JP2005239464A - 坩堝を用いた単結晶製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】昇華法成長を利用した単結晶製造において、坩堝内の原料から発生する昇華ガスが坩堝嵌合部から漏洩し、結晶成長効率の低下や、製造の再現性低下という問題がある。
【解決手段】坩堝下部に原料粉末を収納し、坩堝上部に種結晶を取り付ける坩堝の嵌合部において、坩堝下部が坩堝上部の半径方向内側に配置させた。また、坩堝下部を構成する黒鉛の熱膨張係数は4.1×10-6 -1とし、坩堝上部を構成する黒鉛はこれより小さな熱膨張係数を有する材質ととした。このような坩堝設計にて、坩堝下部温度2300℃、坩堝上部温度2200℃にて結晶成長を行うと、坩堝嵌合部からの昇華ガス漏洩が抑制され、昇華ガスの利用効率が向上し、単結晶製造に好適な結果が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、単結晶製造用の坩堝に関し、特に炭化珪素単結晶の製造に好適に利用できるものである。
従来から、炭化珪素単結晶を成長させる方法として、昇華法が広く用いられている。昇華法は改良レーリー法とも呼ばれるが、黒鉛製の坩堝内に配置した黒鉛台座に炭化珪素単結晶で構成される種結晶基板および原料粉末を配置し、坩堝を加熱することで昇華ガスが発生する。原料近傍と単結晶基板との間で、昇華ガスの濃度差が生じるため、昇華ガスが単結晶基板まで拡散し、単結晶基板近傍での過飽和が駆動力となり単結晶成長が進行する。炭化珪素を原料とした場合に発生する昇華ガスの組成は、Si、SiC2、Si2C、Si2、Si3等であり、特にSi、SiC2、Si2Cは平衡分圧が大きく重要である。
一般的な昇華法による炭化珪素単結晶成長方法を、図4を用いて、詳細に説明する。坩堝下部材1および坩堝上部材2は概ね全てが黒鉛で構成され、嵌め合う箇所、つまり嵌合部3を有する。坩堝下部材1に原料粉末6を収納し、坩堝上部材2に設けられた種結晶取付部2bに炭化珪素単結晶で構成される種結晶5を取り付けることで、坩堝内部下方に原料粉末6、坩堝内部上方に種結晶5を配置する。坩堝部材の周囲を取り囲むように、断熱材4を配置し、坩堝部材および断熱材4を支持部材11で保持する。高周波ワークコイル10は断熱材4のさらに外側に位置し、例えば数kHzから数十kHzの高周波電流を数百A流すことで、坩堝部材を2000℃以上に誘導加熱できる。
坩堝部材(1、2)、高周波ワークコイル10等の各構成部材の位置関係の制御により、温度分布を制御することができ、例えば坩堝本体1を2200〜2500℃に、坩堝上蓋2を坩堝本体1より50〜200℃低い温度に加熱する。このときの温度の計測は、上部用非接触温度計12および下部用非接触温度計13によって行う。前述の温度分布を構成すると、高温側である原料粉末6から昇華ガスが発生し、低温側である種結晶5へ昇華ガスが輸送され、種結晶5の表面へ炭化珪素単結晶が成長する。
なお、原料6としては、炭化珪素粉末が一般的であるが、炭化珪素にシリコン、カーボン、あるいはドーパントを加えたり、炭化珪素の代わりにシリコン粉末やシリコン含有有機化合物を用いる場合もある。
炭化珪素単結晶基板の課題の一つに、価格低減がある。炭化珪素基板を用いたデバイスが普及するには、基板品質向上と同時に、基板単価低減が必須である。しかしながら、炭化珪素、シリコン、炭素等の、高純度原料粉末の価格が高いため、これら原料を効率よく単結晶製造に寄与させること、すなわち結晶成長の効率化が重要である。これまでにも原料からの昇華ガスを有効利用するための取り組みが、報告されている。
