JP2005243700A - 粘着シート貼付け方法およびこれを用いた装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 半導体ウエハに貼付けられた粘着シートが貼付け時に蓄積された応力によって収縮し、後に薄型化加工された半導体ウエハに反りや歪が発生することを軽減する。
【解決手段】 紫外線硬化型の粘着シートを半導体ウエハの表面に貼付けた後、半導体ウエハの裏面加工前に粘着シートに紫外線を照射し、粘着剤を仮硬化させる。粘着剤の仮硬化により粘着剤自体の収縮による応力が減少し、半導体ウエハに剛性を持たせることができるので、薄型加工された半導体ウエハに反りや歪が発生するのを軽減することができる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、バックグラインド処理前の半導体ウエハに表面保護用の粘着シートを貼付ける場合に利用する粘着シート貼付け方法とこれを用いた装置に関する。
半導体ウエハ(以下、単にウエハ略称する)を薄型加工する手段として、研削や研磨などの機械的方法、またはエッチングを利用した化学的方法などを利用してウエハの裏面を加工してその厚みを薄くしている。また、これらの方法を利用してウエハを加工する際、配線パターンの形成されたウエハ表面を保護するために、その表面に保護シートが貼り付けられる。
つまり、バックグラインド工程に移載されたウエハは、その表面(パターン面)をチャックテーブルで吸着保持され、その裏面が砥石で研削される。このとき、ウエハの表面には研削によるストレスが加わりパターンが破損したしり、汚れたりする恐れがあるので、その表面に保護シートを貼り付けている。この保護シートは、ロール巻きされた帯状の粘着シートをウエハ表面に供給するとともに、貼付けローラをウエハ表面に沿って転動移動させることで、粘着シートをウエハ表面にその一端から順次に貼付けてゆき、その後、ウエハ外形に沿って粘着シートが切断される(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−217320号公報
上記のように貼付けローラを転動移動させて、ウエハの表面に粘着シートを貼り付けると、貼付けローラによる押圧力によって粘着シートは僅かに伸ばされながらウエハ表面に貼付けられることになり、粘着シートには収縮する応力が蓄積された状態になる。この場合、バックグラインド処理される前の厚いウエハは粘着シートの収縮方向への応力に対抗し得る剛性を備えているが、バックグラインド処理により薄型化されて剛性が低下すると、粘着シートの収縮方向への応力に抗しきれなくなって反りや歪みが発生する。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、貼付けられた粘着シートの収縮方向への応力がウエハに及ぶことを軽減することができる粘着シート貼付け方法およびこれを用いた装置を提供することを主たる目的としている。
第1の発明は、貼付けローラを介して半導体ウエハに粘着シートを貼り付ける粘着シート貼付け方法において、
紫外線硬化型の粘着シートを半導体ウエハの面上に貼付けた後であって前記半導体ウエハの裏面加工前に、当該粘着シートに紫外線を照射して粘着剤を硬化させることを特徴とする。
(作用・効果)この方法によると、ウエハに貼り付けられた粘着シートに収縮する応力が蓄積されていても、粘着剤の硬化処理によって粘着シートの収縮が抑制される。すなわち、ウエハが薄型化加工されてその剛性が低下しても、粘着シートの収縮変形に起因する反りや歪みがウエハに発生することを軽減することができる。
第2の発明は、第1の発明において、
貼付けた粘着シートの半導体ウエハ周縁部に相当する箇所に紫外線を照射して粘着剤を硬化させることを特徴とする。
(作用・効果) この方法によると、貼付けられた粘着シートの中央側部位での収縮変形が発生可能であるが、周縁部の粘着剤が硬化されることで粘着シート全体の収縮変形が阻止されることになる。したがって、反りや歪みがウエハに発生することを抑制することができる。また、ウエハ周縁部を除く中央の大部分において、粘着剤を未硬化にして粘着性を維持しておくことができるので、粘着シートが強力にウエハに接着される。その結果、ウエハ周縁部での接着力が低下しても粘着シート全体のウエハへの接着状態は確保され、ウエハ表面の保護機能は十分に発揮される。
