JP2005235264A - 光磁気記録用摺動型磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

光磁気記録用摺動型磁気ヘッド及びその製造方法 Download PDF

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伴幸 高橋
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Abstract

【課題】 光磁気記録用摺動型磁気ヘッドにおいて、構成部品の精度、組み立て精度等によるスペーシングへの影響をなくし、低消費電力化、長時間使用化を可能にする。
【解決手段】 光磁気記録媒体1に接触摺動する摺動体101と、摺動体101内に配置された電磁変換部105と、摺動体101を光磁気記録媒体側へ付勢するサスペンションとを有し、電磁変換部105が、摺動体101に直接接触されない状態で接着剤104を介して摺動体101に固定されて成る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光磁気記録体に接触摺動して光磁気記録を行う光磁気記録用摺動型磁気ヘッド及びその製造方法に関する。
光磁気記録再生装置は、記録層を有する光磁気記録媒体、いわゆる光磁気ディスクを挟んで一方に光ビームを照射する光学ピックアップが配置され、他方に外部磁界を印加する磁気ヘッドが配置されて構成される。情報を記録するときは、光磁気ディスクの記録層に磁気ヘッドから記録情報に応じて磁界の向きが変調された磁界を印加すると共に、光学ピックアップからの光ビームを照射する。光ビームによってキュリー温度以上に加熱されて消磁した部分が、光ビームの相対的移動でキュリー温度以下に低下することによって、磁気ヘッドからの磁界による磁化の方向が固定され、情報の記録がなされる。超小型光磁気ディスク装置では、光磁気記録用磁気ヘッドとして、光磁気ディスクに接触摺動して光磁気記録を行う光磁気記録用摺動型磁気ヘッドが使用されている。
光磁気記録用摺動型磁気ヘッドは、基本的にサスペンションの先端に光ディスク面に接触摺動する摺動部を有した摺動体を取付け、この摺動体の開口内に磁性コア及びコイルからなる電磁変換部を配置して構成される。従来、摺動体に対する電磁変換部の固定は、電磁変換部を摺動体内に圧入固定するか、あるいは電磁変換部を係止部を介して摺動体内に保持し、その状態で接着剤で固定する方法が取られてした(特許文献1及び2参照)。
特許第3158327号公報 特開2003−85846号公報
ところで、従来の光磁気記録用摺動型磁気ヘッドにおいては、電磁変換部を摺動体に対して圧入あるいは係止部に保持して接着して固定しているため、装置の小型化、薄型化に伴い、各構成部品の公差、組み立て誤差により、磁性コアの中心磁極と光磁気ディスク面間の距離を高精度に保つことが難しくなってきている。
図17及び図18を用いてさらに詳述する。図17の構成は、本発明者等が開発している光磁気記録用摺動型磁気ヘッドの比較例であり、電磁変換部と摺動体の部分を示している。この光磁気記録用摺動型磁気ヘッド200では、光磁気記録媒体である光磁気ディスク1に接触し摺動する摺動部201aを有する摺動体201に、断面T字型の磁性コア11の中心磁極11Aにコイル12を巻回した電磁変換部13が、摺動体201の開口202内に接着剤を介して固定されて構成される。この場合、摺動体201の開口202内の相対向する両内側壁面には、磁性コア11を係止する段差部、すなわち磁性コア11のフランジ部を係止する受け部201b,201cが形成される。磁性コア11は、この受け部201b,201cに磁性コア11のフランジ部を係止させた状態で、接着剤14b,14cにより固定される。