例えば、原料粉末の使用効率を向上させる方法が記載されている(特許文献1)。坩堝内に設置された原料が均一には消耗されず、坩堝内の場所によっては原料粉末が消費されないまま残存するという課題に対し、坩堝内部に概ね軸対象の構造物を追加することで原料粉末部の温度分布を変更し原料利用効率改善を行うものである。
特開平5―58774号公報(第2−4頁、第1−4図)
しかしながら、前述の方法は残存する未使用原料を低減することができるが、原料から発生した昇華ガスの坩堝外部への漏洩量が大きいという課題を有する。
昇華法製造においては、坩堝部材が黒鉛で出来ており、これら黒鉛材料はガス透過性が有るため、炭化珪素の単結晶を作製するための原料から発生する昇華ガスは、一部が坩堝外壁を透過して外部へ漏洩する。しかし、前記昇華ガスの大部分は、炭化珪素単結晶の成長に寄与する。以後、炭化珪素の単結晶を作製するための原料から発生する昇華ガスを、昇華ガスと呼ぶ。
また、昇華ガスの発生重量に対する炭化珪素単結晶の生成重量の比が、大きく、1に近いほど、炭化珪素単結晶が効率的に成長していると言えるので、前記の比を、昇華ガスの利用効率と定義する。昇華ガスの坩堝からの漏洩量が多い場合、昇華ガスの利用効率は低くなる。
図4に示す従来の坩堝構造では、嵌合部3において、坩堝下部材の嵌合部1aが坩堝上部材の嵌合部2aの半径方向外側に位置し、単結晶成長時に、坩堝下部材1が坩堝上部材2よりも高温となる。そのため、坩堝下部材の嵌合部1aが坩堝上部材2aよりも半径方向外側への熱膨張が大きくなるため、嵌合部3における嵌合隙間は、寸法公差(坩堝用黒鉛材料では一般的に0.02〜0.2存在する)に、熱膨張により生じる隙間が加わり大きくなる。
この結果、坩堝嵌合部からの昇華ガスの漏洩が大きくなり、昇華ガスの利用効率が低くなるという問題が発生する。
以上より、本発明は、昇華ガスの利用効率が不十分であるという従来技術の課題を解決するもので、炭化珪素単結晶の製造コストを低減しつつ、高品質な炭化珪素単結晶を製造できる炭化珪素単結晶製造装置を提供することを目的としている。
前記従来の課題を解決するために、本発明の単結晶製造装置は、黒鉛製の坩堝と、前記坩堝を加熱するための高周波ワークコイルとを備えた単結晶製造装置において、前記坩堝は、内部に凹みのある第1の部材に第2の部材を嵌合して密閉するように構成されており、前記嵌合部では前記第2の部材は前記第1の部材の周囲を囲むように配置し、且つ前記第2の部材の熱膨張係数が前記第1の部材の熱膨張係数よりも小さいことを特徴とするものである。
さらに、本発明の単結晶製造装置は、黒鉛製の坩堝と、前記坩堝を加熱するための高周波ワークコイルとを備えた単結晶製造装置において、前記坩堝は、内部に凹みのある第1の部材に中空の第2の部材を第1の嵌合部で嵌合し、前記第2の部材に第3の部材を第2の嵌合部で嵌合して密閉するように構成されており、前記第1の嵌合部では前記第1の部材は前記第2の部材の周囲を囲むように配置し、且つ前記第2の部材の熱膨張係数は前記第1の部材の熱膨張係数よりも大きく、前記第2の嵌合部では前記第3の部材は前記第2の部材を囲むように配置し、且つ前記第2の部材の熱膨張係数は前記第3の部材よりも大きいことを特徴としたものである。
