと、
    0以上の所定値である位相余裕α[deg]を用いて、前記負荷周波数特性の位相が−180+α[deg]以下になる周波数領域でのゲインの最大値を求めるステップと、
    前記ゲインの最大値に基づいて、前記速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数を算出するステップとを含む
    ことを特徴とするモータ制御装置の制御パラメータ算出方法。
  2. 速度指令とモータの検出速度が一致するよう第1のトルク指令を生成する速度制御手段と、前記第1のトルク指令もしくは前記第1のトルク指令を1つ以上のフィルタを通した結果である第2のトルク指令に応じて前記モータを駆動するトルク制御手段とを有するモータ制御装置の制御パラメータを算出する方法であって、
    前記第1のトルク指令入力点もしくは前記第2のトルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性である負荷周波数特性を得るステップと、
    前記負荷周波数特性の共振周波数に応じたノッチフィルタの設定パターンを複数算出するステップと、
    複数の前記設定パターンから順次一の設定パターンを選択しながら、0以上の所定値である位相余裕α[deg]を用いて、選択された設定パターン毎にノッチフィルタの周波数特性を前記負荷周波数特性に加えて制御対象周波数特性を得るステップと、
    設定パターン毎に、前記制御対象周波数特性の位相が−180+α[deg]以下になる周波数領域における前記制御対象周波数特性のゲインの最大値に基づいて、前記速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数を算出するステップと、
    設定パターン毎に、前記算出した速度応答周波数を、関連する設定パターンに対応づけるステップと、
    設定パターン毎に算出された複数の速度応答周波数のうち最大となる速度応答周波数を求めるステップと
    を含む
    ことを特徴とするモータ制御装置の制御パラメータ算出方法。
  3. 速度指令とモータの検出速度が一致するよう第1のトルク指令を生成する速度制御手段と、前記第1のトルク指令もしくは前記第1のトルク指令を1つ以上のフィルタを通した結果である第2のトルク指令に応じて前記モータを駆動するトルク制御手段とを有するモータ制御装置の制御パラメータを算出する方法であって、
    前記第1のトルク指令入力点もしくは前記第2のトルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性である負荷周波数特性を得るステップと、
    前記負荷周波数特性を用いて算出される速度閉ループまたは位置閉ループの周波数特性に基づいて、前記速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数を算出するステップとを含む
    ことを特徴とするモータ制御装置の制御パラメータ算出方法。
  4. 速度指令とモータの検出速度が一致するよう第1のトルク指令を生成する速度制御手段と、前記第1のトルク指令もしくは前記第1のトルク指令を1つ以上のフィルタを通した結果である第2のトルク指令に応じて前記モータを駆動するトルク制御手段とを有するモータ制御装置の制御パラメータを算出する方法であって、
    前記第1のトルク指令入力点もしくは前記第2のトルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性である負荷周波数特性を得るステップと、
    前記負荷周波数特性を用いて算出される速度閉ループまたは位置閉ループの周波数特性である閉ループ周波数特性から、前記閉ループ周波数特性のゲインが負の所定値となる最も低い周波数ωをカットオフ周波数とする一次遅れ要素の周波数特性と、前記負荷周波数特性の反共振周波数および反共振周波数における深さに応じた周波数特性である反共振周波数特性とを減じるステップと、
    前記減じられた閉ループ周波数特性のゲイン最大値が所定値以下になる、前記速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数を1つ以上算出するステップと、
    算出された1つ以上の速度応答周波数のうち最大となる速度応答周波数を求めるステップとを含む
    ことを特徴とするモータ制御装置の制御パラメータ算出方法。
  5. 速度指令とモータの検出速度が一致するよう第1のトルク指令を生成する速度制御手段と、前記第1のトルク指令もしくは前記第1のトルク指令を1つ以上のフィルタを通した結果である第2のトルク指令に応じて前記モータを駆動するトルク制御手段とを有するモータ制御装置の制御パラメータを算出する方法であって、
    前記第1のトルク指令入力点もしくは前記第2のトルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性である負荷周波数特性を得るステップと、
    前記負荷周波数特性の共振周波数に応じたノッチフィルタの設定パターンを複数算出するステップと
    複数の前記設定パターンから順次一の設定パターンを選択し、選択した設定パターンに応じたノッチフィルタの周波数特性を前記負荷周波数特性に加えて得られる制御対象周波数特性を用いて算出される速度閉ループまたは位置閉ループの周波数特性に基づいて前記速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数を算出するステップと、
