JP2005232815A - 鋼材とコンクリートとの境界面における鋼材の防食構造及び防食方法並びに合成セグメントの防食構造及び防食方法 - Google Patents

鋼材とコンクリートとの境界面における鋼材の防食構造及び防食方法並びに合成セグメントの防食構造及び防食方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 鋼材とコンクリートとの一体性を保ち、防食性能および構造性能の低下を起こす恐れのない、低コストなコンクリート境界面の鋼材の防食構造および防食方法並びに合成セグメントの防食構造および防食方法の提供。
【解決手段】 鋼材とコンクリートとの境界面における鋼材の防食構造において、コンクリートと当接する鋼材の表面にポリマーセメント層を設け、ポリマーセメント層の外側にコンクリートを設けたことを特徴とする。また、鋼製系セグメント4の内部にコンクリート5を充填する合成セグメントの防食構造において、鋼製系セグメント本体4aの内側表面またはトンネル半径方向内側から所定の中間部の位置までの内側表面にポリマーセメント層3を設けて被覆し、ポリマーセメント層3を埋め込むようにセグメント内部にコンクリート5を充填したことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、鋼材とコンクリートとの接合部や鋼材とコンクリートとの一体構造等、鋼材とコンクリートが接触する部位で、かつ空気や海水など腐食環境に直接さらされる部位の防食に関し、特に、鋼材とコンクリートとの境界面における鋼材の防食構造および防食方法並びに合成セグメントの防食構造および防食方法に関する。本発明は、建設分野において、腐食環境下に直接さらされる鋼とコンクリートとの合成構造物に広く適用できる。
従来、図6(a)に示すように、基礎コンクリート2a等のコンクリート2に埋め込み固定される鋼製橋脚1a等の鋼材1に防食を施す場合、一般的にエポキシ樹脂塗装などの防食塗装14、あるいは亜鉛メッキなどのメッキによる防食方法が行われている。
また、図6(b)に示すように、鋼製系セグメント4の内部にコンクリート5を充填してなる合成セグメント9に防食を施す場合、一般的に、鋼製系セグメント本体4aの表面にエポキシ樹脂塗装などの防食塗装14、あるいは、亜鉛メッキなどのメッキによる防食方法が行われている。
また、特許文献1には、コンクリートから露出した鋼材あるいはコンクリートの表面の防食を目的としてポリマーセメントを鋼材あるいはコンクリートの表面に塗布した例が示されている。
特開平10−152906
しかし、鋼材1にエポキシ樹脂などの通常の防食塗装14をした場合、鋼材1とコンクリート2(2a)との密着性が悪く、コンクリート2の収縮や外力による変形が起こった場合、鋼板等の鋼材1とコンクリート2との境界面Aが、例えば、図6(a)に2点鎖線Bで示すように剥がれ、鋼材1とコンクリート2との一体性が失われ、また、鋼材1とコンクリート2との隙間から雨水等が浸入して鋼材1が腐食しやすく、防食性能が低下する。また、鋼材1とコンクリート2との一体性が失われることにより、構造性能が低下する恐れがあった。
前記の問題点は、図6(b)に示す鋼・コンクリートの鋼製系合成セグメントでも同様な問題であり、鋼製セグメント本体4a内面にエポキシ樹脂などの通常の防食塗装14をした場合、セグメント本体4aとコンクリート5との密着性が強くないため、コンクリート5の収縮や外力による変形が起こった場合、鋼製セグメント本体4aとコンクリート5との境界面Aが、例えば、図6(b)に2点鎖線Bで示すように剥がれる恐れがあり、鋼製セグメント本体4aの内面と内部コンクリート5との一体性が失われ、鋼製セグメント本体4a内面とコンクリート2との隙間から雨水等が浸入してセグメント内面が腐食しやすく、防食性能が低下する恐れがある。また、鋼製セグメント本体4aとコンクリート5との一体性が失われることにより、構造性能が低下する恐れがあった。
さらに、図6(b)に示すような鋼製系セグメント4の本体4aの表面にメッキを施した場合には、メッキ時の入熱により、鋼製系セグメント本体4aに変形が生じ、鋼製系セグメントの製造精度確保が困難となり、メッキ後に、鋼製系セグメントの矯正が必要となるため、鋼製系セグメント4のコストアップとなるなどの問題があった。