さらに、本発明の単結晶製造装置は、黒鉛製の坩堝と、前記坩堝を加熱するための高周波ワークコイルとを備えた単結晶製造装置において、前記坩堝は、内部に凹みのある第1の部材に中空の第2の部材を第1の嵌合部で嵌合し、前記第2の部材に第3の部材を第2の嵌合部で嵌合して密閉するように構成されており、前記第1の嵌合部では前記第2の部材は前記第1の部材の周囲を囲むように配置し、且つ熱膨張係数が前記第1の部材の熱膨張係数と等しく、前記第2の嵌合部では前記第3の部材は前記第2の部材を囲むように配置し、且つ前記第2の部材の熱膨張係数は前記第3の部材よりも大きいことを特徴としたものである。
以上のように、本発明の単結晶製造装置によれば、原料粉末から生じる昇華ガスが坩堝嵌合部から漏洩する量を抑制するため、昇華ガスの利用効率を向上し、単結晶製造の再現性を向上させる製造方法を実現することができる。
以下に、本発明の単結晶製造用の坩堝の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1における単結晶製造装置の模式図を示す。
図1において、黒鉛製の坩堝は、坩堝下部材1と坩蓋上部材2の二部材により構成される。坩堝下部材1に原料粉末6を充填し、坩堝上部材2の種結晶取付部2bに炭化珪素種結晶5を取り付けた。原料粉末6には炭化珪素粉末を用いた。また炭化珪素種結晶5は、溶融アルカリエッチングにより面極性を判定し、研磨処理を行った。坩堝下部材の嵌合部1aと坩堝上蓋の嵌合部2aにおいて、坩堝下部材1と坩堝上部材2を嵌め合せる。
これら坩堝部材の外周および上下の面を覆うように断熱材4を配置し、さらに外側に高周波ワークコイル10を配置し、支持部材11上に固定する。坩堝部材の上下を覆う断熱材4の中央には直径10mmの温度測定用の穴を設け、この穴を通して上部用非接触温度計12により坩堝上部材2の上面中央部の温度を、下部用非接触温度計13により坩堝下部材1の下面中央部の温度を測定する。また、図には示していないが、これら坩堝部材および断熱材4は石英管等からなるチャンバーにより外気と遮断されており、備えられた真空排気装置により真空とすること、所望のガスを導入すること、さらに圧力を制御することができる。
ここで、坩堝下部材1と坩堝上部材2は、それぞれ異なる等方性黒鉛材料から切り出して加工して準備した。坩堝下部材1を構成する黒鉛材料は、熱膨張係数が4.1×10-6[K-1]、坩堝上部材2を構成する黒鉛材料は、熱膨張係数が3.5×10-6[K-1]とした。なお上記熱膨張係数は、炭素協会規格JCAS−18−1978に準拠して、室温から400℃までの温度範囲で測定した値である。
熱膨張係数以外の物性値は、電気抵抗率はともに約10MPa、かさ密度はともに約1.8Mg/m3であった。坩堝下部材1および坩堝上部材2の外径は70mm、坩堝下部材の内径は55mm、嵌合部3の径は67mm、嵌合した状態での円筒形高さは150mmとした。
(実施例1)
以上のように構成された炭化珪素単結晶製造装置を用いて、今回行った炭化珪素単結晶製造のプロセスを説明する。チャンバー内を真空排気したのち、不活性ガスとしてArを導入し、およそ80000Paとした。次に高周波ワークコイル10に高周波電流を流し、坩堝下部材1の中央下部の温度が約2300℃、坩堝上部材2の中央上部の温度が約2200℃となるまで、加熱を行った。この際に必要に応じて、高周波電流値と高周波ワークコイル10の位置調整を行うが、本実施の形態では電流値はおよそ300Aであった。この後、一定の減圧速度にてチャンバーを排気し、チャンバー内を約1330Paに制御する。この際に、前述の温度分布を保持するために必要な電流値が減圧により変化するため、電流値を下げて坩堝の上下温度を一定に保持する。このようにして達成された状態で炭化珪素単結晶5の成長が進行し、10時間保持した後、Arガスを導入しほぼ大気圧とし、降温する。
(比較例1)
