JP2005241859A - 液晶表示装置および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 対向配置される第1の電極を備えた第1の基板と、第2の電極を備えた第2の基板と、当該第1の基板および第2の基板の間に狭持された液晶材料と、を含む液晶表示装置およびそのような液晶表示装置を備えた電子機器であって、液晶表示装置の内部に設けられるとともに、液晶材料と直接的または間接的に接する段差部分と、第1の電極および第2の電極、あるいはいずれか一方に設けたスリットと、を一致させる。
【選択図】 図6
Description
すなわち、互いに対向配置される一対の基板の一方に形成した第1の電極と、他方の基板に形成した第2の電極とを、ドットマトリクス状に交差させることによって複数の画素を形成し、それらの画素に印加する電圧をオン、オフさせることによって、当該画素に含まれる液晶材料を通過する光を変調させ、偏光板との関係で、文字等の画像を表示する液晶表示装置が多用されている。
しかしながら、従来の液晶表示装置は、視覚特性が一般に狭いという問題が見られた。
例えば、図24に示すように、基板表面に垂直配向処理を施した第1および第2の基板間に誘電率異方性が負の液晶714を挟持し、かかる液晶714の配向が、電圧無印加時にはほぼ垂直に、所定の電圧を印加した時にはほぼ水平となり、さらには所定の電圧より小さい電圧を印加した時には斜めになる液晶表示装置700がある。より具体的には、ドメイン規制手段として、上側基板の電極712を1画素内でスリットを有する電極とし、下側基板の電極713の上には突起20を設けられている。したがって、電圧無印加時には斜面にほぼ垂直に配向し、電圧印加すると斜面付近の配向方向によって周囲の液晶の配向方向が決定される液晶表示装置700である。
また、図25に示すように、第1のドメイン規制手段820Aや、第2のドメイン規制手段820Bとして、具体的に、所定のサイクルでジグザグに屈曲した複数スリット等を、平行配置した液晶表示装置800である。
すなわち、図6(b)にモデル的に示すように、有効な表示領域における液晶材料の配向不良の認識面積が相対的に大きいという問題が見られた。
すなわち、本発明は、液晶表示装置の内部(セル内)に設けられるとともに、液晶材料と直接的または間接的に接する段差部分に起因して、液晶材料の配向不良が生じた場合であっても、配向制御用のスリットを利用して、有効な表示領域における配向不良の認識面積を相対的に低減させ、コントラスト性に優れた液晶表示装置、およびそのような液晶表示装置を含む電子機器を提供することを目的とする。
すなわち、第1の電極および第2の電極、あるいはいずれか一方の電極に設けたスリットと、段差部分とを一致させることにより、段差部分に液晶材料の配向不良が生じた場合であっても、有効な表示領域での配向不良の認識面積を効果的に低減させることができる。
すなわち、スリットの形状に関して、直線状や曲線状であっても良いが、全体として多角形状または円状とすることにより、ノーマリーブラックモードの構成に適用することが容易となる。
すなわち、本発明の液晶表示装置によれば、ノーマリーホワイトモードの構成であっても良いが、視野角を効果的に広げたり、コントラストをさらに向上させたりすることができることから、垂直配向用液晶材料を用いるとともに、電圧非印加箇所において配向して、光透過を遮断するノーマリーブラックモードの構成とすることが好ましい。
すなわち、第1の基板上の走査電極および第2の基板上の画素電極、あるいはいずれか一方の電極に設けたスリットと、段差部分とを一致させることにより、段差部分に液晶材料の配向不良が生じた場合であっても、有効な表示領域での配向不良の認識面積を効果的に低減させることができる。
すなわち、有効な表示領域での配向不良の認識面積を相対的に低減させた液晶表示装置を備えることにより、結果として、コントラストや視覚特性に優れた電子機器を効率的に提供することができる。
ただし、かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。
第1実施形態は、対向配置される第1の電極を備えた第1の基板と、第2の電極を備えた第2の基板と、当該第1の基板および第2の基板の間に狭持された液晶材料と、を含む液晶表示装置であって、液晶表示装置の内部に設けられるとともに、液晶材料と直接的または間接的に接する段差部分と、第1の電極および第2の電極、あるいはいずれか一方に設けたスリットとを、全面的または部分的に一致させた液晶表示装置である。
すなわち、液晶表示装置の内部に設けられたマルチギャップ、配向制御のための配向突起、層間絶縁膜、フォトスペーサ、あるいは各種有機膜や無機膜等の段差部分に起因した液晶材料の配向不良が生じる場合があり、それに伴うコントラストの低下を防止することができる液晶表示装置である。
なお、図1〜図4は、第1実施形態の液晶表示装置の概略構成を説明するために供する図である。また、図5〜図7は、段差部分における液晶材料の配向不良の低減状況を説明するために供する図である。また、図8〜図13は、垂直配向用の液晶材料の配向動作等を説明するために供する図である。また、図14〜図17は、各種段差部分と、スリットとの関係を説明するために供する図である。さらに、図18〜図20は、第1の基板および第2の基板の製造方法を説明するために供する図である。そして、それぞれの図において、同一の部材を示す場合であっても異なる符合となっている場合があるが、説明が重複するような場合には、適宜、説明を省略してある。
まず、図1〜図2を参照して、本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置の基本構造、すなわち、液晶パネル200や電極(第1および第2の電極)19、20、26、あるいは位相差板240、250、および偏光板241、251等について具体的に説明する。
なお、図1は、本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置を構成する液晶パネル200を示す概略斜視図であり、図2は、液晶パネル200の模式的な概略断面図であり、それぞれ説明の便宜上、上側に第1の基板12が配置してあり、下側に第2の基板14が配置してある。
また、図1に示される液晶パネル200は、上述したように、TFD素子を備えたアクティブマトリクス型構造を有する液晶パネル200であって、図示しないもののバックライトやフロントライト等の照明装置やケース体などを、必要に応じて、適宜取付けることにより、液晶表示装置となる。
