JPH10214615A - 非水系二次電池及び負極活物質の製造方法 - Google Patents

非水系二次電池及び負極活物質の製造方法

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JPH10214615A
JPH10214615A JP9016973A JP1697397A JPH10214615A JP H10214615 A JPH10214615 A JP H10214615A JP 9016973 A JP9016973 A JP 9016973A JP 1697397 A JP1697397 A JP 1697397A JP H10214615 A JPH10214615 A JP H10214615A
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graphite
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至弘 佃
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武仁 見立
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和夫 山田
Naoto Nishimura
直人 西村
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和明 湊
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リチウムの挿入−脱離の電位が平坦かつ低い
黒鉛系材料を負極活物質とし、低温でも優れた非水系イ
オン伝導体とを用いて、広範囲の温度においても動作可
能な高容量非水系二次電池を得ることを課題とする。 【解決手段】 負極と、リチウムを含有するカルコゲン
化物を正極活物質として含む正極と、非水系イオン伝導
体とからなり、前記負極が過マンガン酸カリウムにより
酸化処理した黒鉛粒子の表面に非晶質炭素を付着させた
炭素材料を負極活物質として含むことを特徴とする非水
系二次電池により上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水系二次電池及
び負極活物質の製造方法に関する。更に詳しくは、本発
明は、リチウムの挿入−脱離可能な炭素材料を負極活物
質に用いた非水系二次電池及び負極活物質の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器等の軽薄短小化、小電力化に伴
い、リチウム等のアルカリ金属を利用した二次電池が注
目されている。これら二次電池の内、負極にリチウムを
使用したものが近年盛んに研究されている。ここで、負
極に金属リチウムを単体で用いた場合、充放電の繰り返
し(金属リチウムの析出−溶解)により、金属表面上に
デンドライト(樹枝状結晶)が生成する。それが成長す
ることによりセパレータを貫通し正極と接し、電池内部
の短絡を誘発する問題があった。金属リチウムのかわり
にリチウム合金を用いると、単体の時に比べてデンドラ
イトの発生が抑制され、充放電サイクルの特性が向上す
ることが判明した。
【0003】しかし、合金を使用しても完全にデンドラ
イトの生成が抑制されたわけではなく、電池内部でのデ
ンドライトによる短絡の可能性は少なからず残されてい
る。また、合金化した負極を用いることによって重量が
増加し、リチウムを用いた二次電池は軽量であるという
特徴を損ねる。近年になって、負極に金属リチウムやそ
の合金を利用する代わりに、リチウムイオンの吸蔵−放
出過程を利用した炭素材料や導電性高分子等のマトリッ
クス材料が開発された。これにより、金属リチウムやそ
の合金を利用した場合のデンドライトの生成が原理上起
こらなくなり、電池内部の短絡という問題が激減するに
至った。特に、炭素材料は他の材料よりもリチウムの吸
蔵−放出電位がリチウムの析出−溶解電位に近いので好
適である。その中でも黒鉛材料は、理論的に炭素原子6
個に対してリチウム原子1個の割合でその結晶格子中に
リチウムを取り込むことができることから、単位重量、
単位体積あたり高い容量を有する炭素材料である。更
に、リチウムの挿入−脱離の電位が平坦であり、化学的
に安定であるので、電池のサイクル安定性にも大きく寄
与するものである。
【0004】例えば、J. Electrochem. Soc., Vol. 13
7, 2009 (1990) 、特開平4−115457号、特開平
4−115458号、特開平4−237971号等に示
される黒鉛系炭素材料を負極活物質に用いるもの、ま
た、特開平4−368778号、特開平5−28996
号、特開平5−114421号等に示される表面処理し
た黒鉛系炭素材料を負極活物質に用いるもの等がある。
【0005】上記のように黒鉛系炭素材料は、エチレン
カ−ボネ−ト(EC)を主体とする非水系イオン伝導体
を使用した場合において、ほぼ理論容量に近い放電容量
を得ることができる。また、その充放電の電位がリチウ
ムの溶解−析出の電位よりわずかに高く、かつ非常に平
坦であるため、黒鉛系炭素材料を負極活物質に用いて電
池を作製した場合に、高容量かつ電池電圧の平坦性が高
い二次電池を提供することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように高容量を
達成できる黒鉛材料であるが、その結晶性が高いために
非水系イオン伝導体用の溶媒の分解を引き起こすという
問題点も残されている。例えば、非水系イオン伝導体用
の溶媒であるプロピレンカ−ボネ−ト(PC)は、その
電位窓の広さ凝固点の低さ(−49℃)或いは化学的安
定性の高さから、リチウム電池の非水系イオン伝導体用
の溶媒として広く用いられている。しかしながら、黒鉛
系材料を負極活物質に用いた場合、PCの分解反応が顕
著に起こり、10%のPCが溶媒中に存在するだけで黒
鉛系負極は充放電ができないということが、J. Electro
chem. Soc., Vol. 142, 1746(1995)で報告されている。
【0007】また、ECと低粘度溶媒の混合溶媒を含む
非水系イオン伝導体を使用した場合にのみ、黒鉛系材料
がリチウム二次電池用負極として使用できることは広く
知られている。しかしながら、EC主体の非水系イオン
伝導体は低温でのイオン伝導度が低い。そのため、この
非水系イオン伝導体と黒鉛系材料とを負極に用いて二次
電池を作製した場合、その電池の温度特性或いは電流特