比較例1として、図4に示すように、嵌合部3において坩堝下部材の嵌合部1aが坩堝上部材の嵌合部2aより半径方向外側に位置する設計とした。
(比較例2)
比較例2は、図1に示すように実施例1と同様の坩堝設計とした。比較例1、比較例2の双方において、坩堝下部材1および坩堝上部材2の材質は熱膨張係数が4.1×10-6[K-1]である同一の等方性黒鉛とした。
前述の実施例1と同じ条件にて、各部材の準備、すなわち、種結晶5の取付け、原料粉末6の充填、坩堝部材のセッティングを行った。さらに実施の形態1と同じプロセス条件にて、炭化珪素単結晶の製造を行った。
昇華ガスの利用効率の評価方法について説明する。単結晶が成長すると、原料粉末6から炭化珪素単結晶5への質量が移動するため、坩堝下部材1と原料粉末6の重量合算が減少し、坩堝上部材2と炭化珪素単結晶5の重量合算が増加する。同時に昇華ガスの一部は、坩堝壁や坩堝嵌合部から漏洩し、外部に位置する断熱材4まで到達し、断熱材4に付着生成物を生じさせ、結果、断熱材4の重量が増加する。比較例1における製造前後の重量変化は、坩堝下部材1と原料粉末6の重量合算が8.2g減少し、坩堝上部材2と炭化珪素単結晶5の重量合算が5.6g増加し、断熱材4の重量が2.3g増加した。したがって、昇華ガスのうち0.3gは断熱材4より外部へ漏洩したことがわかり、Arガス中に拡散し、装置外部へ排気されたと考えられる。ここで坩堝下部材1と原料粉末6の重量合算の減少量、つまり昇華ガスの発生量を100%とすると、坩堝上部材2と炭化珪素単結晶5の重量増、つまり炭化珪素の結晶成長は68%となる。この場合の昇華ガスの利用効率を68%と定義する。
以上のように坩堝の下部温度2300℃、上部温度2200℃にて10時間結晶成長を行ったときの昇華ガスの利用効率を、比較例1、比較例2、実施例1について比較した結果を記す。
昇華ガスの利用効率は、比較例1の68%に比較して、比較例2では75%、実施例1では86%となり、実施例1において最大の効率が得られた。また、単結晶製造を行うたびに昇華ガス利用効率のばらつきが見られ、比較例1および比較例2では、ばらつきは上下10%以上に及んだ。それに対して実施例1では、昇華ガス利用効率のばらつきは5%以下であり、単結晶製造結果が安定した。以上のように、実施例1に示した坩堝構造により、昇華ガスの利用効率が向上しさらに利用効率のばらつきを低減でき、炭化珪素単結晶製造におけるコスト低減に寄与するので炭化珪素単結晶製造に好適に用いることができる。
本実施例1では、二種の坩堝部材の熱膨張係数は4.1×10-6[K-1]と3.5×10-6[K-1]の組み合わせであったが、この組み合わせに限らずとも本発明は有効であり、さらに二つの坩堝部材間に0.2×10-6[K-1]以上の熱膨張係数の差があれば、なお有効である。この理由について説明する。
等方性黒鉛材料には幾つかの品種があるが、熱膨張係数の選択に制限がある。例えば実用可能な等方性黒鉛は、その熱膨張係数が3.4×10-6[K-1]から7.1×10-6[K-1]程度に限定される。ここで熱膨張係数は室温から500℃の温度範囲で測定した値とする。また、熱膨張係数が4.5×10-6[K-1]を越える黒鉛材料は、ホットプレス用、冶金のヒーター用、あるいは放電加工用等に適した物性値を有しており、純度等の観点から半導体である炭化珪素単結晶製造用には適用できない。したがって、炭化珪素単結晶製造用の黒鉛坩堝の材質には、熱膨張係数が3.4×10-6[K-1]から4.4×10-6[K-1]の間の材質から選定することで、結晶品質の良い炭化珪素単結晶を製造できる。