    前記算出した速度応答周波数を、選択した設定パターンに関連づけるステップと、
    設定パターン毎に算出された速度応答周波数のうち最大となる速度応答周波数を求めるステップとを含む
    ことを特徴とするモータ制御装置の制御パラメータ算出方法。
  6. 速度指令とモータの検出速度が一致するよう第1のトルク指令を生成する速度制御手段と、前記第1のトルク指令もしくは前記第1のトルク指令を1つ以上のフィルタを通した結果である第2のトルク指令に応じて前記モータを駆動するトルク制御手段とを有するモータ制御装置の制御パラメータを算出する方法であって、
    前記第1のトルク指令入力点もしくは前記第2のトルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性である負荷周波数特性を得るステップと、
    前記負荷周波数特性の共振周波数に応じたノッチフィルタの設定パターンを複数算出するステップと
    複数の前記設定パターンの中から順次一の設定パターンを選択しながら、選択された設定パターンに応じたノッチフィルタの周波数特性を前記負荷周波数特性に加えて算出される制御対象周波数特性と、前記制御対象周波数特性を用いて算出される速度閉ループまたは位置閉ループの周波数特性である閉ループ周波数特性とに基づいて速度応答周波数を算出するステップと、
    設定パターン毎に、前記算出された速度応答周波数を、関連する設定パターンに対応づけるステップと、
    各設定パターンに対して算出された速度応答周波数のうち最大となる速度応答周波数を求めるステップとを含む
    ことを特徴とするモータ制御装置の制御パラメータ算出方法。
  7. 速度指令とモータの検出速度が一致するよう第1のトルク指令を生成する速度制御手段と、前記第1のトルク指令もしくは前記第1のトルク指令を1つ以上のフィルタを通した結果である第2のトルク指令に応じて前記モータを駆動するトルク制御手段とを有するモータ制御装置の制御パラメータを算出する方法であって、
    前記第1のトルク指令入力点もしくは前記第2のトルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性である負荷周波数特性を得るステップと、
    前記負荷周波数特性の共振周波数に応じたノッチフィルタの設定パターンを複数算出するステップと
    複数の前記設定パターンの中から一の設定パターンを順次選択しながら、選択された設定パターンに応じたノッチフィルタの周波数特性を前記負荷周波数特性に加えて制御対象周波数特性を算出するステップと、
    選択された設定パターン毎に、0以上の値である位相余裕α[deg]を用いて前記制御対象周波数特性の位相が−180+α[deg]以下になる周波数領域での最大ゲインに基づいて前記速度制御手段の制御パラメータである第1の速度応答周波数を算出するステップと、
    選択された設定パターン毎に、前記第1の速度応答周波数以下の領域において、前記制御対象周波数特性を用いて算出される速度閉ループまたは位置閉ループの周波数特性である閉ループ周波数特性から、前記閉ループ周波数特性のゲインが負の所定値になる最も低い周波数をカットオフ周波数とする一次遅れ要素の周波数特性と、前記負荷周波数特性の反共振周波数および反共振周波数における深さに応じた周波数特性である反共振周波数特性とを減じるステップと、
    選択された設定パターン毎に、前記減じられた閉ループ周波数特性のゲイン最大値が所定値以下となる速度応答周波数のうち最大となる速度応答周波数を前記速度制御手段の制御パラメータである第2の速度応答周波数として算出するステップと、
    選択された設定パターン毎に、前記第2の速度応答周波数を、関連する設定パターンに対応づけるステップと、
    設定パターン毎に算出された第2の速度応答周波数の中から最大の速度応答周波数を求めるステップとを含む
    ことを特徴とするモータ制御装置の制御パラメータ算出方法。
  8. 負荷周波数特性のN個の反共振周波数をωz(n=1、2、…N)とし、粘性係数をdzn(n=1、2、…N)とするとき、前記反共振周波数特性は次式で表される伝達関数に基づく周波数特性である、ことを特徴とする請求項4または請求項7に記載のモータ制御装置の制御パラメータ算出方法。
    Figure 2005245051
  9. 速度指令とモータの検出速度が一致するよう第1のトルク指令を生成する速度制御手段と、前記第1のトルク指令に1次のローパスフィルタを含む1つ以上のフィルタ処理を行うフィルタ手段と、前記フィルタ手段の出力である第2のトルク指令に応じて前記モータを駆動するトルク制御手段とを有するモータ制御装置の制御パラメータを算出する方法であって、
    検出速度の最小分解能分の変化に対する前記第2のトルク指令の変化が所定値以下となるような、前記フィルタ手段のローパスフィルタのカットオフ周波数を算出するステップと、
    前記算出したカットオフ周波数を出力するステップとを含む、
    ことを特徴とするモータ制御装置の制御パラメータ算出方法。
