JP2005239865A - 洗剤添加用粒子群及び洗剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【効果】 本発明によれば、洗剤添加用粒子群の溶解速度をコントロールすることで、水中での静止時間が長くても、洗剤粒子群と混合した際の溶解性に優れた洗剤添加用粒子群及び洗剤添加用粒子群を含む洗剤組成物を提供することができる。
【選択図】 図1
Description
[1].溶解曲線が変曲点を1つ有することを特徴とする洗剤添加用粒子群、
[2].溶解極限濃度の20%である濃度を得るのに要する時間(T20)と90%である濃度を得るのに要する時間(T90)との比(T90/T20)が、2〜8である[1]記載の洗剤添加用粒子群、
[3].溶解極限濃度の20%である濃度を得るのに要する時間(T20)が30〜90秒であり、且つ90%である濃度を得るのに要する時間(T90)が100〜350秒である[1]又は[2]記載の洗剤添加用粒子群、
[4].洗剤添加用粒子が、核粒子が水溶性物質で表面処理され、さらにその処理された表面が疎水性物質で処理されてなる粒子であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の洗剤添加用粒子群、
[5].水溶性物質が、核粒子の成分とは異なることを特徴とする[4]記載の洗剤添加用粒子群、
[6].[1]〜[5]のいずれかに記載の洗剤添加用粒子群を含む洗剤組成物
を提供する。
本発明における溶解曲線とは、下記記載の溶解性試験法において算出される溶解率の経時変化を表したものである。
溶解性試験に用いる装置を図3を用いて説明する。内径105mmの円柱状の1Lビーカー1に、5℃の硬水2(71.2mgCaCO3/L、Ca/Mgのモル比7/3)1Lを入れ、定速撹拌機3(東京理化機器(株)製 MAZELA Z−1300)と電気伝導度計4(東亜科学(株)製、pH/EC METERWM−50EG)をセットする。なお、定速撹拌機3の撹拌羽根5は、縦45mm、横20mmであり、電気伝導度計4の電極6は、1Lビーカー1の底面から約1cm、側面から約1cmにセットする。
撹拌羽根5を用いて250rpmにて撹拌を行い、あらかじめ500μmと350μmの篩を用いて分級し、粒子径が350μm〜500μmで5℃の試料0.5gを水の渦中心に投入する。この時点を0秒として、5秒間隔で電気伝導度を測定する。継続して2分以上測定値が上昇しなくなった値を100%溶解値として各時間における溶解率を下記式より算出する。
Cn:n秒時における電気伝導度
C0:0秒時における電気伝導度
C100:100%溶解値における電気伝導度
撹拌造粒法では任意の型式の撹拌造粒装置を使用することができる。その中でも、撹拌羽根を備えた撹拌軸を内部の中心に有し、撹拌羽根が回転する際に撹拌羽根と器壁との間にクリアランスを形成する構造であることが好ましい。クリアランスは1〜30mmであるのが好ましく、3〜10mmがより好ましい。クリアランスが1mm未満では付着層により混合機が過動力となりやすい場合がある。30mmを超えると圧密化の効率が低下するため粒度分布がブロードに、また、造粒時間が長くなり生産性が低下する場合がある。この様な構造を有する撹拌造粒機としては、例えばヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製]、ハイスピードミキサー[深江工業(株)製]、バーチカルグラニュレーター[(株)パウレック製]等の装置が挙げられる。特に好ましくは横型の混合槽で円筒の中心に撹拌軸を有し、この軸に撹拌羽根を取付けて粉末の混合を行う形式のミキサーであり、例えばレディゲミキサー[(株)マツボー製]、ブロシェアミキサー[大平洋機工(株)製]である。
(1)フルード数(Fr)
撹拌造粒法においては、下記式で定義されるフルード数は1〜16であるのが好ましく、2〜9がより好ましい。フルード数が1未満であると、流動化が不充分であるため処理剤による表面処理が不充分となる場合がある。一方、16を超えると粒子に対するせん断力が強くなり過ぎ表面処理部に壊れが発生する場合がある。
Fr=V2/(R×g)
V:撹拌羽根の先端の周速(m/s)
R:撹拌羽根の回転半径(m)
g:重力加速度(m/s2)
