JP2005242005A - 画像記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 露光部の下流側の副走査受け部で、走査むらが発生するのを防止する。
【解決手段】 写真プリンタの露光部の下流側に、露光中の記録紙シートの先端部を保持する第1〜第4保持用搬送ローラ対48〜51を備えた副走査受け部21を配置する。この副走査受け部21の下流側に、振分け部22を配置する。振分け部22の振分用搬送ローラ対59の振分用駆動ローラ59aを、回転駆動する搬送モータ63を設ける。搬送モータ63の駆動力を,第4保持用ローラ対51の第4保持用駆動ローラ51aに伝達する駆動力伝達機構64を設ける。副走査受け部21に搬送モータを設ける必要がなくなるので、露光中の記録紙シート35の先端部を保持している第1〜第4保持用搬送ローラ対48〜51に、搬送モータ63の振動などの外乱が与えられるのを極力抑えられる。その結果、副走査受け部21において、走査むらが発生するのを防止できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、記録材料を副走査方向に搬送する複数のユニットを備えた画像記録装置に関するものである。
画像記録装置の一例として、写真プリンタは、カットシート状の感光材料を副走査方向に挟持搬送しながら、露光、現像、乾燥などの処理を施して、写真プリントを生成している。このような写真プリンタでは、感光材料の搬送路に沿って、露光部、副走査受け部、振分け部、現像部、乾燥部などの各処理部が設けられている。各処理部は、メンテナンスが容易にできるように、それぞれユニット化されて、写真プリンタ本体に着脱自在に取り付けられている。
副走査受け部は、露光部の搬送方向下流側に配置され、露光中の露光部から送り出される感光材料の先端部を保持する保持用搬送ローラ対を複数備えている。この保持用搬送ローラ対は、露光部と同一速度で回転されつつ、露光中には、感光材料の挟持を解除した解除状態に切り替えられている。これにより、露光中の感光材料の先端部が、保持用搬送ローラ対に突き当たることが防止される。その結果、感光材料の搬送速度が変動して、走査むらが発生するのが抑えられる。
保持用搬送ローラ対は、各ユニット毎に設けられている搬送モータで回転駆動されるのが通常である。そして、搬送モータと保持用搬送ローラ対とは、複数のギヤを介してギヤ接続されている場合が多い。ギヤ接続する場合には、各ギヤの歯先がうまく噛み合っていないと、搬送モータからの駆動力が、保持用搬送ローラ対に良好に伝達されない。その結果、保持用搬送ローラ対の回転速度と、露光部から送り出される感光材料の搬送速度とに差が生じて、走査むらが発生するおそれがある。そこで、各ギヤの回転軸に、ギヤ間のクリアランスを所定距離に保つギヤストッパや、ギヤ同士の噛合を規制する歯先規制部材を取り付けるなどして、各ギヤの歯先をうまく噛み合わせるようにしている(特許文献1及び特許文献2参照)。
また、ギヤ接続する代わりに搬送モータと保持用搬送ローラ対とを磁石で連結する方法もある(特許文献3参照)。磁石で連結した場合には、搬送モータの回転軸と、保持用搬送ローラ対の回転軸とを精度よく一致させなくても、搬送モータの駆動力を保持用搬送ローラ対に良好に伝達できるという利点がある。
特開平4−291361号公報(第2頁) 特開平7−44083号公報(第6頁) 特開2001−272900号公報(第6〜第7頁)
特許文献1及び2では、ギヤの回転軸にギヤストッパや歯先規制部材が取り付けられているため、搬送モータの駆動力を保持用搬送ローラ対に良好に伝達することはできるが、これらのギヤストッパや歯先連結部材が、回転駆動中の保持用搬送ローラ対を振動させる振動源となるおそれがある。特に、保持用搬送ローラ対は、露光中の感光材料の先端部を保持しているので、振動などの外乱が与えられると、露光中の感光材料に走査むらが発生してしまうおそれがある。また、特許文献3に記載されているように、搬送モータと保持用搬送ローラ対とを磁石で連結する場合に、磁力の弱い磁石で連結させると搬送モータの駆動力を保持用搬送ローラ対に確実に伝達できない。そのため、磁力の強い磁石で連結させる必要があるが、この場合は、写真プリンタの製造コストが高くなってしまうおそれがある。