第3の発明は、第1の発明において、
貼付けた粘着シートの半導体ウエハ周縁部を除く中央側に相当する箇所に紫外線を照射して粘着剤を硬化させることを特徴とする。
(作用・効果)この方法によると、貼付けられた粘着シートの周縁部では収縮変形が発生可能であるが、中央側の大部分の粘着剤が硬化されることで粘着シート全体の収縮変形が阻止されることになる。したがって、反りや歪みがウエハに発生することを抑制することができる。また、ウエハ周縁部においては粘着シートの粘着剤を未硬化にして粘着性を維持しておくことができるので、粘着シートが強力にウエハに接着される。その結果、中央側での接着力が低下しても粘着シート全体のウエハへの接着状態は確保され、ウエハ表面の保護機能は十分に発揮される。さらに、周縁部分のウエハへの接着状態を確保することにより、ウエハ研削時に周縁部の粘着シートの剥離が抑制されて水などの浸入を防ぐのに有効となる。
なお、ウエハに貼付けた粘着シートの粘着剤の硬化としては、粘着剤を完全に硬化させる本硬化(第4の発明)であってもよいし、粘着性を残した仮硬化(第5の発明)であってもよい。ウエハへの接着状態を十分に確保する場合、粘着剤を仮硬化させる方が好適である。
第6の発明は、貼付けローラを介して半導体ウエハに粘着シートを貼り付ける粘着シート貼付け装置において、
前記半導体ウエハを載置保持する保持手段と、
半導体ウエハ上に供給された帯状の粘着シートに貼付けローラを押圧転動させて半導体ウエハに粘着シートを貼付けてゆく貼付け手段と、
前記貼付け手段によって貼付けられた帯状の粘着シートを半導体ウエハの外形に沿って切断するシート切断機構と、
切断処理後に不要粘着シートを剥離する剥離手段と、
半導体ウエハの面上に貼り付けられ粘着シートに紫外線を照射する紫外線照射機構と、
前記半導体ウエハの面上に照射する紫外線の領域を調節する照射領域調節手段と、
を備えたことを特徴とする。
(作用・効果)この構成によると、保持手段に載置保持されたウエハ上に帯状の粘着シートが供給され、この粘着シートに貼付けローラを押圧転動させながら粘着シートがウエハに貼付けられてゆく。ウエハに貼付けられた帯状の粘着シートは、ウエハの外形に沿って切断され、その表面に紫外線が照射されて粘着剤の硬化処理が行なわれる。このとき、照射領域調節手段により粘着シートへの紫外線の照射領域が調節され、所定の箇所に紫外線が照射されるようになる。したがって、第1から第5までの発明方法を好適に実現することができる。
第7の発明は、貼付けローラを介して半導体ウエハに粘着シートを貼り付ける粘着シート貼付け装置において、
前記半導体ウエハを載置保持する保持手段と、
前記半導体ウエハ上に供給された略ウエハ形状の粘着シートをナイフエッジで剥離するとともに、貼付けローラを押圧転動させて半導体ウエハに粘着シートを貼付けてゆく貼付け手段と、
半導体ウエハの面上に貼り付けられた粘着シートに紫外線を照射する紫外線照射機構と、
前記半導体ウエハの面上に照射する紫外線の領域を調節する照射領域調節手段と、
を備えたことを特徴とする。
(作用・効果)この構成によると、保持手段に載置保持されたウエハに略ウエハ形状の粘着シートが貼り付けられ、その表面に紫外線照射機構により紫外線が照射される。このとき、照射領域調節手段により粘着シートへの紫外線の照射領域が調節され、所定の箇所に紫外線が照射されるようになる。したがって、第1から第5までの発明方法を好適に実現することができる。
この発明に係る粘着シート貼付け方法およびこれを用いた装置によれば、半導体ウエハの表面に紫外線硬化型の粘着シートを貼付けた後であって、研削による半導体ウエハの薄型加工が施される前に粘着シートに紫外線を照射して粘着剤に硬化処理を施す。粘着剤が硬化することにより、粘着シートの収縮が抑制されて半導体ウエハに剛性をもたせることができる。したがって、半導体ウエハが薄型化加工されてウエハ自体の剛性が低下しても、粘着シートの収縮変形に起因する反りや歪みが半導体ウエハに発生することを軽減することができる。すなわち、反りや歪などが発生しない半導体ウエハを供給することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、粘着シート貼付け装置の全体構成を示す斜視図、図2はその要部を示す正面図である。