  10. 速度指令とモータの検出速度が一致するよう第1のトルク指令を生成する速度制御手段と、前記第1のトルク指令に1次のローパスフィルタを含む1つ以上のフィルタ処理を行うフィルタ手段と、前記フィルタ手段の出力である第2のトルク指令に応じて前記モータを駆動するトルク制御手段とを有するモータ制御装置の制御パラメータを算出する方法であって、
    前記速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数の4倍以上の周波数を持ち、かつ検出速度の最小分解能分の変化に対する前記第2のトルク指令の変化が所定値以下となる、前記フィルタ手段のローパスフィルタのカットオフ周波数を算出するステップと、
    前記算出した速度応答周波数に対応する、前記フィルタ手段のローパスフィルタのカットオフ周波数を算出するステップと、
    前記算出したカットオフ周波数を出力するステップとを含む
    ことを特徴とするモータ制御装置の制御パラメータ算出方法。
  11. 最終的に算出した速度応答周波数を表示手段に表示するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のモータ制御装置の制御パラメータ算出方法。
  12. 最終的に算出した速度応答周波数に関連する設定パターンを表示手段に表示するステップをさらに含むことを特徴とする請求項2、5、6または7記載のモータ制御装置の制御パラメータ算出方法。
  13. 最終的に算出したカットオフ周波数を表示手段に出力することを特徴とする請求項9または10記載のモータ制御装置の制御パラメータ算出方法。
  14. 請求項1ないし請求項13のいずれか1つに記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
  15. 請求項14記載のプログラムを記録した記録媒体。
  16. 速度指令とモータの検出速度が一致するよう第1のトルク指令を生成する速度制御手段と、
    前記第1のトルク指令もしくは前記第1のトルク指令を1つ以上のフィルタを通した結果である第2のトルク指令に応じて前記モータを駆動するトルク制御手段と、
    前記速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数を調整するパラメータ調整手段とを備え、
    前記パラメータ調整手段は、
    前記第1のトルク指令入力点もしくは前記第2のトルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性である負荷周波数特性を算出し、
    0以上の所定値である位相余裕α[deg]を用いて、前記負荷周波数特性の位相が−180+α[deg]以下になる周波数領域における最大ゲインに基づいて、前記速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数を算出し、
    前記速度応答周波数に基づいて前記速度制御手段の制御パラメータを調整する、
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  17. 速度指令とモータの検出速度が一致するよう第1のトルク指令を生成する速度制御手段と、
    前記第1のトルク指令もしくは前記第1のトルク指令を1つ以上のフィルタを通した結果である第2のトルク指令に応じて前記モータを駆動するトルク制御手段と、
    前記速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数を調整するパラメータ調整手段とを備え、
    前記パラメータ調整手段は、
    前記第1のトルク指令入力点もしくは前記第2のトルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性である負荷周波数特性を算出し、
    前記負荷周波数特性の共振周波数に応じたノッチフィルタの設定パターンを複数算出し、
    複数の前記設定パターンから順次一の設定パターンを選択しながら、0以上の所定値である位相余裕α[deg]を用いて、選択された設定パターン毎にノッチフィルタの周波数特性を前記負荷周波数特性に加えて制御対象周波数特性を算出し、
    設定パターン毎に、前記制御対象周波数特性の位相が−180+α[deg]以下になる周波数領域における前記制御対象周波数特性のゲインの最大値に基づいて、前記速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数を算出し、
    設定パターン毎に、前記算出した速度応答周波数を、関連する設定パターンに対応づけ、
    設定パターン毎に算出された複数の速度応答周波数のうち最大となる速度応答周波数に基づいて、前記速度制御手段の制御パラメータを調整し、
    前記最大となる速度応答周波数に対応付けられた設定パターンに基づいて速度制御ループ内にノッチフィルタを付加する、
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  18. 速度指令とモータの検出速度が一致するよう第1のトルク指令を生成する速度制御手段と、
    前記第1のトルク指令もしくは前記第1のトルク指令を1つ以上のフィルタを通した結果である第2のトルク指令に応じて前記モータを駆動するトルク制御手段と、
