JP2005239930A - コーティング用樹脂組成物 - Google Patents

コーティング用樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2005239930A
JP2005239930A JP2004053080A JP2004053080A JP2005239930A JP 2005239930 A JP2005239930 A JP 2005239930A JP 2004053080 A JP2004053080 A JP 2004053080A JP 2004053080 A JP2004053080 A JP 2004053080A JP 2005239930 A JP2005239930 A JP 2005239930A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reactive compound
coating
resin composition
fluorine
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004053080A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Takano
聖史 高野
Hideya Suzuki
秀也 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP2004053080A priority Critical patent/JP2005239930A/ja
Publication of JP2005239930A publication Critical patent/JP2005239930A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】 フッ素系界面活性剤が添加されるコーティング用樹脂組成物中において、該活性剤が見かけ上溶解するだけでなく、該組成物中のバインダー樹脂に対する溶解性を向上させることができるコーティング用樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 フッ素化アルキル基含有反応性化合物(a)と前記(a)以外の反応性化合物(b)から選ばれる1種の反応性化合物(b1)とを含有する原料化合物類(i)を反応させて得られるフッ素系反応物(I)からなるフッ素系界面活性剤(A)と、前記反応性化合物(b1)を含有する原料化合物類(ii)を反応させて得られる反応物(II)からなるバインダー樹脂(B)とを含有し、前記(i)中の(a)と(b1)との重量比(a)/(b1)が50/50〜5/95であり、且つ前記(ii)中の(b1)の重量割合が30重量%以上であるコーティング用樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、印刷材料、感光性材料、写真材料、塗料、接着剤、光学材料等の各種コーティング材料に好適に用いることができるコーティング用樹脂組成物に関する。
フッ素系界面活性剤は、その表面張力低下能力の高さに基づき、コーティング材料に添加した場合には、炭化水素系やシリコン系の界面活性剤と比較して優れた浸透・濡れ性、レベリング性等を実現する。その中でも重合型のフッ素系界面活性剤は、その設計の多様性、各種コーティング材料への適合性が高いことから広く用いられている。一方、フッ素系界面活性剤中の含フッ素部位は他の化合物との相溶性が極めて低く、添加されるバインダー樹脂に対して通常は相溶しない。従って、重合型のフッ素系界面活性剤中には相溶性基を導入する必要がある。該相溶性基の選択は、従来バインダー樹脂というよりも寧ろ、コーティング用樹脂組成物中の溶媒に対する溶解性向上を目的として行われる場合が多かった。しかし、コーティング用樹脂組成物において、溶媒に溶解しバインダー樹脂への相溶性が低いフッ素系界面活性剤を用いた場合は、見かけ上該組成物は均一になっているが、溶媒を揮発させた後のバインダー樹脂とは均一に混合しておらず、その結果、目的とする浸透・濡れ性、レベリング性等を塗膜等の表面において均一に発現させることが困難であり、改良が求められている。
バインダー樹脂とフッ素系界面活性剤との両者を同時に視野に入れて設計を行う例としては、例えば、ポリオキシエチレン鎖を有するポリウレタン樹脂に対して、ポリオキシアルキレン鎖を側鎖に有する重合型フッ素系界面活性剤を用いる感光性組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、バインダー樹脂であるポリウレタン樹脂中における該ポリオキシエチレン鎖の導入量は低く、また、フッ素系界面活性剤中のポリオキシアルキレン鎖はポリオキシエチレン鎖に限定されておらず、両者の相溶性向上を目的とした設計ではない。更に、前記特許文献1中の実施例で用いられているフッ素系界面活性剤中のポリオキシエチレン鎖の導入量も低いことから、樹脂への溶解性を反映できるものでもない。
特開平5−281719号公報(第2−3頁、第11−14頁)
上記のような実情に鑑み、本発明の課題は、重合型のフッ素系界面活性剤が添加されるコーティング用樹脂組成物中において該界面活性剤が見かけ上溶解するだけでなく、該組成物中の固形分であるバインダー樹脂に対する溶解性を向上させ、該組成物を印刷材料、感光性材料、写真材料、塗料、接着剤、光学材料等の各種コーティング材料として用いた場合に、得られる塗膜等の表面に均一に目的とする浸透・濡れ性、レベリング性等を発現させることができるコーティング用樹脂組成物を提供することである。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、コーティング用樹脂組成物においてバインダー樹脂を構成する原料化合物と同じ原料化合物が主構成成分となった重合型のフッ素系界面活性剤を使用することにより、表面に均一な優れた浸透・濡れ性、レベリング性を発揮させられることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、フッ素化アルキル基含有反応性化合物(a)と前記(a)以外の反応性化合物(b)から選ばれる1種の反応性化合物(b1)とを含有する原料化合物類(i)を反応させて得られるフッ素系反応物(I)からなるフッ素系界面活性剤(A)と、前記反応性化合物(b1)を含有する原料化合物類(ii)を反応させて得られる反応物(II)からなるバインダー樹脂(B)とを含有するコーティング用樹脂組成物であって、前記原料化合物類(i)中のフッ素化アルキル基含有反応性化合物(a)と反応性化合物(b1)との重量比(a)/(b1)が50/50〜5/95であり、且つ前記原料化合物類(ii)中の前記反応性化合物(b1)の重量割合が30重量%以上であることを特徴とするコーティング用樹脂組成物を提供するものである。
