JP2005239134A - 自動二輪車のブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 前輪側と後輪側の一方のブレーキ操作に他方の車輪制動手段を連動させることのできる自動二輪車のブレーキ装置において、ライダーが常に違和感のないブレーキ操作を行えるようにする。
【解決手段】 電動アクチュエータによって液圧を作り出し、前輪側、後輪側の各ブレーキキャリパ4,4に液圧を供給する一対の液圧モジュレータ6,6を設け、各液圧モジュレータ6を車両の運転条件とブレーキ操作に応じてコントローラ9によって電気的に制御する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、自動二輪車のブレーキ装置、特に、車両の運転条件とブレーキ操作に応じて前輪側と後輪側の車輪制動手段を適切な出力比で連動させることのできる自動二輪車のブレーキ装置に関する。
自動二輪車のブレーキ装置として、前輪側と後輪側の一方のブレーキ操作部(レバー、または、ペダル)を操作したときに、操作した側の車輪制動手段に液圧を作用させる同時に、操作されない側の車輪制動手段にも適切な比率で液圧を作用させる連動ブレーキシステム(CBS;COMBINED BRAKE SYSTEM,以下、「CBS」と呼ぶ。)を採用したものがある。
CBSを採用したブレーキ装置としては、従来、例えば特許文献1に記載されるようなものが案出されている。
このブレーキ装置は、前輪側のブレーキレバー(ブレーキ操作部)に連動するマスターシリンダと前輪側の車輪制動手段を液圧通路によって接続すると共に、前輪側の車輪制動手段に制動トルクによって液圧を発生する二次マスターシリンダを設け、その二次マスターシリンダと後輪側の車輪制動手段を別の液圧通路によって接続し、さらに、その液圧通路に、前輪側と後輪側の液圧配分比を制動操作状態に応じて制御する制御バルブを介装した概略構成となっている。
前記制御バルブは、前輪側と後輪側の液圧配分比が前輪側の入力液圧(制動力)に対応して一義的に決められており、具体的には、図13(b)に示すように、前輪側の制動力が次第に増加していった場合に、前輪側制動力が設定値に達するまでは後輪側制動力が比例的に漸増し、その後、後輪側制動力が一定に保持され、さらに前輪側制動力が次の設定値を超えると、後輪側制動力が逆に比例的に漸減するように設定されている。
したがって、このブレーキ装置の場合、前輪側のブレーキがある操作範囲で操作される間は後輪側制動配分を大きくして制動効率を高め、前記の操作範囲を超えて操作されるときに後輪側制動配分を漸減することによって後輪接地荷重の低下に対応することができる。
特開平7−196068号公報
しかし、この従来のブレーキ装置は、前輪側と後輪側の液圧配分比が前輪側の入力液圧(制動力)に対応して一義的に決められているため、ごく限られた車両使用環境や運転状況等によってはライダーの操作嗜好と若干のズレが生じる場合があり、現在、この点の改良が期待されている。
また、上記従来のブレーキ装置は、前輪側と後輪側の液圧配分比が前輪側の入力液圧に対応して一義的に決められていることから、前輪側の制動力を増加させる場合だけでなく、前輪側の制動力を減少させる場合にも図13(b)に示すように同様の液圧配分比となる。しかし、前輪側に設定値以上の大きな制動力をかける状況において、前輪制動力の増加に対して後輪制動力がある特性勾配に沿って漸減するということは、逆にこの状態から前輪制動力を減少させたときに同じ特性勾配に沿って後輪制動力が漸増することを意味する。このため、CBSを持たない車両の運転に慣れたライダーにはこのときの後輪側の制動挙動を違和感として感じる可能性がある。
そこでこの発明は、ライダーにより違和感のないブレーキ操作を行うことのできる自動二輪車のブレーキ装置を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、前輪側と後輪側の一方のブレーキ操作に他方の車輪制動手段(例えば、実施形態におけるブレーキキャリパ4)を連動させることのできる自動二輪車のブレーキ装置において、車両の運転条件とブレーキ操作に応じて各車輪制動手段の制動力を電気的に制御し、かつ前輪側と後輪側の車輪制動手段に対する制動力配分の仕方の異なる複数の制御モードを有するコントローラ(例えば、実施形態におけるコントローラ9)と、このコントローラの制御モードを手動操作によって切換えるモード切換え手段(例えば、実施形態におけるモード切換えスイッチ13)と、を設けるようにした。
このようにした場合、ライダーが車両使用環境や運転状況等に応じてモード切換え手段を手動操作することにより、コントローラの制御モードが適宜切換えられる。これにより、例えば、ブレーキ操作量−制動力配分特性を異なるものに切換えることが可能となる。
請求項2に記載の発明は、前輪側のブレーキ操作に後輪側の車輪制動手段を連動させることのできる自動二輪車のブレーキ装置において、車両の運転条件とブレーキ操作に応じて各車輪制動手段の制動力を電気的に制御するコントローラを設け、前輪側のブレーキ操作に後輪側の車輪制動手段を連動させる場合には、前記コントローラによる後輪側の車輪制動手段の制動力の制御により、前輪側制動力の増大に応じて後輪側制動力を漸増から漸減に変化させ、前輪側制動力の減少に応じて後輪側制動力を保持、または漸減させるようにした。
このようにした場合、前輪側のブレーキ操作に後輪側の車輪制動手段を連動させるときに、前輪側制動力が次第に強められると、そのブレーキング初期には後輪側の制動力が漸増して制動効率が高まり、ブレーキング後期には後輪側の制動力が漸減することによって後輪接地荷重の低下に対応する。逆に、この状態から前輪側制動力が弱められると、前輪側制動力の減少に応じて後輪側制動力が保持、または漸減するように制御される。
請求項3に記載の発明は、前輪側のブレーキ操作に後輪側の車輪制動手段を連動させることのできる自動二輪車のブレーキ装置において、車両の運転条件とブレーキ操作に応じて各車輪制動手段の制動力を電気的に制御するコントローラを設け、前輪側のブレーキ操作に後輪側の車輪制動手段を連動させる場合には、前輪側ブレーキ操作量が所定操作量以下から増大するときに、前記コントローラが、前輪側ブレーキ操作量の増大に応じて後輪側制動力を漸増から漸減に変化させるように後輪側の車輪制動手段を制御すると共に、前輪側ブレーキ操作量の増大時に後輪側制動力が漸減する操作領域に入ると、その後の前輪側ブレーキ操作量の減少時に、前輪側ブレーキ操作量が最大値であったときの後輪側制動力を一定に保持するブレーキ解除モードにコントローラによる制御を変更するようにした。
このようにした場合、前輪側のブレーキ操作に後輪側の車輪制動手段を連動させる状況下で前輪側ブレーキ操作量が所定操作量以下から増大すると、コントローラは前輪側ブレーキ操作量の増大に応じて後輪側制動力を漸増から漸減に変化させる。コントローラによる制御がブレーキ解除モードに変更されると、前輪側ブレーキ操作量が減少しても、前輪側ブレーキ操作量が最大値であったときの後輪側制動液圧が一定に保持されるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項3の発明において、前記コントローラによる制御をブレーキ解除モードに変更した後には、ブレーキ解除モードと基本モードの後輪側制動力が合致する操作量まで前輪側ブレーキ操作量が減少することをリセット条件として、ブレーキ解除モードを基本モードに戻すようにした。
