JP2017183256A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高電圧での充電に耐え、充放電サイクル特性に優れ、高容量を有する非水電解質二次電池、当該非水電解質二次電池に好適に用いることができる非水電解質二次電池用電極および当該非水電解質二次電池用電極に好適に用いることができる非水電解質二次電池の電極用集電体を提供する。【解決手段】非水電解質二次電池の電極に用いられる集電体であって、アルミニウムからなる集電体の表面にフッ素が存在していることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。さらに詳しくは、本発明は、非水電解質二次電池、当該非水電解質二次電池に用いられる非水電解質二次電池用電極および当該非水電解質二次電池用電極に用いられる非水電解質二次電池の電極用集電体に関する。
非水電解質二次電池とりわけリチウムイオン電池は、高エネルギー密度を有する二次電池であることから、モバイル用途のみならず、電気自動車といった電動車両用として期待されている電池系である。
リチウムイオン電池に代表される非水電解質二次電池の高容量化および高エネルギー密度化は、単位質量または単位体積あたりのリチウムの挿入脱離量の大きい正極材料を用いることに主眼がおかれている。さらには、充電電圧を高くし、電荷キャリアであるリチウムの挿入脱離量を増大させることによる高エネルギー密度化の実現も検討されている。すなわち、正極活物質としてはリチウムに対して高電位で充放電反応が進行する材料の検討がなされてきている。
しかし、リチウムイオン電池の充電電圧を高くした場合、電解液が充電中に酸化分解されやすくなり、電解液から二酸化炭素やメタンなどのガスが発生し、電池の内圧が高くなって電池の構成部材が損傷を受けるおそれがある。また、充電電圧を高くすると正極活物質の充電電位が高くなることによって、正極活物質を構成する遷移金属の金属イオンが溶出しやすくなり、溶出した金属イオンが負極に移動した場合には、負極表面にデンドライト状の析出物が生じてセパレータが損傷し、内部短絡が生じるおそれがある。
また、電解液と正極との界面でのガスの発生および金属イオンの溶出を抑制し、電池の信頼性および安全性を高める非水電解質二次電池用正極材料の製造方法として、リチウム原子と、ニッケル原子、コバルト原子、マンガン原子、アルミニウム原子およびマグネシウム原子からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子とを含有し、空間群R−3m型構造または空間群Fd3m型構造を有する複合酸化物粒子にフッ素化処理を施した後、電気化学的酸化処理を施すことを特徴とする非水電解質二次電池用正極材料の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
前記製造方法によって得られた非水電解質二次電池用正極材料は、正極に用いることにより、従来のように正極の電気抵抗を高め、正極の電気化学的活性を阻害するおそれがある金属酸化物または金属フッ化物を正極活物質に使用しなくても、電解液と正極との界面でのガスの発生および金属イオンの溶出が抑制されるので、電池の信頼性および安全性が高められるという優れた効果を奏するものである。
さらに、正極活物質であるリチウム遷移金属複合酸化物粒子とフッ化黒鉛と金属フッ化物とを含む正極材料も提案され、可逆性の向上が期待されている(例えば、特許文献2)。
しかし、近年、高電圧での充電に耐え、充放電サイクル特性に優れ、高容量を有する非水電解質二次電池、当該非水電解質二次電池に好適に用いることができる非水電解質二次電池用電極および当該非水電解質二次電池用電極に好適に用いることができる非水電解質二次電池の電極用集電体の開発が望まれている。
特許第5586837号公報 特開2007−103119号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、高電圧での充電に耐え、充放電サイクル特性に優れ、高容量を有する非水電解質二次電池、当該非水電解質二次電池に好適に用いることができる非水電解質二次電池用電極および当該非水電解質二次電池用電極に好適に用いることができる非水電解質二次電池の電極用集電体を提供することを課題とする。
本発明は、
(1) 非水電解質二次電池の電極に用いられる集電体であって、アルミニウムからなる集電体の表面にフッ素が存在していることを特徴とする非水電解質二次電池の電極用集電体、
(2) 非水電解質二次電池に用いられる電極であって、電極合材層が前記(1)に記載の集電体のフッ素が存在している表面上に形成されていることを特徴とする非水電解質二次電池用電極、
(3) 電極合材層が活物質を含有し、当該活物質の表面にフッ素が存在している前記(2)に記載の非水電解質二次電池用電極、および
(4) 正極、負極、正極と負極とを分離するためのセパレータおよび非水電解質を有する非水電解質二次電池であって、前記正極または負極が前記(2)または(3)に記載の電極で構成されていることを特徴とする非水電解質二次電池
に関する。
本発明によれば、高電圧での充電に耐え、充放電サイクル特性に優れ、高容量を有する非水電解質二次電池、当該非水電解質二次電池に好適に用いることができる非水電解質二次電池用電極および当該非水電解質二次電池用電極に好適に用いることができる非水電解質二次電池の電極用集電体が提供される。
実施例1において、フッ素化されたアルミニウム集電体にアルゴンエッチングを行なった後のX線光電子分光分析(XPS)の測定結果を示す図である。 実験例1において、アルミニウム集電体のX線光電子分光分析(XPS)の測定結果を示す図である。 実験例2において、複合酸化物粒子BのX線回折(XRD)の測定結果を示す図である。 実験例2において、複合酸化物粒子BのX線光電子分光分析(XPS)の測定結果を示す図である。
〔非水電解質二次電池の電極用集電体〕
本発明の非水電解質二次電池の電極用集電体は、非水電解質二次電池の電極に用いられる集電体であり、アルミニウムからなる集電体の表面にフッ素が存在していることを特徴とする。
正極に用いられる集電体には、本発明の非水電解質二次電池の電極用集電体が使用される。集電体の表面には、必要により、凹凸を形成させておいてもよい。
負極に用いられる集電体としては、本発明の非水電解質二次電池の電極用集電体をはじめ、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはそれらの合金などからなる集電体などが挙げられる。
集電体の形状は、一般に電池に使用されているものであればよい。集電体の形状の具体例としては、例えば、箔、フィルム、シート、ネット、パンチドメタル、エキスパンドメタル、多孔質体、発泡体、繊維、織布、不織布などが挙げられる。集電体の厚さは、特に限定されないが、通常、1〜50μm程度であればよい。
集電体の表面にフッ素を存在させる方法としては、例えば、当該集電体の表面をフッ素化させる方法などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
集電体の表面をフッ素化させる方法としては、乾式法および湿式法が挙げられる。本発明においては、これらの方法のうちいずれの方法によって集電体の表面をフッ素化させてもよいが、操作の簡便性の観点から、乾式法が好ましい。乾式法では、気体のフッ素化剤を用いて気相で集電体の表面にフッ素化を施す。湿式法では、液体状のフッ素化剤またはフッ素化剤の溶液を用いて液相で集電体にフッ素化を施す。
フッ素化剤としては、例えば、フッ素(F2)、三フッ化窒素、三フッ化塩素、三フッ化臭素、五フッ化臭素、七フッ化臭素、二フッ化カルボニルなどが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上混合して用いることができる。これらのなかでは、取り扱いやすさの観点から、フッ素、三フッ化窒素、三フッ化塩素、三フッ化臭素、五フッ化臭素および七フッ化臭素が好ましく、フッ素、三フッ化窒素および三フッ化塩素がより好ましい。また、これらのフッ素化剤を必要に応じて窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、キセノンガスなどの不活性ガス、四フッ化炭素などのパーフルオロ炭素化合物ガスなどで希釈してもよい。
以下に、乾式法によって集電体の表面にフッ素化を施す場合について説明する。
乾式法によって集電体の表面にフッ素化を施す場合、フッ素化剤として、例えば、フッ素ガス、三フッ化窒素ガス、三フッ化塩素ガスなどのフッ素化剤ガスを用い、集電体をこのフッ素化剤ガスと接触させることにより、集電体の表面をフッ素化させることができる。
集電体にフッ素化剤を接触させる方法としては、例えば、集電体にフッ素化剤を供給し、接触させる方法(フロー法)、閉鎖雰囲気中で集電体をフッ素化剤と接触させる方法(バッチ法)などがあるが、安全面から、後者の方法がより好ましい。
閉鎖雰囲気中で集電体をフッ素化剤と接触させる方法(バッチ法)によって集電体をフッ素化させる場合、圧力が1〜3kPaであり、温度が10〜60℃である雰囲気中で集電体とフッ素化剤とを接触させることにより、集電体の表面をフッ素化させることができる。