なお、本実施形態においてはTFD素子(Thin Film Diode)を備えたアクティブマトリクス型の液晶パネルを例にとって説明するが、パッシブマトリクス型構造を有する液晶パネルや、第2実施形態で説明するTFT素子(Thin Film Transistor)等の非線形素子を用いたアクティブマトリクス型構造を有する液晶パネルであっても良い。
図1に示すように、液晶パネル200は、上側に配置された第1のガラス基板13を基体とする第1の基板12と、これに対向配置され、下側に配置された第2のガラス基板27を基体とする第2の基板14とが、接着剤等のシール材230を介して貼り合わせられている。そして、第1の基板12と、第2の基板14とが形成する空間であって、シール材230の内側部分に対して、開口部230aを介して液晶を注入した後、封止材231にて封止されてなるセル構造を備えている。
すなわち、図2の断面図に示すように、第1の基板12と、第2の基板14との間に液晶材料232が充填されるとともに、密封されていることが好ましい。
図1に示すように、第1のガラス基板13の内面上には、複数の走査電極を含む第1の電極19を形成し、第2のガラス基板27の内面上には、データ電極26´や画素電極20を含む第2の電極26、およびそれらを電気的接続するためのTFD素子31を形成することが好ましい。そして、かかる第1の電極19が、画素電極20と重なるように第2の電極26に交差するとともに、当該第1の電極19と画素電極20とが重なる領域がマトリクス状に配列され、全体として液晶表示領域(A)を構成することになる。
また、図1に示すように、第2のガラス基板27は、第1のガラス基板13よりも外側に張り出してなる基板張出部14Tを有し、この基板張出部14T上には、第2の電極26や入力端子部(外部接続用端子)219が形成されていることが好ましい。
さらに、基板張出部14Tの端部には、入力端子部(外部接続用端子)219に導電接続されるように、フレキシブル配線基板110が実装されていることが好ましい。
図1に示される液晶パネル200は、図2の断面図に示すように、第1の基板12の所定位置に、位相差板(1/4波長板)250および偏光板251が配置されていることが好ましい。
また、第2の基板14の外面においても、位相差板(1/4波長板)240および偏光板241が配置されていることが好ましい。
すなわち、このような位相差板(1/4波長板)250、240、あるいは偏光板251、241によって、液晶パネル200に入射する光および透過してくる透過光の位相をそれぞれ調整して、鮮明な画像表示を認識することができる。
(1)基本的構成
第1の基板12は、図2に示すように、基本的に、透明な第1のガラス基板13と、着色層16と、遮光層18と、走査電極を含む第1の電極19と、から構成してあることが好ましい。
また、第1の基板12において、反射機能が必要な場合、例えば、携帯電話等に使用される半透過反射型の液晶表示装置においては、第1のガラス基板13と、着色層16との間に、図2に示すように、画素毎に透過領域と反射領域とを形成するための半透過反射層18を設けることが好ましい。
さらに、第1の基板12において、図2に示すように、画素毎に着色層16が形成され、その上を電気絶縁性のアクリル樹脂やエポキシ樹脂などの透明樹脂からなる平坦化層(表面保護層あるいはオーバーコート層)215により、被覆してあることが好ましい。このようにして、着色層16と平坦化層(表面保護層)215とによってカラーフィルタが形成されることになる。
なお、第1実施形態の液晶表示装置の例では、カラーフィルタを第1のガラス基板13上に設けてあるが、かかるカラーフィルタを、後述する第2の基板14上に設けても構わない。
また、図2に示す着色層16は、通常、透明樹脂中に顔料や染料等の着色材を分散させて所定の色調を呈するものとされている。着色層の色調の一例としては原色系フィルタとしてR(赤)、G(緑)、B(青)の3色の組合せからなるものがあるが、これに限定されるものではなく、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)等の補色系や、その他の種々の色調で形成することができる。
かかる着色層は、通常、基板表面上に顔料や染料等の着色材を含む感光性樹脂からなる着色レジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術(エッチング法)によって不要部分を欠落させることによって、所定のカラーパターンを有する着色層を形成することができる。そして、複数の色調の着色層を形成する場合には上記工程を繰り返すことになる。
また、着色層の配列パターンとしては、ストライプ配列を採用することが多いが、このストライプ配列の他に、斜めモザイク配列や、デルタ配列等の種々のパターン形状を採用することができる。
また、図2に示すように、画素毎に形成された着色層16の間の画素間領域に、遮光層(ブラックマトリクスと称する場合もある。)18を形成することが好ましい。
このような遮光層18としては、例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の3色の着色材を共に樹脂その他の基材中に分散させたものや、黒色の顔料や染料等の着色材を樹脂その他の基材中に分散させたものなどを用いることができる。また、カーボン等の黒色材料を使用しなくとも優れた遮蔽効果を得ることができることから、加色法を利用して、R(赤)層、G(緑)層、B(青)層の三層構造とすることも好ましい。
また、図2に示すように、第1のガラス基板13の表面には、半透過反射層212が形成されていることが好ましい。この半透過反射層212は、アルミニウム、アルミニウム合金、クロム、クロム合金、銀、銀合金などからなる金属薄膜と、から構成することが好ましい。また、半透過反射層212は、画素毎に、反射面を有する反射部212rと、開口部212aとを備えることが好ましい。すなわち、反射半透過型の液晶表示装置として、将来的に開口部212aを介して、透過モードで画像表示するとともに、反射領域212rを利用して、反射モードで画像表示するためである。
図2に示すように、平坦化層215の上に、ITO(インジウムスズ酸化物)等の透明導電材料からなる、走査電極としての第1の電極19を形成することが好ましい。すなわち、かかる第1の電極19は、図3(a)に示すように、複数の透明電極を並列させ、ストライプ状に構成されていることが好ましい。