この場合、一旦ブレーキ解除モードに変更されると、ブレーキ解除モードと基本モードの後輪側制動力が合致する操作量まで前輪側ブレーキ操作量が減少するまでは基本モードに戻らないため、前輪側ブレーキが途中で握り増しされても後輪側制動力は上昇することがない。
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の発明において、前記コントローラによる制御をブレーキ解除モードに変更した後に、前記最大値を超えて前輪側ブレーキ操作量が増大すると、コントローラが前輪側ブレーキ操作量の増大に応じて後輪側制動力を漸減し、その後に前輪側ブレーキ操作量が減少するときには、前輪側ブレーキ操作量の最大値が更新された時点の後輪側制動力を一定に保持するようにした。
この場合、一旦ブレーキ解除モードに変更された後に、前輪側ブレーキの握り増しによって前輪側ブレーキ操作量が最初の最大値を越えて増大すると、コントローラは前輪側ブレーキ操作量の増大に応じて後輪側制動力を漸減させる。この後に前輪側ブレーキ操作量が減少するときには、コントローラはブレーキ操作量の最大値が更新された時点の低い値に後輪側制動力を保持しつづける。
請求項6に記載の発明は、前輪側のブレーキ操作に後輪側の車輪制動手段を連動させることのできる自動二輪車のブレーキ装置において、車両の運転条件とブレーキ操作に応じて各車輪制動手段の制動力を電気的に制御するコントローラを設け、前輪側のブレーキ操作に後輪側の車輪制動手段を連動させる場合には、前輪側ブレーキ操作量が所定操作量以下から増大するときに、前記コントローラが、前輪側ブレーキ操作量の増大に応じて後輪側制動力を漸増から漸減に変化させるように後輪側の車輪制動手段を制御すると共に、前輪側ブレーキ操作量の増大時に後輪側制動力が漸減する操作領域に入ると、その後の前輪側ブレーキ操作量の減少時に、前輪側ブレーキ操作量が最大値であったときの後輪側制動力から制動力を漸減させるブレーキ解除モードにコントローラによる制御を変更するようにした。
このようにした場合、前輪側のブレーキ操作に後輪側の車輪制動手段を連動させる状況下で前輪側ブレーキ操作量が所定操作量以下から増大すると、コントローラは前輪側ブレーキ操作量の増大に応じて後輪側制動力を漸増から漸減に変化させる。コントローラによる制御がブレーキ解除モードに変更されると、前輪側ブレーキ操作量の減少に伴い前輪側ブレーキ操作量が最大値であったときの後輪側制動力から制動力が漸減するようになる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記ブレーキ解除モードは、制動力の漸減によって後輪側制動力が下限値制動力に達する前輪側ブレーキ操作量以下になると、後輪側制動力を下限値制動力に保持するようにした。
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の発明において、前記コントローラによる制御をブレーキ解除モードに変更した後には、ブレーキ解除モードと基本モードの後輪側制動力が合致する操作量まで前輪側ブレーキ操作量が減少することをリセット条件として、ブレーキ解除モードを基本モードに戻すようにした。
この場合、一旦ブレーキ解除モードに変更されると、ブレーキ解除モードと基本モードの後輪側制動力が合致する操作量まで前輪側ブレーキ操作量が減少するまでは基本モードに戻らないため、前輪側ブレーキが途中で握り増しされても後輪側制動力は急激に上昇することがない。
請求項9に記載の発明は、請求項6〜8のいずれかに記載の発明において、前記コントローラによる制御をブレーキ解除モードに変更した後に、前記最大値を超えて前輪側ブレーキ操作量が増大すると、コントローラが前輪側ブレーキ操作量の増大に応じて後輪側制動力を漸減し、その後に前輪側ブレーキ操作量が減少するときには、ブレーキ操作量の最大値が更新された時点の後輪側制動力から制動力を漸減させるようにした。
この場合、基本モードから一旦ブレーキ解除モードに変更された後に、前輪側ブレーキの握り増しによって前輪側ブレーキ操作量が最初の最大値を越えて増大すると、コントローラは前輪側ブレーキ操作量の増大に応じて後輪側制動力を漸減させる。この後に前輪側ブレーキ操作量が漸減するときには、コントローラはブレーキ操作量が更新された時点の低い後輪側制動力から制動力を漸減させる。
請求項1に記載の発明は、ライダーが車両使用環境や運転状況等に応じてコントローラの制御モードを適宜手動操作によって切換えることができるため、常にライダーの操作嗜好に適合した制動制御を行うことができる。
請求項2に記載の発明は、前輪側のブレーキ操作に後輪側の車輪制動手段を連動させる場合には、前輪側制動力の減少に応じて後輪側制動力が保持、または漸減するように制御されるため、CBSを持たない車両と同様のブレーキ操作感を得ることができる。
請求項3〜5に記載の発明は、前輪側のブレーキ操作に後輪側の車輪制動手段を連動させる場合には、コントローラによる制御がブレーキ解除モードに変更された時点で、前輪側ブレーキ操作量の減少に応じて後輪側制動力が一定に保持されるようになるため、CBSを持たない車両と同様のブレーキ操作感を得ることができる。
請求項4に記載の発明は、ブレーキ解除モードに変更後に前輪側ブレーキが途中で握り増しされても、リセット条件を満たさない限り後輪側制動力が上昇することがないため、握り増し時に後輪側制動力が急激に上昇することによる制動フィーリングの変化を未然に防止することができる。
請求項5に記載の発明は、ブレーキ解除モードに変更後に前輪側ブレーキの操作量が最初の最大値を越えるように途中で握り増しされると、その後の前輪側ブレーキ操作量の減少時に最大値が更新された時点の低い後輪側制動力に一定に保持されるため、握り増し時における制動フィーリングの変化を防止することができる。
請求項6〜9に記載の発明は、前輪側のブレーキ操作に後輪側の車輪制動手段を連動させる場合には、コントローラによる制御がブレーキ解除モードに変更された時点で、前輪側ブレーキ操作量の減少に応じて後輪側制動力が漸減するように制御されるため、CBSを持たない車両と同様のブレーキ操作感を得ることができる。
請求項7に記載の発明は、ブレーキ解除モードに変更後の制動力の漸減によって後輪側制動力が下限値制動力に達するブレーキ操作量以下になると、後輪側制動力を下限値制動力に保持するようになるため、ブレーキ操作量の減少時に後輪側制動力が上昇するのを無くすことができる。
請求項8に記載の発明は、ブレーキ解除モードに変更後に前輪側ブレーキが途中で握り増しされても、リセット条件を満たさない限り後輪側制動力が上昇することがないため、後輪側制動力が急激に上昇することによる制動フィーリングの変化を未然に防止することができる。
請求項9に記載の発明は、ブレーキ解除モードに変更後に前輪側ブレーキが最初の最大値を越えるように途中で握り増しされると、その後の前輪側ブレーキ操作量の減少時に最大値が更新された時点の低い後輪側制動力から制動力が漸減されるため、握り増し時における制動フィーリングの変化を防止することができる。
次に、この発明の実施形態を図面に基いて説明する。
図1は、この発明にかかるブレーキ装置の一実施形態の全体構成を示すものであり、この実施形態のブレーキ装置は、同図に示すように相互に独立した前輪側ブレーキ回路1aと後輪側ブレーキ回路1bを備えている。この実施形態の場合、前輪側と後輪側のブレーキ回路1a,1bは、前輪側のブレーキ操作部2がレバーによって構成され、後輪側のブレーキ操作部2がペダルによって構成されている点で異なるが、その他の基本的構成はほぼ同様とされている。以下の具体的な回路構成の説明においては、前輪側ブレーキ回路1aについてのみ詳述し、後輪側ブレーキ回路1bについては、前輪側ブレーキ回路1aと同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略するものとする。
