JP2003271246A - 速度制御装置 - Google Patents
速度制御装置Info
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Abstract
つ、2慣性共振系を制御対象とする制御系の応答性向上
の為には、制御対象の振動周波数を測定し、実機により
各種パラメータを調整設定してオブザーバを構成してい
く必要がある。 【解決手段】 速度制御装置において、制御対象を剛体
と想定した等価剛体モデル7を前段側に1次遅れ要素モ
デル8を後段側に配置して直列接続しかつ1次遅れ要素
モデル8への入力を速度フィードバック信号として出力
するオブザーバ対象器8と、制御対象の速度を1次遅れ
要素モデル8の出力で減算する減算器13と、その減算
値を入力とするオブザーバ補償器9と、オブザーバ補償
器9の出力とPI制御器2の出力とを加算し、加算値を
等価剛体モデル7への入力とする加算器14とにより構
成されるオブザーバ6を備えている。
Description
いは制御対象に1次遅れ要素が存在し、特に制御対象が
2慣性系であるシステムの速度フィードバック制御装置
に関する。
ータおよび力伝達機構は小型になる傾向がある。その
為、駆動機械の剛性が低くなり機械共振問題が顕在化し
てきている。一方、高精度化、高速度化の要求も高くな
ってきており、上記問題を解決しつつ制御性能をアップ
していくことが重要な課題となっている。一般的に、モ
ータのサーボ制御系には、電流ループの遅れ要素と、ノ
イズなどを除去するための一次フィルタの遅れ要素が必
ず存在する。このような普通のフィードバック制御系の
ブロック線図を示したものが図7である。図7におい
て、2はPI制御器、3は1次遅れ要素、4は2慣性共
振系の制御対象を伝達関数で示したものである。このよ
うな2慣性共振系の制御系は、共振周波数以上の領域で
はゲインが高くなっており、また高周波数領域での位相
遅れの為、ゲインを高くすることができず十分な応答特
性が得られない。この為、位相遅れに対する補償制御が
必要になってくる。速度制御装置のゲインを上げるため
の従来例として、図8に示すような振動抑制方法(特開
平9−056183)がある。図8において、7は2慣
性共振系の等価剛体モデル、11は機械振動検出装置、
12は比例演算手段、23はハイパスフィルタ、24は
位相調整器、25は振幅調整器である。機械振動検出装
置11は、2慣性共振系の制御対象4へ入力されるトル
クとモータ速度を入力としてオブザーバを構成し、機械
の振動信号を推定する。この機械振動の推定信号を位相
調整器24と振幅調整器25とを通過させて得た補償信
号Wは、1次遅れ要素3の出力Te中の振動成分と位相
が相反、振幅が同じになるため、振動成分を打ち消すこ
とができる。このように振動成分の位相遅れを補償する
ことで速度制御装置のゲインを上げることを可能として
いる。
の方法では、振動周波数に合わせてハイパスフィルタ2
3と位相調整器24とを設定するため、狭い周波数範囲
内しか補償できないという課題があり、また振動周波数
を正確に測定し、補償信号Wとトルク指令Te中の振動
成分との位相関係を見ながらの各調整が必要である為、
その調整に時間を要し、汎用性もない等の課題があっ
た。そこで本発明は、速度制御装置あるいは制御対象に
1次遅れ要素が存在し、制御対象が2慣性共振系である
制御システムに対し、機械の振動周波数を測定すること
なく、かつ広い周波数範囲内において位相遅れを補償で
きる、汎用性も備える、制御器のゲインを高く設定でき
る、制御対象の速度を速度指令に精度よく追従させる速
度制御装置の提供を目的とするものである。
請求項1記載の発明では、速度指令を速度フィードバッ
ク信号で減算して速度偏差を得る第1の減算器と、制御
器あるいは制御対象に存在する1次遅れ要素と、前記速
度偏差を入力とし出力を前記1次遅れ要素への入力とす
るPI制御器とを備え、前記制御対象の速度を前記速度
指令に追従させるフィードバック制御を行う速度制御装
置において、前記制御対象につきこれを剛体と想定した
等価剛体モデルを前段側に、前記1次遅れ要素を模した
一次遅れ要素モデルを後段側に配置して直列接続し、か
つ前記1次遅れ要素モデルへの入力を前記第1の減算器
への速度フィードバック信号として出力するオブザーバ
対象器と、前記制御対象の速度を前記1次遅れ要素モデ