また、このような走査むらの原因となる振動は、ギヤの回転軸に取り付けられた上述のギヤストッパや歯先連結部材以外に、駆動中の搬送モータからも発生する。搬送モータの振動に起因する走査むらの発生を抑える方法としては、搬送モータを保持用搬送ローラ対から離れた位置に取り付けられるように、副走査受け部本体を大型化する方法や、露光部より下流側の工程の搬送系を1ユニット化する方法も考えられるが、この場合は1ユニットの重さが、例えば15kg以上と重くなってしまう。このため、メンテナンスを行う際の着脱作業が面倒になり、メンテナンス性が悪くなってしまう。
本発明は上記問題を解決するためのものであり、記録部の下流側の搬送系、特に、記録部の下流側に配置された副走査受け部で、走査むらが発生するのを防止できるようにした画像記録装置を提供することを目的とする。
本発明は、シート状の記録材料に画像を露光する露光部と、前記露光部の前記記録材料の搬送方向下流側に配置され、前記露光中に前記露光部から送り出される前記記録材料を挟持搬送する第1搬送ローラ対を有する受け部と、前記受け部の前記搬送方向下流側に配置され、前記受け部から送り出される前記記録材料を挟持搬送する第2搬送ローラ対を有する搬送ユニットと、前記受け部の前記搬送方向下流側に配置され、前記第2搬送ローラ対を回転駆動する駆動手段と、前記第2搬送ローラ対を介して前記駆動手段の回転駆動力を、前記第1搬送ローラ対に伝達する駆動伝達機構とを備えたことを特徴とする。また、前記駆動伝達機構は、前記第1搬送ローラ対を構成する第1駆動ローラに軸着された第1ギヤと、前記第2搬送ローラ対を構成する第2駆動ローラに軸着された第2ギヤと、前記第1ギヤ及び前記第2ギヤを連結する少なくとも1つの連結用ギヤと、前記連結用ギヤを回転自在に保持するギヤ保持部材とから構成されることが好ましい。さらに、前記ギヤ保持部材は、前記連結用ギヤが前記第1及び第2ギヤに噛み合う連結位置と、前記第1ギヤのみに噛み合う連結解除位置とに切り替え可能であることが好ましい。
また、前記ギヤ保持部材は、前記第1駆動ローラを回動自在に保持する受け部本体、または前記第2駆動ローラを回動自在に保持するユニット本体に回動自在に取り付けられていることが好ましい。また、前記連結用ギヤと、この連結用ギヤに連結する前記第1ギヤ及び第2ギヤの少なくともどちらか一方との距離が一定になるように位置決めする位置決め部材を設けることが好ましい。さらに、前記受け部本体及び前記ユニット本体を、前記第1搬送ローラ対及び前記第2搬送ローラ対の軸方向に着脱自在に収納するための開口を形成した筐体を設け、前記ギヤ保持部材は、前記開口より露呈される部分に取り付けられていることが好ましい。
また、前記駆動手段は、前記開口より露呈されない部分に取り付けられた駆動モータであることが好ましい。さらに、前記搬送ユニットは、前記記録材料を搬送方向下流側に向けて搬送させつつ、記録材料をその幅方向に対して略平行な方向に移動させることで、記録材料を複数列に振り分けて搬出する振分け部であることが好ましい。
また、シート状の記録材料に画像を記録する記録部と、前記記録部の前記記録材料の搬送方向下流側に配置され、前記記録中に前記記録部から送り出される前記記録材料を挟持搬送する第1搬送ローラ対を有する第1搬送ユニットと、前記第1搬送ユニットの前記搬送方向下流側に配置され、前記第1搬送ユニットから送り出される前記記録材料を挟持搬送する第2搬送ローラ対を有する第2搬送ユニットと、前記第1搬送ユニットの前記搬送方向下流側に配置され、前記第2搬送ローラ対を回転駆動する駆動手段と、前記第2搬送ローラ対を介して前記駆動手段の回転駆動力を、前記第1搬送ローラ対に伝達する駆動伝達機構とを備えたことを特徴とする。
本発明の画像記録装置は、シート状の記録材料に画像を露光する露光部と、前記露光部の前記記録材料の搬送方向下流側に配置され、前記露光中に前記露光部から送り出される前記記録材料を挟持搬送する第1搬送ローラ対を有する受け部と、前記受け部の前記搬送方向下流側に配置され、前記受け部から送り出される前記記録材料を挟持搬送する第2搬送ローラ対を有する搬送ユニットと、前記受け部の前記搬送方向下流側に配置され、前記第2搬送ローラ対を回転駆動する駆動手段と、前記第2搬送ローラ対を介して前記駆動手段の回転駆動力を、前記第1搬送ローラ対に伝達する駆動伝達機構とを備えるようにしたので、露光部の下流側の搬送系、特に、受け部で走査むらが発生するのを防止できる。また、一つの駆動手段で、第1搬送ローラ対と第2搬送ローラ対とを回転駆動できるので、装置の製造コストを下げることができる。