集電体をフッ素化剤と接触させる際の雰囲気の圧力は、フッ素化の効率を高める観点から、フッ素ガスを用いた場合は、好ましくは0.2kPa以上であり、安全性を高めるとともに過剰なフッ素化を抑制する観点から、好ましくは3kPa以下である。また、前記雰囲気の温度は、集電体のフッ素化の効率を高める観点から、好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上であり、安全性を高める観点および過剰なフッ素化を抑制する観点から、好ましくは60℃以下、より好ましくは40℃以下である。したがって、本発明においては、集電体のフッ素化は、室温で行なうことができることから、加熱または冷却のための熱エネルギーを必要としないという利点がある。なお、フッ素ガス以外のフッ素化剤の種類やその希釈の程度、反応容器の容積などによっては、前記フッ素化剤の雰囲気圧力は前記の値に限定されず、フッ素化の進行に合わせて適宜調整することができる。
集電体をフッ素化剤と接触させる時間は、集電体をフッ素化剤と接触させる際の雰囲気の温度および圧力などによって異なるので一概には決定することができない。通常、集電体をフッ素化剤と接触させる時間は、集電体の表面がフッ素化されるのに要する時間である。
本発明においては、フッ素化剤としてフッ素ガスを用い、当該フッ素ガス雰囲気中で集電体をフッ素化剤ガスと接触させることが、フッ素原子含有集電体を効率よく製造する観点から好ましい。
なお、フッ素化された集電体に存在するフッ素は、通常、当該集電体の表面から0.02μmの深さの範囲内に存在することが、高電圧での充電に耐え、充放電サイクル特性に優れ、高容量を有する非水電解質二次電池を得る観点から好ましい。フッ素化された集電体に存在するフッ素の当該集電体の表面からの深さは、以下の実施例に記載の方法によって測定されたときの値である。
以上のように構成される非水電解質二次電池の電極用集電体は、アルミニウムからなる集電体の表面にフッ素が存在していることから、当該集電体が用いられた電極を非水電解質二次電池の電極に用いることにより、高電圧での充電に耐え、充放電サイクル特性に優れ、高容量を有する非水電解質二次電池を得ることができる。
前記非水電解質二次電池の電極用集電体は、高電圧での充電に耐え、充放電サイクル特性に優れ、高容量を有する非水電解質二次電池を得る観点から、少なくとも正極用集電体に使用される。したがって、前記非水電解質二次電池の電極用集電体は、正極用集電体および負極用集電体の双方に使用することができる。
〔非水電解質二次電池用電極〕
本発明の非水電解質二次電池用電極は、非水電解質二次電池に用いられる電極であり、電極層が前記集電体のフッ素が存在している表面上に形成されていることを特徴とする。本発明の非水電解質二次電池用電極は、高電圧での充電に耐え、充放電サイクル特性に優れ、高容量を有する非水電解質二次電池を得る観点から、少なくとも正極に使用される。したがって、本発明の非水電解質二次電池用電極は、正極および負極の双方に使用することができる。
正極に用いられる電極合材層は、正極活物質、導電剤および結着剤を混合し、得られたペーストを集電体に塗布し、乾燥することによって形成することができる。また、負極に用いられる電極合材層は、負極活物質、導電剤および結着剤を混合し、得られたペーストを集電体に塗布し、乾燥することによって形成することができる。
(1)正極に用いられる電極合材層
正極に用いられる電極合材層の原料には、正極活物質、導電剤および結着剤を含有するペーストを用いることができる。
本発明の非水電解質二次電池に用いる正極活物質の種類については、特に限定されるものではなく、従来から非水電解質二次電池用に用いられる正極活物質として用いられる材料を適宜選択して用いることができる。例えば、リチウムイオン二次電池用の正極活物質としては、リチウム基準に対して4.3V以下の電圧で使用されるコバルト酸リチウム等が挙げられる。また、リチウム基準に対して4.4V以上の電圧で使用される、リチウムを含む複合酸化物すなわちリチウム複合酸化物(例えば、LiCoOのCoの一部をTi、Zr、Mg、Alなどの金属元素で置換したもの)も用いることができる。さらには、リチウム基準で5V以上の電圧でも使用し得るリチウム複合酸化物、例えばマンガンサイトをほかの金属元素で置換したマンガン酸リチウム〔例えば、一般式LiNixyMn2-x-y4(ただし、MはNi、MnおよびLi以外の少なくとも1種の金属元素で、0.4≦x≦0.6、0≦y≦0.1である)で表される複合酸化物〕などのリチウム複合酸化物が挙げられる。前記一般式における金属元素Mは、例えば、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Ti、Al、Mg、Ca、Baなどが好ましく、これらのなかではFeおよびCoは、より良好な特性が得られることから、より好ましい。
正極合剤層に係る導電材には、従来の非水電解質二次電池に用いられている物質の1種類または2種類以上を、特に限定することなく使用することができる。導電材としては、例えば、黒鉛(天然黒鉛およびその改良体、人造黒鉛)、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなど)、コークス、繊維状炭素(気相成長炭素繊維、ピッチを紡糸した後に炭化処理して得られる炭素繊維など)、カーボンナノチューブ(各種の多層または単層のカーボンナノチューブ)、カーボンファイバーなどの炭素材料などが挙げられる。
正極の容量を高めるために正極合剤層の密度を大きくするには、正極活物質の平均粒径が0.05〜30μmであることが好ましく、導電材の平均粒子径が正極活物質の平均粒径以下であることが好ましい。
正極活物質100質量部あたりの導電剤の量は、特に限定されないが、通常、1〜20質量部程度であることが好ましく、1〜5質量部であることがより好ましい。
正極合材層に係る結着剤としては、従来から非水電解質二次電池に用いられている接着性を有する物質を特に限定することなく使用することができる。例えば、有機溶剤系のスラリーの正極活物質層を形成させる場合には、結着剤として有機溶媒に分散または溶解するポリマー材料を好ましく用いることができる。当該ポリマー材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリエチレンオキサイドなどを挙げることができる。水系のスラリーを用いて正極活物質層を形成する場合には、結着剤として水に溶解または分散するポリマー材料を好ましく用いることができる。当該ポリマー材料としては、例えば、セルロース系ポリマー、フッ素系樹脂、酢酸ビニル共重合体、ゴム類などを挙げることができる。より具体的には、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラッテクス)などが挙げられる。なお、ここに開示される結着剤は、結着剤としての作用の他に増粘剤などの役割を担うこともできる。
正極活物質100質量部あたりの結着剤の量は、特に限定されないが、通常、好ましくは0.5〜10質量部、より好ましくは1〜5質量部である。
正極の電極合材層は、例えば、正極活物質、導電剤および結着剤を含有するペーストを集電体に塗布し、乾燥させることによって容易に形成させることができる。形成された正極の電極合材層には、必要により、プレス処理を施すことにより、当該正極の電極合材層の厚さおよび密度を調整することができる。プレス処理法としては、例えば、ロールプレス法、平板プレス法などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。正極の活物質の密度は、1.5〜4.5g/cm程度、好ましくは2.0〜4.5g/cm程度である。
(2)負極に用いられる電極合材層
負極に用いられる電極合材層の原料には、負極活物質、導電剤および結着剤を含有するペーストを用いることができる。
負極活物質としては、例えば、黒鉛、炭素繊維、活性炭などの炭素質材料、錫酸化物、ケイ素酸化物などの、リチウムイオンを挿入または脱離しうる材料などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの負極活物質は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
リチウムイオンを挿入または脱離しうる材料としては、例えば、リチウム、リチウム合金、チタニウムを含むリチウム複合酸化物、金属間化合物、炭素材料などのリチウムイオンを挿入または脱離しうる化合物であればよい。これらの負極材料は、それぞれ単独で用いてもよく、本発明の目的が損なわれない範囲内で任意に組み合わせて用いてもよい。
リチウム合金としては、例えば、Li−Al系合金、Li−Al−Mn系合金、Li−Al−Mg系合金、Li−Al−Sn系合金、Li−Al−In系合金、Li−Al−Cd系合金、Li−Al−Te系合金、Li−Ga系合金、Li−Cd系合金、Li−In系合金、Li−Pb系合金、Li−Bi系合金、Li−Mg系合金などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。リチウム合金におけるリチウムの含有量は、用途により任意に選ぶことができる。