また、第1の電極の高さ(厚さ)を1〜20μmの範囲内の値とすることが好ましく、2〜15μmの範囲内の値とすることがより好ましい。
この理由は、第1の電極の高さ(厚さ)が1μm未満の値となると、電気抵抗の値が過度に大きくなってしまう場合があるためである。一方、第1の電極の高さ(厚さ)が20μmを超えると、セルギャップにバラつきが生じたり、あるいは、液晶表示装置の薄型化を図ることが困難になったりする場合があるためである。
また、隣接する第1の電極間の距離を20〜50μmの範囲内の値とすることが好ましく、22〜45μmの範囲内の値とすることがより好ましい。すなわち、通常、シール材に含まれる導電性粒子の粒径が10μm程度であることを考慮して、隣接する第1の電極間の距離を定めることが好ましい。
また、図2に示すように、第1の電極19の上には、ポリイミド樹脂等からなる第1の配向膜217が形成されていることが好ましい。
この理由は、このような第1の配向膜217を設けることにより、第1の基板(カラーフィルタ基板)12を液晶表示装置等に使用した場合に、液晶材料232の配向性を電圧印加によって容易に実施することができるためである。
(1)基本構造
図1に示すように、第2の基板14は、基本的に、透明な第2のガラス基板27と、データ電極26´や画素電極20を含む第2の電極26と、当該データ電極26´と画素電極20とを電気的接続するためのTFD素子31と、から構成してあることが好ましい。
なお、図2に示すように、第2の電極26上には、ポリイミド樹脂等からなる第2の配向膜224が形成されており、液晶材料の配向性の制御がなされている。
また、第2の基板14には、図3(b)に示すように、データ電極26´をストライプ状に配置するとともに、当該データ電極26´に対して、TFD素子31を介して電気的接続されるように画素電極20を配置して、第2の電極を構成してあることが好ましい。
すなわち、第2の電極26は、図4にその概略平面図を示すように、素子動作が安定するため、第1のTFD素子31aと、第2のTFD素子31bとが逆向きに直列配列された、いわゆるバックトウバック構造のTFD素子31を含むことが好ましい。より具体的には、第2の電極26は、これらのTFD素子31の一方の端子に接続するデータ電極26´と、複数のTFD素子31の他方の端子に接続する画素電極20とから構成してあることが好ましい。そして、上述のとおり、それぞれの画素電極は、第1の基板上の走査電極と重なるように配置されており、所望の画素電極と走査電極との間に電圧を印加することにより、表示領域に画像が表示されることとなる。
また、第2の電極26は、図3(b)に示すように、シール材230の外側であって、第1のガラス基板27における基板張出し部14Tまで延設されていることが好ましい。
なお、隣接する第2の電極間の距離や高さについては、上述した第1の電極と同様の内容とすることができる。
(1)一致性
図5に例示するように、液晶パネル300のセル構造の内部に設けられるとともに、液晶材料330と直接的または間接的に接する段差部分317bと、第1の電極317に設けたスリット317aとを、全面的または部分的に一致させることを特徴とする。すなわち、液晶表示装置において、画像の視覚特性等を向上させるために、第1の電極に含まれる走査電極または第2の電極に含まれる画素電極にスリットを形成して、配向制御をする場合があるが、かかる電極に設けられたスリットと、段差部分とを、全面的または部分的に一致させたものである。
この理由は、セル構造の内部の段差部分と、第1の電極に設けたスリットと、を全面的または部分的に一致させることにより、段差部分に起因して液晶材料の配向不良が発生した場合であっても、本来的に画像が表示されない電極のスリットを利用して、当該配向不良を視認させないようにできるためである。そして、有効な表示領域での配向不良の認識面積を相対的に低減させることができ、結果として、コントラスト性に優れた液晶表示装置を提供することができる。より具体的には、例えば、かかる段差部分と、第1の電極のスリットとを20〜100%の範囲で、全面的または部分的に一致させることにより、各種液晶表示装置のコントラストを1〜35%程度向上させることができることが判明している。
なお、図5は、開口部312aを有する半透過反射層312によって形成されたすべての透過領域において、向かって右側の段差部分と、第1の電極317に設けたスリット317aと、を一致させた例を示している。また、図5において、上述の図2中に示す部材と同一の部材であっても符号を変更してある場合がある。
なお、第1の電極のスリットとは、基本的には走査電極のスリットを意味し、第2の電極のスリットとは、基本的には画素電極のスリットを意味するが、それらに限られるものではなく、それ以外の電極に形成されるスリットを含む場合がある。
図6(a)に示す例では、段差部分と、電極に設けたスリットとを一部一致させているために、かかる段差部分に相当する領域においては、液晶材料の配向不良が視認されることがない。すなわち、電極のスリットが設けられた領域においては、もともと表示が認識されることがないために、段差部分に配向不良が発生した場合であっても、かかる配向不良が視認されないこととなる。また、このように構成することにより、画像非認識領域と配向不良領域との合計面積を相対的に減少させることもできる。そして、このように構成した場合には、液晶材料の配向不良232の認識面積を相対的に低下させることができるために、液晶材料の配向不良232の影響を少なくして、コントラスト性を向上させることができることも理解できる。より具体的には、図6(a)に示すように、段差部分(図示せず)の片側と、電極に設けたスリット317aとを一致(約50%の一致)させることにより、図6(b)に示すように、段差部分(図示せず)と、電極に設けたスリット317aとが全く一致していない場合と比較して、液晶表示装置におけるコントラストが5〜15%程度向上することが判明している。
それに対して、図6(b)に示す例では、図6(a)の場合と比較して、画像非認識領域である電極のスリット317aが設けられた領域の面積自体は差がないものの、点状列として認識される、段差部分による液晶材料の配向不良232´が発生した領域(配向不良領域)の面積は広くなっている。したがって、有効な表示領域での画像認識領域(配向正常領域)の面積が狭くなっており、また、液晶材料の配向不良232の影響を受けて、コントラスト性が低くなることが理解できる。
