JP2012086618A - アーティキュレート車両における小旋回制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成のブレーキ圧発生回路を用いて、フルアーティキュレート状態でなくても小旋回ブレーキモードを起動することで多くのハンドル旋回操作を不要としたアーティキュレート車両における小旋回制御装置を提供する。
【解決手段】小旋回スイッチがオンの状態で後車体に対し前車体を屈折させるハンドル旋回操作があると、コントローラは、電磁弁56A,56Bを閉じて左ブレーキ回路41と右ブレーキ回路42間を遮断するとともに、旋回内側に対応する左小旋回制御弁63または右小旋回制御弁64の一方を弁開状態に制御する。これらの制御弁63または64の一方を経て、小旋回用ポンプ57から吐出して小旋回圧供給通路60に供給するブレーキ圧油を、電磁比例リリーフ弁62によって無負荷状態から設定圧までの範囲内でアーティキュレート角に応じた圧に制御し、旋回内輪側に対応する左ブレーキ回路41または右ブレーキ回路42の一方に供給する。
【選択図】図1
【解決手段】小旋回スイッチがオンの状態で後車体に対し前車体を屈折させるハンドル旋回操作があると、コントローラは、電磁弁56A,56Bを閉じて左ブレーキ回路41と右ブレーキ回路42間を遮断するとともに、旋回内側に対応する左小旋回制御弁63または右小旋回制御弁64の一方を弁開状態に制御する。これらの制御弁63または64の一方を経て、小旋回用ポンプ57から吐出して小旋回圧供給通路60に供給するブレーキ圧油を、電磁比例リリーフ弁62によって無負荷状態から設定圧までの範囲内でアーティキュレート角に応じた圧に制御し、旋回内輪側に対応する左ブレーキ回路41または右ブレーキ回路42の一方に供給する。
【選択図】図1
Description
本発明は、後車体に対して前車体を屈折可能に連結したアーティキュレート車両における小旋回制御装置に関する。
図6は、後車体1に対してアーティキュレート軸2を介して前車体3が屈折可能に連結されたアーティキュレート車両を示し、後車体1は、運転席4および後車輪5などを備え、前車体3は、バケット6および前車輪7などを備えたホイールローダである。
図7は、このホイールローダの一般的なブレーキ回路を示し、後差動機11を介して左後車軸12および右後車軸13が設けられ、前差動機14を介して左前車軸15および右前車軸16が設けられ、左後車軸12および左前車軸15にそれぞれ設けられた左車輪ブレーキ17と、右後車軸13および右前車軸16にそれぞれ設けられた右車輪ブレーキ18とに対して、ブレーキ圧を供給する足踏み式のブレーキマスタシリンダ19が設けられている。
そして、車両オペレータがブレーキペダル19pを踏むと、ブレーキマスタシリンダ19が作用して作動油を前後の左車輪ブレーキ17および前後の右車輪ブレーキ18に送り、これらの前後左右の車輪ブレーキ17,18のディスクに対しピストンを介して作動油の圧力を負荷し、ブレーキ力を作用させる。
このようなブレーキ回路において、車体が最大に屈折する状態で機械的に決まる最も小さい旋回半径に対し、さらに小さい旋回半径が得られるように、旋回内側の前後車輪にブレーキ(例えば左回りの場合は左車輪ブレーキ17)を作用させることで、旋回外側車輪との間に回転速度差を設け、旋回外側車輪を内側車輪より速く回し、そして、このブレーキ(左車輪ブレーキ17)のブレーキ力を制御することにより、旋回半径を旋回半径指令手段で設定された指示値に制御するようにした小旋回型操向装置がある(例えば、特許文献1参照)。
従来の小旋回型操向装置は、後車体1に対して前車体3が最大に屈折したフルアーティキュレート状態において、指示された旋回半径になるように、旋回の内側車輪がブレーキ制御されるので、多くのハンドル旋回操作が必要となる。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、アーティキュレート車両の左右いずれか一方の車輪ブレーキを作動させることで小旋回をさせる小旋回制御装置において、簡単な構成のブレーキ圧発生回路を用いて、フルアーティキュレート状態でなくても小旋回ブレーキモードを起動することで多くのハンドル旋回操作を不要としたアーティキュレート車両における小旋回制御装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載された発明は、後車体と前車体とをアーティキュレート軸を介し互いに屈折可能に連結したアーティキュレート車両において、後車体に対し屈折した前車体のアーティキュレート角および屈折方向を検出するアーティキュレート角センサと、左車輪制動用の左車輪ブレーキおよび右車輪制動用の右車輪ブレーキの両方にブレーキ圧を供給するブレーキマスタシリンダと、ブレーキマスタシリンダとは別に設置された小旋回用ポンプから供給された作動流体を左車輪ブレーキおよび右車輪ブレーキの一方へ供給する小旋回圧供給通路と、小旋回圧供給通路に供給された作動流体の圧力を検出する圧力センサと、圧力センサで検出された小旋回圧供給通路の圧力を電気信号で調整可能なリリーフ圧に制御する電磁比例リリーフ弁と、電磁比例リリーフ弁で制御された圧力を小旋回用内輪ブレーキ圧として左車輪ブレーキに供給する左小旋回制御弁と、電磁比例リリーフ弁で制御された圧力を小旋回用内輪ブレーキ圧として右車輪ブレーキに供給する右小旋回制御弁と、左車輪ブレーキおよび右車輪ブレーキの一方のみに作動流体を供給する小旋回ブレーキモードを選択する小旋回スイッチと、小旋回スイッチがオンの状態で後車体に対し前車体を屈折させるハンドル旋回操作があると、小旋回圧供給通路に供給される小旋回用内輪ブレーキ圧を電磁比例リリーフ弁のリリーフ圧として無負荷状態から設定圧までの範囲内でアーティキュレート角に応じて制御するとともに、アーティキュレート角センサで検出された旋回方向の内側に対応する左小旋回制御弁および右小旋回制御弁のいずれか一方を弁開状態に制御する小旋回ブレーキモードを起動させる機能を備えたコントローラとを具備したアーティキュレート車両における小旋回制御装置である。
