JP2005243447A - リチウムイオン二次電池用負極材料、負極およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極材料、負極およびリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高密度化された負極を作製しても、良好な放電容量、初期充放電効率 、および急速放電効率に優れたリチウムイオン二次電池を提供できる負極材料と、該負極材料を含有する負極、該負極を用いた良好な放電容量、初期充放電効率、および急速放電効率を有するリチウムイオン二次電池の提供。
【解決手段】親水化された黒鉛質粒子に、平均粒子径が100nm超、1μm 以下の炭素質および/または黒鉛質の粒子が付着していることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材料と、該負極材料を含有する負極、該負極を用いたリチウムイオン二次電池。
【選択図】図3

Description

本発明は、特に水系結着剤を用いて負極を作製した場合であっても、初期充放電効率が高い上、高速充放電可能なリチウムイオン二次電池を得ることができるリチウムイオン二次電池用負極材料、該負極材料を含有する負極、該負極を用いた、初期充放電効率と急速充放電効率に優れるリチウムイオン二次電池に関する。
近年、電子機器の小型化あるいは高性能化に伴い、電池の高エネルギー密度化に対する要望はますます高まっている。このような状況のなか、エネルギー密度が高く、高電圧化が可能な電池として、リチウムイオン二次電池が注目されている。
リチウムイオン二次電池の負極は、通常、負極材料、集電材、ならびに負極材料同士および負極材料と集電材とを結着させるための結着剤(バインダー樹脂)により構成される。具体的には、負極材料と結着剤とから負極合剤ペーストを調製し、ついで、該ペーストを銅箔などの集電材上に塗布しプレスして負極が作製される。
リチウムイオン二次電池の負極材料としては、充放電特性に優れ、高い放電容量と電位平坦性とを示す黒鉛が主流となっている(特許文献1)。
負極材料として使用される黒鉛(黒鉛質材料)は、天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛粒子、さらにはタール、ピッチを原料としたメソフェーズピッチ、例えば、メソフェーズ小球体などを熱処理して得られるメソフェーズ黒鉛質粒子などが挙げられる。
天然黒鉛は、鱗片状という形状に起因して、負極作製時に配向しやすく、これをリチウムイオン二次電池の負極材料に使用した場合、放電容量が大きい反面、初期充放電効率、サイクル特性(充放電を繰返したときの放電容量と初回の放電容量との比率の推移)および急速充放電効率が低いという問題があった。
そのため、天然黒鉛または人造黒鉛の表面を有機化合物で被覆し、焼成または黒鉛化して、リチウムイオン二次電池の負極材料としての初期充放電効率、サイクル特性および急速充放電効率を改善することが提案されている(特許文献2〜4)。
一方、メソフェーズピッチを熱処理して得られる黒鉛質粒子、特にメソフェーズ小球体の黒鉛質粒子は、球状または球状に近い形状であり、負極作製時にランダムに積層することから良好なサイクル特性および急速充放電効率を有するが、負極を作製する際の結着剤の種類によっては、充放電特性を充分に発揮できない場合がある。例えば、結着剤の分散媒が有機溶媒の場合は、負極材料としての充放電特性を充分に発揮することができるが、水系溶媒の場合には、充電速度などの充放電特性を低下させることがある。近年、環境面、安全面などの観点から、水系溶媒、したがって、水系結着剤の使用が望まれている状況に鑑み、水系結着剤を使用した場合であっても、負極材料としての充放電特性を充分に発揮し得る黒鉛質粒子の出現が待望されている。
このような目的のために、特に、黒鉛質粒子の導電性を向上させることにより、負極材料の充放電特性を向上させる提案があり、黒鉛に擬黒鉛質カーボンブラックを混合する方法(特許文献5)、天然黒鉛に多孔質炭素粉末を添加する方法(特許文献6)、負極材料にケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのアモルファスカーボンを付着させる方法(特許文献7)などが提案されている。
また、黒鉛質粒子の親水性を向上させることにより、負極材料の充放電特性を向上させる提案があり、黒鉛質粒子を硬質微粒子の存在下にメカノケミカル処理を行い、硬質微粒子を黒鉛質粒子に埋設・一体化させる方法(特許文献8)が提案されている。
しかし、前述の各種負極材料にもそれぞれ下記のような問題点がある。
例えば、天然黒鉛や人造黒鉛の表面を完全に被覆するために、被覆材を多量に使用する必要があり、熱処理時の被覆材の融着が必然的に増大する傾向がある。また、その後の熱処理温度によっては、負極材料の充放電容量の低下が懸念される。また、リチウムイオン二次電池の高容量化には、負極の体積当たりの充放電容量を増大させることが特に有効であるが、そのために、被覆された黒鉛質材料を用いた負極の高密度化(1.6g/cm3 以上) を図って、極板のプレス時の圧力を高めたり、圧延を数回繰返すと、被覆された炭素または黒鉛質物と芯材である黒鉛との界面が脆弱であることが原因で、負極材料である粒子が割れることがある。その際に、新たに生成した界面は、活性があるために、電解液との反応性が高く、初期充放電効率を低下させることがあり、リチウムイオン二次電池の高エネルギー密度化に対応できないという欠点がある。また、芯材である黒鉛が高結晶性である場合には、負極の高密度化により負極材料粒子が配向し、リチウムイオン二次電池の充電特性や放電特性が低下する問題も抱えている。
また、導電材としてカーボンブラックや多孔質炭素粉末を添加する方法では、導電材粒子が小さいため、負極材料中の導電材の分散が難しく、大量に添加しないと負極材料の導電性の向上効果が充分でない。また、一般に、カーボンブラック自体の充放電効率や放電容量は、黒鉛系負極材料に比べて低いため、大量の添加により導電性を確保できても、負極の初期充放電効率が低下し、質量あたりの放電容量も低下するなどの問題があり、リチウムイオン二次電池の充放電容量を増大させることができない。
また、負極材料粒子にケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックを付着させる方法においても、同様に、導電性の増大を図るには、大量の微粒子状カーボンブラックが凝集した二次粒子を付着させる必要があるが、それにより前記と同様に充放電効率の低下や放電容量の低下を招く問題があった。
また、黒鉛粒子を硬質微粒子の存在下にメカノケミカル処理を行って硬質微粒子を黒鉛に埋設・一体化させた複合粒子を負極材料に用いた場合には、メカノケミカル処理によって黒鉛粒子の親水性が向上するので、リチウムイオン二次電池の充放電効率の低下なしに放電容量を増大させることができるが、これとても、高エネルギー密度に対応すべく高密度化を行うと、未処理品と同等程度まで充放電特性が低下する問題がある。
特公昭62−23433号公報 特開平5−307959号公報 特開平10−334916号公報 特開平11−343108号公報 特許第3367060号明細書 特開平10−275615号公報 特開平11−265716号公報 特開2003−132889号公報
