JP2005240002A - 二重金属シアナイド(dmc)触媒、その製造方法及び使用 - Google Patents

二重金属シアナイド(dmc)触媒、その製造方法及び使用 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリエーテルポリオールを製造するのに有用である二重金属シアナイド(DMC)触媒を提供する。
【解決手段】二重金属シアナイド(DMC)触媒は、(1)1種又はそれ以上の二重金属シアナイド;(2)1種又はそれ以上の有機リガンド;(3)水;及び(4)1種又はそれ以上のクラウンエーテルリガンド;からなる二重金属シアナイド(DMC)触媒(但し、有機リガンド(2)はクラウンエーテルリガンド(4)ではないものとする)。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な二重金属シアナイド(double metal cyanide)(DMC)触媒、その製造方法及び例えばポリエーテルポリオールの製造におけるその使用に関する。
DMC触媒はエポキシド重合において極めて周知である。これらの触媒は高い触媒活性を有しており、不飽和度の減少した、狭い分子量分布及び従って低い多分散度を有するポリエーテルポリオールの製造に特に有用である。
DMC触媒は“General Tire and Co.”の研究者によって約40年前に発見された(米国特許3,404,109号及び同3,941,849号明細書参照)。DMC技術は1983年以来、変更されており、種々の会社、例えば、Shell社(米国特許4,472,560号及び同4,477,589号明細書参照)、旭ガラス(JP 3002136号及びEP 1288244号公報参照)及びARC0社(米国特許5,158,922号、
同5,482,908号及び同5,693,584号明細書参照)により改良されている。DMC触媒は、通常、金属塩水溶液を、低い分子量を有する有機リガンド(organic ligand)、例えばエーテルの存在下、シアン化金属塩水溶液で処理することにより製造されている。これらの触媒の代表的な製造方法では、塩化亜鉛の水溶液(過剰)をヘキサシアノコバルト酸カリウム水溶液及びジメトキシエタン(ジグリム;diglyme)と混合して懸濁液を形成させる。ろ過しついでジグリム水溶液で洗浄して固体触媒を分離することにより、一般式
Zn3[Co(CN)6]2・xZnCl2・yH2O・ジグリムで示される活性DMC触媒が得られる(EP 700949号公報参照)。
EP 700949号公報、WO 97/40086号公報及びWO 98/16310号公報には二重金属シアナイド及び有機リガンドの他にポリエーテルポリオール又は官能性化重合体を使用する改善されたDMC触媒が開示されている。これらの改善されたDMC触媒は高い触媒活性を有しており、20〜25 ppm程度の低い濃度の触媒残渣を含有するポリエーテルポリオールを製造することを可能にしている(WO 98/16310号公報、表1参照)。
WO 99/19603号公報にはポリエーテルポリオールを製造するための高活性触媒として有用な結晶性二重金属シアナイドが開示されている。米国特許5,844,070号明細書にはDMC触媒の迅速活性化法が開示されている。米国特許6,204,357号明細書の特許請求の範囲には触媒活性を改善するためにシクロデキストリンを使用することが記載されている。
本発明は、新規な有機リガンド(錯生成剤)、特に、クラウンエーテルを含有する新規な種類のDMC触媒に関する。これらのDMC触媒は合成が簡単でありかつポリエーテルポリオールの合成において高い活性を示す。
驚くべきことに、追加の有機リガンドとして1種又はそれ以上のクラウンエーテルを含有するDMC触媒は、アルキレンオキシドを活性水素を有する開始剤に添加することによりポリエーテルポリオールを製造する際に高い触媒活性を示すことが発見された。
発明の要約
従って、一つの要旨によれば、本発明は、少なくとも、クラウンエーテルからなる一つのリガンドを含有するDMC触媒に関するものである。該DMC触媒をX線回折(XRD)を使用して構造的に分析し、又、その触媒活性はポリエーテルポリオールの合成において非常に有効であることを観察することによって試験した。
他の要旨によれば、本発明は、本発明によって提供されるDMC触媒の製造方法に関するものである。
更に、他の要旨によれば、本発明は、アルキレンオキシドを、本発明により提供されるDMC触媒の存在下、活性水素を含有する開始剤に添加することからなるポリエーテルポリオールの製造方法に関するものである。
発明の詳細な説明
本発明の一つの要旨によれば、
(1) 1種又はそれ以上の二重金属シアナイド;