撹拌造粒法において、使用される撹拌造粒機には、造粒物の圧密化促進及び粗粉解砕促進のために高速で回転するチョッパーが装備されている。チョッパーの回転速度としては表面処理部の壊れが発生しない程度の回転数が好ましい。チョッパー先端速度(周速)で0〜30m/sが好ましく、0〜20m/sがより好ましい。
撹拌造粒法において、好適な造粒物を得るための回分式の造粒における造粒時間及び連続式の造粒における平均滞留時間は、0.5〜20分が好ましく、3〜10分がより好ましい。造粒時間(平均滞留時間)が0.5分未満であると、時間が短か過ぎて好適な平均粒子径及び嵩密度を得るための造粒制御が困難となり、粒度分布がブロードになる場合がある一方、20分を超えると時間が長過ぎて生産性が低下する場合がある。
撹拌造粒法において、核粒子の造粒機への充填率(仕込み量)としては、混合機の全内容積の70容積%以下が好ましく、15〜40容積%がより好ましい。充填率(仕込み量)が、70容積%を超えると混合機内での混合効率が低下し、好適に造粒を行うことができない場合がある。
撹拌造粒において水溶性物質の水溶液及び疎水性物質等の処理剤は、好ましくは撹拌・流動状態の粒子に対して滴下もしくは噴霧して添加される。装置内で静置状態にある粒子に該処理剤等を滴下添加した後、撹拌を開始して造粒・被覆操作を行う方法も用いることが可能であるが、コーティング性を高めるためにも、撹拌・流動状態の粒子に対して滴下もしくは噴霧して添加することが好ましい。
転動造粒法では任意の型式の転動造粒装置を使用することができる。その中でもドラム状の円筒が回転して表面処理するものが好ましく、特に任意の形状の邪魔板を装備しているものが好ましい。ドラム型造粒機としては水平円筒型造粒機の他にも日本粉体技術協会編、造粒ハンドブック第一版第1刷記載の円錐ドラム型造粒機、多段円錐ドラム型造粒機、撹拌羽根付ドラム型造粒機等が挙げられる。
(1)処理時間
回分式における高嵩密度化の処理時間、連続式における以下の式で定義される平均滞留時間は、5〜120分、好ましくは10〜90分、特に好ましくは10〜40分である。前記時間が5分未満であると嵩密度が充分上昇できない場合がある一方、120分を超えると生産性の低下又は洗剤添加用粒子の表面処理部が剥がれる場合がある。
Tm=(m/Q)×60
Tm:平均滞留時間(min)
m :容器回転型混合機内の洗剤添加用粒子群滞留量(kg)
Q :連続運転における能力(kg/hr)
下記式で定義されるフルード数としては、0.01〜0.8となる条件を選択するのが好ましい。条件としては0.05〜0.7がより好ましく、0.1〜0.65がさらに好ましい。フルード数が0.01未満であると、均一でかつ高嵩密度の洗剤添加用粒子群が得られない場合がある。一方、0.8を超えると、ドラム型混合機の場合等には、洗剤添加用粒子が飛散し、正常な剪断混合が起こらない場合がある。
Fr=V2/(R×g)
V:容器回転型混合機最外周の周速(m/s)
R:容器回転型混合機最外周の回転中心からの半径(m)
g:重力加速度(m/s2)
下記式で定義される容積充填率が、15〜50容積%となる条件を選択するのが好ましい。より好ましくは20〜45容積%、25〜40容積%がさらに好ましい。容積充填率が15容積%未満であると、生産性が悪い場合がある一方、50容積%を超えると良好な剪断混合が生じない場合がある。
容積充填率(X)=(M/ρ)/V×100
M:容器回転型混合機への核粒子の仕込量(g)
ρ:核粒子の嵩密度(g/L)
V:容器回転型混合機の容積(L)
転動造粒において水溶性物質の水溶液及び疎水性物質等の処理剤は、転動・流動状態の粒子に対して噴霧して添加される。転動・流動状態の粒子に対して滴下して添加する方法や装置内で静置状態にある粒子に該処理剤等を滴下添加した後、撹拌を開始して造粒・被覆操作を行う方法はコーティング性を高めるために通常用いられない。
流動層造粒法では流動層本体、整流板、送風機、吸気フィルター、エアヒーター及びクーラー、スプレー装置、集塵装置、送風機等で構成された任意の型式の流動層造粒装置を使用することができる。例えば、日本粉体技術協会編、造粒ハンドブック第一版第1刷記載の回分式流動層造粒装置(トップスプレー式、サイドスプレー式、ボトムスプレー式等)、噴流流動層造粒装置、噴流動層造粒装置、半連続式流動層造粒装置(分散板反転排出式、下部排出式、側壁排出式等)、連続式流動層造粒装置(横型多室型、円筒型等)等が好適に利用できる。具体的装置の利用例としては回分式流動層造粒装置のGlatt−POWREXシリーズ[(株)パウレックス製]、フローコーターシリーズ[(株)大川原製作所製]、連続式流動層造粒装置のMIXGRADシリーズ[(株)大川原製作所製]等が挙げられる。