請求項2に記載された発明は、請求項1記載のアーティキュレート車両における小旋回制御装置におけるコントローラが、後車体に対し前車体を直進方向に戻すハンドル戻し操作と、小旋回中にブレーキマスタシリンダから左車輪ブレーキおよび右車輪ブレーキの全輪ブレーキに作動流体を供給する通常ブレーキ操作の少なくとも一方があると、小旋回ブレーキモードを解除するとともに、ブレーキマスタシリンダから供給された作動流体により左車輪ブレーキおよび右車輪ブレーキの全輪ブレーキを利かせることが可能となる通常ブレーキモードを作動させる機能を備えたものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1または2記載のアーティキュレート車両における小旋回制御装置において、アーティキュレート車両の車速を検出する車速センサと、アーティキュレート車両の横すべり角を算出するためのヨー角速度センサとを具備し、コントローラは、車速が車速しきい値を超えた場合と、横すべり角が横すべり角しきい値を超えた場合は、小旋回ブレーキモードを解除するとともに、ブレーキマスタシリンダから供給された作動流体により左車輪ブレーキおよび右車輪ブレーキの全輪ブレーキを利かせることが可能となる通常ブレーキモードを作動させる機能を備えたものである。
請求項1記載の発明によれば、アーティキュレート車両の左車輪ブレーキおよび右車輪ブレーキの一方のみに作動流体を供給する小旋回ブレーキモードを選択する小旋回スイッチがオンの状態で、後車体に対し前車体を屈折させるハンドル旋回操作があると、コントローラは、小旋回圧供給通路に供給される小旋回用内輪ブレーキ圧を電磁比例リリーフ弁によりアーティキュレート角に応じて制御するとともに、アーティキュレート角センサで検出された旋回方向の内側に対応する左小旋回制御弁および右小旋回制御弁のいずれか一方を弁開状態に制御するので、簡単な構成のブレーキ圧発生回路を用いて、フルアーティキュレート状態でなくても小旋回ブレーキモードを起動でき、車両オペレータの多くのハンドル旋回操作を不要とし、労力を軽減できる。
その際、コントローラは、小旋回圧供給通路に供給される小旋回用内輪ブレーキ圧を電磁比例リリーフ弁のリリーフ圧として無負荷状態から設定圧までの範囲内でアーティキュレート角に応じて制御するので、後車体に対する前車体の車体屈折角に応じて適切に制御された小旋回用内輪ブレーキトルクが得られ、スムーズな旋回挙動が得られ、良好な乗り心地が得られる。
さらに、専用の小旋回用ポンプを用いたので、他の既存ポンプも常時併用可能であるとともに、小旋回用内輪ブレーキ圧を安定供給できる。
請求項2記載の発明によれば、後車体に対し前車体を直進方向に戻すハンドル戻し操作、または通常ブレーキ操作があると、小旋回ブレーキモードを解除するとともに、ブレーキマスタシリンダにより全輪ブレーキを利かせることが可能となる通常ブレーキモードを作動させるので、小旋回ブレーキモードより通常ブレーキモードを優先させて、ブレーキシステムに対する高い信頼性を確保できる。
請求項3記載の発明によれば、コントローラは、車速が車速しきい値を超えた場合と、横すべり角が横すべり角しきい値を超えた場合は、小旋回ブレーキモードを解除するとともに、ブレーキマスタシリンダにより全輪ブレーキを利かせることが可能となる通常ブレーキモードを作動させるので、車体が不安定な走行状態での小旋回ブレーキ制御が自動的に無効化され、車体の安定性を確保できる。
以下、本発明を、図1乃至図5に示された一実施の形態に基いて詳細に説明する。
図3は、後車体21に対してアーティキュレート軸22を介して前車体23が屈折可能に連結されたアーティキュレート車両を示し、後車体21は、運転席24および後車輪25などを備え、前車体23は、バケット26および前車輪27などを備えたホイールローダである。Vは、アーティキュレート車両の車速、αは、後車体に対し屈折した前車体のアーティキュレート角(すなわち車体屈折角)、βは、アーティキュレート車両の横すべり角を示す。
図1は、このアーティキュレート車両における小旋回制御装置を示し、左右の後車輪25および前車輪27には、それらの回転数を検出する回転数センサ28がそれぞれ設けられている。後車体21には、後差動機31を介して左後車軸32および右後車軸33が設けられ、前車体23には、前差動機34を介して左前車軸35および右前車軸36が設けられている。