金属間化合物としては、例えば、遷移金属とケイ素の化合物、遷移金属とスズの化合物などが挙げられる。
炭素材料としては、例えば、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛など)、有機高分子化合物の焼成体、ガラス状炭素、炭素繊維、コークス類、熱分解炭素、メソカーボンマイクロビーズ、黒鉛化メソフェーズ小球体、気相成長炭素、ポリ不定形炭素などが挙げられ、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、本発明の目的が損なわれない範囲内で任意に組み合わせて用いてもよい。
負極に用いられる導電剤としては、正極に用いられる導電剤と同じものを例示することができる。負極活物質100質量部あたりの導電剤の量は、負極活物質の種類によって異なるので特に限定されないが、通常、1〜30質量部程度であることが好ましい。
負極に用いられる結着剤としては、正極に用いられる導電剤と同じものを例示することができる。負極活物質100質量部あたりの結着剤の量は、特に限定されないが、通常、好ましくは1〜30質量部である。
負極の電極合材層は、例えば、負極活物質、導電剤および結着剤を含有するペーストを集電体に塗布し、乾燥させることによって容易に形成させることができる。形成された負極の電極合材層には、必要により、プレス処理を施すことにより、当該負極の電極活物質層の密度は、1.0〜1.9g/cm程度であることが好ましい。
以上のようにして、本発明の非水電解質二次電池用電極を得ることができる。本発明の非水電解質二次電池用電極を用いることにより、高電圧での充電に耐え、充放電サイクル特性に優れ、高容量を有する非水電解質二次電池を得ることができる。
〔非水電解質二次電池〕
本発明の非水電解質二次電池は、正極、負極、正極と負極とを分離するためのセパレータおよび非水電解質を有する非水電解質二次電池であり、前記正極が前記非水電解質二次電池用電極で構成されていることを特徴とする。
本発明の非水電解質二次電池においては、正極、負極および正極と負極とを分離するためのセパレータは、例えば、正極と負極との間にセパレータを介在させて積層させた積層体(積層電極体)、当該積層体を渦巻状に巻き取った巻回体(巻回電極体)の形態で使用することができる。
セパレータは、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス繊維などからなるシート、不織布などのイオン透過度および機械的強度が高く、絶縁性、耐有機溶媒性および疎水性を有する微多孔性の単層または多層薄膜であることが好ましい。セパレータは、前記セパレータ材料とアルミナやマグネシアなどを用いたセラミックスとの複合セパレータであっても何ら差し支えない。セパレータの厚さは、10〜50μm程度であればよい。また、セパレータの空孔率は、電子やイオンの透過性などに応じて決定されるが、一般的には30〜70%程度であることが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池に係る非水電解質には、通常、非水系の液状電解質(以下、「電解液」という)が用いられる。当該電解液には、有機溶媒にリチウム塩などの電解質塩を溶解させたものが用いられる。有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネートなどの鎖状エステル;エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート(VC)などの誘電率の高い環状エステル;鎖状エステルと環状エステルとの混合溶媒などが挙げられ、これらのなかでは鎖状エステルを主溶媒とした環状エステルの混合溶媒が適している。
電解液の調製にあたって有機溶媒に溶解させる電解質塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF、LiSbF6、LiCF3SO3、LiC49SO3、LiCF3CO2、Li224(SO32、LiCn2n+1SO3(n≧2)、LiN(FSO22、LiN(RfSO2)(Rf’SO2)、LiC(RfSO23、LiN(RfOSO22〔ここで、RfおよびRf’はフルオロアルキル基を示す〕などが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
電解液中における電解質塩の濃度は、特に制限されないが、0.3mol/L〜1.7mol/Lであることが好ましく、0.4mol/L〜1.5mol/Lであることがより好ましい。
本発明の非水電解質二次電池において、非水電解質としては、前記電解液以外に前記電解液をポリマーなどからなるゲル化剤でゲル化したゲル状の電解質、固体状の電解質を用いることができる。当該固体状電解質としては、無機系電解質のほか、有機系電解質などを用いることができる。
有機溶媒1リットル(L)あたりの電解質の量は、特に限定されないが、好ましくは0.2〜2mol/L、より好ましくは0.5〜1.5mol/Lである。
電解液は、通常、正極合材、負極合材、さらには微孔性薄膜などからなるセパレータに含浸させることによって用いることができる。
本発明の非水電解質二次電池の形状としては、スチール缶やアルミニウム缶などを外装缶として使用した電池、例えば、コイン型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、本発明の非水電解質二次電池は、金属を蒸着した多層ラミネートフィルムを外装体としたソフトパッケージ電池(ラミネートセルまたはポーチセル)とすることもできる。
本発明の非水電解質二次電池は、高電圧での充電に耐え、充放電サイクル特性に優れ、高容量を有するので、例えば、携帯電話やノート型パソコンなどのモバイル機器、電源システム、電気自動車、電動自転車、搬送車などの車両、各種機器の電源などの幅広い用途に使用することができる。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
(1)フッ素化されたアルミニウム箔の作製
厚さが15μmであり、幅が200mmであり、長さが3mであるアルミニウム箔をニッケル製の反応容器内に入れ、アルミニウム箔の重なりが小さくなるようにして広げた後、当該反応容器を内容積が3Lのステンレス鋼(SUS316)製反応容器内に入れ、当該反応容器内の圧力が1Pa以下となるまで減圧した。
次に、前記反応容器内の温度を25℃に調整し、絶対圧で0.8kPaとなるまでフッ素ガスを当該反応容器に接続されたフッ素ガス導入管から当該反応容器内に導入し、25℃の温度で1時間保持した。その後、フッ素ガスを反応容器から排気し、反応容器内の圧力が大気圧となるまでアルゴンガスを反応容器内に導入した。アルゴンガス雰囲気中で反応容器を開け、フッ素化されたアルミニウム箔を反応容器から取り出した。前記で得られたフッ素化されたアルミニウム箔をアルゴンガスが封入された容器内に保存した。当該フッ素化されたアルミニウム箔を集電体として用いた。
前記で得られたフッ素化されたアルミニウム箔にアルゴンイオンを照射することにより、当該フッ素化されたアルミニウム箔を少しずつエッチングさせ、その表面をX線光電子分光分析にて分析し、フッ素原子が検出されなくなるまでのフッ素化されたアルミニウム箔のフッ素化された層の厚さを測定した。その結果、フッ素化された層の厚さは、図1に示されるように、およそ20nmであった(エッチング1秒間は約1nmの深さに相当)。なお、X線光電子分光分析の測定方法は、以下のとおりである。
〔X線光電子分光分析の測定方法〕
試料をX線光電子分光分析装置〔日本電子(株)製、品番:XPS9010MC〕の真空チャンバー内にセットし、真空チャンバー内を10-3Paまで減圧し、MgKα線を照射することによって生じた光電子を分光することによってスペクトルを得た。ここで、フッ素原子の1s電子に由来する光電子に帰属するピーク(685eV付近)を調べるため、680eV〜700eVの範囲でスペクトルを調べた。
さらに、X線光電子分光分析(XPS)において、フッ素の存在が皮膜であると仮定して、神戸製鋼技報、Vol.50、p70(2000)に示されている式(1):
Figure 2017183256
(式中、dは皮膜の厚さ(nm)、θは観測角(ここではθ=0°)、NFおよびNA1はフッ素およびアルミニウムの各光電子数である)
に基づいて皮膜の厚さを求めた。
式(1)を用いて、図1に示されるフッ素ガスの導入圧力が0.8kPaであるときおよび0.4kPaであるときについて、フッ素皮膜の厚さを求めた。その結果、すべてが皮膜と考えた場合、フッ素皮膜の厚さは、フッ素ガスの導入圧力が0.8kPaであるとき、およそ5.5nmであり、0.8kPaであるとき、5.0nmであった。
(2)正極活物質の調製
撹拌機およびオーバーフローパイプを備えた内容量が15Lである円筒形反応槽内に水13Lを入れた後、当該水に30%水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより、当該水のpHを10.9に調整した。その後、反応層内の水の液温を50℃に保持し、撹拌下で窒素ガスを当該水中に0.5L/minの流量で吹き込むことにより、水中の溶存酸素を除去した。