性を非水系イオン伝導体の選択によって改善すること
は、溶媒の選択肢が狭いので非常に困難である。
【0008】このような問題を解決すべく、特開平4−
368778号或いは特開平5−121066号に見ら
れるように、黒鉛粒子の表面を低結晶性炭素で被覆した
炭素材料を二次電池用負極に用いることが提案されてい
る。これらは非水系イオン伝導体用の溶媒の分解を抑
え、放電容量の増加、サイクル特性の改善に対して有効
な手段である。しかしながら、PCを主体とする非水系
イオン伝導体を用いて二次電池を作製した場合、その負
極の製造工程において粒子径をそろえるための粉砕、或
いは電極材作製の際の混練、集電板への塗工等によっ
て、黒鉛粒子表面を被覆した低結晶性炭素が剥離し、溶
媒の分解によるガス発生により電極が破壊され、電池の
容量の低下、サイクル特性の劣化という問題が生じてき
た。更に粉砕等の工程が必要なことから安価な黒鉛材料
を用いても製造コストが高くなるという問題があった。
【0009】また、より低コスト化が期待される製造方
法として、特開平6−84516号に見られるように、
ピッチ等の炭素前駆体と黒鉛とを混合、焼成する方法が
挙げられる。しかし、この製造方法の場合、液相工程を
とるため低結晶性炭素で被覆した黒鉛粒子同士が付着
し、負極製造工程における粉砕等によって、黒鉛の活性
面が再び現れ、PCの分解が起こるという問題があっ
た。
【0010】上記のように黒鉛粒子表面に低結晶性炭素
を被覆した場合、その黒鉛と低結晶性炭素との接着強度
が弱くすぐに剥離し、溶媒の分解を引き起こすという問
題点が明らかになった。したがって電池の特性を劣化
し、電池製造上の歩留まり低下を引き起こしてきた。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の問題を改善すべ
く、鋭意研究を行った結果、黒鉛粒子の表面に非晶質炭
素を付着する前に、黒鉛粒子を過マンガン酸カリウムで
処理を行うことで、より強固に非晶質炭素を付着できる
ことを見出し、本発明をなすに至った。かくして本発明
によれば、負極と、リチウムを含有するカルコゲン化物
を正極活物質として含む正極と、非水系イオン伝導体と
からなり、前記負極が過マンガン酸カリウムにより酸化
処理した黒鉛粒子の表面に非晶質炭素を付着させた炭素
材料を負極活物質として含むことを特徴とする非水系二
次電池が提供される。
【0012】更に、本発明によれば、黒鉛粒子を過マン
ガン酸カリウムにより酸化処理し、次いで酸洗した後、
非晶質炭素を黒鉛粒子の表面に付着させることを特徴と
する負極活物質の製造方法が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明で使用される黒鉛粒子は、
リチウムを挿入−脱離可能なものが好ましい。黒鉛粒子
としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛等が
挙げられる。その形状は、鱗状、鱗片状、球状等が挙げ
られるが、これら形状に特に限定されない。更には、酸
化処理前の黒鉛粒子のX線広角解析法による(002)
面の平均面間隔(d002 )が0.335〜0.340n
m、(002)面方向の結晶子厚み(Lc)が10nm
以上、(110)面方向の結晶子厚み(La)が10nm
以上である黒鉛粒子及び/又は酸化処理前の黒鉛粒子の
アルゴンレーザーラマンによる、1580cm-1に対す
る1360cm-1のピーク強度比が0.4以下であり、
非晶質炭素付着後の前記強比が0.4以上である黒鉛粒
子が好ましい。
【0014】ここで、酸化処理前の黒鉛粒子のd002
0.340nmより大きく、Lc及びLaが10nmよ
り小さく、アルゴンレーザーラマンによる、1580c
-1に対する1360cm-1のピーク強度比が0.4よ
り大きくなると、結晶性が低くなり、電極活物質として
高容量が達成できなくなるので好ましくない。酸化処理
前の黒鉛粒子のBET法による比表面積は0.5〜15
0m2 /g、平均粒径は0.7〜80μmであることが
好ましい。黒鉛粒子の比表面積が0.5m2 /gより小
さくなると非水系イオン伝導体との接触面積が小さくな
り電極の電流特性が低下し、150m2 /gより大きく
なると非水系イオン伝導体との接触面積が大きくなりす
ぎ、自己放電が大きくなるので好ましくない。より好ま
しい比表面積は、1〜50m2 /gである。また、黒鉛
粒子の平均粒径が0.7μmより小さくなると電池のセ
パレーターの空孔を通過して内部短絡を引き起こす可能
性が高く、80μmより大きくなると電極を作製する工
程上でのハンドリングが悪くなるため好ましくない。よ
り好ましい平均粒径は、3〜50μmである。
【0015】次に、本発明では、黒鉛粒子表面に非晶質
炭素を付着する前に、黒鉛粒子に過マンガン酸カリウム
による酸化処理が付される。ここで、過マンガン酸カリ
ウムは、水溶液の形態で使用することが好ましく、その
濃度は、0.01〜1モル/リットルであることがより
好ましい。なお、過マンガン酸カリウムの濃度が低すぎ
ると、高温にするか、長時間の酸化が必要となる。高温
にすると製造工程が煩雑になり、長時間の酸化は、製造
コストがかかるため好ましくない。一方、過マンガン酸
カリウムの濃度が高すぎると、処理後、黒鉛粒子に多く
のマンガン化合物が残留し、長時間酸洗することが必要
となるばかりでなく、活物質のグラムあたりの容量が低
下するので好ましくない。
【0016】過マンガン酸カリウムによる酸化処理後、
酸洗することが好ましい。酸洗により、マンガン化合物
を除去すると共に、黒鉛粒子に非晶質炭素をより強固に
速く付着させることができ、高容量な負極活物質を得る
ことができるので好ましい。酸洗に使用できる酸化剤
は、硫酸、硝酸、塩酸、燐酸、フッ酸、過酸化水素等の
無機酸が挙げられる。これら酸化剤は、単独でも組み合
わせて使用してもよい。また、これら酸化剤は、残留す
るマンガン化合物を溶解できるものであれば、希酸でよ
く、高濃度の酸化剤である必要はない。
【0017】次いで、酸化処理をした黒鉛粒子表面に非
晶質炭素を付着することにより、負極活物質が得られ
る。酸化処理をした黒鉛粒子表面に非晶質炭素を付着す
るための方法としては、炭化水素類の気相熱分解堆積法
による非晶質炭素の付着方法、又は、液相中で炭素前駆
体と黒鉛粒子とを混合した後焼成する方法、固相で炭素
化する炭素前駆体と黒鉛粒子とを混合した後焼成する方
法が好ましいが、これに限定されるものではない。これ
ら付着方法の内、気相熱分解堆積法が、非晶質炭素を速
く堆積できるため好ましい。非晶質炭素の厚さは、0.