左後車軸32および左前車軸35には左車輪制動用の左車輪ブレーキ37,38がそれぞれ設けられ、また、右後車軸33および右前車軸36には右車輪制動用の右車輪ブレーキ39,40がそれぞれ設けられている。これらの左車輪ブレーキ37,38および右車輪ブレーキ39,40は、各車軸32,33,35,36に一体に取付けられたブレーキディスクDに対向して、車体側に取付けられたブレーキピストンPがそれぞれ進退可能に設けられている。
左車輪ブレーキ37,38のブレーキピストンPのピストン室間は、左ブレーキ回路41により連通可能であり、右車輪ブレーキ39,40のブレーキピストンPのピストン室間は、右ブレーキ回路42により連通されている。
左車輪ブレーキ37,38および右車輪ブレーキ39,40の全てにブレーキ圧を供給する足踏み式のブレーキマスタシリンダ51が設置されている。このブレーキマスタシリンダ51は、そのピストンロッド52の先端と対向設置されたブレーキペダル53の足踏み操作(通常ブレーキ操作)によりシリンダ内の作動流体としての作動油(ブレーキ油)を通路54A,54Bに吐出し、これらの通路54A,54B中にそれぞれ設けられた電磁弁56A,56Bを介して左ブレーキ回路41および右ブレーキ回路42に作動油を供給する。作動油の漏洩などによる不足分は油タンク55より補充する。
ブレーキペダル53による足踏み操作があったことは、リミットスイッチなどのスイッチ53sにより検出する。このスイッチ53sは、小旋回中にブレーキペダル53を踏むと、それを検知して小旋回ブレーキモードを解除させるトリガとして機能する。
そして、電磁弁56A,56Bは、そのソレノイドa,bに接続された電源がオフ時のスプリングリターン位置では、通路54A,54Bをそれぞれ開通する弁開状態となり、また、電源がオン時の切換位置では、通路54A,54Bをそれぞれ遮断する弁閉状態となる。
ブレーキマスタシリンダ51とは別に、図示されない車載エンジンにより駆動されて油タンク55から作動油を吸上げ吐出する小旋回用ポンプ57が設置され、この小旋回用ポンプ57から吐出された作動油を左車輪ブレーキ37,38または右車輪ブレーキ39,40の一方へ供給する小旋回圧供給通路60が設けられている。
この小旋回圧供給通路60には、小旋回用ポンプ57から吐出された作動油を油タンク55に戻すリターン通路60Rが分岐され、このリターン通路60Rに小旋回用ポンプ57から吐出された作動油の圧力を検出する圧力センサ61と、この圧力を調整可能なリリーフ圧に制御する電磁比例リリーフ弁62とが設けられている。
電磁比例リリーフ弁62は、小旋回圧供給通路60のリリーフ圧を入力電気信号に応じて無負荷状態(ほぼ0MPa)から運転席で操作可能なリリーフ弁設定ダイアル70(図2)により任意に可変調整できる設定圧まで比例制御するものである。
これらの小旋回用ポンプ57、圧力センサ61および電磁比例リリーフ弁62により、簡単な構成のブレーキ圧発生回路が形成されている。
小旋回圧供給通路60は、左小旋回用通路60Aと右小旋回用通路60Bとに分岐され、左小旋回用通路60A中には、電磁比例リリーフ弁62で制御された圧力を小旋回用内輪ブレーキ圧として左車輪ブレーキ37,38に供給する電磁式の左小旋回制御弁63が設けられ、右小旋回用通路60B中には、電磁比例リリーフ弁62で制御された圧力を小旋回用内輪ブレーキ圧として右車輪ブレーキ39,40に供給する電磁式の右小旋回制御弁64が設けられている。
そして、左小旋回制御弁63および右小旋回制御弁64は、これらのソレノイドA,Bにそれぞれ接続された電源がオフ時のスプリングリターン状態では、左小旋回用通路60Aと右小旋回用通路60Bをそれぞれ閉止する弁閉状態となり、また、電源がオン時の切換状態では、左小旋回用通路60Aと右小旋回用通路60Bをそれぞれ開通する弁開状態となる。
図2に示されるように、前記スイッチ53sと、前記圧力センサ61と、左車輪ブレーキ37,38および右車輪ブレーキ39,40の一方のみに作動油を供給する小旋回ブレーキモードを車両オペレータが容易に選択操作できる場所に設置された小旋回スイッチ69と、前記電磁比例リリーフ弁62の設定圧を運転席で調整操作可能なリリーフ弁設定ダイアル70と、アーティキュレート車両の車速Vを検出する車速センサ71と、後車体に対し屈折した前車体のアーティキュレート角(すなわち車体屈折角)αおよび屈折方向を検出するアーティキュレート角センサ72と、アーティキュレート車両の横すべり角β(車両の速度ベクトルと前車体23の向きとがなす角度)を算出するためのヨー角速度センサ73とが、コントローラ74の信号入力側に接続されている。
車速センサ71は、走行用の油圧ポンプ・油圧モータ系に接続された車軸駆動用減速機の出力軸部で回転速度を検出できる位置に設置され、アーティキュレート角センサ72は、アーティキュレート軸22の周囲に設置され、ヨー角速度センサ73は、車両に設置された垂直軸回りのジャイロセンサを用いる。
コントローラ74の出力側は、各電磁弁56A,56Bのソレノイドa,b、左小旋回制御弁63のソレノイドAおよび右小旋回制御弁64のソレノイドB、電磁比例リリーフ弁62のソレノイドEに接続されている。