図1は本発明を実施した写真プリンタ(プリンタプロセサ)10の概略図である。図1に示すように、写真プリンタ10は、大別して、プリンタ12及びプロセサ13から構成される。この写真プリンタ10の各部は、図示しない配線を介して制御部15に接続されており、この制御部15によって写真プリンタ10全体の動作が制御される。
プリンタ12は、感光材料を副走査方向(搬送方向)に搬送しながら、画像を記録するものであり、供給部17、裏印字部18、スキュー補正部19、露光部20、副走査受け部21、振分部22、搬出部23等から構成されている。これらの各部はそれぞれユニット化されて、写真プリンタ10の筐体24に着脱自在に取り付けられている。
供給部17には、感光記録紙25をロール状に巻き取った記録紙ロール26を収納したマガジン27a,27bがセットされる。各マガジン27a,27b内には、感光記録紙25を引き出して裏印字部18に向けて搬送するための給紙ローラ対28a,28bが設けられている。給紙ローラ対28a,28bが、図示しない給紙用モータによって回転駆動されると、記録紙ロール26から感光記録紙25が引き出され、カッタ30a,30bへ向けて送り出される。
カッタ30a,30bは、それぞれ感光記録紙25の搬送路を挟んで配置され、感光記録紙25の先端がカッタ30a,30bより所定の長さだけ送り出されると、図示しないカッタ駆動機構が作動して、感光記録紙25を切断して所定長の記録紙シート35とする。なお、カッタを2つ設ける代わりに、単一のカッタを裏印字部18の近傍に配置してもよい。カッタ30a,30bにおいて、カットされた記録紙シート35は、搬送路に配置された複数の搬送ローラ対によって図中2点鎖線で示した搬送路に沿って、裏印字部18、スキュー補正部19、露光部20、副走査受け部21、振分部22、搬出部23の順に搬送される。
裏印字部18は、写真の撮影日、プリント日、コマ番号、各種ID等のプリント情報を、記録紙シート35の裏面(記録面と反対側の面)に記録する裏印字ヘッド37を備える。裏印字ヘッド37としては、ドットインパクトヘッド、インクジェットヘッド、熱転写プリントヘッド等の公知のプリントヘッドが用いられる。
スキュー補正部19は、露光部20における露光位置・角度ずれを防止するために、記録紙シート35の傾きを補正するレジスト用ローラ対39と、このレジスト用ローラ対39の前後に配置される複数の搬送ローラ対から構成される。レジスト用ローラ対39によるスキュー補正の方法は、公知の方法を用いることができ、例えば、特開昭60−153358号公報や特開平11−349191号公報に記載の方法を適用することができる。
露光部20は、露光ユニット41、副走査ローラ対42,43などから構成されている。この露光ユニット41には、図示は省略するが、周知のレーザプリンタと画像メモリとが備えられている。画像メモリには、フイルムスキャナ(図示せず)で読み取られ、或いはメモリカード(図示せず)等の記録媒体からの画像データを記憶する。レーザプリンタは、記録する画像に対応して強度変調された記録光(レーザ光)を、副走査方向と直交する主走査方向に走査して、記録紙シート35に画像を露光する。副走査ローラ対42,43のニップローラは、記録紙シート35を挟持する位置と記録紙シート35から離れる位置との間で切り替え可能とされ、図示しない位置センサで記録紙シート35の先端又は後端を検出したときに切り替えられる。これにより、記録紙シート35の先端が下流側の副走査ローラ対43に突き当たったり、後端が上流側の副走査ローラ対42から抜け出たりすることで、記録紙シート35に過度の衝撃がかかるのを防止することができる。