本発明によれば、バインダー樹脂を構成する原料化合物と同じ原料化合物由来構造が主構成成分となった重合型のフッ素系界面活性剤を使用することにより、該界面活性剤が添加されるコーティング用樹脂組成物中において該界面活性剤が見かけ上溶解するだけでなく、該組成物中の固形分であるバインダー樹脂に対する溶解性が向上し、該組成物を印刷材料、感光性材料、写真材料、塗料、接着剤、光学材料等の各種コーティング材料として用いた場合に、得られる塗膜等の表面に均一に目的とする浸透・濡れ性、レベリング性等を発現させることができるコーティング用樹脂組成物を提供することができる。
以下に本発明について詳細に説明する。
まず、フッ素系界面活性剤(A)について述べる。本発明で用いるフッ素系界面活性剤は、フッ素化アルキル基含有反応性化合物(a)と(a)以外のその他の反応性化合物(b)から選ばれる1種の反応性化合物(b1)とを必須とする原料化合物類(i)を反応させて得られるフッ素系反応物(I)からなるものである。該フッ素化アルキル基含有反応性化合物(a)は、コーティング用樹脂組成物において、浸透・濡れ性、レベリング性等の界面活性効果を実現するための必須成分である。
前記フッ素化アルキル基含有反応性化合物(a)としては、フッ素化アルキル基を有し、他の化合物と反応することが出来る官能基を含有する化合物であれば特に制限はない。前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基、または−(CFH等の部分フッ素化アルキル基であって、直鎖状、分岐状、または主鎖中に酸素原子が介入したもの、例えば−OCFCFOCF(CF)CFCFCF、−(OCFCF−等でも良い。フッ素化アルキル基の炭素数としては、得られるフッ素系界面活性剤の浸透・濡れ性、レベリング性等の界面活性効果に優れる点からは4〜14であることが好ましく、バインダー樹脂との相溶性に優れる点からは1〜8であることが好ましい。従って、これら両者を満足させるためには、該炭素数が4〜8であることが好ましく、特に6〜8であることが好ましい。また、前記官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、スルホニルアミド基、イソシアネート、スルホニルイソシアネート、ビニル基、リン酸基、スルホン酸基等が挙げられる。
前記フッ素化アルキル基含有反応性化合物(a)としては以下の如き化合物が例示される。
a−1 :CH=CHCOOCHCH17
a−2 :CH=C(CH)COOCHCH17
a−3 :CH=CHCOOCHCH1225
a−4 :CH=CHCOOCHCH13
a−5 :CH=CHCOOCHCH
a−6 :CH=CFCOOCHCH13
a−7 :CH=CHCOOCHCF
a−8 :CH=C(CH)COOCHCF(CF
a−9 :CH=C(CH)COOCHCFHCF
a−10 :CH=CHCOOCH(CF
a−11 :CH=CHOCHCH17
a−12 :CH=CHCOOCHCH(OH)CH17
a−13 :CH=CHCOOCHCHN(C)SO17
a−14 :CH=CHCOOCHCHN(C)COC15
a−15 :HOCHCH(CFCHCHOH
a−16 :HOCH(CFCHOH
a−17 :HOOC(CFCOOH
a−18 :C17SON(CHCHOH)
a−19 :C13CHCHSCHCHN(CHCHSH)
a−20 :C17CHCHN(CHCHOH)
a−21 :C13CHCHOCHCH(OH)CHNH
尚、本発明が上記具体例によって、何等限定されるものでないことは勿論である。
これらのフッ素化アルキル基含有反応性化合物(a)としては、1種類のみを用いても2種類以上の化合物を同時に用いても構わないが、該反応性化合物(a)は(a)以外の反応性化合物(b)から選ばれる1種の反応性化合物(b1)との反応によりフッ素系反応物(I)を形成するため、基本的なフッ素化アルキル基含有反応性化合物(a)の選択は、反応性化合物(b1)の種類、即ち後述するバインダー樹脂(B)の原料化合物類(ii)に依存する。即ち、本発明においては、使用するバインダー樹脂(B)の種類及びその構造により、反応性化合物(b1)が選択され、これに伴って、フッ素化アルキル基含有反応性化合物(a)が選択されることになる。これらの中でも、得られるコーティング用樹脂組成物におけるフッ素系界面活性剤(A)と後述するバインダー樹脂(B)との相溶性を容易に発現させることができ、且つフッ素系界面活性剤の有する界面活性効果が優れたものになる点、及び反応の容易性、原料入手の容易性の点から、フッ素化アルキル基含有反応性化合物(a)としてはフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートであることが好ましい。
次に、(a)以外の反応性化合物(b)について述べる。反応性化合物(b)は、フッ素化アルキル基を有しない反応性化合物であり、これから選ばれる1種の反応性化合物(b1)は、フッ素系反応物(I)の原料化合物類(i)の必須成分であると共に、後述するバインダー樹脂(B)の原料化合物類(ii)の必須成分でもある。反応性化合物(b1)としては、原料化合物類(i)及び(ii)に使用されること以外に制限はなく、目的に応じて種々の化合物を自由に使用することが可能である。