一方、1.7mol/L硫酸ニッケル水溶液と1.5mol/L硫酸コバルト水溶液と1.1mol/L硫酸マンガン水溶液とをニッケル原子とコバルト原子とマンガン原子との原子比が0.5:0.2:0.3となるように混合した。得られた混合溶液1Lあたり50mLの割合で6mol/L硫酸アンモニウム水溶液を当該混合溶液に添加した。当該混合溶液1Lあたり13mLの割合で4質量%ヒドラジン水溶液を当該混合溶液に添加することにより、原料溶液を得た。
次に、前記円筒形反応槽内に前記原料溶液を10mL/minの流量で連続的に添加し、さらに30%水酸化ナトリウムを断続的に前記円筒形反応槽内に添加し、円筒形反応槽内の溶液のpHを10.9に調整することにより、ニッケル−コバルト−マンガン複合水酸化物粒子を得た。
円筒形反応槽内が定常状態になった後、オーバーフローパイプからニッケル−コバルト−マンガン複合水酸化物粒子を連続的に採取して水洗し、濾過し、100℃の温度で15時間乾燥することにより、ニッケル−コバルト−マンガン複合水酸化物の乾燥粉末を得た。
次に、得られたニッケル−コバルト−マンガン複合水酸化物のニッケル原子とコバルト原子とマンガン原子との合計量とリチウム原子との原子比〔Li/(Ni+Co+Mn)〕が1.02となるように水酸化リチウム一水和物を秤量し、この水酸化リチウム一水和物とニッケル−コバルト−マンガン複合水酸化物の乾燥粉末とを十分に混合し、得られた混合物を空気中で1000℃の温度で10時間焼成することにより、複合酸化物を得た。
得られた複合酸化物を粉砕することにより、粒子径が20μm以下である複合酸化物粒子を得た。得られたリチウム複合酸化物粒子の平均粒子径(D50)は、12.0μmであり、比表面積は、0.25m2/gであった。また、当該リチウム複合酸化物粒子におけるニッケルとコバルトとマンガンのモル比が0.51:0.21:0.30であることから、当該リチウム複合酸化物粒子は、式:LiNi0.5Co0.2Mn0.32で表されるものであった。以下、前記で得られたリチウム複合酸化物粒子を「複合酸化物粒子A」という。
(3)正極の作製
複合酸化物粒子A80質量部、カーボンブラック10質量部およびポリフッ化ビニリデン10質量部を混合し、得られた混合物をN−メチルピロリドンに希釈分散させることにより、ペーストを得た。なお、得られたペーストの固形分濃度は68%とした。
前記で得られたペーストを前記で得られた集電体(フッ素化されたアルミニウム箔)の一方表面に塗布し、乾燥させることにより、厚さが94μmの電極合材層が形成された電極を得た。
次に、前記で得られた電極合材層が形成された電極をプレスし、120℃の温度で減圧下にて乾燥させ、直径が16mmとなるように打ち抜くことにより、正極を作製した。
(4)リチウム負極の作製
厚さが300μmであるリチウム箔をアルゴンガス雰囲気のグローブボックス内で、直径が18mmとなるように打ち抜くことにより、リチウム負極を作製した。
(5)非水電解質二次電池の組立て
アルゴンガス雰囲気のグローブボックス中で、前記で得られた正極とリチウム負極との間にポリエチレン製の多孔膜セパレータ(厚さ:25μm、空孔率:45%)を介在させて正極の電極合材層とリチウム負極とを対向させて重ね合わせ、得られた積層体をコインセルタイプのトムセル内に入れた。
次に、アルゴンガス雰囲気グローブボックス中で、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒にLiPF6を溶解させ、当該LiPF6の濃度が1mol/Lである非水電解液を調製し、この非水電解液を前記トムセル内に入れ、トムセルの開口部を封止することにより、非水電解質二次電池を作製した。
実施例2
(1)フッ素化されたアルミニウム箔の作製
厚さが15μmであり、幅が200mmであり、長さが3mであるアルミニウム箔をニッケル製の反応容器内に入れ、アルミニウム箔の重なりが小さくなるようにして広げた後、当該反応容器を内容積が3Lのステンレス鋼(SUS316)製反応容器内に入れ、当該反応容器内の圧力が1Pa以下となるまで減圧した。
次に、前記反応容器内の温度を25℃に調整し、絶対圧で0.4kPaとなるまでフッ素ガスを当該反応容器に接続されたフッ素ガス導入管から当該反応容器内に導入し、25℃の温度で1時間保持した。その後、フッ素ガスを反応容器から排気し、反応容器内の圧力が大気圧となるまでアルゴンガスを反応容器内に導入した。アルゴンガス雰囲気中で反応容器を開け、フッ素化されたアルミニウム箔を反応容器から取り出した。前記で得られたフッ素化されたアルミニウム箔をアルゴンガスが封入された容器内に保存した。当該フッ素化されたアルミニウム箔を集電体として用いた。
(2)正極活物質
正極活物質として、実施例1と同様にして調製した複合酸化物粒子Aを用いた。
(3)正極の作製
複合酸化物粒子A80質量部、カーボンブラック10質量部およびポリフッ化ビニリデン10質量部を混合し、得られた混合物をN−メチルピロリドンに希釈分散させることにより、ペーストを得た。なお、得られたペーストの固形分濃度は68%とした。
前記で得られたペーストを前記で得られた集電体(フッ素化されたアルミニウム箔)の一方表面に塗布し、乾燥させることにより、厚さが94μmの電極合材層が形成された電極を得た。
次に、前記で得られた電極層が形成された電極をプレスし、120℃の温度で減圧下にて乾燥させ、直径が16mmとなるように打ち抜くことにより、正極を作製した。
(4)リチウム負極の作製
厚さが300μmであるリチウム箔をアルゴンガス雰囲気のグローブボックス中で、直径が18mmとなるように打ち抜くことにより、リチウム負極を作製した。
(5)非水電解質二次電池の組立て
アルゴンガス雰囲気グローブボックス中で、前記で得られた正極とリチウム負極との間にポリエチレン製の多孔膜セパレータ(厚さ:25μm、空孔率:45%)を介在させて正極の電極合材層とリチウム負極とを対向させて重ね合わせ、得られた積層体をコインセルタイプのトムセル内に入れた。
次に、アルゴンガス雰囲気グローブボックス中で、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒にLiPF6を溶解させ、当該LiPF6の濃度が1mol/Lである非水電解液を調製し、この非水電解液を前記トムセル内に入れ、トムセルの開口部を封止することにより、非水電解質二次電池を作製した。
実施例3
(1)フッ素化されたアルミニウム箔の作製
厚さが15μmであり、幅が200mmであり、長さが3mであるアルミニウム箔をニッケル製の反応容器内に入れ、アルミニウム箔の重なりが小さくなるようにして広げた後、当該反応容器を内容積が3Lのステンレス鋼(SUS316)製反応容器内に入れ、当該反応容器内の圧力が1Pa以下となるまで減圧した。
次に、前記反応容器内の温度を25℃に調整し、絶対圧で0.8kPaとなるまでフッ素ガスを当該反応容器に接続されたフッ素ガス導入管から当該反応容器内に導入し、25℃の温度で1時間保持した。その後、フッ素ガスを反応容器から排気し、反応容器内の圧力が大気圧となるまでアルゴンガスを反応容器内に導入した。アルゴンガス雰囲気中で反応容器を開け、フッ素化されたアルミニウム箔を反応容器から取り出した。前記で得られたフッ素化されたアルミニウム箔をアルゴンガスが封入された容器内に保存した。当該フッ素化されたアルミニウム箔を集電体として用いた。
(2)正極活物質
正極活物質として、実施例1と同様にして調製した複合酸化物粒子Aを用いた。
(3)正極活物質のフッ素化
複合酸化物粒子Aを20g精秤し、ニッケル製反応容器内に入れ、できるだけ粒子同士の重なりが小さくなるようにして広げた後、このニッケル製反応容器を内容積3Lのステンレス鋼(SUS316)製の反応容器中に設置し、フッ素ガス導入ラインに接続した。接続部の機密性を確認した後、圧力が1Pa以下となるように減圧した。
次に、反応容器内の温度を25℃に調整し、絶対圧で0.4kPaとなるまでフッ素ガスを反応容器内に導入し、1時間保持した。その後、フッ素ガスを排気し、アルゴンガスを1気圧となるまで反応容器内に導入した。アルゴンガス雰囲気中で容器を開け、フッ素化された複合酸化物粒子を取り出した。このフッ素化された複合酸化物粒子(以下、複合酸化物粒子Aという)をアルゴンガスが封入された容器内で保存した。
(4)正極の作製
フッ素化された複合酸化物粒子A80質量部、カーボンブラック10質量部およびポリフッ化ビニリデン10質量部を混合し、得られた混合物をN−メチルピロリドンに希釈分散させることにより、ペーストを得た。なお、得られたペーストの固形分濃度は68%とした。
前記で得られたペーストを前記で得られた集電体(フッ素化されたアルミニウム箔)の一方表面に塗布し、乾燥させることにより、厚さが94μmの電極合材層が形成された電極を得た。
次に、前記で得られた電極合材層が形成された電極をプレスし、120℃の温度で減圧下にて乾燥させ、直径が16mmとなるように打ち抜くことにより、正極を作製した。
(4)リチウム負極の作製
厚さが300μmであるリチウム箔をアルゴンガス雰囲気のグローブボックス内で、直径が18mmとなるように打ち抜くことにより、リチウム負極を作製した。
(5)非水電解質二次電池の組立て