副走査受け部21は、詳しくは後述するが、露光中に露光部20から送り出された記録紙シート35の先端部を保持する保持用搬送ローラ対を複数備えており、露光部20による搬送速度と同一の速度にて記録紙シート35を搬送方向下流側(以下、単に下流側という)へ送り出す。この際に、制御部15は、記録紙シート35の先端が、各保持用搬送ローラ対に突き当たって搬送速度が変動しないように、各保持用搬送ローラ対を記録紙シート35の挟持を解除した解除状態に切り替えておく。
振分部22は、副走査受け部21から単列で搬送された記録紙シート35を予め定められた第1速度で搬送しながら、これをシートサイズに応じて主走査方向に複数列に振り分けを行う。例えば、通常サイズまたは小サイズの記録紙シート35が搬送されてきたときは、複数列に振分けを行い、多列搬送できない大サイズの記録紙シートが搬送されてきたときは、そのまま単列で搬送させる。この振分部22は、複数の振分用搬送ローラ対を備えており、各振分用搬送ローラ対のうちの少なくとも一つは、記録紙シート35を振り分けられるように、主走査方向に移動させる移動機構(図示せず)に取り付けられている。なお、振分用搬送ローラ対を主走査方向に移動させて、記録紙シート35の振分けを行う代わりに、例えば、記録紙シート35を挟持可能なアーム等を用いて振分けを行うようにしても良い。
搬出部23は、振分部22から送られる記録紙シート35を、プロセサ13の処理速度に対応する第2速度で、プロセサ13へ搬送する。記録紙シート35は、プロセサ13で現像、定着、洗浄、乾燥などの処理が施された後、写真プリントとしてプリントジョブ毎にまとめて出力される。
図2に示すように、副走査受け部21には、記録紙シート35の搬送路に沿って、第1〜第4保持用搬送ローラ対48〜51が上流側から順に配置されている。第1〜第4保持用搬送ローラ対48〜51は、モータ駆動される第1〜第4保持用駆動ローラ48a〜51aと、記録紙シート35の搬送路を挟み込むように配置された第1〜第4従動ローラ48b〜51bとから構成されている。
各保持用駆動ローラ48a〜51aの第1〜第4ローラ軸48c〜51cの両端部は、それぞれ受け部本体53に回動自在に保持されている。受け部本体53は、第1〜第4ローラ軸48c〜51cの図中手前側の端部を保持する第1受け部本体53aと、図中奥側の端部を保持する第2受け部本体53bとからなる。各ローラ軸48c〜51cは、その図中奥側の端部にそれぞれ軸着されたギヤ55と、各ギヤ55間を連結するギヤ56とからなる第1ギヤトレイン57を介して連結されている(図2参照)。各ギヤ55,56は同一径で形成されているので、いずれか1つの駆動ローラが回転駆動されると、他の駆動ローラも同一の周速で回転される。ここで、各ギヤ55間に配置されるギヤ56の数は1個に限定されるものではなく、必要に応じて増やしてもよい。
第1〜第4従動ローラ48b〜51bは、上述したように、露光中に露光部20から送り出された記録紙シート35の先端部が、第1〜第4保持用搬送ローラ対48〜51に突き当たって、搬送速度が変動するのを防止するため、第1〜第4保持用駆動ローラ48a〜51aとの間で記録紙シート35を挟持した挟持位置と、記録紙シート35の挟持を解除した解除位置との間で移動可能になっている。各従動ローラ48b〜51bの位置の切り替えは、上述の制御部15(図1参照)により制御される。
振分け部22は、副走査受け部21の下流側に隣接した位置に配置され、複数の振分用搬送ローラ対59(1つのみを図示)や、振分用搬送ローラ対59を構成する振分用駆動ローラ59aを回転自在に保持する振分け部本体61などから構成されている。この振分け部本体61も、振分用駆動ローラ59aのローラ軸59cの図中手前側の端部を保持する第1振分け部本体61aと、図中奥側の端部を保持する第2振分け部本体61bとからなる。また、上述したように、振分用搬送ローラ対59のうちの少なくとも一つは、このローラ対を主走査方向に移動させる移動機構(図示せず)に取り付けられているので、記録紙シート35を副走査方向に搬送させつつ、記録紙シート35の振り分けを行うことができる。従って、プリント処理時には、振分用駆動ローラ59aは定常回転される。