各ブレーキ回路1a,1bは、ブレーキ操作部2に連動するマスターシリンダ3と、それに対応する車輪制動手段であるブレーキキャリパ4とが主ブレーキ通路5によって接続され、その主ブレーキ通路5の途中に、後述する電動アクチュエータによって液圧を作り出す液圧モジュレータ6が合流接続されている。そして、主ブレーキ通路5上の液圧モジュレータ6との合流接続部よりもマスターシリンダ3側位置には、マスターシリンダ3とブレーキキャリパ4の連通と遮断を操作する常開型の第1の電磁開閉弁7が介装されると共に、この第1の電磁開閉弁7が主ブレーキ通路5を閉じたときに、適宜ブレーキ操作部2の操作量に応じた擬似的な液圧反力をマスターシリンダ3に作用させる液損シミュレータ45が接続されている。また、液圧モジュレータ6の電動アクチュエータと第1の電磁開閉弁7は、液圧モジュレータ6等に内蔵される他の弁類等と共にコントローラ(ECU)9によって電気的に制御されるようになっている。
尚、コントローラ9には、各ブレーキ回路1a,1bの入力側(第1の電磁開閉弁7を挟んでマスターシリンダ3側)と出力側(同弁7を挟んでブレーキキャリパ4側)の液圧を検出する各圧力センサ10,11と、前後輪の各車輪速度を検出する車輪速度センサ12のほか、制御モードをライダーによる手動操作で切換えるモード切換えスイッチ13(モード切換え手段)等が接続されており、コントローラ9は、これらの入力信号やモード切換え信号に応じてブレーキキャリパ4の制動圧を制御する。
このブレーキ装置は、前輪側と後輪側の一方のブレーキ操作部2が操作されたときに他方のブレーキキャリパ4を連動操作し得るCBSを備えており、このCBSの従となる側のブレーキキャリパ4はバイワイヤ方式によって液圧モジュレータ6からの供給圧によって操作される。つまり、一方のブレーキ操作部2が操作されると、そのとき前後輪の速度やブレーキ操作量等の情報が各種センサを通してコントローラ9に入力され、このときコントローラ9からの指令によって両方のブレーキ回路の第1の電磁開閉弁7が主ブレーキ通路5を閉じると同時に、液圧モジュレータ6が両方の回路のブレーキキャリパ4に車両の運転条件やブレーキ操作に応じた液圧を供給する。ただし、このようにブレーキ操作されない側の回路に液圧モジュレータ6から液圧が供給されるのは、後に詳述するモード切換えスイッチ13がCBSを許容するモードに設定されているときに限る。
また、主ブレーキ通路5に介装される第1の電磁開閉弁7は常開型であるため、車両の通常運転中等には非通電にしておくことで、車両の電流消費を抑えることができる。尚、以上はブレーキ操作が比較的短時間行われるときの説明であるが、このブレーキ装置は、坂道での停車等のブレーキ操作が長時間にわたって行われるときには、さらに電流消費を抑制するモードに移行するようになっている。この電流抑制モードについては後に述べる。
つづいて、液圧モジュレータ6の具体的な構造と機能について図2〜図10を参照して説明する。
液圧モジュレータ6は、図4の展開断面図に示すように、モジュレータボディ14内に形成されたシリンダ15にピストン16が進退自在に収容され、そのシリンダ15とピストン16の間に液圧室17が隔成されている。この液圧室17は常閉型の第3の電磁開閉弁18が介在されたメインの給排通路19によってモジュレータボディ14の出力ポート20に接続されている。この出力ポート20は、図3,図9,図10に示すように主ブレーキ通路5に接続され、液圧室17と主ブレーキ通路5の間で適宜作動液の給排が行われるようになっている。尚、図4に示す液圧モジュレータ6と、図3,図9,図10に示す液圧モジュレータ6は液圧室17から主ブレーキ通路5に繋がる内部通路が異なって描かれているが、これは図示都合上の相違であって実際の構造と機能は変わるものではない。
また、液圧モジュレータ6は、図4に示すように前記ピストン16を液圧室17方向に押し上げるカム機構21と、ピストン16をカム機構21側に常時押し付けるリターンスプリング22と、カム機構21を作動させる電動アクチュエータとしての電動モータ23と、を備え、この電動モータ23がコントローラ9(図1参照。)によって適宜正逆方向に回転制御されるようになっている。
カム機構21は、モジュレータボディ14内に軸受支持されたカム軸24に、一対のカムローラ25,26がカム軸24の回転中心から偏心するように設けられている。この両カムローラ25,26は、カム軸24の外周部にその軸と平行に設けられた共通のシャフト27に針状ころ軸受28を介して回転自在に支持されている。したがって、両カムローラ25,26はカム軸24の外周部に軸方向に直列に並んだかたちで配置されている。一方のカムローラ25には、リターンスプリング22によって付勢されたピストン16の端部が常時当接し、他方のカムローラ26には後述するリフター29が当接するようになっている。
また、前記カム軸24の一端にはセクタギヤ30が一体に設けられ、このセクタギヤ30部分が減速ギヤ31を介して電動モータ23の出力軸上のピニオンギヤ32に連繋されている(図4,図6(b)参照。)。したがって、電動モータ23の回転トルクはこれらのギヤによる噛み合いによってカム軸24に伝達され、そのトルクによるカム軸24の回動はカムローラ25を介してピストン16に操作力として伝達される。また、カム軸24の一端にはさらに角度センサ33が設けられており、この角度センサ33で検出されたカム軸24の角度情報がコントローラ9にフィードバックされるようになっている。
ピストン16は、シリンダ15内の略中央位置を中立基準位置としてシリンダ15内の一端側領域と他端側領域で作動制御される。図3,図4と図6(a),図6(b)は、ピストン16が中立基準位置にある状態を示し、この状態ではカム軸24上のカムローラ25の偏心位置がピストン16のストローク方向と略直交している。電動モータ23は通電制御によってこのカムローラ25の偏心位置を図中上下に適宜回動操作する。
この実施形態の液圧モジュレータ6では、中立基準位置に対して液圧室17が拡張される側(図4では下方側)の領域はABS制御に用い、逆に液圧室17が縮小される側(図4では上方側。)の領域は主にCBS制御に用いるようにしている。ABSは、主ブレーキ通路5(ブレーキキャリパ4)に対する減圧から始まり、保持、再増圧といった液圧制御を行うものであるため、中立基準位置からのピストン作動によって液圧室17が拡張される領域の使用は制御に好適であり、また、CBSは、主ブレーキ通路(ブレーキキャリパ4)に作動液を積極供給することから始まるものであるため、中立基準位置からのピストン作動によって液圧室17が縮小される領域の使用はその制御に好適である。尚、図7(a),(b)と図9はCBS制御の状態を示し、図8(a),(b)と図10はABS制御の状態を示す。
したがって、この液圧モジュレータ6の場合、シリンダ15の略中央位置を中立基準位置としてピストン16を両領域でABSとCBSで夫々使い分けることにより、ABS用とCBS用の専用のピストンを別々に設ける必要を無くすことができる。このため、この液圧モジュレータ6では部品点数の削減とモジュレータ自体の小型・軽量化が可能となっている。