ルの出力で減算する第2の減算器と、前記第2の減算器
の出力を入力とするオブザーバ補償器と、前記オブザー
バ補償器の第1の出力と前記PI制御器の出力とを加算
し、加算値を前記等価剛体モデルへの入力とする第1の
加算器とにより構成されるオブザーバを備えたことを特
徴としている。また請求項2記載の発明では、請求項1
記載の発明において、前記オブザーバ補償器は第2の出
力を備え、前記等価剛体モデルと前記1次遅れ要素モデ
ルとの間に、前記オブザーバ補償器の第2の出力と前記
等価剛体モデルの出力を加算し、加算値を前記1次遅れ
要素モデルへの入力とする第2の加算器を備えたことを
特徴としている。また請求項3記載の発明では、請求項
1または請求項2記載の発明において、前記PI制御器
2の出力と前記第1の加算器の入力との間にゲイン設定
器を備えたことを特徴としている。
をもとに説明する。図1は本発明の第1の実施例である
速度制御装置の構成ブロック線図を示したものである。
図1において、1と13は減算器、2はPI制御器、3
は1次遅れ要素、4は2慣性共振系の制御対象を伝達関
数で示したもの、6はオブザーバ、7は2慣性共振系を
剛体と想定した等価剛体モデル、8は1次遅れ要素3を
模した1次遅れ要素モデル、9はオブザーバ補償器、1
0はオブザーバ対象器、14と15は加算器である。一
般的に、機械系の共振周波数と反共振周波数を正確に知
ることは困難であるが、機械系の全体のイナーシャを知
ることは容易である。ここでは、2慣性共振系の制御対
象4の全体イナーシャと同じイナーシャを持つ剛体系を
2慣性共振系の等価剛体モデル7とし、そして2慣性共
振系の等価剛体モデル7を前段に配置し1次遅れ要素モ
デル8を後段に配置して直列接続するシステムをオブザ
ーバ対象器10とする。オブザーバ6はPI制御器2の
出力Trと制御対象4の速度Vmとを入力とし、オブザ
ーバ6が推定した速度予測値Vf(1次遅れ要素モデル
8への入力でもある)を速度フィードバック信号とす
る。
ドバック信号Vfを減じた速度偏差をPI制御器2に入
力し、PI制御器2の出力Trは、1次遅れ要素3を通
して2慣性共振系の制御対象4を駆動し、他方では、オ
ブザーバ6に入力されている。2慣性共振系の制御対象
4の速度Vmからオブザーバ対象器10の出力Voを減
じたオブザーバ偏差をオブザーバの補償器9に入力し、
オブザーバの補償器9の出力をPI制御器2の出力Tr
に加え、オブザーバ対象器10に入力するように、オブ
ザーバ6を構成する。1次遅れ要素モデル8の入力でも
あるオブザーバ6が推定した速度予測値を速度フィート
バック信号Vfとする。以下、フィードバック制御系の
安定性および入出力特性について説明する。まず、制御
系の安定性について説明する。フィードバック制御系の
安定性は開ループ系の周波数特性によって決まるため、
減算器1のところで速度フィードバック信号Vfを切断
し、開ループ系の伝達関数を求める。2慣性共振系の制
御対象4の伝達関数を
ナーシャ、ωrは共振角周波数、ωaは反共振角周波
数、ζrは共振粘性係数、ζaは反共振粘性係数であ
る。そして、1次遅れ要素3の伝達関数を
る。また、制御系の開ループにおいて、PI制御器2の
出力Trからフィードバック信号Vfまでの伝達関数を
P’(s)と定義すると、
ては、(式2)より、
よびローパスフィルタL(s)の遮断周波数)の高周波
数領域において、式(5)、式(6)より
(s)の周波数特性は低周波数領域と高周波数領域におい
ては1次遅れ要素がない剛体系の周波数特性と同じとな
り、位相は90°遅れとなる。一方、PI制御器2の伝
達関数は、
遅れ量は90°から0゜へと近づいていくことになる。
従って制御系の一巡伝達関数G'0(s)では、 G'0(s)=C(s)・P'(s) …(式13) (式13)より、位相遅れ量が全周波数領域で180°
以下になるので、ナイキスト安定判別法により、PI制
御器2のKvがどんなに大きくても、閉ループ系が安定
である。
る。図1より、閉ループ系の入出力伝達関数は
ので、入出力特性を考察するとき、低周波数領域の特性
のみを考察すればよい。ω≪min[ωc、1/Tf]の
低周波数領域では、(式3)、(式5)および(式6)
より,
と、
ことが可能となる。
果について、シミュレーションしたので説明する。2慣
性共振系の制御対象4および1次遅れ要素3のパラメー
タをωr=2π×80,ωa=2π×50,ζr=0.