前記反応性化合物(b)の具体例として、先ず、ビニル基や(メタ)アクリロイル基のようなα,β−エチレン性不飽和基を持つ化合物が挙げられる。例えば、エチレン、プロピレン、スチレン、ブタジエン、核置換スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸、酢酸ビニル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシルブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、またα,β−エチレン性不飽和カルボン酸、即ちアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の一価ないし二価のカルボン酸、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸誘導体としてアルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以後この表現はアクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルの両方を総称するものとする。)、即ち(メタ)アクリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、2−エチルヘキシル、デシル、ドデシル、ステアリルエステル等、また(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18のヒドロキシアルキルエステル、即ち2−ヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシプロピルエステル、ヒドロキシブチルエステル等、更にはモノ(アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェ−ト、モノ(メタクリロキシエチル)アシッドホスフェ−ト、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18のアミノアルキルエステル即ちジメチルアミノエチルエステル、ジエチルアミノエチルエステル、ジエチルアミノプロピルエステル等、また(メタ)アクリル酸の、炭素数が3〜18のエーテル酸素含有アルキルエステル、例えばメトキシエチルエステル、エトキシエチルエステル、メトキシプロピルエステル、メチルカルビルエステル、エチルカルビルエステル、ブチルカルビルエステル等、更に環状構造含有モノマーとしては、例えばジシクロペンタニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等、またアルキル炭素数が1〜18のアルキルビニルエーテル、例えばメチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル等、(メタ)アクリル酸のグリシジルエステル、即ちグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート等、また、東亜合成株式会社製AA−6、AN−6等の各種マクロモノマー、共栄社化学株式会社製HOA−MS、HOA−MPL、HOA−MPE、HOA−HH、東亜合成株式会社製アロニックス M−5300、M−5400、M−5500、M−5600、M−5700等の市販品が挙げられる。
更に、重合度1〜100の、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体等のポリアルキレングリコ−ルのモノ(メタ)アクリル酸エステル、若しくは末端が炭素数1〜6のアルキル基によってキャップされた重合度1〜100の、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体等のポリアルキレングリコ−ルのモノ(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。また、市販品としては、新中村化学工業株式会社製NKエステルM−20G、M−40G、M−90G、M−230G、AM−90G、AMP−10G、AMP−20G、AMP−60G、日本油脂株式会社製ブレンマーPE−90、PE−200、PE−350、PME−100、PME−200、PME−400、PME−4000、PP−1000、PP−500、PP−800、70PEP−350B、55PET−800、50POEP−800B、NKH−5050、AP−400、AE−350等が挙げられる。
また、1分子中に2つ以上の反応性基を有する化合物が挙げられる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラエチレングリコール等の水酸基を有する化合物、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸等のカルボキシル基を有する化合物、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等とこれら化合物の2量体、3量体等のイソシアネート基を有する化合物、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、スピログリコールジグリシジルエーテル等のグリシジル基を有する化合物、ヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、フェニレンジアミン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−メチレンビス(フェニルアミン)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、シクロペンタジアミン、シクロヘキシルジアミン、ナフチレンジアミン等のアミノ基を有する化合物等が挙げられる。尚、本発明が上記具体例によって、何等限定されるものでないことは勿論である。