01〜1μmが好ましい。0.01μmより薄いと、黒
鉛粒子の非水系イオン伝導体を分解する部分が失活しな
いため好ましくない。また、1μmより厚いと、核とな
る黒鉛粒子の比率が低下し、負極としての容量が低下す
るため好ましくない。なお、本発明における非晶質炭素
とは、黒鉛粒子に比べて結晶子の六角網面が不規則に積
層したものであるか、微結晶の集合体であるか、sp2
混成軌道以外の結合形態を有する炭素のことをいい、粉
末X線回折による平均面間隔が黒鉛粒子に比べて大きい
ことを満たすものをいう。
【0018】負極は、上記に示した黒鉛粒子表面に非晶
質炭素が付着した炭素材料(負極活物質)と結着材とを
混合して形成される。この結着材には、ポリフッ化ビニ
リデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポリ
マー、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン系ポリマー、合成ゴム類等を用いることができるがこ
れに限定されるものではない。
【0019】炭素材料と結着材との混合比(重量比)
は、99:1〜70:30とすることが好ましい。結着
材の重量比が70:30より大きくなると、電極の内部
抵抗又は分極等が大きくなり、放電容量が低くなるた
め、実用的なリチウム二次電池が作製できないので好ま
しくない。また、結着材の重量比が99:1より小さく
なると負極活物質自身又は負極活物質と集電体との結着
能力が十分でなくなり、負極活物質の脱落や機械的強度
の低下により電池が作製困難になるため好ましくない。
負極作製において、結着性を向上させるため及び結着材
の溶剤を除去するために、溶剤の沸点以上でかつ結着材
の融点前後の温度で真空中、不活性ガス雰囲気中又は空
気中で熱処理を行うのが好ましい。
【0020】負極用の集電体としては、銅、ニッケル等
が挙げられる。その形状は、箔の他、フィルム、シー
ト、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発
泡体、繊維群の成形体等を用いることができる。厚みは
1μm〜1mmのものが一般に用いられるが特に限定さ
れない。また、本発明で使用される非水系イオン伝導体
は、例えば、有機電解液、高分子固体電解質、無機固体
電解質、溶融塩等を用いることができる。この中でも有
機電解液を好適に用いることができる。
【0021】ここで、非水系イオン伝導体の溶媒は、P
C:EC=9:1〜1:9(体積比)の混合溶媒を含
み、任意に他の溶媒とを組み合わせた溶媒であることが
好ましい。更に好ましくは、PC:EC=9:1〜5:
5(体積比)の混合溶媒と任意に他の溶媒とを組み合わ
せた溶媒である。PC:EC=9:1よりもPCが多く
なると溶媒の分解が優先的に起こり、実際の二次電池に
は使用できないので好ましくない。また、PC:EC=
1:9よりPCが少なくなると−40℃以下での非水系
イオン伝導体の特性が低下するため、低温で二次電池が
作動しないので好ましくない。なお、PCの凝固点は、
−48.8℃、ECの凝固点は、36.4℃であるた
め、PC:EC=5:5(体積比)よりもECの含有量
が少ないと電解液の特性がPCに近い特性となるため、
二次電池の低温特性を向上させることができるためより
好ましい。
【0022】また、他の溶媒としては、低粘度溶媒が好
ましい。混合溶媒(PCとEC)と低粘度溶媒との混合
比は特に限定されない。低粘度溶媒を用いることによ
り、PCやECの混合溶媒だけを用いた時に比べ、非水
系イオン伝導体の粘性が下がり、リチウムイオンの伝導
度が高くなるため好ましい。使用できる具体的な溶媒
は、プロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボ
ネート(EC)、その他の溶媒として、ブチレンカーボ
ネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネー
ト、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート類、
γ−バレロラクトン等のラクトン類、テトラヒドロフラ
ン、2−メチルテトラヒドロフラン等のフラン類、ジエ
チルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジ
エトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジオキサン
等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、
メチルスルホラン、アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸
メチル等が挙げられる。これらは、単独でも組み合わせ
てもよい。より好ましくは、ジメチルカーボネート、ジ
エチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプ
ロピルカーボネート等の鎖状カーボネート類がよく、更
に好ましくはエチルメチルカーボネートが良い。
【0023】また、非水系イオン伝導体の電解質塩とし
ては、過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウム、六フッ
化リン酸リチウム、六フッ化砒酸リチウム、トリフルオ
ロメタンスルホン酸リチウム、ハロゲン化リチウム、塩
化アルミン酸リチウム等のリチウム塩が挙げられる。こ
れらは単独でも、2種以上混合して使用してもよい。非
水系イオン伝導体は、上記溶媒に電解質塩を溶解するこ
とによって調製される。非水系イオン伝導体を調製する
際に使用する溶媒、電解質塩は、上記に挙げたものに限
定されない。
【0024】本発明の非水系二次電池の正極は、正極活
物質、導電材、結着材及び場合によっては固体電解質か
らなる。正極活物質としては、リチウムを含有したカル
コゲン化合物を用いることが好ましい。リチウムを含有
する遷移金属カルコゲン化合物を用いると、電池が放電
状態で完成されるため、製造工程中の安全性を考えると
好ましい。リチウムを含有しない酸化物として、MnO
2、MoO3、V25、V613等も用いることができる
が、負極又は正極に予めリチウムを含有させておく必要
があり、製造工程が煩雑化するため好ましくない。リチ
ウムを含有したカルコゲン化合物としては、例えば、L
x 1-y y 2 (式中、MはFe、Co又はNiで
あり、Nは遷移金属、好ましくは4B族又は5B族の金
属であり、xは0<x≦1であり、yは0≦y≦1であ
る)で表されるカルコゲン化物を使用することができ
る。具体的には、LiCoO2 、LiNiO2 、LiF
eO2 、LiMnO2 等が挙げられる。更に、例えば、
LiMn2-z z 4 (式中、Nは遷移金属であり、z
は0≦z≦2である)で表されるカルコゲン化物を使用
することもできる。具体的には、LiMn2 4 等が挙
げられる。
【0025】導電材には、カーボンブラック(アセチレ
ンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック
等)等の炭素類や、グラファイト粉末、金属粉末等を用
いることができるが、これに限定されるものではない。
結着材には、ポリテトレフルオロエチレン、ポリフッ化
ビニリデン等のフッ素系ポリマー、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン系ポリマー、合成ゴム類
等を用いることができるが、これに限定されるものでは
ない。
【0026】導電材及び結着材の混合比は、正極活物質
100重量部に対して、導電材を5〜50重量部、結着
材を1〜30重量部とすることができる。導電材が5重
量部より少ない又は結着材が30重量部より多いと、電
極の内部抵抗又は分極等が大きくなり、電極の放電容量
が低くなるため、実用的なリチウム二次電池が作製でき
ないので好ましくない。導電材が50重量部より多いと
電極内に含まれる活物質量が相対的に減るため、正極と
しての放電容量が低くなるので好ましくない。結着材が
1重量部より少ないと活物質の結着能力がなくなり、活
物質の脱落や機械的強度の低下により電池の作製が困難
であるので好ましくない。結着材が30重量部より多い
と導電材の場合と同様に、電極内に含まれる活物質量が
減り、更に、電極の内部抵抗又は分極等が大きくなり、
放電容量が低くなり実用的ではない。
【0027】また、正極作製において、結着性を向上さ
せるために各々の結着材の融点前後かつ、溶媒の沸点以
上の温度で熱処理を行うことが好ましい。正極用の集電
体としては、金属単体、合金等が用いられる。例えば、
チタン、アルミニウムやステンレス鋼等がある。また、
銅、アルミニウムやステンレス鋼の表面にチタン、銀を
処理したもの、これらの材料を酸化したものが用いられ
る。形状は、箔の他、フィルム、シート、ネット、パン
チされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成
形体等が用いられる。厚みは、1μm〜1mmのものが
用いられるが、特に限定されない。
【0028】また、非水系イオン伝導体を保持するため
に、セパレーターが用いられる。セパレーターとして
は、電気絶縁性の合成樹脂繊維、ガラス繊維、天然繊維
等の不織布又は織布、アルミナ等の粉末の成形体等が挙
げられる。中でも合成樹脂のポリエチレン、ポリプロピ
レン等の不織布が、品質の安定性等の点から好ましい。
これら合成樹脂の不織布では電池が異常発熱した場合
に、セパレーターが熱によって溶解し、正極と負極との
極間を遮断する機能を付加したものもあり、電池の安全
性の観点からも、これらを好適に使用することができ
る。セパレーターの厚みは特に限定されないが、必要量
の電解液を保持することが可能で、かつ正極と負極との
短絡を防ぐ厚さがあればよく、通常0.01〜1mm程
度のものを用いることができ、好ましくは0.02〜
0.05mm程度である。
【0029】本発明では、黒鉛粒子を過マンガン酸カリ