このコントローラ74は、小旋回スイッチ69がオンの状態で後車体21に対し前車体23を屈折させるハンドル旋回操作があると、図5に示されるように電磁弁56A,56Bを閉じ、また、小旋回圧供給通路60に供給される小旋回用内輪ブレーキ圧を電磁比例リリーフ弁62のリリーフ圧として、無負荷状態(0MPa)から設定圧までの範囲内でアーティキュレート角センサ72で検出されたアーティキュレート角αに応じて(すなわち比例して)制御するとともに、アーティキュレート角センサ72で検出された旋回方向の内側に対応する左小旋回制御弁63および右小旋回制御弁64のいずれか一方(図5の左小旋回状態では左小旋回制御弁63)を弁開状態に制御する小旋回ブレーキモードを起動させる機能を備えている。
さらに、コントローラ74は、小旋回スイッチ69のオンで選択した小旋回ブレーキモードにおいて、後車体21に対し前車体23を直進方向に戻すハンドル戻し操作と、小旋回中にブレーキマスタシリンダ51から左車輪ブレーキ37,38および右車輪ブレーキ39,40の全輪ブレーキに作動油を供給する通常ブレーキ操作の少なくとも一方があると、小旋回ブレーキモードを解除して、電磁比例リリーフ弁62のリリーフ圧をほぼ0MPaに制御するとともに左小旋回制御弁63および右小旋回制御弁64を共に弁閉状態に制御し、かつ、ブレーキマスタシリンダ51から供給された作動油により左車輪ブレーキ37,38および右車輪ブレーキ39,40の全輪ブレーキを利かせることが可能となる通常ブレーキモードを作動させる機能を備えている。
さらに、コントローラ74は、アーティキュレート車両の車速Vが車速しきい値より低く、かつ横すべり角βが横すべり角しきい値より低い場合は、小旋回スイッチ69がオンのとき、小旋回ブレーキモードを起動させることができるが、車速Vが車速しきい値を超えた場合と、横すべり角βが横すべり角しきい値を超えた場合は、それぞれ、小旋回ブレーキモードを解除するとともに、ブレーキマスタシリンダ51から供給された作動油により左車輪ブレーキ37,38および右車輪ブレーキ39,40の全輪ブレーキを利かせることが可能となる通常ブレーキモードを作動させる機能を備え、このとき、左小旋回制御弁63および右小旋回制御弁64は共に弁閉状態に制御される。
横すべり角βは、コントローラ74が、車速センサ71で検出された車速V、ヨー角速度センサ73で検出されたヨー角速度などを用いて、既知の演算手法により算出する。
次に、図1乃至図3に示されたハードウェアの制御手順および作用を、図4および図5を参照しながら説明する。
図4は、コントローラ74の演算手順の一例を示す。なお、図4中の丸数字は、ステップ番号を示す。
(ステップ1)
小旋回スイッチ69がオンかオフかを判断する。
小旋回スイッチ69がオンかオフかを判断する。
(ステップ2)
小旋回スイッチ69がオフの場合は、次の通常ブレーキモードが作動する。
小旋回スイッチ69がオフの場合は、次の通常ブレーキモードが作動する。
すなわち、左小旋回制御弁63のソレノイドAおよび右小旋回制御弁64のソレノイドBの電源をオフに制御して、これらの左小旋回制御弁63および右小旋回制御弁64をスプリングリターン位置すなわち弁閉位置に制御し、電磁弁56A,56Bのソレノイドa,bの電源をオフに制御して、これらの電磁弁56A,56Bをスプリングリターン位置すなわち弁開位置に制御する。これらの制御により、車両オペレータの足踏み操作式のブレーキマスタシリンダ51から左車輪ブレーキ37,38および右車輪ブレーキ39,40の全輪ブレーキにブレーキ作動油を同時に供給する。
このとき同時に、電磁比例リリーフ弁62のソレノイドEの電源をオフに制御して、この電磁比例リリーフ弁62のリリーフ圧をほぼ0MPaに制御することで、小旋回圧供給通路60内の圧抜きを行なう。
(ステップ3)
小旋回スイッチ69がオンのときは、車両オペレータがリリーフ弁設定ダイアル70により、電磁比例リリーフ弁62の設定圧を任意に設定することで、この設定圧の範囲内で小旋回に必要なアーティキュレート角に応じたリリーフ圧を得るようにする。
小旋回スイッチ69がオンのときは、車両オペレータがリリーフ弁設定ダイアル70により、電磁比例リリーフ弁62の設定圧を任意に設定することで、この設定圧の範囲内で小旋回に必要なアーティキュレート角に応じたリリーフ圧を得るようにする。
(ステップ4)
車速センサ71により車速Vを検出し、アーティキュレート角センサ72によりアーティキュレート角αを検出するとともに、車速V、ヨー角速度などから横すべり角βを算出する。
車速センサ71により車速Vを検出し、アーティキュレート角センサ72によりアーティキュレート角αを検出するとともに、車速V、ヨー角速度などから横すべり角βを算出する。
(ステップ5)
アーティキュレート角αから、旋回方向などの屈折状態を判断する。
アーティキュレート角αから、旋回方向などの屈折状態を判断する。
(ステップ6)
スイッチ53sからの検知信号の有無により、ブレーキペダル53による足踏み操作すなわち通常ブレーキ操作があったか否か、言い換えると、ブレーキペダル53が非操作状態か否かが判断され、ブレーキペダル53による足踏み操作があった場合(NO)は、ステップ2に戻る。
スイッチ53sからの検知信号の有無により、ブレーキペダル53による足踏み操作すなわち通常ブレーキ操作があったか否か、言い換えると、ブレーキペダル53が非操作状態か否かが判断され、ブレーキペダル53による足踏み操作があった場合(NO)は、ステップ2に戻る。
すなわち、コントローラ74は、小旋回中にブレーキペダル53を踏む通常ブレーキ操作があると、スイッチ53sをトリガーとして、小旋回ブレーキモードを解除するとともに、ステップ2のブレーキマスタシリンダ51から供給される作動油により左車輪ブレーキ37,38および右車輪ブレーキ39,40の全輪ブレーキを利かせることが可能となる通常ブレーキモードを作動させる機能を有する。