また、特許文献1における発明のようにコンクリートから露出した鉄骨や鉄筋などの鋼材表面に塗布した例はあるが、コンクリート内部の鋼材あるいはコンクリートと鋼材との境界面における鋼材の防食を目的としてポリマーセメントで防食された例はない。
本発明は、鋼製系セグメント4を含む鋼材1とコンクリート2,5との一体性を保ち、防食性能および構造性能の低下を起こす恐れのない、鋼材とコンクリート境界面における鋼材の低コストな防食構造および防食方法並びに合成セグメントの防食構造および防食方法を提供することを目的とする。
前記の従来の問題点を有利に解決するために、第1発明における鋼材とコンクリート境界面における鋼材の防食構造においては、鋼材1とコンクリート2との境界面における鋼材の防食構造において、コンクリート2と当接する鋼材1の表面にポリマーセメント層3を設け、前記ポリマーセメント層3の外側にコンクリート2を設けたことを特徴とする。
なお、本発明においてポリマーセメントとは、セメントと骨材にポリマーを加え、水で練り混ぜたものを意味し、骨材の粒径によって、ポリマーセメントモルタル、ポリマーセメントフィラー、また、骨材を用いないポリマーセメントペーストを含む。また、ポリマーの種類は特に限定しない。
また、第2発明の合成セグメントの防食構造においては、鋼製系セグメント4の内部にコンクリート5を充填する合成セグメントの防食構造において、鋼製系セグメント本体4aの内側表面にポリマーセメント層3を設けて被覆し、前記ポリマーセメント層3を埋め込むようにセグメント内部にコンクリート5を充填したことを特徴とする。
さらにまた、第3発明の合成セグメントの防食構造においては、第2発明において、鋼製系セグメント本体4aを構成する主桁6と継手板7とスキンプレート10の内側全面またはこれらのトンネル半径方向内側から所定の中間部の位置までの内側表面にポリマーセメント層3を設けて被覆し、前記ポリマーセメント層3を埋め込むようにセグメント内部にコンクリート5を充填したことを特徴とする。
なおまた、第4発明においては、第2または第3発明において、主桁6及び継手板7のトンネル半径方向内側となる上面8に、ポリマーセメント層3が設けられ、そのポリマーセメント層を埋め込むようにコンクリート層がセグメント内のコンクリートと一体に設けられていることを特徴とする。
また、第5発明においては、第2発明〜第4発明のいずれかに記載の合成セグメントの防食構造において、前記主桁6に架設された補強リブ11の表面またはトンネル半径方向内側面に、ポリマーセメント層3が設けられ、そのポリマーセメント層3を埋め込むようにコンクリート5(またはコンクリート5およびコンクリート層12)が設けられていることを特徴とする。
さらに、第6発明の鋼材とコンクリートとの境界面における鋼材の防食方法においては、コンクリート2と当接する鋼材1の表面をポリマーセメント層3で被覆し、次いで、前記ポリマーセメント層3の外側にコンクリート2を打設することを特徴とする。
また、第7発明の合成セグメントの防食方法においては、鋼製系セグメント4の内部にコンクリート5を充填する合成セグメント9の防食方法において、鋼製系セグメント4の内側全面またはトンネル半径方向内側から所定の中間部の位置までの内側表面をポリマーセメント層3で被覆し、次いで、鋼製系セグメント4の内部にコンクリート5を充填することを特徴とする。
また、第8発明においては、第7発明において、鋼製系セグメント4の内部および主桁6及び継手板7のトンネル半径方向内側となる上面8をポリマーセメント層3で被覆し、そのポリマーセメント層3を埋め込むようにコンクリート層がセグメント内のコンクリート5と一体に設けることを特徴とする。
本発明でいう内側表面とは、主桁6、継手板7およびスキンプレート10で囲まれる箱状の内側に位置する鋼材の表面を意味し、主桁6および継手板7の側面、スキンプレート10の内側表面および補強リブ11の表面その他の鋼材表面すべてを含む。
第1発明によると、鋼材とコンクリートとの境界面における鋼材の防食構造において、コンクリートと当接する鋼材の表面にポリマーセメント層を設け、前記ポリマーセメント層の外側にコンクリートを設けたので、鋼材とコンクリートとの一体性を保ち、防食性能および構造性能の低下を起こす恐れのない、低コストなコンクリート境界面の鋼材の防食構造とすることができる。