さらに、前記の改良技術は、確かに導電性が改良されているにも拘わらず、高密度化によって、充放電特性が低下することが多い。天然黒鉛では、粒子の形状に起因して配向することが主な原因と考えられるが、メカノケミカル処理によって親水化された黒鉛質粒子では、表面の粗さが低減しており、高度に密着した粒子間でのリチウムイオン二次電池の電解液中のリチウムイオンの拡散を阻害することも一つの原因と考えられる。
これらの問題が解決できれば、高密度で使用し得る負極材料を実際に通用でき、リチウムイオン二次電池の高容量化が図れ、産業上の利用価値が大きい。
つまり、リチウムイオン二次電池の一層の高容量化に応えるために高密度化した負極を、水系結着剤を用いて作製することができる負極材料であって、放電容量、初期充放電効率、および急速充放電効率に優れた負極材料が要望されている。
したがって、本発明は、1.6g/cm3 以上に高密度化された負極を作製しても、良好な放電容量、初期充放電効率、急速充電効率および急速放電効率に優れたリチウムイオン二次電池用の負極材料と、該負極材料を用いて作製した負極、さらに該負極を用いた良好な放電容量、初期充放電効率、急速充電効率および急速放電効率を有するリチウムイオン二次電池を提供することが目的である。
本発明は、前記のような黒鉛系リチウムイオン二次電池用負極材料の課題を解決するものであり、親水化された黒鉛質粒子に、平均粒子径が100nm超、1μm以下の炭素質および/または黒鉛質の粒子が付着していることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材料である。
また、本発明は、親水化された黒鉛質粒子に、平均粒子径が100nm超、1μm以下の炭素質および/または黒鉛質の粒子をメカノケミカル処理により付着させてなることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材料である。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極材料は、前記親水化された黒鉛質粒子が、メソフェーズ小球体またはその粉砕物を黒鉛化したのち、メカノケミカル処理により親水化したものであることが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極材料は、前記炭素質および/または黒鉛質の粒子が、サーマルカーボンブラックおよび/またはその黒鉛化物であることが好ましい。
また、本発明は、前記のいずれかのリチウムイオン二次電池用負極材料を含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極である。
また、本発明は、前記のリチウムイオン二次電池用負極を用いることを特徴とするリチウムイオン二次電池である。
本発明の黒鉛質粒子からなる負極材料は、放電容量、初期充放電効率が高く、特に1.6g/cm3 以上に高密度化された負極に作製し、リチウムイオン二次電池の負極としたときに、良好な急速充放電効率を示す。そのため、本発明のリチウムイオン二次電池は、近年の電池の高エネルギー密度化に対する要望を満たし、搭載する機器の小型化および高性能化に有効である。
以下、本発明をより具体的に説明する。
本発明は、親水化された黒鉛質粒子に、平均粒子径が100nm超、1μm以下の炭素質および/または黒鉛質の粒子が付着していることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材料であり、前記親水化された黒鉛質粒子と前記炭素質および/または黒鉛質の粒子とをメカノケミカル処理することにより該付着を達成することを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材料である。
(親水化された黒鉛質粒子)
本発明において、親水化された黒鉛質粒子とは、黒鉛質粒子に親水性を付与するための処理が施された黒鉛質粒子のことを言う。親水化された黒鉛質粒子を用いることにより、後述する負極合剤中において、結着剤(特に水系結着剤)が親水化された黒鉛質粒子の周囲に均一に分散し、負極合剤全体の導電性が大きく改善され、充電特性および放電特性が向上する。黒鉛質粒子の親水性は、黒鉛質粒子と水との接触角の測定、または黒鉛質粒子への水の浸透速度、浸透量の測定などにより知ることができる。本発明においては、250℃で黒鉛質粒子15gを底部が内径36mmの金網およびろ紙からなる円筒容器に充填し、180回タッピングを繰返した後、該容器の底部を水面に接触させ、水の浸透量を測定して親水化度とした。例えば、浸透時間が30sec の場合の浸透量が0.5g以上のもの、好ましくは0.8g以上のもの、より好ましくは1.0g以上のものを親水化されたものとみなした。
本発明において親水化処理とは、親水性を付与するための処理を言い、親水化処理方法は、黒鉛質粒子に水溶性樹脂を付着する方法、黒鉛質粒子を気相中または液相中で酸化する方法などの通常の方法によるが、特に好ましいのは、黒鉛質粒子をメカノケミカル処理して親水化する方法である。本発明においては、種々の方法で親水化された黒鉛質粒子の混合物を使用することもできる。また、炭素質および/または黒鉛質の粒子の付着を損なわない限りにおいて、親水化されていない黒鉛質粒子を混合しても差し支えない。
メカノケミカル処理などの親水化処理に供される黒鉛質粒子(前駆体)は、リチウムイオンが挿入し得る層構造を有するものであればいずれでもよく、形状などは問わないが、結晶性(黒鉛化度)の高い炭素材料であることが好ましい。例えば、石炭系のタール、ピッチを加熱して得られるメソフェーズ焼成炭素(バルクメソフェーズ)、メソフェーズ小球体、コークス類(生コークス、グリーンコークス、ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークスなど)を2500℃以上の温度で熱処理(黒鉛化)したもの、または石油系タール、ピッチを熱処理(黒鉛化)したもの、メソフェーズカーボン繊維の黒鉛化物、メソフェーズを形成する樹脂炭化物の黒鉛化物、人造黒鉛、天然黒鉛などが例示される。なお、該熱処理はメソフェーズピッチ(バルクメソフェーズ、メソフェーズ小球体)を炭素化する工程、黒鉛化する工程などの加熱工程の全てを含む。もちろん、例示した黒鉛質粒子の組合わせであってもよい。メカノケミカル処理される黒鉛質粒子としては、メソフェーズ小球体の黒鉛質粒子、バルクメソフェーズの黒鉛化物、人造黒鉛、天然黒鉛が好ましく、特に、充放電特性の点から、メソフェーズ小球体の黒鉛質粒子が好ましい。
親水化された黒鉛質粒子として好適なメカノケミカル処理に供される黒鉛質粒子は、次の物性を有することが好ましい。すなわち、メカノケミカル処理に供される黒鉛質粒子は、高い放電容量を得るために、特にX線回折における炭素網面層の格子面間隔d002 が0.34nm以下、特に0.337nm以下の結晶性の高い黒鉛質粒子であるのが好ましい。格子面間隔d002 はX線としてCuKα線を用い、高純度シリコンを標準物質に使用して、黒鉛質粒子の(002)回折ピークを測定し、そのピーク位置よりd002 を算出する。算出方法は学振法(日本学術振興会第117委員会が定めた測定法)に従うものであり、具体的には、「炭素繊維」(大谷杉郎著、733−742頁(1986年3月)、近代編集社)などに記載された方法によって測定された値である。
メカノケミカル処理に供される黒鉛質粒子の平均粒子径は特に問わないが、通常1〜100μm、好ましくは5〜40μmである。該平均粒子径は負極の厚みなどによって調整される。平均粒子径はレーザー回折式粒度分布計により測定した粒度分布の累積度数が体積百分率で50%となる粒子径である。また黒鉛質粒子の比表面積が大きすぎると不可逆容量の増大や電池の安全性の低下を招くため、比表面積は好ましくは20m2/g以下であり、より好ましくは0.1〜5m2/ gである。比表面積は窒素ガス吸着BET法により測定される。また黒鉛質粒子の真比重は2.2以上であることが好ましい。真比重はブタノールなどを用いた液相置換法により測定される。