また、液圧モジュレータ6の他方のカムローラ26の下方位置には、図6〜図8に示すように、有底円筒状の前記リフター29が進退自在に配置され、そのリフター29が、入れ子型に配置された一対のバックアップスプリング34a,34b(付勢手段)によってカムローラ26方向に付勢されている。リフター29はモジュレータボディ14内の段差状の収容穴35内に配置されており、そのリフター29の開口縁には収容穴35の段差面36に当接可能なストッパフランジ37が一体に形成されている。このストッパフランジ37は、収容穴35の段差面と共にバックアップスプリング34a,34bによるピストン16の付勢位置を規制するストッパを構成している。このストッパ(ストッパフランジ37と段差面36)は、バックアップスプリング34a,34bによるピストン16の最大付勢位置を前記の中立基準位置に規制する。
バックアップスプリング34a,34bは、液圧室17を縮小する方向にピストン16を付勢するものであるが、このピストン16に対する付勢力は電動モータ23が非通電状態になったときに主に発揮され、電動モータ23のトルクが作用しない状況下になると、前述のストッパが機能する中立基準位置までピストン位置を戻すようになる。尚、バックアップスプリング34a,34bとリターンスプリング22のばね反力は、ピストン16が中立基準位置にあるときにバックアップスプリング34a,34b側の方が大きくなるように設定され、ピストン16には両側スプリング34a,34b,22から中立基準位置に戻す方向のばね反力が作用するようになっている。
また、モジュレータボディ14には、図4に示すように、第3の電磁開閉弁18を迂回して液圧室17と出力ポート20を接続するバイパス通路38が設けられている。このバイパス通路38には、液圧室17から出力ポート20方向への作動液の流通を許容する逆止弁39が設けられている。
メインの給排通路19中の第3の電磁開閉弁18は常閉型であり、ABS制御時と、CBS制御で液圧モジュレータ6からブレーキキャリパ4に作動液を供給するときにだけ通電によって開かれる。しかし、このような制御状況下にあっても、何等かの原因によって第3の電磁開閉弁18が非通電になると、給排通路19は自動的に閉じられてしまう。このブレーキ装置では、このように第3の電磁開閉弁18が閉じられた状況においても、液圧室17から主ブレーキ通路5方向の作動液の流通はバイパス通路38と逆止弁39によって確保される。
また、このブレーキ装置の場合、各ブレーキ回路の出力側の液圧を検出する圧力センサ11は液圧モジュレータ6のモジュレータボディ14に組み付けられ、センサ検出部がモジュレータボディ14内の給排通路19のうちの第3の電磁開閉弁18よりも上流側位置(出力ポート20側位置)に臨むように配置されている。したがって、このブレーキ装置では、圧力センサ11を液圧モジュレータ6と一体ブロックとしてコンパクトに配置することができると共に、ブレーキ回路の出力側の液圧をブレーキキャリパ4に近接した部位において検出することができる。
また、この実施形態の液圧モジュレータの場合、図5〜図8に示すように軸長の長い機能部品である圧力センサ11、電動モータ23、第3の電磁開閉弁18の三者が相互に平行になるようにモジュレータボディ14に組み付けられている。このため、液圧モジュレータ6全体がコンパクトになり、車両に搭載するうえで非常に有利になる。
次に、液損シミュレータ45部分の具体的な構造について図11,図12を参照して説明する。尚、図11,図12に示す構造は、図3,図9,図10に示したものと構成部品の向き等が異なって描かれているが、これは図示の都合上によるものである。
液損シミュレータ45は、一体ブロック状の流路切換えユニット8内に組み込まれている。この流路切換えユニット8のユニットボディ40には主ブレーキ通路5の一部を成す主ブレーキ構成路5aが形成されており、この主ブレーキ構成路5aの一端と他端が夫々マスターシリンダ3側に連通する入口ポート41と、ブレーキキャリパ4側に連通する出口ポート42とされている。また、ユニットボディ40には、前記常開型の第1の電磁開閉弁7が一体に組み付けられ、この第1の電磁開閉弁7の開閉操作部が主ブレーキ構成路5aを開閉するようになっている。
そして、前記主ブレーキ構成路5a中の第1の電磁開閉弁7よりも上流側位置(マスターシリンダ3側位置)には分岐通路43が設けられ、この分岐通路43に常閉型の第2の電磁開閉弁44を介して液損シミュレータ45が接続されている。第2の電磁開閉弁44は第1の電磁開閉弁7と同様にコントローラ9によって通電制御され、CBS制御時に、従となるブレーキ通路側においてマスターシリンダ3側と液損シミュレータ45とを連通させる。尚、このとき第1の電磁開閉弁7は通電によって主ブレーキ構成路5aを閉じる。
また、分岐通路43の第2の電磁開閉弁44よりも上流側(入口ポート41側)にはブレーキ回路の入力側の圧力センサ10が設けられている。この圧力センサ10はユニットボディ40に一体に組み付けられ、圧力検出部が分岐通路内に臨むように配置されている。分岐通路43の第2の電磁開閉弁44よりも上流側部分は、常開型の第1の電磁開閉弁7の開閉に関係なく常時入口ポート41に導通しているため、圧力センサ10は常に回路内のマスターシリンダ3近傍の圧力を正確に検出することができる。
一方、液損シミュレータ45は、ユニットボディ40に形成されたシリンダ46にピストン47が進退自在に収容され、このシリンダ46とピストン47の間に、マスターシリンダ3側から流入した作動液を受容する液室48が形成されている。ピストン47の背部側には、金属製のコイルスプリング49と異形樹脂スプリング50が直列に配置されており、これらの特性の異なる二つのスプリング49,50(弾性部材)によってピストン47に反力を付与するようになっている。
また、シリンダ46内のピストン47の背部側には、軸方向略中央に一対のフランジ51a,51bを有するガイドロッド52が配置されている。このガイドロッド52の一端はピストン47の背部中央に形成された収容穴53内に挿入され、他端は異形樹脂スプリング50の軸心部を貫通している。コイルスプリング49は、ピストン47の収容穴53とガイドロッド52の一端部の間に配置され、ピストン47の背面がガイドロッド52のフランジ51aに当接するまでの間ストロークに応じたばね反力を発生するようになっている。一方、異形樹脂スプリング50は、シリンダ46の底部に配置されたスラストワッシャ54とガイドロッド52の他方のフランジ51bの間に配置されており、ガイドロッド52の後退ストロークに応じて形状を変化させ、このとき変形に伴う反力と減衰抵抗(内部摩擦抵抗)を発生するようになっている。尚、異形樹脂スプリング50の形状や材質は狙いとする特性に応じて決められる。
ここで、コイルスプリング49と異形樹脂スプリング50のばね定数は異形樹脂スプリング50側の方が全体的に大きく設定され、ピストン16が後退ストロークするときにはコイルスプリング49が先に変形を開始するようになっている。また、金属材料から成るコイルスプリング49は線形的なばね特性を有し、異形樹脂スプリング50はヒステリシス特性(減衰特性)を有している。このため、この液損シミュレータ45においては、ピストン16の後退初期には、主にコイルスプリング49による立ち上がりの緩やかな反力特性が得られ、後退後期には、異形樹脂スプリング50による反力の立ち上がりが急で減衰特性をもった特性が得られる。