表1〜8に示す組成となるように、表中に示す下記方法で洗剤添加用粒子群を調製した。得られた洗剤添加用粒子群と下記に示す洗剤粒子群とを用いて、下記方法で洗剤組成物を得た。得られた洗剤添加用粒子群について、下記方法に基づいて洗剤添加用粒子群温度、平均粒子径、嵩密度、安息角、溶解性を測定し、溶解性試験からはT20及びT90の値を算出した。また、洗剤添加用粒子群と洗剤粒子群を任意の比率で混合して得られた洗剤組成物について下記に示す布付着性試験を行った。結果を表1〜8に併記し、実施例4の溶解曲線を図4に、比較例1の溶解曲線を図5に示す。
疎水性物質の添加による表面処理操作が終了した時点で洗剤添加用粒子群の温度を測定した。
目開き1680μm、1410μm、1190μm、1000μm、710μm、500μm、350μm、250μm、149μmの9段の篩と受け皿を用いて分級操作を行なった。分級操作は、受け皿に目開きの小さな篩から目開きの大きな篩の順に積み重ね、最上部の1680μmの篩の上から100g/回のベースサンプルを入れ、蓋をしてロータップ型ふるい振盪機((株)飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させた後、それぞれの篩及び受け皿上に残留したサンプルを篩目ごとに回収する操作を行った。
嵩密度はJIS K3362に準じて測定した。
筒井理化学器械(株)製、ターンテーブル形安息角測定器を用いて安息角を測定した。
図3に示す溶解性試験装置を用いた。装置は、内径105mmの円柱状の1Lビーカー1に、5℃の硬水2(71.2mgCaCO3/L、Ca/Mgのモル比7/3)1Lを入れ、定速撹拌機3(東京理化機器(株)製 MAZELA Z−1300)と電気伝導度計4(東亜科学(株)製、pH/EC METERWM−50EG)をセットした。なお、定速撹拌機3の撹拌羽根5は、縦45mm、横20mmであり、電気伝導度計4の電極6は、1Lビーカー1の底面から約1cm、側面から約1cmにセットした。
撹拌羽根5を用いて250rpmにて撹拌を行い、あらかじめ500μmと350μmの篩を用いて分級し、粒子径が350μm〜500μmで5℃の試料0.5gを水の渦中心に投入した。この時点を0秒として、5秒間隔で電気伝導度を測定する。継続して2分以上測定値が上昇しなくなった値を100%溶解値として、20%及び90%溶解値を算出した。そしてその値に至るまでに要する時間を20%溶解時間(T20)及び90%溶解時間(T90)とした。
また、継続して2分以上測定値が上昇しなくなった値を100%溶解値として各時間における溶解率を下記式より算出した。得られた溶解率の経時変化を表した溶解曲線を作成し、変曲点の数を確認した。
Cn:n秒時における電気伝導度
C0:0秒時における電気伝導度
C100:100%溶解値における電気伝導度
二槽式洗濯機(三菱電機(株)製、CW−C30A1−H)に、5℃の水道水30Lを注入し、綿肌シャツ7枚、ポリエステルシャツ2枚及びアクリルシャツ2枚で浴比20倍に調整し、それらを折り畳んで水面に浮かべた。その中心に各洗剤組成物30gを乗せ、布ごと5分間浸漬後、弱水流で5分間撹拌した。排水後、布を1分間脱水し、布上と洗濯機中にある溶け残りを拾い出し、目視にて溶け残り量を下記評価基準に基づいて評価した。
〈評価基準〉
◎:溶け残りがほとんどない
○:溶け残りがやや見られるが問題ないレベル
△:溶け残りが目立つ
×:溶け残りが著しく見られる
家庭における使用性を考慮すると、洗剤組成物としては○以上の評価が好ましい。
洗剤添加用粒子群の製造方法[1](撹拌造粒1)
[第1工程]
表1〜6に示す組成のうち、水溶性アルカリ無機塩粒子を鋤刃状ショベルを装備し、ショベル−壁面間クリアランスが5mmのレーディゲミキサー((株)マツボー製、M20型)に投入し(充填率30容積%)、主軸200rpmの撹拌を開始した(チョッパーは停止)。撹拌開始後10秒後に水溶性高分子化合物もしくは水溶性アルカリ無機塩の水溶液を30秒で添加し、造粒・被覆操作を行った。