(ステップ7)
ブレーキペダル53が非操作状態の場合(ステップ6YES)は、車両の操向ハンドルが旋回操作されているか否かを、アーティキュレート角センサ72により判断し、旋回操作されていない場合は、ハンドルを戻す場合も含めて、ステップ2に戻って、上記全輪ブレーキを利かせることが可能となる通常ブレーキモードとなり、電磁比例リリーフ弁62のソレノイドEの電源をオフに制御して、この電磁比例リリーフ弁62のリリーフ圧をほぼ0MPaに制御することで、小旋回圧供給通路60内の圧抜きを行なう。
ブレーキペダル53が非操作状態の場合(ステップ6YES)は、車両の操向ハンドルが旋回操作されているか否かを、アーティキュレート角センサ72により判断し、旋回操作されていない場合は、ハンドルを戻す場合も含めて、ステップ2に戻って、上記全輪ブレーキを利かせることが可能となる通常ブレーキモードとなり、電磁比例リリーフ弁62のソレノイドEの電源をオフに制御して、この電磁比例リリーフ弁62のリリーフ圧をほぼ0MPaに制御することで、小旋回圧供給通路60内の圧抜きを行なう。
(ステップ8)
車両の操向ハンドルが旋回操作された場合は、車速センサ71を用いて検出された車速Vが車速しきい値(例えば、10km/h)を超えたか否かを判断する。車速Vが車速しきい値を超えた場合は、高速スピードでの小旋回となり好ましくないので、ハンドルを戻すときと同じ指令を行なう(ステップ2に戻る)。
車両の操向ハンドルが旋回操作された場合は、車速センサ71を用いて検出された車速Vが車速しきい値(例えば、10km/h)を超えたか否かを判断する。車速Vが車速しきい値を超えた場合は、高速スピードでの小旋回となり好ましくないので、ハンドルを戻すときと同じ指令を行なう(ステップ2に戻る)。
これにより、車速Vが車速しきい値を超えた場合は、ブレーキマスタシリンダ51から全車輪ブレーキ37,38,39,40にブレーキ圧を供給することはできるが、左小旋回制御弁63および右小旋回制御弁64は共に弁閉状態に制御されるので、小旋回用ポンプ57から左車輪ブレーキ37,38または右車輪ブレーキ39,40に小旋回用内輪ブレーキ圧を供給することはできない。
(ステップ9)
横すべり角βが横すべり角しきい値(例えば、30°)を超えたか否かを判断する。横すべり角βが横すべり角しきい値を超えた場合も、同様にステップ2に戻り、ブレーキマスタシリンダ51から全車輪ブレーキ37,38,39,40にブレーキ圧を供給することはできるが、左小旋回制御弁63および右小旋回制御弁64は共に弁閉状態に制御されるので、小旋回用ポンプ57から左車輪ブレーキ37,38または右車輪ブレーキ39,40に小旋回用内輪ブレーキ圧を供給することはできない。
横すべり角βが横すべり角しきい値(例えば、30°)を超えたか否かを判断する。横すべり角βが横すべり角しきい値を超えた場合も、同様にステップ2に戻り、ブレーキマスタシリンダ51から全車輪ブレーキ37,38,39,40にブレーキ圧を供給することはできるが、左小旋回制御弁63および右小旋回制御弁64は共に弁閉状態に制御されるので、小旋回用ポンプ57から左車輪ブレーキ37,38または右車輪ブレーキ39,40に小旋回用内輪ブレーキ圧を供給することはできない。
(ステップ10)
コントローラ74は、小旋回スイッチ69がオンに操作され、ブレーキペダル53が非操作状態にあり、車両の操向ハンドルが旋回操作され、車速Vが車速しきい値より低く、かつ横すべり角βが横すべり角しきい値より低い場合は、アーティキュレート車両が、図3に示されるように左回りの姿勢にあるか否かを判断する。
コントローラ74は、小旋回スイッチ69がオンに操作され、ブレーキペダル53が非操作状態にあり、車両の操向ハンドルが旋回操作され、車速Vが車速しきい値より低く、かつ横すべり角βが横すべり角しきい値より低い場合は、アーティキュレート車両が、図3に示されるように左回りの姿勢にあるか否かを判断する。
(ステップ11)
左回りの場合は、次の左回りの小旋回ブレーキモードが作動する。
左回りの場合は、次の左回りの小旋回ブレーキモードが作動する。
すなわち、左小旋回制御弁63のソレノイドAの電源をオンに制御して、この左小旋回制御弁63を切換位置すなわち弁開位置に制御し、一方、右小旋回制御弁64のソレノイドBの電源をオフのままにして、この右小旋回制御弁64をスプリングリターン位置すなわち弁閉位置に維持するともに、電磁弁56A,56Bのソレノイドa,bの電源をオンに制御して、これらの電磁弁56A,56Bを切換位置すなわち弁閉位置に制御する。これらの制御により、小旋回圧供給通路60から左車輪ブレーキ37,38への作動油の供給を可能とするとともに、右車輪ブレーキ39,40への作動油の供給を遮断し、足踏み操作式のブレーキマスタシリンダ51からの作動油の供給も遮断する。
同時に、電磁比例リリーフ弁62のソレノイドEを、リリーフ弁設定ダイアル70により設定された設定圧の範囲内でアーティキュレート角αに比例したリリーフ圧が得られる励磁力に制御する。
すなわち、アーティキュレート角αが小さい場合は、電磁比例リリーフ弁62により制御されるリリーフ圧も小さく、小旋回圧供給通路60へ供給される小旋回用内輪ブレーキ圧はアーティキュレート角αに比例して小さく制御される。