アルゴンガス雰囲気グローブボックス中で、前記で得られた正極とリチウム負極との間にポリエチレン製の多孔膜セパレータ(厚さ:25μm、空孔率:45%)を介在させて正極の電極層とリチウム負極とを対向させて重ね合わせ、得られた積層体をコインセルタイプのトムセル内に入れた。
次に、アルゴンガス雰囲気グローブボックス中で、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒にLiPF6を溶解させ、当該LiPF6の濃度が1mol/Lである非水電解液を調製し、この非水電解液を前記トムセル内に入れ、トムセルの開口部を封止することにより、非水電解質二次電池を作製した。
実施例4
(1)フッ素化されたアルミニウム箔の作製
厚さが15μmであり、幅が200mmであり、長さが3mであるアルミニウム箔をニッケル製の反応容器内に入れ、アルミニウム箔の重なりが小さくなるようにして広げた後、当該反応容器を内容積が3Lのステンレス鋼(SUS316)製反応容器内に入れ、当該反応容器内の圧力が1Pa以下となるまで減圧した。
次に、前記反応容器内の温度を25℃に調整し、絶対圧で0.4kPaとなるまでフッ素ガスを当該反応容器に接続されたフッ素ガス導入管から当該反応容器内に導入し、25℃の温度で1時間保持した。その後、フッ素ガスを反応容器から排気し、反応容器内の圧力が大気圧となるまでアルゴンガスを反応容器内に導入した。アルゴンガス雰囲気中で反応容器を開け、フッ素化されたアルミニウム箔を反応容器から取り出した。前記で得られたフッ素化されたアルミニウム箔をアルゴンガスが封入された容器内に保存した。当該フッ素化されたアルミニウム箔を集電体として用いた。
(2)正極活物質
正極活物質として、実施例1と同様にして調製した複合酸化物粒子Aを用いた。
(3)正極活物質のフッ素化
複合酸化物粒子Aを20g精秤してニッケル製反応容器内に入れ、できるだけ粒子同士の重なりが小さくなるようにして広げた後、このニッケル製反応容器を内容積3Lのステンレス鋼(SUS316)製の反応容器中に設置し、フッ素ガス導入ラインに接続した。接続部の機密性を確認した後、圧力が1Pa以下となるように減圧した。
次に、反応容器内の温度を25℃に調整し、絶対圧で0.4kPaとなるまでフッ素ガスを反応容器内に導入し、1時間保持した。その後、フッ素ガスを排気し、アルゴンガスを1気圧となるまで反応容器内に導入した。アルゴンガス雰囲気中で容器を開け、フッ素化された複合酸化物粒子を取り出した。このフッ素化された複合酸化物粒子(以下、複合酸化物粒子Aという)をアルゴンガスが封入された容器内で保存した。
(4)正極の作製
フッ素化された複合酸化物粒子A80質量部、カーボンブラック10質量部およびポリフッ化ビニリデン10質量部を混合し、得られた混合物をN−メチルピロリドンに希釈分散させることにより、ペーストを得た。なお、得られたペーストの固形分濃度は68%とした。
前記で得られたペーストを前記で得られた集電体(フッ素化されたアルミニウム箔)の一方表面に塗布し、乾燥させることにより、厚さが94μmの電極合材層が形成された電極を得た。
次に、前記で得られた電極合材層が形成された電極をプレスし、120℃の温度で減圧下にて乾燥させ、直径が16mmとなるように打ち抜くことにより、正極を作製した。
(5)リチウム負極の作製
厚さが300μmであるリチウム箔をアルゴンガス雰囲気のグローブボックス内で、直径が18mmとなるように打ち抜くことにより、リチウム負極を作製した。
(6)非水電解質二次電池の組立て
アルゴンガス雰囲気グローブボックス中で、前記で得られた正極とリチウム負極との間にポリエチレン製の多孔膜セパレータ(厚さ:25μm、空孔率:45%)を介在させて正極の電極合材層とリチウム負極とを対向させて重ね合わせ、得られた積層体をコインセルタイプのトムセル内に入れた。
次に、アルゴンガス雰囲気グローブボックス中で、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒にLiPF6を溶解させ、当該LiPF6の濃度が1mol/Lである非水電解液を調製し、この非水電解液を前記トムセル内に入れ、トムセルの開口部を封止することにより、非水電解質二次電池を作製した。
比較例1
(1)アルミニウム箔
厚さが15μmであり、幅が200mmであり、長さが3mであるアルミニウム箔を集電体として用いた。
(2)正極活物質
正極活物質として、実施例1と同様にして調製した複合酸化物粒子Aを用いた。
(3)正極活物質の作製
フッ素化された複合酸化物粒子A80質量部、カーボンブラック10質量部およびポリフッ化ビニリデン10質量部を混合し、得られた混合物をN−メチルピロリドンに希釈分散させることにより、ペーストを得た。なお、得られたペーストの固形分濃度は68%とした。
前記で得られたペーストを前記集電体(アルミニウム箔)の一方表面に塗布し、乾燥させることにより、厚さが94μmの電極層が形成された集電体を得た。
次に、前記で得られた電極合材層が形成された電極をプレスし、120℃の温度で減圧下にて乾燥させ、直径が16mmとなるように打ち抜くことにより、正極を作製した。
(4)リチウム負極の作製
厚さが300μmであるリチウム箔をアルゴンガス雰囲気のグローブボックス内で、直径が18mmとなるように打ち抜くことにより、リチウム負極を作製した。
(5)非水電解質二次電池の組立て
アルゴンガス雰囲気グローブボックス中で、前記で得られた正極とリチウム負極との間にポリエチレン製の多孔膜セパレータ(厚さ:25μm、空孔率:45%)を介在させて正極の電極合材層とリチウム負極とを対向させて重ね合わせ、得られた積層体をコインセルタイプのトムセル内に入れた。
次に、アルゴンガス雰囲気グローブボックス中で、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒にLiPF6を溶解させ、当該LiPF6の濃度が1mol/Lである非水電解液を調製し、この非水電解液を前記トムセル内に入れ、トムセルの開口部を封止することにより、非水電解質二次電池を作製した。
〔放電容量の測定〕
実施例1〜4および比較例1で得られた非水電解質二次電池に電圧が4.2Vとなるまで0.2Cの定電流で充電し、次いで4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cとなるまで充電を行なった。
引き続いて電池電圧が3.0Vとなるまで0.2Cで非水電解質二次電池の定電流放電を行ない、放電容量(初期容量)を測定した。
引き続いて非水電解質二次電池の充電電圧を4.2Vから4.4Vに充放電のサイクルごとに充電電圧を高くし、充電後の放電容量を求めた。その結果を表1に示す。
Figure 2017183256
表1に示された結果から、各実施例で得られた非水電解質二次電池は、放電容量が高く、実用的であることがわかる。
実施例5
(1)フッ素化されたアルミニウム箔の作製
厚さが15μmであり、幅が200mmであり、長さが3mであるアルミニウム箔をニッケル製の反応容器内に入れ、アルミニウム箔の重なりが小さくなるようにして広げた後、当該反応容器を内容積が3Lのステンレス鋼(SUS316)製反応容器内に入れ、当該反応容器内の圧力が1Pa以下となるまで減圧した。
次に、前記反応容器内の温度を25℃に調整し、絶対圧で0.8kPaとなるまでフッ素ガスを当該反応容器に接続されたフッ素ガス導入管から当該反応容器内に導入し、25℃の温度で1時間保持した。その後、フッ素ガスを反応容器から排気し、反応容器内の圧力が大気圧となるまでアルゴンガスを反応容器内に導入した。アルゴンガス雰囲気中で反応容器を開け、フッ素化されたアルミニウム箔を反応容器から取り出した。前記で得られたフッ素化されたアルミニウム箔をアルゴンガスが封入された容器内に保存した。当該フッ素化されたアルミニウム箔を集電体として用いた。
(2)正極活物質の調製
撹拌機およびオーバーフローパイプを備えた内容量が15Lである円筒形反応槽内に水13Lを入れた後、当該水に30%水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより、当該水のpHを10.9に調整した。その後、反応層内の水の液温を50℃に保持し、撹拌下で窒素ガスを当該水中に0.5L/minの流量で吹き込むことにより、水中の溶存酸素を除去した。
一方、1.7mol/L硫酸ニッケル水溶液と1.5mol/L硫酸コバルト水溶液と1.1mol/L硫酸マンガン水溶液とをニッケル原子とコバルト原子とマンガン原子との原子比が2:1:7となるように混合した。得られた混合溶液1Lあたり50mLの割合で6mol/L硫酸アンモニウム水溶液を当該混合溶液に添加した。当該混合溶液1Lあたり13mLの割合で4質量%ヒドラジン水溶液を当該混合溶液に添加することにより、原料溶液を得た。
次に、前記円筒形反応槽内に前記原料溶液を10mL/minの流量で連続的に添加し、さらに30%水酸化ナトリウムを断続的に前記円筒形反応槽内に添加し、円筒形反応槽内の溶液のpHを調整することにより、ニッケル−コバルト−マンガン複合水酸化物粒子を得た。