    前記速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数を調整するパラメータ調整手段とを備え、
    前記パラメータ調整手段は、
    前記第1のトルク指令入力点もしくは前記第2のトルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性である負荷周波数特性を算出し、
    前記負荷周波数特性を用いて算出される速度閉ループまたは位置閉ループの周波数特性に基づいて、前記速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数を算出し、
    前記速度応答周波数に基づいて前記速度制御手段の制御パラメータを調整する、
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  19. 速度指令とモータの検出速度が一致するよう第1のトルク指令を生成する速度制御手段と、
    前記第1のトルク指令もしくは前記第1のトルク指令を1つ以上のフィルタを通した結果である第2のトルク指令に応じて前記モータを駆動するトルク制御手段と、
    前記速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数を調整するパラメータ調整手段とを備え、
    前記パラメータ調整手段は、
    前記第1のトルク指令入力点もしくは前記第2のトルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性である負荷周波数特性を算出し、
    前記負荷周波数特性を用いて算出される速度閉ループまたは位置閉ループの周波数特性である閉ループ周波数特性から、前記閉ループ周波数特性のゲインが負の所定値となる最も低い周波数ωをカットオフ周波数とする一次遅れ要素の周波数特性と、前記負荷周波数特性の反共振周波数および反共振周波数における深さに応じた周波数特性である反共振周波数特性とを減じ、
    前記減じられた閉ループ周波数特性のゲイン最大値が所定値以下になる、前記速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数を1つ以上算出し、
    前記算出された1つ以上の速度応答周波数のうち最大となる速度応答周波数を求め、その最大となる速度応答周波数に基づいて前記速度制御手段の制御パラメータを調整する、
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  20. 速度指令とモータの検出速度が一致するよう第1のトルク指令を生成する速度制御手段と、
    前記第1のトルク指令もしくは前記第1のトルク指令を1つ以上のフィルタを通した結果である第2のトルク指令に応じて前記モータを駆動するトルク制御手段と、
    前記速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数を調整するパラメータ調整手段とを備え、
    前記パラメータ調整手段は、
    前記第1のトルク指令入力点もしくは前記第2のトルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性である負荷周波数特性を算出し、
    前記負荷周波数特性の共振周波数に応じたノッチフィルタの設定パターンを複数算出し、
    複数の前記設定パターンから順次一の設定パターンを選択し、選択した設定パターンに応じたノッチフィルタの周波数特性を前記負荷周波数特性に加えて得られる制御対象周波数特性を用いて算出される速度閉ループまたは位置閉ループの周波数特性に基づいて前記速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数を算出し、その算出した速度応答周波数を、選択した設定パターンに関連づけ、
    設定パターン毎に算出された速度応答周波数のうち最大となる速度応答周波数を求め、該最大となる速度応答周波数に基づいて前記速度制御手段の制御パラメータを調整し、
    前記最大となる速度応答周波数に対応づけられた設定パターンに基づいて速度制御ループ内にノッチフィルタを付加する、
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  21. 速度指令とモータの検出速度が一致するよう第1のトルク指令を生成する速度制御手段と、
    前記第1のトルク指令もしくは前記第1のトルク指令を1つ以上のフィルタを通した結果である第2のトルク指令に応じて前記モータを駆動するトルク制御手段と、
    前記速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数を調整するパラメータ調整手段とを備え、
    前記パラメータ調整手段は、
    前記第1のトルク指令入力点もしくは前記第2のトルク指令入力点からモータ速度出力点までの周波数特性である負荷周波数特性を算出し、
    前記負荷周波数特性の共振周波数に応じたノッチフィルタの設定パターンを複数算出し、
    複数の前記設定パターンの中から順次一の設定パターンを選択しながら、選択された設定パターンに応じたノッチフィルタの周波数特性を前記負荷周波数特性に加えて算出される制御対象周波数特性と、前記制御対象周波数特性を用いて算出される速度閉ループまたは位置閉ループの周波数特性である閉ループ周波数特性とに基づいて速度応答周波数を算出し、