添加終了後、必要に応じて塩感応性高分子化合物を感応せしめる塩を一括添加し30秒撹拌した。
引き続きレ−ディゲミキサーの撹拌を継続しつつ、表1〜6に示した組成のアニオン界面活性剤の酸前駆体、高級アルコール及びワックス類の1種以上を、30秒で添加し被覆操作を行った。最後に必要に応じて微粉体を添加し、30秒間撹拌を続け洗剤添加用粒子群を得た。
[第1工程]
表1〜6に示す組成のうち、容積10L相当分の水溶性アルカリ無機塩粒子をフォルバーグミキサー(日本ニューマチック工業(株)製、F−20型)に投入し(充填率50容積%)、パドル周速1.4m/sの撹拌を開始した(チョッパーは停止)。撹拌開始後5秒後に水溶性高分子化合物水溶液を噴霧角度70°の2流体ホローコーンノズルを用いて100g/minで噴霧添加し、造粒・被覆操作を行った。
引き続きフォルバーグミキサーの撹拌操作を継続しつつ、表1〜6に示した組成のアニオン界面活性剤の酸前駆体又はワックス類を同様の2流体ホローコーンノズルを用いて100g/minで噴霧添加し被覆操作を行った。
最後に必要に応じて微粉体を添加し、30秒間撹拌操作を続け洗剤添加用粒子群を得た。
[第1工程]
表1〜6に示す組成のうち、水溶性アルカリ無機塩粒子を水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)に投入し(充填率20容積%)、回転数22rpmで転動操作を開始した。転動開始後30秒後に水溶性高分子化合物もしくは水溶性アルカリ無機塩の水溶液を噴霧角度70°の2流体ホローコーンノズルを用いて100g/minで噴霧添加し、造粒・被覆操作を行った。
引き続き水平円筒混合機の転動操作を継続しつつ、表1〜6に示した組成のアニオン界面活性剤の酸前駆体を同様の2流体ホローコーンノズルを用いて100g/minで噴霧添加し被覆操作を行った。
最後に必要に応じて微粉体を添加し、60秒間転動操作を続け洗剤添加用粒子群を得た。
[第1工程]
表1〜6に示す組成のうち、水溶性アルカリ無機塩粒子を流動層((株)パウレックス製、Glatt−POWREX、型番FD−WRT−20)に、静置時の粉体層厚が200mmになる重量を添加した。その後、50℃の風(空気)を流動層内に送り、粉体が流動化したことを確認した後に水溶性高分子化合物水溶液を流動化している粉体層に向け上部より噴霧した。流動層内風速は流動化状態を確認しながら0.2〜10.0m/sの範囲で調整しながら造粒・被覆操作を行った。水溶性高分子化合物水溶液を噴霧するためのノズルは噴霧角度70°の2流体ホローコーンノズルを使用した。噴霧速度は約100g/minで行った。
引き続き流動層内での流動化状態を維持しつつ、表1〜6に示した組成のアニオン界面活性剤の酸前駆体を同様の2流体ホローコーンノズルを用いて100g/minで噴霧添加し被覆操作を行った。
最後に必要に応じて微粉体を添加する場合は流動層より造粒物を排出し、転動ドラム(直径0.6m、長さ0.48m、厚さ1mm×幅12cm×長さ48cmの邪魔板4枚付き、回転数20rpm)内で造粒物と微粉体を60秒間混合した。
[第1工程]
表1〜6に示す組成のうち、水溶性アルカリ無機塩粒子を鋤刃状ショベルを装備し、ショベル−壁面間クリアランスが5mmのレーディゲミキサー((株)マツボー製、M20型)に投入し(充填率30容積%)、主軸200rpmの撹拌を開始した(チョッパーは停止)。撹拌開始後10秒後に水溶性高分子化合物水溶液を30秒で添加し、造粒・被覆操作を行った。
得られた造粒物をレーディゲミキサーから排出し、水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)に投入し、回転数22rpmで転動操作を開始した。転動開始後30秒後にアニオン界面活性剤の酸前駆体を噴霧角度70°の2流体ホローコーンノズルを用いて100g/minで噴霧添加し、被覆操作を行った。
最後に必要に応じて微粉体を添加し、60秒間転動操作を続け洗剤添加用粒子群を得た。
表7〜8に示すNABION15(ローディア社製)を鋤刃状ショベルを装備し、ショベル−壁面間クリアランスが5mmのレーディゲミキサー((株)マツボー製、M20型)に投入し(充填率30容積%)、主軸200rpmの撹拌を開始した(チョッパーは停止)。撹拌開始後10秒後に表7〜8に示した組成のアニオン界面活性剤の酸前駆体を30秒で添加し、造粒・被覆操作を行って洗剤添加用粒子を得た。