1,Tf=2msとする。そして、オブザーバループの
特性方程式が三重根ωo=2π×300を持つようにオ
ブザーバ補償器9のパラメータを、
示したものとなる。また、PI制御器2のパラメータを
Ti=2ms,Kv=2π×1000Jとすると、一巡
伝達関数のボード線図は図4に示したものとなる。ただ
し、図3および図4中において、破線はオブザーバがな
い通常の制御系(図7に示したもの)に対応するもの
で、 P(s)=F(s)・P2(s),G0(s)=C(s)・P(s)…(式 20) である。図3および図4より、オブザーバ6を組み込む
ことにより、開ループ系の位相が進み補償され、一巡伝
達関数の位相遅れ量が常に180゜以下になるため、K
vをどんなに大きく上げても、フィードバック制御系は
安定である。一方、オブザーバ6がない場合では、一巡
伝達関数のゲイン曲線が0db線と交わるとき位相遅れ
量がすでに180°を超えているため、フィードバック
制御系は不安定となる。オブザーバ6がある場合にKv
=2π×2000Jとし、オブザーバがない場合にKv
=2π×100Jとすると、フィードバック制御系の入
出力特性は図5に示したものとなる。ただし、図5にお
いて、破線はオブザーバがない通常の制御系(図7に示
したもの)に対応するもので、
オブザーバ6がある場合はオブザーバ6がない場合と較
べ、入出力伝達関数の周波数特性が1に近いので、制御
対象の速度を速度指令に精度良く追従させることのでき
ることが分かる。なお、入出力伝達関数の遅れが少ない
ので、このような速度ループをマイナーループとする位
置制御を行う場合には、位置制御ゲインも大きく上げら
れ、モータ位置を位置指令に精度良く追従することがで
きる。
て説明する。図2は本発明の第2の実施例の構成ブロッ
ク線図である。前記第1の実施例と異なる点は、オブザ
ーバ6に入力するPI制御器2の出力TrにゲインKJ
を乗じてオブザーバ6に入力している点にある。図2に
示す第2の実施例におけるP'(s)の伝達関数は、
が進みであるため、KJを1以上に設定すると、準制御
対象の伝達関数の位相は一層進みになる。図6は、KJ
=1およびKJ=2の場合のP'(s)の伝達関数のボ
ード線図である。KJ=1とすると本実施の第1の実施
例と同じものとなる。図6より、KJを大きくすること
により、P'(s)の伝達関数の位相が進みになり、制
御系の安定性が良くなる。また前記第1、第2の実施例
において、オブザーバ補償器9のk1について、 k1=0 とすれば請求項1記載の発明となるが、位相遅れが補償
され、制御対象の速度が速度指令に精度良く追従する原
理は、この場合も上記に説明してきたとおりである。
装置あるいは制御対象に1次遅れ要素が存在し、制御対
象が2慣性共振系である制御システムに対しても、機械
の振動周波数を測定することなくかつ広い周波数範囲内
において位相遅れを補償でき、汎用性も備え、制御器の
ゲインを高く設定できる速度制御装置を構成でき、制御
対象の速度を速度指令に精度よく追従させることができ
るという効果がある。
構成ブロック線図
構成ブロック線図
達関数のボード線図
ボード線図
伝達関数のボード線図
達関数のボード線図
図
Claims (3)
- 【請求項1】速度指令を速度フィードバック信号で減算
して速度偏差を得る第1の減算器と、 制御器あるいは制御対象に存在する1次遅れ要素と、 前記速度偏差を入力とし出力を前記1次遅れ要素への入
力とするPI制御器とを備え、 前記制御対象の速度を前記速度指令に追従させるフィー
ドバック制御を行う速度制御装置において、 前記制御対象につきこれを剛体と想定した等価剛体モデ
ルを前段側に、前記1次遅れ要素を模した一次遅れ要素
モデルを後段側に配置して直列接続し、かつ前記1次遅
れ要素モデルへの入力を前記第1の減算器への速度フィ
ードバック信号として出力するオブザーバ対象器と、前
記制御対象の速度を前記1次遅れ要素モデルの出力で減
算する第2の減算器と、 前記第2の減算器の出力を入力とするオブザーバ補償器
と、 前記オブザーバ補償器の第1の出力と前記PI制御器の
出力とを加算し、加算値を前記等価剛体モデルへの入力
とする第1の加算器とにより構成されるオブザーバを備
えたことを特徴とする速度制御装置。 - 【請求項2】前記オブザーバ補償器は第2の出力を備
え、 前記等価剛体モデルと前記1次遅れ要素モデルとの間
に、前記オブザーバ補償器の第2の出力と前記等価剛体
モデルの出力を加算し、加算値を前記1次遅れ要素モデ
ルへの入力とする第2の加算器を備えたことを特徴とす
る請求項1記載の速度制御装置。 - 【請求項3】前記PI制御器2の出力と前記第1の加算
器の入力との間にゲイン設定器を備えたことを特徴とす
る請求項1または請求項2記載の速度制御装置。
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- 2002-03-19 JP JP2002075804A patent/JP3856215B2/ja not_active Expired - Fee Related
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