第2発明によると、鋼製系セグメントの内部にコンクリートを充填する合成セグメントの防食構造において、鋼製系セグメント本体の内側表面にポリマーセメント層を設けて被覆し、前記ポリマーセメント層を埋め込むようにセグメント内部にコンクリートを充填したので、鋼製セグメントとコンクリートとの一体性を保ち、合成セグメントの防食性能および構造性能の低下を起こす恐れのない、低コストな合成セグメントの防食構造とすることができる。
また、第3発明によると、鋼製系セグメントの内部にコンクリートを充填する合成セグメントの防食構造において、鋼製系セグメント本体の内側全面またはトンネル半径方向内側から所定の中間部の位置までの内側表面にポリマーセメント層を設けて被覆し、前記ポリマーセメント層の外側を含むセグメント内部にコンクリートを充填したので、鋼製セグメントとコンクリートとの一体性を保ち、合成セグメントの防食性能および構造性能の低下を起こす恐れのない、低コストな合成セグメントの防食構造とすることができる。特に、鋼製系セグメント本体のトンネル半径方向内側から所定の中間部の位置までの内側表面にポリマーセメント層を設ける場合は、ポリマーセメントの塗布量を少なくして経済的に鋼製系セグメントの防食およびコンクリートとの一体化を図ることができる。
さらにまた、第4発明によると、主桁及び継手板のトンネル半径方向内側となる上面に、ポリマーセメント層が設けられ、そのポリマーセメント層を埋め込むようにコンクリート層がセグメント内のコンクリートと一体に設けられていると、鋼製系セグメント本体におけるトンネル半径方向内側の最もかぶりコンクリートから近い鋼材面の防食を確実にして、セグメント内部への腐食の進行を防止することができ、高い防食性能の合成セグメントとすることができる。
なおまた、第5発明によると、主桁に架設された補強リブの表面またはトンネル半径方向内側面に、ポリマーセメント層が設けられ、そのポリマーセメント層を埋め込むようにコンクリートが設けられているので、補強リブの防食を図りながら補強リブとセグメント内のコンクリートとの一体化を図ることができるので、合成セグメントの一体化をさらに高めることができる。
また、第6発明によると、鋼材とコンクリートとの境界面における鋼材の防食方法において、コンクリートと当接する鋼材の表面をポリマーセメント層で被覆し、次いで、前記ポリマーセメント層の外側にコンクリートを打設するので、鋼材の表面にコンクリートとの密着を確実に図ることができるポリマーセメント層を形成でき、また鋼材とコンクリートとの一体性の高い鋼・コンクリート構造物とすることができる。
さらに、第7発明によると、鋼製系セグメントの内部にコンクリートを充填する合成セグメントの防食方法において、鋼製系セグメント内側表面またはトンネル半径方向内側から所定の中間部の位置までの内側表面にポリマーセメント層を設けて被覆し、次いで、鋼製系セグメントの内部にコンクリートを充填したので、簡単に鋼製セグメント本体とコンクリートとの一体性を保つことができ、合成セグメントの防食性能および構造性能の低下を起こす恐れのない、低コストな合成セグメントを容易に製造することができる。特に、鋼製系セグメント本体のトンネル半径方向内側から所定の中間部の位置までの内側表面にポリマーセメント層を設ける場合は、ポリマーセメントの塗布量の少ない経済的な合成セグメントとすることができる。
また、第8発明によると、主桁及び継手板のトンネル半径方向内側となる上面をポリマーセメント層で被覆し、そのポリマーセメント層を埋め込むようにコンクリート層がセグメント内のコンクリートと一体に設けるので、合成セグメントにおける主桁および継手板のトンネル半径方向内側の表面側をコンクリートにより被覆する場合にも、単にポリマーセメント層をこれらの表面に設けて、コンクリート層を形成するだけで、主桁および継手板のトンネル半径方向表面側を確実に防食することができ、しかもこれらの表層側のコンクリート層を、セグメント内部のコンクリートとの一体化も容易であるなどの効果がある。