上述したように、第1〜第4保持用駆動ローラ48a〜51aは、露光部20から送り出される記録紙シート35の搬送速度に合わせて、定常回転されている。そのため、第1〜第4保持用搬送ローラ対48〜51が、露光中の記録紙シート35の先端部を保持している際に、振動などの外乱が与えられると走査むらが発生してしまう。従って、走査むらのない良好な画像を得るには、振動源となる搬送モータを各保持用搬送ローラ対48〜51から離れた位置に取り付ける必要がある。これには、副走査受け部21及び振分け部22を一体化させ、搬送モータを各保持用搬送ローラ対48〜51から離れた位置に取り付ければ良いが、1ユニットの重さが重くなってしまうため、メンテナンス性が悪くなってしまう。
そこで、本実施例では、振分け部22の振分用駆動ローラ59aを回転駆動する搬送モータ63を用いて、第1〜第4保持用駆動ローラ48a〜51aを回転駆動する。具体的には、搬送モータ63の駆動力を第1〜第4保持用駆動ローラ48a〜51aに伝達する駆動伝達機構64を設ける。振分用駆動ローラ59aは、各保持用駆動ローラ48a〜51aと同様に定常回転されるので、一つの搬送モータ63で、各保持用駆動ローラ48a〜51a、及び振分用駆動ローラ59aを回転駆動させることができる。
駆動伝達機構64は任意の位置に設けても良いが、メンテナンス時などに、副走査受け部21及び振分け部22の少なくともどちらか一方を筐体24から取り外すときには、駆動伝達機構64による駆動力の伝達を最初に解除する必要がある。そのため、駆動伝達機構64は、サービスマンが作業を行い易い位置に設けられていることが好ましい。例えば、筐体24には、ユニット化された各処理部17〜23を、その搬送ローラ対の軸方向に着脱するための開口(図示せず)が形成されている。本実施例では、この開口は、第1受け部本体53a及び第1振分け部本体61a側に形成され、メンテナンス時以外には露呈しないようにカバー24aで覆われている。従って、駆動伝達機構64は、カバー24aが筐体24から取り外された時に、開口より露呈されるような部分、つまり、カバー24と対面する位置に設けられている。
駆動伝達機構64は、図2及び図3に示すように、第4ローラ軸51cのカバー24a側の端部に軸着された第1駆動用ギヤ67と、ローラ軸59cのカバー24a側の端部に軸着された第2駆動用ギヤ68と、第1駆動用ギヤ67及び第2駆動用ギヤ68を連結する連結用ギヤ69と、副走査受け部21及び振分け部22の間で、連結用ギヤ69を回動自在に保持するブラケット70とから構成される。ここで、図3は、第1〜第4保持用駆動ローラ48a〜51a、及び振分用駆動ローラ59aが、駆動伝達機構64を介して連結されている状態を説明するための説明図であり、各従動ローラ48b〜51b,59b、受け部本体53などは、図示を省略している。なお、本実施例では、連結用ギヤ69が1個しか設けられていないが、この連結用ギヤ69の数は、必要に応じて増やしてよい。また、第1〜第4保持用駆動ローラ48a〜51a、及び振分用駆動ローラ59aの径や、副走査受け部21、及び振分け部22における記録紙シート35の搬送速度などに応じて、各ギヤ67〜69は、それぞれ同一径または異なる径のものが使用される。
搬送モータ63は、パルスモータ、ACモータ、DCモータなどの駆動モータであり、このモータの回転は、上述の制御部15により制御される。搬送モータ63は、第2振分け部本体61b側に取り付けられている。ここで、搬送モータ63をカバー24aと対面する第1振分け部本体61a側に取り付けてもよいが、メンテナンス以外の作業、例えば、記録紙シート35の搬送状態をチェックするときは、カバー24aを取り外した状態で搬送モータ63を駆動させるため、サービスマンが駆動中のモータに触れてしまうおそれがある。そのため、搬送モータ63は、カバー24aが取り外された時に、上述の開口より露呈されない部分に取り付けられていることが好ましい。
搬送モータ63は、この搬送モータ63の回転軸に軸着されたギヤ73と、ローラ軸59cの第2振分け部本体61b側の端部に軸着されたギヤ74と、ギヤ73及びギヤ74を連結するギヤ75とからなる第2ギヤトレイン76を介して、振分用駆動ローラ59aを回転駆動する。振分用駆動ローラ59aが回転駆動されると、第2駆動用ギヤ68、連結用ギヤ69、第1駆動用ギヤ67を介して、第4保持用駆動ローラ51aが回転駆動される。そして、第4保持用駆動ローラ51aが回転駆動されると、第1ギヤトレイン57を介して、第1〜第3キャプスタンローラ48a〜50aも回転駆動される。ここで、ギヤ73及びギヤ74間に配置されるギヤ75の数は1個に限定されるものではなく、必要に応じて増やしてもよい。