円筒形反応槽内が定常状態になった後、オーバーフローパイプからニッケル−コバルト−マンガン複合水酸化物粒子を連続的に採取して水洗し、濾過し、100℃の温度で15時間乾燥することにより、ニッケル−コバルト−マンガン複合水酸化物の乾燥粉末を得た。
次に、得られたニッケル−コバルト−マンガン複合水酸化物のニッケル原子とコバルト原子とマンガン原子との合計量とリチウム原子との原子比〔Li/(Ni+Co+Mn)〕が1.52となるように水酸化リチウム一水和物を秤量し、この水酸化リチウム一水和物とニッケル−コバルト−マンガン複合水酸化物の乾燥粉末とを十分に混合し、得られた混合物を空気中で1000℃の温度で10時間焼成することにより、リチウム複合酸化物を得た。
得られたリチウム複合酸化物を粉砕することにより、粒子径が20μm以下であるリチウム複合酸化物粒子を得た。得られたリチウム複合酸化物粒子の平均粒子径(D50)は、5.7μmであり、比表面積は、1.7m2/gであった。また、当該リチウム複合酸化物粒子におけるニッケルとコバルトとマンガンのモル比が0.19:0.09:0.65であることから、当該リチウム複合酸化物粒子は、式:Li1.4Ni0.19Co0.09Mn0.652で表されるものであった。前記で得られたリチウム複合酸化物粒子を以下、「複合酸化物粒子B」という。
(3)正極の作製
複合酸化物粒子B80質量部、カーボンブラック10質量部およびポリフッ化ビニリデン10質量部を混合し、得られた混合物をN−メチルピロリドンに希釈分散させることにより、ペーストを得た。なお、得られたペーストの固形分濃度は68%とした。
前記で得られたペーストを前記で得られた集電体(フッ素化されたアルミニウム箔)の一方表面に塗布し、乾燥させることにより、厚さが94μmの電極合材層が形成された電極を得た。
次に、前記で得られた電極合材層が形成された電極をプレスし、120℃の温度で減圧下にて乾燥させ、直径が16mmとなるように打ち抜くことにより、正極を作製した。
(4)リチウム負極の作製
厚さが300μmであるリチウム箔をアルゴンガス雰囲気のグローブボックス内で、直径が18mmとなるように打ち抜くことにより、リチウム負極を作製した。
(5)非水電解質二次電池の組立て
アルゴンガス雰囲気グローブボックス中で前記で得られた正極とリチウム負極との間にポリエチレン製の多孔膜セパレータ(厚さ:25μm、空孔率:45%)を介在させて正極の電極合材層とリチウム負極とを対向させて重ね合わせ、得られた積層体をコインセルタイプのトムセル内に入れた。
次に、アルゴンガス雰囲気グローブボックス中でエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒にLiPF6を溶解させ、当該LiPF6の濃度が1mol/Lである非水電解液を調製し、この非水電解液を前記トムセル内に入れ、トムセルの開口部を封止することにより、非水電解質二次電池を作製した。
実施例6
(1)フッ素化されたアルミニウム箔の作製
厚さが15μmであり、幅が200mmであり、長さが3mであるアルミニウム箔をニッケル製の反応容器内に入れ、アルミニウム箔の重なりが小さくなるようにして広げた後、当該反応容器を内容積が3Lのステンレス鋼(SUS316)製反応容器内に入れ、当該反応容器内の圧力が1Pa以下となるまで減圧した。
次に、前記反応容器内の温度を25℃に調整し、絶対圧で0.4kPaとなるまでフッ素ガスを当該反応容器に接続されたフッ素ガス導入管から当該反応容器内に導入し、25℃の温度で1時間保持した。その後、フッ素ガスを反応容器から排気し、反応容器内の圧力が大気圧となるまでアルゴンガスを反応容器内に導入した。アルゴンガス雰囲気中で反応容器を開け、フッ素化されたアルミニウム箔を反応容器から取り出した。前記で得られたフッ素化されたアルミニウム箔をアルゴンガスが封入された容器内に保存した。当該フッ素化されたアルミニウム箔を集電体として用いた。
(2)正極活物質
正極活物質として、実施例5と同様にして調製した複合酸化物粒子Bを用いた。
(3)正極の作製
複合酸化物粒子B80質量部、カーボンブラック10質量部およびポリフッ化ビニリデン10質量部を混合し、得られた混合物をN−メチルピロリドンに希釈分散させることにより、ペーストを得た。なお、得られたペーストの固形分濃度は68%とした。
前記で得られたペーストを前記で得られた集電体(フッ素化されたアルミニウム箔)の一方表面に塗布し、乾燥させることにより、厚さが94μmの電極合材層が形成された電極を得た。
次に、前記で得られた電極層が形成された電極をプレスし、120℃の温度で減圧下にて乾燥させ、直径が16mmとなるように打ち抜くことにより、正極を作製した。
(4)リチウム負極の作製
厚さが300μmであるリチウム箔をアルゴンガス雰囲気のグローブボックス中で、直径が18mmとなるように打ち抜くことにより、リチウム負極を作製した。
(5)非水電解質二次電池の組立て
アルゴンガス雰囲気グローブボックス中で、前記で得られた正極とリチウム負極との間にポリエチレン製の多孔膜セパレータ(厚さ:25μm、空孔率:45%)を介在させて正極の電極合材層とリチウム負極とを対向させて重ね合わせ、得られた積層体をコインセルタイプのトムセル内に入れた。
次に、アルゴンガス雰囲気グローブボックス中で、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒にLiPF6を溶解させ、当該LiPF6の濃度が1mol/Lである非水電解液を調製し、この非水電解液を前記トムセル内に入れ、トムセルの開口部を封止することにより、非水電解質二次電池を作製した。
実施例7
(1)フッ素化されたアルミニウム箔の作製
厚さが15μmであり、幅が200mmであり、長さが3mであるアルミニウム箔をニッケル製の反応容器内に入れ、アルミニウム箔の重なりが小さくなるようにして広げた後、当該反応容器を内容積が3Lのステンレス鋼(SUS316)製反応容器内に入れ、当該反応容器内の圧力が1Pa以下となるまで減圧した。
次に、前記反応容器内の温度を25℃に調整し、絶対圧で0.8kPaとなるまでフッ素ガスを当該反応容器に接続されたフッ素ガス導入管から当該反応容器内に導入し、25℃の温度で1時間保持した。その後、フッ素ガスを反応容器から排気し、反応容器内の圧力が大気圧となるまでアルゴンガスを反応容器内に導入した。アルゴンガス雰囲気中で反応容器を開け、フッ素化されたアルミニウム箔を反応容器から取り出した。前記で得られたフッ素化されたアルミニウム箔をアルゴンガスが封入された容器内に保存した。当該フッ素化されたアルミニウム箔を集電体として用いた。
(2)正極活物質
正極活物質として、実施例5と同様にして調製した複合酸化物粒子Bを用いた。
(3)正極活物質のフッ素化
複合酸化物粒子Bを20g精秤し、ニッケル製反応容器内に入れ、できるだけ粒子同士の重なりが小さくなるようにして広げた後、このニッケル製反応容器を内容積3Lのステンレス鋼(SUS316)製の反応容器中に設置し、フッ素ガス導入ラインに接続した。接続部の機密性を確認した後、圧力が1Pa以下となるように減圧した。
次に、反応容器内の温度を25℃に調整し、絶対圧で0.8kPaとなるまでフッ素ガスを反応容器内に導入し、1時間保持した。その後、フッ素ガスを排気し、アルゴンガスを1気圧となるまで反応容器内に導入した。アルゴンガス雰囲気中で容器を開け、フッ素化された複合酸化物粒子を取り出した。このフッ素化された複合酸化物粒子(以下、複合酸化物粒子Aという)をアルゴンガスが封入された容器内で保存した。
(4)正極の作製
フッ素化された複合酸化物粒子B80質量部、1カーボンブラック0質量部およびポリフッ化ビニリデン10質量部を混合し、得られた混合物をN−メチルピロリドンに希釈分散させることにより、ペーストを得た。なお、得られたペーストの固形分濃度は68%とした。
前記で得られたペーストを前記で得られた集電体(フッ素化されたアルミニウム箔)の一方表面に塗布し、乾燥させることにより、厚さが94μmの電極合材層が形成された正極を得た。
次に、前記で得られた電極合材層が形成された電極をプレスし、120℃の温度で減圧下にて乾燥させ、直径が16mmとなるように打ち抜くことにより、正極を作製した。
(4)リチウム負極の作製
厚さが300μmであるリチウム箔をアルゴンガス雰囲気のグローブボックス内で、直径が18mmとなるように打ち抜くことにより、リチウム負極を作製した。
(5)非水電解質二次電池の組立て
アルゴンガス雰囲気グローブボックス中で、前記で得られた正極とリチウム負極との間にポリエチレン製の多孔膜セパレータ(厚さ:25μm、空孔率:45%)を介在させて正極の電極合材層とリチウム負極とを対向させて重ね合わせ、得られた積層体をコインセルタイプのトムセル内に入れた。
次に、アルゴンガス雰囲気グローブボックス中で、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒にLiPF6を溶解させ、当該LiPF6の濃度が1mol/Lである非水電解液を調製し、この非水電解液を前記トムセル内に入れ、トムセルの開口部を封止することにより、非水電解質二次電池を作製した。
実施例8
(1)フッ素化されたアルミニウム箔の作製