さらに、アーティキュレート角αがしきい値(例えば25°)以下では、このアーティキュレート角αが大きいほど、電磁比例リリーフ弁62により制御されるリリーフ圧も大きくなり、小旋回圧供給通路60へ供給される小旋回用内輪ブレーキ圧がアーティキュレート角αに比例して上昇するように制御される。
これにより、リリーフ弁設定ダイアル70により設定された設定圧の範囲内でアーティキュレート角αに比例した小旋回用内輪ブレーキ圧を、図5に示されるようにアーティキュレート車両の旋回内側に対応する左車輪ブレーキ37,38に供給し、左後車軸32および左前車軸35にアーティキュレート角αに比例した内輪ブレーキトルクを作用させることができる。
一方、アーティキュレート角αがしきい値(例えば25°)を超えた場合は、電磁比例リリーフ弁62を、リリーフ弁設定ダイアル70により設定された設定圧(例えば5MPa)が得られる励磁力に制御し、小旋回用ポンプ57から小旋回圧供給通路60へ供給される小旋回用内輪ブレーキ圧をこの設定圧に制御する。
(ステップ12)
右回りの場合は、次の右回りの小旋回ブレーキモードが作動する。
右回りの場合は、次の右回りの小旋回ブレーキモードが作動する。
すなわち、左小旋回制御弁63のソレノイドAの電源をオフに制御して、この左小旋回制御弁63をスプリングリターン位置すなわち弁閉位置に制御し、右小旋回制御弁64のソレノイドBの電源をオンに制御して、この右小旋回制御弁64を切換位置すなわち弁開位置に制御するとともに、電磁弁56A,56Bのソレノイドa,bの電源をオンに制御して、これらの電磁弁56A,56Bを切換位置すなわち弁閉位置に制御する。これらの制御により、小旋回圧供給通路60から左車輪ブレーキ37,38への作動油の供給を遮断し、足踏み操作式のブレーキマスタシリンダ51からの作動油の供給も遮断するとともに、小旋回圧供給通路60から右車輪ブレーキ39,40への作動油の供給を可能とする。
同時に、電磁比例リリーフ弁62のソレノイドEを、リリーフ弁設定ダイアル70により設定された設定圧の範囲内でアーティキュレート角αに比例したリリーフ圧が得られる励磁力に制御する。
すなわち、ステップ11の場合と同様に、アーティキュレート角αが小さい場合は、小旋回用ポンプ57から小旋回圧供給通路60へ供給される小旋回用内輪ブレーキ圧は電磁比例リリーフ弁62によりアーティキュレート角αに比例して小さく制御されるが、アーティキュレート角αが大きくなるほど、小旋回圧供給通路60へ供給される小旋回用内輪ブレーキ圧が電磁比例リリーフ弁62によりアーティキュレート角αに比例して上昇するように制御される。
これにより、リリーフ弁設定ダイアル70により設定された設定圧の範囲内でアーティキュレート角αに比例した小旋回用内輪ブレーキ圧を、アーティキュレート車両の旋回内側に対応する右車輪ブレーキ39,40に供給し、右後車軸33および右前車軸36にアーティキュレート角αに比例した内輪ブレーキトルクを作用させることができる。
そして、アーティキュレート角αがしきい値(例えば25°)を超えた場合は、電磁比例リリーフ弁62を設定圧(例えば5MPa)に制御するので、小旋回用ポンプ57から小旋回圧供給通路60へ供給される小旋回用内輪ブレーキ圧は一定の設定圧に制御される。
次に、図1乃至図5に示された実施の形態の作用効果を説明する。
オペレータは、小旋回ブレーキモードを働かせたくない場合は、小旋回スイッチ69をオフのままにする。コントローラ74は、図1に示される通常ブレーキモードにより、ブレーキマスタシリンダ51から左車輪ブレーキ37,38および右車輪ブレーキ39,40の全輪ブレーキにブレーキ作動油を同時に供給できるように電磁弁56A,56Bのソレノイドa,bをオフにして電磁弁56A,56Bを弁開状態に制御するとともに、左小旋回制御弁63および右小旋回制御弁64のソレノイドA,Bをオフにして左小旋回制御弁63および右小旋回制御弁64を弁閉状態に制御する。
オペレータは、小旋回ブレーキモードを働かせたいときは、小旋回スイッチ69をオンにする。この小旋回スイッチ69がオンの状態で、車両操向ハンドルを旋回操作すると、コントローラ74は、図5に示される小旋回ブレーキモードにより、リリーフ弁設定ダイヤル70で設定された設定圧の範囲内で電磁比例リリーフ弁62でアーティキュレート角αに比例して制御されたブレーキ油圧を小旋回圧供給通路60に発生させるとともに、アーティキュレート角センサ72で検出されたアーティキュレート角αの正負によって、旋回方向(左回りか右回りか)を判断し、左右の小旋回制御弁63,64の一方により左右いずれか一方の小旋回方向指令を行なう。
そして、左車輪ブレーキ37,38または右車輪ブレーキ39,40の一方を作動させることで、後車体21と前車体23とをアーティキュレート軸22を介し互いに屈折させるアーティキュレート角αで決まる旋回半径を、さらに小さくする。
このとき、旋回内輪側に位置する左車輪ブレーキ37,38または右車輪ブレーキ39,40の小旋回用内輪ブレーキ圧は、リリーフ弁設定ダイアル70により設定される設定圧の範囲内で電磁比例リリーフ弁62によりアーティキュレート角αに比例して任意に調整することが可能となり、アーティキュレート角αが小さいほど小旋回用内輪ブレーキ圧は小さくなるとともに、アーティキュレート角αが大きいほど小旋回用内輪ブレーキ圧は設定圧の限度内で大きくなり、その小旋回用内輪ブレーキ圧が大きいほど旋回半径を小さくしようとする力が働くので、旋回ハンドル操作量に応じたスムーズな旋回挙動となる。