得られた洗剤添加用粒子群を目開き250μm及び目開き2000μmの篩を用いて分級し、目開き250μmを通過せず、目開き2000μmの篩を通過する洗剤添加用粒子群を得た。
表7〜8に示すNABION15(ローディア社製)を水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)に投入し(充填率20容積%)、回転数22rpmで転動操作を開始した。転動開始後30秒後に表7〜8に示した組成のアニオン界面活性剤の酸前駆体を噴霧角度70°の2流体ホローコーンノズルを用いて100g/minで噴霧添加し、造粒・被覆操作を行った。
最後に必要に応じて微粉体を添加し、60秒間転動操作を続け洗剤添加用粒子群を得た。
下記表9に示す組成に従って、以下の手順で洗剤粒子群Aを調製した。
(1)洗剤粒子の造粒
まず、撹拌装置を装備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を60℃に調整した。これにα−SF−Na(α−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム)とノニオン界面活性剤を除く界面活性剤を添加し、10分間撹拌した。続いてアクリル酸/マレイン酸コポリマー塩と蛍光剤とを添加し、さらに10分間撹拌した後、粉末A型ゼオライトの一部(2.0%相当量(対洗剤粒子群、以下同じ)の捏和時添加用のA型ゼオライト、3.2%相当量の粉砕助剤用A型ゼオライト、1.5%相当量の表面処理用のA型ゼオライトを除く)、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムを添加した。そして、さらに20分間撹拌して水分38%の噴霧乾燥用スラリーを調製した後、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度280℃の条件で噴霧乾燥し、水分5%の噴霧乾燥粒子を得た。
次いで、得られた固形洗浄剤に粉砕助剤としての粒子状A型ゼオライト(平均粒子径180μm)を3.2%添加し、冷風(10℃、15m/s)共存下で直列3段に配置したフィッツミル(ホソカワミクロン(株)製、DKA−3)を用いて粉砕した(スクリーン穴径:1段目/2段目/3段目=12mm/6mm/3mm、回転数:1段目/2段目/3段目いずれも4700rpm)。最後に水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で1.5%相当量の微粉A型ゼオライトを加え、0.5%相当量のノニオン界面活性剤と香料を噴霧しつつ、1分間転動し表面改質して、洗剤粒子を得た。
得られた賦香後の洗剤粒子の一部を着色するために、洗剤粒子をベルトコンベアで0.5m/sの速度で移送しつつ(ベルトコンベア上の洗剤粒子層高30mm、層幅300mm)その表面に青色色素溶液を噴霧して洗剤粒子(平均粒子径500μm、嵩密度0.80g/cm3)を得た。
水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で、着色後の洗剤粒子に、酵素粒子0.7%相当量、漂白剤粒子4.0%相当量及び漂白活性化剤粒子1.3%相当量を5分間混合して、洗剤粒子群A(平均粒子径500μm、嵩密度0.80g/cm3)を得た。
下記表9に示す組成に従って、以下の手順で洗剤粒子群Bを調製した。まず、撹拌装置を装備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を60℃に調整した。A型ゼオライト、色素及び香料を除く成分を水に溶解若しくは分散させた水分38%のスラリーを調製した後、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度300℃の条件で噴霧乾燥し、平均粒径280μm、嵩密度0.32g/cm3、水分6%の噴霧乾燥粒子を得た。
これに水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で微粉A型ゼオライトを加え、香料を噴霧しつつ、1分間転動し表面改質して、洗剤粒子を得た。