この理由は、このように第1の電極のスリットのみならず、ギャップについても配向不良が生じている段差部分(図示せず)と一致させることにより、画像が表示されないギャップを利用して、当該段差部分に相当する領域の液晶材料に配向不良が発生した場合であっても、視認されないようにすることができるためである。
したがって、図7に示すように、段差部分において、画像非認識領域である第1の電極に設けたスリット317aおよび第1の電極のギャップ317cによって、それぞれ液晶材料に配向不良が発生した場合であっても、視認されないようにすることができる。すなわち、有効な表示領域での液晶材料の配向不良232の認識面積をさらに相対的に低下することができ、コントラスト性をより向上させることができる。
この理由は、このような段差部分とすることにより、第1の電極および第2の電極、あるいはいずれか一方に設けたスリットを精度良く形成することができるためである。逆に言うと、テーパが設けられておらず、段差部分が垂直壁であるとすると、第1の電極等に設けたスリットを形成するためのレジストを精度良く、かつ優れた密着力を有するように形成することが困難であり、結果として、かかるスリットを精度良く形成することが困難なためである。
したがって、段差部分317bにテーパを設けることにより、電極に設けたスリットと、段差部分とを正確に一致させることができ、結果として、有効な表示領域での配向不良の認識面積を相対的に低減させることができる。
なお、テーパを設けるにあたって、より具体的には、テーパ(斜面)の角度を45〜85°の範囲内の値とすることが好ましく、テーパの角度を50〜80°の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、このように段差部分の幅と、電極に設けたスリットの幅を関連付けることにより、電極に設けたスリットによって、液晶材料の配向不良を十分に覆うことができるためである。したがって、このように段差部分の幅と、電極に設けたスリットの幅を関連付けることにより、有効な表示領域での配向不良を効果的に低減させることができる。
ただし、液晶材料の配向不良の幅がライン状に形成された場合、その幅は、段差部分の幅よりも0.5〜1μm程度大きい場合がある。
したがって、段差部分の幅を、第1の電極に含まれる走査電極または第2の電極に含まれる画素電極等におけるスリットの幅よりも、少なくとも1〜2μm狭くすることがより好ましく、2.5〜3μm程度狭くすることがより好ましい。
この理由は、このような電極に設けたスリットの幅とすることにより、段差部分に配向不良が発生した場合であっても、確実に視認されないようにすることができるためである。すなわち、段差部分にテーパを設けた場合であっても、その幅としては、1〜2μm程度の場合が多く、電極に設けたスリットの幅が1〜10μmであれば、当該領域の液晶材料に配向不良が発生した場合であっても、視認されないようにすることができる。
また、このような電極に設けたスリットの幅であれば、液晶材料の配向性を適切に制御することができるためである。
この理由は、電圧非印加箇所において配向して非透過状態となる、いわゆるノーマリーブラックモードに適した垂直配向用の液晶材料を使用することにより、視覚特性が向上するとともに、有効な表示領域での配向不良の認識面積を相対的に低減させて、コントラストについても向上させることができるためである。
逆に言うと、垂直配向用の液晶材料でなく、ノーマリーホワイトモードに適した液晶材料を使用した場合には、電圧印加箇所において配向して非透過状態となるため、有効な表示領域での配向不良が生じやすくなるばかりか、電極に設けたスリットとを一致させることが困難となる場合があるためである。
また、図8(a)および(b)に示す負の誘電率異方性を有する垂直配向用の液晶材料232を使用するとともに、電極における電極19、20の形態を考慮することにより、図9(a)に矢印Aで示すように、電極間に斜め電界を発生させることができる。より具体的には、第1の電極19における走査電極または第2の電極26における画素電極20が、全体として多角形状または円状をなすとともに、その内部にスリット以外に、非電極形成部20´を設けることが好ましい。あるいは、図10に示すように、第1の電極または第2の電極の電極形状に対応させて、電極が存在しないスリット317aを形成し、さらに、電極のほぼ中央付近に、電極が存在しない非電極形成部20cを設けることが好ましい。
この理由は、例えば、図9(b)に示すように、第1の電極19における走査電極または第2の電極26における画素電極20を全体として多角形状または円状とするだけでは、図9(a)に矢印A´で示すように、電極19、20の間に、効果的に斜め電界が発生しない場合があるためである。
したがって、非電極形成部20´の外形を円形、楕円形、多角形状等にするとともに、電極が実質的に存在しない箇所を、第1の電極19における走査電極または第2の電極26における画素電極20の中心付近に形成することが好ましい。
なお、垂直配向とは、基本的には、液晶材料が基板に対して垂直方向に立った状態を意味するが、例えば、図8(a)に示す配向突起320aや、スリット等によって配向制御した場合において、斜め方向に傾いて立った状態も含むものとする。
この理由は、このような形態の画素電極等とすることにより、一つの画素において、液晶材料の配向制御が容易になるとともに、斜め電界をさらに効率的に発生させることができるためである。
一方、図13に示すように、画素ごとに第1の電極における走査電極または第2の電極26における画素電極20が、一つの多角形状または円状をなすとともに、一部にスリット317aが形成してあり、それぞれ液晶材料(図示せず)をはさんで配置することも好ましい。
セル構造の内部に設けられた段差部分が、上述した図5に示すように、液晶材料におけるリタデーションを調整するためのマルチギャップによる段差部分であることが好ましい。すなわち、反射領域および透過領域の双方でリタデーションの最適化を図ることができ、画像表示の視認性を向上させることができるためである。