本実施例の粘着シート貼付け装置は、ワークとしての半導体ウエハW(以下、単に「ウエハ」という)を収納したカセットC1およびC2が装填されるウエハ供給/回収部1、ロボットアーム2を備えたウエハ搬送機構3、アライメントステージ4、ウエハWを載置して吸着保持するチャックテーブル5、ウエハWに向けて帯状の表面保護用の粘着シートTを供給するシート供給部6、シート供給部6から供給されたセパレータ付きの粘着シートTからセパレータsを剥離回収するセパレータ回収部7、チャックテーブル5に載置されて吸着保持されたウエハWに粘着シートTを貼付ける貼付けユニット8、ウエハWに貼付けられた粘着シートTをウエハWの外形に沿って切り抜き切断するシート切断機構9、ウエハWに貼付けて切断処理した後の不要シートT’を剥離する剥離ユニット10、剥離ユニット10で剥離された不要シートT’を巻き取り回収するシート回収部11、および、ウエハWに貼付けられた粘着シートTに紫外線照射を行う紫外線照射機構12などが備えられている。
なお、チャックテーブル4は、本発明の保持手段に、貼付けユニット8は貼付け手段に、剥離ユニット10は剥離手段にそれぞれ相当する。
以下、各機構について具体的に説明する。
ウエハ供給/回収部1には2台のカセットC1およびC2を並列して装填可能であり、各カセットC1,C2には、配線パターン面を上向きにした多数枚のウエハWが多段に水平姿勢で差込み収納されている。
ウエハ搬送機構3に備えられたロボットアーム2は、水平に進退移動可能に構成されるとともに、全体が駆動旋回および昇降可能となっている。そして、ロボットアーム2の先端には、馬蹄形をした真空吸着式のウエハ保持部2aが備えられており、カセットC1に多段に収納されたウエハW同士の間隙にウエハ保持部2aを差し入れてウエハWを裏面から吸着保持し、吸着保持したウエハWをカセットC1から引き出して、アライメントステージ4、チャックテーブル5、紫外線照射機構12および、ウエハ供給/回収部1の順に搬送するようになっている。
アライメントステージ4は、ウエハ搬送機構3によって搬入載置されたウエハWを、その外周に形成されたオリエンテーションフラットやノッチなどに基づいて位置合わせを行うようになっている。
チャックテーブル5は、図3に示すように、ウエハ搬送機構3から移載されたウエハWを所定の位置合わせ姿勢でウエハ載置面Sに載置するとともに、そのウエハ載置面Sに環状に形成された微少幅の吸着溝13を介して真空吸着するようになっている。また、このチャックテーブル5の上面には、後述するシート切断機構9のカッタ刃14をウエハWの外形に沿って旋回移動させて粘着シートを切断するためにカッタ走行溝15が形成されるとともに、テーブルにはウエハWの搬入搬出時にウエハWをテーブル上面から浮上させて支持する吸着パッド16が昇降自在に配備されている。
また、チャックテーブル5は、図4に示すように、ヒータ17を内装したテーブル基台18にテーブル本体19および周枠部20とを面一状態に連結して構成されている。具体的には、テーブル本体19におけるウエハ載置面Sの外側箇所に一段低く形成された段差部19aに中抜き形状の周枠部20が嵌合配備されて、ウエハ載置面Sの外周と周枠部20の内周との間にカッタ走行溝15が形成されている。
ここで、テーブル本体19は、その段差部19aにおいて基台18にボルト21を介して連結することで、ボルト装着用の座ぐりがテーブル本体19のウエハ載置面Sに表れないようにし、シート貼付けのための押圧力を受けるウエハWが座ぐりなどの凹部に落ち込み変形してその部位での接着が低下することが未然に回避されている。
また、テーブル本体19の中央に配備された吸着パッド16は、テーブル基台18の下部に連結されるエアーシリンダ22のピストン部22aに連結されて駆動昇降されるとともに、エアーシリンダ22をテーブル基台18に取り付けるボルト23を調節してエアーシリンダ22の高さを調節することで、ピストン部22aが下限に到達したときの吸着パッド16の上面がテーブル本体19におけるウエハ載置面Sと正しく面一になるように調節設定されている。したがって、粘着シート貼付け時にウエハWがテーブル中央部位で落ち込み変形することを阻止し、ウエハ全面で均一なシート貼付けが行われるようにしている。