ウムで酸化処理するが、この処理により表面上に酸素を
含む官能基が生成し、その官能基を介して非晶質炭素が
化学的に結合するため、黒鉛粒子と非晶質炭素がより強
固に付着するものと考えられる。また、黒鉛粒子を過マ
ンガン酸カリウムにより酸化処理することで、粒子表面
を物理的に荒らし、表面に付着する非晶質炭素の接着強
度が向上するものとも考えられる。
【0030】よって、本発明の構成を採用することによ
り、電位の平坦性に優れた黒鉛材料を負極活物質に用
い、プロピレンカーボネート主体の低温特性に優れた非
水系イオン伝導体と組み合わせることが可能となる。従
って、電池の放電電圧の平坦性が高く、かつ、低温特性
に優れた二次電池を作製することができる。また、本発
明の構成により、電池製造上の粉砕又は混練という工程
を経ても、、非晶質炭素を付着した黒鉛粒子の優れた特
性が損なわれなくなり、材料製造上のコストも低減する
ことが可能となる。
【0031】
【実施例】以下、実施例により発明を具体的に説明す
る。なお、X線広角回折法による平均面間隔(d002
或いは結晶子の大きさ(Lc、La)を測定する方法
は、公知の方法、例えば“炭素材料実験技術1、p.5
5〜63、炭素材料学会編(科学技術社)”に記載され
た方法によって行うことができる。Lc、Laを求める
形状因子Kは0.9を用いた。また、粒子の比表面積は
BET法により測定し、粒径はレーザー回折式粒度分布
計を用い、粒度分布におけるピークを平均粒径とした。
【0032】実施例1 黒鉛粒子に人造黒鉛(鱗片状、粒径9μm、d002
0.337nm、Lcは100nm、Laは100n
m、比表面積14m2 /g)を用い、以下の方法により
黒鉛粒子表面に非晶質炭素を付着させた炭素材料を作製
した。
【0033】0.1モル/リットル硫酸溶液に、0.0
6モル/リットルの過マンガン酸カリウム水溶液に人造
黒鉛25gを分散させた溶液を20℃にて混合し、撹拌
させながら50℃で25時間反応させた。その後、過マ
ンガン酸カリウムにより酸化処理した黒鉛3gを硝酸と
過酸化水素水の混合溶液中に入れ、3時間25℃で撹拌
しながら酸洗した。洗浄を行った黒鉛を、濾過し、十分
に乾燥させた。この時、黒鉛粒子にマンガン化合物が存
在しないことを確認した。
【0034】次に、図1に示す電気炉の試料台6に処理
した黒鉛粉末1gを載せた。キャリアーガス供給ライン
1及び原料ガス供給ライン2により、それぞれアルゴン
ガスとプロパンガスとを石英管5内に供給し、ニードル
弁3、4を操作することにより原料ガス濃度を5体積%
とした。チャンバー内のガス流速は、12cm/分とし
た。その後、加熱炉7により試料台6上の黒鉛粉末を8
00℃に加熱し、ガス導入口8より供給されるプロパン
ガスを熱分解することにより、黒鉛粒子表面に炭素を堆
積させて負極活物質を得た。堆積時間は3時間で、この
きの重量増加は14.7%であった。なお、図1中、9
はガス排気口を示している。
【0035】上記の方法で作製した負極活物質を、結着
材であるポリフッ化ビニリデンを乳鉢で溶剤N−メチル
−2−ピロリドンに溶かした溶液に分散させ、負極活物
質のペーストを混練し、調製した。このペーストを銅箔
集電体上に両面に塗布し、空気中、60℃で仮乾燥後、
240℃で減圧乾燥して負極シート電極を作製した。更
に水分除去のために200℃で真空乾燥したものを負極
として用いた。この負極は見かけ上の表面積8cm2
電極の厚みが150μm(うち集電体の厚みが50μ
m)である。
【0036】銅集電体からリード線で集電を取り、負極
単極評価用の電極とした。評価は、アルゴン雰囲気下の
グローブボックス中で3極式セルを用い、対極及び参照
極にリチウムを用いた。非水系イオン伝導体は、PC、
EC及びジエチルカーボネート(DEC)の3種類の混
合溶媒に、電解質塩である過塩素酸リチウムを1モル/
リットルの濃度になるように溶解したものを使用した。
この時、体積比PC:EC:DECが2:1:3になる
ように混合し、電極評価を行った。充放電試験は、25
℃の恒温槽中で、活物質の1gあたり30mAの電流密
度で0V(対Li/Li+ )まで充電を行い、30分の
休止をはさんだ後、同じ電流密度で2.5Vまで放電を
行った。これらの結果を表1に示す。
【0037】比較例1 負極活物質として実施例1で用いた黒鉛粒子(人造黒
鉛)を過マンガン酸カリウムにより酸化処理せず、黒鉛
粒子表面に炭素を実施例1と同じ条件で堆積した負極活
物質を用い、実施例1と同様に電極評価を行った。この
場合の炭素堆積後の重量増加は9%であった。その結果
を表1に示す。
【0038】実施例2 酸洗を行っていないこと以外は、実施例1と同様の操作
により電極を作製し電極評価を行った。この場合の炭素
堆積後の重量増加は12%であった。その結果を表1に
示す。この時、黒鉛粒子にマンガン化合物が存在するこ
とを確認した。
【0039】表1が示すように、過マンガン酸カリウム
による酸化処理し黒鉛粒子表面に非晶質炭素を付着させ
た黒鉛材料を負極活物質に用い、非水系イオン伝導体に