反応性化合物(b)としては1種類のみを用いても異なる2種類以上の化合物を用いても構わない。これらの中でも、得られるコーティング用樹脂組成物の塗膜性能(例えば、基材との密着性、防食性、耐熱性、耐摩耗性、寸法安定性等)に優れる点から、芳香族系化合物であることが好ましく、更に、得られるコーティング用樹脂組成物におけるフッ素系界面活性剤(A)と後述するバインダー樹脂(B)との相溶性を容易に発現させることができ、且つフッ素系界面活性剤の有する界面活性効果が優れたものになる点、及び反応の容易性、原料入手の容易性の点から、前記反応性化合物(b)としては(メタ)アクリロイル基含有芳香族系化合物であることが好ましい。
前述の原料化合物類(i)を反応させるその方法としては特に制限はなく、用いるフッ素化アルキル基含有反応物(a)及び前記化合物(b1)の反応方法に応じて、種々の製造設備、触媒、重合開始剤、分散剤、乳化剤、開始エネルギー、反応温度、反応濃度、溶媒等により製造できる。これら反応条件の違いにより、一般に、得られるフッ素系反応物(I)の分子量、分子量分布、シークエンス等が変化するが、これらは本発明において限定されるものではなく、種々の物を使用することが出来る。また、得られるフッ素系反応物は、各種カラム処理、溶媒による洗浄、再沈殿操作等の種々の方法により分離・精製操作を行うことも可能である。また、上記によって得られるフッ素系反応物(I)としては、1種類のみでフッ素系界面活性剤(A)としてもよく、2種類以上を同時に用いても構わない。
本発明のコーティング用樹脂組成物は、フッ素系反応物(I)をフッ素系界面活性剤(A)として用いることにより、後述するバインダー樹脂(B)との相溶性が向上し、塗布されるべき固形分の濡れ性、レベリング性等がその表面において均一に優れたものになるために、該フッ素系反応物(I)中には前記反応性化合物(b1)を所定量含有させることが必要である。
即ち、原料化合物類(i)中のフッ素化アルキル基含有化合物(a)と反応性化合物(b1)との重量比(a)/(b1)が50/50〜5/95であることが必要であり、40/60〜20/80であることが好ましい。該重量比が50/50よりも大きい場合は、得られるフッ素系界面活性剤(A)とバインダー樹脂(B)との相溶性が不足し、5/95よりも小さい場合は、フッ素系界面活性剤中のフッ素化アルキル基含有量が少なくなることから、得られるコーティング用樹脂組成物の表面における均一で優れた浸透・濡れ性、レベリング性等の界面活性効果が発現されず、好ましくない。
更に、原料化合物(i)として前述のフッ素化アルキル基含有反応性化合物(a)及び反応性化合物(b1)以外のその他の化合物を併用する場合においては、得られるフッ素系界面活性剤の界面活性効果に優れる点から、該原料化合物(i)100重量部あたり前記反応性化合物(a)が5〜40重量部含有されていることが好ましく、特に10〜30重量部含有されていることが好ましい。
また、フッ素系反応物(I)のGPCを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量としては目的とするコーティング用樹脂組成物を構成する後述のバインダー樹脂(B)、溶媒、組成物の固形分濃度、塗工方法等により異なるが、該バインダー樹脂(B)との相溶性が良好である点から、15,000〜200,000が好ましく、40,000〜100,000が特に好ましい。得られるフッ素系界面活性剤(A)とバインダー樹脂(B)との相溶性は、濡れ性やレベリング性等と密接に相関しており、ひいては、フッ素系界面活性剤(A)中のフッ素化アルキル基含有量とも関連するものである。この関係は、得られるコーティング用樹脂組成物、目的とする濡れ性、レベリング性等のレベル、塗工方法等により異なるので一概には云えないが、上記好ましい重量平均分子量として、原料化合物類(i)中のフッ素化アルキル基含有反応性化合物(a)の割合が25〜40重量%と多い場合には該分子量が低い(例えば、15,000〜50,000)方が好ましく、逆に5〜10重量%と少ない場合には該分子量が高い(例えば、70,000〜200,000)方が好ましい。
さらに、該樹脂組成物、塗布される基材、塗布方法等によっては、濡れ性、レベリング性等を更に向上させたり、他の機能、例えば、基材表面との界面張力を下げたりする等のために、フッ素系界面活性剤(A)以外の種々の界面活性剤を併用することも可能である。このような界面活性剤としては、その他のフッ素系、シリコン系、炭化水素系のアニオン性、カチオン性、両性、ノニオン性界面活性剤を自由に選択できる。
次に、バインダー樹脂(B)について述べる。
バインダー樹脂(B)は本発明のコーティング用樹脂組成物において塗膜等を形成する主固形成分であり、前記フッ素系界面活性剤(A)を併用しなければ目的とする濡れ性、レベリング性が得られないものである。
バインダー樹脂(B)として用いる反応物(II)を得るための原料化合物類(ii)中には、前述の反応性化合物(b1)を30重量%以上含有することを必須とする。これは、前記フッ素系反応物(I)からなるフッ素系界面活性剤(A)との相溶性を向上させるために必要な条件であり、該重量割合が30重量%未満では、両者間に十分な相溶性が得られず、結果として、目的とする濡れ性、レベリング性等を発現できるコーティング用樹脂組成物を得ることが出来ない。更に、両者間の相溶性と、得られるバインダー樹脂の浸透・濡れ性、レベリング性に優れる点から、原料化合物(ii)中で最多の含有量であることが好ましい。尚、バインダー樹脂として2種類以上併用されている樹脂組成物では、その含有量が最多のバインダー樹脂に対して、所定の設計を施されたフッ素系化合物(I)からなるフッ素系界面活性剤(A)を使用することが好ましい。
前記バインダー樹脂(B)の種類としては、特に制限はなく、種々の樹脂を使用することが可能である。バインダー樹脂(B)の例としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等のビニル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリパラフェニレンスルフィド等のエンジニアリングプラスチックス、ABS樹脂等の熱可塑性および熱硬化性樹脂、SBR、NBR、EPM、EPDM、ニトリルゴム、ウレタンゴム、ノルボルネンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム等のゴム類およびこれらの部分変性物等が挙げられる。尚、本発明が上記具体例によって、何等限定されるものでないことは勿論である。これらの樹脂は、1種類のみを用いても2種類以上を同時に用いても構わない。尚、本発明においては、熱あるいはエネルギー線等により硬化する硬化性組成物中に存在し、塗布・硬化後には反応によって硬化物の一構成成分となるが、硬化前の組成物状態では反応性の化合物で存在するものもバインダー樹脂(B)の扱いに含めるものとする。