メカノケミカル処理に供される黒鉛質粒子の形態は特に限定されないが、球状、粒状、鱗片状、繊維状などであることが好ましい。
メカノケミカル処理に供される黒鉛質粒子は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、他の炭素材料(非晶質ハードカーボンなどを含む)、有機物、金属化合物との混合物、造粒物、被覆物、積層物であってもよい。また、液相、気相、固相における各種化学的処理、熱処理、酸化処理などを施したものであってもよい。
(メカノケミカル処理)
メカノケミカル処理とは、黒鉛質粒子に圧縮力と剪断力を同時にかける処理を言う。剪断力や圧縮力は通常一般の攪拌力よりも大きいが、これら機械的応力は、黒鉛質粒子の表面にかけられることが好ましく、黒鉛質粒子の粒子骨格を破壊しないことが好ましい。黒鉛質粒子の粒子骨格が破壊されると、負極材料として使用したとき、不可逆容量の増大を招く傾向がある。剪断力や圧縮力は、一般的にはメカノケミカル処理による黒鉛質粒子の平均粒子径の低下率を20%以下に抑える程度であるのが好ましい。
メカノケミカル処理装置は、被処理物(黒鉛質粒子、またはさらに硬質微粒子)に圧縮力と剪断力を同時にかけることができる装置であれば、装置の種類、構造は特に限定されない。例えば加圧ニーダー、二本ロールなどの混練機、回転ボールミル、ハイブリダイゼーションシステム((株)奈良機械製作所製)などの高速衝撃式乾式粉体複合化装置、メカノマイクロス((株)奈良機械製作所製)、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン(株)製)などの圧縮剪断式乾式粉体複合化装置などを使用することができる。
中では回転速度差を利用して剪断力および圧縮力を同時にかける装置が好ましい。具体的には、回転するドラム(回転ローター)と、該ドラムと回転速度の異なる内部部材(インナーピース)と、被処理物の循環機構(例えば循環用ブレード)とを有する装置(例えば図1(A)〜(B)に模式的機構を示すホソカワミクロン(株)製メカノフュージョンシステム)を用い、回転ドラムと内部部材との間に供給された被処理物に遠心力を付与しながら、内部部材により回転ドラムとの速度差に起因する圧縮力と剪断力とを同時に繰返しかけることによりメカノケミカル処理するのが好ましい。
また固定ドラム(ステーター)と、高速回転する回転ローターの間に被処理物を通すことで固定ドラムと回転ローターとの速度差に起因する圧縮力と剪断力とを被処理物にかける装置(例えば図2に模式的機構を示す(株)奈良機械製作所製ハイブリダイゼーションシステム)も好ましい。
メカノケミカル処理の条件は、使用する装置によっても異なり一概には言えないが、例えば、図1(A)〜(B)に示すような回転ドラム11と内部部材(インナーピース)12を備えた装置を用いる場合には、被処理物13を回転ドラム11に供給し、回転ドラム11と内部部材12との周速度差が5〜50m/sec 、両者間の距離が1〜100mm、処理時間が3〜90min の条件で操業するのが好ましい。被処理物13は該装置内の循環機構14により循環され、メカノケミカル処理され、排出機構15から排出される。
また図2に示すような固定ドラム21とブレード26を有する高速回転ローター22を備えた装置を用いる場合には、被処理物23を循環機構24に供給し、固定ドラム21と回転ローター22との周速度差が10〜100m/sec 、処理時間が30sec 〜10min の条件で操業するのが好ましい。被処理物23は該装置内の循環機構24により循環され、メカノケミカル処理され、排出機構25から排出される。なお、該装置にはステーター27とジャケット28が敷設されている。
前記黒鉛質粒子にメカノケミカル処理を施す際に、硬質微粒子の共存下に該処理を行うことが好ましい。
該硬質微粒子は、該黒鉛質粒子の平均粒子径よりも小さい平均粒子径を有し、かつ該黒鉛質粒子よりも硬いものであればよく、これら以外の条件は特に制限されない。硬質微粒子が凝集物である場合には、その一次粒子の平均粒子径が黒鉛質粒子の平均粒子径よりも小さいものであればよい。硬質微粒子の平均粒子径が1nmより大きければ、黒鉛質粒子に親水性を付与することができる。平均粒子径が100nm以下であれば、黒鉛質粒子同士の接触を妨げることがなく、充放電特性に悪影響を及ぼさない。
硬質微粒子は導電性および充放電特性に寄与するものであっても、寄与しないものであっても差支えなく、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属ホウ化物、金属炭化物などである。親水性を有する硬質微粒子が好ましく、特に、気相法によって製造された無水シリカ(気相シリカ)、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの金属酸化物の微粒子が好適である。親水性を有する硬質微粒子を用いることにより、黒鉛質粒子へのメカノケミカル処理による親水性付与に加えて、一段と高い親水性を付与することができる。
黒鉛質粒子のメカノケミカル処理には、前記のような硬質微粒子を、通常、黒鉛質粒子に対し0.01〜10質量%の割合で使用することが好ましい。メカノケミカル処理に使用された硬質微粒子は、その後作製される負極材料中に残存させる必要はないが、黒鉛質粒子に対し0.01〜5質量%、好ましくは0.01〜0.5質量%の割合で埋設・一体化されていることが好ましい。また硬質微粒子は、予め黒鉛質粒子とドライブレンドしてメカノケミカル処理に供してもよく、黒鉛質粒子のメカノケミカル処理中に添加してもよい。
黒鉛質粒子のメカノケミカル処理前、処理中、処理後のいずれかにおいて、本発明が期待する充放電特性を損なわない範囲において、公知の導電性材料、イオン伝導性材料、界面活性剤、高分子化合物などの各種添加剤を添加することができる。
メカノケミカル処理により、黒鉛質粒子に親水性が付与され、また、硬質微粒子を共存させた場合は、より親水性が大となるのに加え、表面の凸部が研磨されて平滑化し、微細な粗さを有する表面に変化し、表面の滑り性がよくなる。また、表面の結晶性または配向性が低下するなどの表面特性が改善される結果、ラマン分光におけるR値が増大した黒鉛質粒子が得られる。
表面改質効果が得られる機構は、必ずしも明確ではないが、メカノケミカル処理による圧縮下での剪断力により、黒鉛質粒子の表面が研磨されるためと推測される。特に硬質微粒子の共存下でのメカノケミカル処理では、黒鉛質粒子の表面の研磨効果が高くなるとともに、硬質微粒子が黒鉛質粒子の表面近傍に埋設され、一体化することも本発明の効果を助長する原因と考えられる。したがって、本発明においては、メカノケミカル処理、特に硬質微粒子を共存させるメカノケミカル処理によって親水化された黒鉛質粒子の使用が好ましい。
(炭素質および/または黒鉛質粒子)
親水化された黒鉛質粒子に付着させる粒子は炭素質および/または黒鉛質の粒子である。具体的には、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、サーマルカーボンブラック、ケッチェンブラック、フラーレン、気相成長炭素繊維またその黒鉛化物、グラファイトナノファイバー、無煙炭、フェノール樹脂炭化物またはその黒鉛化物のような樹脂炭化物またはその黒鉛化物などである。これらを2種以上混合したもの、これらに他の炭素質物を混合したものも使用することができる。