得られた賦香後の洗剤粒子の一部を着色するために、洗剤粒子をベルトコンベアで0.5m/sの速度で移送しつつ(ベルトコンベア上の洗剤粒子層高30mm、層幅300mm)その表面に青色色素溶液を噴霧して、洗剤粒子(平均粒径350μm、嵩密度0.48g/cm3)を得た。
得られた洗剤添加用粒子群と洗剤粒子群とを水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で、洗剤添加用粒子群と洗剤粒子群とを任意の比率で混合し、洗剤組成物を得た。
・LAS−H:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(ライオン(株)製、ライポンLH−200)
・LAS−K:ライポンLH−200(ライオン(株)製)のカリウム塩
・LAS−Na:ライポンLH−200(ライオン(株)製)のナトリウム塩
・α−SF−H:α−スルホ脂肪酸アルキルエステル(メチルエステル(パステルM−14、パステルM−16(ライオンオレオケミカル(株)製)を2:8で混合したもの)を特開2001−64248号公報の実施例1で開示されている方法に準拠してスルホン化し、エステル化工程後に抜き出しα−スルホ脂肪酸アルキルエステルとしたもの)
・α−SF−Na:炭素数14:炭素数16=18:82のα−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム(AI=70%、残部は未反応脂肪酸メチルエステル、硫酸ナトリウム、メチルサルフェート、過酸化水素、水等)
・AOS−K:炭素数14〜18のアルキル基をもつα−オレフィンスルホン酸カリウム(ライオン(株)製)
・石鹸:C12:C18 F1=1:1の脂肪酸ナトリウム(純分68%の水性ペースト)
・ノニオン界面活性剤:ECOROL26(ECOGREEN社製)の酸化エチレン平均15モル付加体(純分90%)
・A型ゼオライト:シルトンB(水沢化学(株)製)(純分80%)
・ヒドロキシプロピルセルロース:HPC−L(日本曹達(株)製)の純分2%水溶液
・アクリル酸/マレイン酸コポリマーNa[1]:アクアリックTL−400(日本触媒(株)製)(純分40%水溶液)
・アクリル酸/マレイン酸コポリマーNa[2]:アクアリックTL−400(日本触媒(株)製)(純分20%になるように水で希釈したもの)
・ポリアクリル酸ナトリウム:アクアリックDL−40(日本触媒(株)製)(純分40%水溶液)
・アルギン酸ナトリウム:ダックアルギンNSPLL((株)紀文フードケミファ製)の純分4%水溶液
・カルボキシメチルセルロースナトリウム:CMCダイセル1105(ダイセル化学工業(株)製)の純分5%水溶液
・ポリビニルアルコール:クラレポバールPVA−105((株)クラレ製)の純分5%水溶液
・炭酸ナトリウム:粒灰(旭硝子(株)製)
・炭酸カリウム:炭酸カリウム(粉末)(旭硝子(株)製)
・重炭酸ナトリウム:純正化学(株)製の試薬一級品
・硫酸カリウム:硫酸加里(上野製薬(株)製)
・亜硫酸ナトリウム:無水亜硫酸曹達(神州化学(株)製)
・微粉亜硫酸ナトリウム:無水亜硫酸曹達(神州化学(株)製)を卓上型微粉砕機(スタッドミル63C型、アルピネ社製)で平均粒子径25μmまで微粉砕したもの
・塩化カルシウム:塩化カルシウム無水物(純正化学(株)製)の試薬一級品
・1号珪酸ナトリウム:JIS1号珪酸ナトリウム(日本化学(株)製)
・珪酸ナトリウム溶液:珪酸ナトリウム溶液(純正化学(株)製)の化学用試薬、純分約55%
・STPP:トリポリリン酸ナトリウム(三井化学(株)製)
・硫酸ナトリウム:中性無水芒硝(日本化学工業(株)製)
・炭酸カリウム溶液:炭酸カリウム(粉末)(旭硝子(株)製)(純分50%になるように水で希釈したもの)
・ラウリン酸:日本油脂(株)製、NAA−122、融点43℃
・ミリスチン酸:ミリスチン酸(純正化学(株)製)の試薬特級品、融点53℃
・パルミチン酸:パルミチン酸(純正化学(株)製)の試薬特級品、融点57.5℃
・オレイン酸:日本油脂(株)製、エキストラオレイン、融点7℃
・ミリスチルアルコール:ミリスチルアルコール(純正化学(株)製)の試薬特級品、融点38〜40℃
・パラフィンワックス115:日本精蝋(株)製、パラフィンワックス115、融点47℃