次に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1(a)および(b)は、本発明における鋼材とコンクリートとの境界面における鋼材の防食構造および防食方法を、コンクリート基礎2aと、鋼製橋脚1aからなる鋼材1に適用した第1実施形態を示すものであって、鋼製橋脚1aの下部外表面におけるコンクリート基礎2aに埋め込み固定される部分およびその上部付近の内外表面1bに付着する汚れ・油類除去をすると共に錆の除去等の素地調整をした後、その部分にポリマーセメントを塗装して、ポリマーセメント層3(図1(a)中斜線部分)を形成し、前記ポリマーコンクリート層3が硬化した後、そのポリマーセメント層3の所定の部分を被覆するように、鋼製橋脚1aの下部周囲にコンクリート2を打設してコンクリート基礎2aが形成されている。なお、筒状鋼製橋脚1aの下端面にも、内外面に形成したポリマーセメント層3と同様にポリマーセメント層を形成してもよい。
前記の鋼製橋脚1aの素地調整およびポリマーセメント層3の塗装は、現場において施工してもよく、短尺の鋼製橋脚ブロック等の場合には、工場において施工し、現場に搬送して橋脚を組み立てるようにしてもよい。
前記のポリマーセメント層3の施工に際しては、特に一体性を高めるために、砕石や砂利等の骨材をポリマーセメントに混合しても良い。
このように、ポリマーセメントで覆う範囲は、鋼材の全面でなくてもよく、この実施形態のように、鋼材1とコンクリート2との境界面およびその周辺に、あるいは、腐食の起点となる部分および腐食の激しい部分等の必要な部分に部分的に塗装してもよく、ポリマーセメント層3の厚さも、例えば、1mm〜5mm(後記の鋼製系セグメントの場合には、1mm〜4mm、好ましくは、1mm〜2mm)と、各技術分野において設計上必要な所用の厚さでよい。
また、ポリマーセメントの施工方法もローラー塗り、はけ塗り、吹き付け塗装など何の方法を採用しても良い。
このように、防食すべき鋼材1の表面にポリマーセメント層3を形成し、そのポリマーセメント層3が硬化した後、ポリマーセメント層3の外側にコンクリート2を設けると、硬化したポリマーセメント層3の表面は硬化時の水和反応で消費されなかった水分が蒸発した跡が無数に存在するため多孔状となっているので、コンクリートの硬化時に前記多孔状部に水和生成物が浸入形成され、鋼材1とコンクリート2との付着性が強くなる。そのため、ポリマーセメント層3で鋼材1の表面を覆い、次いでコンクリート2を打設することにより、鋼材1とコンクリート2との一体性を高め、鋼材1(鋼製橋脚1a)の防食性能および構造性能の低下を防止することができる。また、従来のエポキシ系防食塗膜に比べて、ポリマーセメント層3自身の温度変化および外力による変形に対する追随性が高いので、鋼材1とコンクリート基礎2aとの剥離を防止することができる。
<第2実施形態>
図2および図3は、本発明における鋼材とコンクリートとの境界面における鋼材の防食構造および防食方法をセグメントに適用した合成セグメントの防食構造を示す第2実施形態である。
この実施形態の鋼製系セグメント4における鋼製系セグメント本体4aは、間隔をおいて平行に配置された鋼板製主桁6と、その両端側に渡って一体に設けられる鋼板製継手板7と、これらの主桁6と継手板7の地山側に一体に設けられる鋼製面板からなるスキンプレート10並びに前記主桁6に渡って架設されて溶接により固定されると共に前記スキンプレート10に溶接により固定されている断面ほぼLまたは逆J字状の鋼製補強リブ11等により構成されている。
そして、セグメント本体4a内部(内側)における腐食を特に防止したい部分であり、腐食の起点あるいは腐食が激しい部分となる恐れのある、鋼製系セグメント本体4aのトンネル半径方向内側から所定の中間部の位置まで(例えば、図示の場合は、ほぼ中央部まで)の各主桁6と継手板7と補強リブ11の各部材の部材巾方向中央部または中間部までのセグメント内表面を、前記実施形態と同様にこれらの部材の下地調整した後、ポリマーセメント層3が形成されている。このように、鋼製系セグメント本体4aのトンネル半径方向(セグメント壁厚方向)におけるセグメント内の所定の中間部まで、ポリマーセメント層3を設けると、内面全面を被覆する場合に比べて、低コストでコンクリート5との一体性の高い防食層を形成することができる。