炭素質および/または黒鉛質の粒子の平均粒子径は小さいほど好ましいが、余り小さくても初期充放電効率が小さいことと、製造装置・取扱いの点からも不利であることから、100nm超、1μm以下である必要がある。特に粒子が凝集していない場合には、一次粒子の平均粒子径が200〜500nmであることが好ましい。また粒子が凝集して二次粒子を形造っている場合は、二次粒子の平均粒子径として100nm超、1μm以下であればよく、この場合、一次粒子の平均粒子径は特に制約されないが、一次粒子の平均粒子径は20〜50nmであることが好ましい。サーマルカーボンブラックは、一次粒子の平均粒子径が200〜400nm程度であり、凝集力が弱く、凝集しても弱い力で一次粒子にまで解凝集するので特に好ましい。
炭素質および/または黒鉛質の粒子の粒子径が100nm以上の場合には、レーザー回折式粒度分布計により測定し、100nm未満の場合には、走査型電子顕微鏡または透過型電子顕微鏡で、複数(100程度)個のそれぞれの最大径とそれに直交する径を測定し、その平均を粒子径とし、そして該粒子径の複数の平均値を平均粒子径とする。
該粒子の比表面積は、一次粒子径によっても異なるが、1〜1000m2/gであればよく、2〜60m2/gであることがより好ましく、3〜10m2/gであることが特に好ましい。比表面積が小さすぎると負極として用いたときに、抵抗が高くなることがあり、比表面積が大きすぎると、電解液との反応性が増し、初期充放電効率を低下させることがある。
(炭素質および/または黒鉛質の粒子の付着)
前記炭素質および/または黒鉛質の粒子を、親水化された黒鉛質粒子に付着させるに際し、両者を乾式で攪拌するだけでは、粒子が凝集により一部に固まるため付着効率が悪く、該粒子の割合を増やすなどの対応が必要になる。また、乾式でボールミルなどにより混合する方法もあるが、親水化された黒鉛質粒子の解砕が同時に生起する可能性がある。乾式では、メカノケミカル処理により、親水化された黒鉛質粒子に剪断力と圧縮力をかけながら該粒子の付着を行う方法が好ましい。特に、予めメカノケミカル処理により親水化されたメソフェーズ黒鉛質粒子に、親水化処理に用いたメカノケミカル処理装置と同じ装置を用いてメカノケミカル処理により該粒子を付着させる方法が効率的である。
前記炭素質および/または黒鉛質の粒子を親水化された黒鉛質粒子に付着させるに際し、該粒子の黒鉛質粒子に対する混合割合は、該粒子の種類によっても異なるが、該粒子と黒鉛質粒子の合計に対して0.2〜5質量%、好ましくは0.8〜2質量%である。該粒子の混合量が少量であれば、本発明の効果である急速充放電効率の向上が不十分となることがある。該混合量が多量であると負極材料の放電容量が小さくなる。
具体的には、黒鉛質粒子と硬質(無機)微粒子の混合物にメカノケミカル処理を施したのち、これらに炭素質粒子および/または黒鉛質粒子を混合して、さらにメカノケミカル処理を行う方法である。親水化された黒鉛質粒子に炭素質および/または黒鉛質の粒子を混合して得られる混合物をメカノケミカル処理してもよい。該メカノケミカル処理する際に、剪断力に影響を与える因子、すなわち、ローターと容器内壁とのクリアランス、ローターの回転数、処理時間などを勘案して、炭素質および/または黒鉛質の粒子が親水化された黒鉛質粒子に付着はするが、埋没されない条件で行うことが好ましい。炭素質および/または黒鉛質の粒子が埋没されるまでメカノケミカル処理を行うと、本発明が期待する充放電特性が得られない。ここで、埋没とは、親水化された黒鉛質粒子に該炭素質および/または黒鉛質の粒子が埋め込まれて、該粒子が電子顕微鏡観察で認められない程度から該粒子の粒子径の2/3以上が黒鉛質粒子内に埋め込まれた状態を言う。また、付着とは、該炭素質および/または黒鉛質の粒子が電子顕微鏡観察で明確に認められ、かつ該炭素質および/または黒鉛質の粒子の断面を走査型電子顕微鏡で観察したときに、付着部の10箇所以上の点において、親水化された黒鉛質粒子の外側に露出する該炭素質および/または黒鉛質の粒子の最大高さの平均値が70nm以上である状態をいう。さらに好ましい最大高さの平均値は100nm以上、1μm以下である。
該メカノケミカル処理により、親水化された黒鉛質粒子に、微細な炭素質および/または黒鉛質の粒子が付着した黒鉛質粒子が得られる。該黒鉛質粒子に付着した炭素質および/または黒鉛質の粒子は付着前の形態をほぼ維持しており、黒鉛質粒子上に炭素質および/または黒鉛質の粒子が実質的に重層することなく付着しており、負極剤ペースト調製時にも表面から剥がれることなく、存在していることが好ましい。
前記黒鉛質粒子をリチウムイオン二次電池用負極材料として用いると、負極を1.6g/cm3 以上に高密度化した時にも、該親水化された黒鉛質粒子に付着している炭素質および/または黒鉛質の粒子によって、親水化された黒鉛質粒子の間に微小な隙間が作り出され、電解液がこの隙間を通じて行き来できるため、リチウムイオンの拡散性が改善される。その結果、高い放電容量、高い初期充放電効率を維持しつつ、良好な充放電特性を発現する。特に、負極は、後述するように、黒鉛質粒子、他の黒鉛質材料と結着剤とから調製された負極合剤ペーストから作製されるが、このペースト調製時の結着剤が水溶性および/または水分散性結着剤(水系結着剤)であっても、結着剤の分散媒が有機溶媒系の場合と同等の充放電特性を得ることができる。
(負極材料)
本発明の負極材料は、炭素質および/または黒鉛質の粒子が付着した、親水化された黒鉛質粒子であるが、本発明の負極材料を用いて負極を作製する際に、負極材料の作製に通常使用される導電材、改質材、添加剤などを混合してもよい。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、気相成長炭素繊維、低結晶性炭素粒子またはこれらの黒鉛化物などを混合してもよい。これらの混合量は、一概には言えないが、総量として0.1〜50質量%である。
負極材料の作製方法は、従来公知の負極材料の作製方法に拠り実施される。
負極合剤ペーストの調製は、公知の攪拌機、混合機、混練機、ニーダーなどを用いて実施される。具体的には、本発明の炭素質および/または黒鉛質の粒子が付着した、親水化された黒鉛質粒子と、必要に応じて、他の黒鉛質材料と、結着剤および溶媒を、翼式ホモミキサーにて300〜3000rpm の回転速度で撹拌することにより調製することができる。
結着剤としては、電解質に対して化学的安定性、電気化学的安定性を有するものが好ましく、有機溶媒に溶解および/または分散する有機系結着剤はもちろんのこと、水系溶媒に溶解および/または分散する水系結着剤が広く挙げられる。例えばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリビニルアルコール(水溶性)、さらにはカルボキシメチルセルロース(水溶性)などの樹脂、スチレンブタジエンゴム(水分散性)などのゴムなどが用いられるが、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、スチレンブタジエンゴムなどの水系結着剤を用いることが特に好ましい。これらを併用することもできる。結着剤は、通常、負極合剤の全量中0.5〜20質量%の割合で使用されるのが好ましい。
溶媒としては、負極合剤の調製に使用される通常の溶媒が使用されるが、具体的には、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、水、アルコールなどが挙げられる。水系溶媒の使用が環境汚染、安全性の点から好ましい。