(2) 1種又はそれ以上の有機リガンド;
(3) 水;及び
(4) 1種又はそれ以上のクラウンエーテルリガンド;
からる新規な二重金属シアナイド(DMC)触媒(但し、有機リガンド(2)はクラウンエーテルリガンド(4)ではないものとする)が提供される。
本発明のDMC触媒中に含まれる二重金属シアナイドは水溶性金属塩と水溶性シアン化金属塩との反応生成物である。
水溶性金属塩は、一般式(I):
M(A)n
(式中、Mは、Zn(II)、Ni(II)、Mn(II)、Fe(II)、Co(II)、Pb(II)、Mo(IV)、Al(III)、
V(IV)、Sr(II)及びCu(II)からなる群、好ましくは、、Zn(II)、Ni(II)、Mn(II)、Fe(II)及びCo(II)からなる群から選ばれたカチオンを表し、Aは、ハロゲン、硫酸根、炭酸根、バナジン酸根、硝酸根、水酸化物イオン及びこれらの混合物からなる群から選ばれたアニオンを表し、nは1、2又は3であり、かつ、Mの原子価状態を満足させる数である)で表される。
水溶性シアン化金属塩は、一般式(II):
Dx[Ey(CN)6]
(式中、Dはアルカリ金属及びアルカリ土金属からなる群から選ばれた金属のカチオンを表し、EはCo(II)、Co(III)、Fe(II)、Fe(III)、Mn(II)、Mn(III)、Cr(II)及びCr(III)からなる群、好ましくは、Co(II)、Fe(II)、Ni(II)、Co(III)及びFe(III)からなる群から選ばれたカチオンを表し、x及びyはシアン化金属塩を電気的に調節する値に相当する)で表される。
一般式(II)で表される水溶性シアン化金属塩の例としては、特に、ヘキサシアノコバルト酸カリウム(III)、ヘキサシアノ鉄酸カリウム(III)、ヘキサシアノコバルト酸カルシウム(III)等が挙げられる。
本発明のDMC触媒中に含有される有機リガンド(錯形成剤)(2)はこの分野で既知の任意のものであり得るが、水溶性であることが有利である。特定の態様においては、該有機リガンド(2)はエーテル、アルコール、アルデヒド、エステル及びこれらの混合物からなる群から選ばれた、好ましくは水溶性の有機化合物である。上記有機リガンドの例としては、ジエチルエーテル、1-エトキシペンタン、ブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、メチルプロピルエーテル等のごときエーテル、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のごときアルコール、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンジルアルデヒド等のごときアルデヒド、ギ酸アミル、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸メチル等のごときエステル及びこれらの化合物の混合物が挙げられる。
本発明のDMC触媒中に存在させる水(3)は、通常、DMC触媒の結晶構造中に吸蔵されており、もし、この水が完全に除去された場合には、その触媒活性が明らかに低下するであろう。
本発明のDMC触媒は、更に、1種又はそれ以上のクラウンエーテルリガンド(4)を含有している。クラウンエーテルは、典型的にはその規則的構造(regular structure)中に多数の酸素原子を含有する大きな環を有する化合物である。この化合物は正のイオン、通常、金属イオン、アンモニウムイオン又は置換アンモニウムイオンと錯体を形成し得る。クラウンエーテルはホストの機能を達成し、イオンはゲストの機能を達成する。カチオン混合物の分離において使用されることの他に、クラウンエーテルは有機合成において多数の用途を有する;即ち、例えばKCNのごとき塩は、ジシクロヘキサン 18-クラウン-6により
新しい塩中に転位される;この塩においては、そのカチオンは式:
Figure 2005240002
(式中、アニオンは同一(KCN-)である)に相当するが、そのカチオンは容積の非常に大きい(voluminous)タイプのものであり、大きな容積中に分布している、従って、集中されていない正の電荷を有する。この大きなカチオンは水に対する溶解性が小さく、有機溶剤により大きく引きつけられる。このため、多数の有機溶剤に不溶なKCNは、その大部分がクリプテート(cryptate)の形で溶解する。更に、クラウンエーテルはアミンとフェノール、場合によりアニオンのごとき中性分子錯体を製造するのにも使用される。クラウンエーテルの他の注目すべき用途としてはニトリルの精製;フラボンの合成のためのフェノールの保護;エステルの選択的分解;ジアゾニウム塩の還元;ペプチドの合成;エステルの選択的加水分解等が挙げられる。今般、クラウンエーテルは本発明のDMC触媒の触媒活性を増大させることが見出された。