このブレーキ装置の場合、CBS制御時に、後から遅れて操作された側のブレーキ回路ではマスターシリンダ3から液損シミュレータ45に作動液が導入されるが、このとき液損シミュレータ45では上述のようにニ種のスプリング49,50による多段の反力を発生するため、極めて簡単な構造でありながら直接操作タイプのブレーキ装置と変わらぬ自然なブレーキ操作感を得ることができる。
また、ユニットボディ40には、第2の電磁開閉弁44を迂回して液損シミュレータ45と、主ブレーキ構成路5aの第1の電磁開閉弁7よりも上流側部位とを連通するバイパス通路55が設けられている。そして、このバイパス通路55には液損シミュレータ45側から入口ポート41方向(マスターシリンダ3方向)の作動液の流れを許容する逆止弁56が設けられている。したがって、作動液が液損シミュレータ45に導入された状態でCBS制御が解除されたとしても、液損シミュレータ45内の作動液はバイパス通路55を通ってマスターシリンダ3側に確実に戻される。これにより、液損シミュレータ45のピストン47が初期位置に確実に戻されるため、次にCBS制御が開始されたときにも同様のブレーキ操作感を得ることができる。
また、この実施形態においては、主ブレーキ通路5を開閉する第1の電磁開閉弁7が液損シミュレータ45と共に流路切換えユニット8に一体に組み付けられているため、両者を一体ブロックとしてコンパクトにすることができる。さらに、この実施形態では、第1の電磁開閉弁7ばかりでなく、入力側の圧力センサ10と、第2の電磁開閉弁44も同じユニット8に一体化されているため、機能部品の密集度が高まり、これらの機能部品を車両に搭載するうえで非常に有利となる。
さらに、前記の流路切換えユニット8では、軸長の長い機能部品である第1と第2の電磁開閉弁7,44と圧力センサ10がすべて液損シミュレータ45に対して平行になるようにユニットボディ40に組み付けられている。このことは、流路切換えユニット8自体をコンパクトにするうえで有利となる。
また、流路切換えユニット8では、第1の電磁開閉弁7と第2の電磁開閉弁44の軸方向位置がずらして配置され、入口ポート41から第2の電磁開閉弁44に繋がる通路(主ブレーキ構成路5aの一部と分岐通路43の一部)が直線状に形成されている。このため、通路の加工が容易になるという利点がある。
以上の構成部品の説明を踏まえ、ブレーキ装置全体の作動について説明する。ただし、モード切換えスイッチ13は、CBSを許容するモードになっているものとする。
車両の走行時に、ライダーが前輪側と後輪側の一方のブレーキ操作部2を操作した場合、両方のブレーキ回路では、第1〜第3の電磁開閉弁7,44,18がすべて通電され、主ブレーキ通路5が第1の電磁開閉弁7によってマスターシリンダ3から切り離されると同時に、第2の電磁開閉弁44の開作動によってマスターシリンダ3と液損シミュレータ45が導通し、さらに第3の電磁開閉弁18の開作動によって液圧モジュレータ6と主ブレーキ通路5が導通する。これにより、ライダーは液損シミュレータ45によって擬似的に再現させたブレーキ操作感を感じることが可能になり、同時に液圧モジュレータ6の作動による液圧変動はライダー側に伝達されなくなる。また、このとき、これに並行して液圧モジュレータ6の電動モータ23が作動し、カムローラ25がピストン16を押し上げることによって液圧室17の作動液を加圧する。これによって、電動モータ23の制御に応じた液圧が主ブレーキ通路5を通してブレーキキャリパ4に供給される。
尚、このとき液圧モジュレータ6からブレーキキャリパ4に供給される液圧は、前後のブレーキの液圧が予め設定された配分比になるように制御される。また、このようなCBS制御において、モジュレータ作動側の車輪がロックしそうになったことが検出されたときには、コントローラ9による電動モータ23の制御によってピストン16を後退させ、ブレーキキャリパ4の制動圧を低下させることによって車輪のロックを回避する。
ところで、このようにABS制御が開始され、液圧モジュレータ6内のピストン16が後退すると、カム軸24上のカムローラ25の偏心回転によってバックアップスプリング34a,34bがリフター29を介して圧縮される。正常なABS作動においては、この状態からのピストン16の上昇作動は基本的に電動モータ23の力によって行われるが、ABS制御中に電動モータ23が何等かの原因によって非通電になったときには、ピストン16はバックアップスプリング34a,34bの力によって中立基準位置まで戻され、液圧室17内に退避していた作動液が主ブレーキ通路5に戻される。また、このとき第3の電磁開閉弁18が同時に非通電になると、液圧モジュレータ6内のメインの給排通路19が閉じられるが、このとき液圧室17内の作動液はバイパス通路38と逆止弁39を通って主ブレーキ通路5に戻される。
また、これらの一連のブレーキ操作によって車両が停止すると、両方の車輪側には液圧モジュレータ6による液圧が作用することとなるが、車両停止後に一定時間が経過すると、液圧モジュレータ6(電動モータ23)の作動を停止する前記の電流抑制モードに移行する。
この電流抑制モードでは、まず、ブレーキキャリパ4を加圧している側の液圧モジュレータ6の第3の電磁開閉弁18の通電を停止し、こうしてモジュレータ6と主ブレーキ通路5の連通を遮断した状態で電動モータ23の作動を停止する。このとき主ブレーキ通路5とブレーキキャリパ4には液圧モジュレータ6で発生した液圧が残っているため、その液圧によって制動力が維持される。
次に、流路切換えユニット8内の第1と第2の電磁開閉弁7,44の通電を停止する。これにより、まず、第2の電磁開閉弁44が閉じることによってマスターシリンダ3と液損シミュレータ45の連通が遮断され、同時に第1の電磁開閉弁7が開くことによってマスターシリンダ3と主ブレーキ通路5のブレーキキャリパ4側が連通する。このとき主ブレーキ通路5には液圧モジュレータ6で発生した液圧が残っているため、マスターシリンダ3側のストロークはそのまま保持される。
このような順序で電流抑制モードに移行することにより、ライダーに違和感を与えることなく、マスターシリンダ3による制動に切換えることができる。そして、こうして電動モータ23の作動を停止しても、確実に制動力を保持することができるため、電動モータ23による電流消費を抑えることができ、しかも、電動モータ23のモータ・ブラシの摩耗等も軽減することができる。また、同時に各電磁開閉弁7,44,18での電流消費も抑制することができる。
また、この後ライダーがブレーキ操作を解除すると、ブレーキキャリパ4側からマスターシリンダ3に作動液が戻され、同時に液損シミュレータ45に残存した作動液がバイパス通路55と逆止弁56を介してマスターシリンダ3に戻される。そして、コントローラ9はブレーキ回路の入力側の液圧が大気圧になった時点で第3の電磁開閉弁18を開き、同時に電動モータ23を作動させて液圧モジュレータ6内のピストン16を中立基準位置まで後退させる。
以上がこのブレーキ装置の基本な作動であるが、CBS制御の開始条件は、ブレーキ操作量(ブレーキ回路の入力側の液圧)や車速等に応じてコントローラ9によって制限することもできる。例えば、ブレーキ操作量が小さい領域では、CBS制御を行わずに前後輪を夫々マスターシリンダ3の液圧のみによって制動し、ブレーキ操作量がある程度以上大きくなったときにのみ前述の液圧モジュレータ6を使用するCBS制御を行うようにしても良い。また、前後のブレーキが同時に大きく操作されたときには、CBS制御を行わずに前後輪をマスターシリンダ3の液圧によって制動することにより、電流消費の抑制を図るようにしても良い。
また、この実施形態のブレーキ装置の場合、コントローラ9による制御モードが複数種用意されており、ライダーはモード切換えスイッチ13を操作することによって任意の制御モードに切換えることができる。