(負極)
本発明の負極は、前記負極合剤ペーストを用いて、通常の負極の製造方法により製造される。すなわち、集電材の片面もしくは両面に負極合剤ペーストを塗布し乾燥して負極合剤層を形成する方法で製造される。
負極合剤層を形成した後、1.6g/cm3 以上に高密度化された負極合剤層を得るためにプレス加工などの圧着を行う。これにより負極合剤層が高密度化されると同時に、負極合剤層と集電材との接着強度をさらに高めることができる。
負極合剤層の層厚は10〜200μm、好ましくは20〜200μmである。
いずれの方法によっても、前記炭素質および/または黒鉛質の粒子が付着した親水化された黒鉛質粒子を使用しているので、集電材に均一かつ強固に接着した負極合剤層が形成される。
負極に用いる集電材の形状は、特に限定されないが、箔状、またはメッシュ、エキスパンドメタルなどの網状のものなどが用いられる。集電材の材質としては、銅、ステンレス、ニッケルなどを挙げることができる。集電材の厚さは、箔状の場合、5〜20μmであるのが好ましい。
また前記炭素質および/または黒鉛質の粒子が付着した親水化された黒鉛質粒子とポリエチレン、ポリビニルアルコールなどの樹脂粉末とを乾式混合し、通常の成形方法に準じて負極を製造することができる。例えば、金型内で該混合物をホットプレス成形して負極を製造することもできる。
本発明の負極材料を用い、水系結着剤と集電材とから作製した負極を含むリチウムイオン二次電池が、負極が高密度化されていても優れた充放電特性を発現する理由は、明確には分からないが、負極の高密度化時に、従来の負極材料では、親水化された黒鉛質粒子同士が密着しているために阻害されていた電解液の行き来が、本発明においては、該黒鉛質粒子間に介在する該黒鉛質粒子に付着している炭素質および/または黒鉛質の粒子によって作り出された微小な隙間により、助けられ、リチウムイオン拡散性が向上したためと考えられる。
(正極)
正極の材料(正極活物質)としては、十分量のリチウムを吸蔵/脱離し得るものを選択することが好ましい。正極活物質としては、リチウム含有遷移金属酸化物、遷移金属カルコゲン化物、バナジウム酸化物(V2 5 、V6 13、V2 4 、V3 8 など)およびそのリチウム化合物などのリチウム含有化合物、一般式MX Mo6 8-y (式中Xは0≦X≦4、Yは0≦Y≦1の範囲の数であり、Mは遷移金属などの金属を表す)で表されるシェブレル相化合物、活性炭、活性炭素繊維などを用いることができる。
前記リチウム含有遷移金属酸化物は、リチウムと遷移金属との複合酸化物であり、リチウムと2種類以上の遷移金属を固溶したものであってもよい。
リチウム含有遷移金属酸化物は、具体的には、LiM1 1-p2 p 2 (式中Pは0≦P≦1の範囲の数値であり、M1 、M2 は少なくとも一種の遷移金属元素である)またはLiM1 2-q2 q 4 (式中Qは0≦Q≦2の範囲の数値であり、M1 、M2 は少なくとも一種の遷移金属元素である)で示される。Mで示される遷移金属元素は、Co、Ni、Mn、Cr、Ti、V、Fe、Zn、Al、In、Snなどであり、好ましいのはCo、Ni、Mn、Cr、Ti、V、Fe、Alなどである。
リチウム含有遷移金属酸化物としてより具体的には、LiCoO2 、Lip Niq 1-q 2 ( 式中MはNiを除く前記遷移金属元素、Pは0.05≦p≦1.10、Qは0.5≦q≦1.0の範囲の数値である。)などが挙げられる。好ましい遷移金属はCo、Mn、Cr、Ti、V、Fe、Alから選ばれる少なくとも1種である。より具体的には、LiNiO2 、LiMnO2 、LiMnO4 、LiNi0.9 Co0.1 2 、LiNi0.5 Co0.5 2 などが挙げられる。
前記のようなリチウム含有遷移金属酸化物は、例えば、リチウム、遷移金属の酸化物または塩類を出発原料とし、これら出発原料を所望の組成に応じて混合し、酸素雰囲気下、600〜1000℃の温度で焼成することにより得ることができる。なお出発原料は酸化物または塩類に限定されず、水酸化物などでもよい。
本発明では、正極活性物質は、前記化合物を単独で使用しても2種類以上併用してもよい。例えば、正極材料に炭酸リチウムなどの炭酸アルカリ塩を添加することもできる。
このような正極材料によって正極を形成するには、例えば正極材料と結着剤および電極に導電性を付与するための導電剤よりなる正極合剤を集電材の両面に塗布することで正極合剤層を形成する。結着剤としては、負極で例示したものがいずれも使用可能である。導電剤としては、例えば炭素材料、黒鉛やカーボンブラックが用いられる。
集電材の形状は特に限定されず、箱状、またはメッシュ、エキスパンドメタルなどの網状などのものが用いられる。集電材の基板としては、アルミニウム、ステンレス、ニッケルなどを挙げることができる。その厚さは、10〜40μmが好適である。
また正極の場合も負極と同様に、正極合剤を溶剤中に分散させることでペースト状にし、この正極合剤ペーストを集電材に塗布、乾燥することによって正極合剤層を形成してもよく、正極合剤層を形成した後、さらにプレス加圧等の圧着を行っても構わない。これにより正極合剤層が均一かつ強固に集電材に接着される。
以上のような負極および正極を形成するに際しては、従来公知の導電剤や結着剤などの各種添加剤を適宜に使用することができる。
(電解質)
本発明における電解質塩としては、通常の非水電解液に使用される電解質塩を用いることができる。具体的には、LiPF6 、LiBF4 、LiAsF6 、LiClO4 、LiB(C6 5 4 、LiCl、LiBr、LiCF3 SO3 、LiCH3 SO3 、LiN(CF3 SO2 2 、LiC(CF3 SO2 3 、LiN(CF3 CH2 OSO2 2 、LiN(CF3 CF2 OSO2 2 、LiN(HCF2 CF2 CH2 OSO2 2 、LiN[(CF3 2 CHOSO2 2 、LiB[C6 3 (CF3 2 4 、LiAlCl4 、LiSiF4 などのリチウム塩を用いることができる。特にLiPF6 、LiBF4 が酸化安定性の点から好ましく用いられる。
有機系電解質中の電解質塩濃度は0.1〜5mol /lが好ましく、0.5〜3.0mol/l がより好ましい。
前記非水電解質は、液系の非水電解液としてもよいし、固体電解質またはゲル電解質などの高分子電解質としてもよい、前者の場合、非水電解質電池は、いわゆるリチウムイオン二次電池として構成され、後者の場合は、非水電解質電池は高分子固体電解質電池、高分子ゲル電解質電池などの高分子電解質電池として構成される。
液系の非水電解質液とするには、溶媒として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、1,1 −または1,2 −ジメトキシエタン、1,2 −ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、1 ,3−ジオキソラン、4 −メチル−1 ,3 −ジオキソラン、アニソール、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、クロロニトリル、プロピオニトリル、ホウ酸トリメチル、ケイ酸テトラメチル、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、トリメチルオルトホルメート、ニトロベンゼン、塩化ベンゾイル、臭化ベンゾイル、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、3−メチル−2−オキサゾリドン、エチレングリコール、ジメチルサルファイトなどの非プロトン性有機溶媒を用いることができる。