・蛍光剤:チノパールCBS−X(チバスペシャルティケミカルズ製)
・色素:青色色素溶液(群青)35%溶液(大日精化(株)製)
・香料:デカナール0.5%、オクタナール0.3%、ヘキシルシンナミックアルデヒド10.0%、ジメチルベンジルカルビニルアセテート8.0%、レモン油3.0%、リリアール6.0%、リラール2.0%、リナロール5.0%、フェニルエチルアルコール7.5%、トナリド2.0%、o−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート3.0%、ガラクソリド BB*2.0%、リナスコール2.5%、ゲラニオール1.0%、シトロネロール2.0%、ジャスモランジ2.0%、メチルジヒドロジャスモネート5.0%、ターピネオール1.0%、メチルヨノン3.0%、アセチルセドレン5.0%、レモニトリル1.0%、フルイテート1.0%、オリボン1.5、ベンゾイン1.0%、シス−3−ヘキセノール0.5%、クマリン2.0%、ダマセノン0.2%、ダマスコン0.3%、ヘリオナール1.5%、ヘリオトロピン1.5%、アニスアルデヒド2.5%、ガンマーウンデカラクトン0.8%、バグダノール1.2%、トリプラール0.5%、スチラリルアセテート1.5%、キャロン0.1%、ペンタリド3.0%、オキサヘキサデセン−2−オン2.9%、エチレンブラシレート6.2%。なお、BBはベンジルベンゾエート、香料成分の%は香料組成物中の%を示す。
・酵素粒子:エバラーゼ8T(ノボザイムズ製)/LIPEX50T(ノボザイムズ製)/ターマミル60T(ノボザイムズ製)/セルザイム0.7T(ノボザイムズ製)=5/2/1/2(質量比)の混合物
・漂白剤粒子:過炭酸ナトリウム(三菱瓦斯化学(株)製、SPC−D)
・漂白活性化剤粒子:下記製造方法によって得られた粒子
・NABION15:ローディア社製、商品名NABION15(ローディア社カタログ Nab/HC 07.2000)で組成を下記に示す
(炭酸ナトリウム55%、珪酸ナトリウム29%、水16%合計100%)
ホソカワミクロン(株)製エクストルード・オーミックスEM−6型に4−デカノイルオキシ安息香酸(試薬グレード)69.4%(対漂白活性化剤粒子、以下同じ)、ポリエチレングリコール*120.9%及びAOS−Na*2(α−オレフィンスルホン酸ナトリウム)4.7%を投入し、65℃の条件で混練押し出しすることにより径が0.8mmφのヌードル状の押し出し品を得た。この押し出し品を、コミニューターFXB型(不二パウダル株式会社製)により、混練押出し造粒物を導入するのと同じ方向から15℃の冷風を導入し、また助剤としてA型ゼオライト粉末5.0%を同様にして供給し粉砕して漂白活性化剤粒子を得た。
*1 ポリエチレングリコール(ライオン(株)製ポリエチレングリコール、商品名PEG#6000M)
*2 AOS−Na(ライオン(株)製C14α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、商品名リポランPJ−400)
3 定速撹拌機
4 電気伝導度計
5 撹拌羽根
6 電極
Claims (6)
- 溶解曲線が変曲点を1つ有することを特徴とする洗剤添加用粒子群。
- 溶解極限濃度の20%である濃度を得るのに要する時間(T20)と90%である濃度を得るのに要する時間(T90)との比(T90/T20)が、2〜8である請求項1記載の洗剤添加用粒子群。
- 溶解極限濃度の20%である濃度を得るのに要する時間(T20)が30〜90秒であり、且つ90%である濃度を得るのに要する時間(T90)が100〜350秒である請求項1又は2記載の洗剤添加用粒子群。
- 洗剤添加用粒子が、核粒子が水溶性物質で表面処理され、さらにその処理された表面が疎水性物質で処理されてなる粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の洗剤添加用粒子群。
- 水溶性物質が、核粒子の成分とは異なることを特徴とする請求項4記載の洗剤添加用粒子群。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の洗剤添加用粒子群を含む洗剤組成物。
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