より具体的には、半透過反射型の液晶表示装置では、図5に示すように、開口部312aを有する半透過反射層312によって反射領域と透過領域が形成される。そして、透過モードで表示を行う際には、液晶パネル300に入射した光が、液晶層330を1回のみ通過して外部に出射されるのに対して、反射モードで表示を行う際には、液晶パネル300に入射した光が、反射層312によって反射される前後2回にわたり液晶層330を通過して外部に出射される。そして、画像表示の視認性を向上させるためには、液晶層312における屈折率の差と、液晶層312の層厚の積であるリタデーションを適正化することが効果的である。しかし、反射領域と透過領域とでは、液晶層312を通過する回数が異なるために、すべての領域においてセルギャップを均一化した構造では、双方のリタデーションを最適化することができない。したがって、反射領域と透過領域とでセルギャップが異なるマルチギャップ構造とすることにより、双方の領域のリタデーションを同時に最適化することができる。
ただし、かかるマルチギャップ構造を構成した場合には、反射領域と透過領域の境界線に沿って、段差部分が形成されることとなるために、かかる段差部分に起因して、液晶材料に配向不良が発生する場合がある。
したがって、リタデーションを調整するためのマルチギャップ構造を構成する段差部分と、配向制御するために第1の電極等に設けたスリットとを一致させることにより、有効な表示領域での配向不良の発生を相対的に低減させることができる。
したがって、本発明によれば、リタデーションの調整と相俟って、よりコントラストに優れた液晶表示装置を提供することができる。
すなわち、例えば、上述したように垂直配向用液晶材料を用いて、ノーマリーブラックモードの液晶表示装置を構成する場合、まず、図10(a)に示すように、多角形状の露出部を有する層間絶縁膜や保護層316を形成することが好ましい。次いで、エッチング等により、図10(b)に示すような形態の複数の多角形状領域20a、スリット317aおよび非電極形成部20cを形成する。
したがって、図10(c)に示すように、層間絶縁膜や保護層316の上に所定形状の電極が形成され、図11にその断面図を示すように、スリット317aおよび非電極形成部20cを備えた光透過部に対応した電極と、非電極形成部20cのみを備えた電極を有するマルチギャップ構造を構成することもできる。
なお、図12に別の態様のマルチギャップによる段差部分を示すが、TFD素子31が設けてある基板側の電極に連なる画素電極20を、複数の多角形状領域または円状領域から形成するとともに、画素電極20を一部露出させた層間絶縁膜や保護層316を形成して、マルチギャップ構造を構成することも好ましい。
すなわち、半透過反射型の液晶表示装置における反射領域においては、画素電極20上に層間絶縁膜や保護層316を形成して、セルギャップを狭くするとともに、透過領域においては、画素電極20上に層間絶縁膜や保護層316を形成せず、セルギャップを広くして、液晶材料のリタデーションを調整することが好ましい。
そして、図示しないものの、画素電極20の一部と、層間絶縁膜や保護層316の段差部分とが重なる場合には、それに対応させて、画素電極20の一部にスリットを設けることが好ましい。
セル構造の内部に設けられた段差部分が、図14(a)に示すように、遮光層(ブラックマトリクス)313による段差部分317bであることが好ましい。
すなわち、隣接する画素間において、光の混色を防止するために、遮光層318を設けている。そして、工程数を減少させるために、RGB等に対応した着色層318R、318G、318Bを形成する際に、それぞれのいくつかの層を重ねて、遮光層を構成する場合がある。したがって、そのような重ね合わせ構造による遮光層318を形成した場合、高さが他の着色層よりも高くなるため、端部に段差部分317bが生じることになる。
よって、隣接する画素間において、重ね合わせ構造の遮光層318を設けることにより、配向不良が生じた場合であっても、かかる配向不良(図示せず)と、第1の電極等に設けたスリット317aとを一致させることにより、有効な表示領域での配向不良の認識面積を相対的に低減させることができる。
逆に、図14(b)に示すように、重ね合わせ構造による遮光層318´を設けて、それに起因した配向不良(図示せず)と、第1の電極等に設けたスリット317a´とが、全く一致していない場合には、有効な表示領域での配向不良の認識を低減させることができないことが理解される。
したがって、本発明によれば、図14(a)に示すように構成することにより、遮光層318による混色防止効果と相俟って、よりコントラストに優れた液晶表示装置を提供することができる。
セル構造の内部に設けられた段差部分が、図15(a)に示すように、配向制御のための配向突起320aによる段差部分であることが好ましい。
すなわち、液晶材料の配向性は、主として配向膜によって制御されているが、さらにその配向性を高めるために、配向膜の表面に、三角錐等の断面形状を有する配向突起を設ける場合がある。したがって、そのような配向突起を設けた場合、所定の高さを有するため、端部に段差部分が生じることになる。
よって、図15(a)に示すように、配向制御のための配向突起320aを設けることに起因して、配向不良が生じた場合であっても、かかる配向不良(図示せず)と、第1の電極または第2の電極に設けたスリット321aと、を一致させることにより、有効な表示領域での配向不良の認識面積を相対的に低減させることができる。
逆に、図15(b)に示すように、配向制御のための配向突起320a´を設けて、それに起因した配向不良(図示せず)と、第1の電極等に設けたスリット321a´とが、全く一致していない場合には、有効な表示領域での配向不良の認識を低減させることができないことになる。
したがって、本発明によれば、図15(a)に示すように構成することにより、配向制御のための配向突起320aによる液晶材料の配向性の向上と相俟って、よりコントラストに優れた液晶表示装置を提供することができる。
なお、上述したように垂直配向用の液晶材料を用いて、ノーマリーブラックモードの液晶表示装置を構成する場合には、垂直配向用の液晶材料を、複数のドメインごとに配向制御することが可能になるため、かかる配向制御のための配向突起を設けることが極めて有効である。
セル構造の内部に設けられた段差部分が、図16に示すように、層間絶縁膜415による段差部分417bであることが好ましい。
すなわち、セル内の電気絶縁性や機械的強度を高める等の理由から、所定箇所に層間絶縁膜415を設ける場合がある。この層間絶縁膜415において、下地等の影響により、端部に段差部分417bが生じる場合がある。