光磁気記録用摺動型磁気ヘッドでは、光磁気ディスク1と磁性コア11の中心磁極11Aの磁極面11bとの間の距離d、いわゆるスペーシングを、例えば0.02mm〜0.05mmに精度良く保つことが求められている。例えば、摺動体201の受け部201b,201cの高さhが部品ばらつき等により小さくなってしまった場合には、その影響を受けてスペーシングdも小さくなってしまう。極端な場合には、磁性コア11の磁極面11bと光磁気ディスク1の面とが接触し光磁気ディスク11の表面に傷を与えてしまうこととなる。
また、逆に摺動体201の受け部201b,201cの高さhが部品ばらつき等により大きくなってしまった場合には、その影響を受けてスペーシングdも大きくなり、光磁気ディスク1への印加磁界が弱くなり、エラーレートの悪化に繋がる。極端にスペーシングdが大きい場合には、記録不能になる等の問題があった。磁性コア11の中心磁極11bの高さのばらつきによっても同様な影響があった。
また、摺動体201を光磁気ディスク1へ付勢するサスペンションがロールしていた(すなわち、長手方向の軸線を中心に左右に傾いていた)場合には、図18に示すように、摺動体11もそのロールにならって、角度θ1 分傾くことになる。当然、スペーシングdにも影響し、スペーシングがd1 に変動する。スペーシングd1 が小さくなった場合には、光磁気ディスク1に対する傷発生が懸念され、逆にスペーシング1 が大きくなった場合には、エラーレートの悪化や、記録不能になる等の問題があった。
このため、最大のスペーシングdとして、0.11mm程度を想定して磁気ヘッドへ印加する電流を増やすなどの対策をとらざるを得ない。この場合、電流を増加した分、消費電力が増えてしまい、ポータブルMDシステムなどの電池で駆動する装置においては、使用可能時間が短くなる原因となっていた。
本発明は、上述の点に鑑み、構成部品の精度、組み立て精度等によるスペーシングへの影響をなくし、低消費電力化、長時間使用化を可能にした光磁気記録用摺動型磁気ヘッド及びその製造方法を提供するものである。
本発明に係る光磁気記録用摺動型磁気ヘッドは、光磁気記録媒体に接触摺動する摺動体と、摺動体内に配置された電磁変換部と、摺動体を光磁気記録媒体側へ付勢するサスペンションとを有し、電磁変換部が摺動体に直接接触されない状態で接着剤を介して摺動体に固定されることを特徴とする。
接着剤としては、紫外線硬化樹脂で構成されたものが好ましい。
電磁変換部と摺動体とを固定する接着剤は、電磁変換部の平面方向に対して対称位置に設けることが好ましい。
本発明に係る光磁気記録用摺動型磁気ヘッドの製造方法は、固定体、サスペンション、アーム、フレキシブル配線板及び摺動体を組み立てる工程と、組み立てられた組み立て体を、治具を用いてヘッド使用状態と同等な状態で、摺動体を光磁気記録媒体面に相当する治具の面に当接する工程と、摺動体内に電磁変換部を、摺動体に接触させない状態で磁性コアの中心磁極が治具の面より所定高さの突き当て面に当接するように配置する工程と、摺動体と前記電磁変換部とを接着剤を介して固定する工程を有することを特徴とする。
接着剤には紫外線硬化樹脂を用いることが好ましい。
電磁変換部と摺動体との固定に際して、電磁変換部と前記摺動体とを電磁変換部の平面方向に対して対称位置において接着剤を介して固定することが好ましい。
本発明の光磁気記録用摺動型磁気ヘッドでは、電磁変換部が摺動体に直接接触されない状態で接着剤を介して固定されるので、サスペンションのロール角、部品精度などに拘らず、使用時の光磁気記録媒体と電磁変換部との間の距離を所望の値に精度良く設定することができる。
本発明の光磁気記録用摺動型磁気ヘッドの製造方法では、固定体、サスペンション、アーム及びフレキシブル配線板の組み立て体を、治具を用いてヘッド使用状態と同等な状態に配置する。この状態で電磁変換部を摺動体に接触させないで摺動体内に配置し、且つ磁性コアの中心磁極を、光磁気記録媒体の面に相当する治具の面より所定高さの突き当て面に当接させ、接着剤を介して摺動体に固定することにより、サスペンションのロール角、部品精度などに拘らず、使用時の光磁気記録媒体と電磁変換部との間の距離を精度よく設定できる。