    設定パターン毎に、前記算出された速度応答周波数を、関連する設定パターンに対応づけ、
    各設定パターンに対して算出された速度応答周波数のうち最大となる速度応答周波数を求め、該最大となる速度応答周波数に基づいて前記速度制御手段の制御パラメータを調整し、
    前記最大となる速度応答周波数に対応づけられた設定パターンに基づいて速度制御ループ内にノッチフィルタを付加する、
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  22. 速度指令とモータの検出速度が一致するよう第1のトルク指令を生成する速度制御手段と、
    前記第1のトルク指令、もしくは前記第1のトルク指令を1つ以上のフィルタを通した結果である第2のトルク指令に応じて前記モータを駆動するトルク制御手段と、
    前記速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数を調整するパラメータ調整手段とを備え、
    前記パラメータ調整手段は、
    前記第1のトルク指令もしくは前記第2のトルク指令からモータ速度までの周波数特性である負荷周波数特性を算出し、
    前記負荷周波数特性の共振周波数に応じたノッチフィルタの設定パターンを複数算出し、
    複数の前記設定パターンの中から一の設定パターンを順次選択しながら、選択された設定パターンに応じたノッチフィルタの周波数特性を前記負荷周波数特性に加えて制御対象周波数特性を算出し、
    選択された設定パターン毎に、0以上の値である位相余裕α[deg]を用いて前記制御対象周波数特性の位相が−180+α[deg]以下になる周波数領域での最大ゲインに基づいて前記速度制御手段の制御パラメータである第1の速度応答周波数を算出し、
    選択された設定パターン毎に、前記第1の速度応答周波数以下の領域において、前記制御対象周波数特性を用いて算出される速度閉ループまたは位置閉ループの周波数特性である閉ループ周波数特性から、前記閉ループ周波数特性のゲインが負の所定値になる最も低い周波数をカットオフ周波数とする一次遅れ要素の周波数特性と、前記負荷周波数特性の反共振周波数および反共振周波数における深さに応じた周波数特性である反共振周波数特性とを減じ、
    選択された設定パターン毎に、前記減じられた閉ループ周波数特性のゲイン最大値が所定値以下となる速度応答周波数のうち最大となる速度応答周波数を前記速度制御手段の制御パラメータである第2の速度応答周波数として算出し、
    選択された設定パターン毎に、前記第2の速度応答周波数を、関連する設定パターンに対応づけ、
    設定パターン毎に算出された第2の速度応答周波数の中から最大の速度応答周波数を求め、該最大となる速度応答周波数に基づいて前記速度制御手段の制御パラメータを調整し、
    前記最大となる速度応答周波数に対応づけられた設定パターンに基づいて速度制御ループ内にノッチフィルタを付加することを特徴とするモータ制御装置。
  23. 負荷周波数特性のN個の反共振周波数をωz(n=1、2、…N)とし、粘性係数をdzn(n=1、2、…N)とするとき、前記反共振周波数特性は次式で表される伝達関数に基づく周波数特性である、
    ことを特徴とする請求項19または請求項22に記載のモータ制御装置。
    Figure 2005245051
  24. 速度指令とモータの検出速度が一致するよう第1のトルク指令を生成する速度制御手段と、
    前記第1のトルク指令に1次のローパスフィルタを含む1つ以上のフィルタ処理を行うフィルタ手段と、
    前記フィルタ手段の出力である第2のトルク指令に応じて前記モータを駆動するトルク制御手段と、
    前記1次のローパスフィルタの制御パラメータを調整するパラメータ調整手段とを備え、
    前記パラメータ調整手段は、検出速度の最小分解能分の変化に対する前記第2のトルク指令の変化が所定値以下となるような、前記フィルタ手段のローパスフィルタのカットオフ周波数を求め、その算出したカットオフ周波数に基づいて前記一次のローパスフィルタの制御パラメータを調整する、
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  25. 速度指令とモータの検出速度が一致するよう第1のトルク指令を生成する速度制御手段と、
    前記第1のトルク指令に1次のローパスフィルタを含む1つ以上のフィルタ処理を行うフィルタ手段と、
    前記フィルタ手段の出力である第2のトルク指令に応じて前記モータを駆動するトルク制御手段と、
    前記1次のローパスフィルタの制御パラメータを調整するパラメータ調整手段とを備え、
    前記パラメータ調整手段は、前記速度制御手段の制御パラメータである速度応答周波数の4倍以上の周波数を持ち、かつ検出速度の最小分解能分の変化に対する前記第2のトルク指令の変化が所定値以下となる、前記フィルタ部のローパスフィルタのカットオフ周波数を算出し、そのカットオフ周波数に基づいて前記一次のローパスフィルタの制御パラメータを調整する、
    ことを特徴とするモータ制御装置。
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