通常、鋼製系セグメントの腐食は、トンネル内面のコンクリート表面からの、かぶり深さが浅い部分から腐食が進行するため、主桁6および継手板7の上面8を含めてコンクリートのかぶり部分から所要範囲をポリマーセメント層3で被覆すればよい。ここで、前記の「主桁6および継手板7の上面8」とは、トンネル完成時にトンネル内面側となる面である。
また、前記実施形態では、主桁6および継手板7の上面全体にポリマーセメント層3を形成し、その部分のポリマーセメント層3を埋め込むように、トンネル内側のコンクリート層12が、セグメント内部のコンクリート5の打設時に同時に設けられて、コンクリート5と一体に設けられている。
このような合成セグメント9を工場において製作する場合には、予め鋼製系セグメント本体4aの主桁6または継手板7に固定する型枠を高い側型枠をもちいればよく、このような防食性能および構造性能の高いプレキャスト製の合成セグメントを使用してシールドトンネルを構築すると、防食性能および構造性能の高いシールドトンネルとすることができる。
さらに、前記実施形態では、トンネル半径方向内側面である補強リブ11の上面8にもポリマーセメント層3を形成している。なお、補強リブ11の裏面側にもポリマーセメント層3を設けるようにしてもよい。なお、補強リブ11を平板状の補強リブとした場合には、板状補強リブのトンネル半径方向内側面となる上面8およびトンネル周方向の補強リブ両面に、ポリマーセメント層3を設けるようにするとよい。なお、トンネル半径方向の補強リブ11の内側面を主桁6または継手板7と同じつらになるような広幅の補強リブとしてもよい。
また、主桁6と継手板7とスキンプレート10の外面等のセグメント外面13は、セグメント製作時またはセグメント搬送時あるいは施工時に傷がつきやすいために、別途、防食塗装などを施せばよい。
本発明において、鋼製系セグメントとは、鋼製セグメントだけでなく、鋳鉄製のセグメントをも含む意で、セグメントは断面円弧状のセグメント(断面円形等のトンネルの場合)あるいはフラット状のセグメント(断面矩形等のトンネルの場合)でもよい。なお、図示を省略するが、主桁6と継手板7には、セグメント間およびリング間の継手用ボルトの挿入孔が開設される。また、嵌合継手でセグメント間およびリング間を結合することがあり、この場合は、ボルトの挿入孔は必要としない。
<第3実施形態>
図4および図5は、本発明における鋼材とコンクリートとの境界面における鋼材の防食構造および防食方法をセグメントに適用した合成セグメントの防食構造を示す第3実施形態を示すものである。
この第3実施形態では、セグメント本体4a内部(内側)のほぼ全面である、各主桁6の内側面全面と継手板7の内側面全面と補強リブ11のトンネル半径方向上面側全面および主桁6と継手板7のトンネル半径方向上面8を、前記実施形態と同様にこれらの部材の下地調整した後、ポリマーセメント層3が形成されているが、その他の構成は、前記実施形態と同様であるので、同様な部分には、同様な符号を付して説明を省略する。
この第3実施形態のように、鋼製系セグメント本体4aの内側のほぼ全面および上面8をポリマーセメント層3により防食被覆すると、コンクリート5と当接する鋼材表面を確実に防錆できると共に、コンクリート5と鋼製系セグメント本体4aとの一体化をさらに高めることができる。
前記各実施形態の場合には、セグメント内の主桁6および継手板7の内側面以外に、主桁6と継手板7のトンネル半径方向内側の上面8にポリマーセメント層3を設け、コンクリート5をセグメント内部全体のみならずトンネル内表面となるセグメント半径方向内側の外部側にも、内部コンクリート5と一体にコンクリート層12を形成するようにしたが、本発明を実施形態する場合、セグメント内にのみコンクリートを充填するようにしてもよく、この場合には、主桁6および継手板7のトンネル半径方向内側となる上面8にポリマーセメント層3を形成したままとしてもよく、あるいは前記した通常の防食塗装等としてもよい。