本発明に係る光磁気記録用摺動型磁気ヘッドによれば、摺動体や磁性コア等の部品の精度、サスペンションのロール角等による磁性コアと光磁気記録媒体面間の距離、いわゆるスペーシングへの影響がなく、低消費電力化を容易に実現きるこの種の光磁気記録用摺動型磁気ヘッドを提供することができる。
接着剤を紫外線硬化接着剤で構成するときは、短時間の接着が可能になるので、製造の短縮化を可能にする。電磁変換部と摺動体とを固定する接着剤を電磁変換部の平面方向に関して対称位置に設けるときは、不要な応力を与えことがなく、光磁気記録用摺動型磁気ヘッドの信頼性を向上することができる。
本発明に係る光磁気記録用摺動型磁気ヘッドの製造方法によれば、摺動体や磁性コア等の部品の精度、サスペンションのロール角等に拘わらず、所望のスペーシングを確保できる光磁気記録用摺動型磁気ヘッドを製造することができる。
接着剤として紫外線硬化接着剤を用いるときは、短時間の接着が可能になるので、製造の短縮化、コスト低減化を可能にする。電磁変換部と摺動体とを、電磁変換部の平面方向に関して対称位置において接着剤を介して固定体するときは、バランスのよい背着ができ、不要な応力を与えずに信頼性の高い光磁気記録用摺動型磁気ヘッドを製造することができる。
本発明に係る光磁気記録用摺動型磁気ヘッドは、専らMDシステムに使用して好適である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図8及び図9に、本発明に係る光磁気記録用摺動型磁気ヘッドの一実施の形態を示す。本実施の形態に係る光磁気記録用摺動型磁気ヘッド100は、固定体32と、固定体32に接合され自由状態で光磁気記録媒体(いわゆる光磁気ディスク)側へ湾曲されたサスペンション33と、固定体32に光磁気記録媒体側への回転角度が規制されるように回転可能に係合され且つサスペンション33と接合されてサスペンション33の弾性により光磁気記録媒体側へ付勢されるアーム34と、光磁気記録媒体に接触して摺動する摺動体101内にコイル12と磁性コア11からなる電磁変換部105を配置してなる磁気ヘッド本体35と、フレキシブル配線板45とから構成される。
固定体32は、図12A,Bに示すように、平板材よりなり、長方形の長手方向の一辺が突出するような形状に形成され、長手方向の中央及び両端に取付け孔37が形成されると共に、一辺の突出部に長手方向に沿って2つの切り欠き部38〔38a,38b〕が形成されて成る。この2つの切り欠き部38a,38bは、後述するようにアーム34の一方の端部が回転可能に挿入される開口の形成に供される。
サスペンション33は、図9及び図13A,Bに示すように、平板条をなす板バネ材から成り、固定体32側よりアーム34の先端部側に延長するように形成される。サスペンション33は、自由状態で光磁気記録媒体側に湾曲するように中間の複数箇所、本例では4箇所を同方向に折曲して形成される。符号20は折曲部を示す。平板条のサスペンション33は、長手方向に沿う中央の複数箇所に開口が形成され、本例では第1、第2、第3、第4の開口21、22、23、24が形成され、後述するようにその固定体側に第1弾性部25(すなわち第1バネ系)が形成され第1弾性部25より先端側に第2弾性部26(すなわち第2バネ系)が形成される。サスペンション33では、中央に沿って形成した複数の開口21〜24により、適切な弾性力を得ている。サスペンション33には、先端側の第4開口24内に延長するように磁気ヘッド本体35を支える保持用舌片27が形成されると共に、最先端に磁気ヘッド本体35の熱をサスペンション33へ放熱させるための放熱片28が形成される。サスペンション33では、その固定体32に接合される端部を、固定体32の2つの切り欠き部38a,38bの一部を跨いで切り欠き部38〔38a,38b〕による2つの開口、いわゆる係合孔が形成される架橋部39としている。サスペンション33の先端には、磁気ヘッド本体35を両側から挟持的に保持できるように両側を折曲したヘッド保持部19が形成され、且つ折曲されたヘッド保持部19から上面にかけて磁気ヘッド本体35側の突起が嵌入する嵌入孔18が形成される。