このブレーキ装置では、このような制御モードをライダーが車両使用環境や運転状況等に応じて適宜切換えることができるため、常に、ライダーのブレーキ操作嗜好に適合した制動を行うことができる。
また、エンジン回転数や車速等の情報からコントローラが走行条件を推定し、走行条件に応じたモードを自動的に選択するようにしても良い。
また、予め用意する制御モードは、上記の他にもブレーキ操作量に応じた前後の液圧配分を固定した制御モードや、CBS制御の開始条件の異なる制御モードを設けるようにしても良い。
ところで、このブレーキ装置は、前輪側のブレーキ操作に後輪側を連動させるCBS制御が行われる場合、図13(a)に示すように、前輪側制動力を増大させるとき(ブレーキ操作量を増大させるとき)と、逆に前輪側制動力を減少させるとき(ブレーキ操作量を減少させるとき)とで、前輪側と後輪側の制動力配分比が異なるようになっている。
即ち、前輪側制動力を増大させるときには、ある領域までは後輪側制動力が漸増するように液圧制御され、その後に前輪側制動力が設定値に達するまで後輪側制動力が一時ほぼ一定に維持された後、設定値を超えたところで後輪側制動力が漸減するように液圧制御される。このように前輪側制動力が増す状況下では、後輪側制動力をこのように制御することにより、ブレーキング初期の制動効率の向上と、ブレーキング後期の後輪設置荷重の低下に対応することができる。
他方、前輪側制動力が設定値以上になった後に、前輪側制動力を減少させるときには、後輪側制動力は前輪側制動力の減少に応じて現状維持または漸減するように液圧制御される(図13(a)中の矢印参照)。このように前輪側制動力が減少する状況下では、後輪側制動力の漸増を抑えることによって後輪のスリップ率の増加を回避し、ライダーに自然なブレーキ操作感を与えることができる。
図14は、時間を横軸に取り、前輪側のマスターシリンダ圧と後輪側のブレーキキャリパ圧を縦軸に取ったこの実施形態の特性図である。同図に示すように前輪側ブレーキ操作量(マスターシリンダ圧fmp)が最大になった後にブレーキ操作量が減少すると、後輪側の制動液圧(rcs)は増大することなく、一時ほぼ一定圧に保持された後に漸減する。
ここで、前輪側のブレーキ操作の減少時に後輪側制動力を一定に保持する制御を採用した場合の具体的処理について図15〜図23を参照して説明する。
まず、コントローラによるCBS制御について説明すると、図19に示すように、S101において、メモリ内の変数を初期化した後に、S102において、前輪側と後輪側のマスターシリンダ圧fmp,rmp、前輪速度fvw、後輪速度rvw等の車体情報を読み込み、103において、他方のブレーキの操作量を加味したアシスト圧fas,rasを計算する。S104においては、CBSによる前輪側と後輪側のブレーキキャリパ圧fcs,rcsを計算し(以下、この計算値を「CBS圧」と呼ぶ。)、さらにS105において、最終的な目標制御圧ftp,rtpを計算して、次の106において、目標制御圧になるように液圧モジュレータ6(ブレーキキャリパ圧)を制御する。
S103のアシスト圧の計算は、図20中のS201,S202において、図示しないマップを参照することによって前輪側と後輪側の各マスターシリンダ圧fmp,rmpに対応するアシスト圧fas,rasを求める。
一方、S104のCBS圧fcs,rcsの計算は、図21のフローに沿って行われる。
即ち、まず、S301において、図示しないマップを参照することによって後輪側のマスターシリンダ圧rmpに対応する前輪側のCBSベース圧fcsbを計算した後に、前回処理時の後輪側CBS圧を示す変数rcs_pに前回処理時の後輪側CBS圧rcsを代入し、次のS303において、図16〜図18に示すようなマップを参照して前輪側のマスターシリンダ圧fmpに対応する後輪側のCBSベース圧rcsbを求める。そして、S304とS305において、夫々図示しないマップを参照して、車輪速に対応する補正係数krcsvと後輪側マスターシリンダ圧rmpに対応する補正係数krcsrpを求めた後に、S306において、CBSベース圧rcsbに補正係数krcsv,krcsrpを掛けあわせ、CBSの演算圧を示す変数rcs_calにその結果を代入する。
次のS307においては、現在の後輪側のCBS制御モードの判定を行い、S308、S311においては、前輪側のマスターシリンダ圧fmpの判定を行う。
ここで、CBC制御モードは、基本モードCBS_Hとブレーキ解除モードCBS_Lの二種類が用意されており、基本モードCBS_Hは、マスターシリンダ圧fmpがゼロ(ブレーキ操作量がゼロ)の状態から上側の規定値FMP_Hまでの間、図16の特性線Jに沿って変化する液圧制御モードであり、ブレーキ解除モードCBS_Lは、マスターシリンダ圧fmp(ブレーキ操作量)が上側の規定値FMP_Hを超えた後に変更されて、主にブレーキ解除時に(ブレーキ操作量が減少するときに)図16の特性線Kに示すように一定圧に保持される液圧制御モードである。
この二種類のCBS制御モードは、正確には、以下の表1の条件で変更されるように設定されている。ただし、この表1の矢印左側は、現在のCBS制御モードの状態と現在の前輪側のマスターシリンダ圧fmpの状態(規定値FMP_H,FMP_Lとの大小関係)を示し、矢印右側は、これらの条件に応じて変更されるCBS制御モードを示す。
Figure 2005239134
S308,S311の各判定結果につづく、S309,S310と、S312,S313は、現在のCBS制御モードとマスターシリンダ圧fmpに応じたCBS制御モードの変更を行う。ここでの制御モードの変更は表1に示すものと同じである。
つづく、図22のS314においては、変更されたCBS制御モードが基本モードCBS_Hとブレーキ解除モードCBS_Lのいずれであるかを判定し、基本モードCBS_Hであるある場合にはS315に進み、ブレーキ解除モードCBS_Lである場合にはS316に進む。
また、S316では、CBSの演算圧を示す変数rcs_cal(S306参照)と前回処理時のCBS圧を示す変数rcs_p(S302参照)の値を比較し、演算圧rcs_calの方が前回処理時のCBS圧rcs_pよりも大きい場合にはS317に進み、前回処理時のCBC圧rcs_p以下の場合にはS318に進む。
S315とS317では、CBS圧rcsをS306で求めた演算圧rcs_calに決定し、S318では、CBS圧rcsを前回処理時のCBS圧rcs_pに決定する。
ここでの処理をまとめると、以下の表2のようになる。
Figure 2005239134
つまり、この図22の処理の最終段階では、CBS制御が基本モードCBS_Hのときには、演算圧rcs_calをそのままCBS圧rcsとし、CBS制御がブレーキ解除モードCBS_Lのときには、演算圧rcs_calと前回処理時のCBS圧rcs_pのうちのいずれか小さい方をCBS圧rcsとする。
そして、こうしてCBS圧rcsが決定されると、次に、図23に示すようにS401とS402において、アシスト圧fas,rasとCBS圧fcs,rcsを夫々加算して前輪側と後輪側の目標制御圧ftp,rtpを求める。
尚、図21,図22のCBS圧の演算フローにおいては、S304,305において補正係数krcsv,krcsrpを求め、つづくS306において、CBSベース圧fcsbに補正係数krcsv,krcsrpを掛け合わせてCBSの演算圧rcs_calを求めるようにしているが、図24に示す演算フローのように補正係数krcsv,krcsrpを掛け合わせずに、CBSベース圧fcsbをそのままCBSの演算圧rcs_calとすることも可能である。