少なくともPCとECとを含む混合溶媒を用いるこによ
り、高い充放電容量及び初回の高い充放電効率が得られ
た。これは、黒鉛粒子と非晶質炭素の付着強度が向上し
たためであると考えられる。
【0040】また、実施例1と比較例1の結果より、同
じ条件で非晶質炭素を付着させた場合、過マンガン酸カ
リウムにより酸化処理した方が堆積量が多いことがわか
る。従って、過マンガン酸カリウムにより酸化処理した
方が非晶質炭素の堆積効率も高いということがわかる。
また、実施例1と実施例2の結果より、同じ条件で非晶
質炭素を付着させた場合、過マンガン酸カリウムによる
酸化処理後、酸洗した方が堆積量が多いことがわかる。
従って、過マンガン酸カリウムによる酸化処理後、酸洗
した方が非晶質炭素の堆積効率も高いということがわか
る。また、酸洗処理を行うことにより、更に重量あたり
の容量が増えることがわかる。
【0041】実施例3 原料としての黒鉛粒子に天然黒鉛(マダガスカル産;鱗
片状、粒径12μm、d002 は0.336nm、Lcは
17nm、Laは27nm、比表面積7.5m 2 /g)
を用い、過マンガン酸カリウムの濃度が0.13モル/
リットル、処理温度50℃、反応時間2時間、過マンガ
ン酸カリウム処理後の酸洗を硫酸中で行ったこと以外は
実施例1と同様の操作により、電極を作製し、電極評価
を行った。この場合の炭素堆積後の重量増加は13%で
あった。なお、ここで使用した非水系イオン伝導体は、
PC、EC及びエチルメチルカーボネート(EMC)の
混合溶媒で体積比2:2:1のものに、電解質塩である
六フッ化リン酸リチウムを1モル/リットルの濃度にな
るように溶解したものを使用した。この時、黒鉛粒子に
マンガン化合物が存在しないことを確認した。これらの
結果を表1に示す。
【0042】比較例2 負極活物質として実施例3で用いた天然黒鉛(マダガス
カル産)を過マンガン酸カリウムにより酸化処理せず、
黒鉛粒子表面に非晶質炭素を実施例1と同じ条件で堆積
した負極活物質を用い、実施例3と同様に電極評価を行
った。この場合の炭素堆積後の重量増加は11%であっ
た。これらの結果を表1に示す。
【0043】実施例4 原料としての黒鉛粒子に球状黒鉛(粒径6μm、d002
は0.337nm、Lcは13nm、Laは11nm、
比表面積8m2 /g)を用い、過マンガン酸カリウムの
濃度が0.06モル/リットル、反応温度50℃、反応
時間25時間であることと、処理後の酸洗処理に硫酸を
用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、電極を
作製し評価を行った。この場合の炭素堆積後の重量増加
は18%であった。なお、ここで使用した電解液はP
C、EC及びジメチルカーボネート(DMC)の混合溶
媒で体積比3:1:4に、電解質塩であるホウフッ化リ
チウムを1モル/リットルの濃度になるように溶解した
ものを使用した。この時、黒鉛粒子にマンガン化合物が
存在しないことを確認した。これらの結果を表1に示
す。
【0044】比較例3 負極活物質として実施例3で用いた球状黒鉛を過マンガ
ン酸カリウムにより酸化処理しないで、黒鉛粒子表面に
非晶質炭素を実施例1と同じ条件で堆積した炭素材料を
用い、実施例4と同様に電極評価を行った。この場合の
炭素堆積後び重量増加は10%であった。これらの結果
を表1に示す。
【0045】表1が示すように、過マンガン酸カリウム
により酸化処理をした黒鉛粒子表面に非晶質炭素を付着
させた負極活物質を負極に用いると、PCを含んだ系に
おいても充放電が可能であり、更にPCの多い系でも黒
鉛の形状に関係なく高い充放電容量及び初回の高い充放
電効率が得られた。これは、黒鉛粒子と非晶質炭素の付
着強度が向上したため、それにより高容量及び高充放電
効率を達成できたためある。
【0046】実施例5 原料としての黒鉛粒子に実施例1で用いた人造黒鉛を用
い、実施例1と同一条件で過マンガン酸カリウムによる
酸化処理した後、コールタールピッチと混合し、得られ
たものを窒素雰囲気下300℃にて2時間、その後10
00℃にて3時間焼成した。電気炉から試料を取り出
し、乳鉢にて粉砕し、ふるいにより粒径をそろえ、その
粉末を用いて実施例1と同様の操作により電極を作製
し、電極評価を行った。この時の電解液としては、P
C、EC及びDECの体積比1:1:2の混合溶媒に過
塩素酸チウムを1モル/リットルの濃度になるように溶
解したものを使用した。この時、黒鉛粒子にマンガン化
合物が存在しないことを確認した。この結果を表1に示
す。
【0047】比較例4 実施例5で用いた人造黒鉛を過マンガン酸カリウムによ
り酸化処理しないで、黒鉛粒子表面に非晶質炭素を実施
例5と同じ条件で付着した負極活物質を用い、実施例5
と同様に電極評価を行った。これらの結果を表1に示
す。
【0048】表1が示すように、過マンガン酸カリウム
により酸化処理をした黒鉛粒子表面に液相法で非晶質炭
素を付着させることで、放電容量及び初回の充放電効率
が向上することがわかる。
【0049】
【表1】