図1および図2に戻って、シート供給部6は、ボビン26から繰り出されたセパレータ付きの粘着シートTをガイドローラ27群に巻回案内し、セパレータsを剥離した粘着シートTを貼付けユニット8に導くよう構成されており、ボビン26に適度の回転抵抗を与えて過剰なシート繰り出しが行われないように構成されている。
セパレータ回収部7は、粘着シートTから剥離されたセパレータsを巻き取る回収ボビン28が巻き取り方向に回転駆動されるようになっている。
貼付けユニット8には、図5に示すように、エアーシリンダ29で昇降される貼付けローラ30が水平片持ち状に備えられており、ユニット全体が案内レール31に沿って水平移動可能に案内支持されるとともに、モータ32で正逆転駆動されるネジ軸33によって左右水平に往復ネジ送り駆動されるようになっている。
剥離ユニット10には剥離ローラ34が水平片持ち状に備えられており、ユニット全体が案内レール31に沿って水平移動可能に案内支持されるとともに、モータ35で正逆転駆動されるネジ軸36によって左右水平に往復ネジ送り駆動されるようになっている。
シート回収部11は、不要シートT’を巻き取る回収ボビン37が巻き取り方向に回転駆動されるようになっている。
図1および図2に戻って、シート切断機構9は、駆動昇降可能な可動台38に、チャックテーブル5の中心上に位置する縦軸心X周りに駆動回転可能な支持アーム39が備えられるとともに、この支持アーム39の遊端側に備えたカッタユニット40に、刃先を下向きにしたカッタ刃14が装着された構造となっている。
図6に示すように、紫外線照射機構12は、その側面に上下に開閉自在なシャッター50を備えた処理チャンバー41の内部に、昇降自在な吸着パッド42を備えたウエハ載置テーブル43と紫外線照射ランプ44とが装備された構造となっている。
次に、上記実施例装置を用いて表面保護用の粘着シートTをウエハWの表面に貼付けるための一連の基本動作を図7の概略フローチャート、および、図8〜図11を参照しながら説明する。
貼付け指令が出されると、先ず、ウエハ搬送機構3におけるロボットアーム2がカセット台に載置装填されたカセットC1に向けて移動され、ウエハ保持部2aがカセットC1に収容されているウエハ同士の隙間に挿入され、ウエハ保持部2aでウエハWを裏面(下面)から吸着保持して搬出し、取り出したウエハWをアライメントステージ4に移載する。
アライメントステージ4に載置されたウエハWは、オリエンテーションフラットやノッチを利用して位置合わせされ、位置合わせのすんだウエハWは再びロボットアーム2によって搬出されてチャックテーブル5上に突出している吸着パッド16に移載される。その後、吸着パッド16が下降することでウエハWがチャックテーブル5のウエハ載置面Sに載置される。この場合、下限まで下降した吸着パッド16の上面がウエハ載置面Sと面一となっているのでウエハWは吸着パッド16の上面にも載置支持されることになる。
チャックテーブル5に載置されたウエハWは、その中心がチャックテーブル5の中心上にあるように位置合わせされた状態で吸着溝13に与えられた負圧によって吸着保持される。この時、図8に示すように、貼付けユニット8と剥離ユニット10は左側の初期位置に、また、シート切断機構9のカッタ刃14は上方の初期位置でそれぞれ待機している。
次に、図8中の仮想線で示すように、貼付けユニット8の貼付けローラ30が下降されるとともに、この貼付けローラ30で粘着シートTを下方に押圧しながらウエハW上をシート走行方向と逆方向(図では左から右方向)に転動し、これによって図9に示すように、粘着シートTがウエハWの表面に貼付けられる。
図9に示すように貼付けユニット8が終端位置に達すると、図10に示すように、上方に待機していたカッタ刃14が下降されて、チャックテーブル5のカッタ走行溝15において粘着シートTに突き刺さり貫通される。
カッタ刃14が所定の切断高さ位置まで下降されて停止すると、支持アーム39が所定の方向に回転され、これに伴ってカッタ刃14が縦軸心X周りに旋回移動して、粘着シートTがウエハ外形に沿って切断される。
ウエハWの外形に沿ったシート切断が終了すると、図11に示すように、カッタ刃14は元の待機位置まで上昇され、次いで、剥離ユニット10がウエハWをシート走行方向と逆方向へ移動しながらウエハW上で切り抜き切断されて残った不要シートT’を巻き上げ剥離する。