アーム34は、図8図14A,Bに示すように、平板材からなり、固定体32側から磁気ヘッド本体35側に向って延長する両側部34a,34bを有し、両側部34a,34bの固定体32側の端部17〔17a,17b〕が下面側に折曲させ更に両側部34a,34bの面と平行に折り返されようにして形成される。この折曲された端部17a,17bは、固定体32の切り欠き部38a,38bとサスペンション33の架橋部39とにより形成される開孔、すなわち係合孔に係合されるものである。このアーム34は、さらに両側部34a,34bの先端が連結部16により連結されると共に、両側部34a,34bの中間が連結部15により連結され、端部17側に側部34aに連続してフレキシブル配線板45の受け部14が形成されて構成される。
固定体32及びサスペンション33は、例えばステンレス材で構成することがきる。固定体32の厚みは、例えば0.15mm〜0.4mm程度とすることができる。サスペンション32の厚みは、例えば30μm〜70μm程度とすることができる。サスペンション33には、ステンレス材の中でも弾性のあるバネ材を用いて構成するのがよい。アーム34は、例えば厚みが0.15mm〜0,4mm程度のステンレス材で構成することができる。これらの固定体32、サスペンション33、アーム34の材料は、ステンレス材の他、略同様の物理特性を有する材料で構成することができる。本実施の形態では、アーム34の板厚を固定体32の板厚より薄い平板材で形成するのが良い。すなわち、図11を参照すると、アーム34の板厚t1 と固定体32の板厚t2 とサスペンション33の板厚t3 の関係は、t3 <t1 <t2 とすることができる。
磁気ヘッド本体35は、詳しくは後述するが、図10に示すように、光磁気記録媒体1と接触摺動する摺動部102を一体に有する摺動体(いわゆるスライダー)101と、この摺動体101の開口103内に配置した垂直記録磁界を発生する電磁変換部105とから構成される。電磁変換部105は、磁性コア11にコイル12を巻回して形成される。
図15は、これら固定体32、サスペンション33及びアーム34を分解した状態を示す。磁気ヘッド本体35は、サスペンション33の先端に保持される。サスペンション33の端部の架橋部39が固定体32の下面に2つの切り欠き部38a及び38bの一部を跨ぐようにして架橋接合される。固定体32では、切り欠き部38〔38a,38b〕と架橋部39により、2つの開口、すなわち係合孔15〔15a,15b〕が形成される。固定体32とサスペンション33の接合、及びアーム34とサスペンション33の接合は、例えば抵抗スポット溶接で行うことができる。
サスペンション33の架橋部39と固定体32の接合は、サスペンション33とアーム34の幅方向の同一線上の複数箇所、本例では4つの溶接点aで溶接される。サスペンション33とアーム34の接合は、本例では4つの溶接点bで溶接される。
アーム34は、図11の拡大図に示すように、折曲された両端17〔17a,17b〕を固定体32の切り欠き部38〔38a,38b〕とサスペンション33の架橋部39とによって形成された係合孔41〔41a,41b〕の上から挿入し固定体32の下面に沿うようにして係止され、一定の高さを保つようになされる。この場合、サスペンション33の架橋部39の上面にアーム34の下面が当接し、固定体32の下面にアーム34の上面が当接することになる。また、アーム34の板厚t1 が固定体32の板厚t2 より薄く形成されているので、アーム32が固定体32に対して水平状態で係合されている状態では、アーム34は固定体32の上面から突出することはない。アーム34は、サスペンション33の架橋部39の当接部を中心に回転可能になされ、しかも、光磁気記録媒体側は係合孔41〔41,41b〕に挿入された端部17〔17a,17b〕が固定体32の下面に当接することにより、それ以上の回転が規制される。つまり、アーム34は、固定体32の面と平行した状態で回転角度が規制される