【0050】実施例6 原料としての黒鉛粒子に人造黒鉛(鱗片状、粒径12μ
m、d002 は0.337nm、Lcは20nm、Laは
50nm、比表面積8m2 /g)を用い、過マンガン酸
カリウムの濃度が0.3モル/リットル、処理温度50
℃、反応時間5時間、過マンガン酸カリウム処理後の酸
洗を硫酸中で洗浄したことしたこと以外は、実施例1と
同様の操作により電極を作製した。電極評価は、実施例
1と同様の操作で電極評価を行った。この場合の炭素堆
積後の重量増加は14%であった。なお、ここで使用し
た電解液は、PC、EC及びEMCの混合溶媒で体積比
1:2:3のものに、電解質塩である六フッ化リン酸リ
チウムを1モル/リットルの濃度になるように溶解した
ものを使用した。この時、黒鉛粒子にマンガン化合物が
存在しないことを確認した。これらの結果を表2に示
す。25℃におけるサイクル特性を図2に示す。また、
黒鉛粒子の粒度分布測定を水中での超音波照射なしで測
定した結果と、超音波照射3分行ったのちに測定した結
果もあわせて示す。
【0051】比較例5 実施例6で用いた人造黒鉛を酸化処理しないで、黒鉛粒
子表面に非晶質炭素を実施例6と同じ条件で付着した負
極活物質を用い、実施例6と同様に電極評価を行った。
この場合の炭素堆積後の重量増加は10%であった。こ
れらの結果を表2及び図2に示す。
【0052】比較例6 負極活物質として実施例6で用いた人造黒鉛を用い、実
施例6と同一条件で過マンガン酸カリウムにより酸化処
理し、実施例5と同じ条件で黒鉛粒子表面に非晶質炭素
を付着させ、実施例6と同様の操作で電極評価を行っ
た。これらの結果を表2及び図2に示す。
【0053】比較例7 負極活物質として実施例6で用いた人造黒鉛を用い、実
施例6と同一条件で過マンガン酸カリウムにより酸化処
理したものを、コールタールと混合し、得られたコール
タールと黒鉛の混合物を窒素雰囲気下400℃にて5時
間、その後1000℃にて3時間焼成した。電気炉から
試料を取り出し、乳鉢にて粉砕し、ふるいにより粒径を
そろえ、その粉末を用いて実施例1と同様の操作により
電極を作製し、実施例6と同様の操作により電極評価を
行った。これらの結果を表2及び図2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】粒度分布の測定結果から、気相法で非晶質
炭素を黒鉛粒子表面に付着させると、超音波照射前後で
粒径がほとんど変化しないことがわかる。一方、液相法
を用いた場合は、超音波照射を行うことにより粒径が小
さくなる。これらのことから、気相法を用いることで非
晶質炭素と黒鉛粒子をより強固に接着させることがでい
るため、放電容量と充放電効率が向上したことがわか
る。また、図2に示すように、非晶質炭素と黒鉛粒子の
接着強度が強いと、負極活物質の剥離が起こらないため
にサイクル特性に優れているということがわかる。
【0056】実施例7 ・負極の作製 実施例1と同様の方法により作製した表面に非晶質炭素
が付着した負極活物質を用い、結着材であるポリフッ化
ビニリデンを乳鉢で溶剤N−メチル−2−ピロリドンに
溶かした溶液に分散させ、ペースト状にしたものを、ニ
ッケル3次元多孔質集電体の孔中に塗り込んだ。これを
60℃で仮乾燥、240℃で熱処理後プレスし、更に水
分除去のために200℃で真空乾燥したものを負極とし
て用いた。この負極は直径15mm、電極厚0.50m
mのタブレットであった。
【0057】・正極の作製 水酸化リチウムと水酸化ニッケルをLi/Niの比が
1:2になるように秤量し、これを乳鉢で十分に混合し
た後、酸素気流中700℃で20時間焼成し、その後、
乳鉢で粉砕することにより活物質粉末LiNiO2 を得
た。このようにして得られた正極活物質をアセチレンブ
ラックと混合し、結着材であるポリフッ化ビニリデンを
乳鉢で溶媒N−メチル−2−ピロリドンに溶かした溶液
に分散させ、ペースト状にしたものを、アルミ箔集電体
上に塗布した。これを60℃で仮乾燥、240℃で熱処
理後プレスし、更に水分除去のために200℃で減圧乾
燥したものを正極として用いた。この正極は直径14.
8mm、電極厚0.90mmのタブレットであった。
【0058】・電池の組立 図3に示すように、予め内底面に正極集電体14が溶接
によって取り付けられ、絶縁パッキン15が載置された
正極缶17に、正極13を圧着した。次に、この上にポ
リプロピレン不織布のセパレータ12を載置し、PC、
EC及びEMCの体積比2:1:3の混合溶媒に電解質
塩LiPF6 を1モル/リットルになるように溶解した
非水系イオン伝導体を含浸させた。一方、負極蓋16の
内面に負極集電体10を溶接し、この負極集電体に負極
11を圧着させた。次に前記セパレータ12の上に前記
負極11を重ね、正極缶17と負極蓋16を絶縁パッキ
ン15を介在させてかしめ、コイン型電池を作製した。
【0059】・電池の評価 作製したコイン型電池を、充放電電流1mA、充電上限
電圧4.2Vに達した後4.2Vの定電圧充電を行っ
た。充電時間を12時間とした。放電の下限電圧を2.