また、二つの坩堝部材の熱膨張係数差により坩堝嵌合部の隙間が小さくなる効果を推計すると、本実施例1で用いた嵌合部半径がおよそ34mmであり、単結晶製造時の温度が2200℃以上であるので、熱膨張係数差が0.2×10-6[K-1]ある場合にはおよそ0.002mmと計算できる。
上記の効果に加えて、単結晶製造時により高温となる坩堝部材が、半径方向内側に位置する坩堝設計とすることにより、坩堝嵌合部の隙間が小さくなる効果がある。炭化珪素の単結晶製造においては、これらの坩堝部材の嵌合部における温度を測定して定量的な評価をすることが困難である。しかし、前記二つの効果を活用した場合に、坩堝部材の熱膨張により、坩堝勘合部の隙間が十分に小さくなり、昇華ガスの漏洩が抑制できると考えられる。坩堝下部材1および坩堝上部材2の熱膨張係数の差が0.2×10-6[K-1]より小さい場合、坩堝嵌合部の隙間は十分に小さくならず、坩堝嵌合部からの昇華ガスの漏洩を抑制することができない。
実施例2で示す単結晶製造装置の模式図を図2に示す。実施例2では、炭化珪素単結晶製造の際の取扱い性を考慮して、複数の部材からなる坩堝設計としている。坩堝下部材1、坩堝上部材2、第三の坩堝部材7の、計3個の部材から構成される。坩堝下部材の嵌合部1aと第三の坩堝部材のなす嵌合部7aでは、坩堝下部材の嵌合部1aが半径方向外側に設計され、坩堝上部材の嵌合部2aと第三の坩堝部材の嵌合部7bのなす嵌合部では、坩堝上部材の嵌合部2aが半径方向外側に設計される。さらに、坩堝上部材2および坩堝下部材1の熱膨張係数は3.5×10-6[K-1]であり、第三の坩堝部材7の熱膨張係数は4.1×10-6[K-1]とした。なお、3つの坩堝部材の温度を調べる予備実験等により、坩堝下部材1と第三の坩堝部材7は同程度の温度であり、坩堝上部材2はこれよりも低い温度であった。
実施例1と同様の製造プロセスにて炭化珪素単結晶の製造を行った。全ての坩堝部材の材質を同一とする場合に比較して、本実施例2では、昇華ガスの利用効率が向上した。このことから、複数の坩堝部材を用いる場合でも、本発明の坩堝構成を適用することで、昇華ガスの利用効率を向上させる効果を得ることができる。
実施例3で示す単結晶製造装置の模式図を図3に示す。実施例2との違いは、坩堝が坩堝下部材1、坩堝上部材2、第三の坩堝部材8の、計3個の部材からなり、坩堝下部材の嵌合部1aと第三の坩堝部材のなす嵌合部8aでは、坩堝下部材の嵌合部1aが半径方向外側に設計される。坩堝上部材の嵌合部2aと第三の坩堝部材の嵌合部8bのなす嵌合部では、第三の坩堝部材の嵌合部8bが半径方向外側に設計されている点である。さらに、坩堝上部材2の熱膨張係数は3.5×10-6[K-1]であり、坩堝下部材1および第三の坩堝部材8の熱膨張係数は4.1×10-6[K-1]とした。3つの坩堝部材の温度を調べる予備実験等により、坩堝下部材1と第三の坩堝部材8の温度は同程度の温度であり、坩堝上部材2はこれよりも低い温度であった。
実施例1と同様の製造プロセスにて炭化珪素単結晶の製造を行った結果、全ての坩堝部材の材質を同一とする場合に比較して、昇華ガスの利用効率が向上した。
炭化珪素単結晶の製造において、坩堝嵌合部からの昇華ガスの漏洩量を低減することにより、昇華ガスの利用効率を向上させることができる。
本発明の実施の形態1における炭化珪素単結晶製造装置の模式図 本発明の実施の形態2における炭化珪素単結晶製造装置の模式図 本発明の実施の形態3における炭化珪素単結晶製造装置の模式図 従来の炭化珪素単結晶製造装置の模式図
符号の説明
1 坩堝下部材
1a 坩堝下部材の嵌合部
2 坩堝上部材