剥離ユニット10が剥離作業の終了位置に達すると、剥離ユニット10と貼付けユニット8とがシート走行方向に移動して初期位置に復帰する。この時、不要シートT’が回収ボビン37に巻き取られるとともに、一定量の粘着シートTがシート供給部6から繰り出される。
シート貼付け作動が終了すると、吸着溝13の負圧が解除されるとともに吸着パッド16が上昇作動して処理済みのウエハW'はテーブル上方に浮上された後、ロボットアーム2のウエハ保持部2aに移載されてシャッター50から紫外線照射機構12に搬入され、ウエハ載置テーブル43の上に所定の位置姿勢で載置保持される。
紫外線照射機構12においては、処理チャンバー41のシャッター50を閉止した状態で、ウエハ表面に貼付けられた粘着シートTの全面に紫外線照射が施されて粘着剤が適度の粘着性を残して仮硬化される。この場合の紫外線照量は、貼付け工程において粘着シートに蓄積残留した収縮方向への応力によって粘着シートが収縮変形し難くなり、かつ、適度の接着力が残っている程度に粘着シートTを仮硬化させる量に設定してあり、本実施例の場合は、例えば、1〜100mj程度の量でよい。
紫外線照射処理が完了すると、処理チャンバー41のシャッター50が開放され、ロボットアーム2のウエハ保持部2aに移載されてウエハ供給/回収部1のカセットC2に差込み回収される。
以上で1回のシート貼付け処理が完了し、以後、上記作動を順次繰返してゆく。
上述のように、粘着シートTの貼付けによって表面が保護されたウエハWはカセットC2に収容されてバックグラインド工程に移される。この場合、バックグラインド加工よって薄くなったウエハWは加工前に比べて剛性が低下することになるが、貼付けられた粘着シートTは、紫外線照射による粘着剤の仮硬化処理によって収縮しにくくなっているので、ウエハWに反りや歪みが発生することが抑制される。
また、バックグラインド処理されたウエハWは各種工程を経て素子ごとに切断されて分離されることになるが、これに先立って粘着シートTに十分な量の紫外線照射が施されて本硬化処理がなされて接着力が十分に低下され、粘着シートTからの素子の剥離が容易化される。
また、粘着剤を仮硬化処理して粘着性を残した状態にしておくことで、粘着シートTをウエハWの全面にわたって強力に接着させておくことができる。したがって、ウエハWに研削加工処理を行う際に、ウエハWの周縁側の粘着シートTが剥離して水などが浸入するのを抑制することができる。
本発明は上述した実施例のものに限らず、次のように変形実施することもできる。
(1)図12(a)に示すように、ウエハ載置テーブル43に載置保持されたウエハWの上方に、ウエハ径より小径のマスク45を配備して紫外線照射を行ったり、あるいは、ウエハ外周縁に沿って紫外線照射ノズルを走行させたりして、図12(b)示すように、貼付けた粘着シートTのウエハ周縁部に相当する箇所Aにのみに紫外線を照射して仮硬化させるように構成してもよい。
このように構成することで、貼付けられた粘着シートTの中央側部位での収縮変形が発生可能であるが、周縁部の粘着剤が硬化されることで粘着シート全体の収縮変形が阻止されることになる。したがって、粘着シートTに蓄積された応力でウエハWが反ったり歪んだりすることを抑制することができる。
なお、マスク45は、本発明の照射領域調節手段に相当する。また、紫外線照射ノズルを利用した場合、紫外線照射ノズルの位置、照射角度、および駆動機構を含む構成が、本発明の照射領域調節手段に相当する。
(2)図13(a)に示すように、ウエハ載置テーブル43に載置保持されたウエハWの上方に、ウエハ外形より小さい透孔を備えたマスクを配備して紫外線照射を行って、図13(b)に示すように、貼付けた粘着シートTのウエハ周縁部を除く中央側に相当する箇所Aにのみ紫外線を照射して仮硬化させるように構成してもよい。
このように構成することで、粘着シートTに蓄積された応力でウエハWが反ったり歪んだりすることを抑制することができる。
(3)上述の実施例、変形例(1)および(2)では、粘着シートTの粘着剤に粘着性を残した仮硬化させるように紫外線の照射量を調節していたが、粘着剤が完全に硬化する本硬化処理を施してもよい。本硬化処理を施しても上述と同様の効果を奏する。