5Vとして充放電試験を行った。得られた電池について
は容量の温度依存性を測定した。充放電試験は、40
℃、25℃、0℃、−20℃の恒温槽中で行った。その
結果を表3を示す。更に、0℃におけるサイクル試験を
行った結果を図4に示す。
【0060】比較例8 負極活物質に比較例1の炭素材料を用いる以外は、実施
例7に記載された方法で負極を作製した。作製した負極
の大きさ、厚さ共に実施例7に記載されたものと同じで
あった。正極の製造方法及び電池の組立方法も実施例7
に記載された方法で作製した。この電池を実施例7に記
載された方法で評価した。その結果を表3及び図4に示
す。
【0061】比較例9 実施例7と同様にして電池を作製し、非水系イオン伝導
体にPC、EC及びDECの体積比2:1:3の混合溶
媒を用いたこと以外は、すべて同様の操作で電極評価し
た。その結果を表3及び図4に示す。
【0062】
【表3】
【0063】表3が示すように、黒鉛粒子を過マンガン
酸カリウムによる酸化処理することによって表面の低結
晶性炭素と黒鉛粒子との付着強度が向上し、低温におい
ても高容量な二次電池が作製できることがわかる。図4
が示すように、黒鉛粒子を過マンガン酸カリウムにより
酸化処理を行ったものが低温においてサイクル特性が良
好なことから、黒鉛粒子を過マンガン酸カリウムにより
酸化処理することによって表面の非晶質炭素黒鉛粒子と
の付着強度が向上したことがわかる。
【0064】更に、低粘度溶媒の比較をすると、DEC
よりもEMCを用いた時の方が、サイクル性が優れてい
ることがわかる。
【0065】
【発明の効果】本発明の非水系二次電池は、負極と、リ
チウムを含有するカルコゲン化物を正極活物質として含
む正極と、非水系イオン伝導体とからなり、前記負極が
過マンガン酸カリウムにより酸化処理した黒鉛粒子の表
面に非晶質炭素を付着させた炭素材料を負極活物質とし
て含むことを特徴とする。
【0066】従って、非晶質炭素と黒鉛粒子との付着強
度を向上することができる。更に、非晶質炭素を気相熱
分解堆積法で付着させれば、非晶質炭素の堆積時間を短
くし、製造コストを下げることができる。また、低温特
性に優れたプロピレンカーボネート主体の非水系イオン
伝導体と、電位の平坦性に優れ、かつ低温特定に優れた
黒鉛系炭素材料とを組み合わせることができ、高容量か
つ電圧平坦性が高く、低温特性に優れた二次電池を作製
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における非晶質炭素作製装置を示す概略
図である。
【図2】本発明におけるサイクル特性を示すグラフであ
る。
【図3】本発明におけるコイン型電池の概略断面図であ
る。
【図4】本発明におけるコイン型電池のサイクル特性を
示すグラフである。
【符号の説明】
1 キャリアーガス供給ライン 2 原料ガス供給ライン 3、4 ニードル弁 5 石英管 6 試料台 7 加熱炉 8 ガス導入口 9 ガス排気口 10 負極集電体 11 負極 12 セパレーター 13 正極 14 正極集電体 15 絶縁パッキン 16 負極蓋 17 正極缶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01M 10/40 H01M 10/40 A Z (72)発明者 西村 直人 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 湊 和明 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負極と、リチウムを含有するカルコゲン
    化物を正極活物質として含む正極と、非水系イオン伝導
    体とからなり、前記負極が過マンガン酸カリウムにより
    酸化処理した黒鉛粒子の表面に非晶質炭素を付着させた
    炭素材料を負極活物質として含むことを特徴とする非水
    系二次電池。
  2. 【請求項2】 黒鉛粒子が、0.335〜0.340n
    mのX線広角回折法による(002)面の平均面間隔
    (d002 )、10nm以上の(002)面方向の結晶子
    厚み(Lc)、10nm以上の(110)面方向の結晶
    子厚み(La)を有する請求項1に記載の非水系二次電
    池。
  3. 【請求項3】 黒鉛粒子が、0.5〜150m2 /gの
    BET法による比表面積、0.7〜80μmの平均粒径
    を有する請求項1又は2に記載の非水系二次電池。
  4. 【請求項4】 非水系イオン伝導体が、少なくともプロ
    ピレンカーボネートとエチレンカーボネートとを含む混
    合溶媒からなる有機電解液である請求項1〜3いずれか
    1つに記載の非水系二次電池。
  5. 【請求項5】 有機電解液が、プロピレンカーボネー
    ト:エチレンカーボネート=9:1〜1:9(体積比)
    の混合溶媒を含む請求項4に記載の非水系二次電池。
  6. 【請求項6】 プロピレンカーボネート:エチレンカー
    ボネート=9:1〜5:5(体積比)である請求項5に
    記載の非水系二次電池。
  7. 【請求項7】 カルコゲン化物が、リチウムを含有する
    金属酸化物である請求項1〜6いずれか1つに記載の非
    水系二次電池。
  8. 【請求項8】 金属酸化物が、Lix 1-y y
    2 (式中、MはFe、Co又はNiであり、Nは遷移金
    属であり、xは0<x≦1であり、yは0≦y≦1であ
    る)、LiMn2-z z 4 (式中、Nは遷移金属であ
    り、zは0≦z≦2である)から選択される請求項7に
    記載の非水系二次電池。
  9. 【請求項9】 金属酸化物が、LiCoO2 、LiNi
    2 、LiFeO2、LiMnO2 又はLiMn2 4
    である請求項8に記載の非水系二次電池。
  10. 【請求項10】 黒鉛粒子を過マンガン酸カリウムによ
    り酸化処理し、次いで酸洗した後、非晶質炭素を黒鉛粒
    子の表面に付着させることを特徴とする負極活物質の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 酸洗が、硫酸、硝酸、塩酸、燐酸、フ
    ッ酸及び過酸化水素から選ばれる少なくとも1種の酸化
    剤により行われる請求項10に記載の負極活物質の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 非晶質炭素が、炭化水素を気相熱分解
    することにより黒鉛粒子の表面に付着される請求項10
    又は11に記載の負極活物質の製造方法。
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