非水電解質を高分子電解質とする場合には、可塑剤(非水電解液)でゲル化されたマトリクス高分子化合物を含むが、このマトリクス高分子化合物としては、ポリエチレンオキサイドやその架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリメタクリレート系高分子化合物、ポリアクリレート系高分子化合物、ポリビニリデンフルオライドやビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素系高分子化合物などを単独または混合して用いることができる。
これらの中で、酸化還元安定性の観点などから、ポリビニリデンフルオライドやビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素系高分子化合物を用いることが好ましい。
高分子電解質に含有される可塑剤を構成する電解質塩や溶媒としては、前述のものが使用可能である。高分子ゲル電解質の場合、可塑剤である電解液中の電解質塩濃度は、0.1〜5mol/l が好ましく、0.5〜2.0mol/l がより好ましい。
高分子電解質の製造方法は、特に制限されるものではないが、例えば、マトリックスを構成する高分子化合物、リチウム塩および溶媒を混合し、加熱して溶融・溶解する方法が挙げられる。また、混合用有機溶媒に、高分子化合物、リチウム塩、および溶媒を溶解させた後、混合用有機溶媒を蒸発させる方法、重合性モノマー、リチウム塩および溶媒を混合し、紫外線、電子線または分子線などを照射して、重合性モノマーを重合させ、高分子電解質を得る方法などを挙げることができる。
高分子電解質中の溶媒の割合は10〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましい。該範囲であると、導電率が高く、機械的強度が強く、成膜しやすい。
(リチウムイオン二次電池)
リチウムイオン二次電池は、通常、負極、正極および非水系電解質を主たる電池構成要素とし、正極および負極はそれぞれリチウムイオンの担持体からなる。充放電過程におけるリチウムイオンの出入は層間で行われる。そして充電時には、リチウムイオンが負極中に吸蔵され、放電時には負極から脱離する電池機構を構成する。
本発明のリチウムイオン二次電池は、負極材料として本発明の黒鉛質粒子を含有する負極材料を用いること以外は特に限定されず、他の電池構成要素については一般的なリチウムイオン二次電池の要素に準じる。
本発明のリチウムイオン二次電池に使用するセパレータは特に限定されるものではないが、例えば織布、不織布、合成樹脂製微多孔膜などが挙げられる。合成樹脂製微多孔膜が好適であるが、なかでもポリオレフィン系微多孔膜が、厚さ、膜強度、膜抵抗の面で好適である。具体的には、ポリエチレンおよびポリプロピレン製微多孔膜、またはこれらを複合した微多孔膜などである。
本発明のリチウムイオン二次電池においては、ゲル電解質を用いることも可能である。 ゲル電解質二次電池は、一般に負極と、正極およびゲル電解質から構成され、例えば、負極、ゲル電解質、正極の順に積層し、電池外装材内に収容することにより構成される。なお、これに加えて、さらに、負極と正極の外側にゲル電解質を配するようにしてもよい。
本発明のリチウムイオン二次電池の構造は任意であり、その形状、形態について特に限定されるものではなく、円筒型、角型、コイン型、ボタン型などの中から任意に選択することができる。より安全性の高い密閉型非水電解液電池を得るためには、過充電などの異常時に電池内圧上昇を感知して電流を遮断させる手段を備えたものであることが好ましい。アルミラミネートフィルムなどに封入した構造とすることもできる。
次に本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また以下の実施例および比較例では、黒鉛質粒子を含む負極材料を用いて、図3に示すような構成の評価用のボタン型二次電池を作製して黒鉛質粒子の充放電特性を評価した。実電池は、本発明の目的に基づき、公知の方法に準じて作製することができる。
なお以下の実施例および比較例において、黒鉛質粒子などの物性は以下の方法により測定した。
黒鉛質粒子の平均粒子径と、炭素質および/または黒鉛質の粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布計を用いて測定し、粒度分布の累積度数が体積百分率で50%となる粒子径とした。ただし、比較例5の炭素質および/または黒鉛質の粒子として用いた炭素質ファーネスカーボンブラックの平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(倍率10000倍)を用いて測定した100個の粒子の平均値である。
真比重はブタノールを用いる液相置換法で測定した。
格子面間隔d002 は、前述したX線広角回折法により求めた。
比表面積は窒素ガス吸着によるBET法により測定した。
水の浸透量(親水性)は、黒鉛質粒子15gを25℃で底部が36mmの金網および濾紙からなる円筒容器に充填し、パウダテスタ(PTR;ホソカワミクロン(株)製)を用い、1min 間に60回のタッピングを3min 行ない、180回タッピングした後、該容器の底部を水面に接触させ、接触30sec 後の浸透量(質量)である。浸透量はペネトアナライザー(ホソカワミクロン(株)製)を用いて測定した。
炭素質および/または黒鉛質の粒子の露出部の高さは、炭素質および/または黒鉛質の粒子が付着した親水化された黒鉛質粒子の断面の走査型電子顕微鏡観察(5000倍)により、付着部10箇所を選び、各付着部における炭素質および/または黒鉛質の粒子が親水化された黒鉛質粒子の外側に露出する最大高さを測定し、その平均値とした。
(実施例1)
(親水化された黒鉛質粒子の作製)
コールタールピッチを熱処理してなるメソフェーズ小球体(JFEケミカル(株)製、平均粒子径:24μm)を3000℃で黒鉛化し、メソフェーズ小球体の黒鉛質粒子を得た。該粒子は球状であり、格子面間隔d002 が0.3362nm、真比重が2.228であった。比表面積は0.45m2/gであり、浸透量は0.15g(30sec )であった。
ついで、該黒鉛質粒子に、図2に示すような概略構造のメカノケミカル処理装置((株)奈良機械製作所製「ハイブリダイゼーションシステム」)を用いて、下記の条件でメカノケミカル処理を行った。すなわち、回転ローターの周速40m/sec で処理時間6min の条件下で処理することにより、該装置内に投入された黒鉛質粒子を分散しながら主として衝撃力、分子間相互作用を含めた圧縮力、摩擦力、剪断力などの機械的作用を繰返し付与した。得られた黒鉛質粒子は球状を呈しており、平均粒子径は24μm、比表面積は1.2m2/gであり、浸透量は1.3g(30sec )であった。
(炭素質粒子の付着)
前記親水化された黒鉛質粒子と、該黒鉛質粒子99質量部に対し1質量部のサーマルカーボンブラック(Engineered Carbons社製、MT N990;平均粒子径(平均一次粒子径)310nm、比表面積は8.5m2/g)を、図2に示すメカノケミカル処理装置に入れ、回転ローターの周速12m/sec 、処理時間3min の条件でメカノケミカル処理を行った。該処理により該カーボンブラックは該黒鉛質粒子の表面に重層することなく、付着していることが電子顕微鏡の観察から確認することができた。
(負極合剤ペーストの調製)