本発明の鋼材の防食構造を基礎コンクリートとの境界面の橋脚に適用した第1実施形態を示すものであって、(a)は概略斜視図であり、(b)は(a)の一部縦断側面図である。 本発明の鋼材の防食構造を中詰コンクリートとの境界面の鋼製系セグメントに適用する場合に、鋼製系セグメントにおけるトンネル内側となる一部表面にポリマーセメント層を設けると共に、セグメント内部および主桁と継手板の表面側にも内部コンクリートと一体にコンクリート層を設けた形態の合成セグメントにおけるコンクリートの一部を取り除いた状態を示す斜視図である。 (a)は図2の縦断正面図で、中詰コンクリートおよび表層側のコンクリート層の一部(右側)を取り除いた状態を示す縦断正面図であり、(b)は図2の縦断側面図で、中詰コンクリートおよび表層側のコンクリートの一部(右側)を取り除いた状態を示す縦断側面図である。 本発明の鋼材の防食構造を中詰コンクリートとの境界面の鋼製系セグメントに適用する場合に、鋼製系セグメントにおけるトンネル内側のほぼ全表面にポリマーセメント層を設けると共に、セグメント内部および主桁と継手板の表面側にも内部コンクリートと一体にコンクリート層を設けた形態の合成セグメントにおけるコンクリートの一部を取り除いた状態を示す斜視図である。 (a)は図4の縦断正面図で、中詰コンクリートおよび表層側のコンクリート層の一部(右側)を取り除いた状態を示す縦断正面図であり、(b)は図4の縦断側面図で、中詰コンクリートおよび表層側のコンクリートの一部(右側)を取り除いた状態を示す縦断側面図である。 (a)および(b)は従来の橋脚または鋼製系セグメントの防食構造を示す断面図である。
符号の説明
1 鋼材
1a 鋼製橋脚
1b 内外表面
2 コンクリート
2a 基礎コンクリート
3 ポリマーセメント層
4 鋼製系セグメント
4a 鋼製系セグメント本体
5 コンクリート
6 主桁
7 継手板
8 上面
9 合成セグメント
10 スキンプレート
11 補強リブ
12 コンクリート層
13 セグメント外面
14 防食塗装

Claims (8)

  1. コンクリートと当接する鋼材の表面にポリマーセメント層を設け、前記ポリマーセメント層の外側にコンクリートを設けたことを特徴とする鋼材とコンクリートとの境界面における鋼材の防食構造。
  2. 鋼製系セグメントの内部にコンクリートを充填する合成セグメントの防食構造において、鋼製系セグメント本体の内側表面にポリマーセメント層を設けて被覆し、前記ポリマーセメント層を埋め込むようにセグメント内部にコンクリートを充填したことを特徴とする合成セグメントの防食構造。
  3. 鋼製系セグメント本体を構成する主桁と継手板とスキンプレートの内側全面、またはこれらのトンネル半径方向内側から所定の中間部の位置までの内側表面にポリマーセメント層を設けて被覆し、前記ポリマーセメント層を埋め込むようにセグメント内部にコンクリートを充填したことを特徴とする請求項2に記載の合成セグメントの防食構造。
  4. 前記主桁及び継手板のトンネル半径方向内側となる上面に、ポリマーセメント層が設けられ、そのポリマーセメント層を埋め込むようにコンクリート層がセグメント内のコンクリートと一体に設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の合成セグメントの防食構造。
  5. 前記主桁に架設された補強リブの表面またはトンネル半径方向内側面に、ポリマーセメント層が設けられ、そのポリマーセメント層を埋め込むようにコンクリートが設けられていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の合成セグメントの防食構造。
  6. コンクリートと当接する鋼材の表面をポリマーセメント層で被覆し、次いで、前記ポリマーセメント層の外側にコンクリートを打設することを特徴とする鋼材とコンクリートとの境界面における鋼材の防食方法。
  7. 鋼製系セグメントの内部にコンクリートを充填する合成セグメントの防食方法において、鋼製系セグメントの内側全面またはトンネル半径方向内側から所定の中間部の位置までの内側表面をポリマーセメント層で被覆し、次いで、鋼製系セグメントの内部にコンクリートを充填することを特徴とする合成セグメントの防食方法。
  8. 前記主桁及び継手板のトンネル半径方向内側となる上面をポリマーセメント層で被覆し、そのポリマーセメント層を埋め込むようにコンクリート層がセグメント内のコンクリートと一体に設けることを特徴とする請求項7記載の合成セグメントの防食方法。
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