この光磁気記録用摺動型磁気ヘッド31を備えた超小型光磁気ディスク用(いわゆるMD)の光磁気記録再生装置の一実施の形態を図16に示す。なお、同図は要部の概略構造を示す。
本実施の形態に係る光磁気記録再生装置61は、図16に示すように開閉自在の蓋体62を有する筐体63内に、光学ピックアップ64が配置されるとともに、蓋体62の開閉に伴って可動するように光磁気記録用摺動型磁気ヘッド31が配置されて成る。筐体63内には、光磁気記録用摺動型磁気ヘッド31の固定体32と光ピックアップ74とを連結するためにコの字型ジョイント部材65が配置され、光学ピックアップ64がコの字型ジョイント部材65の下側部65bにビス68を介して取り付けられ、固定体32がコの字型ジョイント部材65の上側部65aにビス69を介して取り付けられる。
光学ピックアップ64と磁気ヘッド31は、レーザスポットと光軸とが合うように、固定体32とジョイント部材65との固定時にアライメントされ、固定体32の中央の取り付け孔37に固定用のビス69を通して固定される。
磁気ヘッド31の下部には待機状態(ストップ、プレイ)、筐体の開蓋状態(イジェクト)で磁気ヘッド本体35を光磁気記録媒体である光磁気ディスク本体側から離すための跳ね上げプレート66が配置される。
この光磁気記録再生装置61では、記録又は再生時に光磁気記録媒体である光磁気ディスク1を収容した光磁気ディスクカートリッジ72が筐体63内のカートリッジホルダ(図示せず)に保持されて装着される。記録時には跳ね上げプレート66が移動することにより、磁気ヘッド31が待機状態を解除して光磁気ディスク1に接触する。この状態で光磁気ディスク1が中心軸を中心に回転し、記録が開始される。再生時は、磁気ヘッド31が待機状態に保持され、光学ピックアップ64により再生が行われる。この光磁気記録再生装置は、本実施の形態の光磁気記録用摺動型磁気ヘッド31を備えることにより、光磁気ディスクカートリッジ72の底面から固定体、サスペンション及びアームの組み立て体の上面までのトータル高さがh1 が低くなり、光磁気記録装置61の更なる薄型化が図れる。
そして、本発明においては、特に、磁気ヘッド本体35を次のように構成する。図1に、磁気ヘッド本体35の一実施の形態を示す。図1は、図8のAーA線上の断面構造である。本実施の形態に係る磁気ヘッド本体351は、光磁気記録媒体1と接触摺動する摺動部102を一体に有する摺動体(いわゆるスライダー)101と、この摺動体101の開口103内に配置した垂直記録磁界を発生する電磁変換部105とから構成される。電磁変化部105は、例えば断面T字型の磁性コア11の中心磁極11Aにコイル12を直接巻回して形成される。摺動体101は、例えばプラスチックから成り、先端側101Aの下部片側に摺動部102が一体に形成されると共に、電磁変換部105が挿入配置される開口103が形成される。開口103は、上下貫通して形成され、本例では開口内面が磁性コアを係止するための受け部のないストレートな面を有して形成される。
摺動体101の開口103の開口幅または開口径W1 は、磁性コア11のフランジ部11Bの幅または径W2 より大きく形成される。そして、電磁変換部105の磁性コア11は、この開口103内に在って開口内壁面に接触しない状態で接着剤104を介して摺動体101内に固着される。磁性コア11は、各部品の公差、例えば摺動体101、磁気コア11、サスペンション33、アーム34、固定体32の公差、あるいは摺動体101のサスペンション33への取り付け誤差、フレキシブル配線板45の影響等に拘らず、その中心磁極11Aの磁極面11aと光磁気記録媒体1の面1aとの間の距離、いわゆるスペーシングdが一定に保持されて固定されている。この場合、中心磁極面11aと光磁気記録媒体1の面1aとが平行な状態で、磁性コア11が摺動体101に対して固定される。接着剤104は、好ましくは対称位置に設けるようにする。図示の例では対称的な4箇所に接着剤104を設けて磁性コアと摺動体101を固着している。磁性コア11は、開口103内において、その中心磁極11Aの磁極面11aが摺動体101の下面101aより光磁気記録媒体1側に突出するように固定するのが好ましい。これは製造の容易性の点で好ましい。なお、磁性コア11としては、開口103内において、中心磁極11Aの磁極面11aを、摺動体101の下面101aより開口103内に入り込ませた状態、あるいは下面101aと同一面の状態で固定することも可能である。