ブラケット70は、図4(a)に示すように、第1受け部本体53aに形成された位置決め軸79に回動自在に軸着されている。ブラケット70には、図中右上端部に、位置決め軸79に軸着するための決め穴(図示せず)が形成されているとともに、図中左端部には、位置調整用の略円弧状の開口81が形成されている。このブラケット70は、一端が位置決め軸79に軸着され、もう一端が、開口81を貫通して第1受け部本体53aに形成されたネジ穴(図示せず)に螺合する位置調整用ネジ82で固定されている。位置調整用ネジ82を緩めることで、ブラケット70及び連結用ギヤ69を、位置決め軸79を中心にして回動させられる。従って、ブラケット70は、連結用ギヤ69が第1駆動用ギヤ67及び第2駆動用ギヤ68に噛み合う連結位置と、第1駆動用ギヤ67のみと噛み合う連結解除位置とに位置の切り替えが可能である。つまり、ブラケット70を取り外すことなく、連結用ギヤ69を介した第1駆動用ギヤ67と第2駆動用ギヤ68との連結を、解除させることができる。
メンテナンス時に、筐体24から取り外された副走査受け部21及び振分け部22を、再度筐体24に取り付けた際に、ブラケット70が正しい位置で固定されていないと、各ギヤ67〜69の歯先がうまく噛み合わないため、搬送モータ63から駆動力が第1駆動用ギヤ67に伝達されないおそれがある。そこで、本実施例では、連結用ギヤ69と、第2駆動用ギヤ68との距離を一定に保つための位置決め部材84を、連結用ギヤ69を保持するギヤ軸85、及びローラ軸59cに取り付ける。
位置決め部材84は、その一端の所定位置に、ギヤ軸85に嵌合する切り欠き84aが形成され、もう一端の所定位置には、ローラ軸59cに嵌合する切り欠き84bが形成されている。そして、ブラケット70の位置を調整しながら、位置決め部材84の切り欠き84a,84bを、それぞれギヤ軸85、ローラ軸59cに嵌め込むことで、連結用ギヤ69と第2駆動用ギヤ68との距離が最適な値に調整される。この際に、連結用ギヤ69と第1駆動用ギヤ67との距離も同時に調整されるような位置に、切り欠き84a,84bを形成しておくことが好ましい。或いは、連結用ギヤ69と第1駆動用ギヤ67との距離を最適な値に保持する位置決め部材を新たに設けてもよい。ここで、位置決め部材84は、連結用ギヤ69と第2駆動用ギヤ68との距離が最適な値に調整できれば、任意の形状でよい。
メンテナンス時には、図4(b)に示すように、位置決め部材84をギヤ軸85、ローラ軸59cから取り外す。次いで、位置調整用ネジ82を緩めて、ブラケット70を位置決め軸79を中心にして回動させて、連結用ギヤ69を介した第1駆動用ギヤ67と第2駆動用ギヤ68との連結を解除させる。これにより、副走査受け部21と振分け部22とを別個に筐体24から取り外すことができる。これらの作業は、容易に行うことができるので、メンテナンス性は低下しない。
次に、本構成の写真プリンタ10の動作について説明する。ユーザによりプリント指示がなされると、図1に示すように、制御部15は、供給部17に装填されたマガジン27a,27bから感光記録紙25を所定長だけ引き出すとともに、カッタ30a,30bを駆動して記録紙シート35を形成する。この記録紙シート35は、裏印字部18にて撮影情報などの所定情報が記録された後、スキュー補正部19においてスキューが調整される。スキュー補正部19を通過した記録紙シート35は、露光部20に搬送され、画像データに基づき変調されたレーザ光によって画像が走査露光される。
制御部15は、露光中の記録紙シート35の先端部が、副走査受け部21に搬送されてくる前に、第1〜第4従動ローラ48b〜51bを解除位置に移動させるとともに、振分け部22の搬送モータ63の駆動を開始させる。搬送モータ63が回転すると、第2ギヤトレイン76を介して、振分用駆動ローラ59aが回転駆動される。これと同時に、第2駆動用ギヤ68、連結用ギヤ69、第1駆動用ギヤ67、第1ギヤトレイン57を介して、第1〜第4保持用駆動ローラ48a〜51aが、搬送部20の搬送速度と同速度で回転駆動される(図2及び図3参照)。