厚さが15μmであり、幅が200mmであり、長さが3mであるアルミニウム箔をニッケル製の反応容器内に入れ、アルミニウム箔の重なりが小さくなるようにして広げた後、当該反応容器を内容積が3Lのステンレス鋼(SUS316)製反応容器内に入れ、当該反応容器内の圧力が1Pa以下となるまで減圧した。
次に、前記反応容器内の温度を25℃に調整し、絶対圧で0.4kPaとなるまでフッ素ガスを当該反応容器に接続されたフッ素ガス導入管から当該反応容器内に導入し、25℃の温度で1時間保持した。その後、フッ素ガスを反応容器から排気し、反応容器内の圧力が大気圧となるまでアルゴンガスを反応容器内に導入した。アルゴンガス雰囲気中で反応容器を開け、フッ素化されたアルミニウム箔を反応容器から取り出した。前記で得られたフッ素化されたアルミニウム箔をアルゴンガスが封入された容器内に保存した。当該フッ素化されたアルミニウム箔を集電体として用いた。
(2)正極活物質
正極活物質として、実施例5と同様にして調製した複合酸化物粒子Bを用いた。
(3)正極活物質のフッ素化
複合酸化物粒子Bを20g精秤し、ニッケル製反応容器内に入れ、できるだけ粒子同士の重なりが小さくなるようにして広げた後、このニッケル製反応容器を内容積3Lのステンレス鋼(SUS316)製の反応容器中に設置し、フッ素ガス導入ラインに接続した。接続部の機密性を確認した後、圧力が1Pa以下となるように減圧した。
次に、反応容器内の温度を25℃に調整し、絶対圧で0.8kPaとなるまでフッ素ガスを反応容器内に導入し、1時間保持した。その後、フッ素ガスを排気し、アルゴンガスを1気圧となるまで反応容器内に導入した。アルゴンガス雰囲気中で容器を開け、フッ素化された複合酸化物粒子を取り出した。このフッ素化された複合酸化物粒子(以下、複合酸化物粒子Aという)をアルゴンガスが封入された容器内で保存した。
(4)正極の作製
フッ素化された複合酸化物粒子B80質量部、カーボンブラック10質量部およびポリフッ化ビニリデン10質量部を混合し、得られた混合物をN−メチルピロリドンに希釈分散させることにより、ペーストを得た。なお、得られたペーストの固形分濃度は68%とした。
前記で得られたペーストを前記で得られた集電体(フッ素化されたアルミニウム箔)の一方表面に塗布し、乾燥させることにより、厚さが94μmの電極合材層が形成された電極を得た。
次に、前記で得られた電極合材層が形成された電極をプレスし、120℃の温度で減圧下にて乾燥させ、直径が16mmとなるように打ち抜くことにより、正極を作製した。
(4)リチウム負極の作製
厚さが300μmであるリチウム箔をアルゴンガス雰囲気のグローブボックス内で、直径が18mmとなるように打ち抜くことにより、リチウム負極を作製した。
(5)非水電解質二次電池の組立て
アルゴンガス雰囲気グローブボックス中で、前記で得られた正極とリチウム負極との間にポリエチレン製の多孔膜セパレータ(厚さ:25μm、空孔率:45%)を介在させて正極の電極合材層とリチウム負極とを対向させて重ね合わせ、得られた積層体をコインセルタイプのトムセル内に入れた。
次に、アルゴンガス雰囲気グローブボックス中で、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒にLiPF6を溶解させ、当該LiPF6の濃度が1mol/Lである非水電解液を調製し、この非水電解液を前記トムセル内に入れ、トムセルの開口部を封止することにより、非水電解質二次電池を作製した。
比較例2
(1)アルミニウム箔
厚さが15μmであり、幅が200mmであり、長さが3mであるアルミニウム箔を集電体として用いた。
(2)正極活物質
正極活物質として、実施例5と同様にして調製した複合酸化物粒子Bを用いた。
(3)正極の作製
80質量%のフッ素化された複合酸化物粒子B、10質量%のカーボンブラックおよび10質量%のポリフッ化ビニリデンを混合し、得られた混合物をN−メチルピロリドンに希釈分散させることにより、ペーストを得た。
前記で得られたペーストを前記集電体(アルミニウム箔)の一方表面に塗布し、乾燥させることにより、厚さが94μmの電極合材層が形成された電極を得た。
次に、前記で得られた電極合材層が形成された電極をプレスし、120℃の温度で減圧下にて乾燥させ、直径が16mmとなるように打ち抜くことにより、正極を作製した。
(4)リチウム負極の作製
厚さが300μmであるリチウム箔をアルゴンガス雰囲気のグローブボックス内で、直径が18mmとなるように打ち抜くことにより、リチウム負極を作製した。
(5)非水電解質二次電池の組立て
アルゴンガス雰囲気グローブボックス中で、前記で得られた正極とリチウム負極との間にポリエチレン製の多孔膜セパレータ(厚さ:25μm、空孔率:45%)を介在させて正極の電極合材層とリチウム負極とを対向させて重ね合わせ、得られた積層体をコインセルタイプのトムセル内に入れた。
次に、アルゴンガス雰囲気グローブボックス中で、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒にLiPF6を溶解させ、当該LiPF6の濃度が1mol/Lである非水電解液を調製し、この非水電解液を前記トムセル内に入れ、トムセルの開口部を封止することにより、非水電解質二次電池を作製した。
〔放電容量の測定〕
実施例5〜8および比較例2で得られた非水電解質二次電池に電圧が4.2Vとなるまで0.2Cの定電流で充電し、次いで4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cとなるまで充電を行なった。
引き続いて電池電圧が3.0Vとなるまで0.2Cで非水電解質二次電池の定電流放電を行ない、放電容量(初期容量)を測定した。
引き続いて非水電解質二次電池の充電電圧を4.2Vから4.4V、4.6V、4.8Vおよび4.9Vと、充放電のサイクルごとに充電電圧を高くし、連続して充放電を行って、その際の充電後の放電容量を求めた。その結果を表2に示す。
Figure 2017183256
表2に示された結果から、各実施例では、集電体として表面にフッ素が存在するアルミニウム箔が用いられていることから、放電容量、すなわち正極活物質の利用率が大きいことがわかる。また、各実施例および比較例の結果から、4.8V充電時の放電容量を4.4V充電時の放電容量で割ることによって算出した高電圧充電時放電容量増加率を表2に示した。
実施例5〜8については、高電圧充電時放電容量増加率がそれぞれ2.25、2.50、2.48および2.49であるのに対し、比較例2については、高電圧充電時放電容量増加率が2.20であることから、アルミニウム箔の表面にフッ素を存在させることにより、充電電圧を高くしたときに放電容量増加傾向が大きくなることがわかる。すなわち、アルミニウム箔の表面にフッ素を存在させることにより、高容量化および高電圧化を両立させることができることがわかる。
さらに、表2に示された各実施例の結果から、充電電圧を高くして高容量化を図るには、活物質の表面にフッ素が存在することよりも集電体のアルミニウム箔にフッ素が存在することの方がより効果的であることがわかる。
実施例9
(1)フッ素化されたアルミニウム箔の作製
厚さが15μmであり、幅が200mmであり、長さが3mであるアルミニウム箔をニッケル製の反応容器内に入れ、アルミニウム箔の重なりが小さくなるようにして広げた後、当該反応容器を内容積が3Lのステンレス鋼(SUS316)製反応容器内に入れ、当該反応容器内の圧力が1Pa以下となるまで減圧した。
次に、前記反応容器内の温度を25℃に調整し、絶対圧で0.8kPaとなるまでフッ素ガスを当該反応容器に接続されたフッ素ガス導入管から当該反応容器内に導入し、25℃の温度で1時間保持した。その後、フッ素ガスを反応容器から排気し、反応容器内の圧力が大気圧となるまでアルゴンガスを反応容器内に導入した。アルゴンガス雰囲気中で反応容器を開け、フッ素化されたアルミニウム箔を反応容器から取り出した。前記で得られたフッ素化されたアルミニウム箔をアルゴンガスが封入された容器内に保存した。当該フッ素化されたアルミニウム箔を集電体として用いた。
(2)負極活物質
ルチル型二酸化チタンと炭酸リチウムとをモル比が5:2となるように調整して混合した後、得られた混合物を70℃で24時間乾燥させた。次に、前記混合物を800℃で5時間焼成した後、粉砕することにより、式:Li4Ti512で表わされる「複合酸化物C」を得た。
(3)負極の作製
複合酸化物粒子C60質量部、カーボンブラック20質量部およびポリフッ化ビニリデン20質量部を混合し、得られた混合物をN−メチルピロリドンに希釈分散させることにより、ペーストを得た。なお、得られたペーストの固形分濃度は60%とした。
前記で得られたペーストを前記で得られた集電体(フッ素化されたアルミニウム箔)の一方表面に塗布し、乾燥させることにより、電極合材層が形成された電極を得た。
次に、前記で得られた電極合材層が形成された電極をプレスし、120℃の温度で減圧下にて乾燥させ、直径が16mmとなるように打ち抜くことにより、電極層の厚さが120μmである負極を作製した。
(4)リチウム極の作製
厚さが300μmであるリチウム箔をアルゴンガス雰囲気のグローブボックス内で、直径が18mmとなるように打ち抜くことにより、リチウム極を作製した。
(5)非水電解質二次電池の組立て