摺動体101の後方に延長する延長部101Bの両側には、サスペンション33の先端のヘッド保持部19の嵌入孔18(図9参照)に嵌入する一対の突起60が形成される。
次に、上述の本実施の形態の光磁気記録用摺動型磁気ヘッド100の製造方法を図2及び図3を用いて説明する。本実施の形態においては、図2及び図3に示す組み立て治具81を設ける。この治具81は、基台82の上面83が光磁気記録媒体1の面1aに相当するように形成され、この基台上面83に所要の高さdで突出し、上面84aが基台上面83と平行する平坦面に形成された突き当て部84を一体に有して成る。この突き当て部84の高さdは、実際の磁気ヘッドの使用時、つまり記録再生時に磁気ヘッド本体351の摺動体101を光磁気記録媒体1の面1aに接触した状態での光磁気記録媒体の面1aと磁性コア11の中心磁極面11aとの高さd(図 参照)に相当するものである。治具81には、さらに基台82の他部に上面83から起立するように電磁変換部105のない摺動体101とサスペンション33と固定体32とアーム34とフレキシブル配線板45とを組み立てた組み立て体、いわゆるサスペンションアセンブリ部品90を取付けるための取付け支柱85が一体に設けられる。基台の上面83から取付け支柱85の上端面85Aまでの高さHは、前述の図16で示した光磁気記録媒体1の面1aから光磁気記録用摺動型磁気ヘッド100の取付け部までの高さHに相当する。
そして、磁気ヘッド本体351の組み立ては次のように行う。サスペンションアセンブリ部品90を使用状態、すなわち記録状態と同等な状態で上記治具81に取り付ける。この場合、摺動体101の摺動部102を治具81の上面83に当接するようにして、サスペンションアセンブリ部品90の固定体32を取付け支柱85の上端面85Aにビス89を介して取り付ける(図2参照)。次いで、摺動体101の開口103内に電磁変換部であるコイル12を巻回した磁性コア11を配置する。磁性コア11は、その中心磁極11Aの磁極面11aが治具81の突き当て部84の面に当接するように摺動体101内に配置する(図3参照)。そして、押圧手段(図示せず)を介して磁性コア11を押圧力Fで押圧、保持した状態、すなわち磁極面11aを突き当て部84の面に押圧、保持した状態で、摺動体101と磁性コア11とを架橋するように接着剤104を塗布して連結固定する。接着剤104は、対称位置に塗布することが好ましく、本例では四隅部に塗布して固定する。接着剤104としては、紫外線硬化接着剤を用いるのが好ましい。
本実施の形態の光磁気記録用摺動型磁気ヘッド100によれば、摺動体101の開口103の内壁面に段差を設けず、また固定前の磁性コア11が開口103内で動き得るように構成されるので、例え図4に示すように、サスペンション33のロールなどにより摺動体101が光磁気記録媒体1に対して角度θの傾きが発生しても、所望のスペーシングdを確保して光磁気記録用摺動型磁気ヘッド100を組み立てることができる。また、摺動体101の開口103内に図17の比較例のような磁性コアの受け部201b,201cがないので、摺動体101の寸法精度にも影響されることなく、所望のスペーシングdをもって組み立てることができる。
また、従来のような磁性コアを熱をかけて摺動体内に圧入する方法では、サスペンションのロールによるスペーシングへの影響を無くすことができなかった。しかし、本実施の形態では、組み立て時に摺動体101と電磁変換部105、つまり磁性コア11とが、力学的に離れた状態で3次元的位置を決定した上で、そのまま接着剤104で連結固定されるため、所望のスペーシングdで組み立てることができる。電磁変換部105と摺動体101とを任意位置で連結固定する接着剤104として、特に紫外線硬化接着剤を用いるときは、立体的な連結を、通常硬化時間10〜20秒の短時間で行うことができ、製造コストを低減することができる。