よって、層間絶縁膜415を設けることに起因して、配向不良(図示せず)が生じた場合であっても、かかる配向不良と、第1の電極等に設けたスリット417aと、を一致させることにより、有効な表示領域での配向不良の認識面積を相対的に低減させることができる。
したがって、本発明によれば、図16に示すように構成することにより、層間絶縁膜415による電気絶縁性や機械的特性の向上と相俟って、よりコントラストに優れた液晶表示装置を提供することができる。
なお、図16中、上述した図2や図14等に関連して説明した部材と同一の部材であっても異なる符合を付してある場合があるが、それらについては説明が重複するために、ここでの説明は省略する。
セル構造の内部に設けられた段差部分が、図17(a)に示すように、フォトスペーサ518による段差部分であることが好ましい。
すなわち、セル内の厚さを均一化して、画像表示むらを少なくするために、通常スペーサを配置するが、その配置性や製造プロセスを向上させるために、光硬化性材料からなるフォトスペーサ518を、遮蔽層513等の上に設ける場合がある。このフォトスペーサ518は、所定の高さを有するため、段差部分が生じることになる。
よって、セル内の厚さを均一化するためのフォトスペーサ518を設けることに起因して、配向不良が生じた場合であっても、かかる配向不良(図示せず)と、第1の電極等に設けたスリット517aと、を一致させることにより、有効な表示領域での配向不良の認識面積を相対的に低減させることができる。
逆に、図17(b)に示すように、フォトスペーサ518´を設けて、それに起因した配向不良(図示せず)と、第1の電極または第2の電極に設けたスリット321a´とが、全く一致していない場合には、有効な表示領域での配向不良の認識を低減させることができないことになる。
したがって、本発明によれば、図17(a)に示すように構成することにより、フォトスペーサによる、画像表示むらの低減と相俟って、よりコントラストに優れた液晶表示装置を提供することができる。
なお、図17においても、上述した図2や図14等に関連して説明した部材と同一の部材であっても異なる符合を付してある場合があるが、それらについては説明が重複するために、ここでの説明は省略する。
図18〜図20を参照しながら、第1実施形態の液晶表示装置の製造方法について、TFD素子を備えたアクティブマトリクス型構造の液晶表示装置を例に採って、詳細に説明する。
(1)−1 カラーフィルタの形成
図18(a)に示すように、第1のガラス基板上には、画像表示領域に相当する箇所に、開口部212aを備えた反射層212、および着色層16r、16g、16b、遮光層18を順次形成することが好ましい。すなわち、反射半透過型の液晶表示装置として、将来的に開口部212aを介して、透過モードでカラー画像表示するとともに、反射層212を利用して、反射モードでカラー画像表示するためである。
ここで、開口部212aを備えた反射層212は、蒸着法やスパッタリング法にて金属材料等を第2のガラス基板13上に形成した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング法を用いてパターニングすることにより形成される。
次いで、例えば、顔料や染料等の着色剤を分散させた感光性樹脂を塗布し、これにパターン露光、現像処理を順次施すことによって、カラーフィルタ214を形成することが好ましい。すなわち、複数の着色層16r、16g、16bおよび遮光層18を形成して、カラーフィルタ214とすることができる。
なお、遮光層18を形成するにあたって、複数の着色層16r、16g、16bを重ね合わせて構成しても良く、あるいは、カーボン等の黒色材料を使用して形成することも好ましい。
次いで、図18(b)に示すように、表面保護層215を形成することが好ましい。
すなわち、第1の基板12上に全面的に感光性樹脂215Xを塗布する。かかる感光性樹脂215Xは、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、フッ素樹脂などで構成することができる。これらの樹脂は流動性を有する未硬化状態で基板上に塗布されるが、かかる塗布方法としては、スピンコート法や印刷法などを用いることができる。
次いで、図18(c)に示すように、塗布した感光性樹脂215Xに対して、フォトリソグラフィ技術およびエッチング法を用いてパターニングを施し、表面保護層215を形成する。すなわち、乾燥、光硬化、熱硬化などの工程を経て、複数の色の着色層16r、16g、16bの上に、所定のパターンを有する表面保護層215を形成することができる。
次いで、図18(d)に示すように、保護膜215上に、全面的にITO(インジウムスズ酸化物)等の透明導電体材料からなる透明導電層19Xを形成することが好ましい。この透明導電層19Xは、一例として、スパッタリング法により成膜することができる。そして、フォトリソグラフィ技術を用いて、透明導電層19Xにパターニングを施し、図18(e)に示すように第1の電極19を形成し、第1の基板12とすることが好ましい。
なお、カラーフィルタ214等に起因した段差部分に対応させて、第1の電極19にスリットを設ける場合には、透明導電層19Xにパターニングする際に、同時に形成することが好ましい。
図19〜図20を参照して、アクティブ素子(TFD素子)の形成を含めて、第2の基板14の製造方法を説明する。
まず、図19(a)に示すように、ガラス基板27上に、全面的に導電性の金属膜材料26´をスパッタリング法等により積層する。このとき、図示しないが、ガラス基板と、金属膜材料との密着性を向上させることができることから、第2のガラス基板27上に、酸化タンタル(Ta2O5)等からなる絶縁膜を形成することも好ましい。
次いで、図19(b)に示すように、その上からレジスト材料82を全面的に塗布する。その後、図19(c)に示すように、開口部83bを有するフォトマスク83を介して、例えば、開口部83bに対応した位置のみに光を照射し、パターン露光する。その後、図19(d)に示すように現像して、マスクの開口部83bに対応した箇所のみにレジスト82´を残す。
次いで、図20(c)に示すように、かかる電気配線26´の表面を陽極酸化法によって酸化させることにより、酸化膜23を形成する。より具体的には、電気配線26´が形成されたガラス基板27を、クエン酸溶液等の電解液中に浸漬した後、かかる電解液と、電気配線26´との間に所定電圧を印加して、電気配線26´の表面を酸化させることができる。なお、酸化膜23の厚さは適宜変更することができるが、通常、10〜50nmの範囲内の値とすることが好ましい。