(4)上述の実施例では帯状の粘着シートTをウエハWに貼付けて切断処理を行っていたが、略ウエハ形状に予め切断されたラベル状の粘着シートを利用しもよい。この場合、帯状のセパレータに連続して貼付けられている粘着シートTをナイフエッジで剥離すると同時に、その剥離した端部から貼付けローラで押圧しながらウエハWに粘着シートTを貼付けてゆく。
粘着シート貼付け装置の全体を示す斜視図である。 粘着シート貼付け装置の要部を示す正面図である。 チャックテーブルの平面図である。 チャックテーブルの縦断面図である。 貼付けユニットおよび剥離ユニットの駆動構造を示す正面図である。 紫外線照射機構の縦断正面図である。 シート貼付け工程を示すフローチャートである。 シート貼付け動作を示す概略正面図である。 シート貼付け動作を示す概略正面図である。 シート貼付け動作を示す概略正面図である。 シート貼付け動作を示す概略正面図である。 変形例における紫外線照射機構の縦断正面図(a)と紫外線照射領域を示す平面図(b)である。 変形例における紫外線照射機構の縦断正面図(a)と紫外線照射領域を示す平面図(b)である。
符号の説明
5 … チャックテーブル
9 … シート切断機構
12 … 紫外線照射機構
45 … マスク
30 … 貼付けローラ
W … 半導体ウエハ
T … 粘着シート

Claims (7)

  1. 貼付けローラを介して半導体ウエハに粘着シートを貼り付ける粘着シート貼付け方法において、
    紫外線硬化型の粘着シートを半導体ウエハの面上に貼付けた後であって前記半導体ウエハの裏面加工前に、当該粘着シートに紫外線を照射して粘着剤を硬化させることを特徴とする粘着シート貼付け方法。
  2. 請求項1に記載の粘着シート貼付け方法において、
    貼付けた粘着シートの半導体ウエハ周縁部に相当する箇所に紫外線を照射して粘着剤を硬化させることを特徴とする粘着シート貼付け方法。
  3. 請求項1に記載の粘着シート貼付け方法において、
    貼付けた粘着シートの半導体ウエハ周縁部を除く中央側に相当する箇所に紫外線を照射して粘着剤を硬化させることを特徴とする粘着シート貼付け方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の粘着シート貼付け方法において、
    前記粘着剤の硬化は、粘着剤が完全に硬化する本硬化であることを特徴とする粘着シート貼付け方法。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の粘着シート貼付け方法において、
    前記粘着剤の硬化は、粘着剤の粘着性を残した仮硬化であることを特徴とする粘着シート貼付け方法。
  6. 貼付けローラを介して半導体ウエハに粘着シートを貼り付ける粘着シート貼付け装置において、
    前記半導体ウエハを載置保持する保持手段と、
    半導体ウエハ上に供給された帯状の粘着シートに貼付けローラを押圧転動させて半導体ウエハに粘着シートを貼付けてゆく貼付け手段と、
    前記貼付け手段によって貼付けられた帯状の粘着シートを半導体ウエハの外形に沿って切断するシート切断機構と、
    切断処理後に不要粘着シートを剥離する剥離手段と、
    半導体ウエハの面上に貼り付けられ粘着シートに紫外線を照射する紫外線照射機構と、
    前記半導体ウエハの面上に照射する紫外線の領域を調節する照射領域調節手段と、
    を備えたことを特徴とする粘着シート貼付け装置。
  7. 貼付けローラを介して半導体ウエハに粘着シートを貼り付ける粘着シート貼付け装置において、
    前記半導体ウエハを載置保持する保持手段と、
    前記半導体ウエハ上に供給された略ウエハ形状の粘着シートをナイフエッジで剥離するとともに、貼付けローラを押圧転動させて半導体ウエハに粘着シートを貼付けてゆく貼付け手段と、
    半導体ウエハの面上に貼り付けられた粘着シートに紫外線を照射する紫外線照射機構と、
    前記半導体ウエハの面上に照射する紫外線の領域を調節する照射領域調節手段と、
    を備えたことを特徴とする粘着シート貼付け装置。
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