接着剤104としては、面接着ではなく、立体形状で硬化可能な種類の接着剤であれば、使用することができる。
接着剤104を対称位置に塗布して固着するときは、バランスの良い固着ができる。因みに、非対称の位置に接着剤を配置したときには、背着剤自体が固まる過程で微妙に縮むため、不要な応力が磁性コア等にかかる虞れがある。
本実施の形態によれば、摺動体101や磁性コア11の精度、サスペンション33のロール角等による、スペーシングへの影響がなく、低消費電力化を容易に実現できる光磁気記録用摺動型磁気ヘッドを提供することができる。
図6A,Bは、本実施の形態に係る磁気ヘッド本体35の他の実施の形態を示す。本実施の形態に係る磁気ヘッド本体352は、開口103の内壁に電磁変換部105の磁性コア11を仮止めするための段差部(受け部)11d,11eを有する摺動体101と、この摺動体101内に配置固定した電磁変換部105とから成る。
この磁気ヘッド本体352を有する光磁気記録用摺動型磁気ヘッド100を組み立てるときは、摺動体101の段差部101a,101bにコイル12を巻回した磁性コア11を仮止めした状態(図5A参照)のサスペンションアセンブリ部品を図2及び図3に示す治具90に取付け、その摺動体101の摺動部102を治具81の上面83に当接すると共に、磁性コア11の中心磁極11Aの磁極面11aを突き当て部84に当接する。この状態で、磁性コア11は段差部101a,101bから離れ、摺動体101の開口内壁面に接触せずに動き得る状態になっている(図5B参照)。この状態で磁性コア11を押圧手段を介して突き当て部84に押圧して、接着剤104により固定する。
この磁気ヘッド本体352によれば、組み立て時に摺動体101の段差部101a,101bで磁性コア11を一時的に仮止めするので、磁性コア11の位置規制が容易になり、組み立てが容易になる。
図6A,Bは、本実施の形態に係る光磁気記録用摺動型磁気ヘッドのさらに他の実施の形態を示す。本実施の形態に係る磁気ヘッド本体353は、その摺動体101が上面から見て四面を囲う形状でなく二面101A,101Bのみで形成された形状をなす。この摺動体101の二面101A,101Bの内壁には段差はない。この摺動体101の二面101A,101Bで形成される開口103内に電磁変換部となるコイル12を巻回した磁性コア11を配置し、上述と同様に、二面101A,101Bの内壁に接触しない状態で磁性コア11と摺動体101とを接着剤104を介して固着して構成される。
この磁気ヘッド本体353によれば、光磁気記録用摺動型磁気ヘッドの組み立て時に、摺動体101内への磁性コア11の挿入が容易になり、組み立てを容易にする。
図7A,Bは、本実施の形態に係る光磁気記録用摺動型磁気ヘッドのさらに他の実施の形態を示す。本実施の形態に係る磁気ヘッド本体354は、その摺動体101が上面から見て三面101A,101B及び101Cで囲う形状をなす。この摺動体101の三面101A,101B、101Cの内壁には仮止めようの段差を設けない形状、あるいは設けた形状とすることができる。開放された面は光磁気記録用摺動型磁気ヘッドからみて先端側とすることができる。この摺動体101の三面101A,101B,101Cで形成される開口103内に電磁変換部となるコイル12を巻回した磁性コア11を配置し、上述と同様に、三面101A,101B,101Cの内壁に接触しない状態で磁性コア11と摺動体101とを接着剤104を介して固着して構成される。
この磁気ヘッド本体354においても、光磁気記録用摺動型磁気ヘッドの組み立て時に、摺動体101内への磁性コア11の挿入が容易になり、組み立てを容易にする。
