JP2005076220A - Pcタンクの施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】PCタンクの内壁面やドーム内面の前面に、耐久性や耐食性に優れた樹脂材を固着することで、構築後のメンテナンス費用を低減する。
【解決手段】PCタンクの壁面内径に合わせた樹脂材を円周方向に一定の長さで分割した複数枚の壁内面板と、前記壁内面板の外面に、円周方向の両端部だけを残して固着したコンクリートとにより構成される複数個の壁パネルを、底版上に壁内面板の端面が当接するように配置し、各コンクリートの隙間には間詰コンクリートを打設して一体化させ、コンクリートが所定の強度に達した後、壁体にプレストレスを導入するPCタンクの施工方法。
さらに、PCタンクのドームも同様にして構築し、各コンクリートの隙間には間詰コンクリートを打設して一体化させ、コンクリートが所定の強度に達した後、ドームにプレストレスを導入するPCタンクの施工方法。
【選択図】 図1
【解決手段】PCタンクの壁面内径に合わせた樹脂材を円周方向に一定の長さで分割した複数枚の壁内面板と、前記壁内面板の外面に、円周方向の両端部だけを残して固着したコンクリートとにより構成される複数個の壁パネルを、底版上に壁内面板の端面が当接するように配置し、各コンクリートの隙間には間詰コンクリートを打設して一体化させ、コンクリートが所定の強度に達した後、壁体にプレストレスを導入するPCタンクの施工方法。
さらに、PCタンクのドームも同様にして構築し、各コンクリートの隙間には間詰コンクリートを打設して一体化させ、コンクリートが所定の強度に達した後、ドームにプレストレスを導入するPCタンクの施工方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、上水等の貯留槽で、構築後のメンテナンスを低減でできるPCタンクの施工方法に関するものである。
従来、上水等を貯留するタンクは、鉄筋コンクリート製のものが多く用いられていたが、生活規模が拡大し産業の発達に伴い、より大きい容器が必要となり、耐久性、保守性、経済性に優れたPCタンクが多く採用されるようになってきた。
一般的なPCタンクの構築方法は、底版コンクリートを打設して、底版上に型枠を組み立てて、現場にてコンクリートを打設して壁体を構築し、その円周方向にPC鋼材を配置してプレストレスを導入する方法である。また、近年、壁体部を円周方向に分割したプレキャストパネルで製作し、現場でプレキャストパネルを組み立てて壁体を一体化して形成する方法が多く採用されている。
PCタンクの内面は、上水等に使用されている塩素によって、コンクリートや内部の鋼材の劣化が早期に進行するため、壁体の内周面やドームの内面にエポキシ系樹脂等を塗布する防水方法が用いられている。しかし、大容量のPCタンク内面にエポキシ系樹脂を塗布するためには、塗布作業に多くの日数を必要とするという問題や、特に、ドーム内面の塗布作業は非常に作業性が悪いという問題があった。
このため、壁体やドームをプレキャストパネル化して、パネル内周面に繊維等を植毛した薄肉の防水シートを型枠を兼ねて使用し、PCタンクのパネルを製作する方法が提案されている。この方法により、プレキャストパネル部分の防水塗布作業は無くなって、防水材を塗布する面積は少なくなったが、各プレキャストパネル間の間詰め部にエポキシ系樹脂の塗装はしなければならなく、従来と同様の範囲での塗装作業が必要であり、作業性の問題が残っている。また、防水シートやエポキシ系樹脂材は、非常に薄いために施工中に損傷しやすく、その効果が維持しにくいという問題や、耐久性が10〜20年と短いことから、頻繁に補修作業を行わなければならないという問題がある。
特公平5−71362号公報
解決しようとする課題は、PCタンクの内壁面やドーム内面の補修において、防水塗装作業に多くの日数を必要とすることや頻繁に行われる塗装作業の環境が悪いという点である。
本発明は、PCタンクの内壁面及びドーム内面の全面に、耐久性や耐食性に優れた樹脂材を固着させてメンテナンス費用を低減させることを最も主要とする。
本発明のPCタンクの施工方法は、壁パネルやドームパネルの製作時に内面に樹脂材を固着させて製作するため、壁パネルやドームパネルの組み立てとともに、内壁面の全面が樹脂材で覆われた状態となり、側壁や屋根の構築後に新たに内面の防水作業を行う必要がなくなるとともに、比較的強固で耐久性の良い樹脂材を使用するため長期間にわたって止水性が維持でき、メンテナンス費用が低減できるという利点がある。