次いで、図20(d)に示すように、酸化膜23を有する電気配線26´の上に、パターン化された電気配線22を形成し、TFD素子31を作成した後、例えば、透明導電体材料からなる画素電極20を形成することにより、第2の電極26を備えた第2の基板14とすることができる。
なお、TFD素子等の上にフォトスペーサをさらに作成し、段差部分が将来的に形成される場合には、そのフォトスペーサに対応させて、パターン化された電気配線を形成する際に、スリットを同時に形成することが好ましい。
次いで、第2の基板に、例えば、エポキシ樹脂等を主成分とするシール材を、スクリーン印刷やディスペンサにより、表示領域を囲むようにパターニングする。
このとき、シール材が印刷された第2のガラス基板を低温処理(プリベーク)して、シール材中の溶剤を蒸発させることが好ましい。すなわち、シール材の硬化温度よりも低い温度条件で、減圧しながらプリベークすることが好ましい。例えば、35〜70℃程度の温度条件、50〜90kPaの圧力条件の下で、実施することが好ましい。
さらに、シール材が積層された第2の基板と、第1の基板とを重ね合わせて接合させた後、加熱しながら加圧保持することにより、シール材を硬化させることにより、第1の基板と、第2の基板を貼合せることが好ましい。
次いで、第1の基板および第2の基板が形成する空間であって、シール材の内側部分に対して、液晶材料(液晶)を注入した後、封止材にて封止することにより、図1および図2に例示する液晶パネル200とすることができる。
第2実施形態は、図21および図22に示すように、三端子型のスイッチング素子であるTFT(Thin Film Transistor)素子を備えたアクティブマトリクス型の液晶表示装置641である。
なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と共通する内容については、適宜省略する。
まず、図21に例示する液晶装置641は、第1の基板602bと、第2の基板602aとをそれらの周辺部においてシール材によって貼り合わせ、さらに、第1の基板602b、第2の基板602aおよびシール材によって囲まれる間隙すなわちセルギャップ内に液晶材料を封入して液晶層603を設けることによって形成することができる。
ここで、第2の基板602aには、三端子型のスイッチング素子として機能するTFT(Thin Film Transistor)素子642と、有機絶縁膜648を挟んで、ドレイン電極643に電気的接続された第2の電極(画素電極)605とを備えている。この第2の電極605の上には、配向膜610aが形成され、この配向膜610aに対してラビング処理が施されている。また、第2の電極605は、例えばAl(アルミニウム)、Ag(銀)等といった光反射性の導電材料によって形成されていることが好ましい。
このうち、第1の電極624は、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電材料によって、第1の基板602bの表面全域に形成された面状電極である。また、着色層603は、第1の基板602a側の第1の電極605に対向する位置にR(赤)、G(緑)、B(青)またはC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)等といった各色のいずれかの色フィルタエレメントを備えて構成されている。そして、画像表示の際のコントラストを向上させるために、着色層623の間隙であって、第2の電極605と垂直方向に重ならない箇所に、遮光膜622が設けられていることが好ましい。
次いで、図22を参照して、三端子型のスイッチング素子としてのTFT素子642の構造を説明する。
かかるTFT素子642は、第2の基板602a上に形成されたゲート電極646と、このゲート電極646の上で第2の基板602aの全域に形成されたゲート絶縁膜647を備えている。そして、このゲート絶縁膜647を挟んで、ゲート電極646の上方位置に形成された半導体層649と、その半導体層649の一方の側にコンタクト電極645を介して形成されたソース電極644と、さらに半導体層649の他方の側にコンタクト電極644を介して形成されたドレイン電極643と、を備えている。
また、ゲート電極646はゲートバス配線629から延設されているとともに、ソース電極644は、ソースバス配線628から延設されている。かかるゲートバス配線629は、第2の基板602aの横方向に延びていて、縦方向へ等間隔で平行に複数本形成されている。また、ソースバス配線628は、ゲート絶縁膜647を挟んでゲートバス配線629と交差するように縦方向へ延びており、横方向へ等間隔で平行に複数本形成されている。
そして、ゲートバス配線629は、駆動用半導体素子(図示せず)に接続されており、例えば、走査線として作用するとともに、ソースバス配線628は、他の駆動用半導体素子(図示せず)に接続されて、例えば信号線として作用している。
なお、画素電極(第2の電極)605は、互いに交差するゲートバス配線629と、ソースバス配線628とによって区画される領域のうち、TFT素子642と垂直方向に重ならない箇所に形成されている。
また、半導体層649は、例えば、不純物をドープしたアモルファスシリコン(ドープトa−Si)、多結晶シリコン、CdSe等によって構成してあることが好ましい。また、コンタクト電極645は、例えば、アモルファスシリコン(a−Si)等によって構成してあることが好ましい。
さらに、ソース電極644およびそれと一体的なソースバス配線628、ならびにドレイン電極643は、それぞれチタン、モリブデン、アルミニウム等によって構成してあることが好ましい。
また、有機絶縁膜648のうち第2の電極605が形成される領域には、山部と谷部との規則的なまたは不規則的な繰り返しパターンから成る凹凸パターンを形成することが好ましい。この理由は、下地としての有機絶縁膜648の上に積層される第2の電極605にも、凹凸パターンを形成することができるためである。したがって、第2の電極605を、適度に光散乱する反射パターンとして構成することができる。