実際には、任意のクラウンエーテルを本発明のDMC触媒中にリガンドとして存在させ得る;しかしながら、特定の態様においては、本発明のDMC触媒中にリガンドとして存在させ得るクラウンエーテル(4)は、ベンゾ-15-クラウン-5、ベンゾ-18-クラウン-6、4-tert-ブチルベンゾ-15-クラウン-5、4-tert-ブチルシクロヘキサン-15-クラウン-5、12-クラウン-4、18-クラウン-6、シクロヘキサン-15-クラウン-5、ジベンゾ-18-クラウン-6、ジベンゾ-21-クラウン-7、ジベンゾ-24-クラウン-8、ジベンゾ-30-クラウン-10、4,4’-(5’)-ditert-ブチルジベンゾ-18-クラウン-6、4,4’-(5’)-ditert-ブチルジベンゾ-24-クラウン-8、4,4’-(5’)-ditert-ブチルジシクロヘキサン-18-クラウン-6、2,3-ナフト-15-クラウン-5及びこれらの混合物からなる群から選ばれる。
本発明のDMC触媒の特徴は、リガンド(2)(有機リガンド)とリガンド(4)(クラウンエーテル)とが異なることにある。
特定の態様においては、本発明のDMC触媒は、水の他に、二重金属シアナイド(1)、有機リガンド(2)及びクラウンエーテルリガンド(4)から構成される。他の特定の態様においては、本発明のDMC触媒は、水の他に、2種又はそれ以上の異なる二重金属シアナイド(1)、又は、2種又はそれ以上の異なる有機リガンド(2)、又は、2種又はそれ以上の異なるクラウンエーテルリガンド(4)からなる。
本発明のDMC触媒はX線回折(XRD)により構造的に分析し得る。特定の態様においては、本発明はX線回折図(XRD profile)における最も有意な(significant)ピーク(間隔 d、Å)が約3.76;4.98及び6.06であるDMC触媒が提供される。
特定の態様においては、本発明のDMC触媒は、20〜97重量%の二重金属シアナイド(1)、
1〜35重量%の有機リガンド(2)、1〜15重量%の水(3)及び1〜30重量%のクラウンエーテルリガンド(4)を含有している。他の特定の態様においては、本発明のDMC触媒は、45〜97重量%の二重金属シアナイド(1)、1〜25重量%の有機リガンド(2)、1〜10重量%の水(3)及び1〜20重量%のクラウンエーテルリガンド(4)を含有している。
本発明の他の要旨によれば、本発明のDMC触媒を形成するための出発物質を構成する種々の化合物を、適当な量で、かつ、上記化合物が30℃以下の温度(即ち、30℃に等しいか又は30℃より低い温度)で添加されるように注意して混合することからなる、本発明のDMC触媒の製造方法が提供される。
本発明のDMC触媒はポリエーテルポリオール、例えばポリウレタン工業において有用な低不飽和度のポリエーテルポリオールの製造に使用し得る。従って、本発明の他の要旨によれば、アルキレンオキシドを、本発明のDMC触媒の存在下、活性水素を含有する開始剤に添加することからなる、ポリエーテルポリオールの製造方法が提供される。実際に、本発明のDMC触媒の存在下でポリエーテルポリオールを製造するのに、任意のアルキレンオキシド及び活性水素を含有する任意の開始剤を使用し得る。例えば、上記アルキレンオキシドはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、オクテンオキシドであることができ、活性水素を含有する開始剤は、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPG)、例えば400の分子量を有するPPG、グリセリンオキシプロピレレネート、例えば、700の分子量を有するグリセリンオキシプロピレレネートであることができる。
以下の実施例は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。実施例1〜5は本発明のDMC触媒の製造を例示するものであり、実施例6(比較例)は従来のDMC触媒の製造を例示するものである。これらの触媒の構造的特徴は実施例7に示されている。実施例8はポリエーテルポリオールの合成における上記触媒の触媒活性を例示するものである。
実施例1
3種の溶液を調製した:第1の溶液は75gの塩化亜鉛を275mlの水と50mlのtert-ブチルアルコール(TBA)に溶解させた溶液である;第2の溶液は7.5gのヘキサシアノコバルト酸カリウムを100mlの水に溶解させた溶液である;第3の溶液は2.5gのクラウンエーテル
(18-クラウン-6)を50mlの水に溶解させた溶液である。