プラネタリーミキサーに前記カーボンブラックが付着した黒鉛質粒子を入れ、固形分で該黒鉛質粒子97質量部に対して、カルボキシメチルセルロースナトリウム1.5質量部、カルボキシ変性スチレンブタジエンゴムラテックスエマルジョン(JSR(株)製)1.5質量部と水を加えて混合し、引き続き攪拌を行い、水溶媒系の負極合剤ペーストを調製した。
(作用電極(本発明による負極材料を用いた電極)の作製)
前記負極合剤ペーストを、銅箔(集電材)(厚さ16μm)上に塗布し、さらに真空中で90℃に加熱して、溶媒を揮発させて乾燥した。次に、形成された負極合剤層をローラープレスによって加圧し、さらに直径15.5mmの円形状に打抜くことで、銅箔に密着した負極合剤層(厚さ60μm)を有する作用電極を作製した。
(対極の作製)
リチウム金属箔をニッケルネットに押付け、直径15.5mmの円形状に打抜いて、ニッケルネットからなる集電材(厚さ250μm)と、該集電材に密着したリチウム金属箔(厚さ500μm)からなる対極を作製した。
(電解液)
エチレンカーボネート33mol%−メチルエチルカーボネート67mol%の混合溶媒に、LiPF6 を1mol/dm3 となる濃度で溶解させ、非水電解液を調製した。得られた非水電解液をポリプロピレン微多孔膜に含浸させ、電解質液が含浸されたセパレータを作製した。
(評価電池の作製)
評価電池として図3に示すボタン型評価電池を作製した。
外装カップ31と外装缶33とは、その周縁部において絶縁ガスケット36を介してかしめられた密閉構造を有し、その内部に外装缶33の内面から順に、ニッケルネットからなる集電材37a、リチウム箔からなる円盤状の対極34、電解質液が含浸したセパレータ35、負極合剤層を有する円盤状の作用電極32、および銅箔からなる集電材37bが積層された電池構造である。
評価電池は、電解液を含浸させたセパレータ35を集電材37bに密着した作用電極32と、集電材37aに密着した対極34との間に挟んで積層した後、作用電極32を外装カップ31内に、対極34を外装缶33内に収容して、外装カップ31と外装缶33とを合わせ、外装カップ31と外装缶33との周縁部を絶縁ガスケット36を介してかしめて密閉して作製した。
評価電池は、実電池において、負極用活物質として使用可能な黒鉛質粒子を含有する作用電極32と、リチウム金属箔からなる対極34とから構成される電池である。
前記のように作製された評価電池について、25℃の温度下で下記のような充放電試験を行い、放電容量、初期充放電効率および急速充放電効率を測定した。これらの充放電特性の測定結果を表2に示した。
各測定方法を下記する。
(電極密度)
集電材の厚さをt1 [cm]、単位面積あたりの質量をW1 [g/cm2]とし、本発明の炭素質および/または黒鉛質の粒子が付着した親水化された黒鉛質粒子の質量割合をP[%] とする結合剤との負極合剤ペーストを塗布し、加圧して製造した厚さt2 [cm]の負極を、所定の面積S[cm2 ]で打抜き、この打抜き後の負極の質量をW2 [g]としたとき、下記式により求めることができる。なお、前記質量は上皿式の自動天秤、厚さはマイクロメーターで測定した値である。
電極密度[g/cm3 ]={(W2 /S−W1 )/(t2 −t1 )}×(P/100)
(放電容量、初期充放電効率)
0.9mAの電流値で、回路電圧が0mVに達するまで定電流充電を行った後、回路電圧が0mVに達した時点で、定電圧充電に切替え、さらに電流値が20μAになるまで充電を続けた。その間の通電量から充電容量を求めた。その後、120分間休止した。
次に0.9mAの電流値で、回路電圧が1.5Vに達するまで定電流放電を行い、この間の通電量から放電容量を求めた。これを第1サイクルとした。次式から初期充放電効率を計算した。
初期充放電効率(%)=(第1サイクルにおける放電容量/第1サイクルにおける充 電容量)×100
なおこの試験では、リチウムイオンを負極材料中に吸蔵する過程を充電、負極材料から脱離する過程を放電とした。
(急速充電効率)
引き続き、第2サイクルとして、電流値を第1サイクルの5倍の4.5mAとして、回路電圧が0mVに達するまで定電流充電を行い、充電容量を求め、次式から急速充電効率を計算した。
急速充電効率(%)=(第2サイクルにおける定電流充電容量/第1サイクルにおけ る放電容量)×100
(急速放電効率)
引き続き、第3サイクルにて高速放電を行った。電流値を第1サイクルの15倍の13.5mAとして、回路電圧が2.5Vに達するまで定電流放電を行った。得られた放電容量から、次式により急速放電効率を計算した。
急速放電効率(%)=(第3サイクルにおける放電容量/第1サイクルにおける放 電容量)×100
(実施例2)
実施例1において、メソフェーズ小球体の黒鉛質粒子をメカノケミカル処理により親水化する際に、黒鉛質粒子100質量部に対して、硬質微粒子である無水シリカ(「Aeosil 300」:日本アエロジル(株)製、平均粒子径7nm)0.2質量部を混合し、処理時間8min とする以外は実施例1と同様にメソフェーズ小球体のメカノケミカルを行ない、親水化した。得られた親水化された黒鉛質粒子は球状を呈しており、平均粒子径は24μm、比表面積は1.8m2/gであり、浸透量は2.1g(30sec )であった。
さらに、該親水化された黒鉛質粒子に対し、実施例1と同様に、メカノケミカル処理を行ない、サーマルカーボンブラックを付着させた。得られた黒鉛質粒子を用いて、負極材層の厚み、電極密度を変える以外は、実施例1と同様に、負極合剤ペーストの調製、負極の作製および評価電池の作製を行った。
該メカノケミカル処理により該サーマルカーボンブラックは該黒鉛質粒子の表面に重層することなく、付着していることが電子顕微鏡による観察から確認することができた。また、実施例1と同様に充放電特性を測定した。測定結果を表2に示した。
(実施例3)
サーマルカーボンブラック(Engineered Carbons社製、MT N990;平均粒子径310nm)を黒鉛化炉に入れ、3000℃で黒鉛化処理し、黒鉛質カーボンブラック(平均粒子径(平均一次粒子径)310nm、比表面積8.2m2/g)を得、付着用の黒鉛質粒子とした。
実施例2において、付着用粒子として、炭素質サーマルカーボンブラックの代わりに該黒鉛質カーボンブラックを用いる以外は、実施例2と同様に、メソフェーズ小球体の黒鉛化、メカノケミカル処理による黒鉛質粒子の親水化と、メカノケミカル処理による該カーボンブラックの親水化した黒鉛質粒子への付着を行った。得られた親水化された黒鉛質粒子は球状を呈しており、平均粒子径は24μm、比表面積は1.8m2/gであり、浸透量は2.1g(30sec )であった。
また、該付着物を有する黒鉛質粒子を用いて、負極合剤層の厚み、電極密度を変える以外は、実施例1と同様に、負極合剤ペーストの調製、負極の作製および評価電池の作製を行った。
該処理により該カーボンブラックは該黒鉛質粒子の表面に重層することなく、付着していることが電子顕微鏡による観察から確認することができた。また、実施例1と同様に充放電特性を測定した。測定結果を表2に示した。
(実施例4)
コールタールピッチを熱処理してなるメソフェーズ小球体(JFEケミカル(株)製、平均粒子径:28μm)を3000℃で黒鉛化し、メソフェーズ小球体の黒鉛質粒子を得た。該粒子は球状であり、格子面間隔d002 が0.3362nm、真比重が2.228であった。また比表面積は0.45m2/gであり、水の浸透量は0.15g(30sec )であった。これを親水化のためのメカノケミカル処理に供した。