すなわち、以上のようなTFT素子642を備えたアクティブマトリクス型の液晶表示装置を構成することにより、走査信号およびデータ信号によって選択される第2の電極(画素電極)605と、第1の電極(対向電極)624との間に印加される電圧によって、画素毎に液晶材料の配向性を的確かつ高速で制御することができ、段部分に起因した配向不良の影響を抑制し、観察者側に文字、数字等といったコントラストに優れた画像表示を認識させることができる。
なお、第2実施形態の液晶表示装置においては、所定の段差部分に一致させる電極のスリットとしては、第2の基板におけるゲートバス配線またはソースバス配線や、図示しないものの蓄積容量により段差が生じる領域に対向する、第1の基板における対向電極に設けられたスリットが挙げられる。
本発明に係る第3実施形態として、第1実施形態または第2実施形態の液晶表示装置を備えた電子機器について、図22を参照しながら具体的に説明する。
図23は、本実施形態の電子機器の全体構成を示す概略構成図である。この電子機器は、液晶パネル200と、これを制御するための制御手段1200とを有している。また、図23中では、液晶パネル200を、パネル構造体200Aと、半導体素子(IC)等で構成される駆動回路200Bと、に概念的に分けて描いてある。また、制御手段1200は、表示情報出力源1210と、表示処理回路1220と、電源回路1230と、タイミングジェネレータ1240とを有することが好ましい。
また、表示情報出力源1210は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ1240によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示情報処理回路1220に供給するように構成されていることが好ましい。
そして、第3実施形態においても、液晶表示装置の内部に設けられるとともに、液晶材料と直接的または間接的に接する段差部分と、第1の電極および第2の電極、あるいはいずれか一方に設けたスリットとが、全面的または部分的に一致させてあることより、コントラストに優れ、信頼性に優れた電子機器とすることができる。
したがって、本発明の液晶表示装置を、携帯電話機やパーソナルコンピュータ等をはじめとして、液晶テレビ、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電気泳動装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた電子機器等に使用することができる。
なお、本発明によれば、主として液晶表示装置の内部に設けられた段差部分に起因して、液晶材料に配向不良が生じた場合の対策方法を提供するものであるが、平坦箇所であっても液晶材料に配向不良が生じることが判明している場合には、当該対策方法を適用することも可能である。
Claims (15)
- 対向配置される第1の電極を備えた第1の基板と、第2の電極を備えた第2の基板と、当該第1の基板および第2の基板の間に狭持された液晶材料と、を含む液晶表示装置において、
前記液晶表示装置の内部に設けられるとともに、前記液晶材料と直接的または間接的に接する段差部分と、前記第1の電極および第2の電極、あるいはいずれか一方に設けたスリットとを、全面的または部分的に一致させることを特徴とする液晶表示装置。 - 前記段差部分が、リタデーションを調整するためのマルチギャップによる段差部分であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記段差部分が、遮光層による段差部分であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記段差部分が、配向制御のための配向突起による段差部分であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記段差部分が、層間絶縁膜による段差部分であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記段差部分が、フォトスペーサによる段差部分であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記段差部分にテーパが設けてあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
- 前記段差部分の幅を、前記スリットの幅よりも狭くすることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
- 前記スリットの幅を1〜10μmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
- 前記スリットが、全体として多角形状または円状をなすことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
- 前記液晶材料が、負の誘電率異方性を有するとともに、前記液晶表示装置が、ノーマリーブラックモードの構成であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
- 前記第1の電極または第2の電極が、全体として多角形状または円状をなすとともに、その内部に、前記スリット以外に、非電極形成部を設けることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
- 前記段差部分と、前記第1の電極または第2の電極のギャップとを、全面的または部分的に一致させることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
- 対向配置される第1の基板と、第2の基板と、当該第1の基板および第2の基板の間に狭持された液晶材料と、を含む液晶表示装置において、
前記第1の基板は、走査電極を備え、
前記第2の基板は、データ電極と、画素電極と、スイッチング素子と、を備え、
前記液晶表示装置の内部に設けられるとともに、前記液晶材料と直接的または間接的に接する段差部分と、前記走査電極および画素電極、あるいはいずれか一方に設けたスリットとを、全面的または部分的に一致させることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1〜14のいずれかに記載された液晶表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
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