これらの中でも、バインダー樹脂(B)とフッ素系界面活性剤(A)との相溶性に優れ濡れ性、レベリング性を効率的に発現させることができ、また、原料の入手性、濡れ性、レベリング性発現のための共重合組成、分子量制御等の設計の容易性等の観点から、バインダー樹脂(B)としてはアクリル樹脂を用いることが好ましい。即ち、フッ素化アルキル基含有反応性化合物(a)がフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートであり、(a)以外の反応性化合物(b)が(メタ)アクリロイル基含有芳香族系化合物であり、且つバインダー樹脂(B)がアクリル樹脂であるコーティング用樹脂組成物が特に好ましい。
また、バインダー樹脂(B)の分子量にも制限はないが、通常、数平均分子量3,000〜300,000,好ましくは5,000〜100,000のものが使用される。バインダー樹脂(B)である反応物(II)の合成方法としては、原料として、前記反応性化合物(b1)を用いる以外は、なんら制限されるものではなく、種々の製造設備、触媒、重合開始剤、分散剤、乳化剤、開始エネルギー、反応温度、反応濃度、溶媒等により製造できる。これら反応条件の違いにより、一般に、得られる反応物(II)の分子量、分子量分布、シークエンス等が変化するが、これらは本発明を限定するものではない。また、得られる反応物(II)は、各種カラム処理、溶媒による洗浄、再沈殿操作等の種々の方法により分離・精製操作を行うことも可能である。また、上記によって得られる反応物(II)としては、1種類のみでバインダー樹脂(B)としてもよく、2種類以上を同時に用いても構わない。
本発明のコーティング用樹脂組成物中におけるフッ素系界面活性剤(A)とバインダー樹脂(B)との配合割合としては、特に制限されるものではないが、得られるコーティング用樹脂組成物を用いた硬化物の浸透・濡れ性、レベリング性に優れる点からバインダー樹脂(B)に対して、通常0.005〜5重量%であり、0.01〜2重量%が好ましく、0.05〜1重量%が特に好ましい。
本発明のコーティング用樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、フッ素系界面活性剤(A)およびバインダー樹脂(B)以外にも、目的に応じて溶媒、添加剤、充填剤等の各種材料を併用することが可能である。
前記溶媒は、本発明で用いるフッ素系界面活性剤(A)とバインダー樹脂(B)とが相溶性に優れるものであるため、必ずしも必要とするものではないが、作業性等を考慮すると使用することが好ましい。前記溶媒としては、該組成物を構成する他の成分全てを溶解または分散させるものを選択しても良いし、該組成物中の特定の化合物のみを溶解または分散させるものを選択しても良い。このような溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル類、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−オキシプロピオン酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル等のモノカルボン酸エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の極性溶媒、 メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、エチルセロソルブアセテート等のエーテル類、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール類及びそのエステル類、1,1,1−トリクロルエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物類、更にパーフルオロオクタン、パーフルオロトリ−n−ブチルアミン等のフッ素化イナートリキッド類等が挙げられる。これらの溶媒は、単独系であっても2種類以上の混合溶媒系であっても構わない。尚、ここでいう溶媒とは、系中で分散媒として働いているものも溶媒と称する。溶媒を用いる場合、該組成物中における溶媒量は、通常60〜99重量%であり、75〜99重量%の場合に顕著な塗布性の向上が認められる。即ち、本発明のコーティング用樹脂組成物は、溶媒濃度が高い状態で塗布される薄膜コーティングに適用した場合、より顕著に塗布性の向上が認められる。
前記添加剤および充填剤としては、例えばシラン系、チタン系、ジルコ−アルミネート系等のカップリング剤、更にフッ素原子含有アルコキシシラン化合物、フッ素原子含有チタンアシレート化合物、フッ素原子含有アルコキシジルコニウム化合物等のフッ素系カップリング剤、有機・無機顔料、染料、カーボン等の着色剤、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、ガラスフィラー、ガラス繊維等の無機粉末、高級脂肪酸、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリエチレン、アクリルビーズ等の有機微粉末、更には帯電防止剤、感光剤、増感剤、耐光性向上剤、耐候性向上剤、耐熱性向上剤、導電剤、酸化防止剤、防錆剤、レオロジーコントロール剤、増粘剤、沈降防止剤、消泡剤、防臭剤等が挙げられる。添加剤および充填剤は、1種類のみを用いても2種類以上を同時に用いても構わない。
本発明のコーティング用樹脂組成物の塗工方法にも制限はなく、種々の方法を適用することが可能である。塗工方法として例えば、グラビアコーター、ナイフコーター、ロールコーター、コンマコーター、カーテンコーター、スピンコーター、スリットコーター、スリットアンドスピンコーター、バーコーター、刷毛塗り、ディッピング塗布、スプレー塗布、静電塗装、スクリーン印刷、インクジェット法等が挙げられる。