今、アシスト圧fas,rasが小さいものとすると、CBSに伴う後輪側制動液圧は前述のフローによって決定されるCBS圧rcsとほぼ等しくなる。このため、以下では説明を容易にするためにアシスト圧fas,rasがゼロ若しくは充分に小さいものとして説明する。
前述のCBS圧rcsの演算フローに沿って制御が行われると、前輪側のマスターシリンダ圧fmp(ブレーキ操作量)の増加に応じてCBS圧rcs(後輪側制動液圧)が図16に示すように漸増し、マスターシリンダ圧fmpが上側の規定値FMP_Hを超えたところで、CBS制御モードが基本モードCBS_Hからブレーキ解除モードCBS_Lに変更される。この状態からさらにマスターシリンダ圧fmpが増加すると、その増加に応じてCBS圧rcsが漸減するようになる。ここまでは、前述のフローのS315やS317の処理であり、CBS圧rcsはこのとき演算圧rcs_calに設定されている。
次に、この状態から前輪側のブレーキ操作が緩められてマスターシリンダ圧fmpが減少すると、マスターシリンダ圧fmpが(ブレーキ操作量が)最大値であったときのCBS圧rcs(後輪側制動液圧)を一定に保持する。そして、このときのCBS圧rcsは、ブレーキがさらに握り増しやブレーキ解除操作が行われた場合であっても、図16のP,Q間にある限り一定に保持される。ここでの制御は、前述のフローのS318の処理であり、このときCBS圧rcsは前回処理時のCBS圧rcs_pに設定されている。
したがって、このように一旦ブレーキ解除モードCBS_Lに入ると、ブレーキ操作量の減少後にブレーキが握り増しされても、CBS圧rcs(後輪側制動液圧)が急激に立ち上がることがない。つまり、握り増しされたときには、図15のmのような特性になり、同図中のm´のようにCBS圧rcs(後輪側制動液圧)が立ち上がることがない。
ところで、ブレーキ解除モードCBS_Lは、図17に示す特性線Kが基本モードCBS_Hの特性線Jと交差するようにマスターシリンダ圧fmpが低下することをリセット条件として基本モードCBS_Hに戻される。
また、ブレーキ解除モードCBS_Lに変更されてCBS圧rcs(後輪側制動液圧)が一定に保持された後、ブレーキの握り増しによってマスターシリンダ圧fmpの最大値が更新された場合には、図18に示すようにマスターシリンダ圧fmpの増大(ブレーキ操作量の増大)に伴ってCBS圧rcsが漸減し、その後にマスターシリンダ圧fmpが減少するときにはマスターシリンダ圧fmpの最大値が更新された時点の、低いCBS圧rcsが一定に保持されるようになる。
ところで、以上は前輪側のブレーキ操作の減少時に後輪側制動力を一定に保持する制御を採用した場合の具体的処理であるが、図22のS314〜S318の処理の一部を変えることによって前輪側のブレーキ操作の減少時に後輪側制動力を漸減させる制御に変更することができる。
具体的には、前記表2の内容を以下の表3の内容に変更することによって実現することができる。
Figure 2005239134
ただし、表3におけるcal2は、図25の特性図マスターシリンダ圧fmpの増大時の漸減特性線E上の点と、CBS圧rcsが0の軸上の固定点FMP_Rを結ぶ直線(或いは、曲線)から求められる値である。
この場合、マスターシリンダ圧fmpがFMP_Hを超えてCBS制御が基本モードCBS_Hからブレーキ解除モードCBS_Lに変更された後に、マスターシリンダ圧fmpが(ブレーキ操作量が)減少すると、マスターシリンダ圧fmpが最大値であったときのCBS圧rcsを、図25に示す特性線Fに沿うように漸減するようになる。そして、この状態からブレーキの握り増しや解除が行われると、図25中の矢印に示すように特性線Fに沿ってCBS圧rcsを増減させるようになる。ブレーキの握り増しの際には、CBS圧rcsは増加するが、この増加は急激なものでないためライダーに制動フィーリングの変化を感じさせるものではない。
また、この例の場合、CBS制御がブレーキ解除モードCBS_Lであるときに、マスターシリンダ圧fmpの減少に伴ってCBS圧rcsが下限値液圧に達すると、図26に示すように、さらなるマスターシリンダ圧fmpの低下時にその下限値液圧を保持するようになる。そして、マスターシリンダ圧fmpがFMP_Lまで低下して基本モードCBS_Hの特性線Jに達すると、それをリセット条件としてブレーキ解除モードCBS_Lから基本モードCBS_Hに戻るようになる。
また、ブレーキ解除モードCBS_Lに変更され、一旦特性線Fに沿って漸減した後に、ブレーキの握り増しによってマスターシリンダ圧fmpの最大値が更新された場合には、図27に示すようにマスターシリンダ圧fmpの増大(ブレーキ操作量の増大)に伴ってCBS圧rcsが漸減する。そして、この後にマスターシリンダ圧fmpが減少するときには、マスターシリンダ圧fmpの最大値が更新された時点の、低いCBS圧rcsから液圧が特性線F´に沿って漸減するようになる。
また、このブレーキ装置は、後輪側のブレーキ操作に前輪側を連動させるCBS制御が行われる場合には、以下のようにして前輪側制動力配分を制御するようにしている。
即ち、図28に示すように、後輪制動力に対する前輪制動力の配分特性は車速毎に予め決めておき、後輪側のブレーキ操作が開始されたときには、その開始時の速度に対応する配分特性で前輪側制動力を終始制御するようにしている。このため、後輪側のブレーキ操作量が一定であれば、車両が停止するまでの間、前輪側に一定配分比の制動力が作用することとなる。車速毎に予め設定しておく制動力配分特性は、例えば、車両速度が50km/hでは後輪制動力(液圧)がある値に達するまで前輪制動力がゼロに維持され、ある値を超えたときに後輪制動力の増加に応じて前輪制動力が増加し、車両速度が60km/h、80km/hと増加するにつれて、前輪制動力の配分開始点と、前輪制動力の配分比が夫々増加するものが望ましい。また、この場合、車両速度がある速度(例えば、50km/h)よりも低い場合には、前輪への制動力配分を行わないようにする。
このブレーキ装置の場合、後輪側ブレーキ操作のCBS制御において、ブレーキ操作開始時の車速に対応する制動力配分特性で終始前輪側の制動力を制御するため、高速運転状態から後輪側ブレーキ操作を行った場合であっても、図29に示すように減速勾配が途中で急激に変化することがない。
また、このブレーキ装置は、高速運転中にブレーキ操作した場合には、前輪側の制動力配分が大きくなるため、制動効率が良くなり、逆に、低速運転中にブレーキ操作した場合には、前輪側の制動力配分が小さくなる(ゼロの場合も含む)ために、すり抜け運転時等の際に前輪制動力が大きく作用することがない。
尚、予め車速毎に設定しておく制動力配分特性は、図28に示すものに限るものでなく任意であり、例えば、各速度で後輪側のブレーキ操作量(制動力)がある値を超えたときに前輪側の制動力配分が急増するように設定しても良い。この場合、急停止を要するブレーキ操作時等により迅速な制動効果が得られるようになる。
また、この発明は、液圧を用いるブレーキ装置に限らず、エアによる制動機構や電気的に動作する制動機構を持ったブレーキ装置等においても適用可能である。