本発明に係る光磁気記録用摺動型磁気ヘッドに適用される磁気ヘッド本体の一実施の形態を示す断面図である。 本発明に係る光磁気記録用摺動型磁気ヘッドの製造方法を示す概略構成図である。 図2のBーB線上の拡大断面図である。 本発明に係る光磁気記録用摺動型磁気ヘッドの組み立て状態の例を示す要部の断面図である。 A、B 本発明に係る光磁気記録用摺動型磁気ヘッドに適用される磁気ヘッド本体の他の実施の形態を示す断面図である。 A 本発明に係る光磁気記録用摺動型磁気ヘッドに適用される磁気ヘッド本体の他の実施の形態を示す平面図である。 B その断面図である。 A 本発明に係る光磁気記録用摺動型磁気ヘッドに適用される磁気ヘッド本体の他の実施の形態を示す平面図である。 B その断面図である。 本発明に係る光磁気記録用摺動型磁気ヘッドの一実施の形態を示す構成図である。 図8の側面図である。 図8の磁気ヘッド本体を示す斜視図である。 図9の要部の拡大断面図である。 A 図8の光磁気記録用摺動型磁気ヘッドの固定体を示す平面図である。 B その断面図である。 A 図8の光磁気記録用摺動型磁気ヘッドのサスペンションを示す平面図である。 B その側面図である。 A 図8の光磁気記録用摺動型磁気ヘッドのアームを示す平面図である。 B その側面図である。 図8の光磁気記録用摺動型磁気ヘッドの固定体とサスペンションとアームの分解図である。 本発明に係る光磁気記録用摺動型磁気ヘッドを備えた光磁気記録再生装置の要部を示す構成図である。 光磁気記録用摺動型磁気ヘッドの比較例に係る磁気ヘッド本体の断面図である。 図17の課題の説明に供する断面図である。
符号の説明
1・・光磁気記録媒体、1a・・面、11・・磁性コア、11A・・中心磁極、11a・・磁極面、11d,11e・・段差部、12・・コイル、32・・固定体、33・・サスペンション、34・・アーム、35〔351、352、353、354〕・・磁気ヘッド本体、45・・フレキシブル配線板、81・・治具、82・・基台、83・・治具上面、84・・突き当て部、84a・・突き当て面、90・・サスペンションアセンブリ部品、101・・摺動体、102・・摺動部、103・・開口、104・・接着剤

Claims (6)

  1. 光磁気記録媒体に接触摺動する摺動体と、
    前記摺動体内に配置された電磁変換部と、
    前記摺動体を前記光磁気記録媒体側へ付勢するサスペンションとを有し、
    前記電磁変換部が、前記摺動体に直接接触されない状態で接着剤を介して前記摺動体に固定されている
    ことを特徴とする光磁気記録用摺動型磁気ヘッド。
  2. 前記接着剤が紫外線硬化樹脂で構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の光磁気記録用摺動型磁気ヘッド。
  3. 前記電磁変換部と前記摺動体とを固定する接着剤が、前記電磁変換部の平面方向に対して対称位置に設けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の光磁気記録用摺動型磁気ヘッド。
  4. 固定体、サスペンション、アーム、フレキシブル配線板及び摺動体を組み立てる工程と、
    前記組み立てられた組み立て体を、治具を用いてヘッド使用状態と同等な状態で、前記摺動体を光磁気記録媒体面に相当する治具の面に当接する工程と、
    前記摺動体内に電磁変換部を、前記摺動体に接触させない状態で磁性コアの中心磁極が治具の前記面より所定高さの突き当て面に当接するように配置する工程と、
    前記摺動体と前記電磁変換部とを接着剤を介して固定する工程を有する
    ことを特徴とする光磁気記録用摺動型磁気ヘッドの製造方法。
  5. 前記接着剤に紫外線硬化樹脂を用いる
    ことを特徴とする請求項4記載の光磁気記録用摺動型磁気ヘッドの製造方法。
  6. 前記電磁変換部と前記摺動体とを、前記電磁変換部の平面方向に対して対称位置において前記接着剤を介して固定する
    ことを特徴とする光磁気記録用摺動型磁気ヘッドの製造方法。
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