アルゴンガス雰囲気グローブボックス中で、前記で得られた負極とリチウム極との間にポリエチレン製の多孔膜セパレータ(厚さ:25μm、空孔率:45%)を介在させて負極の電極合材層とリチウム極とを対向させて重ね合わせ、得られた積層体をコインセルタイプのトムセル内に入れた。
次に、アルゴンガス雰囲気グローブボックス中で、プロピレンカーボネートとジメチルカーボネートの体積比1:1の混合溶媒にLiPF6を溶解させ、当該LiPF6の濃度が1mol/Lである非水電解液を調製し、この非水電解液を前記トムセル内に入れ、トムセルの開口部を封止することにより、非水電解質二次電池を作製した。
実施例10
(1)フッ素化されたアルミニウム箔の作製
厚さが15μmであり、幅が200mmであり、長さが3mであるアルミニウム箔をニッケル製の反応容器内に入れ、アルミニウム箔の重なりが小さくなるようにして広げた後、当該反応容器を内容積が3Lのステンレス鋼(SUS316)製反応容器内に入れ、当該反応容器内の圧力が1Pa以下となるまで減圧した。
次に、前記反応容器内の温度を25℃に調整し、絶対圧で0.4kPaとなるまでフッ素ガスを当該反応容器に接続されたフッ素ガス導入管から当該反応容器内に導入し、25℃の温度で1時間保持した。その後、フッ素ガスを反応容器から排気し、反応容器内の圧力が大気圧となるまでアルゴンガスを反応容器内に導入した。アルゴンガス雰囲気中で反応容器を開け、フッ素化されたアルミニウム箔を反応容器から取り出した。前記で得られたフッ素化されたアルミニウム箔をアルゴンガスが封入された容器内に保存した。当該フッ素化されたアルミニウム箔を集電体として用いた。
(2)負極活物質
負極活物質として、実施例9と同様にして調製した複合酸化物Cを用いた。
(3)負極の作製
複合酸化物粒子C60質量部、カーボンブラック20質量部およびポリフッ化ビニリデン20質量部を混合し、得られた混合物をN−メチルピロリドンに希釈分散させることにより、ペーストを得た。なお、得られたペーストの固形分濃度は60%とした。
前記で得られたペーストを前記で得られた集電体(フッ素化されたアルミニウム箔)の一方表面に塗布し、乾燥させることにより、電極合材層が形成された電極を得た。
次に、前記で得られた電極合材層が形成された電極をプレスし、120℃の温度で減圧下にて乾燥させ、直径が16mmとなるように打ち抜くことにより、電極層の厚さが120μmである負極を作製した。
(4)リチウム極の作製
厚さが300μmであるリチウム箔をアルゴンガス雰囲気のグローブボックス内で、直径が18mmとなるように打ち抜くことにより、リチウム極を作製した。
(5)非水電解質二次電池の組立て
アルゴンガス雰囲気グローブボックス中で前記で得られた負極とリチウム極との間にポリエチレン製の多孔膜セパレータ(厚さ:25μm、空孔率:45%)を介在させて負極の電極合材層とリチウム極とを対向させて重ね合わせ、得られた積層体をコインセルタイプのトムセル内に入れた。
次に、アルゴンガス雰囲気グローブボックス中でプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートの体積比1:1の混合溶媒にLiPF6を溶解させ、当該LiPF6の濃度が1mol/Lである非水電解液を調製し、この非水電解液を前記トムセル内に入れ、トムセルの開口部を封止することにより、非水電解質二次電池を作製した。
比較例3
(1)アルミニウム箔
厚さが15μmであり、幅が200mmであり、長さが3mであるアルミニウム箔を集電体として用いた。
(2)負極活物質
負極活物質として、実施例9と同様にして調製した複合酸化物Cを用いた。
(3)負極の作製
複合酸化物粒子C60質量部、カーボンブラック20質量部およびポリフッ化ビニリデン20質量部を混合し、得られた混合物をN−メチルピロリドンに希釈分散させることにより、ペーストを得た。なお、得られたペーストの固形分濃度は60%とした。
前記で得られたペーストを前記集電体(アルミニウム箔)の一方表面に塗布し、乾燥させることにより、電極合材層が形成された電極を得た。
次に、前記で得られた電極合材層が形成された電極をプレスし、120℃の温度で減圧下にて乾燥させ、直径が16mmとなるように打ち抜くことにより、電極層の厚さが120μmである負極を作製した。
(4)リチウム極の作製
厚さが300μmであるリチウム箔をアルゴンガス雰囲気のグローブボックス内で、直径が18mmとなるように打ち抜くことにより、リチウム極を作製した。
(5)非水電解質二次電池の組立て
アルゴンガス雰囲気グローブボックス中で前記で得られた負極とリチウム極との間にポリエチレン製の多孔膜セパレータ(厚さ:25μm、空孔率:45%)を介在させて負極の電極合材層とリチウム極とを対向させて重ね合わせ、得られた積層体をコインセルタイプのトムセル内に入れた。
次に、アルゴンガス雰囲気グローブボックス中でプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートの体積比1:1の混合溶媒にLiPF6を溶解させ、当該LiPF6の濃度が1mol/Lである非水電解液を調製し、この非水電解液を前記トムセル内に入れ、トムセルの開口部を封止することにより、非水電解質二次電池を作製した。
〔放電容量の測定〕
実施例9〜10および比較例3で得られた非水電解質二次電池にリチウム対極に対して電位が3.0Vとなるまで0.2Cの定電流で充電し、次いでリチウム対極に対して電位が1.0Vとなるまで0.2Cで定電流放電を行なうことにより、放電容量(初期容量)を測定した。その結果、実施例9で得られた非水電解質二次電池の放電容量は163.1mAh/gであり、実施例10で得られた非水電解質二次電池の放電容量は166.6mAh/gであるのに対し、比較例3で得られた非水電解質二次電池の放電容量は159.6mAh/gであった。
以上の結果から、各実施例で得られた非水電解質二次電池では、複合酸化物と表面にフッ素を有するアルミニウム集電体とが組合せて用いられていることから、放電容量が大きいことがわかる。
実験例1
X線光電子分光分析装置〔日本電子(株)製、品番:XPS9010MC〕を用いて実施例1で得られたフッ素を有するアルミニウム箔のX線光電子分光分析(XPS)を行なった。その結果、XPSスペクトルにおけるピークは、フッ素に対応するピークであることが確認された。
なお、X線光電子分光分析(XPS)の際には、試料を分析機器の真空チャンバーにセットし、真空チャンバー内を10-3Paまで減圧し、MgKα線を資料に照射し、生じた光電子を分光することにより、スペクトルを得た。なお、685eV付近にフッ素に基づくピークが存在することから、フッ素の1s結合に由来する光電子を調べるために680〜700eVの範囲でスペクトルを調べた。その結果を図2に示す。図2に示された結果から、フッ素の1s結合に由来する光電子が確認された。
実験例2
X線回折〔(株)島津製作所製、品番:XD−3A〕を用いて実施例5〜8で得られたフッ素化された複合酸化物粒子Bの粉末X線回折(XRD)を調べた。なお、X線回折は、CuKα線の特性X線(波長:1.54Å)を照射し、2θが10〜80°の範囲で毎分2°で走査することによって行なった。その結果を図3に示す。
図3に示された結果から、X線回折のピークの位置およびピーク強度比がいずれもフッ素によって変化していないことから、複合酸化物粒子Bの結晶構造はフッ素化によって変化していないことが確認された。
また、実施例7および8で得られたフッ素化された複合酸化物粒子Bおよび比較例2で用いられたフッ素化されていない複合酸化物粒子BのX線光電子分光分析(XPS)を調べた。その結果を図4に示す。
図4に示された結果から、フッ素化された複合酸化物粒子Bでは685eV付近に、リチウムと相互作用するフッ素に由来のピークが認められ、比較例2で用いられたフッ素化されていない複合酸化物粒子Bではリチウムと相互作用するフッ素に由来のピークが認められなかったことから、フッ素化された複合酸化物粒子Bの表面にフッ素が存在していることが確認された。
以上の結果から、本発明の非水電解質二次電池は、高電圧での充電に耐え、充放電サイクル特性に優れ、高容量を有することがわかる。
1 フッ素圧0.4kPaのときのXPSスペクトルにおけるピーク
2 フッ素圧0.8kPaのときのXPSスペクトルにおけるピーク
3 フッ素処理なしのときのXPSスペクトルにおけるピーク

Claims (4)

  1. 非水電解質二次電池の電極に用いられる集電体であって、アルミニウムからなる集電体の表面にフッ素が存在していることを特徴とする非水電解質二次電池の電極用集電体。
  2. 非水電解質二次電池に用いられる電極であって、電極合材層が請求項1に記載の集電体のフッ素が存在している表面上に形成されていることを特徴とする非水電解質二次電池用電極。
  3. 電極合材層が活物質を含有し、当該活物質の表面にフッ素が存在している請求項2に記載の非水電解質二次電池用電極。
  4. 正極、負極、正極と負極とを分離するためのセパレータおよび非水電解質を有する非水電解質二次電池であって、前記正極または負極が請求項2または3に記載の電極で構成されていることを特徴とする非水電解質二次電池。
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