壁体や屋根の内面の防水材塗布作業をなくすことや、PCタンク構築後のメンテナンスを少なくするという目的で、効率の良い作業で耐久性や耐食性のあるPCタンクを実現した。
図1は、本発明のPCタンク施工方法の実施例の平面図である。PCタンク1の壁体内径に合わせた樹脂材を円周方向に一定の間隔で分割した壁内面板4の外面に、円周方向の両端部の一部だけを残してコンクリート5を打設した壁パネル3及びピラスターパネル2を、底版(図示省略)上に前記壁内面板4の端面が当接するように配置し、各コンクリート5の隙間には間詰コンクリート8を打設して一体化した体壁を形成する。
壁内面板4が当接する端部には、樹脂等のコーキング剤10を挟み込むことにより、止水性を確保する。壁内面板4の外面には、打設するコンクリート5との付着をよくするために、樹脂材の繊維の一部を取り出しておいたり、付着性の良い塗布材を塗布しておく。
壁体にプレストレスを導入するためのPC鋼材定着手段を装備したピラスターパネル2を、円周方向に配列した壁パネル3の間に、所定の間隔をおいて設置する。本実施例では、円周方向の対称位置に4箇所設置する事例を開示したが、PCタンク1の内径に応じて、有効なプレストレスが導入できるように変化させる。
図2は、壁パネル3の製作方法を示す断面図である。PCタンク1の内径と同じ曲率を有する製作台6を製作し、その上に樹脂材よりなる壁内面板4を底型枠を兼ねて敷き、円周方向の両端部だけを残して側型枠を組み立て、その中にコンクリート5を打設する。コンクリート5の硬化後、その上に壁内面板4を積み重ね、側型枠を組んでコンクリート5を打設して壁パネル3を製作する。以下同様に上部に壁パネル3を積み重ねて製作していく。本図では省略するが、壁パネル3の両端部には、隣接する壁パネル3との一体化を図るために接続鉄筋が突出されている。また、壁体の中心部には、壁体にプレストレスを投入するためのPC鋼材を挿通するためのシース材が予め設置されている。
図3は、壁パネルの接続方法を説明する平面図である。隣接する壁パネル3の壁内面板4が当接するように壁パネル3を設置する。壁内面板4の継手部には、コーキング剤10が充填されて止水性を確保する。隣接する壁パネル3の外側端部には、両壁パネル3を跨ぐように外型枠7が設置され、その型枠7は内外に設けた支保工材9によって固定されている。外型枠7と壁内面板4によって形成された空間には、間詰コンクリート8が打設されて、壁体が一体化される。
間詰コンクリート8の硬化を確認後、ピラスターパネル2の定着手段(図示省略)によって、壁体にブレストレスを導入して一体化した強固なPC構造物が構築される。
図4は、ドームパネルの組み立て方法を説明する平面図である。壁パネル3と同様にして、ドーム内径と同率の製作台上に、ドーム内面板12を底型枠を兼ねて敷き、円周方向及び半径方向の4方の端部だけを残して側型枠を組み立て、その中にコンクリート5を打設する。コンクリート5の硬化後、その上にドーム内面板12を積み重ねてドームパネル11を製作する。全てのドームパネル11の製作が完了すると、各ドームパネル11のドーム内面板12同士が当接するように架設し、各ドーム内面板12の継手部には、コーキング剤10が充填されている。ドームパネル11の4方の端部には、間詰コンクリートを打設してドームを一体化させる。当然4方の端部には、隣接するドームパネル11との一体化を図るために、接続鉄筋が突出されている。
耐久性や耐食性に優れており、下水や上水等の液体を貯留する容器、およびセメント等の粉体を貯留する容器にも適用できる。
1 PCタンク
2 ピラスターパネル
3 壁パネル
4 壁内面板
5 コンクリート
6 製作台
7 外型枠
8 間詰コンクリート
9 支保工材
10 コーキング剤
11 ドームパネル
12 ドーム内面板
2 ピラスターパネル
3 壁パネル
4 壁内面板
5 コンクリート
6 製作台
7 外型枠
8 間詰コンクリート
9 支保工材
10 コーキング剤
11 ドームパネル
12 ドーム内面板
Claims (2)