第1の溶液を30℃に等しいか又は30℃より低い温度で30分間、加熱し、ヘキサシアノコバルト酸カリウム溶液を添加し、400rpmで攪拌した。上記の温度で、更に30分間、反応させ、最後に、第3の溶液を添加し、同じ条件下で5分間、攪拌した。この溶液をろ過し、固体を捕集した。
ついで、固体を、最初、185mlの70%TBA/H2O溶液を用いて、前記工程と同一の温度で30分間、再溶解させ、ついで、0.62gのクラウンエーテルを10mlの水に溶解させた溶液を添加し、5分間攪拌しついで再びろ過した。
ろ過後に捕集された固体を、同一の温度条件下で30分間、185mlのTBAに再度、溶解させた。最後に、溶液をろ過し、得られた固体を真空過熱炉中で、60℃、1,000Pa(10 mbar)で乾燥させた。
実施例2
2倍の量のクラウンエーテルを使用したこと以外、実施例1の方法を繰り返した。
実施例3
3倍の量のクラウンエーテルを使用したこと以外、実施例1の方法を繰り返した。
実施例4
4倍の量のクラウンエーテルを使用したこと以外、実施例1の方法を繰り返した。
実施例5
6倍の量のクラウンエーテルを使用したこと以外、実施例1の方法を繰り返した。
実施例6(比較例)
実施例6は米国特許5,627,120号明細書の実施例4に従って行った。10gの塩化亜鉛を15mlの蒸留水に溶解させた溶液を、激しく攪拌しながら(24,000rpm)、4gのヘキサシアノコバルト酸カリウムを75mlの蒸留水に溶解させた溶液に添加して懸濁液を調製した。その直後、調製された懸濁液に50gのTBAと50gの蒸留水の混合物を添加し、10分間、激しく攪拌した(24,000rpm)。生成した固体をろ過し、ついで、重量比で70/30のTBAと蒸留水の混合物125gと共に10,000rpmで10分間、攪拌しついで再度、ろ過した。生成物を、再度、125gのTBAと共に、10,000rpmで10分間、処理した。ろ過後、触媒を一定の重量になるまで、大気圧下、50℃で乾燥した。
実施例7
触媒の特性決定
7.1 X線回折(XRD)
最初のDMC触媒が合成されている以来、一部的には、これらの触媒はX線回折図を示すことが困難な非晶質相からなるという事実のため、その構造的な特性決定の困難性が常に認められている。
実施例1〜6のDMC触媒のX線回折の研究(XRD)を達成するために、40mV及び30mVでの
CuKα照射(λ=1.54Å)と、Cu照射についてのPW3123/10 モノクロメーターを用いるフィリップス X’Pert回折計を使用した。
XRDデーターは、0.04゜2θのゲージと1パッセージ当り、2.35秒の時間を使用して、
5゜〜90゜2θから採取した。
得られた回折図形(diffractogram)を、存在する結晶相を同定する目的で、そのピークの指数(indexing)に基づいて解釈した。
X線回折図形における最も強いピークを表1に示す。
Figure 2005240002
クラウンエーテルを使用して合成した本発明のDMC触媒の回折図形のピークは、大きな類似性を有する。これらの触媒は結晶相と非晶相とから構成されている。結晶相は
a=12.17、b=6.78、c=7.85、β=97.1゜、V=643Å3なる近似パラメーターを有する単一の単斜晶相として示され得る。
TBAのみを使用して(クラウンエーテルを使用しないで)合成されたDMC触媒も結晶相の混合物を有するが、クラウンエーテルを含有するDMC触媒の単斜晶構造と一致しない;回折図形におけるその最も有意な(significant)ピークは表1に示されている。
文献には、そのXRD図形が5.75、4.82及び3.76(d-間隔、Å)を示し、5.07、3.59、2.54及び2.28(d-間隔、Å)におけるヘキサシアノコバルト酸亜鉛の高度に結晶性の相に相当する徴候を示さない触媒が開示されている。
有機リガンドとしてTBAとクラウンエーテルを使用して合成したDMC触媒は特許文献に記載されているXRD図形を有しておらず、このことは構造が異なることを示しておりかつこのことはその大きな活性を説明するものである。
7.2 熱重量分析(TGA)
実施例1〜5のDMC触媒についての熱重量分析(TGA)を、パーキン−エルマー TGA-HT装置を使用して、30ml/分の流率の窒素雰囲気中で、10℃/分の速度で25〜1000℃まで温度を上昇させて行った。分析はリガンドの領域に集中させ、約350℃での質量損失はクラウンエーテルによるものである。サーモグラムにおけるクラウンエーテルの質量損失は表2に示されている。
Figure 2005240002
表2においては、DMC触媒構造中に組み込まれるリガンドは20%の上限値を有することが認められる。
実施例8
ポリエーテルポリオール合成における触媒活性