さらに、本発明のコーティング用樹脂組成物を塗工する基材にも制限はない。例えば、各種ガラス、石英、鉄、銅、フェライト、コバルト、ニッケル、アルミニウム等の金属およびそれらの酸化物さらには合金、セラミックス、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメタアクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル等に代表される熱可塑性樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6ナフタレート等のポリエステル類、ポリパラフェニレンサルファイト、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等のエンジニアリングプラスチックス、各種ゴム類、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、天然ゴム、SBR、NBR、EPM、EPDM等の合成ゴム、各種エラストマー等が挙げられる。これら基材は、シート、フィルム、ロール、チューブ、各種成型体等如何なる形態であっても構わない。さらに、シリカ、ガラスフィラー、アクリルビーズ等の各種充填材を導入した基材を自由に用いることができる。これら基材には、塗布性、接着性等を向上させる目的で、種々の樹脂やシランカップリング剤を用いたプライマー処理、プラズマ、UV・オゾン処理等の表面処理を必要に応じて行っても構わない。
また、本発明のコーティング用樹脂組成物の用途にも制限はない。優れた濡れ・浸透性とレベリング性等を利用し、例えば、PS版、LCD、LSI、有機EL、プラズマディスプレイ製造用各種フォトレジスト等の感光性材料、各種印刷インキ、LSI、LCD製造用反射防止膜剤、写真材料、自動車、航空機、船舶、内装・外装建設材料、家電用等の塗料、OA機器内の部品であるロール、ベルト等の表面処理剤、自動車、家電部品用表面処理剤、工業用および家庭用接着剤、レンズシート、反射防止膜等の光学材料、各種ディスプレイ用ハードコート剤、衣料、家具、靴、雑貨等の繊維、人工皮革、合成皮革、不織布等の表面処理剤、紙、フィルム、カード等の各種コーティング剤等として有用である。
次に本発明をより詳細に説明するために合成例、実施例及び比較例を掲げる。文中の「部」及び「%」は、特に断わりのない限り重量基準である。
合成例1 フッ素系界面活性剤(A−1)の合成
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、フッ素化アルキル基含有反応性化合物(a−1)25部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、2−HEMAと略す。)10部、ベンジルメタクリレート65部、メチルイソブチルケトン(以下、MIBKと略す。)233部を仕込み、窒素ガス気流中、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNと略す。)1.0部を添加した後、75℃にて8時間反応させ、更にAIBN 0.5部加えて95℃まで昇温後さらに6時間ホールドして反応させた。この後80℃のエバポレーターにて脱溶剤、次いで熱風乾燥機にて乾燥させることにより固形分濃度98%以上のフッ素系反応物(I−1)を得た。
この反応物(I−1)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略す。)によるポリスチレン換算重量平均分子量はMw=56,000であった。このフッ素系反応物をフッ素系界面活性剤(A−1)とする。
合成例2 フッ素系界面活性剤(A−2)の合成
AIBN 1.0部を添加後、95℃で8時間ホールドした以外は全て合成例1と同様に操作し、フッ素系反応物(I−2)を得た。この反応物(I−2)の分子量は、Mw=13,000であった。このフッ素系反応物をフッ素系界面活性剤(A−2)とする。
合成例3 フッ素系界面活性剤(A−3)の合成
フッ素化アルキル基含有反応性化合物(a−1)25部、2−HEMA 10部、ベンジルメタクリレート40部、メチルメタクリレート25部とした以外は合成例1と同様に操作し、フッ素系反応物(I−3)を得た。この反応物(I−3)の分子量は、Mw=51,000であった。このフッ素系反応物をフッ素系界面活性剤(A−3)とする。
合成例4 比較用界面活性剤(A’−1)の合成
2−HEMA 10部、ベンジルメタクリレート65部、メチルメタクリレート25部とした以外は合成例1と同様に操作し、反応物を得た。この反応物の分子量は、Mw=50,000であった。この反応物を界面活性剤(A’−1)とする。
合成例5 比較用界面活性剤(A’−2)の合成
フッ素化アルキル基含有反応性化合物(a−1)25部、2−HEMA 10部、ベンジルメタクリレート35部、末端がメチル基でキャップされた平均重合度9のポリエチレングリコールのモノメタクリル酸エステル30部とした以外は合成例1と同様に操作し、反応物を得た。この反応物の分子量は、Mw=56,000であった。この反応物を界面活性剤(A’−2)とする。
合成例6 バインダー樹脂(B−1)の合成
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、メタクリル酸15部、ベンジルメタクリレート75部、エチルアクリレート7部、メチルメタクリレート3部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、PGMEと略す。)233部を仕込み、窒素ガス気流中、重合開始剤としてAIBN 1.0部を添加した後、85℃にて8時間反応させ、更にAIBN 0.5部加えて95℃まで昇温後さらに6時間ホールドし反応物(II−1)を得た。反応終了後PGMEを334部加えることにより、固形分濃度15重量%のPGME溶液とした。この反応物(II−1)の分子量は、Mw=28,000であった。この反応物(II−1)をバインダー樹脂(B−1)とする。