- 底版、側壁、屋根とで構成されるプレストレストコンクリートタンク(以下PCタンクという)の施工方法において、PCタンクの壁面内径に合わせた樹脂材を円周方向に一定の長さで分割した複数枚の壁内面板と、前記壁内面板の外面に、円周方向の両端部だけを残して固着したコンクリートとにより構成される複数個の壁パネルを、底版上に壁内面板の端面が当接するように配置し、各コンクリートの隙間には間詰コンクリートを打設して一体化させ、コンクリートが所定の強度に達した後、壁体にプレストレスを導入するPCタンクの施工方法。
- 底版、側壁、屋根とで構成されるプレストレストコンクリートタンク(以下PCタンクという)の施工方法において、PCタンクのドーム内面に合わせた樹脂材を円周方向および半径方向に一定の長さで分割した複数枚のドーム内面板と、前記ドーム内面板の外面に、円周方向および半径方向の両端部だけを残して固着したコンクリートとにより構成される複数個のドームパネルを、壁上にドーム内面板の端面が当接するように配置し、各コンクリートの隙間には間詰コンクリートを打設して一体化させ、コンクリートが所定の強度に達した後、ドームにプレストレスを導入するPCタンクの施工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003305264A JP2005076220A (ja) | 2003-08-28 | 2003-08-28 | Pcタンクの施工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003305264A JP2005076220A (ja) | 2003-08-28 | 2003-08-28 | Pcタンクの施工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005076220A true JP2005076220A (ja) | 2005-03-24 |
Family
ID=34408731
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003305264A Pending JP2005076220A (ja) | 2003-08-28 | 2003-08-28 | Pcタンクの施工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005076220A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006291582A (ja) * | 2005-04-12 | 2006-10-26 | Ps Mitsubishi Construction Co Ltd | 大型筒状コンクリート構造物の構築方法。 |
JP2015175138A (ja) * | 2014-03-14 | 2015-10-05 | 鹿島建設株式会社 | タンク、防液堤の構築方法 |
US10184240B2 (en) | 2014-11-06 | 2019-01-22 | Kajima Corporation | Tank and method for constructing dike |
-
2003
- 2003-08-28 JP JP2003305264A patent/JP2005076220A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006291582A (ja) * | 2005-04-12 | 2006-10-26 | Ps Mitsubishi Construction Co Ltd | 大型筒状コンクリート構造物の構築方法。 |
JP4512899B2 (ja) * | 2005-04-12 | 2010-07-28 | 株式会社ピーエス三菱 | 液化天然ガス地上式貯蔵タンク用大型筒状コンクリート構造物の構築方法。 |
JP2015175138A (ja) * | 2014-03-14 | 2015-10-05 | 鹿島建設株式会社 | タンク、防液堤の構築方法 |
US10184240B2 (en) | 2014-11-06 | 2019-01-22 | Kajima Corporation | Tank and method for constructing dike |
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