実施例1〜6で調製した触媒を、2,000の分子量を有するポリエーテルポリオールを合成するためのプロピレンオキシド(PO)の重合反応で試験した;試験は下記の方法に従って行った。
400の分子量を有するプレポリマー200gを、容積2リットルのビュッチ(Buchi)半バッチ式反応器に導入し、不活性雰囲気中で攪拌し、120℃まで加熱した。真空にして、プレポリマーの水分を90分間除去した。ついで、30ppmのDMC触媒を添加し、30分間、攪拌した。次に、60gのPOを添加して触媒を活性化した。圧力が当所の値まで急激に低下した後
(このことは触媒が既に活性化されたことを示す)、所望の分子量に到達するまで、POを連続的に供給した。POの供給は、圧力が約1.47.105 Pa(1.5kg/cm2)を越えないようにして、120℃で行った。全てのPOが活性化された後、1時間、更に反応させた。最後に、残留単量体を真空下で除去した。
種々のDMC触媒の品質に対する影響を調べるために、得られたポリエーテルポリオールを分析した。表3から判るごとく、製造されたポリエーテルポリオールの特性は均質であり、比較実施例6のものと極めて類似しており、このことは、本発明によって提供されるDMC触媒は、従来の方法で製造された製品と同様の特性を有する製品を得ることを可能にしていることを示している。
Figure 2005240002
表中、
IOHは、mg KOH/gで表されるヒドロキシル指数(hydroxyl index)である;
M.wtは、下記の式により決定される分子量である:
M.wt=56100xf/I OH 、fは実施例1〜6で述べた、400の分子量を有するプレポリマ ーの官能価である;f=
GPCは、分子排除クロマトグラフィーによって決定されるMn(数平均分子量)である;
Mwは、重量平均分子量である;
Disp(分散)は、Mw/Mn比に対応する均質性指数(homogeneity index)である。
ポリエーテルポリオールの合成で使用されるDMC触媒の製造においてクラウンエーテルを使用することにより触媒活性が増大することは図1から明らかである;図1においては、実施例3の触媒について、時間と共に消費されるPOの値が、実施例6に対応する参照試験と比較されている。
時間(分)の経過と、消費されたプロピレンオキシドの量(g)との関係が、実施例3の触媒と、参照触媒(実施例6、比較例)とについて比較して示されている。

Claims (7)

  1. (1) 1種又はそれ以上の二重金属シアナイド;
    (2) 1種又はそれ以上の有機リガンド;
    (3) 水;及び
    (4) 1種又はそれ以上のクラウンエーテルリガンド;
    からる二重金属シアナイド(DMC)触媒(但し、有機リガンド(2)はクラウンエーテルリガンド(4)ではないものとする)。
  2. 前記クラウンエーテルリガンドは、DMC触媒の全重量に対して1〜30重量の量でDMC触媒中に存在している、請求項1に記載の触媒。
  3. 前記クラウンエーテルリガンドは、ベンゾ-15-クラウン-5、ベンゾ-18-クラウン-6、
    4-tert-ブチルベンゾ-15-クラウン-5、4-tert-ブチルシクロヘキサン-15-クラウン-5、
    12-クラウン-4、18-クラウン-6、シクロヘキサン-15-クラウン-5、ジベンゾ-18-クラウン-6、ジベンゾ-21-クラウン-7、ジベンゾ-24-クラウン-8、ジベンゾ-30-クラウン-10、
    4,4’-(5’)-ditert-ブチルジベンゾ-18-クラウン-6、4,4’-(5’)-ditert-ブチルジベンゾ-24-クラウン-8、4,4’-(5’)-ditert-ブチルジシクロヘキサン-18-クラウン-6、2,3-ナフト-15-クラウン-5及びこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1に記載の触媒。
  4. X線回折図における最も有意なピークは、約3.76;4.98及び6.06(d-間隔、Å)である、請求項1に記載の触媒。
  5. DMC触媒を形成させるための出発物質を構成する化合物を混合することからなりるDMC触媒の製造方法であって、上記化合物を30℃以下の温度で添加することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のDMC触媒の製造方法。
  6. アルキレンオキシドを、請求項1〜4のいずれかに記載のDMC触媒の存在下、活性水素を含有する開始剤に添加することからなる、ポリエーテルポリオールの製造方法。
  7. ポリエーテルポリオールの製造における、請求項1〜4のいずれかに記載のDMC触媒の使用。

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