上記ハンドルを直進方向に戻すと、コントローラ74は、通常ブレーキモードを作動させて、電磁比例リリーフ弁62のリリーフ圧をほぼ0MPaに制御することで、小旋回圧供給通路60内の圧抜きを行なう。
小旋回スイッチ69をオンにするとともに、車両操向ハンドルを旋回操作しても、高速スピードでの小旋回は好ましくないので、車速センサ71を用いて検出した車速Vが、車速しきい値、例えば10km/hを超える場合は、上記ハンドルを戻す場合と同様に通常ブレーキモードを作動させる。
小旋回スイッチ69をオンにするとともに、車両操向ハンドルを旋回操作しても、アイスバーン上での走行は、タイヤの横すべりが大きく好ましくないため、ヨー角速度センサ73などを用いて、横すべり角βを算出し、この横すべり角βが横すべり角しきい値、例えば30°を超える場合は、上記ハンドルを戻す場合と同様に通常ブレーキモードを作動させる。
以上のように、アーティキュレート車両の左右いずれか一方の車輪ブレーキ37,38または39,40を作動させることで小旋回をさせる小旋回制御装置において、小旋回用ポンプ57より小旋回圧供給通路60に供給された作動油の圧力を圧力センサ61により検出し、この圧力センサ61で検出された小旋回圧供給通路60の圧力を、リリーフ弁設定ダイアル70で設定圧を設定された電磁比例リリーフ弁62により、アーティキュレート角αに比例した圧力に制御し、この電磁比例リリーフ弁62で制御された圧力の作動油圧を左小旋回制御弁63から小旋回用内輪ブレーキ圧として左車輪ブレーキ37,38に供給するか、または、電磁比例リリーフ弁62で制御された圧力の作動油圧を右小旋回制御弁64から小旋回用内輪ブレーキ圧として右車輪ブレーキ39,40に供給する。
さらに、専用の小旋回用ポンプ57を用いた小旋回用内輪ブレーキ圧供給回路を構成できるので、他の既存ポンプも常時併用可能であるとともに、小旋回用内輪ブレーキ圧を安定供給できる。
この小旋回用内輪ブレーキ圧供給回路を用いて、左車輪ブレーキ37,38および右車輪ブレーキ39,40の一方のみに作動油を供給する小旋回ブレーキモードを選択する小旋回スイッチ69がオンの状態では、後車体21に対し前車体23を屈折させるハンドル旋回操作があると、コントローラ74は、小旋回圧供給通路60に供給される小旋回用内輪ブレーキ圧を電磁比例リリーフ弁62によりアーティキュレート角に応じて制御するとともに、アーティキュレート角センサ72で検出された旋回方向の内側に対応する左小旋回制御弁63および右小旋回制御弁64のいずれか一方を弁開状態に制御するようにしたので、簡単な構成のブレーキ圧発生回路を用いて、後車体21に対して前車体23を最大限に屈折したフルアーティキュレート状態でなくても小旋回ブレーキモードを起動でき、車両オペレータの多くのハンドル旋回操作を不要とし、労力を軽減できる。
その際、コントローラ74は、小旋回圧供給通路60から旋回内輪側の左車輪ブレーキ37,38または右車輪ブレーキ39,40に供給される小旋回用内輪ブレーキ圧を、電磁比例リリーフ弁62のリリーフ圧として無負荷状態から設定圧までの範囲内でアーティキュレート角αに比例して制御するので、後車体21に対する前車体23の車体屈折角に応じて(すなわちアーティキュレート角αに比例して)制御された適切な小旋回用内輪ブレーキトルクが得られ、スムーズな旋回挙動が得られ、良好な乗り心地が得られる。
また、後車体21に対し前車体23を直進方向に戻すハンドル戻し操作、または通常ブレーキ操作があると、ステップ2の制御により小旋回ブレーキモードを解除するとともに、ブレーキマスタシリンダ51から供給された作動油により左車輪ブレーキ37,38および右車輪ブレーキ39,40の全輪ブレーキを利かせることが可能となる通常ブレーキモードを作動させるので、小旋回ブレーキモードより通常ブレーキモードを優先させてブレーキシステムに対する高い信頼性を確保できる。
さらに、コントローラ74は、車速センサ71により検出されたアーティキュレート車両の車速Vが車速しきい値より低く、かつヨー角速度センサ73からのデータにより算出されたアーティキュレート車両の横すべり角βが横すべり角しきい値より低い場合は、小旋回ブレーキモードに制御可能であるが、車速Vが車速しきい値を超えた場合と、横すべり角βが横すべり角しきい値を超えた場合は、小旋回ブレーキモードを解除するとともに、ブレーキマスタシリンダ51により全輪ブレーキを利かせることが可能となる通常ブレーキモードを作動させるので、車体が不安定な走行状態での小旋回ブレーキ制御が自動的に無効化され、車体の安定性を確保できる。
なお、電磁弁56A,56Bは、ブレーキ側回路からブレーキマスタシリンダ51への逆流を防止する逆止弁を用いてもよい。この場合、小旋回時はブレーキペダル53を踏込まないようにする。
本発明は、ホイールローダなどのアーティキュレート車両の製造産業に利用される。
21 後車体
22 アーティキュレート軸
23 前車体
37,38 左車輪ブレーキ
39,40 右車輪ブレーキ
51 ブレーキマスタシリンダ
57 小旋回用ポンプ
60 小旋回圧供給通路
61 圧力センサ