実施例3において、実施例3のメソフェーズ小球体の黒鉛質粒子(平均粒子径:24μm)の代わりに、平均粒子径が異なるメソフェーズ小球体の黒鉛質粒子を用いて親水化のためのメカノケミカル処理を行なう以外は、実施例2と同様に、黒鉛質サーマルカーボンブラックの該親水化された黒鉛質粒子への付着を行った。得られた付着物を有する黒鉛質粒子は球状を呈しており、平均粒子径は28μm、比表面積は1.9m2/gであり、浸透量は2.0g(30sec )であった。
また、得られた付着物を有する黒鉛質粒子を用いて、負極合剤層の厚み、電極密度を変える以外は、実施例2と同様に、負極合剤ペーストの調製、負極合剤の作製、負極の作製および評価電池の作製を行った。該処理により該カーボンブラックは該黒鉛質粒子の表面に重層することなく、付着していることが電子顕微鏡の観察から確認することができた。また、実施例1と同様に充放電特性を測定した。測定結果を表2に示した。
(比較例1)
実施例1において、親水化された黒鉛質粒子に炭素質サーマルカーボンブラックを付着させることを省略する以外は、実施例1と同様に、メソフェーズ小球体の黒鉛化とメカノケミカル処理による親水化した黒鉛質粒子の作製を行った。また、負極合剤層の厚みを変える以外は、実施例1と同様に、負極合剤の作製、負極の作製および評価電池の作製を行った。また、実施例1と同様に充放電特性を測定した。測定結果を表2に示した。
(比較例2)
プラネタリーミキサーに、実施例1の親水化された黒鉛質粒子99質量部と、実施例3の黒鉛化されたカーボンブラック1質量部を入れ、乾式で60rpm で5min 攪拌を行い、該カーボンブラックが親水化された黒鉛質粒子に付着していない混合物を得た。付着していないことは走査型電子顕微鏡による観察で確認した。
実施例1において、黒鉛質サーマルカーボンブラックが付着した黒鉛質粒子の代わりに、該混合物を用い、負極合剤層の厚み、電極密度が異なる以外は、実施例1と同様に、負極合剤の作製、負極の作製および評価電池の作製を行った。また、実施例1と同様に充放電特性を測定した。測定結果を表2に示した。
(比較例3)
プラネタリーミキサーに、実施例4の親水化された黒鉛質粒子99質量部と、実施例3の黒鉛化されたカーボンブラック1質量部を入れ、乾式で60rpm で5min 攪拌を行い、該カーボンブラックが親水化された黒鉛質粒子に付着していない混合物を得た。付着していないことは走査型電子顕微鏡による観察で確認した。
実施例1において、黒鉛質サーマルカーボンブラックが付着した黒鉛質粒子の代わりに、該混合物を用い、負極合剤層の厚み、電極密度を変える以外は、実施例1と同様に、負極合剤の作製、負極の作製および評価電池の作製を行った。また、実施例1と同様に充放電特性を測定した。測定結果を表2に示した。
(比較例4)
実施例3において、メソフェーズ小球体の黒鉛質粒子のメカノケミカル処理による親水化処理を省略する以外は、実施例3と同様に、該親水化処理していないメソフェーズ小球体へのメカノケミカル処理による黒鉛質サーマルカーボンブラックの付着を行った。また、負極合剤層の厚み、電極密度を変える以外は、実施例1と同様に、負極合剤の作製、負極の作製および評価電池の作製を行った。また、実施例1と同様に充放電特性を測定した。測定結果を表2に示した。
(比較例5)
実施例1において、炭素質サーマルカーボンブラックの代わりにファーネスブラック[東海カーボン(株)製、#5500(平均粒子径25nm)]を1質量部用いる以外は、実施例1と同様に、親水化した黒鉛質粒子と該ファーネスブラックとのメカノケミカル処理を行った。また、負極合剤層の厚み、電極密度を変える以外は、実施例1と同様に、負極合剤の作製、負極の作製および評価電池の作製を行った。該ファーネスブラックはストラクチャー構造を保たず、一次粒子の状態であることを走査型電子顕微鏡による観察で確認した。また、実施例1と同様に充放電特性を測定した。測定結果を表2に示した。
実施例2と比較例1との対比から、特定範囲の平均粒子径の炭素質粒子および/または黒鉛質粒子が、黒鉛質粒子に付着していると、該付着がない場合に比べ、急速充電効率と急速放電効率が優れることが明らかである。
実施例3と比較例2、および実施例4と比較例3との対比から、黒鉛質粒子が親水化された黒鉛質粒子に付着していると、黒鉛質粒子が親水化された黒鉛質粒子に混合されているに過ぎない場合に比べ、充放電特性(初期充放電効率、急速充電効率、急速放電効率)が優れることが明らかである。
実施例3と比較例4との対比から、親水化された黒鉛質粒子を用いると、黒鉛質粒子を用いない場合に比べ、急速充電効率と急速放電効率が優れることが明らかである。
実施例2と比較例5との対比から、付着させる炭素質粒子の平均粒子径が100nm超、1μm以下であると、該平均粒子径が25nmである場合に比べ、放電容量が高く、かつ充放電特性(初期充放電効率、急速充電効率、急速放電効率)が優れ、各特性のバランスがよいことが明らかである。
さらに、実施例1と実施例2との対比から、メカノケミカル処理による親水化処理の際に硬質微粒子を存在させると、特に急速充電効率と急速放電効率が優れることが明らかである。
Figure 2005243447
Figure 2005243447
Figure 2005243447
本発明の負極材料は、その特徴を活かして、リチウムイオン二次電池の負極に用いられる他に、燃料電池セパレータ用の導電材や耐火物用黒鉛などに使用することもできる。
実施例で用いたメカノケミカル処理装置の構造を示す概略説明図。 他の実施例で用いたメカノケミカル処理装置の構造を示す概略説明図。 本発明の負極材料の電池特性を評価するための評価電池の概略断面図。
符号の説明
11 回転ドラム
12 内部部材(インナーピース)
13 被処理物
14 被処理物の循環機構
15 被処理物の排出機構
21 固定ドラム
22 ローター
23 被処理物
24 被処理物の循環機構
25 被処理物の排出機構
26 ブレード
27 ステーター
28 ジャケット
31 外装カップ
32 作用電極
33 外装缶
34 対極
35 電解質溶液含浸セパレータ
36 絶縁ガスケット
37a、37b 集電材

Claims (6)

  1. 親水化された黒鉛質粒子に、平均粒子径が100nm超、1μm以下の炭素質および/または黒鉛質の粒子が付着していることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材料。
  2. 親水化された黒鉛質粒子に、平均粒子径が100nm超、1μm以下の炭素質および/または黒鉛質の粒子をメカノケミカル処理により付着させてなることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材料。
  3. 前記親水化された黒鉛質粒子が、メソフェーズ小球体またはその粉砕物を黒鉛化したのち、メカノケミカル処理により親水化したものであることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
  4. 前記炭素質および/または黒鉛質の粒子が、サーマルカーボンブラックおよび/またはその黒鉛化物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料を含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
  6. 請求項5に記載のリチウムイオン二次電池用負極を用いることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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