2a 坩堝上部材の嵌合部
2b 種結晶取付部
3 嵌合部
4 断熱材
5 種結晶
6 原料粉末
7 第三の坩堝部材
7a 第三の坩堝部材の嵌合部
7b 第三の坩堝部材の嵌合部
8 第三の坩堝部材
8a 第三の坩堝部材の嵌合部
8b 第三の坩堝部材の嵌合部
10 高周波ワークコイル
11 支持部材
12 上部用非接触温度計
13 下部用非接触温度計

Claims (9)

  1. 黒鉛製の坩堝と、前記坩堝を加熱するための高周波ワークコイルとを備えた単結晶製造装置において、
    前記坩堝は、内部に凹みのある第1の部材に第2の部材を嵌合して密閉するように構成されており、前記嵌合部では前記第2の部材は前記第1の部材の周囲を囲むように配置し、且つ前記第2の部材の熱膨張係数が前記第1の部材の熱膨張係数よりも小さいことを特徴とする単結晶製造装置。
  2. 黒鉛製の坩堝と、前記坩堝を加熱するための高周波ワークコイルとを備えた単結晶製造装置において、
    前記坩堝は、内部に凹みのある第1の部材に中空の第2の部材を第1の嵌合部で嵌合し、前記第2の部材に第3の部材を第2の嵌合部で嵌合して密閉するように構成されており、前記第1の嵌合部では前記第1の部材は前記第2の部材の周囲を囲むように配置し、且つ前記第2の部材の熱膨張係数は前記第1の部材の熱膨張係数よりも大きく、
    前記第2の嵌合部では前記第3の部材は前記第2の部材を囲むように配置し、且つ前記第2の部材の熱膨張係数は前記第3の部材よりも大きいことを特徴とする単結晶製造装置。
  3. 黒鉛製の坩堝と、前記坩堝を加熱するための高周波ワークコイルとを備えた単結晶製造装置において、
    前記坩堝は、内部に凹みのある第1の部材に中空の第2の部材を第1の嵌合部で嵌合し、前記第2の部材に第3の部材を第2の嵌合部で嵌合して密閉するように構成されており、
    前記第1の嵌合部では前記第2の部材は前記第1の部材の周囲を囲むように配置し、且つ熱膨張係数が前記第1の部材の熱膨張係数と等しく、
    前記第2の嵌合部では前記第3の部材は前記第2の部材を囲むように配置し、且つ前記第2の部材の熱膨張係数は前記第3の部材よりも大きいことを特徴とする単結晶製造装置。
  4. 前記坩堝の熱膨張係数は、3.4×10-6[K-1]から4.0×10-6[K-1]の範囲にあることを特徴とする、請求項1から3に記載の単結晶製造装置。
  5. 前記第2の部材の熱膨張係数は、前記第1の部材の熱膨張係数より0.2×10-6[K-1]より小さいことを特徴とした請求項1に記載の単結晶製造装置。
  6. 前記第2の部材の熱膨張係数は、前記第1の部材の熱膨張係数より0.2×10-6[K-1]より大きく、前記第2の部材の熱膨張係数は、前記第3の部材の熱膨張係数より0.2×10-6[K-1]より大きいことを特徴とした請求項2に記載の単結晶製造装置。
  7. 前記第2の部材の熱膨張係数は、前記第3の部材の熱膨張係数より0.2×10-6[K-1]より大きいことを特徴とした請求項3に記載の単結晶製造装置。
  8. 前記熱膨張係数は、炭素協会規格JCAS−18−1978に準拠した値であることを特徴とする請求項1から7に記載の単結晶製造装置。
  9. 前記第2の部材の内部に炭化珪素種結晶を配置し、前記第1の部材の内部下方にシリコンを含有する気体を供給するための原料を配置して加熱することにより、前記種結晶から炭化珪素単結晶を成長させることを特徴とする請求項1に記載の単結晶製造装置。
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