合成例7 フッ素系界面活性剤(A−4)の合成
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコに、フッ素化アルキル基含有反応性化合物(a−20)(当量重量;276)21.2部、ポリオキシテトラメチレングリコール(当量重量;1,000)19.2部、1,4−ブチレングリコール(当量重量;45)13.0部ならびにジメチルホルムアミド(以下、DMFと略す。)233.3部を仕込み均一に溶解させる。次いで、4,4’−フェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略す。)(当量重量;125)46.6部を加えて発熱を利用して、80℃まで昇温する。その後、80℃にて6時間反応させ、その後ジブチル錫ジラウレートを0.02g投入し90℃にてさらに5時間反応させフッ素系反応物(I−4)を得た。得られた反応物の分子量はMw=88,000であった。このフッ素系反応物(I−4)をフッ素系界面活性剤(A−4)とする。
合成例8 バインダー樹脂(B−2)の合成
仕込み組成を、ポリオキシテトラメチレングリコール(当量重量;1,000)26.8部、1,4−ブチレングリコール(当量重量;45)18.9部、MDI(当量重量;45)54.3部とした以外は、合成例7と同様に行い、分子量Mw=95,000の反応物(II−2)を得た。これをバインダー樹脂(B−2)とする。得られた反応物は、DMFで希釈し固形分濃度7%の溶液とした。
実施例1
合成例6にて得られたバインダー樹脂(B−1)を含有する固形分濃度15%のPGME溶液中に、合成例1にて得られたフッ素系界面活性剤(A−1)をバインダー樹脂(B−1)に対して0.02部添加し、攪拌溶解させ、コーティング用樹脂組成物を得た。
実施例2〜8、及び比較例1〜3
実施例1と同様に、合成例にて得られたバインダー樹脂に対して、フッ素系界面活性剤を所定量添加し、均一に混合することによってコーティング用樹脂組成を得た。各実施例及び比較例に使用したバインダー樹脂、フッ素系界面活性剤および添加量は表1に纏めて示した。
Figure 2005239930
試験例1
実施例1で得た溶液1mlを、予めUV−オゾン処理を行い清浄な状態にした100mm×100mmのガラス基板上に滴下し、2秒間で500rpmとし10秒間保持し、その後1500rpmで10秒間保持することによりスピンコーティングを行い、120℃のホットプレート上で90秒間乾燥させた。塗布後、皮膜の外観を蛍光灯およびナトリウムランプにて観察し、目視にて下記基準に基づき5段階で評価を行い、3点の判定であった。
評価基準
5:ナトリウムランプ下で筋斑、欠陥等の塗布不良が全く認められない。
4:ナトリウムランプ下で筋斑、欠陥等の塗布不良が僅かに認められる。
3:蛍光灯下で筋斑、欠陥等の塗布不良が全く認められないが、ナトリウムランプ下では認められる。
2:蛍光灯下で筋斑、欠陥等の塗布不良が僅かに認められる。
1:蛍光灯下で筋斑、欠陥等の塗布不良が認められる。
試験例2〜8、及び比較試験例1〜3
試験例1と同様の条件で塗布し、各試験例及び比較試験例の塗布外観の5段階評価結果を表2に纏めて示した。
Figure 2005239930

Claims (5)

  1. フッ素化アルキル基含有反応性化合物(a)と前記(a)以外の反応性化合物(b)から選ばれる1種の反応性化合物(b1)とを含有する原料化合物類(i)を反応させて得られるフッ素系反応物(I)からなるフッ素系界面活性剤(A)と、前記反応性化合物(b1)を含有する原料化合物類(ii)を反応させて得られる反応物(II)からなるバインダー樹脂(B)とを含有するコーティング用樹脂組成物であって、前記原料化合物類(i)中のフッ素化アルキル基含有反応性化合物(a)と反応性化合物(b1)との重量比(a)/(b1)が50/50〜5/95であり、且つ前記原料化合物類(ii)中の前記反応性化合物(b1)の重量割合が30重量%以上であることを特徴とするコーティング用樹脂組成物。
  2. 前記反応性化合物(b1)が芳香族系化合物であり、且つ原料化合物類(ii)中の反応性化合物(b1)の重量割合が最多である請求項1記載のコーティング用樹脂組成物。
  3. フッ素系反応物(I)の重量平均分子量が15,000〜200,000である請求項1または2記載のコーティング用樹脂組成物。
  4. フッ素化アルキル基含有反応性化合物(a)がフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートであり、反応性化合物(b1)が(メタ)アクリロイル基含有芳香族系化合物であり、且つ反応物(II)がアクリル樹脂である請求項1または2記載のコーティング用樹脂組成物。
  5. フッ素系反応物(I)の重量平均分子量が15,000〜200,000である請求項4記載のコーティング用樹脂組成物。
JP2004053080A 2004-02-27 2004-02-27 コーティング用樹脂組成物 Pending JP2005239930A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004053080A JP2005239930A (ja) 2004-02-27 2004-02-27 コーティング用樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004053080A JP2005239930A (ja) 2004-02-27 2004-02-27 コーティング用樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005239930A true JP2005239930A (ja) 2005-09-08

Family

ID=35021994