62 電磁比例リリーフ弁
63 左小旋回制御弁
64 右小旋回制御弁
69 小旋回スイッチ
71 車速センサ
72 アーティキュレート角センサ
73 ヨー角速度センサ
74 コントローラ
22 アーティキュレート軸
23 前車体
37,38 左車輪ブレーキ
39,40 右車輪ブレーキ
51 ブレーキマスタシリンダ
57 小旋回用ポンプ
60 小旋回圧供給通路
61 圧力センサ
62 電磁比例リリーフ弁
63 左小旋回制御弁
64 右小旋回制御弁
69 小旋回スイッチ
71 車速センサ
72 アーティキュレート角センサ
73 ヨー角速度センサ
74 コントローラ
Claims (3)
- 後車体と前車体とをアーティキュレート軸を介し互いに屈折可能に連結したアーティキュレート車両において、
後車体に対し屈折した前車体のアーティキュレート角および屈折方向を検出するアーティキュレート角センサと、
左車輪制動用の左車輪ブレーキおよび右車輪制動用の右車輪ブレーキの両方にブレーキ圧を供給するブレーキマスタシリンダと、
ブレーキマスタシリンダとは別に設置された小旋回用ポンプから供給された作動流体を左車輪ブレーキおよび右車輪ブレーキの一方へ供給する小旋回圧供給通路と、
小旋回圧供給通路に供給された作動流体の圧力を検出する圧力センサと、
圧力センサで検出された小旋回圧供給通路の圧力を電気信号で調整可能なリリーフ圧に制御する電磁比例リリーフ弁と、
電磁比例リリーフ弁で制御された圧力を小旋回用内輪ブレーキ圧として左車輪ブレーキに供給する左小旋回制御弁と、
電磁比例リリーフ弁で制御された圧力を小旋回用内輪ブレーキ圧として右車輪ブレーキに供給する右小旋回制御弁と、
左車輪ブレーキおよび右車輪ブレーキの一方のみに作動流体を供給する小旋回ブレーキモードを選択する小旋回スイッチと、
小旋回スイッチがオンの状態で後車体に対し前車体を屈折させるハンドル旋回操作があると、小旋回圧供給通路に供給される小旋回用内輪ブレーキ圧を電磁比例リリーフ弁のリリーフ圧として無負荷状態から設定圧までの範囲内でアーティキュレート角に応じて制御するとともに、アーティキュレート角センサで検出された旋回方向の内側に対応する左小旋回制御弁および右小旋回制御弁のいずれか一方を弁開状態に制御する小旋回ブレーキモードを起動させる機能を備えたコントローラと
を具備したことを特徴とするアーティキュレート車両における小旋回制御装置。 - コントローラは、
後車体に対し前車体を直進方向に戻すハンドル戻し操作と、小旋回中にブレーキマスタシリンダから左車輪ブレーキおよび右車輪ブレーキの全輪ブレーキに作動流体を供給する通常ブレーキ操作の少なくとも一方があると、小旋回ブレーキモードを解除するとともに、ブレーキマスタシリンダから供給された作動流体により左車輪ブレーキおよび右車輪ブレーキの全輪ブレーキを利かせることが可能となる通常ブレーキモードを作動させる機能を備えた
ことを特徴とする請求項1記載のアーティキュレート車両における小旋回制御装置。 - アーティキュレート車両の車速を検出する車速センサと、
アーティキュレート車両の横すべり角を算出するためのヨー角速度センサとを具備し、
コントローラは、
車速が車速しきい値を超えた場合と、横すべり角が横すべり角しきい値を超えた場合は、小旋回ブレーキモードを解除するとともに、ブレーキマスタシリンダから供給された作動流体により左車輪ブレーキおよび右車輪ブレーキの全輪ブレーキを利かせることが可能となる通常ブレーキモードを作動させる機能を備えた
ことを特徴とする請求項1または2記載のアーティキュレート車両における小旋回制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010233431A JP2012086618A (ja) | 2010-10-18 | 2010-10-18 | アーティキュレート車両における小旋回制御装置 |
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JP2010233431A JP2012086618A (ja) | 2010-10-18 | 2010-10-18 | アーティキュレート車両における小旋回制御装置 |
Publications (1)
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Family
ID=46258723
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2010233431A Withdrawn JP2012086618A (ja) | 2010-10-18 | 2010-10-18 | アーティキュレート車両における小旋回制御装置 |
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---|---|---|---|---|
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-
2010
- 2010-10-18 JP JP2010233431A patent/JP2012086618A/ja not_active Withdrawn
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