副走査受け部21には搬送モータが設けられていないので、露光中の記録紙シート35の先端部を保持している第1〜第4保持用搬送ローラ対48〜51に、モータの振動などの外乱が与えられるのを極力抑えることができる。その結果、走査むらの発生が防止される。また、副走査受け部21及び振分け部22の各搬送ローラ対を1つモータで駆動できるため、写真プリンタの製造コストを下げることができる。さらに、各ギヤ67〜69、ブラケット70などからなる駆動伝達機構64を、サービスマンが作業を行い易い位置に設けたので、メンテナンス時に、副走査受け部21と振分け部22とを容易に着脱させることできる。そのため、副走査受け部21の搬送系と、振分け部22の駆動系とを連結しても、メンテナンス性は低下しない。
制御部15は、露光が終了するのと同時に、解除位置にある各従動ローラ48b〜51bを挟持位置に移動させて、記録紙シート35を下流側の振分け部22へ搬送する。振分部22では、記録紙シート35のサイズに応じて、複数列に振分けを行う。複数列に振り分けられた記録紙シート35は、搬出部23を通過して、プロセサ13に搬送される。記録紙シート35は、プロセサ13で現像、定着、洗浄、乾燥などの処理が施された後、写真プリントとしてプリントジョブ毎にまとめて出力される。
なお、本実施形態では、副走査受け部21の搬送系に、駆動伝達機構64を介して振分け部22の駆動系を連結しているが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、搬出部23やプロセサ13の搬送ユニットの駆動系と連結させるようにしてもよい。プロセサ13の搬送ユニットの駆動系と連結させた場合には、例えばジャム紙除去時などに、プロセサ13を運転させた状態で、プリンタ12のみを停止させたいときもある。そのため、プロセサ13の搬送ユニットの駆動系から、副走査受け部21の搬送系へ駆動力を伝達する駆動伝達機構に、電磁クラッチなどを設けて、必要に応じてプロセサ13からの駆動力の伝達を遮断できるようにすることが好ましい。
また、本実施形態では、駆動伝達機構64は、複数のギヤ67〜69などから構成されているが、例えば、第4ローラ軸51c、及びローラ軸59cにそれぞれプーリを軸着して、各プーリ間にベルトを架けることで、搬送モータ63からの駆動力を第4保持用駆動ローラ51aに伝達するような機構であってもよい。さらに、本実施形態では、第4保持用駆動ローラ51aから第1〜第3保持用駆動ローラ48a〜50aへの駆動力の伝達と、搬送モータ63から振分用駆動ローラ59aへの駆動力の伝達とを、それぞれギヤを介して行っているが、例えば、プーリやベルトなどを介して駆動力を伝達させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、ブラケット70は、第1受け部本体53aに形成された位置決め軸79に回動自在に軸着されているが、第1振分け部本体61aに形成された位置決め軸に回動自在に軸着するようにしてもよい。この場合は、位置調整用ネジ82を螺合させて、ブラケット70を第1振分け部本体61aに固定するためのネジ穴を、第1振分け部本体61aに形成しておく。
なお、本発明は、露光部を備えた写真プリンタ(プリンタプロセサ)に限定されるものではなく、記録材料に画像を記録する記録部の下流側に、この記録部から送り出される記録材料を挟持搬送する第1搬送ローラ対を備えた第1搬送ユニットと、第1搬送ユニットの下流側に、第1搬送ユニットから送り出された記録材料を挟持搬送する第2搬送ローラ対とを備えた画像記録装置に適用することができる。例えば、サーマルプリンタは、主走査方向に延びたサーマルヘッドを記録材料に圧接させた状態で発熱させつつ、記録材料を副走査方向に搬送させることで画像を熱記録している。そのため、熱記録中の記録材料のを挟持搬送している搬送ローラ対に振動などの外乱が与えられないように、本発明を適用することが好ましい。