この発明の一実施形態の全体概略構成を示す回路図。 同実施形態の前輪側ブレーキ回路を示す概略的な回路図。 同実施形態の前輪側ブレーキ回路を示す具体的な回路図。 同実施形態の液圧モジュレータを示す図5のA−A断面に対応する展開断面図。 同実施形態の液圧モジュレータを示す図4の矢印B方向見た側面図。 非作動状態にある同実施形態の液圧モジュレータを示すものであり、図4のC−C断面が現れるように切断した断面図(a)と、電動モータの噛み合い伝達部が現れるようにモジュレータボディの一部を破断した図4の矢印B方向から見た側面図(b)と、を並べて配置した図。 CBS作動状態にある同実施形態の液圧モジュレータを示すものであり、図6と同様の断面図(a)と、側面図(b)を並べて配置した図。 ABS作動状態にある同実施形態の液圧モジュレータを示すものであり、図6と同様の断面図(a)と、側面図(b)を並べて配置した図。 CBS作動状態にある同実施形態の前輪側ブレーキ回路を示す具体的な回路図。 ABS作動状態にある同実施形態の前輪側ブレーキ回路を示す具体的な回路図。 同実施形態の液損シミュレータを示す断面図。 図11の断面と直交する方向から見た液損シミュレータの通路配置図。 同実施形態の前輪側をブレーキ操作したときの前輪側と後輪側の制動力配分特性図(a)と、比較例の同様の制動力配分特性図(b)とを並べて配置した図。 同実施形態の前輪側のマスターシリンダ圧fmpとCBS圧rcsの時間上の変化を示す特性図。 同実施形態のブレーキ握り増し時における前輪側のマスターシリンダ圧fmpとCBS圧rcsの時間上の変化を示す特性図。 同実施形態のCBS制御時のマスターシリンダ圧fmpとCBS圧rcsの特性図。 同実施形態のCBS制御時のマスターシリンダ圧fmpとCBS圧rcsの特性図。 同実施形態のCBS制御時のマスターシリンダ圧fmpとCBS圧rcsの特性図。 同実施形態のCBS制御を示すフローチャート。 同実施形態のCBS制御時のアシスト圧計算の処理を示すフローチャート。 同実施形態のCBS制御時のCBS圧計算の処理を示すフローチャート。 同実施形態の図21に続くフローチャート。 同実施形態のCBS制御時の目標圧計算の処理を示すフローチャート。 同実施形態の図21に対応する変形例を示すフローチャート。 同実施形態のCBS制御時のマスターシリンダ圧fmpとCBS圧rcsの特性図。 同実施形態のCBS制御時のマスターシリンダ圧fmpとCBS圧rcsの特性図。 同実施形態のCBS制御時のマスターシリンダ圧fmpとCBS圧rcsの特性図。 後輪側をブレーキ操作したときにおける実施形態の前輪側と後輪側の制動力配分特性図。 比較例の場合の、後輪側ブレーキ操作時における車両の減速特性図。
符号の説明
4…ブレーキキャリパ(車輪制動手段) 9…コントローラ 13…モード切換えスイッチ(モード切換え手段)

Claims (9)

  1. 前輪側と後輪側の一方のブレーキ操作に他方の車輪制動手段を連動させることのできる自動二輪車のブレーキ装置において、
    車両の運転条件とブレーキ操作に応じて各車輪制動手段の制動力を電気的に制御し、かつ前輪側と後輪側の車輪制動手段に対する制動力配分の仕方の異なる複数の制御モードを有するコントローラと、
    このコントローラの制御モードを手動操作によって切換えるモード切換え手段と、
    を設けたことを特徴とする自動二輪車のブレーキ装置。
  2. 前輪側のブレーキ操作に後輪側の車輪制動手段を連動させることのできる自動二輪車のブレーキ装置において、
    車両の運転条件とブレーキ操作に応じて各車輪制動手段の制動力を電気的に制御するコントローラを設け、
    前輪側のブレーキ操作に後輪側の車輪制動手段を連動させる場合には、前記コントローラによる後輪側の車輪制動手段の制動力の制御により、前輪側制動力の増大に応じて後輪側制動力を漸増から漸減に変化させ、前輪側制動力の減少に応じて後輪側制動力を保持、または漸減させることを特徴とする自動二輪車のブレーキ装置。
  3. 前輪側のブレーキ操作に後輪側の車輪制動手段を連動させることのできる自動二輪車のブレーキ装置において、
    車両の運転条件とブレーキ操作に応じて各車輪制動手段の制動力を電気的に制御するコントローラを設け、
    前輪側のブレーキ操作に後輪側の車輪制動手段を連動させる場合には、
    前輪側ブレーキ操作量が所定操作量以下から増大するときに、前記コントローラが、前輪側ブレーキ操作量の増大に応じて後輪側制動力を漸増から漸減に変化させるように後輪側の車輪制動手段を制御すると共に、
    前輪側ブレーキ操作量の増大時に後輪側制動力が漸減する操作領域に入ると、その後の前輪側ブレーキ操作量の減少時に、前輪側ブレーキ操作量が最大値であったときの後輪側制動力を一定に保持するブレーキ解除モードにコントローラによる制御を変更することを特徴とする自動二輪車のブレーキ装置。
  4. 前記コントローラによる制御をブレーキ解除モードに変更した後には、ブレーキ解除モードと基本モードの後輪側制動力が合致する操作量まで前輪側ブレーキ操作量が減少することをリセット条件として、ブレーキ解除モードを基本モードに戻すことを特徴とする請求項3に記載の自動二輪車のブレーキ装置。
  5. 前記コントローラによる制御をブレーキ解除モードに変更した後に、前記最大値を超えて前輪側ブレーキ操作量が増大すると、コントローラが前輪側ブレーキ操作量の増大に応じて後輪側制動力を漸減し、その後に前輪側ブレーキ操作量が減少するときには、前輪側ブレーキ操作量の最大値が更新された時点の後輪側制動力を一定に保持することを特徴とする請求項3または4に記載の自動二輪車のブレーキ装置。
  6. 前輪側のブレーキ操作に後輪側の車輪制動手段を連動させることのできる自動二輪車のブレーキ装置において、
    車両の運転条件とブレーキ操作に応じて各車輪制動手段の制動力を電気的に制御するコントローラを設け、
    前輪側のブレーキ操作に後輪側の車輪制動手段を連動させる場合には、
    前輪側ブレーキ操作量が所定操作量以下から増大するときに、前記コントローラが、前輪側ブレーキ操作量の増大に応じて後輪側制動力を漸増から漸減に変化させるように後輪側の車輪制動手段を制御すると共に、
    前輪側ブレーキ操作量の増大時に後輪側制動力が漸減する操作領域に入ると、その後の前輪側ブレーキ操作量の減少時に、前輪側ブレーキ操作量が最大値であったときの後輪側制動力から制動力を漸減させるブレーキ解除モードにコントローラによる制御を変更することを特徴とする自動二輪車のブレーキ装置。
  7. 前記ブレーキ解除モードは、制動力の漸減によって後輪側制動力が下限値制動力に達する前輪側ブレーキ操作量以下になると、後輪側制動力を下限値制動力に保持することを特徴とする請求項6に記載の自動二輪車のブレーキ装置。
  8. 前記コントローラによる制御をブレーキ解除モードに変更した後には、ブレーキ解除モードと基本モードの後輪側制動力が合致する操作量まで前輪側ブレーキ操作量が減少することをリセット条件として、ブレーキ解除モードを基本モードに戻すことを特徴とする請求項6または7に記載の自動二輪車のブレーキ装置。
  9. 前記コントローラによる制御をブレーキ解除モードに変更した後に、前記最大値を超えて前輪側ブレーキ操作量が増大すると、コントローラが前輪側ブレーキ操作量の増大に応じて後輪側制動力を漸減し、その後に前輪側ブレーキ操作量が減少するときには、ブレーキ操作量の最大値が更新された時点の後輪側制動力から制動力を漸減させることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の自動二輪車のブレーキ装置。

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