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004053080A Pending JP2005239930A (ja) 2004-02-27 2004-02-27 コーティング用樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005239930A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007246696A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Dainippon Ink & Chem Inc コーティング用硬化性組成物
WO2008063903A1 (en) * 2006-11-22 2008-05-29 3M Innovative Properties Company Fluorochemical composition for treatment of a fibrous substrate
JPWO2009110091A1 (ja) * 2008-03-07 2011-07-14 綜研化学株式会社 光拡散性樹脂組成物およびこれを利用した光拡散シート

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5837060A (ja) * 1981-08-28 1983-03-04 Daicel Chem Ind Ltd 水性被覆用組成物
JPS6210101A (ja) * 1985-07-05 1987-01-19 Kansai Paint Co Ltd ビニル重合体の安定な分散液の製造法
JPH08225380A (ja) * 1995-02-21 1996-09-03 Asahi Glass Co Ltd セメント系基材の仕上げ方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5837060A (ja) * 1981-08-28 1983-03-04 Daicel Chem Ind Ltd 水性被覆用組成物
JPS6210101A (ja) * 1985-07-05 1987-01-19 Kansai Paint Co Ltd ビニル重合体の安定な分散液の製造法
JPH08225380A (ja) * 1995-02-21 1996-09-03 Asahi Glass Co Ltd セメント系基材の仕上げ方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007246696A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Dainippon Ink & Chem Inc コーティング用硬化性組成物
WO2008063903A1 (en) * 2006-11-22 2008-05-29 3M Innovative Properties Company Fluorochemical composition for treatment of a fibrous substrate
JPWO2009110091A1 (ja) * 2008-03-07 2011-07-14 綜研化学株式会社 光拡散性樹脂組成物およびこれを利用した光拡散シート

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4997708B2 (ja) フッ素化アルキル基含有オリゴマーの製造方法
JP5024591B2 (ja) コーティング組成物
TWI589612B (zh) 含氟硬化性樹脂及使用其之活性能量線硬化性組成物
TWI464224B (zh) A fluoropolymerizable polymer and an active energy ray hardening type composition using the same
JP4998770B2 (ja) コーティング用硬化性組成物
JP4941821B2 (ja) 含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート及び界面活性剤
JP2017008128A (ja) 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物
JP2007262287A (ja) コーティング組成物
WO2012173088A1 (ja) 含フッ素硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物
JP4844097B2 (ja) ポリイミド系コーティング用組成物
JPWO2015163380A1 (ja) 親水性基を有する含フッ素共重合体および該共重合体を含む表面改質剤
JP5103252B2 (ja) フッ素系共重合体溶液及びその製造方法
JP2005239929A (ja) コーティング用組成物
JP4431920B2 (ja) 低摩耗構造体
JP4868194B2 (ja) コーティング用組成物
JP2005239930A (ja) コーティング用樹脂組成物
JP5674404B2 (ja) 含フッ素表面調整剤
TWI609042B (zh) 聚合性樹脂、活性能量線硬化性組成物、物品及聚合性樹脂之製造方法
JP5262255B2 (ja) 含フッ素アクリレート及びuv硬化性組成物
JP2003025512A (ja) 柔軟性物品
JP6002965B2 (ja) 反射防止塗料組成物及び反射防止フィルム
JP5979424B2 (ja) 反射防止塗料組成物及び反射防止フィルム
JP2005248116A (ja) 含フッ素密着性向上剤
JP2003064295A (ja) コーティング用組成物
JP4019310B2 (ja) フッ素系界面活性剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050908

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070223

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100622

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101014