本発明を実施した写真プリンタの概略図である。 写真プリンタを構成する副走査受け部及び振分け部の一部の斜視図である。 副走査受け部の搬送系が、振分け部の駆動系に連結されている状態を示した説明図である。 駆動伝達機構の平面図を示したものであり、(A)は副走査受け部の搬送系が、振分け部の駆動系に連結されている状態、(B)は連結が解除された状態を示している。
符号の説明
10 写真プリンタ
20 露光部
21 副走査受け部
22 振分け部
48〜51 第1〜第4保持用ローラ対
48a〜51a 第1〜第4保持用駆動ローラ
53 受け部本体
59 振分用搬送ローラ対
59a 振分用駆動ローラ
61 振分け部本体
63 搬送モータ
64 駆動伝達機構
67 第1駆動用ギヤ
68 第2駆動用ギヤ
69 連結用ギヤ
70 ブラケット
84 位置決め部材

Claims (9)

  1. シート状の記録材料に画像を露光する露光部と、
    前記露光部の前記記録材料の搬送方向下流側に配置され、前記露光中に前記露光部から送り出される前記記録材料を挟持搬送する第1搬送ローラ対を有する受け部と、
    前記受け部の前記搬送方向下流側に配置され、前記受け部から送り出される前記記録材料を挟持搬送する第2搬送ローラ対を有する搬送ユニットと、
    前記受け部の前記搬送方向下流側に配置され、前記第2搬送ローラ対を回転駆動する駆動手段と、
    前記第2搬送ローラ対を介して前記駆動手段の回転駆動力を、前記第1搬送ローラ対に伝達する駆動伝達機構とを備えたことを特徴とする画像記録装置。
  2. 前記駆動伝達機構は、
    前記第1搬送ローラ対を構成する第1駆動ローラに軸着された第1ギヤと、
    前記第2搬送ローラ対を構成する第2駆動ローラに軸着された第2ギヤと、
    前記第1ギヤ及び前記第2ギヤを連結する少なくとも1つの連結用ギヤと、
    前記連結用ギヤを回転自在に保持するギヤ保持部材とから構成されることを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
  3. 前記ギヤ保持部材は、前記連結用ギヤが前記第1及び第2ギヤに噛み合う連結位置と、前記第1ギヤのみに噛み合う連結解除位置とに切り替え可能であることを特徴とする請求項2記載の画像記録装置。
  4. 前記ギヤ保持部材は、前記第1駆動ローラを回動自在に保持する受け部本体、または前記第2駆動ローラを回動自在に保持するユニット本体に回動自在に取り付けられていることを特徴とする請求項2または3記載の画像記録装置。
  5. 前記連結用ギヤと、この連結用ギヤに連結する前記第1ギヤ及び第2ギヤの少なくともどちらか一方との距離が一定になるように位置決めする位置決め部材を設けたことを特徴とする請求項4記載の画像記録装置。
  6. 前記受け部本体及び前記ユニット本体を、前記第1搬送ローラ対及び前記第2搬送ローラ対の軸方向に着脱自在に収納するための開口を形成した筐体を設け、前記ギヤ保持部材は、前記開口より露呈される部分に取り付けられていることを特徴とする請求項4または5記載の画像記録装置。
  7. 前記駆動手段は、前記開口より露呈されない部分に取り付けられた駆動モータであることを特徴とする請求項6記載の画像記録装置。
  8. 前記搬送ユニットは、前記記録材料を搬送方向下流側に向けて搬送させつつ、記録材料をその幅方向に対して略平行な方向に移動させることで、記録材料を複数列に振り分けて搬出する振分け部であることを特徴とする請求項1ないし7記載の画像記録装置。
  9. シート状の記録材料に画像を記録する記録部と、
    前記記録部の前記記録材料の搬送方向下流側に配置され、前記記録中に前記記録部から送り出される前記記録材料を挟持搬送する第1搬送ローラ対を有する第1搬送ユニットと、
    前記第1搬送ユニットの前記搬送方向下流側に配置され、前記第1搬送ユニットから送り出される前記記録材料を挟持搬送する第2搬送ローラ対を有する第2搬送ユニットと、 前記第1搬送ユニットの前記搬送方向下流側に配置され、前記第2搬送ローラ対を回転駆動する駆動手段と、
    前記第2搬送ローラ対を介して前記駆動手段の回転駆動力を、前記第1搬送ローラ対に伝達する駆動伝達機構とを備えたことを特徴とする画像記録装置。
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